JP2017089226A - 基礎構築方法 - Google Patents

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【課題】既存構造物を改修する場合や既存構造物の上部に新設構造物を構築する場合に、構造物の設計自由度を高くする。【解決手段】基礎構築方法は、既存構造物(軌道10)の下部地盤16Bを横方向から掘り進めて下部地盤16B中に筒体26を設置する工程と、筒体26の内部から下部地盤16Bに杭40を構築し、筒体26を基礎梁20とする工程と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、基礎構築方法に関する。
下記特許文献1には、既存建物を増築するため、既存建物の下方の地盤中に支持杭を新設し、該支持杭の上に柱を新設して、既存建物の基礎を補強する工法が開示されている。
特開2008−13926号公報
しかし、上記特許文献1の工法によると、新設する柱位置が支持杭の直上のみに制限される。また、鉛直荷重が大きくなると、柱の断面積増加に伴って杭径を大きくしなければならない。したがって、増築建物の設計自由度には制限がある。
本発明は、上記事実を考慮して、既存構造物を改修する場合や既存構造物の上部に新設構造物を構築する場合に、構造物の設計自由度を高くすることを目的とする。
請求項1に係る基礎構築方法は、既存構造物の下部地盤を横方向から掘り進めて前記下部地盤中に筒体を設置する工程と、前記筒体の内部から前記下部地盤に杭を構築し、前記筒体を基礎梁とする工程と、を有する。
例えば道路や軌道のような既存構造物では、交通・運行を止めて既存構造物の下部地盤を開削して筒体を設置することは難しいが、請求項1に記載の基礎構築方法によれば、既存構造物の下部地盤を横方向から掘り進めることで、交通・運行を止めずに下部地盤中に筒体を設置することができる。同様に、建物などのような既存構造物では、床や基礎スラブをはつり取ることなく、下部地盤中に筒体を設置することができる。
そして、筒体の内部から下部地盤に杭を構築することで、筒体が柱等を支持できる支持強度を備えた基礎梁とすることができる。
このように基礎梁及び杭を既存構造物の下部地盤に設け、これを既存構造物又は既存構造物の上部等に構築する新設構造物の基礎とした場合、基礎梁を設けずに杭を打設して1杭1柱とする構造と比較すると、杭径を小さくしたり、構造物の規模を大きくすることができる。また、新設柱を設ける位置は必ずしも杭の直上である必要がないので、柱割りの自由度が大きくなる。したがって、構造物の設計自由度が高い。
請求項2に係る基礎構築方法は、請求項1に記載の基礎構築方法において、前記筒体は複数のボックスカルバートで構成され、前記ボックスカルバートの内部に鉄筋を配筋してコンクリートを打設する。
請求項2の基礎構築方法によると、ボックスカルバートの内部に鉄筋を配筋してコンクリートを打設することで、ボックスカルバートが一体化して基礎梁となり、また、基礎梁の強度も大きくすることができる。
また、例えば杭頭部とボックスカルバートを剛接することで杭に曲げモーメントを負担させることができる。或いは杭頭部とボックスカルバートを半剛接することで、曲げモーメントの伝達を少なくして、杭頭部の欠損を抑制することができる。
請求項3に係る基礎構築方法は、請求項1又は請求項2に記載の基礎構築方法において、前記筒体の下部に空間が設けられる。
請求項3の基礎構築方法によると、既存構造物を使用しながら、既存構造物の下部地盤中に、新たな空間を設けるための工事を行うことができる。このため、例えば道路の交通を止めずに立体交差道路を新設したり、電車の運行を止めずに地下街を新設することができる。
以上説明したように、本発明の基礎構築方法によると、既存構造物を改修する場合や既存構造物の上部に新設構造物を構築する場合に、構造物の設計自由度を高くすることができる。
(A)は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法においてパイプルーフを下部地盤に圧入した状態を示す正面断面図であり、(B)は側断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法において下部地盤を横方向から掘り進めボックスカルバートを配置した状態を示す正面断面図であり、(B)は側断面図であり、(C)は(B)に囲み線で示した、ボックスカルバートのジョイント部分の拡大図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法においてボックスカルバートの下部に杭を構築した状態を示す正面断面図であり、(B)は杭を構築している状態を示す側断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法においてボックスカルバートの内部に鉄筋を配筋し、ボックスカルバートの上部に柱を設置している状態を示す正面断面図であり、(B)は側断面図であり、(C)は(B)に囲み線で示した、アンカーボルトの拡大図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法においてコンクリートを打設した状態を示す正面断面図であり、(B)は側断面図であり、(C)は(B)に囲み線で示した、アンカーボルト及び柱脚の拡大図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る基礎構築方法においてボックスカルバート内部及び側穴に鉄筋が配筋された状態を示す正面断面図であり、(B)は平面図である。 は本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法において軌道の上部に建物が構築された状態を示す正面断面図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る基礎構築方法について説明する。
まず、第1実施形態に係る基礎構築方法の概要について説明する。図7に示すように、第1実施形態に係る基礎構築方法は、軌道10の上部に構築する建物12の基礎構造14を構築する方法である。基礎構造14は、基礎梁20と、杭40と、を含んで構成される。なお、軌道10は本発明における既存構造物の一例であり、鉄道車両が走行する軌条(レール)等が載置される路盤や、駅舎のプラットフォームなどを含むものとする。さらに、既存構造物としては、建物等の工作物のほか、道路、河川、水路などを含むものとする。
(筒体設置工程)
次に、第1実施形態に係る基礎構築方法について工程ごとに説明する。まず、軌道10の下部地盤16Bに筒体26を設置する工程について説明する。図1(B)に示されるように、まず、地盤16に立坑16Aを形成する。立坑16Aの開口部は、軌道10付近の地盤面に設けることが望ましいが、軌道10付近の地盤面16Cが、建物や通路などのために使用されている場合は、軌道10から離れた位置に設けてもよい。
そして立坑16Aから、軌道10の下部地盤16B(地盤16の一部分)に向かって、パイプルーフ22を横方向(水平方向)に圧入する。パイプルーフ22は、後述するボックスカルバート24を推進施工する際に、地盤16の沈下を抑制し、地盤16とボックスカルバート24との摩擦を減らして施工性を向上させるための鋼製管体であり、地盤面16Cから深さ2〜3m程度の深度に施工される。なお、当該深度は、地盤16の硬度や既存地下構造物の有無などの状況に合わせて、概ね1〜10m程度の範囲で調整することができる。
なお、パイプルーフ22は、本実施形態においては、図1(A)に示されるように、ボックスカルバート24の上部に設置される門型配置とされているが、地盤変形に注意を要する場合などは、ボックスカルバート24よりも広い範囲を覆うように一文字状に配置したり、ボックスカルバート24の上板、側板、底板に沿って矩形状に配置してもよい。ボックスカルバート24の上板に沿って配置されたパイプルーフは、地盤16の沈下抑制に有効である。また、ボックスカルバート24の側板に沿って配置されたパイプルーフは、地盤16から受ける側土圧を抑制し、また地盤16の沈下を抑制することにも有効である。さらに、ボックスカルバート24の底板に沿って配置されたパイプルーフは、地下水による地盤16のボイリングや盤ぶくれを抑制することに有効であり、本発明においては、これらのパイプルーフを適宜選択して用いることができる。また、下部地盤が強固な場合は、パイプルーフ22は省略することもできる。
図2(A)、(B)に示されるように、パイプルーフ22の圧入後、パイプルーフ22の下部の地盤16を少しずつ掘削しながら、パイプルーフ22に摺接させてボックスカルバート24を横方向(パイプルーフ22の材軸方向)に推進施工する。ボックスカルバート24は断面矩形状の筒状プレキャストコンクリート部材であり、筒軸方向がパイプルーフ22の材軸方向と一致するように複数連結させることで、長尺の筒体26が形成される。
なお、筒軸方向に互いに隣接するボックスカルバート24同士は、図2(C)の拡大図に示されるように、一方のボックスカルバート24の端面に埋設されたスリーブ24Aに、他方のボックスカルバート24の端面から突出した差筋24Bが挿入され、スリーブ24Aと差筋24Bの間の隙間にグラウトが注入されて連結される。差筋24Bは、ボックスカルバート24の筒軸方向に沿って埋設されており、もう一方の端部が逆側の端面に埋設されたスリーブ24Aに挿入されている。これにより、差筋24Bはボックスカルバート24の主筋として機能し、連結したボックスカルバート24が剛接されて、基礎梁20として機能することができる。
なお、本実施形態では筒体26を構成する部材として、ボックスカルバート24を用いているが本発明の実施形態はこれに限られない。例えば断面がアーチ形状のアーチカルバートや、断面が円形状の鉄筋コンクリート管などを用いてもよい。
(杭構築工程)
次に、筒体26の内部から下部地盤16Bに杭40を構築する。
図3(A)、(B)に示されるように、杭40の構築にあたっては、まず、ボックスカルバート24の底板に貫通孔24Dを形成し、下部地盤16Bを鉛直下向きに掘削して、支持層まで達する掘削孔42を形成する。なお、貫通孔24D及び掘削孔42の形成は、ボックスカルバート24の内部に設置及び動作可能な穿孔機を用いて行う。次いで掘削孔42に根固め液、杭周固定液を適宜注入し、杭材44を挿入する。杭材44は、プレキャストコンクリートで予め形成された既成杭であり、杭材44を機械的継手で上下方向に繋ぎ合わせながら掘削孔42に挿入して杭40が施工される。杭頭部に設置される杭材44からは杭頭補強筋48が突出しており、後述するコンクリートCに定着される。これにより、杭40の杭頭部は基礎梁20に剛接合される。なお、杭材44の軸方向長さは、ボックスカルバート24の内部の空間の高さよりも短い。
なお、本実施形態においては穿孔機を用いて掘削孔42を形成したが、必ずしも機械を使用する必要はなく下部地盤16Bは手掘りで掘削してもよい。手掘りの掘削は、例えば、鋼製波板とリング枠等を用いて土留めを行う深礎工法に適用される。さらに、杭40は既成の杭材44を繋ぎ合わせて施工するものとしたが、鉄筋かごを現場で溶接しながら繋ぎ合わせて掘削孔42に挿入し、コンクリートを掘削孔42に流し込む現場打ち杭としてもよい。
(上部掘削工程)
次に、基礎梁20の上面に建物12の柱12Aを設置するために、筒体26(ボックスカルバート24)の上部の地盤16を掘削する。建物12は、軌道10の上部に構築する新設構造物である。この工程では、図4(C)の拡大図に示されるように、柱12Aの設置場所の地盤面16Cから地盤16を鉛直下向きに掘り進み、露出したパイプルーフ22を貫通して、ボックスカルバート24の上部まで到達させる。
(配筋工程)
次に、図4(A)、(B)に示されるように、筒体26の内部に、基礎梁20の主筋及びあばら筋としての鉄筋28を配筋する。
(柱設置工程)
次に、ベースプレート12C及び直線状の(鉤型でない)アンカーボルト12Bが一体となった柱12Aを、ボックスカルバート24の上部に載置する。このとき、アンカーボルト12Bを、ボックスカルバート24の貫通孔24Eへ通す。そして、アンカーボルト12Bにボックスカルバート24の内側からナットを捩じ込み、柱12Aをボックスカルバート24に固定する。さらに、アンカーボルト12Bの先端には定着金物を固定し、あるいは図5(C)に示したように、アンカーボルトの先端を鉤型に折り曲げておく。
なお、パイプルーフ22の貫通孔とボックスカルバート24の貫通孔24Eを、柱12Aの外周よりも大きくして柱12Aを貫通させてもよい。この場合、柱12Aをボックスカルバート24の底板に固定することで、柱の柱脚を固定度の高い埋め込み式とすることができる。
(コンクリート打設工程)
柱12Aの設置後、筒体26の内部全体にコンクリートCを打設する。コンクリートCは筒体26の立坑16A側の端部に図示しない型枠を配置して打設し、コンクリートCの硬化後、立坑16Aを埋め戻す。
このようにコンクリートCを打設することで、杭40の柱脚が基礎梁20に剛接合される。また、柱12Aを固定するためのベースプレート12Cが、アンカーボルト12Bを介して基礎梁20に剛接合される。
本実施形態の基礎構築方法では、以上の工程により、軌道10の下部地盤16Bに、基礎梁20及び杭40からなる基礎構造14が構築される。
(作用及び効果)
本実施形態に係る基礎構築方法によれば、パイプルーフ22の下部地盤16Bを立坑16Aから横方向へ掘削しながら、パイプルーフ22に摺接させてボックスカルバート24を推進施工する。下部地盤16Bを掘削し、ボックスカルバート24を掘削部分に推進させるまでは、掘削部分の上部にある地盤16及び軌道10を走る列車の荷重は、パイプルーフ22によって支えられる。このため、軌道10の下部地盤16Bの沈下が抑制される。したがって、軌道10における電車の運行を止めずに基礎梁20を構築することができる。
また、トランシット等を用いて施工精度を確認しながらパイプルーフ22を曲がり少なく施工することで、パイプルーフ22をガイドとして推進施工するボックスカルバート24の施工精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る基礎構築方法によれば、基礎梁20及び杭40を備えた基礎構造14が、軌道10の上部に新設する建物12の基礎となる。また、杭40の杭頭部は、基礎梁20に剛接合されている。
これに対して、基礎梁20を設けないで建物を新設する場合は、新設建物の柱の軸力を杭のみが支持する、一柱一杭形式の基礎構造となる。
例えば同じ規模の建物を新設する場合で比較すると、本実施形態における杭40は、基礎梁20によって杭頭部が連結固定されているので、一柱一杭形式の基礎構造と比較して耐力が大きく、杭径を小さくすることができる。あるいは、本実施形態における杭40の杭径を、一柱一杭形式の基礎構造における杭径と等しくした場合で比較すると、本実施形態においては、新設する建物の規模を大きくすることができる。
また、例えば図7に示すように、ロングスパンの架構を新設する場合においては、本実施形態における杭40は、ボックスカルバート24内から構築するので、例えば深礎工法などによって大径の杭を施工することができる(300mm〜∞mm)。つまり、杭径にあわせてボックスカルバート24の断面寸法を大きくしたり、ボックスカルバート24を筒軸方向と直交する方向に複数連結したりして、掘削孔の掘削面積を適宜確保することができる。これにより、ロングスパンの架構を支持するために十分な耐力を備えた基礎構造とすることができる。
これに対して、一柱一杭形式の基礎構造とした場合、図7に破線Gで示したように、杭は地盤面16Cから掘削されるので、掘削孔とオーバーラップする部分の軌道は、工事中使用することができない。
また、本実施形態における基礎構築方法においては、杭40と柱12Aとの間に、基礎梁20が構築される。このため、柱12Aを設ける位置は必ずしも杭40の直上である必要がない。したがって、柱位置が杭の直上に制限される一柱一杭形式の基礎構造と比較して、柱割りの自由度が大きくなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る基礎構築方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同符号を付し、説明を適宜省略する。
まず、第2実施形態に係る基礎構築方法の概要について説明する。第2実施形態に係る基礎構築方法は、既存建物52の基礎(既存杭52B)を補強する基礎構造54を構築する方法である。図6(A)に示されるように、既存建物52は、既存柱52Aを既存杭52Bが支持する一柱一杭形式とされた基礎構造を備えている。そして、該基礎構造(既存杭52B)を補強する基礎構造54は、基礎梁60と、杭80と、既存杭52Bと基礎梁60とを連結するフーチング90と、を含んで構成されている。
(筒体設置工程)
次に、第2実施形態に係る基礎構築方法について工程ごとに説明する。第1実施形態の基礎構築方法と同様、まず、既存建物52の付近の地盤56に図示しない立坑を形成し、該立坑から、既存建物52の下部地盤56B(地盤56の一部分)に向かって、既存杭52Bの配設方向Lに沿ってパイプルーフ62を横方向(水平方向)に圧入する。
そして、パイプルーフ62の圧入後、パイプルーフ62の下部の地盤56を掘削しながらボックスカルバート64を推進施工し、ボックスカルバート64を連結して筒体66を構築する。このとき、ボックスカルバート64は、パイプルーフ62と同様、既存杭52Bの配設方向Lに沿って施工される(図6(B)参照)。
(杭構築工程)
次いで、ボックスカルバート64の底板に貫通孔64Dを形成し、下部地盤56Bを掘削して掘削孔82を形成する。掘削孔82に根固め液、杭周固定液を適宜注入し、プレキャストコンクリートで予め形成された杭材84を挿入し、杭材84を繋ぎ合わせて杭80を形成する。図示は省略するが、杭頭部に設置される杭材84からは杭頭補強筋が突出しており、後述するコンクリートCに定着される。これにより、杭80の杭頭部は基礎梁60に剛接合される。
(側穴形成工程)
次に、既存杭52Bと基礎梁60とを連結するフーチング90を形成するために、筒体66の側壁に開口部64Eを形成し、その後側穴92を形成する工程について説明する。
まず、ボックスカルバート64の側壁に図示しない穿孔を開け、該穿孔から地盤改良材を下部地盤56Bに注入して、既存杭52Bの周囲の地盤を改良する。なお、地盤改良する範囲は、図6(A)、(B)に示されるように、後述する側穴92を包絡する範囲Mであり、注入に際しては穿孔から注入管を挿入して、既存杭52Bの裏側まで地盤改良材を浸透させる。
地盤改良後、ボックスカルバート64の側壁をはつり取って開口部64Eを形成し、開口部64Eから既存杭52Bに向かって下部地盤56Bを横方向(水平方向)に掘り進め、既存杭52Bを包絡する範囲の土壌を取り除き、側穴92を形成する。
(コンクリート打設工程)
次に、筒体66及び側穴92の内部にコンクリートを打設して基礎梁60を構築する工程について説明する。図6(A)、(B)に示されるように、杭80の構築後又は側穴92の形成後、筒体66の内部に、基礎梁60の主筋及びあばら筋としての鉄筋68を配筋する。さらに、側穴92の内部に、フーチング90の主筋としての鉄筋98を配筋する。鉄筋68、98の配筋後、筒体66及び側穴92の内部全体にコンクリートCを打設する。これにより、基礎梁60及びフーチング90が形成される。
このようにして既存建物52の下部地盤56Bに、基礎梁60、杭80及びフーチング90を備え、既存建物52の基礎(既存杭52B)を補強する基礎構造54が構築される。
(作用及び効果)
本実施形態に係る基礎構築方法によれば、既存建物52の付近の地盤56に形成した立坑から、パイプルーフ62及びボックスカルバート64を施工して、基礎梁60を構築する。このため、既存建物52の床や基礎スラブをはつり取り、基礎スラブに削孔機を設置して下部地盤56Bを上部から開削する必要がない。したがって、例えば、既存建物52を増築したり用途変更するための改修時、既存建物52を使用しながら基礎構造の補強工事ができる。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。第1実施形態においては、ボックスカルバート24の下部には支持層に達した杭40のみを構築するものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られず、例えばボックスカルバート24を軌道10の下部地盤16Bに敷き詰め、ボックスカルバート24の下部に地下空間を形成してもよい。
このとき、杭40に代えて、形成する地下空間の最下部に杭頭部が位置する杭を構築し、該杭には構真柱を立て込み根固めする。また、該構真柱がボックスカルバート24の荷重を支えられるように、構真柱の柱頭部分にキャピタルを設け、ボックスカルバート24と一体化させる。
その後、ボックスカルバート24、64の下部に山留を施工して土留めを行い、ボックスカルバート24を施工するために形成した立坑をさらに下向きに掘り進め、該立坑からボックスカルバート24の下部地盤16Bを掘削する。このとき、適宜構真柱に梁、スラブを構築しながら地下空間を形成する。
このようにして、軌道10及び既存建物52を使用しながら、下部地盤16B、56Bに、新たな空間を設けるための工事を行うことができる。
また、第1、第2実施形態においては杭40、80にそれぞれ杭頭補強筋48、88が設けられ、基礎梁20、60と剛接合されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば杭頭補強筋48を設けずに、あるいは本数を少なくして、杭頭部と基礎梁20、60とを半剛接としてもよい。杭頭部と基礎梁20、60を半剛接することで、基礎梁20、60から杭40、80への曲げモーメントの伝達を少なくして、杭頭部の欠損を抑制することができる。このように、杭頭部の固定方法は適宜選択可能である。
また、第1、第2実施形態においてコンクリートCは筒体26、66の内部全体に打設されているが本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、基礎梁としての強度が確保できれば、筒体26、66の下側部分のみに打設すればよい。あるいは、図3に示された杭40、80の杭頭補強筋48、88の周辺部分を包絡するように型枠を配置して、杭頭部周囲のみにコンクリートCを打設してもよい。さらに、上述したように杭40、80の基礎梁20、60に対する固定度を大きくする必要がない場合は、杭頭部にパイルキャップを設けて基礎梁20、60から杭頭部へ鉛直荷重を伝えればよく、コンクリートCは必ずしも打設しなくてもよい。すなわち、第1、第2実施形態におけるコンクリートCの打設量は適宜軽減可能である。
コンクリートCの打設量を軽減することにより、筒体26、66の内部には空洞が形成されるので、該空洞部分を例えば地下通路や配管の共同溝として使用することができる。
このように、本発明はこうした上記の実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 軌道(既存構造物)
16B、56B 下部地盤
20、60 基礎梁
24、64 ボックスカルバート
26、66 筒体
28、68 鉄筋
40、80 杭
52 既存建物(既存構造物)
C コンクリート
V 地下空間(空間)

Claims (3)

  1. 既存構造物の下部地盤を横方向から掘り進めて前記下部地盤中に筒体を設置する工程と、
    前記筒体の内部から前記下部地盤に杭を構築し、前記筒体を基礎梁とする工程と、を有する基礎構築方法。
  2. 前記筒体は複数のボックスカルバートで構成され、
    前記ボックスカルバートの内部に鉄筋を配筋してコンクリートを打設した請求項1に記載の基礎構築方法。
  3. 前記筒体の下部に空間が設けられる、請求項1又は請求項2に記載の基礎構築方法。
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