JP2017091047A - 電子制御装置及び電子制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、自動車に搭載された内燃機関の一例を示す。
[診断機能]
(1)タイマの故障部位特定
BIST360は、タイマ機能を提供するタイマ348に故障が発生しているか否かを診断することはできるが、複数のタイマのどれに故障が発生しているかを特定することができない。そこで、図6に示すように、パルスを出力する時間間隔が異なる3つ以上(図では、3つ)のタイマA,C及びEを使用し、マイクロコンピュータ340のCPU342が、所定時間に亘ってタイマA,C及びEから出力されるパルスを夫々カウントする。そして、マイクロコンピュータ340のCPU342は、タイマA,C及びEの各カウント値から時間を求め、これを相互に比較することで、どのタイマに故障が発生しているかを特定できる。
ステップ11では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、所定時間に亘ってタイマA,C及びEから出力されるパルスを夫々カウントし、このカウント値と各パルスに割り付けられた時間間隔とを乗算することで、タイマA,C及びEによる計時結果を取得する。
ステップ15では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、タイマCに故障が発生していると特定する。
ステップ18では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、タイマA,C及びEに故障が発生していないと特定する。即ち、マイクロコンピュータ340のCPU342は、例えば、ノイズ重畳などによって、BIST360が誤診断したと判断する。
マイクロコンピュータ340は、信号を入出力する複数の端子を備えている。しかし、BIST360は、入出力機能を提供する入出力回路350に故障が発生しているかを診断することができるが、複数の端子のうち、どの端子に割り付けられた入出力機能に故障が発生しているかを特定することができない。そこで、マイクロコンピュータ340のCPU342は、図8に示すように、入出力回路350に内蔵された、ON/OFF指令レジスタ350Aの指令値とその出力をモニタするレベルモニタレジスタ350Bの出力値とを比較することで、故障が発生している端子を特定できる。
ステップ21では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、ON/OFF指令レジスタ350Aの指令値とレベルモニタレジスタ350Bの出力値とを比較し、指令通りの出力となっているか否かを判定する。そして、マイクロコンピュータ340のCPU342は、指令通りの出力となっていないと判定すれば(NG)、処理をステップ22へと進める。一方、マイクロコンピュータ340のCPU342は、指令通りの出力となっていると判定すれば(OK)、処理をステップ23へと進める。
ステップ23では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、診断対象の端子に故障が発生していないと判定する。
マイクロコンピュータ340のROM346には、図11に示すように、制御対象システムを制御するタスクのプログラム、例えば、タスク1を格納するタスク格納領域1と、タスク2を格納するタスク格納領域2と、が確保されている。また、ROM346には、タスク格納領域1及び2に格納されたタスク1及び2に夫々関連付けて、そのサム値(基準値)を格納するサム値格納領域1及び2が確保され、そこにタスク1及び2のサム値が格納されている。そして、マイクロコンピュータ340のCPU342は、タスク格納領域1及び2に格納されているタスク1及び2のサム値を計算し、これとサム値格納領域1及び2に格納されているサム値とを比較することで、ROM346の記憶領域のうち、データを正常に記憶できない故障部位を特定できる。なお、ROM346の故障部位は、サム値に代えて、例えば、パリティ値などを使用して特定することもできる。
ステップ31では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、診断対象となるタスク格納領域に格納されているデータのサム値を計算する。
ステップ34では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、診断対象のタスク格納領域に故障が発生していないと特定する。
マイクロコンピュータ340のRAM344の故障部位を特定するために、RAM344のアドレスを指し示すポインタを準備する。そして、マイクロコンピュータ340のCPU342は、図13に示すように、ポインタが指し示すアドレスにテストデータを書き込み(手順1)、そこからテストデータを読み出す(手順2)。また、マイクロコンピュータ340のCPU342は、RAM344に書き込んだテストデータとRAM344から読み出したテストデータとを比較し、両者が一致しているか否かを介して、RAM344に故障が発生しているか否かを判定する(手順3)。その後、マイクロコンピュータ340のCPU342は、ポインタを更新する(手順4)。このように、マイクロコンピュータ340のCPU342は、RAM344の先頭アドレスから最終アドレスまで、上記処理を繰り返し実行することで、どのアドレスに故障が発生しているかを特定できる。
ステップ41では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、ポインタにRAM344の先頭アドレスを設定する。
ステップ43では、マイクロコンピュータ340のCPU342が、ポインタが指し示すアドレスから、テストデータを読み出す。
(1)タイマ
内燃機関100の点火制御では、タイマ348は、図15に示すように、コンペアマッチを利用して、所定のタイミングになったときにON信号を出力している。このタイマ機能を代替するため、マイクロコンピュータ340のCPU342は、図16に示すように、内燃機関100の運転状態に応じたタイミングで、入出力回路350のON/OFF指令レジスタ350Aに0又は1を書き込む。入出力回路350のON/OFF指令レジスタ350Aに1が書き込まれると、その出力信号がONとなり、タイマ348と略同等の機能を発揮することができる。なお、入出力回路350のON/OFF指令レジスタ350Aに0又は1を書き込んだ場合、その出力が変化するまでに多少の時間を要するが、タイマ機能の代替処理としては支障がない程度に抑えることができる。
マイクロコンピュータ340のRAM344は、図18に示すように、領域A,B,・・・及び予約領域に論理的に分割されている。そして、例えば、領域Bに故障が発生すると、マイクロコンピュータ340のCPU342は、領域Bを使用不可にすると共に、予約領域を領域Bの代替領域B’として使用すべく、例えば、領域Bをアクセスするアドレスをオフセットする。
マイクロコンピュータ340のCPU342が、図19に示すように、CPU1及び2を備えたマルチコアプロセッサである場合を考える。CPU1及び2は、論理演算、加算及び減算を行う算術論理演算装置ALU(Arithmetic Logic Unit)と、浮動小数点演算を専門に行う浮動小数点演算装置FPU(Floating Point Unit)と、を有する。CPU1において、タスク1−Bを実行していたFPUに故障が発生すると、CPU1のFPUで実行していたタスク1−Bを、CPU2のFPUに移管して実行する。
このようにすれば、3つのタイマの計時結果を比較することで、故障が発生しているタイマを特定することができる。
このようにすれば、入出力回路の指令値と出力値とを比較することで、故障が発生している入出力回路を特定することができる。
このようにすれば、不揮発性メモリの所定領域における計算値と基準値とを比較することで、故障が発生している所定領域を特定することができる。
このようにすれば、揮発性メモリに書き込んだデータと揮発性メモリから読み出したデータとを比較することで、故障が発生している揮発性メモリのアドレスを特定することができる。
このようにすれば、入出力回路によってタイマを代替することができる。
このようにすれば、不揮発性メモリの所定領域を代替することができる。
このようにすれば、マルチコアプロセッサの1つのコアに故障が発生しても、他のコアで代替することができる。
340 マイクロコンピュータ
342 CPU(プロセッサ、ハードウエア資源)
344 RAM(ハードウエア資源)
346 ROM(ハードウエア資源)
348 タイマ(ハードウエア資源)
350 入出力回路(ハードウエア資源)
352 A/Dコンバータ(ハードウエア資源)
360 BIST(診断回路)
Claims (5)
- ハードウエア資源の診断回路及びプロセッサが組み込まれたマイクロコンピュータを備えた電子制御装置であって、
前記プロセッサが、前記診断回路により前記ハードウエア資源に故障が発生していると診断したとき、故障が発生している前記ハードウエア資源により提供される機能を、他のハードウエア資源で代替するように構成された、
ことを特徴とする電子制御装置。 - 前記プロセッサが、前記ハードウエア資源に故障が発生していると診断したとき、ソフトウエアによる診断機能を実行し、前記ハードウエア資源の故障部位を特定するように構成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。 - 前記プロセッサが、前記故障部位を特定したとき、当該故障部位により提供される機能のみを、他のハードウエア資源で代替するように構成された、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。 - 前記プロセッサが、前記診断回路により故障が発生していると診断したハードウエア資源が未使用であるとき、当該ハードウエア資源により提供される機能を、他のハードウエア資源で代替することを禁止するように構成された、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電子制御装置。 - ハードウエア資源の診断回路を内蔵したマイクロコンピュータが、
前記診断回路により前記ハードウエア資源に故障が発生していると診断したとき、故障が発生している前記ハードウエア資源により提供される機能を、他のハードウエア資源で代替する、
ことを特徴とする電子制御方法。
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