JP2017089894A - ガス浮上ワーク支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス浮上ワーク支持装置は、取り付けベースと取り付けベース上に配置された第1のガス上方噴出部及び第2のガス上方噴出部と取り付けベース上に配置され、第1のガス上方噴出部及び第2のガス上方噴出部の間に位置する第3のガス上方噴出部と、第3のガス上方噴出部の鉛直上方に配置された第1のガス下方噴出部及び第2のガス下方噴出部を含み、第1及び第2のガス下方噴出部は対向配置され、第1及び第2のガス下方噴出部の間を通してレーザ光がワークに照射可能で、ワークは第1〜第3のガス上方噴出部上で第1〜第3のガス上方噴出部から噴出される上方ガスで浮上し、ワークは第3のガス上方噴出部上で第1及び第2のガス下方噴出部から噴出される下方ガスで下方に圧力を受け、ワークは第3のガス上方噴出部上で上方ガス及び下方ガスにより支持される。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1では、図7(A)に示すように、ベース上に正圧を発生する多孔質ブロック51と負圧を発生させる吸引ブロック52とをそれぞれ設けた浮上吸引混合部50が提案されている。多孔質ブロック51では、エアを供給して、多孔質体の上面からエアを噴出させてガラス基板からなる板状ワーク100を非接触状態で保持する。それと同時に、吸引ブロック52で吸引力を作用させて、ガラス基板100を浮上吸引混合部50の上面側に引き寄せている。この吸引力と、前述した浮上力との調和により、ガラス基板100は、浮上吸引混合部50の上面に対し、略一定した浮上量で浮上し、安定した浮上状態が得られるものとしている。
前記第1および第2のガス下方噴出部は対向するように配置され、前記第1および第2のガス下方噴出部の間を通して前記レーザ光が前記ワークに照射可能であり、前記ワークは、前記第1〜第3のガス上方噴出部上において、前記第1〜第3のガス上方噴出部から噴出される上方ガスによって浮上し、前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記第1および第2のガス下方噴出部から噴出される下方ガスによって下方に圧力を受け、前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記上方ガスおよび前記下方ガスによって支持されることを特徴とする。
前記ガス下方噴出部は、前記ガス上方噴出部から噴出される前記ガスで浮上支持される板状ワークに対し、前記板状ワークの上方から前記ガスを下方に噴射して圧力を加える位置に設置されていることを特徴とする。
また、板状ワークの加工方法(プロセス)によってワークの浮上量、浮上剛性を調節することができる。
板状ワークの一部分に対して加工を行うプロセスにおいては、全面だけでなく、加工点付近を本発明の構造とすることで、板状ワークの一部分に対して、均一な浮上量を得られる構造とすることができる。このときの浮上量と浮上剛性は、ガス下方噴出部からの加圧気体の流量や圧力及びガス上方噴出部からの加圧気体の流量や圧力を調節することで任意に設定できる。また、板状ワークに対して上下方向から圧力が加わるので、加工エリア付近で特に板状ワークを平坦に矯正する力が発生する。
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
ガス浮上ワーク支持装置1は、上部側の浮上ユニット2Aと、下部側の浮上ユニット2Bとが上下に間隔を置いて向かい合わせに設置されている。
浮上ユニット2Bは、上面に多数の穴が開口した多孔質体からなるガス上方噴出部3Bとその下方に位置する台座4Bとを有しており、台座4Bは、その下方に位置するユニット取り付けベース5Bに取り付けられている。ガス上方噴出部3Bの各穴が本発明のガス上方噴出穴に相当する。
また、台座4Bでは、ガス上方噴出部3Bに連通する給気管7Bが接続されており、給気管7Bは、流量制御弁8Bを介して図示しない加圧気体供給部に接続されている。流量制御弁8Bは、給気管7Bを通してガス上方噴出部3Bに供給されるガスの流量および圧力を調整することができる。すなわち、流量制御弁8Bは、本発明のガス流調整部に相当する。
ここで、上下の浮上ユニット2A、2Bへ給気管7A、7Bを通して加圧気体を供給する。この実施形態1では、加圧気体は、空気、クリーンドライエアー、N2などの気体を用いることができる。本発明としては、特に気体の種類は限定されない。
図2は、図1の浮上ユニット2Aに、任意の印加圧力Pu[kPa]を加えた場合、浮上ユニット2Aと板状ワーク100であるガラス基板間のギャップLuと、浮上ユニット2Aのガス下方噴射部3Aから噴き付ける加圧気体がガラス基板の上面に与える単位面積当りの力Fu[gf/cm2]との関係を表したものである。なお、グラフの傾きや切片、また流量Qu[L/min]は、多孔質体の種類(気孔径や気孔率)により変わる。またガラス基板の単位面積当たりの荷重をFgとすると、最終的に浮上ユニット2B側からガラス基板の下面への噴き付け力とバランスする力の大きさはFu+Fg[gf/cm2]となる。以降、重力方向の力Fu+Fgと呼ぶ。
浮上ユニット1A、1B間のギャップをL、ガス下方噴出部3Aの下面とガラス基板の上面とのギャップをLu、ガス上方噴出部3Bの上面とガラス基板の下面とのギャップをLd、ガラス基板の厚さをLgとすると、
|L|=|Lu|+|Lg|+|Ld|
で表わされる。
|Lu|≦|L|−|Lg|=|Lu|+|Ld|
|Ld|≦|L|−|Lg|=|Lu|+|Ld|
となる。
さらに、交点のY軸の値を見ると、ガラス基板の上下面の単位面積に与える力となっており、上下からこの力で板状ワークを押さえつけている状態になる。つまりガラス基板は、上下面全面を空気でプレスされている状態となっており、これがガラス基板を平坦に矯正する基板矯正力となる。
なお、上記実施形態では、ガス下方噴射部3Aとガス上方噴射部3Bとで、それぞれ給気管7A、7Bを接続して、それぞれでガス流量と圧力を調整可能としたが、ガス下方噴射部3Aとガス上方噴射部3Bのそれぞれで、複数のエリアに分けてそれぞれエリア毎にガス流量と圧力を調整可能としてもよく、また、個別の噴射穴毎にガス流量と圧力を調整できるようにしてもよい。また、ガス流量と圧力の調整はいずれか一方のみを行う構成としてもよい。
上記実施形態1では、ガス上方噴射部の全部に合わせてガス下方噴射部を設置したが、ガス上方噴射部の一部に合わせてガス下方噴射部を設置するものであってもよい。この実施形態2を図5に基づいて説明する。なお、その際に、ガス下方噴出部の一部に合わせてガス上方噴出部を設置しているものであってもよい。
実施形態2では、板状ワーク100に対する加工エリアWを設け、加工エリアWを回避するように、ガス下方噴射部を設けている。
この実施形態2では、浮上ユニット2B側は実施形態1と同様の構成を有しており、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
一方、上方では、加工エリアWを避けるように、浮上ユニット2Cと浮上ユニット2Dとが、浮上ユニット2Bと対向するように設けられている。
浮上ユニット2Dは、加工エリアWの他側方に位置し、下面に多数の穴が開口した多孔質体からなるガス下方噴出部3Dとその上方に位置する台座4Dとを有しており、台座4Dは、その上方に位置するユニット取り付けベース5Dに取り付けられている。ガス下方噴出部3Dの各穴が本発明のガス下方噴出穴に相当する。
なお、ここでは、ユニット取り付けベース5Cとユニット取り付けベース5Dが連結されて高さ調整機構6に取り付けられているものとして説明したが、それぞれ独立した高さ調整機構に取り付けられて互いに独立して高さ調整できる構成としてもよい。
また、台座4Cでは、ガス下方噴出部3Cに連通する給気管7Cが接続されている。給気管7Cは、給気管7Dに連結することで流量制御弁8Dによってガスの流量や圧力を調整することができる。
なお、給気管7Cを給気管7Dに連結せず、流量制御弁8Dとは別の流量制御弁(図示しない)を給気管7Cに介設して、給気管7C側のガス流量や圧力を給気管7D側とは独立して調整できるようにしてもよい。
また、この実施形態2では、加工領域Wに板状ワークの高さを検知する高さ検知部10、11が加工領域Wの両側に位置するように設置されている。高さ検知部10、11は、光センサやレーザなどを用いて板状ワーク100の高さ位置を検知する。高さ検知部10、11の検知結果は、制御部9に送信されており、高さ検知部10、11による、板状ワーク100に対する検知結果に基づいて、高さ調整機構6、流量制御弁Dを調整する制御を行ってもよい。
上記実施形態2では、加工エリアを除いて、ガス上方噴射部に合わせてガス下方噴射部を設置しているが、加工エリアの近傍にのみガス下方噴射部を設置するようにしてもよい。この実施形態3を図6に基づいて説明する。
実施形態3では、下方側に浮上ユニット20B、20C、20Dが板状ワーク100の搬送方向に沿って配置されている。板状ワーク100は,搬送装置15によって、図示搬送方向に非接触状態で搬送される。
浮上ユニット2Eは、加工エリアWの一側方に位置し、下面に開口した多孔質体からなるガス下方噴出部3Eとその上方に位置する台座4Eとを有しており、台座4Eは、その上方に位置するユニット取り付けベース5Eに取り付けられている。ガス下方噴出部3Eの各穴が本発明のガス下方噴出穴に相当する。
浮上ユニット2Fは、加工エリアWの他側方に位置し、下面に開口した多孔質体からなるガス下方噴出部3Fとその上方に位置する台座4Fとを有しており、台座4Fは、その上方に位置するユニット取り付けベース5Fに取り付けられている。ガス下方噴出部3Fの各穴が本発明のガス下方噴出穴に相当する。
なお、ここでは、ユニット取り付けベース5Eとユニット取り付けベース5Fが連結されて高さ調整機構6に取り付けられているものとして説明したが、それぞれ独立した高さ調整機構に取り付けられて独自に高さ調整できる構成としてもよい。
台座4E、4Fでは、ガス下方噴出部3E、3Fに連通する図示しない給気管が接続されている。給気管では、前記実施形態と同様に、流れ調整部である流量制御弁を設けることができ、台座4E、4F毎に給気管と流量調整部を設けて個別にガス流量および圧力を調整できるようにしてもよい。
実施形態3では、板状ワーク100を加工点付近の領域のみ平坦に矯正し、精度の高い浮上を実現することができる。
なお、実施形態3では、上記したように板状ワーク100を図示搬送方向に沿って搬送する搬送装置15を有している。搬送装置15は、例えば、板状ワーク100の一部を把持して搬送方向に沿った移動力を与えたり、搬送方向の後方からの押し出し、搬送方向の前方からの引っ張りなどによって行ったりすることができる。また、ガスの圧力によって板状ワーク100を搬送する機構としてもよい。本発明としては搬送装置の構成が特に限定されるものではなく、ガス浮上した被搬送物を搬送できる構成であればよい。
このとき、搬送方向の上流側では、板状ワーク100は、浮上ユニット20Bから噴出する加圧気体により浮上しているだけなので、平坦に矯正されず、板状ワーク100の浮上量は低精度である。
その後、板状ワーク100は、浮上ユニット20B上を下流側に搬送され、浮上ユニット2E、20C間に突入する。このとき、板状ユニット100が浮上ユニット2E、20C間に突入しやすいように、浮上ユニット2Eのガス下方噴出部3Eの搬送方向上流側に、上流端ほど板状ワーク100との距離が大きくなるようにテーパ加工部Tなどの加工をしておいてもよい。これにより、板状ワーク100が浮上ユニット2E、20C間に突入した際に、上方からの圧力の変動を小さくして板状ユニット100の揺れなどを小さくすることができる。また、ガス下方噴出部3Eの搬送方向上流側で、その下流側よりもガスの流量や圧力を小さくしておくことで同様の作用を得ることができる。
本実施形態3によれば、加工点付近(加工を目的とする領域)は高精度に浮上させることができ、それ以外の領域(搬送のみを目的とする領域)は、板状ワークが浮上ユニット20B、20Dから噴出される加圧気体によりに浮上ユニットに接触なく搬送できる程度に浮上させることができ、装置構造を簡略にして装置コストを低減できる。この実施形態3では、板状ユニットのサイズに拘わらず、非接触で支持して搬送することができる。
1A ガス浮上ワーク支持装置
1B ガス浮上ワーク支持装置
2A 浮上ユニット
2B 浮上ユニット
2C 浮上ユニット
2D 浮上ユニット
2E 浮上ユニット
2F 浮上ユニット
3A ガス下方噴出部
3B ガス下方噴出部
3C ガス下方噴出部
3D ガス下方噴出部
3E ガス下方噴出部
3F ガス下方噴出部
6 高さ調整機構6
7A 給気管
8A 流量制御弁
7B 給気管
8B 流量制御弁
8D 流量制御弁
9 制御部
10 高さ検知部
11 高さ検知部
15 搬送装置
20B 浮上ユニット
20C 浮上ユニット
20D 浮上ユニット
23B ガス上方噴出部
23C ガス上方噴出部
23D ガス上方噴出部
W 加工エリア
T テーパ加工部
Claims (10)
- レーザ光が照射されるワークを搬送するためのガス浮上ワーク支持装置であって、
取り付けベースと、
前記取り付けベース上に配置された、第1のガス上方噴出部および第2のガス上方噴出部と、
前記取り付けベース上に配置され、前記第1のガス上方噴出部および前記第2のガス上方噴出部の間に位置する第3のガス上方噴出部と、
前記第3のガス上方噴出部の鉛直上方に配置された、第1のガス下方噴出部および第2のガス下方噴出部を含み、
前記第1および第2のガス下方噴出部は対向するように配置され、
前記第1および第2のガス下方噴出部の間を通して前記レーザ光が前記ワークに照射可能であり、
前記ワークは、前記第1〜第3のガス上方噴出部上において、前記第1〜第3のガス上方噴出部から噴出される上方ガスによって浮上し、
前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記第1および第2のガス下方噴出部から噴出される下方ガスによって下方に圧力を受け、
前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記上方ガスおよび前記下方ガスによって支持されるガス浮上ワーク支持装置。 - 前記第1および第2のガス上方噴出部の鉛直上方には、他のガス下方噴出部が存在しない請求項1記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記第1および第2のガス下方噴出部と前記第3のガス上方噴出部は平面視において重なる位置に配置されている請求項1または2に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記ワークは、前記第3のガス上方噴出部上において、前記第1および第2のガス上方噴出部上においてよりも高精度に浮上量を制御可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記第1〜第3のガス上方噴出部は前記上方ガスが噴出される多孔質体を有し、
前記第1および第2のガス下方噴出部は前記下方ガスが噴出される多孔質体を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。 - 前記ワークはガラス基板である請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記第1および第2のガス下方噴出部と前記ワークの距離を調整可能な位置調整部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記上方ガスおよび前記下方ガスの流量を調整可能なガス流調整部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記ワークの高さ位置を検知する検知部を有し、前記検知部の検知結果に基づいて前記上方ガスまたは前記下方ガスの流量を制御する請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
- 前記取り付けベース上に配置された、第1の台座および第2の台座と、
前記取り付けベース上に配置され、前記第1の台座および前記第2の台座の間に位置する第3の台座を有し、
前記第1〜第3のガス上方噴出部は、それぞれ前記第1〜第3の台座上に配置されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス浮上ワーク支持装置。
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