JP2017092246A - 基板搬送装置、基板処理システム、および基板搬送方法 - Google Patents

基板搬送装置、基板処理システム、および基板搬送方法 Download PDF

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直嗣 前川
幸嗣 安藤
Yukitsugu Ando
幸嗣 安藤
励 武明
Rei Takeaki
励 武明
陽介 安武
Yosuke YASUTAKE
陽介 安武
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Abstract

【課題】搬送ロボットのハンドの位置決め精度を向上させる。【解決手段】基板搬送装置は、基板を保持するハンドと、ハンドを先端で支持して目標位置に向けて移動させるアームとを備える搬送ロボットと、制御部とを備える。搬送ロボットは、回転軸を中心とする回転動作をアームに行わせることによって回転軸を中心とする円周方向にハンドを移動可能であり、回転軸に対する先端の進退動作をアームに行わせることによって回転軸に対するハンドの距離を変更可能である。制御部は、アームに少なくとも1回の回転動作と、少なくとも1回の進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、アームに目標位置へ向けたハンドの移動を行わせる。アームが行う最後の回転動作は、回転軸を中心に目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である。【選択図】図1

Description

本発明は、基板を搬送する技術に関する。
特許文献1には、搬送ロボットの周囲に配置された複数の基板処理装置に搬送ロボットによって基板を搬送する基板処理システムが開示されている。当該搬送ロボットは、インデクサロボット、若しくは基板反転ユニットから基板を受け取って各基板処理装置に基板を搬送する。その際に、当該搬送ロボットは、基板を保持するためのハンドを、回転軸を中心とする円周方向に回転させることによってインデクサロボット、複数の基板処理装置および基板反転ユニットの何れかに対してハンドを向け、その状態でハンドを進退させる。これにより、搬送ロボットは基板の受け渡しを行う。
特開2006−100368号公報
特許文献1のインデクサロボットと基板反転ユニットは搬送ロボットを挟んで互いに向かい合っている。このため、搬送ロボットは、インデクサロボットから目標の基板処理装置に基板を搬送する場合と、基板反転ユニットから当該装置に基板を搬送する場合とで、互いに異なる回転方向にハンドを回転させることによってハンドを当該装置に向ける。この状態から当該搬送ロボットは、ハンドを当該目標の基板処理装置に向けて移動させて当該装置に基板を渡す。このように双方向にハンドを回転させる場合には、回転機構のバックラッシュ等に起因して基板を搬送するハンドの位置決め精度が低下する場合がある。そしてこれは、基板処理装置から他の基板処理装置に直接基板を搬送する場合や、インデクサユニットから見て左右の基板処理装置に基板を搬送する際、双方向にハンドを回転させる場合にも生じる問題である。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、基板を搬送する搬送ロボットのハンドを目標位置に位置決めする精度を向上できる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の態様に係る基板搬送装置は、基板を保持するハンドと、前記ハンドを先端で支持して前記ハンドを目標位置に向けて移動させるアームと、を備える搬送ロボットと、前記搬送ロボットの動作を制御する制御部と、を備え、前記搬送ロボットは、定められた回転軸を中心とする回転動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸を中心とする円周方向に前記ハンドを移動可能に構成されているとともに、前記回転軸に対する前記先端の進退動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸に対する前記ハンドの距離を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記搬送ロボットを制御して、前記アームに少なくとも1回の前記回転動作と、少なくとも1回の前記進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせ、前記複数の動作において前記アームが行う最後の回転動作は、前記回転軸を中心に前記目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である。
第2の態様に係る基板搬送装置は、第1の態様に係る基板搬送装置であって、前記制御部は、前記搬送ロボットを制御して、前記最後の回転動作の後に前記アームに前記進退動作を行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせる。
第3の態様に係る基板処理システムは、第1または第2の態様に係る基板搬送装置と、前記搬送ロボットの周囲にそれぞれ配置された複数の基板処理装置と、を備え、前記複数の基板処理装置のそれぞれは、定められた処理位置に配置された前記基板を保持して定められた基板回転用の回転軸周りに回転させつつ、前記基板に対して定められた処理を行うことができ、前記基板搬送装置は、前記複数の基板処理装置に規定される複数の処理位置に前記基板をそれぞれ配置可能な前記ハンドの複数の位置のそれぞれを前記目標位置として前記ハンドを移動可能であり、当該複数の目標位置に応じてそれぞれ定められた前記最後の回転動作の各回転方向は、前記複数の基板処理装置のそれぞれごとに予め設定された方向である。
第4の態様に係る基板処理システムは、第3の態様に係る基板処理システムであって、前記複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置は、前記基板搬送装置が前記目標位置に向けて移動させた前記ハンドから前記基板を受け取って前記基板回転用の回転軸周りに回転可能に吸着保持する基板保持部を備える。
第5の態様に係る基板処理システムは、第3または第4の態様に係る基板処理システムであって、前記複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置は、前記基板の中心と前記基板回転用の回転軸との位置ずれを検出可能なセンサーをさらに備える。
第6の態様に係る基板搬送方法は、基板搬送装置における基板搬送方法であって、前記基板搬送装置は、基板を保持するハンドと、前記ハンドを先端で支持して前記ハンドを目標位置に向けて移動させるアームと、を備える搬送ロボットを備え、前記搬送ロボットは、定められた回転軸を中心とする回転動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸を中心とする円周方向に前記ハンドを移動可能に構成されているとともに、前記回転軸に対する前記先端の進退動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸に対する前記ハンドの距離を変更可能に構成されており、当該基板搬送方法は、前記アームに少なくとも1回の前記回転動作と、少なくとも1回の前記進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせる工程を備え、前記複数の動作において前記アームが行う最後の回転動作は、前記回転軸を中心に前記目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である。
第1および第6の何れの態様に係る発明によっても、アームが目標位置へハンドを移動させるために行う最後の回転動作は、回転軸を中心に目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である。これにより、目標位置と、移動開始前の基板の位置との位置関係に拘らず、ハンドの移動が完了したときのアームの回転角度を高い精度で制御できるので、搬送ロボットがハンドを目標位置に位置決めする精度を向上できる。
第2の態様に係る発明によれば、アームは、最後の回転動作の後に進退動作を行う。これにより、ハンドを回転軸に近づけた状態で最後の回転動作を行うことができるので回転モーメントを抑制しつつアームを回転させることができる。従って、搬送ロボットは、アームの回転角度をさらに高い精度で制御できる。
第3の態様に係る発明によれば、当該複数の目標位置に応じてそれぞれ定められた最後の回転動作の各回転方向は、複数の基板処理装置のそれぞれごとに予め設定された方向である。従って、基板処理システム全体における基板の搬送時間が短くなるように、最後の回転動作の各回転方向をそれぞれ設定することができる。
第4の態様に係る発明によれば、複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置の基板保持部は、基板搬送装置が処理位置に向けて移動させた基板を受け取って基板回転用の回転軸周りに回転可能に吸着保持する。当該基板保持部自体は、基板の中心と基板保持部材の回転軸との位置ずれを規制する機構を持たないが、搬送ロボットは、ハンドを高い精度で目標位置に対して位置決めできるので、回転軸に対する基板の位置ずれを抑制できる。
第5の態様に係る発明によれば、複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置は、基板の中心と基板回転用の回転軸との位置ずれを検出可能なセンサーをさらに備える。従って、基板保持部がハンドから基板を受け取る際に、ハンドの基板保持位置に対する基板の位置ずれに起因して、基板の中心と、基板回転用の回転軸との位置ずれが生じた場合にも、検出した位置ずれに基づいてハンドの目標位置を修正し、基板を再配置する等の措置を講ずることが可能となる。
実施形態に係る基板処理システムを模式的に示す概略平面図である。 図1の基板処理システムが備える搬送ロボットの概略平面図である。 図2の搬送ロボットの概略側面図である。 図1の基板処理システムが備える基板処理装置の一例を示す概略斜視図である。 図4の基板処理装置の要部の構成を説明するための側面模式図である。 図5の基板処理装置の要部の構成を説明するための上面模式図である。 図5の基板処理装置の要部の構成を説明するための概略斜視図である。 処理液の液流と不活性ガスのガス流が基板の周縁部に当たる各位置を模式的に示す上面図である。 図2の搬送ロボットが第1移動手法により移動させるハンドの移動経路の一例を示す模式図である。 図2の搬送ロボットが第1移動手法により移動させるハンドの移動経路の他の例を示す模式図である。 図9のハンドの各停止位置に対応した搬送ロボットの各状態を示す模式図である。 図9の移動経路に沿ってハンドを移動するときのアームの回転位置の変動をグラフ形式で示す図である。 図10の移動経路に沿ってハンドを移動するときのアームの回転位置の変動をグラフ形式で示す図である。 図2の搬送ロボットが第2移動手法により移動するハンドの移動経路の一例を示す模式図である。 図2の搬送ロボットが第2移動手法により移動するハンドの移動経路の他の例を示す模式図である。 参考技術に係るハンドの移動手法により移動するハンドの移動経路を例示する模式図である。 図16の各移動経路に沿ったハンドの移動を繰り返したときのハンドの最終停止位置の変動例をグラフ形式で示す図である。 各移動手法によるハンドの移動を種々の移動速度で行ったときのハンドの最終停止位置の分布幅の一例を表形式で示す図である。 図4の基板処理装置が基板の中心位置を検出するために備えるセンサーの構成例を示す側面模式図である。 図19のセンサーの配置の一例を示す上面模式図である。 レシピの内容の一例を示す模式図である。 装置情報の内容の一例を示す模式図である。 図1の基板処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。上下方向は鉛直方向であり、スピンチャックに対して基板側が上である。
<1.基板処理システム100>
基板処理システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、基板処理システム100を模式的に示す概略平面図である。
基板処理システム100は、半導体ウェハ等の複数枚の基板Wを処理するシステムである。基板Wの表面形状は略円形である。基板処理システム100は、複数の基板処理装置1を備えている。基板処理システム100は、各基板処理装置1において、基板Wを、一枚ずつ、連続して処理することができるとともに、複数の基板処理装置1によって、複数の基板Wを並行して処理することもできる。
基板処理システム100は、並設された複数のセル(処理ブロック)(具体的には、インデクサセル110および処理セル120)と、当該複数のセル110,120が備える各動作機構等を制御する制御部130と、を備える。
<インデクサセル110>
インデクサセル110は、装置外から受け取った未処理の基板Wを処理セル120に渡すとともに、処理セル120から受け取った処理済みの基板Wを装置外に搬出するためのセルである。インデクサセル110は、複数のキャリアCを載置するキャリアステージ111と、各キャリアCに対する基板Wの搬出入を行う基板搬送装置(移載ロボット)IRと、を備える。
キャリアステージ111に対しては、複数の未処理の基板Wを収納したキャリアCが、装置外部から、OHT(Overhead Hoist Transfer)等によって搬入されて載置される。未処理の基板Wは、キャリアCから1枚ずつ取り出されて装置内で処理され、装置内での処理が終了した処理済みの基板Wは、再びキャリアCに収納される。処理済みの基板Wを収納したキャリアCは、OHT等によって装置外部に搬出される。このように、キャリアステージ111は、未処理の基板Wおよび処理済みの基板Wを集積する基板集積部として機能する。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)であってもよいし、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや、収納された基板Wを外気に曝すOC(Open Cassette)であってもよい。
移載ロボットIRは、基板Wを下方から支持することによって、基板Wを水平姿勢(基板Wの主面が水平な姿勢)で保持するハンド143と、ハンド143を移動するアーム等を備える。移載ロボットIRは、キャリアステージ111に載置されたキャリアCから未処理の基板Wを取り出して、当該取り出した基板Wを、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCR(後述する)に渡す。また、移載ロボットIRは、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCRから処理済みの基板Wを受け取って、当該受け取った基板Wを、キャリアステージ111上に載置されたキャリアCに収納する。
<処理セル120>
処理セル120は、基板Wに処理を行うためのセルである。処理セル120は、複数の基板処理装置1と、当該複数の基板処理装置1に対する基板Wの搬出入を行う搬送ロボットCRと、を備える。搬送ロボットCRと制御部130とは、基板搬送装置200である。ここでは、複数個(例えば、3個)の基板処理装置1が鉛直方向に積層されて、1個の基板処理装置群10を構成している。そして、複数個(図示の例では、4個)の基板処理装置群10が、搬送ロボットCRを取り囲むようにクラスタ状(房状)に設置される。従って、複数の基板処理装置1は、搬送ロボットCRの周囲にそれぞれ配置される。
図4は、基板処理システム100が備える基板処理装置の一例を示す概略斜視図である。複数の基板処理装置1の各々は、内部に処理空間を形成する筐体(「チャンバー」)121を備える。筐体121には、搬送ロボットCRが筐体121の内部にハンド153を挿入するための搬出入口122が形成されている。基板処理装置1は、搬送ロボットCRが配置されている空間に、この搬出入口122を対向させるようにして配置される。基板処理装置1の具体的な構成については、後に説明する。
搬送ロボットCRは、基板Wを片持ち支持しながら搬送するロボットである。搬送ロボットCRは、指定された基板処理装置1から処理済みの基板Wを取り出して、当該取り出した基板Wを、基板受渡位置Pにおいて移載ロボットIRに渡す。また、搬送ロボットCRは、基板受渡位置Pにおいて移載ロボットIRから未処理の基板Wを受け取って、当該受け取った基板Wを、指定された基板処理装置1に搬送する。
図2(図3)は、搬送ロボットCRの平面図(側面図)である。図2、図3においては、搬送ロボットCRがアーム152を伸長させている状態、つまり搬送ロボットCRが複数の基板処理装置1のうち何れかの装置の筐体121の内部にアクセスしている状態が示されている。
搬送ロボットCRは、本体150と、本体150の上部から突出し、旋回と昇降が可能な胴部151と、胴部151から延びて水平面内で屈伸動作を行うアーム152と、アーム152の先端に装着され基板Wを保持するハンド153とを備えている。当該基板Wは、ハンド153上に載置され、ハンド153によって支持されている。本体150は、複数の基板処理装置群10に取り囲まれる空間の中央に配置される。
胴部151は、本体150内に収容されている図示しない昇降機構によって鉛直方向(矢印AR2の方向)に昇降される。当該昇降機構は、例えば、サーボモーターの出力軸に連結されたボールねじを有するボールねじ機構などを備えて構成される。胴部151の上面は水平面である。胴部151が昇降することによってハンド153が多段に積層された各基板処理装置1の高さ位置に昇降する。
また、胴部151は、本体150内に収容されている図示しない回転機構によって、矢印AR3の方向、すなわち、回転軸a2を中心とする円周方向に旋回される。当該回転機構は、例えば、サーボモーターの出力軸に連結されたギア機構などを備えて構成される。胴部151が旋回することによって、アーム152が回転軸a2を中心に水平面内で回転し、ハンド153が回転軸a2を中心とする円周方向に移動する。これにより、ハンド153は、各基板処理装置1の筐体121に設けられた搬出入口122に正対可能となっている。回転軸a2は、胴部151およびアーム152の回転軸である。
アーム152は、例えば、屈伸リンク152a、152bを備えて屈伸可能に構成される。この屈伸によってアーム152の先端(屈伸リンク152a、152bの各先端)は、回転軸a2に対して水平面内で進退移動する。進退移動の方向は、矢印AR4の方向、すなわち、回転軸a2を中心とする円の径方向である。
屈伸リンク152a、152bは、互いに同じ構造を備えている。屈伸リンク152a、152bの各基端は、鉛直な各回転支軸を中心に回動可能なように当該各回転支軸を介して胴部151の上面に連結されている。各基端の位置は、回転軸a2と胴部151の上面との交点を通って矢印AR4の方向に延在する直線に対して互いに対称である。アーム152は、ハンド153を支持するハンド支持部材154をさらに備えている。
屈伸リンク152a、152bの各先端は、ハンド支持部材154の両端部に設けられた鉛直な各回転支軸を中心に回動可能なように当該各回転支軸を介してハンド支持部材154の下面の両端部に連結している。屈伸リンク152a、152bの各基端同士を結ぶ直線と、各先端同士を結ぶ直線とは、互いに平行である。ハンド支持部材154は、屈伸リンク152a、152bの各先端で支持されて、当該各先端同士を結ぶ直線と平行に延在する板状部材である。ハンド支持部材154の上面および下面は水平面である。
胴部151内に収容された図示しない回転機構が屈伸リンク152a、152bの各基端の各回転支軸を中心に各基端部分を互いに逆方向に向けて回転角度が等しくなるように回転させることによって、アーム152は屈伸動作を行う。当該回転機構も、例えば、サーボモーターの出力軸に連結されたギア機構などを備えて構成される。アーム152の屈伸動作によって、アーム152の先端とハンド支持部材154が、水平面内で矢印AR4の方向に進退動作を行う。すなわち、アーム152の先端(ハンド支持部材154)は、回転軸a2に対して進退移動する。
アーム152に代えて、例えば、水平面内でリニアレールに沿って直動するリニアスライダー、若しくは、各関節において水平面内でアームを回動する多関節アームなどが採用されてもよい。
ハンド153は、ハンド支持部材154の上面中央部から矢印AR4の方向に沿ってアーム152の先端の進出方向に突出する基部153aと、基部153aの先端から分岐して矢印AR4の方向に沿って基部153aと同じ方向に突出する基板支持部153bとを備えて構成されている。すなわち、ハンド153は、アーム152の先端で支持されている。基板支持部153bは、上面視においてU字形状の薄肉部材であり、その上面は水平面である。当該上面には、鉛直方向に突出する複数の突片が設けられている。各突片は、基板支持部153bの上面の所定位置に載置される基板Wの周縁を囲んで基板Wの水平面内での動きを規制可能なように、基板Wの周方向に分散して配置されている。アーム152の先端が回転軸a2に対して進退動作を行うことにより、ハンド153は、回転軸a2に対して進退移動し、回転軸a2に対するハンド153の距離が変動する。より詳細には、ハンド153はハンド支持部材154の上面中央部を通り回転軸a2を中心とする円の径方向(矢印AR4の方向)に延在する移動経路M1に沿って進退移動する。ハンド153の移動経路M1は、胴部151の旋回に応じて、胴部151とともに回転軸a2を中心に回転する。
搬送ロボットCRがアーム152を回転させて各基板処理装置1若しくは基板受渡位置Pにハンド153を正対させる際には、搬送ロボットCRは、ハンド153を移動経路M1上の退避位置に配置してハンド153および基板Wが各基板処理装置1に当たらないようにする。この状態で、搬送ロボットCRは、本体150の昇降と回転を行う。搬送ロボットCRが基板処理装置1(移載ロボットIR)との間で基板Wの受渡しを行う際には、搬送ロボットCRは、ハンド153を基板処理装置1(基板受渡位置P)に正対させた状態で、ハンド153を移動経路M1上の進出位置に配置する。
回転軸a2から進出位置に位置するハンド153が保持する基板Wまでの距離と、回転軸a2から基板処理装置1の処理位置PS(基板受渡位置P)に配置された基板Wまでの距離とは互いに等しい。従って、搬送ロボットCRは、ハンド153が基板処理装置1の処理位置PS(基板受渡位置P)に正対した状態でハンド153を進出位置に移動することによって、基板Wを処理位置PS(基板受渡位置P)に配置することができる。基板処理装置1は、処理位置PSに配置された基板Wをスピンチャック21で保持して回転軸(「基板回転用の回転軸」)a1周りに回転させつつ、基板Wに対して定められた処理を行う。基板処理装置1との間で基板Wの受渡しをする際には、搬送ロボットCRは胴部151を昇降させてハンド153を上下動させる。
ハンド153の退避位置は、進出位置よりもアーム152の回転軸a2側の位置である。ハンド153が退避位置に位置するときには、アーム152は、ハンド153が進出位置に位置するときよりも屈折している。換言すれば、ハンド153が進出位置に位置するときには、アーム152は、ハンド153が退避位置に位置するときよりも伸展している。
上述のように、搬送ロボットCRは、回転軸a2を中心とする回転動作をアーム152に行わせることによって回転軸a2を中心とする円周方向にハンド153を移動することができる。また、搬送ロボットCRは、回転軸a2に対するアーム152の先端の進退動作をアーム152に行わせることによって回転軸a2に対するハンド153の距離を変更することができる。
搬送ロボットCRの各駆動機構の動作は、制御部130の搬送制御部15によって制御される。搬送制御部15は、ハンド153の昇降移動の目標位置、アーム152の目標の回転位置、およびハンド153の進退移動の目標位置に応じた各指令値(「指令値群」)を、本体150内に設けられたドライバー159内の制御部159aに供給する。ドライバー159は、制御部159aと、パワー回路部159bとを備える。当該各指令値は、例えば、各目標位置にハンド153を移動するために必要な各サーボモーターの回転数等の指標値である。
なお、アーム152の回転位置は、例えば、移動経路M1を含む水平面と回転軸a2との交点を通る水平な基準直線と、移動経路M1とがなす角度である。当該基準直線は、例えば、アーム152が基板受渡位置Pに向けてハンド153を移動する際の移動経路M1に平行な直線である。アーム152の回転位置は、ハンド153の回転位置でもある。
ドライバー159の制御部159aは、搬送制御部15から供給される各指令値に応じた各制御信号をパワー回路部159bに供給する。パワー回路部159bは、各制御信号に応じた駆動電流を、胴部151の昇降、回転、およびハンド153の進退をそれぞれ行う各サーボモーターに供給する。各サーボモーターは、各駆動電流に応じた方向に、各駆動電流に応じた回転速度で回転し、胴部151を上昇若しくは下降させ、胴部151(アーム152)を回転させ、アーム152を屈折若しくは伸展させる。各サーボモーターは、その回転位置に応じた回転位置信号を発生するエンコーダーを備え、回転位置信号をドライバー159の制御部159aにフィードバックする。制御部159aは、各回転位置信号に基づいて各サーボモーターの回転数等を取得する演算処理を行い、取得した各回転数等が各指令値と等しくなるようにパワー回路部159bに各制御信号を供給する。これにより、ハンド153は、昇降移動、回転移動、進退移動のそれぞれにおいて各指令値に応じた目標位置へと移動される。各指令値は、具体的には、例えば、各サーボモーターの回転数を、各サーボモーターの回転に応じて各エンコーダーが発生するパルス信号のパルス数で表した各数値である。一の指令値群に対して、ハンド153の一の停止位置が決まる。
<制御部130>
制御部130は、移載ロボットIR、搬送ロボットCR、および、一群の基板処理装置1の各々の動作を制御する。制御部130のハードウエアとしての構成は、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御部130は、例えば、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM12、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM13およびプログラムPGやデータなどを記憶しておく磁気ディスク14をバスライン19に接続して構成されている。磁気ディスク14には、基板Wの処理内容および処理手順を規定するレシピK1、および各基板処理装置の構成に関する装置情報K2も記憶されている。装置情報K2には、基板処理装置の処理位置PSにアーム152がアクセスする際のアーム152の最後の回転方向RD1が、各基板処理装置に対して設定されている。磁気ディスク14には、キャリアCに収容された各基板Wについて、処理を行う各基板処理装置への搬送手順を既述した搬送スケジュールと各基板処理装置における処理手順を既述した処理スケジュールも記憶される。
図21は、レシピK1の内容の一例を示す模式図である。図21のレシピK1は、各基板Wに対して行われる各処理について、実施される順序、処理内容、および処理時間が規定されている。
図22は、装置情報K2の内容の一例を示す模式図である。図22の装置情報K2においては、12個の基板処理装置SP1〜SP12のそれぞれについて、基板の保持方式(吸着保持か、それともチャックピンによる保持か)と、処理の対象となる基板の面(上面か、それとも下面か)とが規定されている。なお、本実施例においては、上面処理を行う基板処理装置SPの保持方式は吸着保持であり、下面処理を行う基板処理装置SPの保持方式はチャックピンによる保持である例を示しているが、これは、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。
装置情報K2には、叉、基板処理装置SP1〜SP12のそれぞれについて、ハンド153を目標位置Pdに移動させる際のアーム152の最後の回転動作における回転方向(単に「最後の回転方向」とも称する)RD1が規定されている。最後の回転方向RD1は、CW(clockwise)方向、若しくはCCW(counterclockwise)方向である。アーム152の回転方向は、搬送ロボットCRを上方から見たときのアーム152の回転方向によって、CW方向、若しくはCCW方向とされる。基板処理装置SP2、SP11は、複数のチャックピンによって基板Wを保持するため、搬送ロボットCRによる基板Wの位置決め精度が多少悪い場合でも、基板Wの配置を修正することができる。このため、図22に記載の装置情報K2では、基板処理装置SP2、SP11に対して、回転方向RD1が指定されていない。基板処理装置SP2、SP11に対して、回転方向RD1が指定されてもよい。
バスライン19には、表示部141および入力部142が電気的に接続されている。表示部141は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理結果やレシピK1、および装置情報K2の内容等の種々の情報を表示する。入力部142は、例えばキーボードやマウス等を用いて構成されており、コマンドやパラメータ等の入力を受け付ける。装置のオペレータは、表示部141に表示された内容を確認しつつ入力部142からコマンドやパラメータ、レシピK1、および装置情報K2等の入力および変更を行うことができる。すなわち、オペレータは、装置情報K2に設定される複数の最後の回転方向RD1の設定および変更を行うことができる。装置情報K2に設定されている最後の回転方向RD1は、基板搬送装置200の動作時に回転方向取得部17としてのCPU11によって取得される。なお、表示部141と入力部142とを一体化してタッチパネルとして構成するようにしても良い。
制御部130において、プログラムPGに記述された手順に従って主制御部としてのCPU11が演算処理を行うことにより、基板処理システム100の各部を制御する各種の機能部が実現される。具体的には、CPU11は、例えば、搬送制御部15、スケジューラー16、および回転方向取得部17などの各機能部として動作する。もっとも、制御部130において実現される一部あるいは全部の機能部は、専用の論理回路などでハードウエア的に実現されてもよい。
制御部130は、搬送ロボットCRを制御して、アーム152に少なくとも1回の回転動作と、少なくとも1回の進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、目標位置Pdへ向けてハンドを移動させる。アーム152が目標位置Pdにハンド153を移動するために行う当該複数の動作において、アーム152が行う最後の回転動作は、回転軸a2を中心に目標位置Pdに応じて定められた回転方向RD1(図9、図14等)に回転する動作である。
基板処理システム100の複数の基板処理装置1に対して複数の目標位置Pdが設定される。一の目標位置Pdには、アーム152(胴部151)の昇降動作、回転動作、およびアーム152の屈伸動作の3つ動作に関する一の指令値群が対応する。従って、複数の目標位置Pdのそれぞれを搬送ロボットCRに教示(ティーチング)することによって、複数の目標位置Pdに対して複数の指令値群が、予め、取得される。1つの目標位置Pdに対応する指令値群の教示は、アーム152の最後の回転方向が当該目標位置Pdに対応する回転方向RD1になるように搬送ロボットCRを動作させることによって行われる。取得された各指令値群は、各基板処理装置1に対応づけられて磁気ディスク14に記憶されている。
搬送制御部15は、磁気ディスク14に予め記憶された搬送スケジュールと装置情報K2に予め設定されている回転方向RD1とに従って、移載ロボットIRおよび搬送ロボットCRによる基板Wの搬送を制御する。搬送制御部15のうち搬送ロボットCRの制御を行う部分が、例えば、搬送ロボットCRの基板搬送装置200内に設けられていてもよい。
スケジューラー16は、レシピK1と装置情報K2とに基づいてキャリアCに収容された複数の基板Wの搬送スケジュールと処理スケジュールを生成し、生成した搬送スケジュールと処理スケジュールを磁気ディスク14に記憶する。搬送スケジュールは、例えば、複数の基板Wのそれぞれについて、複数の処理装置1のうち処理を行う各装置への基板の搬入時刻、および搬出時刻等を規定するタイムテーブルである。処理スケジュールは、例えば、複数の基板Wのそれぞれについて、複数の処理装置1のうち処理を行う各装置における処理の開始時刻、処理内容、処理の終了時刻等を規定するタイムテーブルである。スケジューラー16は、各基板処理装置1の稼働率を向上させるために、複数の基板Wを複数の基板処理装置1で並行して処理するための搬送スケジュールおよび処理スケジュールを生成することができる。スケジューラー16が各基板Wについて、搬送手順と処理手順の双方を合わせて規定するスケジュールを生成してもよい。
回転方向取得部17は、予め磁気ディスク14に記憶されている装置情報K2を読み出して、複数の基板処理装置1のそれぞれについてアーム152の最後の回転方向RD1を取得する。各回転方向RD1は、各基板処理装置1の筐体121内の目標位置Pd(図9等)に向けて搬送ロボットCRがハンド153を移動する移動工程において、アーム152が行う最後の回転動作の回転方向である。目標位置Pdは、基板処理装置1の処理位置PSに対応したアーム152の位置である。より具体的には、目標位置Pdは、上面視において、アーム152の回転軸a2と処理位置PSとを結ぶ直線と、ハンド153の移動経路M1とが重なるときのハンド153の進出位置である。搬送ロボットCRは、基板Wを保持したハンド153を目標位置Pdに搬送し、目標位置Pdにおいてハンド153の上下動を行うことによって、基板処理装置1のスピンチャック(「基板保持部」)21との間で基板Wの受渡しを行う。スピンチャック21に渡された基板Wは、基板処理装置1の処理位置PSに配置された状態でスピンチャック21によって保持される。
基板搬送装置200は、複数の基板処理装置1に規定される複数の処理位置PSに基板Wをそれぞれ配置可能なハンド153の複数の位置のそれぞれを目標位置Pdとしてハンド153を移動することができる。当該複数の目標位置Pdに応じてそれぞれ定められたアーム152の最後の回転動作の各回転方向RD1は、複数の基板処理装置1のそれぞれごとに予め設定された方向である。
<2.基板処理装置1の構成>
基板処理装置1の構成について、図5〜図8を参照しながら説明する。図5〜図7は、実施形態に係る基板処理装置1の要部の構成を説明するための図である。図5、図6は、基板処理装置1の側面模式図、上面模式図である。図7は、基板処理装置1を斜め上方からみた概略斜視図である。図8は、基板処理装置1が吐出する処理液の液流と、不活性ガスのガス流とが基板Wの周縁部に当たる各位置の位置関係の一例を示す基板Wの上面模式図である。
図5〜図7では、ノズルヘッド48〜50がそれぞれの処理位置に配置された状態で、基板Wがスピンチャック21によって回転軸a1周りに所定の回転方向(矢印AR1の方向)に回転している状態が示されている。また、図6には、待避位置に配置されたノズルヘッド48〜50等が仮想線で示されている。図6、図7では、基板処理装置1の構成要素のうち飛散防止部3等の一部の構成要素の記載は省略されている。
基板Wの基板処理装置1への搬入搬出は、ノズルヘッド48〜50等が待避位置に配置された状態で、搬送ロボットCRにより行われる。基板処理装置1に搬入された基板Wは、スピンチャック21により着脱自在に保持される。
なお、以下の説明において、「処理液」には、薬液処理に用いられる「薬液」と、薬液をすすぎ流すリンス処理に用いられる「リンス液(「洗浄液」とも称される)」と、が含まれる。
基板処理装置1は、回転保持機構2、飛散防止部3、表面保護部4、処理部5、ノズル移動機構6、および加熱機構7を備える。これら各部2〜7は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130からの指示に応じて動作する。制御部130は、プログラムPGに記述された手順に従って主制御部としてのCPU11が演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を制御する。
<回転保持機構2>
回転保持機構2は、基板Wを、その一方の主面を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持しつつ回転可能な機構である。回転保持機構2は、基板Wを、主面の中心c1を通る鉛直な回転軸a1のまわりで回転させる。
回転保持機構2は、基板Wより小さい円板状の部材であるスピンチャック(「保持部材」)21を備える。スピンチャック21は、その上面が略水平となり、その中心軸が回転軸a1に一致するように設けられている。スピンチャック21の下面には、円筒状の回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置される。回転軸部22の軸線は、回転軸a1と一致する。また、回転軸部22には、回転駆動部(例えば、モータ)23が接続される。回転駆動部23は、回転軸部22をその軸線まわりに回転駆動する。従って、スピンチャック21は、回転軸部22とともに回転軸a1周りに回転可能である。回転駆動部23と回転軸部22とは、スピンチャック21を、回転軸a1を中心に回転させる回転機構231である。回転軸部22および回転駆動部23は、筒状のケーシング24内に収容されている。
スピンチャック21の中央部には、図示省略の貫通孔が設けられており、回転軸部22の内部空間と連通している。内部空間には、図示省略の配管、開閉弁を介して図示省略のポンプが接続されている。当該ポンプ、開閉弁は、制御部130に電気的に接続されている。制御部130は、当該ポンプ、開閉弁の動作を制御する。当該ポンプは、制御部130の制御に従って、負圧と正圧とを選択的に供給可能である。基板Wがスピンチャック21の上面に略水平姿勢で置かれた状態でポンプが負圧を供給すると、スピンチャック21は、基板Wを下方から吸着保持する。ポンプが正圧を供給すると、基板Wは、スピンチャック21の上面から取り外し可能となる。
この構成において、スピンチャック21が基板Wを吸着保持した状態で、回転駆動部23が回転軸部22を回転すると、スピンチャック21が鉛直方向に沿った軸線周りで回転される。これによって、スピンチャック21上に保持された基板Wが、その面内の中心c1を通る鉛直な回転軸a1を中心に矢印AR1方向に回転される。
なお、スピンチャック21が、その上面の周縁部付近に適当な間隔をおいて設けられた複数個(例えば6個)のチャックピンを備え、当該複数のチャックピンによって基板Wを保持してもよい。この場合のスピンチャック21は、基板Wより若干大きい円板状である。当該複数のチャックピンは、基板Wの主面の中心c1が回転軸a1に一致するとともに、基板Wがスピンチャック21の上面より僅かに高い位置で略水平姿勢となるように基板Wを着脱自在に保持する。各チャックピンの向きは、制御部130と電気的に接続されたモーター等によって、基板Wの周縁に当接して基板Wを保持する向きと、基板Wの周縁から離れて基板Wを開放する向きとに選択的に設定される。
<飛散防止部3>
飛散防止部3は、スピンチャック21とともに回転される基板Wから飛散する処理液等を受け止める。
飛散防止部3は、スプラッシュガード31を備える。スプラッシュガード31は、上端が開放された筒形状の部材であり、回転保持機構2を取り囲むように設けられる。この実施の形態では、スプラッシュガード31は、例えば、底部材311、内部材(「内側ガード」とも、単に「ガード」とも称する)312、および、外部材(「外側ガード」とも称する)313の3個の部材を含んで構成されている。外部材313が設けられていなくてもよいし、逆に、外部材313の外側に、回転保持機構2を取り囲むようにガードがさらに設けられてもよい。
底部材311は、上端が開放された筒形状の部材であり、円環状の底部と、底部の内側縁部から上方に延びる円筒状の内側壁部と、底部の外側縁部から上方に延びる円筒状の外側壁部と、を備える。内側壁部の少なくとも先端付近は、回転保持機構2のケーシング24に設けられた鍔状部材241の内側空間に収容される。
底部には、内側壁部と外側壁部との間の空間と連通する排液溝(図示省略)が形成される。この排液溝は、工場の排液ラインと接続される。また、この排液溝には、溝内を強制的に排気して、内側壁部と外側壁部との間の空間を負圧状態とする排気液機構が接続されている。内側壁部と外側壁部との間の空間は、基板Wの処理に使用された処理液を集めて排液するための空間であり、この空間に集められた処理液は、排液溝から排液される。
内部材312は、上端が開放された筒形状の部材であり、内部材312の上部(「上端側部分」、「上端部分」)は内側上方に向かって延びている。すなわち、当該上部は、回転軸a1に向かって斜め上方に延びている。内部材312の下部には、上部の内周面に沿って下方に延びる筒状の内周壁部と、上部の外周面に沿って下方に延びる筒状の外周壁部とが形成される。底部材311と内部材312とが近接する状態において、底部材311の外側壁部は、内部材312の内周壁部と外周壁部との間に収容される。内部材312の上部が受けた処理液等は、底部材311を介して排出される。
外部材313は、上端が開放された筒形状の部材であり、内部材312の外側に設けられている。外部材313の上部(「上端側部分」、「上端部分」)は内側上方に向かって延びている。すなわち、当該上部は、回転軸a1に向かって斜め上方に延びている。下部は、内部材312の外周壁部に沿って下方に延びている。外部材313の上部が受けた処理液等は、内部材312の外周壁部と外部材313の下部との隙間から排出される。
スプラッシュガード31には、これを昇降移動させるガード駆動機構(「昇降駆動部」)32が配設されている。ガード駆動機構32は、例えば、ステッピングモータにより構成される。この実施の形態では、ガード駆動機構32は、スプラッシュガード31が備える3個の部材311,312,313を、独立して昇降させる。
内部材312、および、外部材313の各々は、ガード駆動機構32の駆動を受けて、各々の上方位置と下方位置との間で移動される。ここで、各部材312,313の上方位置は、当該部材312,313の上端縁部が、スピンチャック21上に保持された基板Wの側方、かつ、上方に配置される位置である。一方、各部材312,313の下方位置は、当該部材312,313の上端縁部が、スピンチャック21の上面よりも下方に配置される位置である。外部材313の上方位置(下方位置)は、内部材312の上方位置(下方位置)よりも若干上方に位置する。内部材312と外部材313とは、互いにぶつからないように同時に、若しくは順次に昇降される。底部材311は、その内側壁部が、ケーシング24に設けられた鍔状部材241の内側空間に収容される位置と、その下方の位置との間でガード駆動機構32によって駆動される。ただし、ガード駆動機構32は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、スプラッシュガード31の位置(具体的には、底部材311、内部材312、および、外部材313各々の位置)は、制御部130によって制御される。
<表面保護部4>
表面保護部4は、スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの上面(処理面)の周縁部に当たるように不活性ガスのガス流を吐出するガス吐出機構(「周縁部用ガス吐出機構」とも、「ガス吐出部」とも称される)44Aを備える。「不活性ガス」は、基板Wの材質およびその表面に形成された薄膜との反応性に乏しいガスであり、例えば、窒素(N2)ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどである。ガス吐出機構44Aは、ガス吐出機構441、442を備えて構成されている。ガス吐出機構441、442は、不活性ガスを、例えば、ガス柱状のガス流G1、G2として吐出する。ガス吐出機構442は、ガス吐出機構441が吐出するガス流G1が基板Wの周縁部に当たる位置P1よりも基板Wの回転方向の上流側の位置P2に当たるように不活性ガスのガス流G2を吐出する。
表面保護部4は、スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの上面の中央付近に対して不活性ガスのガス流G3を吐出するガス吐出機構(「中央部用ガス吐出機構」とも、「他のガス吐出部」とも称される)443をさらに備える。表面保護部4は、ガス吐出機構441〜443から基板Wの上面に不活性ガスのガス流G1〜G3を吐出することによって、基板Wの上面の周縁部に規定される環状の処理領域S3(図8)に当たるように吐出された処理液等から基板Wの上面の非処理領域(「デバイス領域」)S4(図8)を保護する。非処理領域S4は、基板Wの上面のうち処理領域S3以外の領域である。
ガス吐出機構44Aは、ノズルヘッド48を備える。ガス吐出機構443は、ノズルヘッド49を備える。ノズルヘッド48、49は、後述するノズル移動機構6が備える長尺のアーム61、62の先端に取り付けられている。アーム61、62は、水平面に沿って延在する。ノズル移動機構6は、アーム61、62を移動させることによって、ノズルヘッド48、49をそれぞれの処理位置と退避位置との間で移動させる。
ノズルヘッド48は、ノズル41、42と、これらを保持する保持部材とを備える。保持部材は、例えば、水平面に沿って延在する板状部材と、当該板状部材の一端から上方に突出する突出部材とが接合されて形成されており、L字形の断面形状を有している。当該突出部材の先端は、アーム61の先端に取り付けられており、当該板状部材は、アーム61の基端に対してアーム61の先端よりもアーム61の延在方向にさらに突き出ている。ノズル41、42は、当該板状部材を鉛直方向に貫通した状態で、当該板状部材によって保持されている。ノズル41、42の先端部(下端部)は、当該板状部材の下面から下方に突出し、上端部は上面から上方に突出している。ノズル41、42の上端には、配管471、472の一端が接続されている。配管471、472の他端は、ガス供給源451、452に接続している。配管471の経路途中には、ガス供給源451側から順に流量制御器481、開閉弁461が設けられ、配管472の経路途中には、ガス供給源452側から順に流量制御器482、開閉弁462が設けられている。
ここで、ノズル移動機構6がノズルヘッド48を、その処理位置に配置すると、ノズル41の吐出口は、回転保持機構2が回転させる基板Wの周縁部の回転軌跡の一部に対向し、ノズル42の吐出口は、当該回転軌跡の他の一部に対向する。
ノズルヘッド48が処理位置に配置されている状態において、ノズル41、42は、ガス供給源451、452から不活性ガス(図示の例では、窒素(N2)ガス)を供給される。ノズル41は、供給された不活性ガスのガス流G1を基板Wの周縁部の回転軌跡に規定される位置P1に当たるように上方から吐出する。ノズル41は、吐出したガス流G1が位置P1に達した後、位置P1から基板Wの周縁に向かって流れるように、ガス流G1を吐出口から定められた方向に吐出する。ノズル42は、供給された不活性ガスのガス流G2が当該回転軌跡上に規定される位置P2(図8)に当たるように、ガス流G2を上方から吐出する。ノズル42は、吐出したガス流G2が位置P2に達した後、位置P2から基板Wの周縁に向かって流れるように、ガス流G2を吐出口から定められた方向に吐出する。
基板Wの半径は、例えば、150mmである。基板Wの「周縁部」は、例えば、基板Wの周縁から幅D2の環状部分である。周縁部の幅D2は、例えば、3mm〜30mmである。処理領域S3は、基板Wの周縁から幅D3の環状部分である。処理領域S3の幅D3は、例えば、1mm〜5mmである。処理領域S3は、基板Wの上面周縁部のうちの端縁側の一部の領域である。
後述する処理部5のノズルヘッド50から吐出される処理液の液流L1は、基板Wの上面周縁部の回転軌跡上に規定される位置(「着液位置」)PL(図8)に当たる。液流L1の基板Wの径方向の幅D1は、例えば、0.5mm〜2.5mmである。ノズルヘッド50は、複数のノズル51a〜51dのそれぞれから選択的に処理液の液流L1を吐出することができる。位置PLは、ノズル51a〜51dの配置および処理液の吐出方向に応じて、若干変動する。位置P1は、ノズル51a〜51dの何れに対応する位置PLに対しても、基板Wの周方向に沿って基板Wの回転方向の上流側に位置する。また、位置P2は、位置P1よりも基板Wの周方向に沿って、基板Wの回転方向の上流側に位置する。
すなわち、ガス吐出機構44Aは、基板Wの周縁部の回転軌跡のうち処理部5から吐出される処理液が当たる位置PLよりも、基板Wの周方向に沿って基板Wの回転方向の上流側の位置P1に向けて上方から不活性ガスのガス流(「第1ガス流」)G1を吐出する。ガス吐出機構44Aは、吐出したガス流G1が位置P1から基板Wの周縁に向かうようにガス流G1を定められた方向に吐出する。また、ガス吐出機構44Aは、当該回転軌跡のうち位置P1よりも基板Wの周方向に沿って基板Wの回転方向の上流側の位置P2に向けて上方から不活性ガスのガス流(「第2ガス流」)G2を吐出する。ガス吐出機構44Aは、吐出したガス流G2が位置P2から基板Wの周縁に向かうようにガス流G2を定められた方向に吐出する。
ガス吐出機構443のノズルヘッド49は、アーム62の先端部の下面に取り付けられた円柱部材93と、円柱部材93の下面に取り付けられた円板状の遮断板90と、円筒状のノズル43とを備えている。円柱部材93の軸線と遮断板90の軸線とは、一致しており、それぞれ鉛直方向に沿う。遮断板90の下面は、水平面に沿う。ノズル43は、その軸線が遮断板90、円柱部材93の軸線と一致するように、円柱部材93、遮断板90を鉛直方向に貫通している。ノズル43の上端部は、さらにアーム62の先端部も貫通して、アーム62の上面に開口する。ノズル43の上側の開口には、配管473の一端が接続されている。配管473の他端は、ガス供給源453に接続している。配管473の経路途中には、ガス供給源453側から順に流量制御器483、開閉弁463が設けられている。ノズル43の下端は、遮断板90の下面に開口している。当該開口は、ノズル43の吐出口である。
ノズル移動機構6がノズルヘッド49をその処理位置に配置すると、ノズル43の吐出口は、基板Wの上面の中心付近に対向する。この状態において、ノズル43は、配管473を介してガス供給源453から不活性ガス(図示の例では、窒素(N2)ガス)を供給される。ノズル43は、供給された不活性ガスを基板Wの上面の中心付近に向けて不活性ガスのガス流G3として吐出する。ガス流G3は、基板Wの中央部分の上方から基板Wの周縁に向かって放射状に広がる。すなわち、ガス吐出機構443は、基板Wの上面の中央部分の上方から不活性ガスを吐出して、当該中央部分の上方から基板Wの周縁に向かって広がるガス流を生成させる。
流量制御器481〜483は、例えば、それぞれが設けられている配管471〜473に流れるガスの流量を検出する流量計と、弁の開閉量に応じて当該ガスの流量を調節可能な可変バルブとを備えて構成されている。制御部130は、流量制御器481〜483のそれぞれについて、流量計が検出する流量が目標流量になるように、図示省略のバルブ制御機構を介して流量制御器481〜483の可変バルブの開閉量を制御する。制御部130は、予め設定された設定情報に従って所定の範囲内で目標流量を設定することによって、流量制御器481〜483を通過する各ガスの流量を所定の範囲内で自在に制御することができる。また、制御部130は、当該バルブ制御機構を介して開閉弁461〜463を開状態または閉状態に制御する。従って、ノズル41〜43からのガス流G1〜G3の吐出態様(具体的には、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。
また、ガス流G1、G2によって残留処理液を飛ばすときの飛ばし易さは、基板Wの表面の膜質によって異なる。疎水性の膜質と親水性の膜質とでは、疎水性の膜質の方が残留処理液を飛ばしにくく、親水性の膜質の方が飛ばしやすい。従って、ガス流G1の吐出態様は、好ましくは基板Wの表面の膜質に応じて設定される。
<処理部5>
処理部5は、スピンチャック21上に保持された基板Wの上面周縁部における処理領域S3に対する処理を行う。具体的には、処理部5は、スピンチャック21上に保持された基板Wの処理領域S3に処理液を供給する。
処理部5は、処理液吐出機構83Aを備える。処理液吐出機構83Aは、スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの上面の周縁部(より詳細には、周縁部のうち処理領域S3)の一部に当たるように処理液の液流L1を吐出する。液流L1は、液柱状である。処理液吐出機構83Aは、ノズルヘッド50を備える。ノズルヘッド50は、ノズル移動機構6が備える長尺のアーム63の先端に取り付けられている。アーム63は、水平面に沿って延在する。ノズル移動機構6は、アーム63を移動させることによって、ノズルヘッド50をその処理位置と退避位置との間で移動させる。
ノズルヘッド50は、ノズル51a〜51dと、これらを保持する保持部材とを備える。保持部材は、例えば、水平面に沿って延在する板状部材と、当該板状部材の一端から上方に突出する突出部材とが接合されて形成されており、L字形の断面形状を有している。当該突出部材の先端は、アーム63の先端に取り付けられており、当該板状部材は、アーム63の基端に対してアーム63の先端よりもアーム63の延在方向にさらに突き出ている。ノズル51a〜51dは、当該板状部材の先端側から順にアーム63の延在方向に沿って一列に並んで配置されている。ノズル51a〜51d当該板状部材を鉛直方向に貫通した状態で、当該板状部材によって保持されている。ノズル51a〜51dの先端部(下端部)は、当該板状部材の下面から下方に突出しており先端に吐出口を備える。ノズル51a〜51dの基端部(上端部)は、当該板状部材の上面から上方に突出している。
ノズル51a〜51dには、これらに処理液を供給する配管系である処理液供給部83が接続されている。具体的には、ノズル51a〜51dの上端には、処理液供給部83の配管832a〜832dの一端が接続している。ノズル51a〜51dは、処理液供給部83から処理液をそれぞれ供給され、供給された処理液を先端の吐出口からそれぞれ吐出する。処理液吐出機構83Aは、ノズル51a〜51dのうち制御部130に設定された制御情報によって定まる1つのノズルから、制御部130の制御に従って処理液の液流L1を吐出する。図示の例では、ノズル51cから処理液の液流L1が吐出されている。
処理液供給部83は、具体的には、SC−1供給源831a、DHF供給源831b、SC−2供給源831c、リンス液供給源831d、複数の配管832a,832b,832c,832d、および、複数の開閉弁833a,833b,833c,833dを、組み合わせて構成されている。
SC−1供給源831aは、SC−1を供給する供給源である。SC−1供給源831aは、開閉弁833aが介挿された配管832aを介して、ノズル51aに接続されている。したがって、開閉弁833aが開放されると、SC−1供給源831aから供給されるSC−1が、ノズル51aから吐出される。
DHF供給源831bは、DHFを供給する供給源である。DHF供給源831bは、開閉弁833bが介挿された配管832bを介して、ノズル51bに接続されている。したがって、開閉弁833bが開放されると、DHF供給源831bから供給されるDHFが、ノズル51bから吐出される。
SC−2供給源831cは、SC−2を供給する供給源である。SC−2供給源831cは、開閉弁833cが介挿された配管832cを介して、ノズル51cに接続されている。したがって、開閉弁833cが開放されると、SC−2供給源831cから供給されるSC−2が、ノズル51cから吐出される。
リンス液供給源831dは、リンス液を供給する供給源である。ここでは、リンス液供給源831dは、例えば、純水を、リンス液として供給する。リンス液供給源831dは、開閉弁833dが介挿された配管832dを介して、ノズル51dに接続されている。したがって、開閉弁833dが開放されると、リンス液供給源831dから供給されるリンス液が、ノズル51dから吐出される。なお、リンス液として、純水、温水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、各種の有機溶剤(イオン水、IPA(イソプロピルアルコール)、機能水(CO2水など)、などが用いられてもよい。
処理液供給部83は、SC−1、DHF、SC−2、および、リンス液を選択的に供給する。処理液供給部83から処理液(SC−1、DHF、SC−2、あるいは、リンス液)がノズル51a〜51dのうち対応するノズルに供給されると、回転している基板Wの上面周縁部の処理領域S3に当たるように、当該ノズルは当該処理液の液流L1を吐出する。ただし、処理液供給部83が備える開閉弁833a,833b,833c,833dの各々は、制御部130と電気的に接続されている図示省略のバルブ開閉機構によって、制御部130の制御下で開閉される。つまり、ノズルヘッド50のノズルからの処理液の吐出態様(具体的には、吐出される処理液の種類、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。すなわち、処理液吐出機構83Aは、制御部130の制御によって、回転軸a1を中心に回転している基板Wの上面周縁部の回転軌跡のうち位置PLに当たるように処理液の液流L1を吐出する。
<ノズル移動機構6>
ノズル移動機構6は、ガス吐出機構44A、443および処理液吐出機構83Aのノズルヘッド48〜50をそれぞれの処理位置と退避位置との間で移動させる機構である。
ノズル移動機構6は、水平に延在するアーム61〜63、ノズル基台64〜66、駆動部67〜69を備える。ノズルヘッド48〜50は、アーム61〜63の先端部分に取り付けられている。
アーム61〜63の基端部は、ノズル基台64〜66の上端部分に連結されている。ノズル基台64〜66は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢でケーシング24の周りに分散して配置されている。ノズル基台64〜66は、その軸線に沿って鉛直方向に延在し、軸線周りに回転可能な回転軸をそれぞれ備えている。ノズル基台64〜66の軸線と各回転軸の軸線とは一致する。各回転軸の上端には、ノズル基台64〜66の上端部分がそれぞれ取り付けられている。各回転軸が回転することにより、ノズル基台64〜66の各上端部分は各回転軸の軸線、すなわちノズル基台64〜66の軸線を中心に回転する。ノズル基台64〜66には、それぞれの回転軸を軸線周りに回転させる駆動部67〜69が設けられている。駆動部67〜69は、例えば、ステッピングモータなどをそれぞれ備えて構成される。
駆動部67〜69は、ノズル基台64〜66の回転軸を介してノズル基台64〜66の上端部分をそれぞれ回転させる。各上端部分の回転に伴って、ノズルヘッド48〜50もノズル基台64〜66の軸線周りに回転する。これにより、駆動部67〜69は、ノズルヘッド48〜50をそれぞれの処理位置と、退避位置との間で水平に移動させる。
ノズルヘッド48が処理位置に配置されると、ノズル41の吐出口は、回転保持機構2が回転させる基板Wの周縁部の回転軌跡の一部に対向し、ノズル42の吐出口は、当該回転軌跡の他の一部に対向する。
ノズルヘッド49が処理位置に配置されると、ノズル43は、基板Wの中心c1の上方に位置し、ノズル43の軸線は、スピンチャック21の回転軸a1に一致する。ノズル43の吐出口(下側の開口)は、基板Wの中心部に対向する。また、遮断板90の下面は、基板Wの上面と平行に対向する。遮断板90は、基板Wの上面と非接触状態で近接する。
ノズルヘッド50が処理位置に配置されると、ノズル51a〜51dが処理位置に配置される。より厳密には、例えば、ノズル51a〜51dがアーム63の延在方向に沿って1列に配置されている場合には、ノズル51a〜51dと、円形の基板Wの周縁との各距離は、通常、相互に僅かに異なる。処理領域S3の幅の細い場合でも、ノズル51a〜51dから選択的に吐出される処理液が処理領域S3に当たるように、駆動部69は、ノズル51a〜ノズル51dのうち処理液を吐出するノズルに応じて、ノズルヘッド50の処理位置を制御部130の制御下で調節する。
ノズルヘッド48〜50の各待避位置は、これらが基板Wの搬送経路と干渉せず、かつ、これらが相互に干渉しない各位置である。各退避位置は、例えば、スプラッシュガード31の外側、かつ、上方の位置である。
駆動部67〜69は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。制御部130は、ガス流G1、G2、液流L1が基板Wの周縁部の回転軌跡における位置P1、P2、PLに当たるように、処理位置へのノズルヘッド48、50の配置を予め設定された設定情報に従ってノズル移動機構6に行わせる。位置P1、P2、PLは、当該設定情報を変更することによって調節される。また、制御部130は、ガス流G3が基板Wの中心付近に当たるように、処理位置へのノズルヘッド49の配置を当該設定情報に従ってノズル移動機構6に行わせる。つまり、ノズルヘッド48〜50の位置は、制御部130によって制御される。すなわち、ノズル41〜43、51a〜51dの位置は、制御部130によって制御される。
位置P1、P2、PLの制御に関して、基板Wの中心c1と処理液の着液位置である位置PLとを結ぶ線分と、中心c1とガス流G2が当たる位置P2とを結ぶ線分との双方の線分が挟む中心角θ(図8)は、好ましくは180°以下に設定され、さらに好ましくは90°以下に設定され、さらにより好ましくは45°以下に設定される。これは、中心角θが小さい方が、残留処理液を長く基板Wの処理領域S3の各部に留まらせることができて処理レートを向上させることができるからである。
基板Wの表面周縁部の回転軌跡における位置PLに吐出された処理液の液流L1は、液膜となって処理領域S3に付着した状態で基板Wの周方向に移動する。当該移動の過程で、処理液の液膜が付着している部分と、位置PLとを基板Wの端面(「端縁」)に沿って結ぶ円弧の上に立つ中心角は大きくなる。処理液の液膜には、当該移動の過程で基板Wの回転による遠心力が作用する。このため、当該中心角が90度に達するまでに、処理液の約80%が基板Wの外部に排出される。この割合は、基板Wの回転速度、膜質、吐出される処理液の液量、粘性等によって変動する。
処理領域S3の幅、すなわちエッチング処理等を行いたい幅が1mmであれば、処理液の液流L1は、基板Wの周縁から幅0.5mmの範囲に当たるように吐出されることが好ましい。この場合に、非処理領域S4へ達する液跳ねを抑制しつつ、残留処理液を基板W上から効率良く除くためには、不活性ガスのガス流G1、G2の断面の中心が基板Wの周縁から、例えば、幅4mm〜8mmの範囲に当たるように、ガス流G1、G2を吐出することが好ましい。基板Wの周縁部に付着する残留処理液の液膜の幅は、通常、位置PLに当たる処理液の液流L1の幅よりも広がる。従って、上述のように、基板Wの周縁部に当たる処理液の液流L1の幅よりも、不活性ガスのガス流G1、G2の幅の方が広いことがより好ましい。具体的には、不活性ガスのガス流G1、G2の幅は、液流L1の幅の、例えば、3倍から5倍に設定されることが好ましい。これにより、基板Wの周縁部に付着している残留処理液をガス流G1、G2によって効率良く基板Wの外部に排出できる。
<加熱機構7>
また、基板Wの下面周縁部の下方には、加熱機構7が設けられている。加熱機構7は、環状のヒーター71と、ヒーター71への電力の供給を制御部130の制御に従って行う図示省略の電気回路を備える。
ヒーター71は、基板Wの下面のうちスピンチャック21の上面が当接していない部分と非接触で対向するように、下面周縁部の下方において、スピンチャック21の周りに環状に配設されている。ヒーター71の上面は、基板Wの下面と平行である。ヒーター71は、例えば、ケーシング24から立設された図示省略の保持部材によって保持されている。ヒーター71は、処理液による基板Wの処理レートを向上させるために設けられており、基板Wの周縁部を下面側から加熱する。加熱機構7は、図示省略の移動機構(例えば、モーターなど)を更に備える。当該移動機構は、ヒーター71を上下動させて、処理位置、若しくは処理位置の下方の退避位置にヒーター71を配置する。退避位置は、基板処理装置1への基板Wの搬入搬出時にヒーター71が基板Wの搬送経路と干渉しない位置である。ヒーター71が処理位置に配置された状態でヒーター71に電力が供給され、ヒーター71は発熱して、基板Wの周縁部を加熱する。
ヒーター71に電力を供給する電気回路と、ヒーター71を上下動させる移動機構は、制御部130に電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、ヒーター71による基板Wの加熱態様と、ヒーター71の位置とは、制御部130によって制御される。
基板処理システム100の複数の基板処理装置1のそれぞれは、ハンド153から基板Wを受け取って回転軸a1周りに回転可能に吸着保持するスピンチャック21、若しくはチャックピンを用いて基板Wを保持するスピンチャック21を備える。
<3.基板処理システムの動作>
図23は、基板処理システム100が基板の処理を行う動作の一例を示すフローチャートである。
基板処理システム100の動作について、図1を適宜参照しながら図23のフローチャートに従って説明する。基板処理システム100においては、基板Wの搬送手順および処理条件等をそれぞれ記述した搬送スケジュールと処理スケジュールとに従って、基板処理システム100が備える各部を、制御部130が制御することによって、以下に説明する一連の動作が実行される。なお、当該一連の動作の開始に先立って、未処理の複数の基板Wを収容したキャリアCがキャリアステージ111に載置されている。
基板処理システム100が図23のフローチャートに係る動作を開始すると、スケジューラー16は、磁気ディスク14からレシピK1と装置情報K2を取得する(図23のステップS110)。
スケジューラー16は、レシピK1と装置情報K2とに基づいて基板処理システム100における各基板Wの搬送スケジュールを生成するとともに、基板処理システム100における各基板Wの処理スケジュールも生成し(ステップS120)、双方のスケジュールを磁気ディスク14に記憶する。スケジューラー16は、双方のスケジュールの生成において、基板の上面と下面とのうち当該基板処理装置1が処理できる面(「処理面」)を考慮する。これにより、スケジューラー16は、各基板Wに対してレシピK1に規定される各処理が順次に実行されるように双方のスケジュールを生成する。
スケジューラー16は、各基板処理装置1の稼働率を高めるために、好ましくは、複数の基板Wが複数の基板処理装置1において並行して処理されるように双方のスケジュールを生成する。
レシピK1、装置情報K2の何れの内容も変更されることなく、処理済みの各基板Wを格納したキャリアCが、未処理の各基板Wを格納したキャリアCに交換されて、各基板の処理が繰り返される場合には、スケジューラー16は、ステップS120において、一度、搬送スケジュール、および処理スケジュールを生成すればよい。
回転方向取得部17は、記憶部40に記憶された装置情報K2から各基板処理装置1(各目標位置Pd)に対して予め設定された各回転方向RD1を取得する(ステップS130)。
ステップS140、S150の処理において、制御部130は、基板処理システム100の各部を制御して、キャリアCに格納された未処理の各基板Wの搬送と、処理とを行う。
具体的には、先ず、移載ロボットIRが、当該キャリアCに格納された複数の基板Wから未処理の基板W(「着目基板」)を取り出す。そして、移載ロボットIRは、着目基板を保持したハンド143を基板受渡位置Pまで移動させて、基板受渡位置Pにおいて、着目基板を、搬送ロボットCRに渡す。ハンド153上に着目基板を受け取った搬送ロボットCRは、着目基板を、搬送スケジュールにて指定された基板処理装置1(「着目装置」)に搬入する(ステップS140)。このとき、搬送ロボットCRは、当該搬送におけるアーム152の最後の回転動作の回転方向が、当該基板処理装置1に対して設定された最後の回転動作の回転方向RD1になるようにアーム152を駆動する。搬送制御部15は、アーム152の駆動に先立って、磁気ディスク14に記憶された方向情報K3から当該基板処理装置1に対して設定された回転方向RD1を取得する。なお、移載ロボットIRと搬送ロボットCRとの間の基板の受け渡しは、ハンド153,143間で直接に行われてもよいし、基板受渡位置Pに設けられた載置部などを介して行われてもよい。基板Wが搬入された基板処理装置1においては、基板Wに対して、定められた処理が処理スケジュールに従って実行される(ステップS150)。
着目装置において着目基板に対する処理が終了すると、搬送制御部15は、着目基板に対する全ての処理が終了したか否かを判定する(ステップS160)。判定の結果、全ての処理が終了していない場合は、搬送制御部15は、処理をステップS140に戻し、搬送ロボットCRは、搬送スケジュールに従って、着目装置から着目基板を搬出し、次の処理を行う基板処理装置1(「新たな着目装置」)に着目基板を直接搬入する。当該基板処理装置1において、着目基板に対して定められた次の処理が処理スケジュールに従って実行され(ステップS150)、再度ステップS160の判定が行われる。
ステップS160での判定の結果、着目基板に対する全ての処理が終了していれば、搬送ロボットCRは、最後の処理を行った基板処理装置1から処理済みの着目基板を取り出す。そして、搬送ロボットCRは、処理済みの着目基板を保持したハンド153を基板受渡位置Pまで移動させて、基板受渡位置Pにおいて、当該着目基板を、移載ロボットIRに渡す。ハンド143上に当該着目基板を受け取った移載ロボットIRは、当該着目基板を、キャリアCに格納し、基板処理システム100は、図23のフローチャートに従った動作を終了する。
基板処理システム100が複数の基板Wを並行して処理する場合には、スケジューラー16は、ステップS120において、複数の基板Wのそれぞれを上述の着目基板とする複数の処理が順次に開始された後に、互いに並行して実行され、順次に終了されるように、搬送スケジュールと処理スケジュールとを生成する。
さらに、ステップS130の処理を行った後に、基板処理システム100は、キャリアCに格納された複数の基板Wのそれぞれを着目基板として、ステップS140〜S170の一連の処理を並行して行う。ただし、移載ロボットIRおよび搬送ロボットCRは、一枚ずつ基板Wを搬送する。このため、移載ロボットIRと搬送ロボットCRとは、搬送スケジュールに従って、各基板Wを対応する各基板処理装置1に順次に搬送する。各基板処理装置1においては、搬送スケジュールおよび処理スケジュールに従って、複数の基板Wにそれぞれ定められた処理が並行して行われる。各基板Wに対する全ての処理が終了すると、搬送ロボットCRは、搬送スケジュールに従って、各基板Wに対して最後の処理を行った各基板処理装置1から各基板Wを順次に搬出して移載ロボットIRに順次に渡す。移載ロボットIRは、受け取った各基板Wを順次にキャリアCに格納する。これにより、基板処理システム100は、複数の基板Wを並行して処理する動作を終了する。
<4.目標位置への基板Wの搬送手法について>
以下に、実施形態に係る基板搬送装置200によるハンド153の移動手法として、第1移動手法と第2移動手法とを説明する。また、参考技術に係る移動手法についても説明し、これらの手法によるハンド153の位置決め性能について実測結果に基づいて検討する。
搬送ロボットCRにおいては、後述する参考技術に係る移動手法によってアーム152を回転させた場合、回転機構のバックラッシュに起因してアーム152の回転位置が、目標の回転位置からずれることがある。この場合、ハンド153の位置決め誤差が生ずる。当該位置決め誤差を抑制するために、搬送ロボットCRは、実施形態に係る第1、若しくは第2移動手法によって、移動開始位置から目標位置Pdに向けてハンド153を移動させる。当該移動において、制御部130は、搬送ロボットCRを制御して、アーム152に少なくとも1回の回転動作と、少なくとも1回の進退動作からなる複数の動作を順次に行わせる。これにより、制御部130は、目標位置Pdへ向けてハンド153を移動させる。当該複数の動作におけるアーム152(ハンド153)の最後の回転動作の回転方向は、基板処理装置1ごと、すなわち、各基板処理装置1における目標位置Pdごとに、予め定められた各回転方向RD1(図9、図14等)に設定される。すなわち、アーム152の回転方向に着目したときに、目標位置Pdが移動開始位置に対してCW方向に位置するか、CCW方向に位置するかに拘らず、目標位置Pdに向けてハンド153が移動される際のアーム152の最後の回転動作の回転方向は、回転方向RD1に設定される。
アーム152の当該最後の回転動作(「角度補正用の回転動作」とも称する)において、アーム152は、回転方向RD1に、角度θt(図9、図14等)回転する。角度θtは、ハンド153の回転機構のバックラッシュ量に対応するハンド153の回転角度より大きな角度に設定されている。記憶部40には、サーボモーターを駆動してアーム152を角度θt回転させるために搬送制御部15がドライバー159に与える指令値(「角度θtに対応する指令値」)が、予め記憶されている。搬送制御部15は、当該指令値に基づいて、ハンド153を回転方向RD1に角度θt回転させる。
なお、基板処理システムに配置される基板処理装置1の種類によっては、特定の基板処理装置1のスピンチャック21が、複数個(例えば6個)のチャックピンによって基板Wの周縁を保持する場合がある。この場合、吸着保持を行うスピンチャック21に比べて基板Wの位置決めの要求精度が低くなる。従って、当該基板処理装置1については、第1移動手法若しくは第2移動手法が行われなくてもよい。
<4−1.第1移動手法>
図9、図10は、搬送ロボットCRが実施形態に係る第1移動手法によりハンド153を移動させる際のハンド153の移動経路の例として、移動経路201、202をそれぞれ示す模式図である。図11は、移動経路201におけるハンド153の各停止位置(単に「位置」とも称する)Pa〜Pdに対応した搬送ロボットCRの各状態を示す模式図である。
図12、図13は、移動経路201、202に沿ってハンド153が移動するときのアーム152の回転位置の変動をグラフ形式で示す図である。図12では、ハンド153が順次に位置Pa〜Pdに配置されるときのアーム152の回転位置の変動が示されている。図13では、ハンド153が順次に位置Pe、Pc、Pdに配置されるときのアーム152の回転位置の変動が示されている。図12、図13のアーム152の回転位置は、アーム152を回転させるためにサーボモーターのドライバー159に与えられる指令値によって示されている。
なお、上記図9〜図13、および後述する図14〜図16のうち一部の図面には、方向の説明のために適宜XYの直交座標系が記載されている。X軸は、ハンド153の目標位置Pdからハンド153(アーム152、胴部151)の回転軸a2におろした垂線と平行であり、Y軸は、水平面においてX軸と直交する。
図9〜図13において例示されている第1移動手法、および後述する図14〜図15において例示されている第2移動手法では、ハンド153を目標位置Pdに移動させる際のアーム152の最後の回転動作における回転方向RD1は、CW方向に設定されている。回転方向RD1がCCW方向に設定されてもよい。
図9、図10の移動経路201、202は、アーム152の最後の回転方向RD1がCW方向である場合に、搬送ロボットCRが第1移動手法によって位置Pa、Peから目標位置(停止位置)Pdに向けてハンド153を移動させる経路である。移動経路201において、ハンド153は、位置Pa、Pb、Pc、Pdの順に移動される。移動経路202において、ハンド153は、位置Pe、Pc、Pdの順に移動される。ハンド153は、位置Pa、Pb、Pc、Peにおいて、移動経路M1上の退避位置に位置しており、目標位置Pdにおいて、移動経路M1上の進出位置に位置している。
第1移動手法は、ハンド153が退避位置に位置する状態で、アーム152を回転方向RD1に、角度θt回転させてハンド153を位置Pcに移動させた後に、アーム152を伸展させてハンド153を目標位置Pdに移動させる手法である。位置Pcは、ハンド153が基板処理装置1の処理位置PSに正対する位置である。位置Pcは、ハンド153が目標位置Pdに正対する位置でもある。
移動経路201におけるハンド153の移動が開始される位置Paから位置Pcに向けて最短経路でハンド153を移動させるためのアーム152の回転方向は、CCW方向である。この方向は、アーム152の最後の回転方向RD1、すなわちCW方向とは異なる。そこで、搬送制御部15は、移動経路201に沿って、ハンド153を位置Paから一旦、位置Pbに移動した後に、位置Pcに移動し、さらに目標位置Pdに移動する。位置Pbは、位置Pcにハンド153を配置しているアーム152を、回転方向RD1とは反対の方向に、角度θt回転させたときのハンド153の位置である。
移動経路201においてハンド153が位置Paから位置Pbに移動する経路では、アーム152が屈折してハンド153が移動経路M1上の退避位置に位置する状態から、アーム152が、CCW方向に回転する。
ハンド153が位置Pbから位置Pcに移動する経路では、ハンド153が退避位置に位置する状態から、アーム152が、回転方向RD1、すなわちCW方向に角度θt回転する。ハンド153が位置Pcから目標位置Pdに移動する経路では、アーム152が回転することなく伸展することによって、ハンド153が移動経路M1上の退避位置から進出位置に移動する。
図12に示されるグラフでは、アーム152がCCW方向に回転してハンド153が位置Paから位置Pbに移動する過程で、アーム152の回転位置の値は増加する。図12および後述する図13において、アーム152の回転位置は、当該回転位置にアーム152を回転移動させるために搬送制御部15がサーボモータのドライバー159に与える指令値によって表示されている。また、アーム152(胴部151)の回転機構とドライバー159とは、指令値が増加するとアーム152がCCW方向に回転するように構成されている。ハンド153が位置Pbから位置Pcへ移動する過程では、当該指令値は、減少し、ハンド153が位置Pcから目標位置Pdへ移動する過程では、当該指令値は、一定である。
移動経路202におけるハンド153の移動が開始される位置Peから、ハンド153が目標位置Pdに正対する位置Pcに向けて最短経路でハンド153を移動させるためのアーム152の回転方向は、CW方向である。この方向は、アーム152の最後の回転方向RD1、すなわちCW方向と一致する。位置Peは、位置Pcにハンド153を配置しているアーム152を、回転方向RD1とは反対の方向に、角度θs回転させたときのハンド153の位置である。角度θsは、角度θtよりも大きい角度である。
位置Peにハンド153を配置しているアーム152が回転方向RD1に角度θs回転して位置Pcにハンド153を配置すれば、アーム152は、回転方向RD1に角度θt回転する。このため、移動経路202において、ハンド153は、位置Peから、直接、位置Pcに移動され、さらに目標位置Pdに移動される。
移動経路202においてハンド153が位置Peから位置Pcに移動する経路では、アーム152が屈折してハンド153が移動経路M1上の退避位置に位置する状態で、アーム152が、CW方向、すなわち回転方向RD1に、角度θs回転する。
ハンド153が位置Pcから目標位置Pdに移動する経路では、アーム152が回転することなく伸展することによって、ハンド153が移動経路M1上の退避位置から進出位置に移動する。
図13に示されるグラフでは、アーム152がCW方向に回転してハンド153が位置Peから位置Pcに移動する過程で、アーム152の回転位置の値、すなわちドライバー159に与えられる指令値は減少する。ハンド153が位置Pcから目標位置Pdへ移動する過程では、当該指令値は、一定である。
このように、第1移動手法において、アーム152が目標位置Pdへハンド153を移動させるために行う最後の回転動作は、回転軸a2を中心に目標位置Pdに応じて定められた回転方向RD1に回転する動作である。制御部130は、アーム152が行う回転方向RD1への最後の回転動作の後に、アーム152に進退動作を行わせることによって、アーム152に目標位置Pdへ向けたハンド153の移動を行わせる。
<4−2.第2移動手法>
図14、図15は、搬送ロボットCRが実施形態に係る第2移動手法によりハンド153を移動させる際のハンド153の移動経路の例として、移動経路203、204をそれぞれ示す模式図である。
移動経路203、204に示されるように、第2移動手法は、アーム152が伸展した状態でアーム152が回転方向RD1への最後の回転動作を行う点で第1移動手法と相違する。また、第1移動手法では、ハンド153の移動開始位置が位置Pa、Peの何れであるかによって、ハンド153が位置Pbを経由する場合と経由しない場合とがある一方(図9、図10参照)、第2移動手法では、ハンド153の移動開始位置が位置Pa、Peの何れであるかに拘らず、ハンド153は位置Pbを経由する(図14、図15参照)ことも両移動手法の相違点である。これら2つの相違点を除いて第2移動手法は、第1移動手法と同じである。
<4−3.参考技術に係る移動手法>
図16は、参考技術に係るハンド153の移動手法によりハンド153を移動させる際のハンド153の移動経路の例として、移動経路205、206を示す模式図である。
移動経路205において、ハンド153は、位置Pa、Pc、Pdの順に移動される。移動経路206において、ハンド153は、位置Pe、Pc、Pdの順に移動される。ハンド153は、位置Pa、Pc、Peにおいて、移動経路M1上の退避位置に位置しており、目標位置Pdにおいて、移動経路M1上の進出位置に位置している。
移動経路205におけるハンド153の移動が開始される位置Paから位置Pcに向けて最短経路でハンド153を移動させるためのアーム152の回転方向は、CCW方向である。移動経路205においてハンド153が位置Paから位置Pcに移動する経路では、アーム152が屈折してハンド153が移動経路M1上の退避位置に位置する状態から、アーム152が、CCW方向に回転する。ハンド153が位置Pcから目標位置Pdに移動する経路では、アーム152が回転することなく伸展することによって、ハンド153が移動経路M1上の退避位置から進出位置に移動する。
移動経路206におけるハンド153の移動が開始される位置Peから、ハンド153が目標位置Pdに正対する位置Pcに向けて最短経路でハンド153を移動させるためのアーム152の回転方向は、CW方向である。移動経路206においてハンド153が位置Peから位置Pcに移動する経路では、アーム152が屈折してハンド153が移動経路M1上の退避位置に位置する状態で、アーム152が、CW方向に回転する。ハンド153が位置Pcから目標位置Pdに移動する経路では、アーム152が回転することなく伸展することによって、ハンド153が移動経路M1上の退避位置から進出位置に移動する。参考技術に係る移動経路206と、本発明の第1移動手法における移動経路202とは、結果的に同じ経路となっている。
上記のように、参考技術に係るハンド153の移動手法においては、アーム152の回転方向に着目したときに、ハンド153の目標位置Pdがハンド153の移動開始位置に対してCW方向であるか、CCW方向であるかによって、目標位置Pdに向けてハンド153が移動される際のアーム152の最後の回転方向は、変動する。このため、参考技術に係るハンド153の移動手法においては、アーム152の回転機構のバックラッシュに起因して、アーム152の最後の回転位置がアーム152の最後の回転方向に応じて変動する。これにより、アーム152の最後の回転位置が目標の回転位置からずれて、ハンド153の位置決め誤差が生ずる。
図17は、移動経路205、206に沿ったハンド153の移動を繰り返したときのハンド153の最終停止位置の変動例をグラフ形式で示す図である。四角で示される各測定結果は、ハンド153を位置Pcに移動させるアーム152の回転方向がCCW方向である移動経路205に沿ってハンド153を位置Paから目標位置Pdに向けて移動させた後のハンド153の停止位置を測定する作業を11回繰り返したときの各測定結果である。
円で示される各測定結果は、ハンド153を位置Pcに移動させるアーム152の回転方向がCW方向である移動経路206に沿ってハンド153を位置Peから目標位置Pdに向けて移動させた後のハンド153の停止位置を測定する作業を11回繰り返したときの各測定結果である。
各測定結果は、ハンド153の停止位置のY軸における座標、すなわち、ハンド153の目標位置Pdから回転軸a2におろした垂線と水平面において直交する座標軸におけるハンド153の座標をレーザ変位計によって測定した結果である。ハンド153の座標は、U字形状の基板支持部153bの一方の先端において測定されている。基板支持部153bがU字形状を有することと、レーザ変位計の原点が、Y軸方向に沿って目標位置Pdからずれていることに起因して、各測定結果は、全体的にY軸の正の方向にずれている。
分布幅H1は、移動経路205に沿って移動したハンド153の停止位置の座標と、移動経路206に沿って移動したハンド153の停止位置の座標との差の最大値、すなわちハンド153の最終停止位置のY軸方向における分布幅である。分布幅H1は、ハンド153の回転機構のバックラッシュに起因するハンド153の位置決め誤差の最大値に相当する。図17の測定結果における当該位置決め誤差の最大値は、具体的には、0.1mm程度である。
<4−4.各移動手法の比較>
図18は、第1、第2移動手法と参考技術に係る移動手法とによるハンド153の移動を種々の移動速度で行ったときのハンド153の最終停止位置の分布幅の一例を表形式で示す図である。
各移動手法において、ハンド153の移動速度が5通りに設定されている。各速度について、ハンド153の最終停止位置の分布幅が、図17における分布幅H1と同様に測定されている。
具体的には、目標位置Pdに向けたハンド153の移動は、第1移動手法においては移動経路201、202に沿って、第2移動手法においては移動経路203、204に沿って、参考技術に係る移動手法においては、移動経路205、206に沿って行われている。ハンド153の5通りの移動速度のそれぞれに対して、各移動経路201〜206に沿ったハンド153の移動が11回ずつ行われている。各回のハンド153の最終停止位置のY座標は、レーザ変位計によって測定されている。測定の結果に基づいて、ハンド153の最終停止位置のY座標の分布幅が、分布幅H1と同様に測定されている。また、各移動速度における分布幅の平均値が表の右端に示されている。
図18の表に示されるように、ハンド153の最終停止位置のY座標の分布幅、すなわちハンド153の位置決め誤差の最大値は、第1移動手法が最も小さく、次いで第2移動手法が小さく、参考技術に係る移動手法が最も大きい。
図18の測定結果から、回転軸a2を中心とする周方向において、ハンド153の移動開始位置が目標位置Pdに対して何れの側にある場合でも、アーム152の最後の回転動作における回転方向が、定められた回転方向RD1に設定されれば、当該設定がなされない参考技術に係る移動手法に比べて、ハンド153の位置決め精度を向上できることが判る。
また、第1移動手法では、アーム152が屈折してハンド153が退避位置に位置する状態でアーム152の最後の回転動作が行われ、第2移動手法では、アーム152が伸展してハンド153が進出位置に位置する状態で、当該最後の回転動作が行われている。このため、最後の回転動作におけるアーム152およびハンド153の回転モーメントは、第1移動手法が第2移動手法よりも小さい。これにより、第2移動手法よりも第1移動手法におけるハンド153の位置決め誤差が小さくなっていると推定される。第2移動手法が採用されるとしても、参考技術に係る移動手法よりも当該位置決め誤差を改善できるので本発明の有用性を損なうものではない。
<5.基板の中心位置を検出するためのセンサー>
基板処理システム100の複数の基板処理装置1のうち少なくとも1つの基板処理装置1が、基板Wの中心位置を検出するためのセンサーを備えてもよい。当該センサーは、複数の基板処理装置1のうち基板Wを吸着保持するスピンチャック21を備える装置に設けられることが好ましい。図19は、当該センサーとしてセンサー38を備える基板処理装置1の側面模式図である。当該模式図には、センサー38の構成例を示すために、センサー38の近傍部分が表示されている。図20は、センサー38の配置例を示す基板処理装置1の上面模式図である。
基板処理装置1には、2つのセンサー38が基板Wの円周方向に沿って互いに離れて設けられている。センサー38は、基板Wの周縁部に向けて周縁部の上方または下方(図19の例では上方)から周縁部に向けて光39を鉛直方向に照射する投光部38aと、周縁部を挟んで投光部38aと対向して配置され、光39を受光して光量に応じた電気信号を出力する受光部38bとを備える。光39の水平面における断面形状は、基板Wの径方向に長い形状である。投光部38aは、光39の一部が基板Wの周縁部に当たるように光39を照射する。センサー38は、制御部130と電気的に接続されており、投光部38aの発光動作は、制御部130によって制御される。受光部38bの出力信号は、制御部130に供給される。
投光部38aは、例えば、ビーム状のレーザ光を照射するレーザーダイオードと、当該レーザ光を帯状に整形する光学系とを備えて構成される。受光部38bは、例えば、2次元撮像素子、若しくは光39の水平面における断面の延在方向に延在する1次元撮像素子等を備えて構成される。
図19の構成では、光39の一部は、基板Wによって遮られ、光39の他の部分が受光部38bの受光面に入射する。受光部38bの各画素の出力信号は、制御部130に供給される。制御部130は、各画素の座標および出力信号に基づいて、基板Wの端面S5のうち光39が横切る部分の座標を演算する。
基板処理装置1が2つのセンサー38を備えていることから、基板Wの端面S5のうち2つの光39を遮る2箇所の座標が測定される。基板Wの径は、既知である。制御部130は、端面S5の当該2箇所の座標と、基板Wの径とに基づく幾何計算によって基板Wの中心c1の座標を演算する。制御部130は、求めた中心c1の座標に基づいて、基板Wの位置ずれの有無を検出する。
位置ずれがある場合には、搬送制御部15は、検出した基板Wの中心c1が回転軸a1に重なるように、アーム152に回転と、屈伸とのうち少なくとも一方の動作を行わせる指令値をドライバー159に供給して搬送ロボットCRを動作させる。これにより、基板Wの位置ずれが修正される。
投光部38aとして、例えば、基板Wの径方向に並んだ複数の発光ダイオードのアレイが採用されてもよい。当該複数の発光ダイオードは、鉛直方向に沿ってビーム状の光を照射する。また、受光部38bとして、例えば、基板Wの径方向に並んだ複数のフォトダイオードのアレイが採用されてもよい。
また、上記のセンサー38の投光部38a、受光部38bは、鉛直方向に配列されているが、センサー38が含む投光部と受光部とが、基板Wの端面S5に沿って、水平に並んでいてもよい。このような投光部として、例えば、端面S5に斜めの方向からビーム状の光を照射する発光ダイオード等が採用される。このような受光部として、投光部が照射した光が端面S5によって反射された反射光を受光する2次元撮像素子、若しくは端面S5に対向して延在する1次元撮像素子が採用される。制御部130は、受光部に入射した反射光の位置を検出する。制御部130は、受光部における反射光の入射位置と、投光部および受光部の各座標とに基づいて、端面S5のうち投光部が照射した光が当たった部分の座標を演算する。当該演算は、投光部と受光部との間隔を基線長とする三角測量の原理を用いて行われる。基板処理装置1がこのようなセンサー38を2つ以上備えていれば、制御部130は、処理位置PSからの基板Wの中心c1の位置ずれの有無を検出するとともに、位置ずれの量と方向を特定することができる。
基板処理システム100の複数の基板処理装置1の何れもがセンサー38を備えていないとしても本発明の有用性を損なうものではない。
<6.基板搬送装置の動作>
図24〜図26は、基板搬送装置200が、第1移動手法、若しくは第2移動手法によってハンド153を目標位置Pdに向けて移動する動作の一例を示すフローチャートである。以下に、図24〜図26を参照しつつ、基板搬送装置200の動作について説明する。
搬送制御部15は、移動開始前のアーム152の回転位置を取得する(図24のステップS210)。当該回転位置は、例えば、基板受渡位置P、若しくは処理済みの基板Wを保持する基板処理装置1に対応する目標位置Pdにハンド153が位置するときのアーム152の回転位置である。搬送制御部15は、ドライバー159に供給した指令値に基づいてアーム152の回転位置を取得することができる。
搬送制御部15は、アーム152の目標回転位置を取得する(ステップS220)。アーム152の目標回転位置は、目標位置Pdにハンド153が位置するときのアーム152の回転位置である。
搬送制御部15は、磁気ディスク14に記憶された方向情報K3から、ハンド153の目標位置Pdに対応したアーム152の最後の回転動作における回転方向RD1を読み出して取得する(ステップS230)。
搬送制御部15は、アーム152が角度補正用の回転動作を開始するための回転位置を取得する(ステップS240)。当該回転位置は、具体的には、例えば、第1移動手法に係る移動経路201の位置Pb(図9)、若しくは第2移動手法に係る移動経路203の位置Pf(図14)にハンド153が位置するときのアーム152の回転位置である。搬送制御部15は、角度θt(図9、図14等)に対応する指令値を、磁気ディスク14から読み出して、アーム152の目標回転位置から減算することによってアーム152が角度補正用の回転動作を開始するための回転位置を取得する。
搬送制御部15は、移動開始位置にハンド153が正対している状態から最短経路でハンド153を移動して目標位置Pdにハンド153を正対させるためのアーム152の回転方向RD2を取得する(ステップS250)。目標位置Pdに正対するハンド153の位置は、例えば、移動経路201における位置Pc(図9)である。搬送制御部15は、ステップS220で取得したアーム152の目標回転位置と、ステップS210で取得した移動開始前のアーム152の回転位置とを比較することによって、回転方向RD2を取得する。
搬送制御部15は、例えば、予め設定されている搬送ロボットCRの動作モードに従って、第1移動手法による搬送ロボットCRの駆動(ステップS260)と、第2移動手法による搬送ロボットCRの駆動(ステップS270)との何れかの駆動を行う。当該動作モードは、搬送ロボットCRが第1移動手法と第2移動手法との何れの移動手法によって目標位置Pdへ向けたハンド153の移動を行うのかを規定する情報である。当該動作モードは、予め設定されて磁気ディスク14に記憶されている。搬送制御部15は、磁気ディスク14から当該動作モードを読み出して、搬送ロボットCRが当該動作モードに従った移動手法を行うように、搬送ロボットCRの制御を行う。
搬送ロボットCRの動作モードが第1移動手法に設定されている場合には、搬送制御部15は、ステップS260の処理を開始する。搬送制御部15は、アーム152を屈折させることによってアーム152の先端を移動経路M1に沿って回転軸a2側の位置に移動させて、ハンド153を移動経路M1上の退避位置に移動させる(図25のステップS310)。ハンド153の移動開始位置が、例えば、位置Pa(図9)のように退避位置であれば、搬送制御部15は、ステップS310の処理を行わない。
搬送制御部15は、アーム152の最後の回転方向RD1と、ステップS250(図24)で取得した回転方向RD2とが等しいか否かを判定する(ステップS320)。
ステップS320での判定の結果、回転方向RD1、RD2が等しい場合には、搬送制御部15は、アーム152の目標回転位置をアーム152の回転に係る指令値としてドライバー159に供給することによって、アーム152を目標回転位置まで回転方向RD2に回転させる(ステップS330)。その後、搬送制御部15は、アーム152を伸展させてアーム152の先端を移動経路M1に沿って回転軸a2から遠ざかる方向に移動させる。これにより、搬送制御部15は、ハンド153を目標位置Pdに向けて移動させる(ステップS360)。搬送制御部15は、ステップS260の処理を終了させて、処理を図24の終了ステップに移し、搬送ロボットCRの駆動を終了する。
ステップS320での判定の結果、回転方向RD1、RD2が互いに異なる場合には、搬送制御部15は、角度補正用の回転動作を開始する回転位置をアーム152の回転に係る指令値としてドライバー159に供給することによって、アーム152を角度補正用の回転動作を開始する回転位置まで回転方向RD2に回転させる(ステップS340)。その後、搬送制御部15は、アーム152の目標回転位置をアーム152の回転に係る指令値としてドライバー159に供給することによって、アーム152を目標回転位置まで最後の回転方向RD1、すなわちステップS340での回転方向とは逆の回転方向に回転させる(ステップS350)。アーム152を目標回転位置まで回転させると、搬送制御部15は、上述したステップS360の動作を行って、アーム152によってハンド153を目標位置Pdに向けて移動させる(ステップS360)。搬送制御部15は、ステップS260の処理を終了させて、処理を図24の終了ステップに移し、搬送ロボットCRの駆動を終了する。
搬送ロボットCRの動作モードが第2移動手法に設定されている場合には、図24のステップS250の終了後に、搬送制御部15は、ステップS270の処理を開始する。搬送制御部15は、アーム152を屈折させることによってアーム152の先端を移動経路M1に沿って回転軸a2側の位置に移動させて、ハンド153を移動経路M1上の退避位置に移動させる(図26のステップS410)。ハンド153の移動開始位置が、例えば、位置Pa(図9)のように退避位置であれば、搬送制御部15は、ステップS410の処理を行わない。
搬送制御部15は、角度補正用の回転動作を開始する回転位置をアーム152の回転に係る指令値としてドライバー159に供給することによって、アーム152を角度補正用の回転動作を開始する回転位置まで回転方向RD2に回転させる(ステップS420)。
搬送制御部15は、アーム152の先端を移動経路M1に沿って回転軸a2から遠ざけてハンド153を移動経路M1上の進出位置に向けて移動させる(ステップS430)。
搬送制御部15は、アーム152の目標回転位置をアーム152の回転に係る指令値としてドライバー159に供給することによって、アーム152を目標回転位置まで最後の回転方向RD1に回転させる(ステップS440)。搬送制御部15は、ステップS270の処理を終了させて、処理を図24の終了ステップに移し、搬送ロボットCRの駆動を終了する。
以上のように構成された本実施形態に係る基板搬送装置および基板搬送方法の何れによっても、アーム152が目標位置Pdへハンド153を移動させるために行う最後の回転動作は、回転軸a2を中心に目標位置Pdに応じて定められた回転方向RD1に回転する動作である。これにより、目標位置Pdと、移動前の基板Wの位置との位置関係に拘らず、ハンド153の移動が完了したときのアーム152の回転角度を高い精度で制御できる。従って、搬送ロボットCRがハンド153を目標位置Pdに位置決めする精度を向上できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板搬送装置によれば、アーム152は、目標位置Pdへハンド153を移動させるために行う最後の回転動作の後に進退動作を行う。これにより、ハンド153を回転軸a2に近づけた状態で最後の回転動作を行うことができるので回転モーメントを抑制しつつアーム152を回転させることができる。従って、搬送ロボットCRは、アーム152の回転角度をさらに高い精度で制御できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理システムによれば、目標位置Pd目標位置Pdへハンド153を移動させるために行うアーム152の最後の回転動作の回転方向RD1は、複数の基板処理装置1のそれぞれごとに予め設定された方向である。従って、各基板処理装置1への基板の搬送時間が短くなるように各基板処理装置1に対して回転方向RD1を設定できる。これにより、基板処理システム全体における基板Wの搬送時間を抑制することができる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理システムによれば、複数の基板処理装置1のうち少なくとも1つの装置のスピンチャック21は、基板処理装置1が処理位置PSに向けて移動させた基板Wを受け取って回転軸a1周りに回転可能に吸着保持する。当該スピンチャック21自体は、基板Wの中心c1とスピンチャック21の回転軸a1との位置ずれを規制する機構を持たない。しかし、搬送ロボットCRは、ハンド153を高い精度で目標位置Pdに対して位置決めできる。従って、回転軸a1に対する基板Wの位置ずれを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理システムによれば、複数の基板処理装置1のうち少なくとも1つの装置は、基板Wの中心c1と基板Wの回転軸a1との位置ずれを検出可能なセンサーをさらに備える。従って、例えば、ハンド153が基板Wを保持する際の基板Wの位置ずれ等に起因して基板Wの中心c1と当該回転軸a1との位置ずれが生じた場合にも、検出した位置ずれに基づいて基板Wの配置を修正する措置等を講ずることが可能となる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 基板処理システム
200 基板搬送装置
1 基板処理装置
38 センサー
121 筐体
122 搬出入口
130 制御部
152 アーム
153 ハンド
CR 搬送ロボット
IR 移載ロボット
a2 回転軸
W 基板

Claims (6)

  1. 基板を保持するハンドと、前記ハンドを先端で支持して前記ハンドを目標位置に向けて移動させるアームと、を備える搬送ロボットと、
    前記搬送ロボットの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記搬送ロボットは、
    定められた回転軸を中心とする回転動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸を中心とする円周方向に前記ハンドを移動可能に構成されているとともに、前記回転軸に対する前記先端の進退動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸に対する前記ハンドの距離を変更可能に構成されており、
    前記制御部は、
    前記搬送ロボットを制御して、前記アームに少なくとも1回の前記回転動作と、少なくとも1回の前記進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせ、
    前記複数の動作において前記アームが行う最後の回転動作は、前記回転軸を中心に前記目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である、基板搬送装置。
  2. 請求項1に記載の基板搬送装置であって、
    前記制御部は、
    前記搬送ロボットを制御して、前記最後の回転動作の後に前記アームに前記進退動作を行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせる、基板搬送装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板搬送装置と、
    前記搬送ロボットの周囲にそれぞれ配置された複数の基板処理装置と、
    を備え、
    前記複数の基板処理装置のそれぞれは、定められた処理位置に配置された前記基板を保持して定められた基板回転用の回転軸周りに回転させつつ、前記基板に対して定められた処理を行うことができ、
    前記基板搬送装置は、前記複数の基板処理装置に規定される複数の処理位置に前記基板をそれぞれ配置可能な前記ハンドの複数の位置のそれぞれを前記目標位置として前記ハンドを移動可能であり、
    当該複数の目標位置に応じてそれぞれ定められた前記最後の回転動作の各回転方向は、前記複数の基板処理装置のそれぞれごとに予め設定された方向である、基板処理システム。
  4. 請求項3に記載の基板処理システムであって、
    前記複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置は、前記基板搬送装置が前記目標位置に向けて移動させた前記ハンドから前記基板を受け取って前記基板回転用の回転軸周りに回転可能に吸着保持する基板保持部を備える、基板処理システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の基板処理システムであって、
    前記複数の基板処理装置のうち少なくとも1つの装置は、前記基板の中心と前記基板回転用の回転軸との位置ずれを検出可能なセンサーをさらに備える、基板処理システム。
  6. 基板搬送装置における基板搬送方法であって、
    前記基板搬送装置は、
    基板を保持するハンドと、前記ハンドを先端で支持して前記ハンドを目標位置に向けて移動させるアームと、を備える搬送ロボットを備え、
    前記搬送ロボットは、
    定められた回転軸を中心とする回転動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸を中心とする円周方向に前記ハンドを移動可能に構成されているとともに、前記回転軸に対する前記先端の進退動作を前記アームに行わせることによって前記回転軸に対する前記ハンドの距離を変更可能に構成されており、
    当該基板搬送方法は、
    前記アームに少なくとも1回の前記回転動作と、少なくとも1回の前記進退動作からなる複数の動作を順次に行わせることによって、前記アームに前記目標位置へ向けた前記ハンドの移動を行わせる工程を備え、
    前記複数の動作において前記アームが行う最後の回転動作は、前記回転軸を中心に前記目標位置に応じて定められた方向に回転する動作である、基板搬送方法。
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