JP2017091690A - セルモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のセルモジュールでは、周縁部に配置した接着剤の収縮により周縁部全体が積層方向に収縮変形するという問題点があった。【解決手段】フレーム1を有する膜電極接合体2と、これらを挟持する一対のセパレータ3,4とを備えると共に、フレーム1及びセパレータ3,4の周縁部同士の間を接着剤5で封止した構造を有する単セルCを複数積層して成るセルモジュールMであって、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、一対のセパレータ3,4に相対的に配置され且つ膜電極接合体2に当接する支持部6と、支持部6から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造とを備えたことにより、接着剤5の収縮による周縁部全体の変形を抑制する。【選択図】図6
Description
本発明は、複数枚の単セルを積層して成るセルモジュールの改良に関するものである。
従来のセルモジュールとしては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載のセルモジュールは、積層された複数の単セルを備えている。単セルは、周縁部にフレームを有する電極体と、これらを両側から挟む第1及び第2のセパレータとを備えている。このセルモジュールは、周縁領域に、第1のセパレータとフレームとを接着する第1の接着領域と、第2のセパレータとフレームとを接着する第2の接着領域と、隣り合う単セルのセパレータ同士を接着する第3の接着領域とを備えている。そして、セルモジュールは、第1〜第3の接着領域の少なくとも1つの接着領域が、他の接着領域に対して重ならない位置に形成されている。
上記のセルモジュールは、無負荷状態やスタック締結荷重付与時点よりも低荷重状態となった場合、セル面内の中央領域において電極体のガス拡散層が厚さ方向に膨むことによって、セルモジュールが太鼓上に変形する課題に対して、周縁領域においてフレームの一部を厚さ方向に変形させ、周縁領域の厚さを増加させる。これにより、セルモジュールは、全体が過度に太鼓状に変形することを抑制し、応力集中による破損の可能性を低減する。
しかしながら、上記したような従来のセルモジュールにあっては、ガス拡散層の圧縮量の変化(膨張収縮)による変形には対応し得るものの、周縁領域に配置した接着剤(接着領域)の収縮による変形には何ら対策も施されていない。すなわち、周縁部に接着剤を配置した構造を有するセルモジュールでは、各層の接着剤の硬化時点からの寸法収縮により周縁部全体が積層方向に収縮変形し、これにより、単セル内部の構成部材の変形や、セルモジュール連結部でのシール性の低下を招くおそれがある。このため、従来のセルモジュールでは、接着剤の収縮により発生する不具合を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目してなされたもので、周縁部に接着剤を配置した構造を有するセルモジュールにおいて、接着剤の収縮による全体の変形を抑制することができるセルモジュールを提供することを目的としている。
本発明に係わるセルモジュールは、周囲にフレームを有する膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えると共に、フレーム及びセパレータの周縁部同士の間を接着剤で封止した構造を有する単セルを含み、その単セルを複数積層して成るものである。このセルモジュールは、少なくとも1つの単セルにおける接着剤の配置部分に直交する断面について、一対のセパレータに相対的に配置され且つ膜電極接合体に当接する支持部と、セパレータの支持部から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造とを備えたことを特徴としている。
上記のセルモジュールは、単セルの周縁部において、セパレータの支持部から外周縁部に至る範囲が、支持部を支点とし且つ接着剤の配置部分を作用点とする片持ち梁構造になる。そこで、セルモジュールは、セパレータの支持部から外周縁部に至る範囲に設けた荷重支持構造により、接着剤の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を確保し、これにより周縁部全体の収縮変形を抑制する。
本発明に係わるセルモジュールは、上記構成を採用したことにより、単セルの周縁部に接着剤を配置した構造において、接着剤の収縮による周縁部全体の変形を抑制することができる。これにより、セルモジュールは、単セル内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。
〈第1実施形態〉
図1に示す燃料電池スタックFSは、図1(B)に示すように、複数の単セルCを積層して一体化した複数のセルモジュールMを備えている。この実施形態の単セルCは、図示の姿勢において横長の長方形状である。なお、図1(B)には、2つのセルモジュールMを示しているが、その数は少なくとも2以上である。また、セルモジュールM同士の間には、シールプレートPが介装してある。
図1に示す燃料電池スタックFSは、図1(B)に示すように、複数の単セルCを積層して一体化した複数のセルモジュールMを備えている。この実施形態の単セルCは、図示の姿勢において横長の長方形状である。なお、図1(B)には、2つのセルモジュールMを示しているが、その数は少なくとも2以上である。また、セルモジュールM同士の間には、シールプレートPが介装してある。
燃料電池スタックFSは、セルモジュールMの積層方向の両端部に、エンドプレート56A,56Bを夫々配置し、単セルCの長辺側となる両面(図1中で上下面)に、締結板57A,57Bが設けてあると共に、短辺側となる両面に、補強板58A,58Bが設けてある。各締結板57A,57B及び補強板58A,58Bは、図示しないボルトにより両エンドプレート56A,56Bに連結する。
このようにして、燃料電池スタックFSは、図1(A)に示すようなケース一体型構造となり、各セルモジュールM及びシールプレートPを積層方向に拘束・加圧して個々の燃料電池単セルCに所定の接触面圧を加え、ガスシール性や導電性等を良好に維持する。
セルモジュールMは、図2(A)に示すように、複数の単セルCを積層して成るものである。単セルCは、図2(B)に示すように、周囲にフレーム1を有する膜電極接合体2と、フレーム1及び膜電極接合体2を挟持する一対のセパレータ3,4とを備えている。この単セルCは、フレーム1及びセパレータ3,4の周縁部同士の間を接着剤5で封止した構造を有している。
単セルCは、フレーム1及び膜電極接合体2と一方のセパレータ3との間に、アノードガス(水素含有ガス)のガス流路を形成している。また、フレーム1及び膜電極接合体2と他方のセパレータ4との間には、カソードガス(酸素含有ガス:例えば空気水素含有ガス)のガス流路を形成している。
フレーム1は、例えば樹脂製であり、より望ましくは、単セルCの薄型化に有効である樹脂製フィルムであって、その中央に配置した膜電極接合体2と一体化してある。膜電極接合体2は、一般に、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれるものであって、詳細な図示は省略するが、固体高分子から成る電解質層をアノード電極層とカソード電極層とで挟持した構造を有している。各電極層は、触媒層やガス拡散層などを積層して形成してある。
各セパレータ3,4は、例えばステンレス製であって、例えばプレス加工により適宜の形状に成形され、少なくとも膜電極接合体1に対応する部分が、長辺方向に連続する断面凹凸形状に形成してある。各セパレータ3,4は、その断面凹凸形状の部分において、膜電極接合体1に波形凸部を接触させると共に、波形凹部と膜電極接合体1との間に、長辺方向に連通するガス流路を形成する。
シールプレートPは、導電性の一枚の金属板を成形したものであり、単セルCとほぼ同じ形状で同じ大きさに形成してあり、セルモジュールM同士の間で経時的に安定した通電を行うことができる。
各単セルCのフレーム1及びセパレータ3,4、並びにシールプレートPは、積層状態で互いに連通して流体用のマニホールドを形成するマニホールド穴H1〜H6を有している。図示例では、単セルCの両側の短辺に沿って、夫々3個ずつのマニホールド穴H1〜H3,H4〜H6を有している。
一例として、図2中の左側のマニホールド穴H1〜H3は、カソードガス供給用(H1)、冷却液供給用(H2)、アノードガス排出用(H3)である。また、図2中の右側のマニホールド穴H4〜H6は、アノードガス供給用(H4)、冷却液排出用(H5)、カソードガス排出用(H6)である。冷却液は、セルモジュールMにおいて、単セルC同士の間に流通する。なお、各マニホールド穴H1〜H6の供給及び排出の位置関係は、一部又は全部が逆であっても良い。
各単セルCにおいて、フレーム1とセパレータ3,4とは、周縁部同士の間に設けた接着剤5で接着してある。接着剤5は、フレーム1及びセパレータ3,4の周縁部全周にわたって連続的に設けてある。また、接着剤4は、マニホールド穴H1〜H6の周囲にも設けてあり、この際、各流路に夫々該当する流体が流通し得るように、その一部が出入口として開放してある。この接着剤5は、フレームと及びセパレータ3,4とを接着すると共に、接着後には、収縮して各流体に対するシール材として機能する。
ここで、上記のセルモジュールMでは、各単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造になっており、接着後における各接着剤5の収縮により周縁部全体が積層方向に収縮変形する。換言すれば、中央部が膨らんだ状態(いわゆる太鼓状)に変形する。
そこで、セルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、一対のセパレータ3,4に相対的に配置され且つフレーム1を含む膜電極接合体2に当接する支持部6と、セパレータ3,4の支持部6から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造(図6の高剛性部:リブ7を参照)とを備えている。
また、セルモジュールMは、さらに望ましい実施形態として、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造(図14の弾性変形部15A〜15Cを参照)を備えている。
図4は、荷重支持構造の原理を説明する図である。
すなわち、セルモジュールMは、図4(A)に示すように、各単セルCの周縁部に配置した接着剤5の収縮により、周縁部全体が積層方向に収縮変形する。図4(A)中には、接着剤4の収縮前の端部位置を仮想線で示している。
すなわち、セルモジュールMは、図4(A)に示すように、各単セルCの周縁部に配置した接着剤5の収縮により、周縁部全体が積層方向に収縮変形する。図4(A)中には、接着剤4の収縮前の端部位置を仮想線で示している。
上記のセルモジュールMにおいて、周縁部の積層断面では、セパレータ3,4の中央に形成した凹凸形状のうちの最も外側の波形凸部が支持部6に相当する。支持部6は、両セパレータ3,4に相対的に配置され且つ膜電極接合体2に当接する。そして、この積層断面では、支持部6を支点Pとし且つ接着剤5の配置部分を作用点Qとする梁長Lの片持ち梁構造になる。なお、作用点Qは、便宜上、接着剤5の配置部分の中心である。
接着剤5は、図4(B)に示すように、所定の最大収縮力(Y軸との交点、)をとる。Y軸との交点は、これは熱応力発生時に外部部材が変形しえない完全拘束状態で、接着の変形量はゼロとなり、線膨張係数、硬化状態からの温度変化ΔTおよび接着形状(幅など)に依存する最大熱応力(荷重)状態を示す。一方、拘束力が低下すると、徐々に接着層は変形・解放され、拘束がゼロのケース(自由膨張、収縮)では、外部(結合部材)に対して作用する荷重はゼロ(X軸との切片)になり、この際の変形量は、接着層の初期厚み線膨張係数、温度変化ΔT、により与えられる。すなわち、接着剤5の最大解放量(解放に必要な変形量)は、各接着剤5の総厚さに依存するので、単セルCの積層枚数の増加に伴って増加する。ただし、解放量がゼロの単位長さ当たりの荷重は、厚さに依存しないで決まるので、接着剤4の収縮荷重と解放量との関係は図4中の点線のような前記2点を結ぶ線形もしくは非線形なライン上を変動する。
例えば、図4(B)では、単セルCが一枚の場合、二枚の場合、及び四枚の場合の三例を点線で示している。これらとX軸との交点は、接着剤5の基準温度から任意温度に至る間の収縮量であり、接着剤5が完全に自由収縮して内部応力がゼロとなる点である。
一方、接着剤5が収縮する際には、支点Pから作用点Qを経て外周縁部に至る範囲の積層体を変形させながら収縮する。この際、積層体を変形させる(曲げる)のに必要なばね定数をKcとすると、図4(A)に示す積層断面における片持ち梁構造では、Kc=3EI/L^3のようになる。
また、断面2次モーメント(I)は、支点Pから作用点Qに至る範囲の積層体の断面2次モーメントになる。この積層体の断面2次モーメントは、加算されるので、積層体自体の断面2次モーメントを増加させれば、接着剤5の収縮による全体の収縮荷重に抗することができる。さらに、接着剤5の変形は、それ自体の収縮力と、ばね定数Kcとが釣り合う点まで許容され、図4(B)中に実線で示すように、ばね定数Kcの大きさにより解放量(変形量)が変化する。図4(B)では、ばね定数Kcが大きい場合、及び中程度の場合の二例を示している。
つまり、セルモジュールMでは、図4(B)中に点線と実線との交点を示すように、接着剤5の最大収縮量及び接着剤5の解放量に対して、積層体のばね定数Kcを選択することにより、周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。このばね定数Kcは、具体的には、先述の荷重支持構造により設定されることになる。このようにして、セルモジュールMは、接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を確保し、これにより周縁部全体の収縮変形を抑制することとなる。
次に、図5は、荷重低減構造の原理を説明する図である。すなわち、セルモジュールMは、上記した荷重支持構造の説明と同様に、図5(A)に示すように、各単セルCの周縁部に配置した接着剤5の収縮により、周縁部全体が積層方向に収縮変形する。
上記のセルモジュールMは、支持部6(支点P)から接着剤5の配置部分(作用点Q)を経て外周縁部に至る範囲において、積層体の接着剤5以外の部分が変形すれば、図5(B)に示すように、内部での解放が行われて収縮荷重が低下する。これにより、積層体のばね定数Kcも実質的に低下するので、ばね定数Kcとのバランス荷重が減少して、変形を抑制することができる。図5(B)には、単セルCが4枚の場合を点線で示しており、ばね定数Kcが大きい場合を実線で示している。
つまり、セルモジュールMでは、図5(B)中に点線と実線との交点を示すように、積層体の接着剤5を除く部分を変形させることにより収縮荷重が低下するので、周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。具体的には、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に荷重低減構造を設けることで、接着剤5の収縮荷重を吸収若しくは収縮に追従する機能を確保して収縮荷重を低減し、これにより周縁部全体の収縮変形を抑制することとなる。ただし、積層体の接着剤5を除く部分の収縮荷重の低減を可能とする機構が設けられていても、図4を用いて説明した支持力が充分に設計されていることが重要である。この点は、例えば、抗力がゼロであるとばね定数(Kcell)がX軸上に並ぶため、結果的に、X軸との交点まで積層体の収縮が進むことから容易に想像できる。
図6は、第1実施形態における荷重支持構造の具体例を示す図である。なお、荷重低減構造の具体例については、後述する実施形態で説明する。図6は、セルモジュールMの一部を示す図であって、積層方向に隣接する単セル同士の間で当接する2枚のセパレータ3,4を示している。つまり、図中で上側のセパレータ4は、全体を省略した上側の単セルを構成し、下側のセパレータ3は、同じく全体を省略した下側の単セルを構成している。
図示のセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、支持部6から接着剤5の配置部分にかけて直線的に形成したリブ7であって、セパレータ3,4に一体成形してあると共に、凹凸形状の連続方向すなわちガス流れ方向に沿って所定間隔で形成してある。
上記のセルモジュールMは、図4(A)に示す積層断面において、リブ7により、支持部6(支点P)から接着剤5の配置部分(作用点Q)に至る範囲の曲げ剛性が高められ、各接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を発揮する。
これにより、セルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができ、単セル内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。なお、高剛性部としてのリブ7は、互いの間隔(ピッチ)や突出高さを増減させることで、曲げ剛性を自由に設定することが可能であり、また、セパレータ3,4のプレス加工において同時に形成することが容易である。
図7〜図16は、第2〜15の実施形態を説明する図である。なお、以下の実施形態において、第1実施形態と同一の部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図7に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に形成した溶接部8であって、隣接する単セルCのセパレータ同士3,4を接合している。図示の溶接部8は、凹凸形状の連続方向に沿う長線部8Aと、これに直交し且つ所定間隔で配置した多数の短線部8Bとを有している。
図7に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に形成した溶接部8であって、隣接する単セルCのセパレータ同士3,4を接合している。図示の溶接部8は、凹凸形状の連続方向に沿う長線部8Aと、これに直交し且つ所定間隔で配置した多数の短線部8Bとを有している。
上記のセルモジュールMは、支持部6から接着剤5の配置部分に至る範囲において、溶接部(高剛性部)8により両セパレータ3,4が一体化されるうえに、溶接による残留応力が付与される。つまり、上記範囲における曲げ剛性が高められ、各接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を発揮する。
これにより、セルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができ、単セル内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。
なお、高剛性部としての溶接部8は、例えば長線部8Aや短線部8Bの数や間隔(ピッチ)を変更することで、曲げ剛性を自由に設定することが可能であり、また、セパレータ3,4同士を接合するので、組立作業性の向上などを図ることもできる。
〈第3実施形態〉
図8(A)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、セパレータ3,4の間において、支持部6から接着剤5の配置部分を経て端部に至る間に介装した板部材9である。板部材9は、とくに材料が限定されるものではないが、金属製や樹脂製などの部材を採用することが可能である。
図8(A)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、セパレータ3,4の間において、支持部6から接着剤5の配置部分を経て端部に至る間に介装した板部材9である。板部材9は、とくに材料が限定されるものではないが、金属製や樹脂製などの部材を採用することが可能である。
上記のセルモジュールMは、支持部6から接着剤5の配置部分に至る範囲が、板部材(高剛性部)9による機械的強度が付加されることで、同範囲の曲げ剛性が高められ、各接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を発揮する。
これにより、セルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができ、単セル内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。なお、高剛性部としての板部材8は、例えば厚さや材質等を変更することで、曲げ剛性を自由に設定することが可能である。
〈第4実施形態〉
図8(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、セパレータ3,4の間において、支持部6から接着剤5の配置部分に至る間に介装した接着層10である。
図8(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6と接着剤5の配置部分との間に配置され且つセパレータ3,4の他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えている。この実施形態の高剛性部は、セパレータ3,4の間において、支持部6から接着剤5の配置部分に至る間に介装した接着層10である。
上記のセルモジュールMは、支持部6から接着剤5の配置部分に至る範囲において、接着層10により両セパレータ3,4が一体化されることで、同範囲の曲げ剛性が高められることとなり、各接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する機能を発揮する。
これにより、セルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができ、単セル内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。
なお、高剛性部としての接着層10は、例えば塗布量や種類等を選択することで、曲げ剛性を設定することが可能であり、また、セパレータ3,4同士を接合するので、組立作業性の向上などを図ることもできる。
〈第5実施形態〉
図9(A)及び(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第1実施形態(図6参照)で説明した高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が膜電極接合体2の電極層に当接している構造である。
図9(A)及び(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第1実施形態(図6参照)で説明した高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が膜電極接合体2の電極層に当接している構造である。
ここで、接着剤5の配置部分に直交する積層断面において、セパレータ3,4の支持部6から接着剤5の配置部分を経て外周縁部に至る範囲は、図4(A)で説明したように、支持部6を支点Pとし且つ接着剤5の配置部分を作用点Qとする梁長Lの片持ち梁構造となる。この場合、梁長Lを小さくすれば、その分上記範囲の曲げ剛性を大きくして周縁部全体の収縮変形を抑制することが可能である。
そこで、上記のセルモジュールMでは、セパレータ3,4の凹凸形状の波形凸部が膜電極接合体2に当接しているので、最も外側の波形凸部を支持部6とすることで、新たな支持部を設けることなく梁長Lを最小限にすることができる。これにより、セルモジュールMは、高剛性部としてのリブ7の効果と梁長Lの小型化の効果とが相俟って、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。
〈第6実施形態〉
図9(C)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第5実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。この支持部6は、セパレータ3,4をプレス加工する際に同時に成形することができる。
図9(C)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第5実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。この支持部6は、セパレータ3,4をプレス加工する際に同時に成形することができる。
上記のセルモジュールMは、フレーム1に当接する支持部6を設けることにより、支持部6と接着剤5の配置部分との間、すなわち支点Pから作用点Qまでの梁長Lを小さくしつつ、その長さを選択することが可能になる。これにより、セルモジュールMは、高剛性部としてのリブ7の効果と梁長Lの小型化の効果とが相俟って、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。
〈第7実施形態〉
図10(A)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第6実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。そして、荷重支持構造は、両セパレータ3,4の支持部6同士の間、厳密には各支持部6,6とフレーム1との間に介装した弾性体11,11を備えている。この弾性体11には、セパレータ3,4同士を接合する接着剤や、セパレータ3,4間を封止するシール材を用いることができる。
図10(A)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第6実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。そして、荷重支持構造は、両セパレータ3,4の支持部6同士の間、厳密には各支持部6,6とフレーム1との間に介装した弾性体11,11を備えている。この弾性体11には、セパレータ3,4同士を接合する接着剤や、セパレータ3,4間を封止するシール材を用いることができる。
上記のセルモジュールMは、支持部6と接着剤5の配置部分との間の範囲が、リブ7及び梁長Lの小型化により曲げ剛性が高められ、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができるうえに、弾性体11によって支持部6における応力集中を緩和することができる。
なお、セルモジュールMは、単セルCを構成する一対のセパレータ3,4の外周縁部同士の間に上記弾性体11を設けることも可能である。この場合、セルモジュールMは、セパレータ3,4の支持部6から接着剤5の配置部分を経て外周縁部に至る範囲が、支持部6及び弾性体11を両側の支点とし、且つ両支点間を作用点とする両端支持梁の構造になる。したがって、弾性体11は、接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造として機能する。
〈第8実施形態〉
図10(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第7実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。そして、荷重支持構造は、両セパレータ3,4の支持部6同士の間、厳密には各支持部6,6とフレーム1との間に介装した絶縁体12,12を備えている。この絶縁体12には、樹脂等から成る弾性部材を用いることができる。
図10(B)に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、第7実施形態と同様に、高剛性部としてのリブ7を備えると共に、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造である。そして、荷重支持構造は、両セパレータ3,4の支持部6同士の間、厳密には各支持部6,6とフレーム1との間に介装した絶縁体12,12を備えている。この絶縁体12には、樹脂等から成る弾性部材を用いることができる。
上記のセルモジュールMは、支持部6と接着剤5の配置部分との間の範囲が、リブ7及び梁長Lの小型化により曲げ剛性が高められ、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができるうえに、絶縁体12によりセパレータ3,4間の短絡の可能性を解消することができる。また、絶縁体12に弾性部材を用いれば、支持部6における応力集中を緩和することができる。
なお、上記のセルモジュールMは、単セルCを構成する一対のセパレータ3,4の外周縁部同士の間に上記絶縁体12を設けることも可能である。この場合、セルモジュールMは、絶縁体12が、セパレータ3,4間の短絡を阻止すると共に、セパレータ3,4の支持部6から外周縁部に至る範囲が、支持部6及び弾性体11を両側の支点とし、且つ両支点間を作用点とする両端支持梁の構造になる。したがって、絶縁体12は、接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造として機能する。
〈第9実施形態〉
図11に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造であって、前記フレーム1が、両セパレータ3,4の支持部同士の間で圧縮変形可能なばね部1Aを備えている。ばね部1Aは、フレーム1の一部を予め凹凸状に形成したものであり、積層方向の荷重により、図11(A)に示すように平坦になると共に、その荷重の減少に伴って、図11(B)に示すように凹凸状になる。
図11に示すセルモジュールMの荷重支持構造は、支持部6が、膜電極接合体2のフレーム1に当接している構造であって、前記フレーム1が、両セパレータ3,4の支持部同士の間で圧縮変形可能なばね部1Aを備えている。ばね部1Aは、フレーム1の一部を予め凹凸状に形成したものであり、積層方向の荷重により、図11(A)に示すように平坦になると共に、その荷重の減少に伴って、図11(B)に示すように凹凸状になる。
このようなばね部1Aは、フレーム1が樹脂製である場合には、当該フレーム1の成形時に一体的に形成しても良いし、当該フレーム1の成形後において部分的に加熱及び加熱することで形成しても良い。
上記のセルモジュールMは、支持部6と接着剤5の配置部分との間の範囲が、梁長Lの小型化により曲げ剛性が高められ、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができるうえに、ばね部1Aによって構成部材の厚さの公差を吸収することができる。
つまり、上記のセルモジュールMでは、支持部6とフレーム1とが平面で接合している必要があるが、接着剤5が収縮した際、セパレータ3,4の厚さの公差の影響により、支持部6に収縮の反力が加わる可能性がある。そこで、セルモジュールMは、上記ばね部1Aにより、必要以上の反力が生じないように前記厚さの公差を吸収する。
〈第10実施形態〉
第1実施形態で説明したように、セルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、支持部6及び荷重支持構造(7〜10)を備えたものである。これに対して、図12に示すセルモジュールMは、支持部6及び荷重支持構造(7〜10)を有する単セルCが、積層方向の両端側に配置してある。
第1実施形態で説明したように、セルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、支持部6及び荷重支持構造(7〜10)を備えたものである。これに対して、図12に示すセルモジュールMは、支持部6及び荷重支持構造(7〜10)を有する単セルCが、積層方向の両端側に配置してある。
つまり、セルモジュールMは、図中で上端側及び下端側の単セルC,Cが、支持部6及び荷重支持構造(高剛性部7〜10)を有している。この場合、中間の単セルCは、支持部6や荷重支持構造が無くても良いし、これらを有していても構わない。
上記のセルモジュールMは、積層方向の両端側に配置した単セルC,Cにおいて、支持部6及び荷重支持構造により、支持部6から接着剤5の配置部分に至る範囲の曲げ剛性が高められる。これにより、セルモジュールMは、各接着剤5が収縮すると、図中の小矢印で示す収縮荷重が生じるが、これに対して、両側の単セルC,Cにより、図中の大矢印で示すように抗力が生じ、周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。また、セルモジュールMは、両端側の単セルC.Cだけに支持部6や荷重支持構造を設ければ良いので、変形抑制機能を確保しつつ、部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
〈第11実施形態〉
図13(A)に示すセルモジュールMは、積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、積層端部の単セルCと他の構造体との互いの合わせ面に、互いに吸着する磁性材13,13を設けた構成である。
図13(A)に示すセルモジュールMは、積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、積層端部の単セルCと他の構造体との互いの合わせ面に、互いに吸着する磁性材13,13を設けた構成である。
図示例における他の構造体は、セルモジュールMと同等の基本構成を備えた別のセルモジュールM1である。そして、両セルモジュールM,M1は、接着剤5の配置部分の両側に、積層端部の単セルC,Cのセパレータ3,4同士を接合する合わせ面を有し、その合わせ面に磁性材13を設けている。
この実施形態の場合には、前記磁性材13が、セパレータ3,4の支持部6から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造に相当する。したがって、セルモジュールMは、各接着剤5が収縮する際に、その収縮力に対して磁性体13の吸着力が抗することとなり、周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。また、他の構造体として別のセルモジュールM1を採用した場合には、個々のセルモジュールM,M1に生じる収縮荷重を互いに相殺し得る利点もある。
〈第12実施形態〉
図13(B)に示すセルモジュールMは、積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、積層端部の単セルCと他の構造体との互いの合わせ面に、熱収縮型接着剤14を設けた構成である。
図13(B)に示すセルモジュールMは、積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、積層端部の単セルCと他の構造体との互いの合わせ面に、熱収縮型接着剤14を設けた構成である。
図示例における他の構造体は、セルモジュールMと同等の基本構成を備えた別のセルモジュールM1である。そして、両セルモジュールM,M1は、接着剤5の配置部分の両側に、積層端部の単セルC,Cのセパレータ3,4同士を接合する合わせ面を有し、その合わせ面に熱収縮型接着剤14を設けている。この熱収縮型接着剤14は、セルモジュールMを発電運転した際に生じる熱により収縮する。
この実施形態の場合には、前記熱収縮型接着剤14が、セパレータ3,4の支持部6から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造に相当する。したがって、セルモジュールMは、各接着剤5が収縮する際に、その収縮力に対して熱収縮型接着剤14の収縮力が抗することとなり、周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。また、他の構造体として別のセルモジュールM1を採用した場合には、個々のセルモジュールM,M1に生じる収縮荷重を互いに相殺し得る利点もある。
なお、上記の第11及び第12の実施形態では、他の構造体として別のセルモジュールM1を例示した。他の構造体としては、例えば複数のセルモジュールMを積層して成る燃料電池スタックにおいて、セルモジュール同士の間に介装するプレート類、スタックの端部に配置するエンドブラケットや集電板などの各種構造体を挙げることができる。
また、セルモジュールMは、積層方向の両端側に他の構造体を配置して、夫々の構造体との間に磁性材13や熱収縮型接着剤14を配置すれば、周縁部全体の収縮変形をより確実に抑制することができる。
上記の第1〜12の実施形態では、接着剤5の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造を備えた例を説明した。以下の第13〜第15の実施形態では、接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えた例を説明する。
〈第13実施形態〉
図14は、単セルCを積層したセルモジュールM(図2参照)において、隣接する単セルCのセパレータ3,4同士の要部を示す図である。この場合、セパレータ3,4は、少なくとも接着剤5の配置部分の両端部B1,B2おいて、接着剤や溶接等により互いに拘束してあることがより望ましい。これにより、セルモジュールMは、荷重低減構造の作用が接着剤5の配置部分に集中し、荷重低減の効果をより確実に得ることができる。
図14は、単セルCを積層したセルモジュールM(図2参照)において、隣接する単セルCのセパレータ3,4同士の要部を示す図である。この場合、セパレータ3,4は、少なくとも接着剤5の配置部分の両端部B1,B2おいて、接着剤や溶接等により互いに拘束してあることがより望ましい。これにより、セルモジュールMは、荷重低減構造の作用が接着剤5の配置部分に集中し、荷重低減の効果をより確実に得ることができる。
図14に示す3例のセルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えている。そして、この実施形態の荷重低減構造は、セパレータ3,4の接着剤5の配置部分に配置され且つ接着剤5の収縮に伴ってセパレータ3,4の厚さ方向に変形する弾性変形部15A〜15Cを備えている。
図14(A1)に示す弾性変形部15Aは、接着剤5の配置部分において、両セパレータ3,4の間に空間Hが形成されるように、各セパレータ3,4を断面台形状に屈曲成形した部分である。この台形状の上底が接着剤5の配置部分である。
また、図14(B1)に示す弾性変形部15Bは、接着剤5の配置部分に対応する平坦なセパレータ3,4の一部分である。
さらに、図14(C1)に示す弾性変形部15Cは、接着剤5の配置部分において、両セパレータ3,4の間に空間Hが形成されるように、前記両セパレータ3,4を断面台形状に屈曲成形した部分であり、且つ台形状の上底が湾曲している。
上記の各弾性変形部15A〜15Cは、溶接及び接着のほか、プレス、ショットピーニング及びショットブラスト等の加工により、予め圧縮残留応力(残留歪み)を付与したものであり、セパレータ3,4の他の部位に対して相対的に弾性変形量が大きい。
上記のセルモジュールMは、接着性5の収縮に伴って弾性変形部15A〜15Cが厚さ方向に変形し、これにより、各接着剤5の収縮で発生する収縮荷重を低減して周縁部全体の収縮変形を抑制する。別の表現をすれば、セルモジュールMは、周縁部全体の収縮荷重を逃がして積層方向の寸法を維持する。
図14(A1)に示す弾性変形部15Aは、図14(A2)に示すように、接着剤5の収縮に伴って、平坦な状態から接着剤5側に湾曲するように変形し、これにより収縮荷重を低減する。
また、図14(B1)に示す弾性変形部15Bは、図14(B2)に示すように、接着剤5の収縮に伴って、平坦な状態から接着剤5側に湾曲するように変形し、これにより収縮荷重を低減する。
さらに、図14(C1)に示す弾性変形部15Cは、図14(C2)に示すように、接着剤5の収縮に伴って、湾曲した状態から接着剤5側に平坦になるように変形し、これにより収縮荷重を低減する。
このようにして、上記の各弾性変形部(荷重低減構造)15A〜15Cを備えたセルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。これにより、セルモジュールMは、単セルC内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。また、上記の弾性変形部15A〜15Cは、変形(解放側)のばね定数が低いほど低減効果が大きくなる。
〈第14実施形態〉
図15は、セルモジュールM(図1参照)にける単セルCの要部を示す図である。
図15に示す2例のセルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えている。そして、この実施形態の荷重低減構造は、フレーム1の接着剤5の配置部分に配置され且つ接着剤5の収縮に伴ってフレーム1の厚さ方向に変形する弾性変形部16A,16Bを備えている。
図15は、セルモジュールM(図1参照)にける単セルCの要部を示す図である。
図15に示す2例のセルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えている。そして、この実施形態の荷重低減構造は、フレーム1の接着剤5の配置部分に配置され且つ接着剤5の収縮に伴ってフレーム1の厚さ方向に変形する弾性変形部16A,16Bを備えている。
図15(A1)に示す弾性変形部16Aは、貼り合わせた2枚のフィルム1F,1Fから成るフレーム1に設けてある。弾性変形部16Aは、接着剤5の配置部分において、両フィルム1F,1Fの間に非接着領域を設けた部分である。この弾性変形部16Aは、フィルム1Fが適当な弾性を有している場合には、単に非接着領域を設けるだけでも良く、特別な前加工が不要である。
また、図15(B1)に示す弾性変形部16Bは、接着剤5の配置部分において、フレーム1の一部を凹凸状に成形した部分である。この弾性変形部16Bは、フレーム1が樹脂製である場合には、当該フレーム1の成形時に一体的に形成しても良いし、当該フレーム1の成形後において部分的に加熱及び加熱することで形成しても良い。
上記のセルモジュールMは、接着性5の収縮に伴って弾性変形部16A,16Bが厚さ方向に変形し、これにより、各接着剤5の収縮で発生する収縮荷重を低減して周縁部全体の収縮変形を抑制する。
図15(A1)に示す弾性変形部16Aは、図15(A2)に示すように、接着剤5の収縮に伴って、各フィルム1Fが平坦な状態から接着剤5側に湾曲するように変形し、これにより収縮荷重を低減する。
また、図15(B1)に示す弾性変形部15Bは、図15(B2)に示すように、接着剤5の収縮に伴って、凹凸の凹部(谷部)が引っ張られ、全体として平坦になるように変形し、これにより収縮荷重を低減する。
このようにして、上記の各弾性変形部(荷重低減構造)16A,16Bを備えたセルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。これにより、セルモジュールMは、単セルC内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。また、上記の弾性変形部16A,16Bは、セパレータ3,4に形成した第13実施形態と同様に、変形(解放側)のばね定数が低いほど低減効果が大きくなる。
〈第15実施形態〉
図16は、セルモジュールM(図2参照)における単セルCの要部を示す図である。
図16に示す2例のセルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えている。そして、この実施形態の荷重低減構造は、フレーム1の接着剤5の配置部分に配置され且つ接着剤5の収縮に伴ってフレーム1の厚さ方向に変形する弾性変形部17A,17Bを備えている。
図16は、セルモジュールM(図2参照)における単セルCの要部を示す図である。
図16に示す2例のセルモジュールMは、少なくとも1つの単セルCにおける接着剤5の配置部分に直交する断面について、フレーム1及びセパレータ3,4の少なくとも一方に配置され且つ接着剤5の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えている。そして、この実施形態の荷重低減構造は、フレーム1の接着剤5の配置部分に配置され且つ接着剤5の収縮に伴ってフレーム1の厚さ方向に変形する弾性変形部17A,17Bを備えている。
図16(A1)に示す弾性変形部17Aは、貼り合わせた2枚のフィルム1F,1Fから成るフレーム1に形成されている。この弾性変形部17Aは、少なくとも接着剤5の配置部分において、両フィルム1F,1Fの接着温度が、図16(A2)に示す接着剤5との接着温度よりも大きい部分である。これにより、弾性変形部17Aには、圧縮残留応力(残留歪み)が付与されている。
また、図16(B1)に示す弾性変形部17Bは、図16(B2)に示す接着剤5の配置部分において、ホットプレスHPによる熱処理で後収縮加工が施された部分である。
上記のセルモジュールMは、接着性5の収縮に伴って弾性変形部17A,17Bが厚さ方向に変形し、各接着剤5の収縮で発生する収縮荷重を低減する。
このようにして、上記の各弾性変形部(荷重低減構造)16A,16Bを備えたセルモジュールMは、単セルCの周縁部に接着剤5を配置した構造において、接着剤5の収縮による周縁部全体の収縮変形を抑制することができる。これにより、セルモジュールMは、単セルC内部の構成部材の変形をも抑制して、これらの破損を防止することができる。
また、上記の各弾性変形部17A,17Bを備えたセルモジュールMは、は、2枚のフィルム1Fで形成されるフレーム1の製造時や、接着剤5によるフレーム1とセパレータ3,4との接着時に容易に形成することができるので、生産性の向上や低コスト化を図ることができる。
本発明に係わるセルモジュールは、詳細な構成が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記各実施形態では、荷重支持構造を備えた構成と、荷重低減構造を備えた構成とを個別に説明したが、荷重支持構造及び荷重低減構造の両方を備えた構成にすることも当然可能であり、上記各実施形態の構成を適宜組み合わせることもできる。
C 単セル
M セルモジュール
M1 セルモジュール(他の構造体)
1 フレーム
1A ばね部
2 膜電極接合体
3,4 セパレータ
5 接着剤
6 支持部
7 リブ(高剛性部:荷重支持構造)
8 溶接部(高剛性部:荷重支持構造)
9 板部材(高剛性部:荷重支持構造)
10 接着層(高剛性部:荷重支持構造)
11 弾性体(荷重支持構造)
12 絶縁体(荷重支持構造)
13 磁性材
14 熱収縮型接着剤
15A〜15C セパレータの弾性変形部(荷重低減構造)
16A,16B フレームの弾性変形部(荷重低減構造)
17A,17B フレームの弾性変形部(荷重低減構造)
M セルモジュール
M1 セルモジュール(他の構造体)
1 フレーム
1A ばね部
2 膜電極接合体
3,4 セパレータ
5 接着剤
6 支持部
7 リブ(高剛性部:荷重支持構造)
8 溶接部(高剛性部:荷重支持構造)
9 板部材(高剛性部:荷重支持構造)
10 接着層(高剛性部:荷重支持構造)
11 弾性体(荷重支持構造)
12 絶縁体(荷重支持構造)
13 磁性材
14 熱収縮型接着剤
15A〜15C セパレータの弾性変形部(荷重低減構造)
16A,16B フレームの弾性変形部(荷重低減構造)
17A,17B フレームの弾性変形部(荷重低減構造)
Claims (13)
- 周囲にフレームを有する膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えると共に、フレーム及びセパレータの周縁部同士の間を接着剤で封止した構造を有する単セルを含み、その単セルを複数積層して成るセルモジュールであって、
少なくとも1つの単セルにおける接着剤の配置部分に直交する断面について、
一対のセパレータに相対的に配置され且つ膜電極接合体に当接する支持部と、
セパレータの支持部から外周縁部に至る範囲に配置され且つ接着剤の収縮により発生する収縮荷重に抗する荷重支持構造とを備えたことを特徴とするセルモジュール。 - 少なくとも1つの単セルにおける接着剤の配置部分に直交する断面について、
フレーム及びセパレータの少なくとも一方に配置され且つ接着剤の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えたことを特徴とする請求項1に記載のセルモジュール。 - 前記荷重支持構造が、支持部と接着剤の配置部分との間に配置され且つセパレータの他の部分よりも相対的に高い曲げ剛性を有する高剛性部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルモジュール。
- 前記支持部が、膜電極接合体のフレームに当接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルモジュール。
- 前記荷重支持構造が、両セパレータの支持部同士の間に介装した弾性体を備えていることを特徴とする請求項4に記載のセルモジュール。
- 前記荷重支持構造が、両セパレータの支持部同士の間に介装した絶縁体を備えていることを特徴とする請求項4に記載のセルモジュール。
- 前記フレームが、両セパレータの支持部同士の間で圧縮変形可能なばね部を備えていることを特徴とする請求項4に記載のセルモジュール。
- 前記支持部及び荷重支持構造を有する単セルが、積層方向の両端側に配置してあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルモジュール。
- 積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、
積層端部の単セルと他の構造体との互いの合わせ面に磁性材を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセルモジュール。 - 積層方向の少なくとも一端側に配置される他の構造体を備え、
積層端部の単セルと他の構造体との互いの合わせ面に熱収縮型接着剤を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセルモジュール。 - 周囲にフレームを有する膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えると共に、フレーム及びセパレータの周縁部同士の間を接着剤で封止した構造を有する単セルを含み、その単セルを複数積層して成るセルモジュールであって、
少なくとも1つの単セルにおける接着剤の配置部分に直交する断面について、
フレーム及びセパレータの少なくとも一方に配置され且つ接着剤の収縮により発生する収縮荷重を低減させる荷重低減構造を備えたことを特徴とするセルモジュール。 - 前記荷重低減構造が、セパレータの接着剤の配置部分に配置され且つ接着剤の収縮に伴ってセパレータの厚さ方向に変形する弾性変形部を備えていることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のセルモジュール。
- 前記荷重低減構造が、フレームの接着剤の配置部分に配置され且つ接着剤の収縮に伴ってフレームの厚さ方向に変形する弾性変形部を備えていることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のセルモジュール。
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