JP2018093800A - 甘味料組成物 - Google Patents

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Akifumi Uemura
彰文 植村
陽子 森兼
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Abstract

【課題】高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供する。
【解決手段】羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、甘草抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、カイロイノシトール及びピニトールの少なくとも一方とを含有し、高甘味度甘味料1質量部に対するカイロイノシトール及びピニトールの配合量が合計で0.3〜60質量部である、甘味料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物に関する。
近年、糖尿病やメタボリックシンドロームといった生活習慣病の増加が社会問題となっている。生活習慣病の改善には、摂取カロリーの低減が必要となることが多く、そのために、ショ糖の代わりに、より低カロリーの代替甘味料が用いられる場合がある。
低カロリー甘味料として、ショ糖と比べて甘味度が極めて高い高甘味度甘味料がある。高甘味度甘味料には、ステビア抽出物、甘草抽出物、羅漢果抽出物等の天然由来の甘味料と、アスパルテームやアセスルファムカリウム等の化学的に合成された人口甘味料とがある。
天然由来の高甘味度甘味料の中でも、羅漢果抽出物及びステビア抽出物には、甘味度が極めて高いが、後味として残る苦みや渋みが強いという特徴がある。この独特の苦みや渋みがあるために、羅漢果抽出物及びステビア抽出物は、単独では、ショ糖の代替調味料としては不十分である。特許文献1には、羅漢果抽出物にエリスリトール等の低カロリー甘味料を添加することによって、羅漢果抽出物の味質を改善することが記載されている。また、人工甘味料の中にも、アセスルファムカリウムのように苦味のあるものがあり、エリスリトール等の他の甘味料と併用される場合がある。
特開平11−46701号公報
羅漢果抽出物、ステビア抽出物、アセスルファムカリウムといった苦みを有する高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物では、高甘味度甘味料の苦みを完全にマスキングすることは困難であった。また、高甘味度甘味料は、ショ糖と比べて高い甘味度を有するものの、ショ糖とは甘味の質が異なり、単独で使用した場合に不自然な味質であると感じさせてしまう。
それ故に、本発明は、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、甘草抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、カイロイノシトール及びピニトールの少なくとも一方とを含有し、高甘味度甘味料1質量部に対するカイロイノシトール及びピニトールの配合量が合計で0.3〜60質量部である。
本発明によれば、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供できる。
本発明に係る甘味料組成物は、高甘味度甘味料と、カイロイノシトール及びピニトールの少なくとも一方とを含有する。
<高甘味度甘味料>
高甘味度甘味料は特に限定されず、天然の高甘味度甘味料及び人工の高甘味度甘味料のいずれも利用できる。天然の高甘味度甘味料としては、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、肝臓抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン等が挙げられる。人工の高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロ等が挙げられる。
これらの中でも、ウリ科植物の果実由来の甘味料である羅漢果抽出物が味質の面でより好ましい。羅漢果抽出物は、食品添加物(甘味料)として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、モグロシドVの含有量が20%〜98%のものを使用できる。また、ステビア抽出物も植物由来であることから消費者に受け入れられやすく、高甘味度甘味料として好適である。ステビア抽出物は、食品添加物(甘味料)として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、総ステビア含量(ステビオール配糖体含量)が80%以上の高純度ステビアや、レバウディオサイドA含量が95%以上のステビア甘味料、ステビア抽出物をα−グルコシルトランスフェラーゼで酵素処理した酵素処理ステビア(α−グルコシルステビオサイドを主成分とし、ステビオール配糖体含量が80%以上)等を使用できる。
尚、高甘味度甘味料は、上述した1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。高甘味度甘味料の甘味の立ち上がりや後引きは、種類毎に異なるため、甘味の立ち上がりや後引きの異なる高甘味度甘味料を組み合わせることにより、甘味質を調整することができる。
これらの高甘味度甘味料は、ショ糖の数十〜数百倍の甘味度を有するが、ショ糖にはない不自然な甘味を呈し、苦みや渋み等の雑味も有する。そこで、本発明に係る甘味料組成物では、高甘味度甘味料が有する苦みや渋み等の雑味をマスキングし、まろやかさを付与して自然な甘味質に近づけるため、高甘味度甘味料にカイロイノシトール及びピニトールの一方または両方を配合する。
<カイロイノシトール、ピニトール>
カイロイノシトール(D−chiro−Inositol)は、イノシトールの異性体の1つである。カイロイノシトールは、細胞内のセカンドメッセンジャーとして作用するフォスファチジルイノシトールの構成要素である。
ピニトール(Pinitol)は、カイロイノシトールの3番炭素に結合したヒドロキシル基がメチル化された化合物である。ピニトールは、松やカーネーション、クローバー、レンゲ、大豆等の豆科植物に多く存在する天然の成分である。
Figure 2018093800
カイロイノシトール及びピニトールには、血糖値降下作用があることが知られており(例えば、特開2001−261554号公報、特表2004−519251号公報参照)、医薬品や食品の材料としての使用が種々試みられている。
本願の発明者らは、高甘味度甘味料にカイロイノシトール及びピニトールの少なくとも一方を配合して甘味料組成物を組成すると、高甘味度甘味料が持つ苦みや渋み等の雑味を低減することができ、かつ、高甘味度甘味料の甘味にまろやかさを付与して甘味料組成物の味質をより自然な甘味へと改善できることを見出した。カイロイノシトール及びピニトールに高甘味度甘味料の苦み等のマスキング作用があることを見出した結果、他のマスキング材料を配合することなく、高甘味度甘味料にカイロイノシトール及びピニトールを併用するだけで、苦み等のマスキング作用と血糖値降下作用とが得られる甘味料組成物を得ることができる。ショ糖等の甘味料は、食事や菓子等の甘味付けに日常的に使用されるものである。したがって、このような使用頻度の高い甘味料として、本発明の甘味料組成物を使用すれば、意識することなく、血糖値降下作用のあるカイロイノシトールまたはピニトールを一定量摂取することができる。
本発明に係る甘味料組成物には、カイロイノシトール及びピニトールのいずれか一方のみを配合しても良いし、両方を配合しても良い。カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して0.3〜60質量部とする。カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量が高甘味度甘味料1質量部に対して0.3質量部未満の場合、高甘味度甘味料の苦みや渋みを低減できず、甘味料組成物にまろやかさを付与することができない。一方、カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量が高甘味度甘味料1質量部に対して0.3質量部未満の場合、高甘味度甘味料の苦みや渋みを低減できず、甘味料組成物にまろやかさを付与することができない。一方、カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量が高甘味度甘味料1質量部に対して60質量部を越える場合、カイロイノシトール及び/またはピニトールにより付与されるまろやかさが強くなり、甘味料組成物の甘味質がショ糖のような自然な甘味質とはやや異なってしまう。また、カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量が高甘味度甘味料1質量部に対して60質量部を越えると、甘味料組成物に占めるカイロイノシトール及び/またはピニトールの割合が増えるため、甘味料組成物の溶解性を低下させる。
上記の範囲内でも、カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、高甘味度甘味料1質量部に対して5〜20質量部であることがより好ましい。カイロイノシトール及びピニトールの合計の配合量をより好ましい範囲内とすることで、甘味料組成物の味質をより自然な甘味にすることができる。
以下、本発明に係る甘味料組成物に添加可能な化合物を説明する。
<ミオイノシトール>
ミオイノシール(myo−Inositol)は、イノシトールの異性体の1つであり、無臭で、後味がなく、すっきりとした甘味を呈する。ミオイノシトールには、高甘味度甘味料が有する苦み渋み等の雑味をマスキングし、コクとまろやかさを付与する効果を有する。上述したカイロイノシトール及び/またはピニトールと比べてミオイノシトールの方が安価であるため、カイロイノシトール及び/またはピニトールとミオイノシトールとを併用することによって、甘味料組成物に血糖値降下作用を付与しつつ、原料コストを抑制することができる。ミオイノシトールは、高甘味度甘味料1質量部に対して、カイロイノシトール、ピニトール及びミオイノシトールの合計の配合量が60質量部以下となるように配合することができる。カイロイノシトール、ピニトール及びミオイノシトールの合計の配合量がこの範囲を越える場合、カイロイノシトール、ピニトール及びミオイノシトールにより付与されるまろやかさが強くなり、甘味料組成物の甘味質がショ糖のような自然な甘味質とはやや異なってしまう。
<環状オリゴ糖>
本発明に係る甘味料組成物には、更に環状オリゴ糖を配合しても良い。環状オリゴ糖としては、複数のD−グルコースが環状に結合したシクロデキストリン、シクロデキストリンにマルトースが結合した分岐シクロデキストリンを使用できる。これらの環状オリゴ糖は、分子の中心に空洞を有しているが、この空洞の内側は親油性で、外側は親水性である。したがって、環状オリゴ糖(ホスト)は、空洞の内部に疎水性の有機化合物(ゲスト)を分子間力によって取り込み、包接錯体を形成する包接作用と、取り込んだゲスト分子を条件に応じて放出する除放作用とを有する。環状オリゴ糖は、ゲスト分子として高甘味度甘味料の甘味成分を包摂することによって溶解性を向上させたり、天然の高甘味度甘味料(抽出物)に含まれる苦み成分や臭い成分を包摂することによって高甘味度甘味料の味質を改善したりすることができる。
シクロデキストリンとしては、6個のグルコースが結合したα−シクロデキストリン、7個のグルコースが結合したβ−シクロデキストリン、8個のグルコースが結合したγ−シクロデキストリンのいずれも利用できる。これらのうち、α−シクロデキストリンは、水溶性であるため甘味料組成物を溶解させるために特に有効である一方、難消化性であるため食物繊維のような整腸作用を有する。また、α−シクロデキストリンは、経口摂取された後に体内の脂肪分子を包摂して体外に排出する機能を有することが知られており、甘味料組成物に配合するとより好ましい。また、分岐シクロデキストリンについても、α型、β型及びγ型のいずれも使用できる。
環状オリゴ糖の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して0.5〜230質量部であることが好ましい。環状オリゴ糖の配合量をこの範囲内とすることによって、甘味料組成物の溶解性を向上させると共に、高甘味度甘味料に雑味成分が含まれている場合は、この雑味成分をマスキングすることができる。
<フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖>
本発明に係る甘味料組成物には、更にフラクトオリゴ及びイソマルトオリゴ糖のいずれか一方または両方を配合しても良い。フラクトオリゴ糖は、ショ糖にフラクトースが1〜3個結合した難消化性のオリゴ糖であり、1−ケストース、ニストース、フラクトシルニストース等の混合物である。イソマルトオリゴ糖は、グルコースを構成糖としたα−1,6結合を有する糖質であり、イソマルトースやイソマルトトリオースがある。フラクトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖は、ビフィズス菌や乳酸菌等の腸内善玉菌に優先的に利用され、これらを増殖させる作用があることから、甘味料組成物に配合することによって、お腹の調子を整える機能を付与することができる。
また、フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖は、くせのない、まろやかな甘味を有しており、高甘味度甘味料と併用すると、高甘味度甘味料が有する苦みや渋みをマスキングし、味をまろやかに調整し、甘味料組成物の味質をショ糖に近似させる効果が得られる。
フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、10〜200質量部とすることが好ましい。フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖の配合量をこの範囲内とすると、甘味料組成物にショ糖に似たコクやまろやかさを付与することができる。
尚、フラクトオリゴ糖を使用するか、イソマルトオリゴ糖を使用するかは、甘味料組成物の用途に応じて決定すれば良い。例えば、フラクトオリゴ糖は、焼き菓子等の色づきを抑えたい場合や、甘味料組成物に溶解度の高さが求められる場合、甘味料組成物の甘味度を向上させたい場合、析出を防ぎたい場合に適している。一方、イソマルトオリゴ糖は、メイラード反応を促進させて焼き菓子等の色づきを良くしたい場合に適している。
また、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖は、粉末や顆粒だけでなく、液体(液糖)のものを使用しても良い。
<ポリデキストロース>
本発明に係る甘味料組成物には、更にポリデキストロースを配合しても良い。ポリデキストロースは、難消化性の水溶性食物繊維の1種であり、甘味度は殆どないが、甘味料組成物に配合すると、砂糖に近いボディ感や光沢感、加熱調理により生じる砂糖特有のテリを甘味料組成物に付与することができる。また、ポリデキストロースには、腸内の悪玉菌を減らし、その結果善玉菌を増やす働きが認められており、甘味料組成物に配合することによってお腹の調子を整える機能を付与することができる。
ポリデキストロースの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、5〜500質量部とすることが好ましい。ポリデキストロースの配合量がこの範囲を下回ると、ボディ感をショ糖に近似させることができなくなる。一方、ポリデキストロースの配合量がこの範囲を超えると、吸湿性が高くなり過ぎて取り扱いがしにくくなったり、甘味料組成物の質感をショ糖に近似させることができなくなったり、甘味料組成物が黄色みを帯びたりする。るという。
また、本発明に係る甘味料組成物を用いてシロップを製造する場合、シロップの全質量の40〜95%をポリデキストロースとすることによって、シロップに特有のボディを形成することができる。
<糖アルコール>
本発明に係る甘味料組成物には、更に糖アルコールを配合しても良い。糖アルコールとしては、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール及びエリスリトールを使用できる。
エリスリトールは、ブドウ糖を発酵させることに製造される甘味料であり、ショ糖の60〜80%程度の甘味度を有する。エリスリトールの甘味には、立ち上がりが早く、かつ、切れが良いという特徴があり、清涼感のあるすっきりした後味が特徴である。したがって、エリスリトールを高甘味度甘味料と併用した場合、甘味料組成物の甘味持続性を砂糖に近く感じさせることができる。また、エリスリトールは、吸湿性が低いため、甘味料組成物に配合することにより、他の成分の吸湿性を相殺し、甘味料組成物全体の取り扱いやすさを向上させることができる。
キシリトールは、5個の炭素を有する糖アルコールであり、野菜や植物に含まれるほか、人体内でも生合成される。キシリトールは、ショ糖と同程度の甘味を呈するが、冷涼感があり、切れの良い後味を有する。したがって、甘味料組成物にキシリトールを配合することにより、口中でショ糖が溶解した際に感じる冷涼感を再現することができると共に、甘味料組成物の甘味持続性をショ糖に近く感じさせることができるため、甘味料組成物の味質をショ糖により近似させることができる。
ラクチトールは、ソルビトールとガラクトースからなる糖アルコールの1種であり、上述したエリスリトールやキシリトールと同様の作用を奏する。これに加え、ラクチトールの融点は、142℃であり、キシリトール(92℃)やエリスリトール(119℃)より高いことから、焼き菓子の材料として用いる甘味料組成物への配合が特に好適である。焼き菓子の材料として焼成温度より融点の低い糖を使用した場合、焼き菓子が上手く焼けない場合がある。例えば、マカロン生地を120℃で焼成する場合、生地にキシリトールやエリスリトールを含有する甘味料組成物を使用すると、キシリトールやエリスリトールが焼成過程で溶融して、溶融物がマカロン生地の気泡を潰してしまうため、マカロンを上手く焼くことができない。これに対して、ラクチトールを含有する甘味料組成物を使用すれば、マカロンの焼成温度で溶融しないため、生地の気泡が潰れず、マカロンが上手く焼き上がる。
キシリトール、ラクチトール、エリスリトールのいずれを使用するかは、甘味料組成物の用途に応じて決定すれば良い。これらのうちの2種類以上を併用しても良い。キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、30〜300質量部とすることが好ましい。キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合量をこの範囲内とすると、ショ糖の味質により近似させることができる。
本発明に係る甘味料組成物は、粉体として調製する場合、高甘味度甘味料と、カイロイノシトール及び/またはピニトールと、必要に応じて配合されるその他の材料とを粉体のまま混合することにより得ることができる。各材料を粉体混合する前、あるいは、粉体混合中に、ハンマーミル等を用いて各材料を粉砕しても良い。また、各材料を粉砕及び混合した後、得られた粉体に所定のメッシュをパスさせることが好ましい。
また、本発明に係る甘味料組成物は、液体(シロップ)として調製する場合、高甘味度甘味料と、カイロイノシトール及び/またはピニトールと、必要に応じて配合されるその他の材料とを所定量の水及び/またはポリデキストロースに溶解させ、混合液を80℃以下で30分間殺菌した後、所定のメッシュをパスさせることによって得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る甘味料組成物は、高甘味度甘味料に所定量のカイロイノシトール及び/またはピニトールを配合することによって、高甘味度甘味料が有する苦みや渋み等の雑味をマスキングし、かつ、甘味料組成物にまろやかさを付与して自然な甘味質とすることができる。
(その他の変形例)
尚、上記の実施形態において、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの代わりに、他の糖アルコールを使用しても良い。使用可能な糖アルコールとしては、マンニトール、ソルビトール糖の単糖アルコールや、マルチトール、還元パラチノース糖の二糖アルコール、還元水あめ等のオリゴ糖アルコールが挙げられる。
また、上記の実施形態において、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖の代わりに、マルトオリゴ糖、シクロデキストリン、グリコシルスクロース、トレハロース、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、コージオリゴ糖、環状四糖、マルトシルトレハロース、リン酸化オリゴ糖カルシウム、フラクトオリゴ糖、パラチノース、トレハロース、ラフィノース、ラクトスクロース、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、マンノオリゴ糖、シクロイヌロオリゴ糖、ダイフラクトースアンハイドライドIII、アガロオリゴ糖を使用しても良い。
また、上記の実施形態において、ポリデキストロースの代わりに、他の食物繊維または多糖類を使用しても良い。使用可能な食物繊維または多糖類としては、マルトデキストリン、分岐デキストリン、難消化性デキストリン、高度分岐環状デキストリン、難消化性でん粉、イヌリン、還元難消化性デキストリン、大豆多糖類が挙げられる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
実施例及び比較例では、以下の材料を使用した。
・羅漢果抽出物:Hunan Huacheng Biotech,Inc.製(モグロシド含有量30%)
・カイロイノシトール:Amicogen,Inc.製
・ピニトール:Amicogen,Inc.製、「カロピニトール−P」
・ミオイノシトール:築野食品工業株式会社製
・環状オリゴ糖(α−シクロデキストリン):株式会社シクロケム製、「CAVAMAX(登録商標) W6 Food」
・ポリデキストロース:TATE&LYLE JAPAN(ポリマー含有率90%以上)・フラクトオリゴ糖:株式会社明治フードマテリア製、「メイオリゴP(粉)」
・キシリトール:物産フードサイエンス株式会社
(実施例1〜19:ピニトール及びカイロイノシトールのマスキング効果)
まず、羅漢果抽出物1質量部を9倍量の水に溶解させて、羅漢果抽出物の10%(w/w)水溶液を調製した。次に、羅漢果抽出物の水溶液に、ピニトール及びカイロイノシトールを表1〜3に示す割合で混合して溶解させ、実施例1〜19及び比較例1〜6に係る甘味料組成物の水溶液を得た。尚、表1〜3に示す配合量の単位は、「質量部」である。また、羅漢果抽出物の濃度を10%としたのは、マスキング効果を官能評価する際に、試験者が羅漢果抽出物が有する苦みを強く感じられるようにするためである。
得られた甘味料組成物の水溶液のそれぞれについて、識別力のある3人の試験者が官能試験を行い、甘味料組成物の苦みがマスキングされているか否かを評価した。具体的には、各試験者が甘味料組成物の水溶液の味質を以下の判定基準に基づいて5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。
[評価基準]
+2:苦みを感じず、まろやかな甘味を呈する
+1:苦みを僅かに感じるが、まろやかさがあり違和感のない甘味を呈する
0:苦みをやや感じるが十分に低減されている
−1:苦みが感じられる、または、ショ糖とは異なる不自然な甘味を呈する
−2:苦みが強く感じられる、または、ショ糖とは異なる不自然な甘味を呈する
表1〜3に、各実施例及び各比較例の材料の配合比と味質の評価結果とを併せて示す。
Figure 2018093800
Figure 2018093800
Figure 2018093800
表1及び2に示すように、羅漢果抽出物1質量部に対してピニトールまたはカイロイノシトールを0.3〜60質量部の範囲内で配合することにより、羅漢果抽出物が有する苦みがマスキングされた。また、羅漢果抽出物1質量部に対してピニトールまたはカイロイノシトールを1〜40質量部の範囲内で配合した場合、苦みのマスキング効果とまろやかさとが向上し、羅漢果抽出物1質量部に対してピニトールまたはカイロイノシトールを5〜20質量部の範囲内で配合した場合、苦みのマスキング効果とまろやかさとが更に向上した。
更に、表3に示すように、ピニトール及びカイロイノシトールを併用した場合でも、羅漢果抽出物1質量部に対するピニトール及びカイロイノシトールの合計の配合量が0.3〜60質量部の範囲内であれば、同様のマスキング効果とまろやかさ向上効果とが得られた。
これに対して、比較例1、3及び5においては、ピニトール及び/またはカイロイノシトールの配合量が少なすぎるため、羅漢果抽出物の苦みを有意にマスキングすることができなかった。また、比較例2、4及び6においては、ピニトール及び/またはカイロイノシトールの配合量が多すぎることによって、ショ糖とは異なる不自然な甘味を呈した。
(実施例20)
以下の材料を粉体混合して実施例20に係る甘味料組成物を得た。尚、ミオイノシトール及びカイロイノシトールについては、粉体混合前にハンマーミルで粉砕した。
・羅漢果抽出物 ・・・ 1質量部
・ピニトール ・・・ 6質量部
・カイロイノシトール ・・・ 6質量部
・ミオイノシトール ・・・30質量部
・α−シクロデキストリン ・・・30質量部
・フラクトオリゴ糖 ・・・45質量部
・ポリデキストロース ・・・20質量部
・キシリトール ・・・20質量部
得られた甘味料組成物1質量部を9倍量の水に溶解させて味質を官能評価したところ、羅漢果抽出物の苦みを感じず、まろやかで自然な甘味を呈した。
(実施例21)
以下の材料のうち、ポリデキストロース以外の粉体を水に加え、加熱しながら完全に溶解させた後、ポリデキストロースを加えて混合した。85〜90℃で30分間保持して殺菌した後、室温まで冷却して実施例21に係る甘味料組成物のシロップを得た。
・羅漢果抽出物 ・・・ 1質量部
・ピニトール ・・・ 10質量部
・カイロイノシトール ・・・ 10質量部
・ミオイノシトール ・・・ 10質量部
・α−シクロデキストリン ・・・ 5質量部
・水 ・・・ 65質量部
・ポリデキストロース ・・・500質量部
得られた甘味料組成物1質量部のシロップを官能評価したところ、羅漢果抽出物の苦みを感じず、まろやかで自然な甘味を呈した。
以上より、高甘味度甘味料と、ピニトール及び/またはカイロイノシトールとを上述した配合比で配合することにより、高甘味度甘味料の苦み等の雑味を低減し、まろやかで自然な甘味質を実現できることが確認された。
本発明は、羅漢果抽出物やステビア抽出物等の天然の高甘味度甘味料またはアセスルファムカリウム等の人工甘味料を含有する甘味料組成物に利用できる。

Claims (5)

  1. 甘味料組成物であって、
    羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、甘草抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、
    カイロイノシトール及びピニトールの少なくとも一方とを含有し、
    前記高甘味度甘味料1質量部に対するカイロイノシトール及びピニトールの配合量が合計で0.3〜60質量部である、甘味料組成物。
  2. 前記高甘味度甘味料1質量部に対して、環状オリゴ糖0.5〜230質量部を更に含有する、請求項1に記載の甘味料組成物。
  3. 前記高甘味度甘味料1質量部に対して、フラクトオリゴ糖またはイソマルトオリゴ糖10〜200質量部を更に含有する、請求項1または2に記載の甘味料組成物。
  4. 前記高甘味度甘味料1質量部に対して、ポリデキストロース5〜500質量部を更に含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の甘味料組成物。
  5. 前記高甘味度甘味料1質量部に対して、エリスリトール、キシリトールまたはラクチトール30〜300質量部を更に含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の甘味料組成物。
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