JP2017086622A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が高い排泄液についても優れた吸収性能を示し、特に液戻り防止性に優れる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】肌側シート10と非肌側シート13と吸収性コア40を含む吸収体14とを備え、前方部、排泄部対向部及び後方部を有する吸収性物品1であり、肌側シート10は、吸収性コア40と重なる部分が、高凸部31及び低凸部32を複数有する表面シート11からなり、低凸部32は高凸部31より密度が高く、吸収性コア40は排泄部対向部Bに一対の側方領域45、一対の高密度領域43及び高密度領域43どうし間に位置し中央低密度領域42を有し、それらは一体成形されており、高密度領域43及び中央低密度領域42は側方領域45よりも坪量が高い中央高坪量領域を構成し、低凸部32と中央高坪量領域41とが平面視して重なるよう配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
従来、身体から排出される液体の吸収を目的とする吸収性物品においては、排出された液が着用者の肌に再付着する肌への液戻りの防止や肌触りの向上を目的として、表面シートの肌側に向けられる肌対向面に凹凸を形成することが広く行われており、肌対向面に、相対的に高さが高い高凸部と、該高凸部よりも高さが低く該高凸部よりも密度が高い小凸部を有するものも提案されている(特許文献1,2参照)。
また、着用者の液排出部に対向する吸収体の一部分に局所的な厚肉部分を設けて、必要な部位の吸収性能を向上させるとともに、全体としての厚みの増加を抑制して装着違和感を抑える技術や、更にそのような厚肉部分の両側に圧縮部を設ける技術(特許文献3参照)も知られている。
特開2011−015707号公報 特開2011−080178号公報 特開2011−120696号公報
ところで、生理用ナプキンが吸収する液体である経血は、生理期間中の時期や個人差、そのときどきの体調等によって、粘度が低い場合と粘度が比較的高い場合とがある。べたつきや肌の湿潤による痒み等の不都合を防止する観点から、そのいずれの場合も、吸収性物品上に排泄された液体を、極力短時間に肌から隔離した状態となるように吸収体に吸収させることが望まれるが、従来の吸収性物品は、粘度が低い液体に高い吸収性能を示すものであっても、粘度が高い液体には十分な吸収性能を示さないものが多かった。
本発明は、粘度が比較的高い排泄液についても優れた吸収性能を示す吸収性物品に関する。
本発明は、肌対向面を形成する肌側シートと非肌対向面を形成する非肌側シートと吸収性コアを含む吸収体とを備え、長手方向に前方部、排泄部対向部及び後方部を有する吸収性物品であって、前記肌側シートは、前記吸収性コアと重なる部分が、着用者の肌側に向かって突出する凸部として高凸部及び該高凸部より高さが低い低凸部をそれぞれ複数有する表面シートからなり、前記低凸部は前記高凸部に比較して高い密度を有しており、前記吸収性コアは、前記吸収性物品の長手方向に長い形状を有し、前記排泄部対向部に、一対の側方領域と、該各側方領域より幅方向中央側に位置し該各側方領域より密度が高い一対の高密度領域と、該高密度領域どうし間に位置し該各高密度領域より密度が低い中央低密度領域とを有し、該中央低密度領域は、前記側方領域より厚みが大きく、前記側方領域、前記高密度領域及び前記中央低密度領域は一体成形されており、前記高密度領域及び前記中央低密度領域は、前記側方領域よりも吸収材料の坪量が高い中央高坪量領域を構成しており、前記低凸部と前記中央高坪量領域とが平面視して重なるよう配置されている吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、粘度が比較的高い排泄液についても優れた吸収性能を示し、特に液戻り防止性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態である生理用ナプキンの一部破断斜視図である。 図2(a)は、図1のIIa−IIa線断面図であり、図2(b)は、図1のIIb−IIb線断面図である。 図3は、図1に示す生理用ナプキンの吸収性コアを肌対向面側から視た平面図である。 図4は、図1に示す生理用ナプキンの吸収性コアを非肌対向面側から視た平面図である。 図5は、図1に示す生理用ナプキンの吸収性コアの製造に好ましく使用される積繊装置の要部を示す模式図である。 図6(a)及び図6(b)は、図1に示す生理用ナプキンの吸収体の製造方法の説明図である。 図7は、図1に示す生理用ナプキンの作用効果の説明図であり、中央低密度領域とその片側の高密度領域との境界部付近の幅方向に沿う断面を示す模式図である。。 図8は、本発明の吸収性物品に使用される表面シートの好ましい一例を示す斜視図である。 図9(a)及び図9(b)は、図5に示す積繊装置における積繊ドラム外周部の、ドラム周方向に沿う断面を示す模式図である。 図10は、図8に示す表面シートにおけるエンボス部の形状及び配置パターンを示す平面図である。 図11は、図10に示す高凸部におけるエンボス部の形状及び配置パターンを示す拡大平面図である。 図12は、図10に示す低凸部におけるエンボス部の形状及び配置パターンを示す拡大平面図である。 図13は、図10のVII−VII線拡大断面図である。 図14は、図10のVIII−VIII線拡大断面図である。 図15は、図10のIX−IX線拡大断面図である。 図16は、本発明の吸収性物品に使用される表面シートの別の例におけるエンボス部の形状及び配置パターンを示す平面図である。 図17は、本発明の吸収性物品に使用される表面シートの更に別の例におけるエンボス部の形状及び配置パターンを示す平面図である。 図18は、比較例の生理用ナプキンに用いた表面シートのエンボス部の形状及び配置パターンを示す平面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1ともいう)は、図1に示すように、肌対向面を形成する肌側シート10と、非肌対向面を形成する非肌側シート13と、吸収性コア40を含む吸収体14とを備えている。吸収体14は、肌側シート10と非肌側シート13との間に配置されている。
生理用ナプキン等の吸収性物品において、肌対向面Pは、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、前述した肌側シート10は、その肌対向面を形成している。また、生理用ナプキン等の吸収性物品において、非肌対向面Qは、着用時に着用者の肌側とは反対側、通常衣類側に向けられる面であり、前述した非肌側シート13は、その非肌対向面を形成している。
また、ナプキン1は、その長手方向Xに、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cを有している。生理用ナプキン等の吸収性物品において、長手方向Xとは、着用時に着用者の前後方向と一致する方向であり、幅方向Yとは、当該吸収性物品の平面視において、長手方向Xと直交する方向である。また、排泄部対向部Bは、着用時に、着用者の液排泄部(膣口等)が幅方向中央部に対向配置される部位であり、前方部Aは、着用時に排泄部対向部Bよりも腹側に配される部位であり、後方部Cは、着用時に排泄部対向部Bよりも背中側に配される部位である。
ナプキン1は、幅方向Yの中央部に、肌側シート10、吸収性コア40及び非肌側シート13が厚み方向に積層された構成の吸収性本体15を有しており、排泄部対向部Bにおける吸収性本体15の左右両側に一対のウイング部17,17が形成され、後方部Cにおける吸収性本体15の左右両側に一対の後方フラップ部18,18が形成されている。
本実施形態における肌側シート10は、図1に示すように、液透過性の表面シート11及びその両側に接合された一対のサイドシート12,12を備えている。液透過性の表面シート11は、ナプキン1の幅方向Yの中央部に長手方向Xに延びて配されている。サイドシート12は、ナプキン1の長手方向Xの両側部に配され、図2(b)に示すように、それぞれ、内側縁部12a側の一部を表面シート11上に重ねた状態で、内側縁部12aからやや幅方向Yの外方の位置において表面シート11に接合されている。一対のウイング部17,17及び一対の後方フラップ部18,18は、吸収性本体15の両側縁から延出したサイドシート12及び非肌側シート13からなる。ウイング部17の非肌側シート13側の面には、ショーツのクロッチ部の非肌対向面に固定するためのウイング部粘着部(図示せず)が設けられ、吸収性本体15の非肌対向面には、吸収性本体15をショーツの内面に固定するための本体粘着部(図示せず)が設けられている。後方フラップ部18の非肌側シート13側の面にも、ショーツの内面に固定するため粘着部が設けられていることが好ましい。
肌側シート10と非肌側シート13とは、吸収体14の周縁部より外方に延出した部分が接着剤で互いに接合されていると共にナプキン1の周縁部においてヒートシール等による熱融着により接合されている。
本実施形態における吸収体14は、図1及び図3に示すように、ナプキン1の長手方向Xと同方向に長い縦長の形状を有しており、また、吸収体14は、内部に、ナプキン1の長手方向Xと同方向に長い縦長形状の吸収性コア40を備えている。
吸収性コア40は、パルプ繊維等の繊維材料からなる繊維集合体又は該繊維集合体の繊維間に高吸水性ポリマーを保持させたものからなる。また吸収体14は、図1に示すように、吸収性コア40を包むコアラップシート14cを備えている。詳細には、吸収性コア40は、長手方向Xの両側縁部及び上下両面の全域を、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなるコアラップシート14cによって被覆されている。コアラップシート14cは、吸収性コア40の形成材料の漏れ出しを防止したり、吸収性コア40の保形性を高める目的で使用される。吸収性コア40は、一枚又は複数枚のコアラップシートにより、吸収性コア40の幅方向に沿う横断面の全周が被覆されていることが好ましい。例えば、吸収性コア40の肌対向面又は非肌対向面側に配された一枚のコアラップシートの両側部が、吸収性コア40の他面側に折り返され、その折り返された部分が、前記他面を被覆している別のコアラップシートの両側部上に積層されていることも好ましい。その積層された部分のシート間は、接合されていなくても良いが、接着されていることも好ましい。
肌側シート10の表面シート11と吸収体14との間、吸収性コア40とその肌対向面側を被覆するコアラップシートとの間、吸収性コア40とその非肌対向面側を被覆するコアラップシートとの間は、ドットパターン、スパイラルパターン、ストライプパターン、市松パターン等の間欠パターンでパターン塗工された接着剤により互いに接合されていることが好ましい。
なお、本実施形態のナプキン1においては、吸収体14の長手方向及び幅方向、並びに吸収性コア40の長手方向及び幅方向が、それぞれ、ナプキン1(吸収性物品)の長手方向X及び幅方向Yに一致しているため、吸収体14の長手方向及び幅方向、並びに吸収性コア40の長手方向及び幅方向も長手方向X及び幅方向Yと表現する。また、図2、図3、図4、図6においては、コアラップシートの図示を省略してある。なお、図2(a)及び図2(b)を纏めて図2、図6(a)及び図6(b)を纏めて図6ともいう。
吸収性コア40は、図2及び図3に示すように、排泄部対向部Bに、吸収性コア40の両側部を形成する一対の側方領域45,45と、各側方領域45より幅方向中央側に位置し該各側方領域45より密度が高い一対の高密度領域43,43と、該高密度領域43どうし間に位置し該各高密度領域43より密度が低い中央低密度領域42とを有している。
一対の側方領域45,45は、吸収性コア40の長手方向の両側部に、それぞれ吸収性コア40の長手方向Xに延びて形成されている。側方領域45は、図3に示すように、吸収性コア40の幅方向Yにおける中央側に内側端部45aを有し、外方側に外側端部45bを有している。高密度領域43は、吸収性コア40の幅方向Yにおける中央側に内側端部43aを有し、外方側に外側端部43bを有している。中央低密度領域42は、一対の側端部42s,42sを有している。側方領域45の外側端部45bは、吸収性コア40の側縁部に位置しており、吸収性コア40の長手方向Xに延びる直線状をなしている。側方領域45の内側端部45aと高密度領域43の外側端部43bは、側方領域45と高密度領域43との境界部に位置し、平面視して円弧状をなしている。高密度領域43の内側端部43aと中央低密度領域42の側端部42sは、高密度領域43と中央低密度領域42との境界部に位置し、吸収性コア40の長手方向Xに延びる直線状をなしている。
本実施形態における吸収性コア40の中央低密度領域42は、図2に示すように、高密度領域43及び側方領域45に比して厚みが大きい肉厚領域となっている。また、肉厚領域である中央低密度領域42は、吸収性コア40における非肌対向面側の面に突出部44を形成している。突出部44は、中央低密度領域42の厚み方向の一部からなる。また、中央低密度領域42及び中央低密度領域42の一部からなる突出部44は、吸収性コア40の幅方向Yにおいて、一対の高密度領域43間に位置しており、吸収性コア40の平面視において、吸収性コア40の長手方向Xに長い形状を有している。また高密度領域43は、中央低密度領域42の両側それぞれに、吸収性コア40の長手方向Xに延びて形成され、吸収性コア40の長手方向Xに長い形状を有している。即ち、本実施形態における、中央低密度領域42、高密度領域43及び側方領域45は、何れも、吸収性コア40の長手方向Xに沿う長さが吸収性コア40の幅方向Yに沿う長さより長い縦長の形状に形成されている。
また、中央低密度領域42、高密度領域43及び側方領域45は、ナプキン1等の吸収性物品における少なくとも排泄部対向部Bに形成されている。図1に示す例では、排泄部対向部Bの前端部付近から後方部Cの一部に亘って形成されている。中央低密度領域42、高密度領域43及び側方領域45は、何れも、吸収性コア40の長手方向Xの全長の20%以上100%以下の長さに亘って形成されていることが好ましく、吸収性コア40の全長の30%以上100%以下の長さに亘って形成されていることがより好ましい。
本実施形態のナプキン1の吸収性コア40における高密度領域43は、図5(a)に要部を示す積繊装置63を用いて、図6(a)に示すような、高密度領域43となる側部部分43’を含めて厚みが厚い高坪量の幅広厚肉領域41’を、製造時の搬送方向MDと直交する幅方向CDの中央部に有する積繊体40Aを製造した後、該積繊体40Aをコアラップシート(図示略)で被覆した状態下に、図6(b)に示すプレス装置を用いて、該積繊体40Aに、幅広厚肉領域41’の側部部分43’を加圧圧縮するプレス加工を施して形成したものである。
本実施形態のナプキン1においては、積繊体40Aにおける、平面視して楕円形状の幅広厚肉領域41’の機械方向MDに沿う一対の側部部分43’が、図6(b)に示すように、プレス装置による加圧により圧縮されて厚みが減じられており、その加圧圧縮された側部部分43’が、圧縮されないか相対的に弱く圧縮された中央低密度領域42及び側方領域45のそれぞれに比して密度が高い高密度領域43となっている。積繊体40Aは、吸収性コア40の製造中間体であり、幅広厚肉領域41’は、完成したナプキン1における側方領域45よりも厚みが厚い部分であり、その幅広厚肉領域41’の一部分である側部部分43’を、側方領域45と同じ厚みか、側方領域45より薄い厚みに圧縮することにより、高密度領域43が形成されている。
本実施形態のナプキン1の吸収性コア40における側方領域45は、プレス装置により圧縮されていないか、幅広厚肉領域41’の側部部分43’に比して弱く圧縮されており、高密度領域43及び中央低密度領域42に比して低坪量である上に、高密度領域43に比して低密度となっている。
本実施形態の吸収性コア40は、このようにして製造されたものであるため、幅方向Yの中央部に、平面視して楕円形状の中央高坪量領域41を有している。中央高坪量領域41は、その外周縁より外側に位置する周辺部に比して高坪量に形成されている。中央高坪量領域41は、図3に示すように、吸収性コア40の長手方向Xに沿う長さが吸収性コア40の幅方向Yに沿う長さより長い縦長の形状に形成されている。図3に示す中央高坪量領域41は、平面視形状が、楕円形状であるが楕円形状に代えて、トラック円形状、縦長矩形状、中央部が括れた楕円又は縦長矩形状、正方形状、円形状等の他の形状であっても良い。トラック円形状とは、陸上競技用トラックの形状のように、2本の相対する直線の端部どうしを2つの円弧状曲線で結んだ形状の輪郭を有する形状である。
本実施形態のナプキン1は、図7に示す基本構成を有する表面シート11を備える。図7に示す表面シート11は、着用者の肌側に向かって突出する凸部3として、高凸部31と該高凸部31より高さが低い低凸部32をそれぞれ複数有している。高凸部31は、低凸部32との比較において高さが高い凸部である。
また、図7に示す表面シート11における低凸部32は高凸部31に比較して高い繊維密度を有している。
また、図7に示す表面シート11は、少なくとも排泄部対向部Bにおける吸収体14側に、低凸部32に比較して密度が高く高密度領域Bに比較して密度が低い下層繊維層1dを有している。
本発明にいう「下層繊維層」は、表面シート11の一部を構成しないもの、例えば表面シート11と吸収体14との間に配される不織布等からなるセカンドシート等であっても良いが、図7に示す表面シート11は、互いに積層された上層繊維層1uと下層繊維層1dを有し、上層繊維層1uと下層繊維層1dとは、散点状に形成された複数の接合部2において部分的に熱融着されており、それによって一体化されている。
高凸部31、低凸部32、下層繊維層1d及び高密度領域43の各密度は、高凸部31より低凸部32の方が高く形成されている。また、低凸部32より下層繊維層1dの方が高く形成されていることが好ましい。ここで、表面シート11Aの各密度は、表面シートを構成している繊維密度を表している。
高凸部31の密度d1に対する低凸部32の密度d2の比であるd2/d1は、好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.5以上であり、また好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下であり、また好ましくは1.2以上5.0以下、更に好ましくは1.5以上3.0以下である。
低凸部32の密度d2に対する下層繊維層1dの密度d3の比であるd3/d2は、好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.5以上であり、また好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下であり、また好ましくは1.2以上5.0以下、更に好ましくは1.5以上3.0以下である。表面シートの各密度の比率の測定方法については、後に記述する。
図8は、図7に示す表面シート11のより具体的な一例を示す斜視図である。
図8に示す表面シート11Aは、着用者の肌側に向かって突出する凸部3を複数有し凸部3間に凹部4を有している。また、表面シート11Aの凸部3は、表面シート11Aの平面視において散点状に形成されている。なお、本発明における表面シートの凹部は、図8に示す表面シート11Aにおける凹部4のように平面方向に連続するものであっても良い。
図8に示す表面シート11Aは、熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層1dと、熱収縮性繊維を含まないか該熱収縮性繊維の含有割合が熱収縮繊維層1dよりも少ない非熱収縮繊維層1uとを有し、熱収縮繊維層1dと非熱収縮繊維層1uとが、エンボス加工により形成された複数の接合部2において部分的に接合されている。熱収縮性繊維という表現には、熱収縮した熱収縮繊維と熱収縮させる前の熱収縮繊維の両者が含まれる。
図8に示す表面シート11Aにおいては、熱収縮繊維層1dが、図7に示す表面シート11における下層繊維層1dに相当し、非熱収縮繊維層1uが、図7に示す表面シート11における上層繊維層1uに相当する。
表面シート11Aは、熱収縮繊維層1dと非熱収縮繊維層1uとをエンボス加工により部分的に接合した後、熱収縮繊維層1dを収縮させることによって、非熱収縮繊維層1uにおける接合部2以外の部分を肌側に突出させて凸部3を形成したものであり、エンボス加工により形成された接合部2(以下、エンボス部ともいう)は、凹部4の底部に存在している。
本発明における表面シートは、図8に示す表面シート11のように、凸部3が表面シート11の平面視において散点状に形成されていることが好ましいが、一方向に延びる凸部及び凹部が、該一方向に直交する方向に交互に形成されているものであっても良く、例えば、特開2011−080178号公報(特許文献2)に記載のものを表面シートとして用いることもできる。
本実施形態のナプキン1は、通常の生理用ナプキンと同様に、ショーツのクロッチ部に固定して使用される
ナプキン1の着用中に、ナプキン1の排泄部対向部Bの表面シート11上に経血等の液体が排出されると、その液体は、側方領域45より厚みが大きいことによって着用者の液排泄部にフィットし易くなっている中央高坪量領域41に、図7中に矢印a1で示すように、迅速に吸収される。
このとき、液体の粘度が高いとその液体は表面シート11上に残り易くなるが、表面シート11が高さが異なる高凸部31と低凸部32を有し、凸部3が肌と接触する面積が小さい上に、図7に示すように、液体a2が凸部3間の空間に取り込まれて、肌に接触しにくい状態となる。また、凸部3間の空間に取り込まれた液体a2は、高凸部31より低凸部32の密度が高いことによって、図7中に矢印a3で示すように、高密度の低凸部32に優先的に引き込まれて、中央高坪量領域41へと取り込まれる。このようにして、粘度が比較的高く凸部3間の空間に取り込まれた液体についても、肌に接触しにくい状態を維持しながら、最終的には、中央高坪量領域41に吸収される。
また、中央低密度領域42の両側に密度が高い高密度領域43が存在するため、中央高坪量領域41へと取り込まれた液体は、その一部が、図中に矢印a4で示すように、密度勾配により高密度領域43へと拡散する。そのため、矢印a1や矢印a3に示す経路等による中央低密度領域42への液体の引き込み性の低下が抑制される。また、液体が、表面シート11中や表面シート11と吸収体14との間を、ナプキン1の幅方向Yの端縁に向かって流れても、その液体は、矢印a5で示すように、表面シート11の凹凸の存在や高密度領域43による強い引き込み力によって高密度領域43に効率よく吸収される。これらのメカニズムによって、液戻りが抑制されると考えられる。更に、高密度領域43の外側の低密度の側方領域45の存在することとも相まって、その液体がナプキン1の幅方向Yの端縁に達して横漏れが生じることも防止される。
このようにして、本実施形態のナプキン1によれば、排泄液の粘度が低い液体のみならず比較的粘度が高い液体の場合であっても、液体が肌に再付着することを防止でき、べたつきや不快感の発生を防止でき、また肌が過度に湿潤状態となることによって誘発される肌の痒み等も効果的に防止することができる。また、液体が肌対向面の面に沿って拡散することも抑制でき、横漏れが生じることも防止することができる。
また本実施形態のナプキン1における吸収性コア40は、側方領域45,45と、高密度領域43,43と中央低密度領域42と一体成形されている。これにより、中央低密度領域42に排泄された液は側方領域45に移行されやすくなり、吸収性コア40全体を有効活用しやすい。
本明細書において、「一体成形されている」とは、別の工程で製造した部材どうしを接着剤や圧縮などの接合手段で結合したものとは異なり、連続する一体物として形成されていることを意味する。したがって、中央低密度領域42と高密度領域43との境界部及び高密度領域43と側方領域45との境界部に、別に製造した2つの吸収性コアを並べて配置した場合に生じるコアどうしの隣接部や結合部が存在しない。また、本実施形態のナプキン1においては、吸収性コア40の全体が一体成形されており、中央低密度領域42における、突出部44を形成する部分52dとそれよりも肌側に近い部分52uとの間にも、同様に層どうしの隣接部や結合部が存在しない。
また、本実施形態のナプキン1に用いた表面シート11は、低凸部32に比較して密度が高く高密度領域43に比較して密度が低い下層繊維層1dを有しているため、表面シート11から吸収体14、特に高密度領域43への液体の流れが一層スムーズになり、表面シート11内に残る液量や肌への液体の付着量を一層低減することができる。
また、本実施形態のナプキン1に用いた表面シート11は、高凸部31と低凸部32を有する上層繊維層1uと下層繊維層1dとが熱融着により一体化されているため、表面シー11内の液体の流れがスムーズになり、表面シート11内に残る液量や肌への液体の付着量を一層低減することができる。
また、図8に示す表面シート11Aのように、下層繊維層11dとして、熱収縮性繊維を含み、熱収縮性繊維の熱収縮により高密度化されている熱収縮繊維層11dを有するものを用いることが、下層繊維層11dが硬くならずにナプキン着用中における装着感に優れるため好ましい。
また、図6に示すように、吸収性コア40の高密度領域43が、吸収性コアの製造中間体である積繊体40Aにおける、吸収性コア40の側方領域45よりも厚みが厚い幅広厚肉領域41’を、側方領域45と同じ厚みか、側方領域45より薄い厚みに圧縮することにより形成すると、高密度領域43を厚肉の中央低密度領域42に隣接して形成できるため、中央低密度領域42から高密度領域43への液の引き込み性が高くなり、表面シート11から中央低密度領域42への液の引き込み性も高くなるため、肌への液戻り防止性を一層向上させることができる。なお、高密度領域43の坪量が、側方領域45の坪量よりも高いことは、低密度領域より高密度領域に液がとどまって横漏れ防止できるという利点がある。
上述した一又は二以上の効果が一層確実に奏されるようにする観点から、ナプキン1は、以下の一又な二以上の構成を有することが好ましい。
吸収性コア40は、高密度領域43の密度が、中央低密度領域42の密度の1.2倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、また、好ましくは3.50倍以下、より好ましくは3.25倍以下であり、また、好ましくは1.2倍以上3.50倍以下、より好ましくは1.5倍以上3.25倍以下である。
また吸収性コア40は、高密度領域43の密度が、側方領域45の密度の1.2倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、また、好ましくは3.50倍以下、より好ましくは3.25倍以下であり、また、好ましくは1.2倍以上3.50倍以下、より好ましくは1.5倍以上3.25倍以下である。
また側方領域45の密度は、中央低密度領域42の密度より高くても低くても良く、また同一であっても良いが、側方領域45の密度は、中央低密度領域42の密度の20%以上300%以下であることが好ましく、中央低密度領域42の密度の30%以上200%以下であることが更に好ましい。
吸収性コア40は、高密度領域43の厚みt3が、中央低密度領域42の厚みt1の80%以下であることが好ましく、より好ましくは75%以下であり、また好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは35%以上80%以下、より好ましくは40%以上75%以下である。
また、吸収性コア40は、側方領域45の厚みt5が、中央低密度領域42の厚みt1の75%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であり、また好ましくは30%以上75%以下、より好ましくは35%以上70%以下である。
また、中央低密度領域42の厚みt1は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また好ましくは8.5mm以下、より好ましくは8.0mm以下であり、また好ましくは1.5mm以上8.5mm以下、より好ましくは2.0mm以上8.0mm以下である。
中央低密度領域42の坪量は、側方領域45の坪量の1.2倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、また、好ましくは3.5倍以下、より好ましくは3.0倍以下であり、また、好ましくは1.2倍以上3.5倍以下、より好ましくは1.5倍以上3.0倍以下である。高密度領域43の坪量と側方領域45の坪量との関係についても同様である。他方、吸収性コア40は、高密度領域43における坪量が中央低密度領域42の坪量と同等であることが好ましい。ここでいう「同等」は、高密度領域43の坪量が、中央低密度領域42の坪量の80%以上120%以下であることを意味する。高密度領域43の坪量は、中央低密度領域42の坪量の90%以上110%以下であることがより好ましい。
吸収性コア40の各部の厚みは、吸収性コア40又は吸収性コア40を含む吸収体14を、カミソリの刃を用いて吸収性コア40の幅方向に沿って切断し、その切断された吸収性コア40の断面を、0.5gf/cm2の荷重をかけて、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率に拡大して計測する。
吸収性コア40の各部の厚みや後述する各部の幅は、中央低密度領域42と一対の高密度領域43とが並列状態で存在する部位の長手方向Xの中央位置(図3及び図4中、IIaで示す位置)において測定し、その中央位置に後述する横溝51や横溝56がある場合には、前後にずらした位置において測定する。
各部の密度は、吸収性コア40の断面を観察して得た厚みと吸収性コアの厚み方向の全体を含むように切り出した測定片の坪量とから算出する。吸収性コアの形成材料を減らして形成した縦溝50,55や横溝51,56がある場合、測定片は、それらを含まないように切り出す。
また一方の高密度領域43の外側端部45aと他方の高密度領域43の外側端部45aとの間の距離W1〔図2(a)参照〕は、吸収性コア40の全幅Wに対する割合が、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下であり、また、好ましくは20%以上95%以下であり、より好ましくは30%以上90%以下である。
中央低密度領域42及び突出部44の幅W2〔図2(a)参照〕は、それぞれ、吸収性コア40の幅Wに対する割合が、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下であり、また、好ましくは10%以上80%以下、より好ましくは15%以上75%以下である。中央低密度領域42又は突出部44の幅W2〔図2(a)参照〕は、それぞれ、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上であり、また、好ましくは60mm以下、より好ましくは50mm以下であり、また、好ましくは10mm以上60mm以下、より好ましくは15mm以上50mm以下である。
高密度領域43の幅W3〔図2(a)参照〕は、吸収性コア40の幅Wに対する割合が、好ましくは2.5%以上、より好ましくは5%以上であり、また、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下であり、また、好ましくは2.5%以上35%以下、より好ましくは5%以上30%以下である。高密度領域43の幅W3〔図2(a)参照〕は、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また、好ましくは2mm以上20mm以下であり、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
本実施形態における吸収性コア40は、図4に示すように、中央低密度領域42における非肌対向面側に、吸収性コア40の長手方向Xに沿って延びる縦溝50及び吸収性コア40の幅方向Yに沿って延びる横溝51が形成されており、また、各側方領域45における非肌対向面側にも、吸収性コア40の長手方向Xに沿って延びる縦溝55及び吸収性コア40の幅方向Yに沿って延びる横溝56が形成されている。
中央低密度領域42の縦溝50及び横溝51は、図2に示すように、中央低密度領域42に、吸収性コアの形成材料の坪量が相対的に多い高坪量部52と吸収性コアの坪量が相対的に少ない低坪量部53とを形成することによって形成されており、縦溝50及び横溝51は、それぞれ低坪量部53上に形成されている。中央低密度領域42の高坪量部52と低坪量部53は、高坪量部52の密度が低坪量部53の密度よりも低くても良いし、同一であっても良いが、高坪量部52の密度が低坪量部53の密度よりも高いことが好ましい。
側方領域45の縦溝55及び横溝56は、図2に示すように、側方領域45に、吸収性コアの形成材料の坪量が相対的に多い高坪量部57と吸収性コアの坪量が相対的に少ない低坪量部58とを形成することによって形成されており、縦溝55及び横溝56は、それぞれ低坪量部58上に形成されている。側方領域45の高坪量部57と低坪量部58は、高坪量部57の密度が低坪量部58の密度よりも低くても良いし、同一であっても良いが、高坪量部57の密度が低坪量部58の密度よりも高いことが好ましい。
中央低密度領域42における非肌対向面Q側の面に、吸収性コア40の長手方向Xに沿って延びる縦溝50及び吸収性コア40の幅方向Yに沿って延びる横溝51が形成されていると、ナプキン1が、内部に厚肉の中央低密度領域42を有する部分においても柔軟に変形し易くなるため、装着感を損なわず、かつ、溝の空間に排泄された液が体を素早く吸収コア40内に取りむことができるため、高粘度の液体であってもより迅速に吸収することができる。更に、取込まれた液が、溝を通って液拡散しやすくなるため、吸収性コアの中央部が液だまりしにくくなり、液体を肌に接触させずに吸収する表面シート11上の効果が更に高まる。
上述したナプキン1の吸収性コア40は、例えば、外周面に集積用凹部65を備え、一方向Rに回転する積繊ドラム64と、該積繊ドラム64の外周面に吸収性コアの形成材料を飛散状態で供給するダクト69を備えた積繊装置63(図6参照)を用いて、前述した積繊体40Aを製造した後、前述した、図6(b)に示すプレス加工を施すことにより製造することができる。図6(a)及び図6(b)に示す例について、より具体的に説明すると、搬送方向MDに直交する幅方向CDの中央部に幅広厚肉領域41’を有する積繊体40Aを、周面の一部に凹部72を備えたプレスロール71と周面が平滑なフラットロール73との間に導入することにより、幅広厚肉領域41’の側部部分43’を強く加圧して、高密度領域43を有する吸収性コア30を形成することができる。
また、図6(b)には、突出部44を形成する中央低密度領域42となる部分は加圧しない場合が示されているが、中央低密度領域42となる部分及び側方領域45となる部分の何れか一方又は双方を、高密度領域43となる側部部分43’よりも弱く加圧圧縮するようにしても良い。
図5に示す積繊装置63における集積用凹部65は、積繊ドラム64の外周面の周方向に一定の間隔で複数個形成されている。集積用凹部65の底面66は、メッシュプレート等からなり、吸引孔として機能する多数の細孔を有している。
図9(a)に示すように、集積用凹部65の底面66の一部には、幅広厚肉領域41’を形成するための凹部66aが形成されている。集積用凹部65の底部には、低坪量部53,58等の低坪量部を形成するための難通気性部材67,68が配置されている。難通気性部材67,68は、集積用凹部65の底面から突出するように固定されており、非通気性部材であっても良く、例えば金属やプラスチックからなる。
積繊ドラムを備えた公知の積繊装置と同様に、集積用凹部65の底面から吸引しつつ、ダクト内に吸収性コアの形成材料40’を供給することによって、図9(b)に示すように、吸収性コアの形成材料40’が集積用凹部65内に所定形状に堆積する。その堆積物4’を、集積用凹部65から離型することで積繊体40Aが得られる。図9(b)に示すように、難通気性部材67,68上に堆積したコア形成材料からなる部分が低坪量部53等となり、難通気性部材67,68を有しない底面上に堆積した部分が高坪量部52等となる。この積繊体40Aを、コアラップシートで被覆する前又は被覆した後、好ましくは被覆後に、図6(b)に示すようなプレス加工を施す。
吸収体14としては、吸収性物品の吸収体として従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができるが、上述したナプキン1の吸収体14のように、吸収性コア40と、該吸収性コアを包むコアラップシート14cから構成されているものが好ましい。
吸収性コア40及びその製造に用いる積繊体40Aは、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維の積繊体であっても良いし、該吸液性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体であっても良い。吸収性コアを構成する吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロール系の親水性繊維が挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。セルロール系の親水性繊維に加えて、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等を含んでいても良い。吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。繊維及び吸水性ポリマーは、それぞれ一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
吸収性コア40は、全体又は一部がパルプ繊維であることが好ましく、吸収性コア40に含まれる全繊維に対するパルプ繊維の割合は50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。なお、吸収性コアには、高吸水性ポリマー以外に、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じて配合しても良い。また、吸収体14は、吸収性コア40のみからなるものでも良い。
前述した表面シート11Aについて、図8及び図10〜図15を参照して更に説明する。これらの図中のXa方向は、表面シートの第2方向であり、表面シート製造時の機械方向(MD方向)及びナプキン1の長手方向Xと同じ方向である。また、図中のYa方向は、第2方向に直交する第1方向であり、表面シート製造時の機械方向(MD方向)に直交する方向(CD方向)及びナプキン1の幅方向Yと同じ方向である。また、図中のZ方向は、厚み方向である。
表面シート11Aは、熱収縮した熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層1dを有し、複数のエンボス部2が形成されたシートである。詳述すると、ナプキン1の表面シート11Aは、熱収縮繊維層1dを有し、更に熱収縮繊維層1dに積層された非熱収縮性繊維からなる非熱収縮繊維層1uを有している。また、表面シート11Aにおいては、非熱収縮繊維層1uを肌対向面側に配し、熱収縮繊維層1dを非肌対向面側に配して形成されている。
表面シート11Aの熱収縮繊維層1dと非熱収縮繊維層1uとは、複数のエンボス部2により、間欠的に接合されている。具体的には、表面シート11Aは、熱収縮繊維層1dと非熱収縮繊維層1uとが、規則的に配された複数のエンボス部2により部分的に接合されて貼り合わされており、非肌対向面側の熱収縮繊維層1dの熱収縮性繊維が熱収縮されて形成されている。表面シート11Aには、図8に示すように、非熱収縮繊維層1uの肌対向面側からエンボスしたエンボス部2により凹陥した複数の凹部と、エンボスされていない非エンボス部に複数の凸部3が形成されている。
表面シート11Aは、複数のエンボス部2によって囲まれた大多角形領域BTを複数有し、エンボス部2は大多角形領域BTの頂部をなしている。また、本発明の表面シートは、複数の大多角形領域BTの頂部をなすエンボス部2によって囲まれた、大多角形領域BTよりも面積が小さい小多角形領域STを複数有し、エンボス部2は小多角形領域STの頂部もなしている。このように本発明の表面シートは、複数のエンボス部2によって囲まれた多角形領域(大多角形領域BT,小多角形領域ST)が形成されており、該多角形領域(大多角形領域BT,小多角形領域ST)内が非エンボス部となっている。具体的に説明すると、図8,図10に示すように、多角形領域は、複数のエンボス部2を頂部とし、これらによって囲まれた複数の相対的に面積の大きい大多角形領域BTと、隣接する複数の大多角形領域BTの頂部をなすエンボス部2を共通の頂部として囲まれた、大多角形領域BTよりも面積が小さい複数の小多角形領域STとを有している。このように、大多角形領域BTとこれに隣接する小多角形領域STとは、エンボス部2を共通の頂部としている。なお、本明細書において、「エンボス部2を頂部として」いる、や、「エンボス部2が頂点をなす」、とは、エンボス部2全体を頂点としている、という限定的な意味ではなく、エンボス部2の一部を頂点としている場合も含む。本実施形態の表面シート11Aでは、エンボス部2の一部が各多角形領域の頂点となっており、エンボス部2の頂点を除く残部が各多角形領域の外形をなす辺の一部となっている。また、「エンボス部によって囲まれた」という表現は、エンボス部の内側で構成される領域を意味するのではなく、エンボス部を含んで構成される領域を意味する。
詳述すると、本実施形態の表面シート11Aにおいては、大多角形領域BTは、図10に示すように、頂部をなす6つのエンボス部2によって囲まれており、外形が六角形の形状となっている。一方、小多角形領域STは、頂部をなす4つのエンボス部2によって囲まれており、外形が四角形の形状となっている。そして、第1方向(Ya方向)に関しては、隣り合う2つの大多角形領域BT,BTどうしが、各大多角形領域BTを構成している6つのエンボス部2の内の2つのエンボス部2(2つの後述する他エンボス部22)を共有し、該2つのエンボス2,2(2つの後述する他エンボス部22)を結ぶ辺によって互いに区分されている。また、第2方向(Xa方向)に関しては、隣り合う2つの大多角形領域BT,BTどうしが、各大多角形領域BTを構成する6つのエンボス部6の内の1つのエンボス部2(後述する中間エンボス部21)を共有し、該1つのエンボス部2(後述する中間エンボス部21)によって互いに区分されている。また、1個の四角形の小多角形領域STが、それぞれ、4個の六角形の大多角形領域BTによって囲まれている。隣り合う小多角形領域STと各大多角形領域BTとは、6つのエンボス部6の内の2つのエンボス部2(後述する中間エンボス部21及び後述する他エンボス部22)を共有し、該2つのエンボス部2(後述する中間エンボス部21及び後述する他エンボス部22)によって互いに区分されている。したがって、表面シート11Aにおいては、小多角形領域STを構成する4つのエンボス部2は、全て、該小多角形領域STに隣接する4個の大多角形領域BTを構成するエンボス部2と共有している。
表面シート11Aでは、図8,図10に示すように、複数の大多角形領域BTが第1方向(Ya方向)に沿って互いに隣接して配されて構成された大多角形領域列BTLが形成されている。また、本発明の表面シートでは、複数の小多角形領域STが第1方向(Ya方向)に沿って互いに隣接して配されて構成された小多角形領域列STLが形成されている。そして、大多角形領域列BTLと小多角形領域列STLとが、第1方向(Ya方向)と直交する第2方向(Xa方向)に交互に配されている。即ち、第2方向(Xa方向)に沿って、大多角形領域列BTL,小多角形領域列STL,大多角形領域列BTL,・・・と交互に配置されている。
図8に示すように、表面シート11Aにおいては、各大多角形領域BT内には相対的に高さの高い高凸部31が形成されている。また、表面シート11Aにおいては、高凸部31が第1方向(Ya方向)に沿って複数配されて高凸部列31Lを構成している。一方、各小多角形領域ST内には、高凸部31よりも高さの低い低凸部32が形成されている。また、表面シート11Aにおいては、低凸部32が第1方向(Ya方向)に沿って複数配されて低凸部列32Lを構成している。そして、高凸部列31Lと低凸部列32Lとが、第1方向(Ya方向)と直交する第2方向(Xa方向)に交互に配されている。即ち、第2方向(Xa方向)に沿って、高凸部列31L,低凸部列32L,高凸部列31L,・・・と交互に配置されている。そして、高凸部列31Lの高凸部31と低凸部列32Lの低凸部32とは、表面シート11A上で千鳥状に配置されている。言い換えると、高凸部31と低凸部32とは、第1方向(Ya方向)と第2方向(Xa方向)それぞれに対して斜めの方向に向かって交互に並んでいる。尚、高凸部31及び低凸部32に関しては、後で詳述する。
本実施形態の表面シート11Aにおいては、図8,図10に示すように、エンボス部2は、第2方向(Xa方向)に関して最も近い位置にある2つの高凸部31,31どうしの間で、且つ、第1方向(Ya方向)に関して最も近い位置にある2つの低凸部32,32どうしの間に中間エンボス部21を有している。具体的には、第2方向(Xa方向)に関して、最も近い高凸部列31L,31Lを構成する各高凸部のうち最も近い2つの高凸部31,31どうしの間で、且つ、該第2方向(Xa方向)に関して最も近い高凸部列31L,31Lの間に位置する低凸部列32Lを構成する第1方向(Ya方向)に関して最も近い2つの低凸部32,32どうしの間に、1個の中間エンボス部21を有している。表面シート11Aにおいては、複数のエンボス部2は、2種類の形状のエンボスからなり、1つ目が中間エンボス部21であり、2つ目が中間エンボス部21を除く残りの他エンボス部22である。なお、本明細書において、「1個のエンボス部」とは、外形的に1つと見做せるエンボス形状のことをいい、該エンボス部が複数のドットや破線で構成されていても「1個のエンボス部」という。
各中間エンボス部21は、図10に示すように、第1方向(Ya方向)に隣り合う四角形の小多角形領域ST,STにて、各小多角形領域STを構成する4つのエンボス部6の内の1つのエンボス部2として共有され、第2方向(Xa方向)に隣り合う六角形の大多角形領域BT,BTにて、各多角形領域BTを構成する6つのエンボス部6の内の1つのエンボス部2として共有されている。従って、各中間エンボス部21は、第1方向(Ya方向)に関して最も近い2つの低凸部32,32どうしの中間位置に配されており、第2方向(Xa方向)に関して最も近い2つの高凸部31,31どうしの中間位置に配されている。
各中間エンボス部21は、図11,図12に示すように、第2方向(Xa方向)に関して最も近い位置にある2つの大多角形領域BTの頂点をなしている頂部の中心点から各大多角形領域BTの外形を形成している辺に沿って延びる2方向延出形状部21aを備えている。上述したように、表面シート11Aにおいては、第2方向(Xa方向)に隣り合う大多角形領域BT,BTは、1つの頂部を共有している。そして、表面シート11Aにおいては、四角形の各小多角形領域STの頂部は、全て、該小多角形領域STに隣接する六角形の大多角形領域BTの頂部と共有している。そのため、第2方向(Xa方向)に隣り合う2方向延出形状部21a,21aどうしが接しており、中間エンボス部21は、頂点から第2方向(Xa方向)に隣り合う一方の六角形の大多角形領域BTの外形を形成している辺に沿って延びると共に、該頂点から第2方向(Xa方向)に隣り合う他方の六角形の大多角形領域BTの外形を形成している辺に沿って延びる、4方向延出形状に、即ちX字形状に形成されている。X字形状の中間エンボス部21は、平面視して、頂点から4本の突出部21eが延出した形状である。該4本の突出部21eは各々同じ長さであり、X字形状の中間エンボス部21は、その中心点を通る第1方向(Ya方向)に平行な線及びその中心点を通る第2方向(Xa方向)に平行な線各々に対して、線対称の形状となっている。
X字形状の中間エンボス部21では、第2方向(Xa方向)における突出部21e同士の交差角度θ1(図11参照)は、表面シート11Aにおける肌との接触面積を低減させ、良好な肌触りを保ち、且つ、見た目の印象を良好にする観点から、好ましくは50°以上、特に好ましくは70°以上、そして、好ましくは170°以下、特に好ましく130°以下、より具体的には、50°以上170°以下であることが好ましく、70°以上130°以下であることが更に好ましい。尚、表面シート11Aにおいては、交差角度θ1は90°である。
各他エンボス部22は、図10に示すように、1つの頂部を共有する小多角形領域ST及び第1方向(Ya方向)に隣り合う2つの大多角形領域BT,BTにおいて、該頂部の中心点である頂点から四角形の小多角形領域STの外形の一部を形成していると共に一方の六角形の大多角形領域BTの外形の一部を形成している辺に沿って延び、且つ該頂部の中心点である頂点から四角形の小多角形領域STの外形の一部を形成していると共に他方の六角形の大多角形領域BTの外形の一部を形成している辺に沿って延び、且つ一方の六角形の大多角形領域BTの外形の一部を形成していると共に他方の六角形の大多角形領域BTの外形の一部を形成している辺に沿って延びる3方向延出形状に、即ちY字形状に形成されている。Y字形状の他エンボス部22は、平面視して、頂部の中心点である頂点から3本の突出部22eが延出した形状である。該3本の突出部22eは各々同じ長さであり、Y字形状の他エンボス部22は、その中心点を通る第2方向(Xa方向)に平行な線に対して、線対称の形状となっている。
Y字形状の他エンボス部22では、突出部22e同士の交差角度θ2(図11参照)は、表面シート11Aにおける肌との接触面積を低減および良好な肌触りを保ち、且つ、見た目の印象を良好にする観点から、好ましくは50°以上、特に好ましくは70°以上、そして、好ましくは170°以下、特に好ましく130°以下、より具体的には、50°以上170°以下であることが好ましく、70°以上130°以下であることが更に好ましい。尚、表面シート11Aにおいては、交差角度θ2は130°である。
表面シート11Aにおいては、X字形状の中間エンボス部21の4本の突出部21e及びY字形状の他エンボス部22の3本の突出部22eは、各々の長さが、表面シートにおける液の引き込み性および拡散性を高め、且つ情緒性の観点から、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上、そして、好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下、より具体的には、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましく、0.7mm以上4.0mm以下であることが更に好ましい。尚、中間エンボス部21の4本の突出部21eは、表面シート11Aにおいては、頂部の中心点である頂点からの長さが互いに同じ長さとなっている。一方、他エンボス部22の3本の突出部22eは、表面シート11Aにおいては、頂点(頂部の中心点)からの長さが互いに同じ長さとなっている。しかし、当該形態に限定されるものではなく、長さが異なっていてもよい。例えば、他エンボス部22の3本の突出部22eのうち2本が同じ長さで1本が他の2本よりも長さが短いものであっても良い。なお、他エンボス部22の3本の突出部22eの内の1本の突出部22eは、表面シート11Aにおいては、第2方向(Xa方向)に平行に配されている。
各エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)は、良好な肌触りを維持しながら、表面シート11Aにおける液の引き込み性および拡散性を高める観点から、1個のエンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22の平均)の面積が、好ましくは1mm2以上、更に好ましくは1.5mm2以上、そして、好ましくは15mm2以下、更に好ましくは12mm2以下、より具体的には、1mm2以上15mm2以下であることが好ましく、1.5mm2以上12mm2以下であることが更に好ましい。
各エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)は、第1方向(Ya方向)及び第2方向(Xa方向)に、規則的に、それぞれ間隔を空けて別個独立して設けられている。各エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)は、表面シート11Aにおける液の引き込み性および拡散性を高め且つ良好な肌触りを保つ観点から、その密度が、好ましくは1個/cm2以上、更に好ましくは2個/cm2以上、そして、好ましくは32個/cm2以下、更に好ましくは16個/cm2以下、より具体的には、1個/cm2以上32個/cm2以下であることが好ましく、2個/cm2以上16個/cm2以下であることが更に好ましい。
第1方向(Ya方向)に関して、最も近い位置にあるエンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)どうしの間隔は、表面シート11Aにおける液の引き込み性及び拡散性を高め、且つ見た目の印象と肌触りを良好に保つ観点から、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上、そして、好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下、より具体的には、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以上4.0mm以下であることが更に好ましい。
1個の六角形の大多角形領域BTは、図11に示すように、2個の中間エンボス部21と、4個の他エンボス部22とから形成されている。2個の中間エンボス部21は、平面視して、大多角形領域BTの重心を通る第2方向(Xa方向)に平行に延びる仮想二等分線Ly1上に配されており、大多角形領域BTの重心を通る第1方向(Ya方向)に平行に延びる仮想二等分線Lx1に対して対称となるように配されている。4個の他エンボス部22は、2個の中間エンボス部21が配された頂部以外の、大多角形領域BTの頂部に配されている。第1方向(Ya方向)に関して最も近い2つの他エンボス部22,22どうしは、平面視して、第2方向(Xa方向)に平行に延びる仮想二等分線Ly1に対して対称となるように配されている。そして、第2方向(Xa方向)に関して最も近い2つの他エンボス部22,22どうしは、平面視して、第1方向(Ya方向)に平行に延びる仮想二等分線Lx1に対して対称となるように配されている。このように、1個の六角形の大多角形領域BTを構成するXa方向に関して最も近い2つの他エンボス部22,22どうしは、仮想二等分線Lx1に対して、互いに逆向きになるよう配置されている。
1個の四角形の小多角形領域STは、図12に示すように、2個の中間エンボス部21と、2個の他エンボス部22とから形成されている。2個の中間エンボス部21は、平面視して、小多角形領域STの重心を通る第1方向(Ya方向)に平行に延びる仮想二等分線Lx2上に配されており、小多角形領域STの重心を通る第2方向(Xa方向)に平行に延びる仮想二等分線Ly2に対して対称となるように配されている。2個の他エンボス部22は、平面視して、第2方向(Xa方向)に平行に延びる仮想二等分線Ly2上に配されており、第1方向(Ya方向)に平行に延びる仮想二等分線Lx2に対して対称となるように配されている。このように、1個の四角形の小多角形領域STを構成するXa方向に関して最も近い2つの他エンボス部22,22どうしは、仮想二等分線Lx2に対して、互いに逆向きになるようにY字形状と逆Y字形状に配されている。
上述したように、表面シート11Aにおいては、四角形の各小多角形領域STの頂部は、全て、該小多角形領域STに隣接する六角形の大多角形領域BTの頂部と共有している。
そのため、図10に示すように、第2方向に関して、Y字形状の他エンボス部22が第1方向(Ya方向)に等間隔で配されたY字形状の他エンボス部22の列と、逆Y字形状の他エンボス部22が第1方向(Ya方向)に等間隔で配された逆Y字形状の他エンボス部22の列との間に、X字形状の中間エンボス部21が第1方向(Ya方向)に等間隔で配された中間エンボス部21の列が配されている。このような3本のエンボス部列からなる配列が、第2方向(Xa方向)に等間隔で配されている。そして、第1方向(Ya方向)に関しては、Ya方向に関して最も近い2つのY字形状の他エンボス部22,22どうしの中間に対応する位置にX字形状の中間エンボス部21が配されている。第2方向(Xa方向)に関しては、Xa方向に隣り合うY字形状の他エンボス部22と逆Y字形状の他エンボス部22とが、Xa方向に平行に延びる仮想線上に配されている。
エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)においては、表面シート11Aの構成繊維が圧密化されており、エンボスされていない部分に比べて、表面シート11Aの高さ(厚み)が最も低く(薄く)なっている。即ち、エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)による凹部の繊維密度は、エンボスされていない部分よりも高くなっており、表面シート11Aの中で最も高くなっている。また、エンボスの条件によっては、構成繊維が溶融固化してフィルム様になっている場合もある。このことから、エンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)は表面シート11Aの硬さや排泄液の引込み性に影響を与える。この観点から、表面シート全面積に対するエンボス部2の面積の比率、即ちエンボス化率は5%以上、30%以下であることが好ましく、特に、7%以上20%以下であることが好ましい。表面シート11Aにおけるエンボスパターンによれば、このような低いエンボス化率としても、着用者の肌との接触面積を低くすることができる。
以上のように形成された表面シート11Aでは、図10に示すように、六角形の大多角形領域BT内に形成される高凸部31は、平面形状が楕円の凸部であり、四角形の各小多角形領域ST内に形成される低凸部32は、平面形状が円形の凸部となっている。
高凸部31の厚み方向(Z方向)の頂点における高さhb(図13参照)は、表面シート11Aの良好は肌触りを高め、且つ繊維の密度勾配を強化して液の引込み性を高める観点から、好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは7.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、より具体的には、1.0mm以上7.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上5.0mm以下であることが更に好ましい。高凸部31の高さhbは、高凸部の最大高さであるが、概ね、大多角形領域BTの重心に対応する位置での高さでもある。高さhbは、後述する表面シート11Aの繊維密度の比率(1)と同様にして測定する。
また、高凸部31の底面からの隆起角度θ3(図14参照)は、多量の経血時においても、肌に触れる部分に経血を残し難くする観点から、好ましくは70°以上、更に好ましくは75°以上、そして、好ましくは90°以下、更に好ましくは85°以下、より具体的には、70°以上90°以下であることが好ましく、75°以上85°以下であることが更に好ましい。隆起角度θ3は、上記高さhbを測定する際に同時に測定する。
低凸部32の厚み方向(Z方向)の頂点における高さhs(図15参照)は、表面シート11Aの良好な肌触り感を高め、且つ繊維の密度勾配を強化して液の引込み性を高める観点から、好ましくは0.4mm以上、更に好ましくは0.8mm以上、そして、好ましくは4.5mm以下、更に好ましくは2.5mm以下、より具体的には、0.4mm以上4.5mm以下であることが好ましく、0.8mm以上2.5mm以下であることが更に好ましい。低凸部32の高さhsは、低凸部32の最大高さであるが、小多角形領域STにおける重心に対応する位置での高さでもある。高さhsは、後述する表面シート11Aの繊維密度の比率(1)と同様にして測定する。
また、低凸部32の底面からの隆起角度θ4(図15参照)は、多量の経血時においても、肌に触れる部分に経血を残し難くする観点から、好ましくは25°以上、更に好ましくは30°以上、そして、好ましくは70°以下、更に好ましくは65°以下、より具体的には、25°以上70°以下であることが好ましく、30°以上65°以下であることが更に好ましい。隆起角度θ4は、上記高さhsを測定する際に同時に測定する。
表面シート11Aにおいては、立体ドーム構造の高凸部31は、その繊維密度が、立体ドーム構造の低凸部32の繊維密度よりも低くなっており、特にそのZ方向の頂点(高さhbの基準点)において、表面シート11Aの中で最も低くなっている。立体ドーム構造の低凸部32は、その繊維密度が、そのZ方向の頂点(高さhsの基準点)において、低凸部32の中で最も低くなっている。このように、高凸部31のZ方向の頂点(高さhbの基準点)における繊維密度は、低凸部32のZ方向の頂点(高さhsの基準点)における繊維密度よりも低くなっている。したがって、排泄液は、着用者の肌に接触している高凸部31から低密度部へと移行し易くなっている。更に、第1方向(Ya方向)に隣接する低凸部32,32どうしの間に位置し、かつ、第2方向(Xa方向)に隣接する高凸部31,31どうしの間に位置する中間エンボス部21が存在することによって、中間エンボス部21周辺の繊維密度が高められている。このために、肌へのクッション性を与える最も密度の低い高凸部31へ排出された排泄液は、表面から下方へと浸透しやすくなっているので、急速に表面シート11A上をYa方向及びXa方向へと拡散されることなく、液モレが抑制される。
低凸部32のZ方向の頂点(高さhsの基準点)における繊維密度dsに対する、高凸部31のZ方向の頂点(高さhbの基準点)における繊維密度dbの比率(ds/db)は、排泄された体液の引き込み性を強化する観点から、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上、そして、好ましくは3.0倍以下、更に好ましくは2.5倍以下、より具体的には、1.2倍以上3.0倍以下であることが好ましく、1.5倍以上2.5倍以下であることが更に好ましい。
表面シート11Aの繊維密度の比率は、以下に記載する2つの方法(1)及び(2)のいずれかを使用して計測することができる。
(1)表面シート11Aの坪量が略均一(一様)である場合(あるいは略均一と判断できる場合)には、表面シート11Aの切断面の高さ(厚み)を計測する。
(2)表面シート11Aの坪量が不均一である場合(あるいは不均一と判断できる場合)には、表面シート11Aの切断面における繊維間の平均距離を計測する。
ここで、表面シート11Aの坪量が略均一であるか否かの判断は、次の通り行う。
表面シート11Aから、Xa方向10cmYa方向10cmのサイズのカットサンプルを10個以上の取り出し、各々の坪量を計測した際に、標準偏差σの3倍値(3σ)が平均μの10%以内であり、外観上繊維ムラが見られなければ、略均一と判断する。ただし、微小領域で組成が異なっている等、様々な要因を考慮し、総合的に判断することが好ましい。
まず、(1)の方法について説明する。
平面視における表面シート11Aから、高凸部31の重心(Z方向の頂点)と両端の2個のエンボス部2(中間エンボス部21)とを通る直線で切断して高凸部31測定用サンプルを作成する。同様に、低凸部32の重心(Z方向の頂点)と両端の2個のエンボス部2(2個の中間エンボス部21或いは2個の他エンボス部22)とを通る直線で切断して低凸部32測定用サンプルを作成する。この際、切断により各測定用サンプルの高さの減少等をなるべく起こさないように留意する。
得られた各測定用サンプルの断面の計測は、日本電子株式会社製の電子顕微鏡 JCM−5100を使用し、スパッター時間30秒(Pt)、加速電圧10KVの条件で行うが、測定用サンプルの両端のエンボス部2の少なくとも一方が撮影されるか、あるいは複数枚の画像を組み合わせて前記エンボス部2がわかる状況とし、撮影画像から各測定用サンプルの高さ(厚み)を計測する。尚、画像の計測は、印刷物あるいはPC画面上のどちらを使用して行ってもよい。
(1)の方法においては、高凸部31測定用サンプルの中央部の高さhb(厚み)を、低凸部32測定用サンプルの中央部の高さhs(厚み)で除して密度の比率(ds/db)とする。
次に、(2)の方法について説明する。
(1)の方法と同様に断面を計測するが、(1)の方法で行う測定に加えて、各測定用サンプルの断面を拡大倍率500〜1000倍で撮影する。拡大撮影画像各々の対象測定部位(各測定用サンプルの中央部)で且つ幅方向(平面方向)に繊維本数が3〜7本の領域において、画像解析装置(NEXUS製NEWQUBE ver.4.20)を使用して、繊維の最近接重心間距離を求める。
上記計測においては、高さ(厚み)方向に略全体的に計測し、且つ最近接重心間距離の重複が生じないようにする。また、断面については、少なくとも3箇所、好ましくは5箇所、より好ましくは10箇所計測し、その平均値を用いる。
(2)の方法においては、高凸部31測定用サンプルの中央部の最近接重心間距離を、低凸部32測定用サンプルの中央部の最近接重心間距離で除して密度の比率(ds/db)とする。
表面シート11Aの形成材料について説明する。
非熱収縮性繊維からなる非熱収縮繊維層1uとしては、例えば、カード法によって形成されたウェブや嵩高な不織布が好ましく用いられる。嵩高な不織布としては、表面シート11Aに所望の密度勾配を持たせることが可能であること、また表面シート11Aに良好な風合いをもたらすことが可能であるとの観点から、エアスルー不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布が好ましく用いられる。カード法によって形成されたウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。つまり、不織布を製造する際に用いられるカードウェブに加えられる後処理、例えばエアスルー法やカレンダー法による加熱融着処理が施されていない状態にある、繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体のことである。カード法によって形成されたウェブを非熱収縮繊維層1uとして用いる場合には、非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dとを接合させると同時に又は接合させた後、非熱収縮繊維層1u中の繊維同士を熱融着させる。
非熱収縮繊維層1uの構成繊維である非熱収縮性繊維としては、実質的に熱収縮性を有しないものか、下層(熱収縮繊維層)よりも熱収縮温度が高い繊維であれば、通常、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものを、特に制限なく用いることができる。
非熱収縮繊維層1uの坪量は、充分な密度勾配を形成する観点及び表面シート11Aの肌触りを良好にする観点から、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは15g/m2以上、そして、好ましくは50g/m2以下、更に好ましくは40g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上50g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以上40g/m2以下であることが更に好ましい。
熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層1dとしては、カード法によって形成されたウェブや熱収縮性を有する不織布を用いることができる。
熱収縮繊維層1dの構成繊維の熱収縮性繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有するものが好適に用いられる。そのような繊維の例としては、潜在捲縮性繊維が挙げられる。潜在捲縮性繊維は、加熱される前においては、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度で加熱することによって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。熱収縮繊維層1d中の熱収縮性繊維の含有割合は40質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
熱収縮性繊維である潜在捲縮性繊維は、例えば、収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許第2759331号公報に記載のものが挙げられる。熱収縮繊維層1dは、例えば、このような潜在捲縮性繊維を含ませておき、非熱収縮繊維層1uとの熱融着と同時に又はその後に、加熱により該繊維の捲縮を発現させ、収縮させることができる。熱収縮繊維層1dの坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは15g/m2以上、そして、好ましくは50g/m2以下、更に好ましくは40g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上50g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以上40g/m2以下であることが更に好ましい。
表面シート11Aは、例えば、非熱収縮性繊維を含む非熱収縮繊維層1uを上層にし、収縮前の熱収縮性繊維からなる熱収縮繊維層1dを下層にして重ね合わせ、複数のエンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)により所定の規則正しいパターンで部分的に貼り合わせると同時に又は両者を貼り合わせた後に、熱を加えて、下層の熱収縮繊維層1dを水平方向に熱収縮させることにより形成される。非熱収縮繊維層1u及び熱収縮繊維層1dがエンボス部2(中間エンボス部21及び他エンボス部22)により間欠的に貼り合わされて一体化されているために、熱収縮繊維層1dが熱収縮すると、非熱収縮繊維層1uもつられて縮もうとして歪が生じる。この歪が非熱収縮繊維層1u側に凸状に隆起し立体ドーム形状の凸部3が複数形成される。エンボス部2による貼り合わせ(熱融着)は、例えば、X字形状の中間エンボス部21及びY字形状の他エンボス部22の配置に対応するように、複数の略X字形状及び略Y字形状の断面のエンボスピンが所定のパターンで配設されたエンボス面(エンボスロールの周面等)を、非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dとの積層体における非熱収縮繊維層1u側から圧接させ、各エンボスピンに熱圧された部位における非熱収縮繊維層1u及び熱収縮繊維層1dを溶融させて行う。
熱収縮繊維層1dの熱収縮は、例えば、熱収縮繊維層1dを1種又は複数種の熱収縮性繊維のみから構成するか又は熱収縮繊維層1d中に1種又は複数種の熱収縮性繊維を含ませておき、非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dとを貼り合わせると同時に又は非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dとを貼り合わせた後に、熱収縮繊維層1dを加熱処理することにより行われる。
熱収縮の際、表面シート11Aにおいては、6個のエンボス部2(2個の中間エンボス部21及び4個の他エンボス部22)で囲まれた大多角形領域BTは、最も領域が広く空いているので、6個のエンボス部2で抑制され難く、隆起し易く、最も高い高凸部31となる。また、4個のエンボス部2(2個の中間エンボス部21及び2個の他エンボス部22)で囲まれた小多角形領域STは狭いので、熱収縮繊維層1dを水平方向に熱収縮させても、隆起が4個のエンボス部2で抑制されるので、高凸部31よりも高さの低い低凸部32となる。
上述した方法で非熱収縮繊維層1u及び熱収縮繊維層1dを貼り合わせて形成された表面シート11Aは、その坪量が、好ましくは20g/m2以上、更に好ましくは35g/m2以上、そして、好ましくは100g/m2以下、更に好ましくは80g/m2以下、より具体的には、20g/m2以上100g/m2以下であることが好ましく、35g/m2以上80g/m2以下であることが更に好ましい。
表面シート11Aと着用者の肌との接触面積は45%以下、特に42%以下であることが上述の理由から好ましい、また下限値としては25%以上、特に30%以上が好ましい。
また、表面シート11Aは、図8に示すように、高凸部31より高さの低い低凸部32の配置において工夫をしている。具体的には、複数の大多角形領域BTが第1方向(Ya方向)に沿って互いに隣接して配されて構成された大多角形領域列BTLと、複数の小多角形領域STLが第1方向(Ya方向)に沿って互いに隣接して配されて構成された小多角形領域列STLとが、第1方向(Ya方向)と直交する第2方向(Xa方向)に交互に配されている。そのため、各小多角形領域列STLを構成する各小多角形領域STL内に形成される低凸部32が、着用によって装着圧が加わったとしても、規則的に配された大多角形領域BT内に形成される高凸部31によって保護され、厚み方向に潰れ難くなっている。しかも、小多角形領域列STLが複数の低凸部32と、その間に存在するより高さの低い領域とからなるので、空気や蒸気の通路が確保され、ムレ抑制に有効であるとともに、第2方向(Xa方向)への液拡散が抑制され易くなっている。
また、表面シート11Aは、図8に示すように、高凸部31より高さの低い低凸部32の配置において更に工夫をしている。具体的には、ナプキン1の幅方向に相当する第1方向(Ya方向)に沿って形成した高凸部列31Lと低凸部列32Lを、縦方向に相当する第2方向(Xa方向)に交互に配置する。そして、縦方向(Xa方向)に関して最も近い2つの高凸部31,31どうしの中間部に中間エンボス部21を、低凸部列32L内に位置するように配置している。このために、第2方向(Xa方向)に関して最も近い2つの高凸部31,31どうしの間には高い尾根部が存在せずに、互いの高凸部31,31どうしは低い中間エンボス部21で離間されるため、低い繊維密度である高凸部31を伝わってXa方向へ排泄液が迅速に拡散されることが抑制される。また、中間エンボス部21によって、表面シート11Aに繊維の密度勾配が付与されて液の引き込み性が高まるとともに、べたつき感やムレ感の低減効果を奏する。一方、第1方向(Ya方向)に関して最も近い2つの低凸部32,32どうしは、中間エンボス部21の存在によって、高凸部31とは、縦方向(Xa方向)及び幅方向(Ya方向)の双方に対して斜めの方向に配置されることとなる。このために、低凸部32は、着用によって装着圧が加わり、高凸部31が厚み方向に潰れても、その影響を受けにくい。一方、中間エンボス部21と低凸部32で囲まれた高凸部31は、装着圧に対する抵抗力があるので、潰れにくい。このようなメカニズムによって、装着中の着用者の肌と表面シート11Aとの接触面積は小さく保つことが容易となるとともに、低凸部列32Lによる通気路が確保されるので、ベタつきにくく、ムレが抑制され易い。
また、表面シート11Aにおいては、複数の低凸部32が、それぞれ、図10に示すように、第1方向(Ya方向)に隣り合う中間エンボス部21を介して、一列に配置されている。このように、最も近い位置にある低凸部32,32どうしの間に、より高さの低い中間エンボス部21が存在し、低凸部列32Lが形成されていることにより、低凸部列33Lに沿った空気及び水蒸気の流れを確保することができるので、ナプキン1の着用中にムレを抑制することが容易となる。中間エンボス部21が1個のみで形成されていると、より効果が高い。
また、表面シート11Aは、図8に示すように、非熱収縮繊維層1uを肌対向面側に配し、熱収縮繊維層1dを非肌対向面側に配して形成されている。そのため、収縮によって繊維密度が高まった熱収縮繊維層1dへ向かって、排泄された体液が肌対向面側から非肌対向面側に毛管力により引き込まれて速やかに移行し、ムレ低減効果を奏する。
コアラップシートとしては、ティッシュペーパーや不織布等の透水性の繊維シートが好適に用いられる。コアラップシートは、一枚のシートで吸収性コアの全体を包んでいても良いし、2枚以上のコアラップシートで吸収性コアの全体を包んでいても良く、例えば、吸収性コアの肌対向面側と非肌対向面側とを別々のシートで被覆していても良い。
吸収体14が、吸収性コア40と、吸収性コアを包むコアラップシート14cから構成されているものである場合、前述した圧縮部6は、吸収性コアのみに設けても良いが、コアラップシートと吸収性コアとに一体に設けることが好ましい。
表面シート11、サイドシート12及び非肌側シート13としては、それぞれ、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート11としては、液透過性を有する不織布や、穿孔フィルムを用いることができる。サイドシート12としては、耐水圧が高い撥水性の不織布、例えば、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布等を用いることができる。非肌側シート13としては、合成樹脂製の液不透過性フィルムや、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布等の耐水圧が高い撥水性の不織布を用いることができる。
表面シート11、サイドシート12、非肌側シート13及び吸収体14の固定には、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
また中央低密度領域42は、非肌対向面側に突出する突出部44に代えて、肌対向面側に突出する突出部を有していても良い。また、表面シート11Aは、図8及び図10に示す第2方向(Xa方向)を、生理用ナプキン等の吸収性物品の長手方向Xに一致させるのに代えて、第2方向に直交する第1方向(Ya)方向を、吸収性物品の長手方向Xに一致させて使用しても良い。
また、肌側シート10は、その全域が、液透過性の一枚の表面シート11のみからなるものであっても良い。また、肌側シートの全体又は一部を形成する表面シート11は、図8に示す態様でエンボス部2が形成されている表面シート11Aに代えて、図16又は図17に示す態様でエンボス部2が形成されている表面シート11B、11Cであっても良い。表面シート11Bの各中間エンボス部21は、V字状の2方向延出形状部21aと、逆V字状の2方向延出形状部21aと、これらの中間位置に独立して配された矩形状の独立エンボス部21bとからなる。表面シート1Cの各中間エンボス部21は、V字状の2方向延出形状部21aと、逆V字状の2方向延出形状部21aと、これらを結ぶY方向に平行な矩形状の連結エンボス部21cとからなる。表面シート11B、11Cに関し、表面シート11Aと同様の構成要素には同一の符号を付してある。
また、本発明における表面シートとして、特開2011−15707号公報(特許文献1)を用いることもできる。また表面シート11は、単層構造のものであっても良い。また2層構造の表面シート11における下層繊維層1dは、熱収縮性繊維以外の通常の熱可塑性繊維を含むものであっても良い。
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、使い捨ておむつ等の他の吸収性物品であっても良い。吸収性物品に吸収させる排泄液(体液)としては、経血、下り物(おりもの)、軟便、尿、唾液、血液等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1の吸収体の製造〕
図5に示す積繊装置を用い、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを飛散状態として積繊ドラムに供給して、幅広肉厚領域41’を有する混合積繊体40Aを製造した。次いで、これを坪量16g/m2のパルプ紙からなるコアラップシートで被覆した状態とした後、図6(b)に示すプレス加工を行い、図1〜図4に示す吸収性コア40を含む吸収体14を得た。吸収体14の吸収性コアは、排泄部対向部に配される部分に、坪量400g/m2の中央高坪量領域41及び坪量200g/m2の側方領域45が形成されており、その中央高坪量領域41には、幅W2が20mmの中央低密度領域42と幅W3が各々7.5mmの一対の高密度領域43とが形成されていた。吸収性コア40の幅方向Yに沿う長さである、中央高坪量領域41の幅W1及び各側方領域45の幅は、18mm及び35mmとした。
〔比較例1の吸収体の製造〕
深さが一定の集積用凹部の底部に横溝及び縦溝形成用の難通気性部材を配して集積用凹部とした以外は、実施例1と同様にして、非肌対向面側に縦溝及び横溝を格子状に有する厚みが均一な坪量が200g/m2である吸収性コアを製造し、それを坪量16g/m2のパルプ紙からなるコアラップシートで被覆して高密度領域を有しない吸収体を得た。
〔非熱収縮繊維層1uの製造〕
大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維〔NBF(SH)(商品名)、2.2dtex×51mm〕を原料として、カード法によって坪量18g/m2のカードウェブを製造し、これを上層の非熱収縮繊維層1uとして用いた。前記芯鞘型複合繊維はポリエチレンテレフタレートを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とするものであった。
〔熱収縮繊維層1dの製造〕
大和紡績株式会社の熱収縮性繊維〔L(V)(商品名)、2.2dtex×51mm〕を原料として、カード法によって坪量22g/m2のカードウェブを製造し、これを下層の熱収縮繊維層1dとして用いた。
〔実施例1の表面シートの製造〕
図10に示す吸収性物品用の表面シート11Aを作製した。図10に示すように、複数の大多角形領域BTがYa方向に沿って互いに隣接して配されてなる大多角形領域列BTLと、複数の小多角形領域STLがYa方向に沿って互いに隣接して配されてなる小多角形領域列STLとが、Xa方向に交互に配されている。エンボス部2は、中間エンボス部21及び他エンボス部22からなる。中間エンボス部21は4本の突出部を備えたX字形状であり、他エンボス部22は3本の突出部を備えたY字形状である。エンボス部2の形状は、X字形状の中間エンボス部21とY字形状の他エンボス部22との組合せであり、熱収縮繊維層1d上に非熱収縮繊維層1uを重ね合わせた積層体の上層側から図10に示すパターンでエンボス接着した。積層体のエンボス接着後、110℃±10℃の熱風を5〜10秒間通過させて、下層の熱収縮性繊維を捲縮させ、下層を収縮させると共に上層を凸状に突出させ、多数の立体ドーム構造の高凸部31、低凸部32を有する表面シートを作製した。エンボス部2は6個/cm2配されており、熱収縮後の表面シートの第1方向(Ya方向)にある隣り合う2つのエンボス部2の最も近接する間隔は1.1mmであり、中間エンボス部21の平均面積は2.3mm2、他エンボス部22の平均面積は1.6mm2であった。また、X字形状の中間エンボス部の4本の突出部及びY字形状の他エンボス部の3本の突出部は、同じ0.85mmであった。また、高凸部31の高さhbは2.3mm、低凸部32の高さhsは1.5mmであった。また、中間エンボス部を構成する突出部同士の交差角度θ1は90°、他エンボス部を構成する突出部同士の交差角度θ2は130°であった。
〔比較例2の表面シートの製造〕
図18に示す表面シート100Aを作製した。
熱収縮繊維層上に非熱収縮繊維層を重ね合わせた積層体を、その上層側からエンボス加工を施し、図18に示すパターンで配置されたエンボス部200で、熱収縮繊維層と非熱収縮繊維層とが接合された積層体を得た。積層体のエンボス接着後、110℃±10℃の熱風を5〜10秒間通過させて、下層の熱収縮性繊維を捲縮させ、下層を収縮させると共に上層を凸状に突出させ、多数の立体ドーム構造の凸部300のみを有する表面シート100Aを作製した。エンボス部200は7.1個/cm2配されており、熱収縮後の表面シート100Aの最短距離にある隣り合う2つのエンボス部200の間隔は1.6mmであり、エンボス部200の面積は3.2mm2であった。また、個々のエンボス部の中心から延びる4本の棒状体の長さは、同じ1.2mmであった。また、Y方向における棒状体同士の交差角度θは90°であった。
〔実施例1の生理用ナプキンの製造〕
製造した実施例1の吸収体を、製造した実施例1の表面シート11Aと、ポリエチレン製の樹脂フィルムからなる非肌側シート間に配して試験用の生理用ナプキンを得た。表面シートは、吸収体上に接着剤をスパイラルパターンでパターン塗工して吸収体上に固定した。表面シートのXa方向及びYa方向それぞれが、生理用ナプキンの長手方向X及び幅方向Yそれぞれと一致するようにし、小多角形領域列STLが吸収体の中央高坪量領域41と重なるように配置した。
〔比較例1の生理用ナプキンの製造〕
製造した比較例1の吸収体を、製造した実施例1の表面シート11Aと、ポリエチレン製の樹脂フィルムからなる非肌側シート間に配して試験用の生理用ナプキンを得た。表面シートは、吸収体上に接着剤をスパイラルパターンでパターン塗工して吸収体上に固定した。
〔比較例2の生理用ナプキンの製造〕
製造した実施例1の吸収体を、製造した比較例2の表面シート100Aと、ポリエチレン製の樹脂フィルムからなる非肌側シート間に配して試験用の生理用ナプキンを得た。表面シートは、吸収体上に接着剤をスパイラルパターンでパターン塗工して吸収体上に固定した。
〔性能評価〕
実施例1、比較例1及び比較例2の生理用ナプキンについて、表面液戻り量を測定して肌への液戻り防止性を評価した。それらの結果を下記表1に示す。
肌への液戻り防止性
〔測定方法〕
実施例1及び比較例1,2の各生理用ナプキンを表面シート側が上側となるようにして水平に置き、底部に直径1cmの注入口が付いた円筒付アクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血を6g注入し、注入後1分間その状態を保持した。次に、円筒付アクリル板を取り除き、表面シートの表面上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の吸収紙(市販のティッシュペーパー)を16枚重ねて載せた。更にその上に圧力が4.0×102Paになるように重りを載せて5秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の紙の重さを測定して、紙に吸収された脱繊維馬血の質量を測定して表面液戻り量とした。
脱繊維馬血としては、脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)を用いて、粘度を調整した下記の低粘度液、高粘度液1及び高粘度液2を用いた。低粘度液は、通常の粘度の経血を想定し、高粘度液1及び高粘度液2は、生理前半などに見られる粘度の高い経血を想定した。
低粘度液:粘度8cP
高粘度液1:粘度25cP
高粘度液2:粘度40cP
Figure 2017086622
表1に示す結果によれば、脱繊維馬血として低粘度液を用いた場合、実施例1の生理用ナプキンは、比較例1,2の生理用ナプキンと同様に、表面液戻り量が低く、優れた肌への液戻り防止性を示した。
他方、脱繊維馬血として高粘度液1及び高粘度液2を用いた場合、実施例1の生理用ナプキンは、比較例1,2の生理用ナプキンと比べて大幅に表面液戻り量が低くなった。これらにより、特定の表面シートと特定の吸収体とを、特定の配置で組み合わせて用いる本発明の吸収性物品によれば、粘度が低い排泄液のみならず粘度が比較的高い排泄液についても優れた吸収性能、特に優れた液戻り防止性が得られることが判る。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
10 肌側シート
11,11A〜11C 表面シート
2 エンボス部(接合部)
21 中間エンボス部
22 他エンボス部
3 凸部
31 高凸部
31L 高凸部列
32 低凸部
32L 低凸部列
12 サイドシート
13 非肌側シート
14 吸収体
14c コアラップシート
40 吸収性コア
41 中央高坪量領域
42 中央低密度領域
43 高密度領域
44 突出部
45 側方領域
40A 積繊体
41’ 幅広厚肉領域
15 吸収性本体
17 ウイング部
18 後方フラップ部
50 中央低密度領域の縦溝
51 中央低密度領域の横溝
55 側方領域の縦溝
56 側方領域の横溝

Claims (6)

  1. 肌対向面を形成する肌側シートと非肌対向面を形成する非肌側シートと吸収性コアを含む吸収体とを備え、長手方向に前方部、排泄部対向部及び後方部を有する吸収性物品であって、
    前記肌側シートは、前記吸収性コアと重なる部分が、着用者の肌側に向かって突出する凸部として高凸部及び該高凸部より高さが低い低凸部をそれぞれ複数有する表面シートからなり、前記低凸部は前記高凸部に比較して高い密度を有しており、
    前記吸収性コアは、前記吸収性物品の長手方向に長い形状を有し、前記排泄部対向部に、一対の側方領域と、該各側方領域より幅方向中央側に位置し該各側方領域より密度が高い一対の高密度領域と、該高密度領域どうし間に位置し該各高密度領域より密度が低い中央低密度領域とを有し、該中央低密度領域は、前記側方領域より厚みが大きく、前記側方領域、前記高密度領域及び前記中央低密度領域は一体成形されており、
    前記高密度領域及び前記中央低密度領域は、前記側方領域よりも吸収材料の坪量が高い中央高坪量領域を構成しており、
    前記低凸部と前記中央高坪量領域とが平面視して重なるよう配置されている吸収性物品。
  2. 前記表面シートは、少なくとも前記排泄部対向部における前記吸収体側に、前記低凸部に比較して密度が高く前記高密度領域に比較して密度が低い下層繊維層を有している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートは、互いに積層された上層繊維層と前記下層繊維層を有し、該上層繊維層と該下層繊維層とが熱融着により一体化されている、請求項に記載の吸収性物品。
  4. 前記下層繊維層は、熱収縮性繊維を含み、該熱収縮性繊維の熱収縮により高密度化されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記高密度領域は、前記吸収性コアの製造中間体における、前記側方領域よりも厚みが厚い部分を、前記側方領域と同じ厚みか、前記側方領域より薄い厚みに圧縮することにより形成されており、前記側方領域よりも坪量が高い、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性コアは、前記中央低密度領域における前記非肌対向面側の面に、該吸収性コアの長手方向に沿って延びる縦溝及び該吸収性コアの幅方向に沿って延びる横溝が形成されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
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