JP2017088343A - チェーンブロックおよび組込カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤ比やギヤ構成が変わる場合でも、比較的容易に潤滑油切れを防止可能なチェーンブロックおよび組込カバーを提供する。【解決手段】チェーンブロック10は、ピニオンギヤ、該ピニオンギヤに対して同軸かつ回転自在なロードギヤを備えるギヤユニットと、ギヤユニットを収納し、グリスが供給されるケース体41,70と、ケース体41,70とは別体的な状態でケース体41,70の内部に配置される組込カバーと、を有し、組込カバーは、ピニオンギヤの外周側を覆う第1周壁部と、ピニオンギヤよりも大径の第1大径従動ギヤを含む第1従動ギヤ体の周囲を覆う第2周壁部と、を備えると共に、組込カバーは、第1周壁部と第2周壁部が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、荷揚げ作業に用いられるチェーンブロックおよびチェーンブロックに組み込まれる組込カバーに関する。
モータの駆動力を利用して荷を昇降させる電気チェーンブロックは、複数のギヤを備えるギヤユニットを内蔵しており、このギヤユニットを介してロードシーブまで駆動力を伝達さしている。たとえば特許文献1に示すように、ギヤユニットは、一般にケース内に収納されているが、その特許文献1には、ギヤ回りにおいて潤滑油が切れるのを防止するために、ギヤユニットをギヤケースと一体的に形成したカバーで覆う構成が開示されている。
特開平7−48093号公報
上述のように、特許文献1に開示の構成では、ギヤユニットをギヤケースと一体的に形成したカバーにより覆うことで、液状の潤滑油の広範囲な飛散を抑え、潤滑油切れ防止を図っている。しかしながら、このような構成を採用する場合、ギヤ比やギヤ構成が変わってしまうと、カバーと、ギヤとの間の隙間が変わってしまう。そのため、潤滑油が周囲に飛散してしまうのを防止する効果が薄れてしまい、潤滑油切れが起こり易くなる。
また、このような潤滑油切れを防ぐべく、ギヤ比やギヤ構成が変わる度に、新規な構成のギヤケースを作製することも考えられる。しかし、この場合には、たとえばダイカスト用の金型等のような、ギヤケースを形成するための設備を変更する必要があり、コストが増大してしまうため好ましくない。
なお、複数のギヤを重ねて組み合わせて構成されるギヤユニットでは、その組立性を阻害することがないように、かつ、潤滑油の飛散防止に有効なカバーをギヤケースと一体的に形成することが困難なことが多い。
また、ギヤ構成を変更する場合としては、たとえばピニオンギヤと同軸となるように、大径のロードギヤを配置する場合がある。その場合、ピニオンギヤは、特許文献1に示すような、ギヤケースの外壁寄りの部分ではなく、ギヤケースをできるだけコンパクトとする必要性から、ギヤケースの比較的中央側に位置する状態となる。そのような場合には、特にピニオンギヤにおいては、潤滑油が切れやすくなるので、チェーンブロックの寿命が短くなる、という問題がある。特に、ピニオンギヤを始めとして高速回転するギヤにおいては、その傾向が顕著となる。
特に、電気チェーンブロックの中には、メンテナンスの容易化を図るために、液体の潤滑油ではなく、グリスを採用することが検討されているものもあるが、そのようなタイプの電気チェーンブロックにおいても、ピニオンギヤを始めとして高速回転するギヤに対し、グリスを再供給できる構成とすることが望ましい。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、ギヤユニットの組立性を阻害することなく、また、ギヤ比やギヤ構成が変わる場合や高速回転するギヤでも、比較的容易に潤滑油切れを防止可能なチェーンブロックおよび組込カバーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、モータユニットで生じた駆動力をロードシーブ部材に伝達させることで、該ロードシーブ部材に掛け回されているチェーンを介して荷を昇降させるチェーンブロックであって、モータユニットで生じた駆動力を伝達するピニオンギヤと、該ピニオンギヤに対して同軸かつ回転自在に取り付けられていると共に、ロードシーブ部材と一体的に回転するロードギヤとを備えるギヤユニットと、ギヤユニットを収納すると共に、潤滑剤として運転温度で半流動体または半固体のグリスが供給されているケース体と、ケース体とは別体的に設けられると共に、ケース体の内部に配置される組込カバーと、を有し、組込カバーは、ピニオンギヤの外周側を覆う第1周壁部と、ピニオンギヤと噛み合うと共に該ピニオンギヤよりも大径の第1大径従動ギヤを含む第1従動ギヤ体の周囲を覆うことで第1周壁部よりも大径に設けられている第2周壁部と、を備えると共に、組込カバーは、第1周壁部と第2周壁部が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている、ことを特徴とするチェーンブロックが提供される。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第2周壁部には、グリスを保持するために第2周壁部の径方向の中央側に向かって突出しつつ第1大径従動ギヤと対向する対向受部が形成されている、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1従動ギヤ体には、第1大径従動ギヤと同軸かつ一体的に第1小径従動ギヤが設けられており、ギヤユニットには、第2従動ギヤ体が設けられ、その第2従動ギヤ体には、第1小径従動ギヤと噛み合う第2大径従動ギヤが設けられており、組込カバーには、第2大径従動ギヤの外周側を覆う第3周壁部が設けられていると共に、第3周壁部は、第1周壁部および第2周壁部に対して連続的に設けることで、組込カバーは、途切れのない周回形状に設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の第2の観点によると、チェーンブロックに用いられると共に、モータユニットで生じた駆動力をロードシーブ部材に伝達させるための複数のギヤを備えるギヤユニットが収納されているケース体内部に収納され、かつ該組込カバーとは別体的に設けられる組込カバーであって、ギヤユニットのうちピニオンギヤの外周側を覆う第1周壁部と、ピニオンギヤと噛み合うと共に該ピニオンギヤよりも大径の第1大径従動ギヤを含む第1従動ギヤ体の周囲を覆うことで第1周壁部よりも大径に設けられている第2周壁部と、を備えると共に、第1周壁部と第2周壁部が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている、ことを特徴とする組込カバーが提供される。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、第2周壁部には、グリスを保持するために第2周壁部の径方向の中央側に向かって突出しつつ第1大径従動ギヤと対向する対向受部が形成されている、ことが好ましい。
本発明によると、ギヤが高速回転するチェーンブロックにおいても、比較的容易に潤滑油切れを防止可能となる。
本発明の一実施の形態に係るチェーンブロックの本体の全体構成を示す斜視図である。 図1に示すチェーンブロックのうち、ギヤユニットおよびボディ付近の構成を示す分解斜視図である。 図1に示すチェーンブロックが備えるボディのうち、ギヤケースが取り付けられる側を示す平面図である。 図1に示すチェーンブロックが備えるボディのうち、ギヤボックス部側を示す斜視図であり、組込カバーが取り外された状態を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る組込カバーの構成を示す斜視図である。 図5に示す組込カバーがギヤボックス部に取り付けられた状態を示す平面図である。
以下、本発明の一実施の形態に係るチェーンブロック10について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を用いて説明することとする。XYZ直交座標系においてX方向とは、図2においてロードシーブ部材50の軸方向とし、X1側は図2における右下側を指し、X2側はそれとは逆の左上側を指す。また、Z方向とは、チェーンブロック10が吊り下げられる方向を指し、Z1側は図1および図2における紙面奥側を指し、Z2側はそれとは逆の紙面手前側を指す。また、Y方向は、X方向およびZ方向に直交する方向を指し、Y1側は図2における右上側を指し、Y2側はそれとは逆の左下側を指す。
本実施の形態におけるチェーンブロック10は、本体が上部に取り付けられた状態で荷を昇降させる、といった使用方法(通常吊り)の他に、フックが上部の係止部位に掛けられた状態で、荷と共に本体を昇降させる、といった使用方法(逆さ吊り)を用いることができる。逆さ吊りは、たとえば、舞台やコンサート、イベント会場等のような、本体を取り付けるのが困難な場所で、照明や音響などの機材を吊り上げ設置する作業に好適となっている。
<チェーンブロック10の全体構成について>
図1は、チェーンブロック10の本体11の全体構成を示す斜視図である。図2は、チェーンブロック10のうち、ギヤユニット30およびボディ40付近の構成を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、チェーンブロック10は、モータユニット20と、ギヤユニット30と、ボディ40と、ロードシーブ部材50と、コントロールユニット60等を備えている。
図1および図2に示すチェーンブロック10では、モータユニット20からの駆動力が、ギヤユニット30に伝達され、所定の減速比で減速された後に、ボディ40内に配置されているロードシーブ部材50に駆動力が伝達され、ロードシーブ部材50が回転させられる。
ここで、ロードシーブ部材50には、図示を省略するロードチェーンが掛け回されており、そのロードチェーンを巻き上げまたは巻き下げることで、図示を省略するフックと、本体11との間の距離を相対的に変化させる。それにより、通常吊りの場合には、上方に位置する本体11に対して荷を吊り上げることができる。また、逆さ吊りの場合には、荷を本体11と共に吊り上げることができる。
<ギヤユニット30、ボディ40およびギヤケース70の構成について>
次に、ギヤユニット30について説明する。図2に示すように、ギヤユニット30は、ピニオンギヤ31と、第1従動ギヤ体32と、第2従動ギヤ体33と、ロードギヤ34とを備えている。ピニオンギヤ31は、モータユニット20のモータ軸(図示省略)と連結されている。また、ピニオンギヤ31は、第1従動ギヤ体32の第1大径従動ギヤ32aと噛み合う。この第1従動ギヤ体32には、第1大径従動ギヤ32aの他に、第1大径従動ギヤ32aよりも歯数が少なく小径の第1小径従動ギヤ32bも一体的かつ同軸に設けられている。
第1小径従動ギヤ32bには、第2従動ギヤ体33の第2大径従動ギヤ33aが噛み合っている(後述する図4および図6参照)。この第2従動ギヤ体33には、第2大径従動ギヤ33aの他に、第2大径従動ギヤ33aよりも歯数が少なく小径の第2小径従動ギヤ33bも一体的かつ同軸に設けられている。
なお、第2従動ギヤ体33は、第2大径従動ギヤ33aと第2小径従動ギヤ33bとが常に同一回転を行うものとしても良いが、これらを別体形成して組み合わせ、その間にフリクションクラッチを内蔵する構成としても良い。この場合、第2従動ギヤ体33は、クラッチ摩擦板や皿ばね等を有する構成となり、過負荷状態となったときに、第2大径従動ギヤ33a側は回転させるものの、その回転を第2小径従動ギヤ33b側に伝達させずにスリップさせることで、過負荷となるのを防止可能となり、規定以上の巻き上げを防止可能となる。
また、第2従動ギヤ体33は、メカニカルブレーキの機能を備えるように構成しても良い。この場合、第2大径従動ギヤ33aと第2小径従動ギヤ33b以外にラチェット歯(図示省略)を同軸的に取り付け、そのラチェット歯にバネ部材で付勢されつつ係止する爪部材(図示省略)をギヤボックス部41に回動自在に取り付ける。このようにすることで、一方向に回転するが意図せぬ逆転は防止可能なメカニカルブレーキを構成することができる。
また、第2小径従動ギヤ33bには、ロードギヤ34が噛み合っている。ロードギヤ34は、本実施の形態では、ピニオンギヤ31と同軸となるように設けられている。ただし、ピニオンギヤ31の回転は、ロードギヤ34には直接伝達されない。すなわち、ロードギヤ34は、中空部分を有するロードシーブ部材50の端部側とスプライン結合されることで、ロードギヤ34とロードシーブ部材50とは一体的に回転する。しかしながら、ピニオンギヤ31は、ロードシーブ部材50の中空部分に挿通され、かかるロードシーブ部材50とピニオンギヤ31との間では、互いに回転自在となっている。
以上のような構成のギヤユニット30を介することにより、モータユニット20で生じた駆動力がロードシーブ部材50に伝達可能となっている。
次に、ボディ40およびギヤケース70について説明する。ボディ40は、たとえば金属の鋳造によって形成される部材であり、その内部にロードシーブ部材50のうち、ロードチェーンが掛け回される鎖掛部51が設けられている。また、ギヤケース70も、ボディ40と同様に、たとえば金属の鋳造によって形成される部材である。
図3は、ボディ40のうち、ギヤケース70が取り付けられる側(ギヤボックス部41側)を示す平面図である。図4は、ボディ40のうち、ギヤボックス部41側を示す斜視図であり、後述する組込カバー100が取り外された状態を示す図である。図3および図4に示すように、ボディ40には、凹形状のギヤボックス部41が設けられている。そして、ギヤボックス部41の収納凹部42には、上述したピニオンギヤ31、第1従動ギヤ体32、第2従動ギヤ体33およびロードギヤ34が収納される。
上述のギヤボックス部41の底部411には、当該底部411を貫く挿通孔412が設けられていて、その挿通孔412を介して、ピニオンギヤ31およびロードシーブ部材50の一端側(X1側;ギヤケース70側)が、収納凹部42内に突出する。また、挿通孔412にはベアリングB1が嵌まり込んで、ロードシーブ部材50を回転自在に支持する。また、オイルシールS1も挿通孔412に嵌まり込み、それによって収納凹部42内に供給される運転温度(−20〜240℃程度)で半流動体または半固体のグリスが挿通孔412を介して漏れるのを防止している。なお、収納凹部42内においては、ピニオンギヤ31は、ロードギヤ34よりも一端側(X1側)に位置する。
一方、ギヤケース70の底部71には、ベアリングB2を嵌め込む凹嵌部72が設けられていて、そのベアリングB2を介して、ピニオンギヤ31の一端側が回転自在に軸支されている。
また、第1従動ギヤ体32は、ギヤボックス部41には直接支持されていない。すなわち、収納凹部42のモータユニット20側には、ピニオンギヤ31と同軸となるようにロードギヤ34が配置されている。かかるロードギヤ34は、ピニオンギヤ31より大径であるので、そのロードギヤ34の存在によって、ギヤボックス部41の底部411側で、第1従動ギヤ体32を軸支することができない。したがって、ギヤボックス部41のギヤケース70側の端面のうち、下方側かつ図3において左側には、第1従動ギヤ体32を支持するための支持プレート80が、たとえばネジ等を介して取り付けられている。なお、支持プレート80には、ベアリングB3が嵌め込まれる凹嵌部が設けられていて、そのベアリングB3を介して、第1従動ギヤ体32の他端側(X2側)が軸支される。
なお、第1従動ギヤ体32の一端側(X1側)は、ギヤケース70側のベアリングB4を介して回転自在に軸支されるが、このベアリングB4は、底部71に形成されている存在する凹嵌部73に嵌め込まれている。それにより、第1従動ギヤ体32の両端側が回転自在に軸支される構成となっている。
また、第2従動ギヤ体33の他端側(X2側)は、ギヤボックス部41の底部411に存在する凹嵌部413(図3参照)に嵌め込まれるベアリングB5を介して軸支されている。一方、第2従動ギヤ体33の一端側(X1側)は、ギヤケース70の底部71に存在する凹嵌部74に嵌め込まれるベアリングB6を介して回転自在に軸支されている。
以上のような構成のギヤユニット30が、ギヤボックス部41の収納凹部42に収納されている。また、ギヤボックス部41とギヤケース70の間には、図示を省略するパッキンが配置された状態で、たとえばボルト等を介して取り付けられる。それにより、ギヤボックス部41とギヤケース70の間には、収納凹部42を含むギヤ収納空間GSが形成される。なお、ギヤボックス部41とギヤケース70は、ケース体に対応するが、いずれか一方のみがケース体に対応するものとしても良い。
<組込カバー100について>
上述したギヤ収納空間GSには、組込カバー100が配置される。以下、この組込カバー100について説明する。図5は、組込カバー100の構成を示す斜視図である。図6は、組込カバー100がギヤボックス部41に取り付けられた状態を示す平面図である。
図6に示すように、組込カバー100は、ロードギヤ34を除く、ギヤユニット30の周囲を覆う部材である。この組込カバー100は、たとえばニトリルゴム等のような耐油性および多少柔軟性を有するゴム材料から形成されている。なお、組込カバー100の材質は、ニトリルゴムには限られず、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等、その他のゴム系材料または合成樹脂を用いても良い。なお、ある程度の柔軟性を有するゴム材料を用いることで、その組み付けやギヤボックス内での保持がし易く、また、ギヤ等から発生する音の防音にも資することができる。
図5および図6に示すように、組込カバー100は、合計3つの周壁部が連続した状態に設けられている。具体的には、組込カバー100には、第1周壁部110と、第2周壁部120と、第3周壁部130とが設けられている。また、組込カバー100には、3つの周壁部110,120,130の他に、対向受部140も存在している。
第1周壁部110は、ピニオンギヤ31の外周側を覆う部分であり、3つの周壁部110,120,130の中では、最も小径に設けられている。また、図2に示すように、ピニオンギヤ31は、比較的X方向の長さが長く設けられている。したがって、ピニオンギヤ31の外周側を覆う第1周壁部110は、図5および図6における奥行き方向(図2におけるX方向)の寸法が、比較的大きく設けられている。ただし、第1周壁部110の高さは、第3周壁部130の高さよりも小さく設けられている。
本実施の形態では、第1周壁部110は、ピニオンギヤ31の外周に対して、たとえば約2mm程度の隙間を有する状態で対向している。したがって、ピニオンギヤ31が回転し、その遠心力でグリスが外周側に飛散しても、第1周壁部110は、飛散したグリスを受け止めることができる。そのため、グリス切れが生じるのを低減可能となっている。
なお、ピニオンギヤ31と第1周壁部110の間の隙間は、約2mmに限られるものではなく、たとえば1mm〜5mmの範囲内とする等、グリス切れを有効に防止可能な範囲において、種々設定可能である。
また、第2周壁部120は、第1従動ギヤ体32の外周側を覆う部分である。この第2周壁部120は、第1周壁部110と連なるように設けられている。すなわち、第1周壁部110と第2周壁部120とが交差する部分に、周壁部が存在していると、ピニオンギヤ31と第1大径従動ギヤ32aの噛合の障害になるので、その交差部分には、周壁部は存在していない。そのため、第1周壁部110と第2周壁部120とを平面視すると、その外観は、大径の円と小径の円とが連なった略ひょうたん形状に設けられている。
また、第2周壁部120は、第1従動ギヤ体32(第1大径従動ギヤ32a)の外周に対して、たとえば約2mm程度の隙間を有する状態で対向している。それにより、第1従動ギヤ体32(第1大径従動ギヤ32a)の回転によって、グリスが外周側に飛散しても、そのグリスを受け止めることができる。したがって、第1従動ギヤ体32(第1大径従動ギヤ32a)の外周側においても、グリス切れが生じるのを低減可能となっている。
なお、第1大径従動ギヤ32aと第2周壁部120の間の隙間も、約2mmに限られるものではない。その隙間は、たとえば1mm〜5mmの範囲内とする等、グリス切れを有効に防止可能な範囲において、種々設定可能である。
ここで、第2周壁部120には、第3周壁部130と隣り合わない側に存在する外周壁部121と、第3周壁部130と隣り合う部分に存在する内周壁部122とが設けられている。外周壁部121は、上述した第1周壁部110の高さ(奥行き)と同程度に設けられている。そして、外周壁部121は、その奥側(X2側)において、上述した支持プレート80に支持されている。
なお、外周壁部121には、位置決め用の位置決め凹部121aが設けられている。位置決め凹部121aは、外周壁部121の奥側側(X2側)から開口側(X1側)に向かうように所定だけ凹ませた部分となっている。この位置決め凹部121aに、支持プレート80が位置することで、組込カバー100の支持プレート80に対する位置決めがなされる。また、外周壁部121の周方向のうち、支持プレート80が位置しない部位においては、外周壁部121を支持プレート80よりも奥側(X2側)に位置させることができ、グリス切れの防止を効果的に行える。
一方、内周壁部122は、奥行き方向の寸法が、外周壁部121よりも大幅に小さく設けられている。これは、内周壁部122の下方側には、第2従動ギヤ体33の第2大径従動ギヤ33aが位置するためである。したがって、内周壁部122は、第1周壁部110と外周壁部121とを接続する(橋渡しする)ような、奥行き方向の寸法の小さな円弧状に設けられている。
なお、内周壁部122は、第2周壁部120のみならず、第1周壁部110にも存在している(以下、第1周壁部110における内周壁部を、内周壁部112とする)。
また、第3周壁部130は、第2従動ギヤ体33の外周側を覆う部分である。第2従動ギヤ体33には、ピニオンギヤ31および第1大径従動ギヤ32aよりも大径の第2大径従動ギヤ33aが設けられている。したがって、第3周壁部130は、第1周壁部110および第2周壁部120よりも大径に設けられている。
第3周壁部130には、ロードギヤ34との干渉を防止するためにギヤ用凹部131が設けられている。ただし、ロードギヤ34は、第2従動ギヤ体33の第2大径従動ギヤ33aよりも収納凹部42の奥側(X2側;底部411側)に位置するように設けられている。したがって、第3周壁部130の奥行き方向(X方向)の寸法は、ギヤ用凹部131が存在する部位においても、第1周壁部110および第2周壁部120の奥行き方向の寸法よりも大きくなるように設けられている。
また、第3周壁部130は、第2従動ギヤ体33(第2大径従動ギヤ33a)の外周に対して、所定の隙間を有する状態で対向している。この隙間は、第1大径従動ギヤ32aが第2大径従動ギヤ33aよりも大径であることを考慮して、たとえば約5mmというように、第1従動ギヤ体32(第1大径従動ギヤ32a)と第2周壁部120の間の隙間よりも大きく設定することができる。しかしながら、第2従動ギヤ体33(第2大径従動ギヤ33a)と第3周壁部130の間の隙間は、第1従動ギヤ体32(第1大径従動ギヤ32a)と第2周壁部120の間の隙間と同程度としても良い。
なお、第2従動ギヤ体33(第2大径従動ギヤ33a)と第3周壁部130の間の隙間は、約5mmに限られるものではない。その隙間は、たとえば1mm〜10mmの範囲内とする等、グリス切れを有効に防止可能な範囲において、種々設定可能である。
また、第3周壁部130には、ギヤボックス部41のリブやボス等を避けるための外周凹部132も設けられている。さらに、第3周壁部130には、嵌合凹部133が設けられている。嵌合凹部133は、ギヤボックス部41のボス等と嵌合して、組込カバー100の位置決めを行うための部分であり、奥行き方向(X方向)に長く設けられている。図5および図6に示すように、本実施の形態の組込カバー100では、嵌合凹部133は、合計2つ設けられている。しかしながら、嵌合凹部133の個数は、ギヤボックス部41のボス等に応じて幾つ設けても良い。
なお、突き当て部134、嵌合凹部133、位置決め凹部121aおよびギヤケース70によって、組込カバー100がギヤ収納空間GSの内部で押さえられる。したがって、組込カバー100は、ネジ等によらず、ギヤ収納空間GS内に固定することができる。
また、第3周壁部130には、突き当て部134も設けられている。突き当て部134は、ギヤボックス部41の底部411に突き当たる部分であり、それによって収納凹部42内における組込カバー100の高さ方向の位置が定められる。本実施の形態では、突き当て部134は、第3周壁部130の周方向に2か所設けられているが、その個数は、幾つであっても良い。
また、組込カバー100には、対向受部140も設けられている。図5および図6に示すように、対向受部140は、第2周壁部120の内壁から、径方向の中心に向かうように突出しており、その外観は、円弧状となっている。この対向受部140は、第1大径従動ギヤ32aの下面(奥側の面)と対向するように設けられている。したがって、対向受部140は、底部411に対しても略平行に対向するが、底部411に対して略平行でなくても良い。この対向受部140は、可能な限り長く設けることが好ましいので、第2周壁部120の外周壁部121の内壁のうち、第1周壁部110の境界から内周壁部122の境界に亘るまで、設けられている。
対向受部140は、第1大径従動ギヤ32aの下面(奥側の面)に対して、たとえば約2mm程度の隙間を有する状態で対向している。しかしながら、第1大径従動ギヤ32aの下面と対向受部140の間の隙間は、約2mmに限られるものではなく、たとえば1mm〜10mmの範囲内とする等、グリス切れを有効に防止可能な範囲において、種々設定可能である。
また、対向受部140の内周壁部は、第1従動ギヤ体32の第1小径従動ギヤ32bと対向している。さらに、対向受部140の周方向の端部は、それぞれピニオンギヤ31および第2大径従動ギヤ33aと対向している。これらの間の隙間は、上述のように約2mmとするものがあるが、約2mmに限られるものではなく、たとえば1mm〜10mmの範囲内とする等、グリス切れを有効に防止可能な範囲において、種々設定可能である。
以上のような組込カバー100が収納凹部42に取り付けられている。
なお、ギヤユニット30には、グリスが供給されている。グリスは、液体である油よりも粘度が高く流動性に劣る。そのため、グリスは、運転温度では、半固体または半流動体となっている。なお、グリスがギヤユニット30に供給された状態では、グリスが外部に流出するのを防止するために、ギヤケース70とボディ40(ギヤボックス部41)とギヤケース70の間には、パッキンが介在している。すなわち、ボディ40(ギヤボックス部41)とギヤケース70とは、それらの間にパッキンを介在させた状態で、ネジ等によって固定されている。
<組込カバー100を取り付けた場合のギヤユニット30の挙動について>
次に、ギヤ収納空間GS内に、組込カバー100を取り付けた場合における、ギヤユニット30の挙動に関して説明する。逆さ吊りにて本体11を取り付けた場合、モータユニット20が駆動すると、ギヤユニット30を介してロードシーブ部材50に駆動力が伝達され、それによってロードチェーンが巻き取られ、本体11が荷と共に昇降する。
ここで、ピニオンギヤ31はモータ軸に連結されているので、モータユニット20が駆動すると、ピニオンギヤ31はモータ軸と同一回転数で回転する。したがって、ピニオンギヤ31は、高速で回転する状態となる。このため、ピニオンギヤ31にグリスが付着していても、ピニオンギヤ31が回転した際の遠心力によって、グリスが外周側に飛散しようとする。
しかしながら、本実施の形態では、ピニオンギヤ31の外周側には、第1周壁部110が設けられている。したがって、回転の際の遠心力によって飛散したグリスを、この第1周壁部110によって受け止めることができ、またグリスをピニオンギヤ31に向けて跳ね返すこともできる。そのため、ピニオンギヤ31の外周側の近傍にグリスを保持したり、グリスがピニオンギヤ31に再供給される。
なお、逆さ吊りの状態では、第1周壁部110は、第2周壁部120よりも鉛直方向の下方側に位置することが好ましい。その場合、重力によってグリスが第2周壁部120側から第1周壁部110側に移動するが、第1周壁部110にグリスが貯留された状態でピニオンギヤ31が高速回転すると、そのピニオンギヤ31が第1大径従動ギヤ32aと噛み合う等により、第1大径従動ギヤ32aを始めとする各ギヤにグリスを比較的容易に供給できるからである。
また、ピニオンギヤ31は、第1大径従動ギヤ32aと噛み合っているが、その第1大径従動ギヤ32aの外周側には、第2周壁部120が配置されている。第1大径従動ギヤ32aは、ピニオンギヤ31に噛み合っており、またピニオンギヤ31よりも大径である。したがって、第1大径従動ギヤ32aの回転による遠心力は比較的大きい。このため、第1大径従動ギヤ32aが回転した際の遠心力によって、グリスが外周側に飛散しようとする。
しかしながら、第1大径従動ギヤ32aの外周側には、第2周壁部120が設けられている。したがって、回転の際の遠心力で飛散したグリスを、第2周壁部120によって受け止めることができ、またグリスを第1大径従動ギヤ32aに向けて跳ね返すこともできる。そのため、第1大径従動ギヤ32aの外周側の近傍にグリスを保持したり、グリスが第1大径従動ギヤ32aに再供給される。なお、第1大径従動ギヤ32aにグリスが付着すれば、そのグリスは、第1大径従動ギヤ32aの外周面等を伝って、第1小径従動ギヤ32bにも供給され、またピニオンギヤ31にもグリスが供給される。
ここで、第1大径従動ギヤ32aの奥側の面は、対向受部140と対向している。したがって、第1大径従動ギヤ32aの奥側の面から移動しようとしたグリスは、対向受部140にて受け止められ、この対向受部140にてグリスを保持しておくことができる。なお、第2周壁部120の内周側のうち、対向受部140が存在しない部位では、ロードギヤ34の一部が差し掛かっていたり、ピニオンギヤ31の一部が差し掛かっている。したがって、対向受部140が存在しない部位では、これらロードギヤ34やピニオンギヤ31にグリスが付着することで、グリスの再循環が図られる。
また、第1従動ギヤ体32の第1小径従動ギヤ32bは、第2従動ギヤ体33の第2大径従動ギヤ33aと噛み合っている。そして、この第2大径従動ギヤ33aの外周側には、第3周壁部130が配置されている。一般的には、第2大径従動ギヤ33aの回転速度は、ピニオンギヤ31よりも格段に遅くなっているので、第2大径従動ギヤ33aにおける遠心力は弱まっているものの、第2大径従動ギヤ33aに付着しているグリスは、無回転のときよりは、その外周側に移動しようとする。また、ギヤ比によっては、第2大径従動ギヤ33aは、グリスを遠心力で飛散させるような回転速度で回転する場合もある。
したがって、第2大径従動ギヤ33aの回転の際に、遠心力で飛散し外周側に移動してきたグリスを、第3周壁部130によって受け止めることができ、また、(第1周壁部110や第2周壁部120に比べて少ないながらも)グリスを第2大径従動ギヤ33aに向けて跳ね返すこともできる。そのため、第2大径従動ギヤ33aの外周側の近傍にグリスを保持したり、グリスを第2大径従動ギヤ33aに再供給できる。
なお、第2大径従動ギヤ33aにグリスが付着すれば、そのグリスは、第2大径従動ギヤ33aの外周面等を伝って、第2小径従動ギヤ33bにも供給される状態となる。また、第2小径従動ギヤ33b等を介して、ロードギヤ34にもグリスが供給され、また第1小径従動ギヤ32bにもグリスが供給される。
ここで、本実施の形態におけるチェーンブロック10と、組込カバー100が収納凹部42に配置されない従来のチェーンブロックとでは、グリス切れを起因とする寿命の相違が少なくとも2倍以上であることが実験により確認された。なお、上述の2倍以上の中には、寿命の相違が5倍以上の場合もあり、また10倍以上の場合も存在した。
<効果について>
以上のような構成のチェーンブロック10および組込カバー100によると、ギヤユニット30を収納すると共に、潤滑剤としてチェーンブロック10の動作中の温度(運転温度)で半流動体または半固体のグリスが供給されているギヤボックス部41とは別体的に設けられる組込カバー100が、ギヤボックス部41の収納凹部42の内部に配置される。そして、組込カバー100は、ピニオンギヤ31の外周側を覆う第1周壁部110と、ピニオンギヤ31と噛み合うと共に該ピニオンギヤ31よりも大径の第1大径従動ギヤ32aを含む第1従動ギヤ体32の周囲を覆うことで第1周壁部110よりも大径に設けられている第2周壁部120と、を備えている。しかも、組込カバー100は、第1周壁部110と第2周壁部120が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている。
ここで、本実施の形態のように、ピニオンギヤ31とロードギヤ34とは同軸となるように配置されているため、ピニオンギヤ31が、ギヤボックス部41の外周壁寄りの部分ではなく、ギヤボックス部41の比較的中央寄りの部位に位置している。そのため、高速で回転するピニオンギヤ31においては、グリスが外周壁に向かい飛散し易く、グリス切れが発生し易い状態となっている。
しかしながら、本実施の形態では、第1周壁部110がピニオンギヤ31の周囲を覆っているので、ピニオンギヤ31から外周側に向かって飛散するグリスを、この第1周壁部110で受け止めることができ、またグリスをピニオンギヤ31に向けて跳ね返すことができる。したがって、ピニオンギヤ31にグリス切れが生じるのを抑制することができ、それによってチェーンブロック10の寿命を延ばしたりメンテナンスの頻度を低減することが可能となる。
なお、組込カバー100を設け、グリスの飛散量を抑えることで、比較的高価なグリスの使用量を少なくすることができるといった副次的効果もある。
また、第1大径従動ギヤ32aにおいても、その第1大径従動ギヤ32aに付着しているグリスは、第1大径従動ギヤ32aが回転した際の遠心力により外周側に飛散するが、その飛散したグリスは、第2周壁部120によって受け止めることができ、またグリスを第1大径従動ギヤ32aに向けて跳ね返すことができる。
また、第1周壁部110と第2周壁部120とは、途切れのない周回形状に形成されている。ここで、周回形状が途切れている場合には、その途切れている部分からグリスが、より外周側に流出する虞があるが、上述のような周回形状とすることで、第1周壁部110と第2周壁部120に付着したグリスを循環させることができる。したがって、ピニオンギヤ31と第1大径従動ギヤ32a(第1従動ギヤ体32)において、グリス切れを効果的に防止可能となり、それによってチェーンブロック10の寿命を延ばすことが可能となる。
また、本実施の形態では、ギヤ比やギヤ構成が変わっても、ボディ40やギヤケース70を変更せずに済む。そのため、ボディ40やギヤケース70を、鋳造等で形成するための比較的大型の金型を作製せずに済む。したがって、その分だけコストが増大するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、第2周壁部120の内周側には、この第2周壁部120の径方向の中央側に向かって突出する対向受部140が設けられている。また、対向受部140は、第1大径従動ギヤ32aと対向していて、この対向受部140でグリスを保持可能となっている。このため、第1大径従動ギヤ32aの奥側(X2側)からさらに奥側(X2側)にグリスが移動しようとした場合、この対向受部140でグリスを受け止めて、保持することができる。したがって、第1大径従動ギヤ32aにグリス切れが生じるのを一層効果的に防止することができる。また、第1大径従動ギヤ32aとロードギヤ34との隙間が狭められるので、余分な隙間にグリスが溜まってしまうことで、第1大径従動ギヤ32aやロードギヤ34にグリスが供給されずにグリス切れが生じるのを防止可能となる。それにより、チェーンブロック10の寿命を一層伸ばすことが可能となる。
また、組込カバー100は、ボディ40やギヤケース70とは別体的に設けられている。したがって、各ギヤを組み込むことによるギヤユニット30の組み立て性を阻害しない。すなわち、ギヤユニット30は、ロードギヤ34を組み付け、次に第2従動ギヤ体33を組み付け、その後に別体的な組込カバー100を収納凹部42に取り付け、最後に第1従動ギヤ体32を組み付ける。そのため組込カバー100が、ギヤユニット30の組み立て性を阻害することがない。
さらに、本実施の形態では、第1従動ギヤ体32には、第1大径従動ギヤ32aと同軸かつ一体的に第1小径従動ギヤ32bが設けられている。また、ギヤユニット30には第2従動ギヤ体33も存在し、その第2従動ギヤ体33には、第1小径従動ギヤ32bと噛み合う第2大径従動ギヤ33aが設けられている。そして、組込カバー100には、第2大径従動ギヤ33aの外周側を覆う第3周壁部130が設けられていて、この第3周壁部130は、第1周壁部110および第2周壁部120に対して連続的に設けられていることで、組込カバー100は、途切れない周回形状に設けられている。
このため、第2大径従動ギヤ33aに付着しているグリスが、この第2大径従動ギヤ33aの回転によって外周側に飛散したり移動しても、第3周壁部130によってグリスを受け止めることができ、またグリスを第2大径従動ギヤ33aに向けて跳ね返すことができる。加えて、第3周壁部130は、第1周壁部110および第2周壁部120に対して連続的となっているので、組込カバー100は、全体的に途切れのない周回形状に設けられている。したがって、第3周壁部130に付着したグリスを、第1周壁部110および第2周壁部120に向けて循環させることができる。したがって、チェーンブロック10の寿命を一層伸ばすことが可能となる。
また、本実施の形態では、組込カバー100は、ゴム材料から形成することができる。この場合には、ギヤユニット30で生じる騒音を低減することができ、チェーンブロック10の静粛性を向上させることが可能となる。また、組込カバー100がゴム材料から形成され、弾性的に変形させつつ取り付けることができるので、ギヤ収納空間GS内での組込カバー100のガタ付きを低減できる。加えて、弾性(柔軟性)を有するゴム材料から組込カバー100が形成されているので、組込カバー100の組み付けも行い易くなっている。
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、組込カバー100は、第1周壁部110と第2周壁部120以外に、第3周壁部130と対向受部140も備えている。しかしながら、組込カバー100は、第1周壁部110と第2周壁部120を少なくとも備えていれば良く、第3周壁部130と対向受部140の少なくとも一方が存在しない構成を採用しても良い。
また、上述の実施の形態における組込カバー100においては、ギヤ間、ギヤボックス部41の底部411、およびギヤケース70の底部71等の隙間を小さくするために、適宜、対向受部140と同様の部分を追加的に設けるようにしても良い。このように構成する場合、それぞれの部位で余分な隙間が低減され、また飛散したグリスを保持して貯留しておくことができる。したがって、チェーンブロック10のグリス切れを一層防止可能となり、チェーンブロック10の寿命を一層伸ばすことができる。
また、上述の実施の形態では、モータユニット20を備えたチェーンブロック10について説明している。しかしながら、手動式のチェーンブロックに対して、本発明の組込カバー100を適用するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、ギヤユニット30は、ピニオンギヤ31と、第1従動ギヤ体32と、第2従動ギヤ体33と、ロードギヤ34とを備える構成となっている。しかしながら、ギヤユニット30は、このような構成には限られない。たとえば、第2従動ギヤ体33や第1従動ギヤ体32が省略された構成を採用しても良い。また、別途のギヤを追加的に設けている構成を採用しても良い。
10…チェーンブロック、11…本体、20…モータユニット、30…ギヤユニット、31…ピニオンギヤ、32…第1従動ギヤ体、32a…第1大径従動ギヤ、32b…第1小径従動ギヤ、33…第2従動ギヤ体、33a…第2大径従動ギヤ、33b…第2小径従動ギヤ、34…ロードギヤ、40…ボディ、41…ギヤボックス部(ケース体の一部に対応)、42…収納凹部、50…ロードシーブ部材、51…鎖掛部、60…コントロールユニット、70…ギヤケース(ケース体の一部に対応)、71…底部、72,73,74…凹嵌部、80…支持プレート、100…組込カバー、110…第1周壁部、112…内周壁部、120…第2周壁部、121…外周壁部、121a…位置決め凹部、122…内周壁部、130…第3周壁部、131…ギヤ用凹部、132…外周凹部、133…嵌合凹部、134…突き当て部、140…対向受部、411…底部、412…挿通孔、413…凹嵌部、B1〜B6…ベアリング、GS…ギヤ収納空間、S1…オイルシール

Claims (5)

  1. モータユニットで生じた駆動力をロードシーブ部材に伝達させることで、該ロードシーブ部材に掛け回されているチェーンを介して荷を昇降させるチェーンブロックであって、
    前記モータユニットで生じた駆動力を伝達するピニオンギヤと、該ピニオンギヤに対して同軸かつ回転自在に取り付けられていると共に、前記ロードシーブ部材と一体的に回転するロードギヤとを備えるギヤユニットと、
    前記ギヤユニットを収納すると共に、潤滑剤として運転温度で半流動体または半固体のグリスが供給されているケース体と、
    前記ケース体とは別体的に設けられると共に、前記ケース体の内部に配置される組込カバーと、
    を有し、
    前記組込カバーは、
    前記ピニオンギヤの外周側を覆う第1周壁部と、前記ピニオンギヤと噛み合うと共に該ピニオンギヤよりも大径の第1大径従動ギヤを含む第1従動ギヤ体の周囲を覆うことで前記第1周壁部よりも大径に設けられている第2周壁部と、を備えると共に、
    前記組込カバーは、前記第1周壁部と前記第2周壁部が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている、
    ことを特徴とするチェーンブロック。
  2. 前記第2周壁部には、前記グリスを保持するために前記第2周壁部の径方向の中央側に向かって突出しつつ前記第1大径従動ギヤと対向する対向受部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のチェーンブロック。
  3. 前記第1従動ギヤ体には、前記第1大径従動ギヤと同軸かつ一体的に第1小径従動ギヤが設けられており、
    前記ギヤユニットには、第2従動ギヤ体が設けられ、その第2従動ギヤ体には、前記第1小径従動ギヤと噛み合う第2大径従動ギヤが設けられており、
    前記組込カバーには、前記第2大径従動ギヤの外周側を覆う第3周壁部が設けられていると共に、
    前記第3周壁部は、前記第1周壁部および前記第2周壁部に対して連続的に設けることで、前記組込カバーは、途切れのない周回形状に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のチェーンブロック。
  4. チェーンブロックに用いられると共に、モータユニットで生じた駆動力をロードシーブ部材に伝達させるための複数のギヤを備えるギヤユニットが収納されているケース体内部に収納され、かつ該組込カバーとは別体的に設けられる組込カバーであって、
    前記ギヤユニットのうちピニオンギヤの外周側を覆う第1周壁部と、
    前記ピニオンギヤと噛み合うと共に該ピニオンギヤよりも大径の第1大径従動ギヤを含む第1従動ギヤ体の周囲を覆うことで前記第1周壁部よりも大径に設けられている第2周壁部と、
    を備えると共に、前記第1周壁部と前記第2周壁部が連続することで、途切れのない周回形状に設けられている、
    ことを特徴とする組込カバー。
  5. 前記第2周壁部には、グリスを保持するために前記第2周壁部の径方向の中央側に向かって突出しつつ前記第1大径従動ギヤと対向する対向受部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の組込カバー。
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