JP2017086276A - 積層不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状保持性が良く、クッション感が向上し、表面液戻り量が少ない積層不織布を提供する。【解決手段】不織布の第1面側Z1に突出し、第2面側Z2に内部空間を有する第1突出部12と、第2面側に突出し第1面側に内部空間15を有する第2突出部14を備え、第1、第2突出部が平面視交差する異なる方向に交互に複数配された第1不織布シートと、第1面側の一方向に連続して突出し第2面側に連続した内部空間23を有する第3突出部22と、第2面側の一方向に沿う方向に連続して突出し第1面側に連続した内部空間25を有する第4突出部24を備え、第3、第4突出部が平面視一方向と交差する方向に交互に複数配された第2不織布シートを有し、第1不織布シートの第2面側に第2不織布シートが配され、複数の第4突出部のうち、第2突出部の頂部領域14Tに対応する第4突出部の頂部領域の裏面側と第2突出部の頂部領域が接合された積層不織布10。【選択図】図1

Description

本発明は積層不織布に関する。
生理用ナプキン、パンティライナー、おむつ等の吸収性物品では、その機能に応じて、凹凸構造の不織布、2層構造の不織布が用いられている。
例えば、特許文献1に記載された不織布は、第1、第2シートからなる2層構造であり、両シートともに凹凸構造を有するものである。第1シートの第2面側に突出した第2突出部と、第2シートの第1面側に突出した第3突出部とが接合されている。また第1突出部の頂部とその開口部とを結ぶ方向に沿って繊維配向性を有している。
また特許文献2に記載された不織布は、上層シートと下層シートの2層構造になしている。両シートは部分的に接合されていて多数の接合部をなしている。上層シートは複数の接合部に囲まれた領域において、肌当接面側に突出していて、多数の凸部がなされているものである。
特開2013―194333号公報 特開2009―118920号公報
特許文献1の不織布は、形状保持性に優れていて、着用者の3次元的な動きに対応して両面において点で支持された立体的なクッション性を与えるとされている。このように3次元的な動きに対する追従性に優れているが故に、形状が歪みやすくなるため、不織布の形状保持性に改善の余地があった。
また特許文献2の不織布は、上層シートの凹凸形状は歯車状の部材のかみ合わせによってなされたものであるため、側壁の立ち上りが急峻な状態になっていた。また、凸部の側壁の形状が平面視して、ほぼ矩形になっている。そのため、クッション性をさらによくするために、クッション性を改善する余地があった。
本発明は、加圧下における形状保持性に優れ、良好なクッション感が得られる積層不織布を提供することにある。
本発明の積層不織布は、不織布を平面視した側の第1面側に突出していて、前記第1面側とは反対側の第2面側に内部空間を有してなる第1突出部と、前記第2面側に突出していて前記第1面側に内部空間を有してなる第2突出部とを備えてなり、前記第1、第2突出部が該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に複数配された第1不織布シートと、
前記第1面側の一方向に連続して突出していて前記第2面側に連続した内部空間を有してなる第3突出部と、前記第2面側の前記一方向に沿う方向に連続して突出していて前記第1面側に連続した内部空間を有してなる第4突出部とを備えてなり、前記第3、第4突出部が該不織布の平面視前記一方向と交差する方向に交互に複数配された第2不織布シートとを有してなり、
前記第1不織布シートの第2面側に前記第2不織布シートが配されていて、前記複数の第4突出部のうち、前記第2突出部の頂部領域に対応する第4突出部の頂部領域の裏面側と、前記第2突出部の頂部領域とが接合された積層不織布を提供する。
本発明の積層不織布によれば、加圧下における形状保持性に優れていて、良好なクッション感を得るとともに、液戻り量を少なくすることができる。
本発明に係る積層不織布の好ましい一実施形態を模式的に示した部分断面斜視図である。 図1に示した第1から第4突出部の各頂部を通るx−z断面を示した部分断面図である。 図1に示した第2突出部の頂部と第4突出部の頂部裏面との接合部を通るy−z断面を示した部分断面図である。 第2不織布シートの好ましい一実施形態を示した斜視図である。 図4に示した第2不織布シートのx−z断面を示した部分断面図である。 図1に示した2不織布シートのx−z断面を示した部分断面図である。 第2不織布シートの構成繊維について、融着部同士の間における小径部と大径部の配置を模式的に示した平面図である。 積層不織布の製造方法の好ましい実施形態を示した図面であり、(a)は賦形時の熱風の流れ状態を示した模式図であり、(b)は賦形後の積層不織布を示したx−z断面の断面図である。 第2不織布シートの延伸工程で用いられる一対の凹凸ロールおよびその凹凸ロールを用いた延伸処理の状態を示した斜視図である。 図9に示した凹凸ロールの周方向断面を示した部分断面図である。 第2不織布シートの延伸工程で用いられる別の一対の凹凸ロールおよびその凹凸ロールを用いた延伸処理の状態を示した斜視図である。 本発明に係る表面シートを用いた吸収性物品の好ましい一実施形態としてのおむつを模式的に示した一部切欠斜視図である。 実施例1で作製した積層不織布の側面から撮像した図面代用写真であり、図2に記載されたx−z断面に相当する。
本発明に係る積層不織布の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、図1を参照しながら、以下に説明する。
本発明の積層不織布10は、例えば生理用ナプキンやおむつなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましい。その際、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した積層不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明する。本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
図1および図2に示すように、積層不織布10は、第1不織布シート11と第2不織布シート21の2層で構成されている。そして各シートは、連続した凹凸曲面をなすもので、継ぎ目のないシート面をなしている。
第1不織布シート11は、平面視した側の第1面側Z1に突出していて、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に開口した内部空間13を有した第1突出部12を備えている。さらに第2面側Z2に突出していて、第1面側Z1に開口した内部空間15を有してなる第2突出部14を備えている。そして第1、第2突出部12、14は、積層不織布10の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に複数が連続した状態で配されている。上記異なる方向とは、一例として、x方向(x軸方向)と、このx方向とは異なるy方向(y軸方向)である。上記x軸とy軸の交差角度は、30°以上90°以下とすることが好ましく、本実施形態では90°とした。また第1面側Z1をz軸方向上方側とし、第2面側Z2をz軸方向下方側とした。
第2不織布シート21は、第1面側Z1の一方向に連続して突出していて第2面側Z2に連続した内部空間23を有してなる第3突出部22を備えている。また、第2面側Z2の上記一方向に沿う方向に連続して突出していて第1面側Z1に連続して開口している内部空間25を有してなる第4突出部24を備えている。すなわち、第1面側Z1から見た場合、第3突出部22が畝状の凸部になっている。また、第4突出部24の内部空間25が上記畝状の凸部に隣接して並列に配された溝状の凹部になっている。したがって、第3、第4突出部22、24は、積層不織布10の平面視上記一方向と交差する方向、例えば直交する方向に交互に複数が連続した状態で配されている。上記一方向とは、例えば、x方向とy方向とが直交する場合はx方向またはy方向である。図示例では、上記一方向はy方向となる。
さらに第1不織布シート11の第2面側Z2に第2不織布シート21が配されている。そして第4突出部24のうち、第2突出部14の頂部領域14Tに対応する第4突出部24の頂部領域24Tの裏面側と、第2突出部14の頂部領域14Tとが接合されている。頂部領域24Tの裏面側とは内部空間25の底部領域25Bである。
上記頂部領域14Tと頂部領域24Tの裏面側との接合は、頂部領域14Tの頂点と頂部領域24Tの頂点の裏面側との接合部の周辺領域も接合していることが好ましい。すなわち、第2突出部14における壁部16の頂点側と第4突出部24の内部空間25における壁部26の底部側とが接合していることが好ましい。
さらに第4突出部24のうち、頂部領域14Tに接合されていない第4突出部24の内部空間25が、第1突出部12の内部空間13の位置に対応して配されている。そして内部空間13はx方向とy方向の中間方向、すなわち、x方向およびy方向に対して斜め方向に連続して繋がっていて、一つの空間を構成している。なお、x方向およびy方向に対する斜め方向の角度は、第1突出部12と第2突出部14のMD方向およびCD方向のピッチによって変わる。なお、MDとは、機械方向ともいい、不織布製造時における繊維ウエブの搬送方向であり、「Machine Direction」の略語である。上記CDとはMDに対して直交する方向であり、「Cross Direction」の略語である。
また図3に示すように、第2不織布シート21の第4突出部24は、上記一方向(y方向)に緩やかな凹凸形状を有してなる。すなわち、第4突出部24は、第1突出部12に対応して第1面側Z1方向に突出する小さな凸部24aを有している。また、第2突出部14に対応して第2面側Z2方向に突出する小さな凸部24bを有している。
上記積層不織布10は、頂部領域14Tと頂部領域24Tの裏面側とが接合されている。これにより、第1突出部12の基部(立ち上がり部分)に相当する第2突出部14が第2不織布シート21によって固定される。このため、第1突出部12の基部がしっかりと支持されるので、加圧を受けた状態であっても、第1突出部12の形状が保持されやすくなる。よって、加圧下における形状保持性に優れる。第1突出部12はドーム状の内部空間13を有することから、良好なクッション感が得られる。また、頂部領域14Tと頂部領域24Tの裏面側との接合によって接合部分がより高密度になるため、液の引き込み性が高められる。その結果、上記の接合領域に引き込まれた液が吸収体(図示せず)に吸収されやすくなる。
さらに、内部空間13は斜め方向に連続して繋がっている。このことから、一つの第1突出部12の内部空間13が液体で満たされて一杯になった状態で積層不織布10に外部から圧力がかかると、隣接する内部空間13に液体が流れ込む。そのため、液戻りすることが抑えられる。これによって、内部空間13による液体の保持量が十分に確保できる。しかも、この内部空間13によって、液が直接吸収体(図示せず)に到達しやすくなり、液の吸収速度が速くなる。
さらに積層不織布10について、詳細に説明する。
第1突出部12の頂部領域12Tおよび第2突出部14の頂部領域14Tは、それぞれ、丸みをもった円錐台形状もしくは半球状にされている。なお、本実施形態において、第1突出部12および第2突出部14は上記形状に限定されず、どのような突出形態でもよい。例えば、様々な錐体形状であることが実際的である。この錐体形状とは、円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐等を広く含む意味である。
また第1突出部12の頂部領域(以下、第1突出部頂部ともいう。)12T内には、その外形と相似する丸みのある円錐台形状または半球状の内部空間13を有している。同様に第2突出部14の頂部領域(以下、第2突出部頂部ともいう。)14T内には、その外形と相似する丸みのある円錐台形状または半球状の内部空間15を有している。
上記第1突出部12の頂部領域12Tと、第1突出部12の第2面側Z2に開口した開口部12Hとの間に壁部16(16a)を有する。開口部12Hは、第2面側Z2からみて第1突出部12の壁部16aの第2面側Z2の周縁をいう。この壁部16aは、第1突出部12において環状構造を成している部分である。上記第2突出部14の頂部領域14Tと、第2突出部14の第1面側Z1に開口した開口部14Hとの間に上記壁部16(16b)を有する。開口部14Hは、第1面側Z1からみて第2突出部14の壁部16bの第1面側Z1の周縁をいう。この壁部16bは、第2突出部14において環状構造を成している部分である。したがって、壁部16a、16bは第1突出部12における環状構造と第2突出部14における環状構造とが一部共通になっている。
「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では、平面視で円または楕円が好ましい。さらに「環状」を立体形状としていえば、円柱状、斜円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭斜円錐状、切頭楕円錐状、切頭四角錐状、切頭斜四角錐状など任意の環構造が挙げられる。連続したシート状態を実現する上では、円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭楕円錐状が好ましい。
図2に示した第1不織布シート11の、第1突出部12の厚みP1、壁部16の厚みP3、第2突出部14の厚みP2は、典型的には3等分に区分された部位として定義される。ただし、第1突出部12と第2突出部14との頂部の尖度ないし曲率が異なるときには以下のように規定する。すなわち、断面において直線状になった比較的狭い部分を壁部16とし、そこから湾曲して丸みを帯びいく領域をそれぞれ第1突出部12および第2突出部14としてもよい。後者の定義では、例えば、第1突出部12の方が第2突出部14よりも曲率が小さく(曲率半径が大きく)緩やかな曲面となる。この場合、第2突出部14の方が第1突出部12よりシート厚み方向に長く区分され、全体において厚み方向に偏りのある形態となる。
上述のように配設された第1、第2突出部12、14を有する第1不織布シート11は、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。このように、第1不織布シート11は面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1mm以上のものと定義する。
次に第1不織布シート11の繊維密度について説明する。
第1不織布シート11は、第1突出部12の繊維密度が最も低密度であり、第2突出部14の繊維密度が最も高密度である。そして、第1突出部12から第2突出部14に向けて繊維密度が高くなる密度勾配があることがより好ましい。この繊維密度の勾配は、第1突出部12から第2突出部14に向かって繊維密度が高くなる様々な態様を広く含むものである。例えば、繊維密度の勾配が、漸次高くなる態様でもよく、段階的に高くなる態様でもよい。繊維密度は、不織布の単位面積当たりの繊維質量であり、後述する測定方法で測定される。繊維密度が高いとは、不織布の単位面積当たりに存在する繊維量が多いことを意味し、繊維間距離が短いことを意味する。繊維密度が低いとは、不織布の単位面積当たりに存在する繊維の量が少なく、繊維間距離が長いことを意味する。そのため、繊維密度が高い部分は繊維密度が低い部分よりも毛管力が高くなる。
これにより、積層不織布10の第1面側Z1から排泄物等の液が供給された場合、第1突出部12において通液抵抗が低減されてその液が素早く内部空間13に導かれる。同時に、繊維密度差による毛管力で液が壁部16を伝って内部空間15へと移行する。このため、この積層不織布を吸収性物品の表面シートに適用した場合、液を肌面側から素早く移行して吸収体(図示せず)へと素早く引き渡す。その結果、排泄物等の液は肌に付き難くなり、着用者に赤みやかゆみ等の肌荒れの発生、または湿疹、かぶれ等の皮膚炎の発生を防止することができる。
上記繊維密度とは、第1突出部12および第2突出部14は最も突出した位置にある頂部領域12T、14Tの層厚みの中央付近の繊維密度である。また、壁部(以下、環状壁部ともいう。)16はシート厚み方向の中心付近における層厚みの中央付近の繊維密度である。本実施形態の不織布においては、第1突出部12における繊維密度が第2突出部14における繊維密度よりも小さい。これにより、第1突出部12においては押圧に対して適度に潰れ肌に刺すような感じを与えず良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部14は潰れにくく、排泄物を捕集した後の保形成に優れ、型崩れせずに良好なクッション性と捕集物の拡散防止性に優れる。
上記各部位において、1mm当たりの繊維本数を計測することで評価する。例えば、第1突出部12の繊維密度は、不織布表面の風合い向上という観点から、30本/mm以上であることが好ましく、50本/mm以上であることがより好ましい。そして、130本/mm以下であることが好ましく、120本/mm以下であることがより好ましい。より具体的には、30本/mm以上130本/mm以下、好ましくは50本/mm以上120本/mm以下である。一方、第2突出部14の繊維密度は、型崩れせずに確実なクッション性を有するという観点から、250本/mm以上であることが好ましく、270本/mm以上であることがより好ましい。そして、500本/mm以下であることが好ましく、480本/mm以下であることがより好ましい。より具体的には、250本/mm以上500本/mm以下が好ましく、270本/mm以上480本/mm以下がより好ましい。
第1突出部12の繊維密度と第2突出部14の繊維密度との差は、150本/mm以上であることが好ましく、300本/mm以上であることがより好ましい。この差は、大きいほど好ましいが、上限としては、700本/mm程度である。
さらに、環状壁部16の繊維密度は、150本/mm以上であることが好ましい。そして、450本/mm以下であることが好ましく、350本/mm以下であることがより好ましい。より具体的には、150本/mm以上450本/mm以下が好ましく、150本/mm以上350本/mm以下がより好ましい。
また、第1不織布シート11の平均繊維密度は第2不織布シート21の平均繊維密度より低いほうが好ましい。
これによって、第1不織布シート11は第2不織布シート21よりも液透過性に優れ、液を第1突出部12の内部空間13に引き込むため、液残りが低減される。引き込まれた液は液吸収性に優れる第2不織布シート21に移行し、第3突出部22の内部空間23に引き込まれ、吸収体(図示せず)に吸収される。このため、第2不織布シート21での液戻りが低減される。
前記繊維密度は、以下の方法で測定される。
不織布の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて、30本から60本の繊維断面を拡大観察できる150倍〜500倍の計測倍率に調整する。そして、繊維の断面数を測定し、一定面積あたりの切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。また、観察の中心は、第1突出部12の頂部領域12Tの層厚みの中央付近であり、壁部16についてはシート厚み方向の中心付近における層厚みの中央付近である。第2突出部14については頂部領域14Tの層厚みの中央付近である。次に1mm当たりの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度(本/mm)とする。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。上記走査電子顕微鏡には、日本電子株式会社製のJCM−5100(商品名)を用いることができる。
第1不織布シート11の平均繊維密度は、第1突出部の頂部領域12T、環状壁部16、第2突出部の頂部領域14Tの繊維密度の平均値とする。第2不織布シート21の平均繊維密度も同様に、第3突出部22、第4突出部24、壁部26(図2参照)の繊維密度の平均値とする。
第1不織布シート11の平均繊維密度は、140本/mm以上であり、160本/mm以上が好ましい。そして、320本/mm以下であり、300本/mm以下が好ましい。より具体的には、140本/mm以上320本/mm以下であり、160本/mm以上300本/mm以下が好ましい。
第2不織布シート21の平均繊維密度は、490本/mm以上であり、560本/mm以上が好ましい。そして、1120本/mm以下であり、1050本/mm以下が好ましい。より具体的には、490本/mm以上1120本/mm以下であり、560本/mm以上1050本/mm以下が好ましい。
次に上記積層不織布10の厚みについて以下に説明する。
上記積層不織布10に、シートの全面に渡って0.05kPaの圧力がかかるように荷重をかける。このときの厚みtが、好ましくは2mm以上、より好ましくは3.5mm以上、さらに好ましくは5mm以上である。そして好ましくは14mm以下、より好ましくは9mm以下、さらに好ましくは7.5mm以下である。より具体的には、好ましくは2mm以上14mm以下であり、より好ましくは3.5mm以上9mm以下であり、さらに好ましくは5mm以上7.5mm以下である。厚みが厚すぎると吸収性物品の表面材として使用した場合、装着時の違和感となる。また、厚みが薄すぎると、クッション性が十分に得られなくなり、液戻り量が大きくなる。なお、上述の厚みTは、z軸方向でみた第1突出部12の頂点から第4突出部24の頂点までの高さの平均値をいう。
また第1不織布シート11の厚みt1は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上である。そして好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。より具体的には、好ましくは1mm以上10mm以下であり、より好ましくは2mm以上6mm以下であり、さらに好ましくは3mm以上5mm以下である。
さらに第2不織布シート21の厚みt2は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上である。そして好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下である。より具体的には、好ましくは1mm以上4mm以下であり、より好ましくは1.5mm以上3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以上2.5mm以下である。
次に積層不織布10を構成する繊維の配向性について説明する。
積層不織布10の第1突出部12の壁部16(16a)を構成する繊維は、壁部16aの全周にわたって第1突出部頂部12Tと開口部12Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。言い換えれば、壁部16aを構成する繊維は、第1突出部頂部12Tに向かって収束する様に配向し、その起立する方向に繊維配向性を有する。また上記第2突出部14の壁部16(16b)を構成する繊維は、壁部16bの全周にわたって第2突出部頂部14Tと開口部14Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。したがって、第1突出部12と第2突出部14の繊維配向性は壁部16で同様になる。
これにより、第1突出部12と第2突出部14とを繋ぐ壁部16にしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性が実現できる。
繊維配向性は、繊維の配向角と配向強度からなる概念である。
繊維の配向角は、色々な方向性を有する複数の繊維が全体としてどの方向に配向しているかを示す概念で、繊維の集合体の形状を数値化している。繊維の配向強度は、配向角を示す繊維の量を示す概念であり、配向強度は、1.05未満では、ほとんど配向しておらず、1.05以上で配向を有しているといえる。しかしながら、本実施形態においては、繊維配向がその部位によって変化している。すなわち、ある配向角の状態の部位から異なる配向角の部位へと変化する間に、配向強度が弱い状態や再配向することで高い状態へ至る等の様々な状態を有する。そのため、ある強い配向角を示す部位と別の方向に強い配向角を示す部位との間においては、繊維の配向強度が弱くとも繊維の配向角が変わっていることが好ましい。また配向強度が高いことがより好ましい。
配向角、配向強度について本実施形態において一例を示す。第1突出部12の壁部16aの曲面構造に対して配向角は、50°以上が好ましく、60°以上がより好ましい。そして、130°以下が好ましく、120°以下がより好ましい。より具体的には、50°以上130°以下が好ましく、60°以上120°以下がより好ましい。
配向強度は1.05以上が好ましく、1.10以上がより好ましい。そして、第2突出部14の壁部16bも同様になる。
上記のような配向強度、配向角に設定することで、厚み方向の荷重をしっかりと受け止め、高荷重下であっても、第1突出部12と第2突出部14が潰されることがなくなる。これによっても液戻り量が低減できる。
積層不織布10が吸収性物品の表面シートとして用いられる。この場合、第1不織布シート11の各々の壁部16の繊維配向性により高加圧下においても十分な耐圧縮性を有し、第1突出部12、第2突出部14の潰れを防ぐ。これにより十分な液の捕捉空間を確保できる。この結果、肌接触面積を小さくする効果、高い通気性が得られる効果、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し、漏れを抑制する効果を十分に発揮する。
次に第2不織布シート21について詳細に説明する。
第2不織布シート21は、後述する歯溝ロールを用いて延伸加工された不織布である。例えば、図4に示すように、賦形前の第2不織布シート21は、波板状の繊維シート30である。すなわち、一直線状の凸条部31と一直線状の凹条部32とが交互に繰り返し配された不織布である。上記実施形態に用いた第2不織布シート21は、y方向に延びる凸条部31と凹条部32がx方向に交互に配されている。図5に示すように、断面視した繊維シート30は、Z方向を厚みとして、その厚みを3等分して区分する。すなわち、厚み方向(Z方向)の上方の部位を頂部域30a、厚み方向(Z方向)の中央の部位を側部域30c、厚み方向(Z方向)の下方の部位を底部域30bとする。
上記繊維シート30は、後述するように、延伸によって、側部域30cだけではなく凸条部31の頂部域30aおよび凹条部32の底部域30bも延伸される。そのため、延伸前の原料不織布より不織布全体の繊維密度が低下している。それにより、繊維シート30全体の通液性と通気性が向上している。特に延伸されやすい側部域30cの繊維密度が最も低くなっており、通液性と通気性が特に向上している。一方、頂部域30a、底部域30bは繊維密度が高くなっている。
繊維密度が高いとは、繊維シート30の単位体積あたりに存在する繊維の量が多く、繊維間距離が短いことを意味する。繊維密度が低いとは、繊維シート30の単位体積あたりに存在する繊維の量が少なく、繊維間距離が長いことを意味する。そして、繊維密度が高い部位は毛管力が高く、繊維密度が低い部位は毛管力が低くなっている。
上記第2不織布シート21は、後述する支持体に支持された上記の繊維シート30に高速の気流を当てて賦形したものである。賦形の際に繊維シート30の波板形状は延ばされる。そのため、第2不織布シート21に繊維シート30の波板形状は残っていない。後述する賦形処理によって、第2不織布シート21は、波板形状になされる。すなわち、第1面側Z1に突出してy方向に連続した凸条の第3突出部22と第2面側Z2に突出してy方向に連続した凸条の第4突出部24とがx方向に交互に配される。したがって、図6に示すように、x−z断面において、第2不織布シート21は疎密が繰り返し現れる。すなわち、繊維シート30の頂部域30aおよび底部域30bの繊維密度が密Hであり、側部域30cの繊維密度が疎Lである。これにより、第2不織布シート21のx方向にその疎密が交互に現れるのである。なお、図示したように、必ずしも第4突出部24が密になり第3突出部22が疎になるわけではない。第4突出部24が疎になり第3突出部22が密になる場合もある。
第2不織布シート21に用いられる繊維は、繊維径が異なる部位を有することが好ましい。例えば、図7に示すように、第2不織布シート21の構成繊維群の中の1本の繊維34に着目する。繊維34が他の繊維と融着してなる融着部35、35同士の間で、本来の繊維径より細く延伸された2個の小径部36、36を有している。さらに小径部36、36間に大径部37を有している。図示例では、小径部36、36それぞれが融着部35、35に接続され、小径部36、36の間に、小径部36よりも繊維径の太い大径部37が略均一な太さで配されている。この大径部37は、繊維本来の繊維径を有する部分であり、延伸により細くされた小径部36よりも相対的に繊維径が太い部分である。融着部35、35間において、大径部37の数はこれに限定されず、複数の大径部37を有する形態であってもよい。この場合、各大径部37の両脇に小径部36が配されるため、大径部37の数に合わせて小径部36の数が決まる。
繊維34の構成では、剛性の高まる融着部35に隣接して、大径部37よりも低剛性の小径部36が配されている。これにより、繊維34を含む第2不織布シート21の柔軟性が向上し、第1不織布シート11の形態と相俟って、積層不織布10全体の肌触りが良好となる。
大径部37は、不織布強度低下の防止の観点とから、融着部35、35同士の間において1個以上有することが好ましい。また大径部37は、5個以下有することが好ましく、3個以下有することがより好ましい。具体的には、大径部37は、1個以上5個以下が好ましく、1個以上3個以下がより好ましい。
大径部37の繊維径(直径L37)に対する小径部36の繊維径(直径L36)の比率(L36/L37)は、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.55以上である。そして、好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下である。より具体的には、好ましくは0.5以上0.8以下、さらに好ましくは0.55以上0.7以下である。
小径部36の繊維径は、肌触り向上と不織布強度の低下を抑える観点から、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは6.5μm以上、特に好ましくは7.5μm以上である。そして、好ましくは28μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは16μm以下である。より具体的には、好ましくは5μm以上28μm以下、さらに好ましくは6.5μm以上20μm以下、特に好ましくは7.5μm以上16μm以下である。
大径部37の繊維径は、肌触り向上の観点から、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは13μm以上、特に好ましくは15μm以上である。そして、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは25μm以下、特に好ましくは20μm以下である。より具体的には、好ましくは10μm以上35μm以下、さらに好ましくは13μm以上25μm以下、特に好ましくは15μm以上20μm以下である。
小径部36および大径部37の繊維径(直径L36,L37)は、次の方法により測定することができる。すなわち、繊維の繊維径は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM−5100)を用いて、繊維の断面を200倍〜800倍に拡大して、繊維の直径(μm)を測定する。繊維の断面は、フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀株式会社製)を用い、繊維を切断して得る。抽出した繊維1本について断面を円形に近似したときの繊維径を5箇所測定し、それぞれ測定した値5点の平均値を繊維の直径とする。
このような繊維34は、第2不織布シート21の構成繊維全体の20%以上を占めることが好ましく、50%以上がより好ましく、100%が特に好ましい。
次に第2不織布シート21の繊維構造について説明する。
また、第2不織布シート21において、同一繊維中に有する繊維径が互いに異なる部位の接触角が異なることが好ましい。具体的には、図7に示す小径部36と大径部37との間において、小径部36の接触角が大径部37の接触角よりも大きいことが好ましい。この「接触角」は、以下に述べる方法で測定された繊維の接触角である。この接触角の値により繊維の「親水度」の程度がわかる。具体的には、接触角が大きいことは親水度が低いことと同義であり、接触角が小さいことは親水度が高いことと同義である。したがって、小径部36の接触角が大径部37の接触角よりも大きいことで、小径部36の親水度が大径部37の親水度よりも低いことが好ましい。
第2不織布シート21においては、同一繊維中に、小径部36と大径部37とが混在し上記接触角の差を有することで、該繊維に沿った液拡散の過度な発現が抑えられている。これは、積層不織布10に第1面側Z1から圧力が加わったときに特に効果的に作用する。すなわち、排泄後に第2不織布シート21を透過して一度失速した液は、上記圧力で再び第1面側Z1へと向かう。しかし第1面側Z1の上記の繊維径および親水度の不連続性により液が繊維を伝わりづらくなっている。このため、液戻りし難くなる。一方、排泄時に流速のある排泄液等は、その勢いで繊維34の構成がむしろ駆動力となり、第3突出部22の内部空間23側へ分散し捕集しやすくなる。加えて、流速のある液は、疎水部を乗り越えて撥水されることで、一箇所にとどまりにくくなり、第2不織布シート21に液残りし難くなる。これにより、積層不織布10の第1面側Z1を肌面側に向けて表面シートとして配置した場合に、液戻りの低減が実現できて好ましい。
上記接触角は、次の方法により測定される。
まず、第2不織布シート21の構成繊維をランダムに複数抽出する。抽出した構成繊維の中から小径部36および大径部37を備えた構成繊維を選び出し、構成繊維における小径部36の位置および大径部37の位置での水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には蒸留水を用いる。
インクジェット方式水滴吐出部から吐出される液量を15ピコリットルに設定する。インクジェット方式水滴吐出部にはクラスターテクノロジー株式会社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25を用いた。そして、水滴を、小径部36の位置および大径部37の位置それぞれの中央の真上に滴下する。
滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msecごとに画像が録画される。録画された画像において、選出された構成繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトウエアFAMASにて画像解析を行う。ソフトウエアのバージョンは2.6.2である。解析手法は液滴法であり、解析方法はθ/2法である。画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする。画像解析に基づき、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出して接触角とする。選び出された構成繊維は、繊維長1mm程度に裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。繊維1本の小径部36および大径部37につき、位置の異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の小径部16および大径部17の接触角を小数点以下1桁まで計測する。合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第1桁で四捨五入)を小径部36および大径部37の接触角と定義する。
第2不織布シート21の表面の液残りが少なくドライ感が向上する観点から、小径部36の接触角と大径部37の接触角との差(前者−後者)が、1度以上が好ましく、5度以上がより好ましく、10度以上がさらに好ましい。そして、25度以下が好ましく、20度以下がより好ましく、15度以下がさらに好ましい。より具体的に接触角の差は、1度以上25度以下が好ましく、5度以上20度以下がより好ましく、10度以上15度以下がさらに好ましい。
小径部36の接触角は、60度以上が好ましく、70度以上がより好ましく、80度以上がさらに好ましい。そして、100度以下が好ましく、95度以下がより好ましく、90度以下がさらに好ましい。より具体的に小径部16の接触角は、60度以上100度以下が好ましく、70度以上95度以下がより好ましく、80度以上90度以下がさらに好ましい。
大径部37の接触角は、55度以上が好ましく、60度以上がより好ましく、65度以上がさらに好ましい。そして、90度以下が好ましく、85度以下がより好ましく、80度以下がさらに好ましい。より具体的に大径部37の接触角は、55度以上90度以下が好ましく、60度以上85度以下がより好ましく、65度以上80度以下がさらに好ましい。
次に積層不織布の繊維素材等について説明する。
積層不織布10において、第1不織布シート11および第2不織布シート21の構成繊維は、通常の不織布に用いられる繊維材料を特に制限なく用いることができる。例えば、特開2012−136791号公報の段落[0032]、特開2012‐149371号公報の段落[0034]等に記載の繊維素材などが挙げられる。
さらに第2不織布シート20の構成繊維は、前述した小径部36および大径部37の構造を同一繊維内に有するものとするため、高伸度繊維を含むことが好ましい。この「高伸度繊維」とは、特定の伸度の性能を有する繊維であり、具体的には繊維の破断伸度が100%以上の性能を有する繊維を意味する。また、「高伸度繊維」は、原料の繊維の段階で高伸度である繊維のみならず、製造された積層不織布10の段階でも高伸度である繊維を意味する。「高伸度繊維」としては、弾性(エラストマー)を有して伸縮する伸縮性繊維を除き、例えば特開2010−168715号公報の段落[0033]に記載のものが挙げられる。具体的には、低速で溶融紡糸して複合繊維を得た後に、延伸処理を行わずに加熱処理および捲縮処理のいずれか一方または両方を行ことによって得られる熱伸長性繊維が挙げられる。この熱伸長性繊維は、加熱により樹脂の結晶状態が変化して長さの延びる繊維である。また、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を用いて比較的紡糸速度を低い条件にして製造した繊維が挙げられる。また、結晶化度の低い、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、若しくはポリプロピレンに、ポリエチレンをドライブレンドし紡糸して製造した繊維等が挙げられる。それらの繊維の内でも高伸度繊維の形態は、熱融着性のある芯鞘型複合繊維であることが好ましい。芯鞘型複合繊維は、同心の芯鞘型でも、偏心の芯鞘型でも、サイド・バイ・サイド型でも、異形型でもよく、特に同心の芯鞘型が好ましい。高伸度繊維の繊度は、柔軟で肌触りのよい不織布とする観点から、上記いずれの繊維形態であっても原料段階で、1.0dtex以上が好ましく、2.0dtex以上がより好ましい。そして高伸度繊維の繊度は、10.0dtex以下が好ましく、8.0dtex以下がより好ましい。より具体的に高伸度繊維の繊度は、1.0dtex以上10.0dtex以下が好ましく、2.0dtex以上8.0dtex以下がより好ましい。
第2不織布シート21においては、非弾性繊維のみから構成されていることが好ましく、高伸度繊維のみから構成されていることがさらに好ましい。なお、高伸度繊維に加えて、他の繊維を含んで構成されていてもよい。他の繊維としては、例えば融点の異なる2成分を含み且つ延伸処理されてなる非熱伸長性の芯鞘型熱融着性複合繊維、または、本来的に熱融着性を有さない繊維等が挙げられる。熱融着性を有さない繊維は、例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維などが挙げられる。不織布が高伸度繊維に加えて他の繊維も含んだ構成の場合、不織布における高伸度繊維の割合は、好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。そして、好ましくは100質量%以下である。より具体的には、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
高伸度繊維の一例である熱伸長性繊維は、原料の段階で、未延伸処理または弱延伸処理の施された複合繊維である。例えば、芯部を構成する第1樹脂成分と、鞘部を構成する、ポリエチレン樹脂を含む第2樹脂成分とを有している。第1樹脂成分は、第2樹脂成分より高い融点を有している。第1樹脂成分は該繊維の熱伸長性を発現する成分であり、第2樹脂成分は熱融着性を発現する成分である。第1樹脂成分および第2樹脂成分の融点は、融解ピーク温度で定義される。各樹脂の融解ピーク温度は、示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用いて測定される。具体的には、細かく裁断した繊維試料(サンプル重量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定して求める。第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合、その樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。この場合、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とし、これを融点の代わりに用いる。
鞘部を構成する第2樹脂成分としては、上述の通りポリエチレン樹脂を含んでいる。ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。特に、密度が0.935g/cm以上0.965g/cm以下である高密度ポリエチレンであることが好ましい。鞘部を構成する第2樹脂成分は、ポリエチレン樹脂単独であることが好ましく、他の樹脂をブレンドすることもできる。ブレンドする他の樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。ただし、鞘部を構成する第2樹脂成分は、鞘部の樹脂成分中の50質量%以上が、特に70質量%以上100質量%以下が、ポリエチレン樹脂であることが好ましい。また、ポリエチレン樹脂の結晶子サイズは、10nm以上が好ましく、11.5nm以上がより好ましい。そして、20nm以下が好ましく、18nm以下がより好ましい。より具体的には、10nm以上20nm以下が好ましく、11.5nm以上18nm以下がより好ましい。
芯部を構成する第1樹脂成分としては、鞘部の構成樹脂であるポリエチレン樹脂より融点が高い樹脂成分を特に制限なく用いることができる。芯部を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂を除く)、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。さらに、ポリアミド系重合体や樹脂成分が2種以上の共重合体等も使用することができる。複数種類の樹脂をブレンドして使用することもできる。その場合、芯部の融点は、融点が最も高い樹脂の融点とする。不織布の製造が容易となることから、芯部を構成する第1樹脂成分の融点と、鞘部を構成する第2樹脂成分の融点との差(前者−後者)が、20℃以上であることが好ましく、また150℃以下であることが好ましい。
高伸度繊維の一例である熱伸長性繊維における第1樹脂成分の好ましい配向指数は、用いる樹脂により自ずと異なる。例えば第1樹脂成分がポリプロピレン樹脂の場合、配向指数は、60%以下で好ましく、40%以下がより好ましく、25%以下がさらに好ましくい。第1樹脂成分がポリエステルの場合、配向指数は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。
一方、第2樹脂成分は、その配向指数は、5%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。配向指数は、繊維を構成する樹脂の高分子鎖の配向の程度の指標となるものである。
第1樹脂成分および第2樹脂成分の配向指数は、特開2010−168715号公報の段落〔0027〕〜〔0029〕に記載の方法によって求められる。また、熱伸長性繊維における各樹脂成分が前記のような配向指数を達成する方法は、特開2010−168715号公報の段落〔0033〕〜〔0036〕に記載されている。
また、高伸度繊維の伸度は、原料の段階で、好ましくは100%以上であり、より好ましくは200%以上であり、さらに好ましくは250%以上である。そして、好ましくは800%以下であり、より好ましくは500%以下であり、さらに好ましくは400%以下である。より具体的には、好ましくは100%以上800%以下であり、より好ましくは200%以上500%以下であり、さらに好ましくは250%以上400%以下である。この範囲の伸度を有する高伸度繊維を用いることで、繊維が延伸装置内で首尾よく引き伸ばされて、前述の小径部36から大径部37への変化点38が融着部35に隣接され、肌触りが良好となる。
高伸度繊維の伸度はJISL−1015に準拠する。測定環境温湿度20±2℃、65±2%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、つかみ間隔を20mmにできない場合には、つかみ間隔を10mmまたは5mmに設定して測定する。つかみ間隔を短くして測定とするのは、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定する場合、測定する繊維の長さが20mmに満たない場合等がある。
高伸度繊維における第1樹脂成分と第2樹脂成分との比率(質量比、前者:後者)は、原料の段階で、10:90〜90:10が好ましい。さらに上記比率は、20:80〜80:20がより好ましく、50:50〜70:30がさらに好ましい。高伸度繊維の繊維長は、不織布の製造方法に応じて適切な長さのものが用いられる。不織布を例えばカード法で製造する場合には、繊維長を30mmから70mm程度とすることが好ましい。
高伸度繊維の繊維径は、原料の段階で、不織布の具体的な用途に応じ適切に選択される。不織布を吸収性物品の表面シート等の吸収性物品の構成部材として用いる場合には、高伸度繊維の繊維径は10μm以上が好ましく、15μm以上が特に好ましい。そして、35μm以下が好ましく、30μm以下が特に好ましい。より具体的には、10μm以上35μm以下が好ましく、15μm以上30μm以が特に好ましい。前記の繊維径は、前述した小径部36および大径部37の測定で用いた方法で測定される。
原料の段階で、高伸度繊維の一例である熱伸長性繊維を用いる場合としては、上述の熱伸長性繊維の他に、下記特許公報に記載の繊維を用いることができる。すなわち、特許第4131852号公報、特開2005−350836号公報、特開2007−303035号公報、特開2007−204899号公報、特開2007−204901号公報および特開2007−204902号公報等に記載の繊維である。
また、高伸度繊維を用いて小径部36および大径部37を形成して、さらに大径部37よりも小径部36の接触角を大きくするため、繊維処理剤が付着していることが好ましい。
すなわち、原料の段階で、構成繊維内の高伸度繊維の表面に繊維処理剤が付着していることが好ましい。繊維処理剤は、延展性のある成分を含んでいることが好ましく、延展性のある成分と親水性の成分とが含まれていることがさらに好ましい。ここで、延展性のある成分とは、繊維の表面に付着させると、繊維の表面に低温で広がり易く、低温での流動性に優れた成分のことをいう。このような延展性のある成分としては、ガラス転移点が低く、分子鎖に柔軟性のあるシリコーン樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂として、Si−O−Si鎖を主鎖とするポリオルガノシロキサンが好ましく用いられる。延展性のある成分は、繊維を延伸させる際に広がりやすく、親水性の成分は広がりにくい。このことから、繊維の表面に付着している繊維処理剤に延展性のある成分と親水性の成分とが含まれている場合、繊維の延伸部位の親水度が変化すると考えられる。
親水性の成分としては、両性イオン性の界面活性剤またはノニオン性の界面活性剤等を用いることができる。
両性イオン性の界面活性剤としては、ベタイン型両性イオン性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤、アミノスルホン酸型両性界面活性剤が挙げられる。中でもベタイン型両性イオン性界面活性剤が好ましく、アルキル(炭素数1〜30)ベタインがより好ましく、炭素数16〜22(例えばステアリル)のアルキルベタインが特に好ましい。
ノニオン性の界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル(いずれも好ましくは脂肪酸の炭素数8〜60)が挙げられる。またノニオン性の界面活性剤として、ポリオキシアルキレン(付加モル数2〜20)アルキル(炭素数8〜22)アミドが挙げられる。さらにポリオキシアルキレン(付加モル数2〜20)アルキル(炭素数8〜22)エーテル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
前記繊維処理剤は、延展性のある成分、および親水性の成分以外に、疎水性の成分も含有していることが好ましい。疎水性の成分としては、アルキルリン酸エステル、下記の一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤(以下、単に「アニオン界面活性剤」とも言う。)等が挙げられる。
(式中、Zは、炭素数1以上12以下の直鎖または分岐鎖のアルキル鎖を示す。エステル基、アミド基、アミン基、ポリオキシアルキレン基、エーテル基若しくは2重結合を含んでいてもよい。RおよびRは、炭素数2以上16以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。それぞれ独立に、エステル基、アミド基、ポリオキシアルキレン基、エーテル基若しくは2重結合を含んでいてもよい。Xは、−SOM、−OSOMまたはCOOMを示す。Mは、H、Na、K、Mg、Caまたはアンモニウムを示す。)
次に積層不織布の製造方法について説明する。
積層不織布10は、エアースルー方式において、吹き付ける熱風の温度や風速を制御して賦形処理および熱融着処理を施して製造することができる。例えば、特開2012−136790号公報の段落[0031]に記載の方法を用いることができる。または特開2012−149371号公報の段落[0033]〜[0061]に記載の方法を用いることができる。また、賦形の際に用いる支持体には、特開2012−149370号公報の図1、2に示す支持体や特開2012−149371号公報の図1から4に示す支持体等が挙げられる。
上記の処理について、図8を参照して詳述する。
図8に示すように、一例として支持体100を用いた製造方法を説明する。支持体100は、複数の棒状体101と、棒状体101間に離間して配置された複数の突起102と、複数の突起102に囲まれた複数の孔103とを有する。この支持体100としては、例えば特開2012−149371号公報の図1に記載のものなどが挙げられる。
まず、延伸処理された第2不織布シート21を、後述する方法により予め準備する。
次いで、第1不織布シート11の原料となる繊維融着前の繊維ウエブ50をカード機で形成しながら、第2不織布シート21とともに、支持体100に向けて搬送する。その際、支持体100の突起102に対して、繊維ウエブ50、第2不織布シート21の順に積層する。ここでは、第2不織布シート21の第3突出部22の畝状に延出される方向および第4突出部24の内部空間25の溝状に延出される方向と直角な方向を搬送方向としている。したがって、図8では、各シートの搬送方向に対し直角方向から見た側面を示しており、図面の左右方向がシートの搬送方向(MD)である。そしてこれに直交する図面の奥から手前に向かう方向がシートの幅方向(CD)である。なお、図8に示す支持体100の三つの突起102のうち、中央のものは、左右2つのものよりも奥に配置されたものである。
この状態で、温度および風速を制御しながら熱風W(破線の矢印で示す)の吹き付けを、第2不織布シート21側から行う。すなわち、熱風Wは、繊維シート30から繊維ウエブ50を通過し、支持体100の孔103へと抜けて、賦形処理と熱融着処理とを行う。これにより、融着されていない繊維ウエブ50が支持体100の凹凸に沿って賦形され、熱融着されて第1不織布シート11が形成される。
第1不織布シート11の第1突出部12は、支持体100の孔103に入り込む部分で成され、熱風の通過により繊維密度がウエブのときよりも疎になり柔らかく成形される。一方、第2突出部14は、支持体の突起102で支持された部分に成され、熱風の通過が無く、第1突出部12よりも繊維密度が高い。さらに言えば、熱風の通過の影響の強弱により、第1突出部12から第2突出部14に向けて、繊維密度が高くなる密度勾配が成される。また、第1突出部12と第2突出部14とを繋ぐ壁部16は、突起102の四方を囲む孔103での賦形により環状にされる。しかも、繊維の配向は、融着前の賦形により熱風の吹き抜け方向へと変わる。そのため、壁部16のMD、CDおよびこれらの各中間位置のいずれにおいても、壁部16の起立方向の繊維配向となる。
一方、第2不織布シート21は、支持体100の形状に沿うように賦形される。この第2不織布シート21となる繊維シート30は、予め延伸加工が施され、y方向(CD)に凸条部31および凹条部32が交互に配されている。
このように繊維シート30が配されることから、繊維シート30は繊維ウエブ50の賦形に沿って変形する。その際、繊維シート30は、凸条部31および凹条部32が延ばされ、延ばされた分が第4突出部24となる。しかし、凸条部31および凹条部32による波板形状をなしていたため、賦形時の熱風による風力に対向して、波板形状を保持しようとする力が作用する。そのため、前述の図3に示したように、第3突出部22にはy方向(CD)に緩やかな凹凸形状が形成される。
また突起102に支持された第1不織布シート11及び第2不織布シート21の部分に、熱風に伴う圧力が掛かる。そのため、第2不織布シート21の第4突出部頂部24Tおよび第1不織布シート11の第2突出部頂部14Tは押し潰されて接合される。その結果、第4突出部24の第1面側Z1(裏面側)に第2突出部頂部14Tが密着して一体化される。
以上のとおり、熱風処理により第1不織布シート11及び第2不織布シート21が賦形される。これにより、第1不織布シート11および第2不織布シート21の各繊維密度は、第2突出部頂部14Tと第4突出部頂部24Tとの接合部分で最も高密度となる。
次に第2不織布シート21の製造方法を以下に説明する。
前述のとおり、積層不織布10の製造方法おいては、第2不織布シート21は予め準備される。その第2不織布シート21の好ましい製造方法を次に説明する。
製造方法は、繊維ウエブの構成繊維同士の交点を熱融着する融着工程と、融着された繊維ウエブを一方向に延伸して筋状の凹凸形状に賦形する延伸工程とを備える。繊維ウエブは、延伸加工における繊維の小径部36および大径部37の形成の観点から、前述した繊維処理剤が付与された高伸度繊維を含むことが好ましい。以下、高伸度繊維を含むものとして説明する。
融着工程では、カード機やエアレイド装置といったウエブ形成装置で形成された繊維ウエブ30Bを搬送しながら、エアースルー方式による熱風の吹き付け処理を行う。これにより、繊維ウエブ30Bの繊維同士が緩く絡合した状態がさらに進む。それとともに、絡合した繊維の交点が熱融着して、シート状の保形性を有する繊維シート30となる。
熱風の温度および熱処理時間は、繊維ウエブ30Bの構成繊維が含む高伸度繊維の交点が熱融着するように調整することが好ましい。具体的に、熱風の温度は、繊維ウエブ30Bの構成繊維の内の最も融点が低い樹脂の融点に対して、0℃から30℃高い温度に調整することが好ましい。熱処理時間は、熱風の温度に応じて、1秒から5秒に調整することが好ましい。また、構成繊維同士の更なる交絡を促す観点から、熱風の風速は0.3m/秒から1.5m/秒程度が好ましい。また、搬送速度は、5m/minから100m/min程度が好ましい。
延伸工程では、融着工程で得た繊維シート30を一方向に延伸処理する。具体的には、図9および10に示すように、繊維シート30を、一対の凹凸ロール301、302の、凸部303と凸部304とが互い違いされた噛み合い部分に搬送する。これにより、繊維シート30に対して凸部303と凸部304とを反対方向に押し込んで、繊維シート30を波板状に賦形する。このとき、繊維シート30は、凸部303の頂部303Aに接する部分と凸部304の頂部304Aに接する部分の間で、該両接触部分を含めて延伸される。延伸によって、図7に示したように、隣り合う融着部35、35間の1本の構成繊維34に、延伸前の繊維径よりも小さい繊維径の2個の小径部36、36がなされる。それと同時に、小径部36、36に挟まれた、小径部36より繊維径の大きい大径部37が成される。具体的には、構成繊維34の各融着部35の近傍で、先ず局部収縮が起こり易い。この局部収縮により、隣り合う融着部35、35間の1本の構成繊維34に関しては、両端に2個の小径部36、36が成される。この2個の小径部36、36に挟まれた部分が小径部36より径の大きい大径部37となる。このようにして、2個の小径部36、36に挟まれた大径部17が成される。さらに、隣り合う融着部35、35の間の大径部37が延伸され、大径部37の中に小径部36が成されるものもある。
上記の延伸において、小径部36から大径部37への変化点38を、隣り合う融着部35、35同士の間隔Tの、融着部35寄りの1/3の範囲内に配する。すなわち、変化点38を、図7に示したT1およびT3の範囲に配する。この変化点38の配置が、より柔らかい肌触りの観点から好ましい。なお、上記の変化点38とは、極端に繊維径が変化する部位を意味する。したがって、小さい繊維径で延出する小径部36から、小径部36よりも繊維径の大きい繊維径で延出する大径部37へ、連続的に漸次変化する部位は含まない。さらに小径部36から大径部37に連続的に複数段階に亘って変化する部位も含まない。また、延伸される繊維が芯鞘型複合繊維の場合の変化点38は、芯部を構成する第1樹脂成分から鞘部を構成する第2樹脂成分が剥離して繊維径が変化する状態を含まない。あくまで、延伸により繊維径が変化している部位を意味する。
図9および10に示した凹凸ロール301、302においては、凸部303および凸部304はそれぞれのロール周面上の幅方向に沿って配される。かつ、凸部303および凸部304はそれぞれのロール周方向に等間隔に離間させて複数配置されている。この場合、繊維シート30の延伸加工は、搬送方向(MD)とは直交する方向(CD)に延出する畝状の凸条部31と溝状の凹条部32とが搬送方向(MD)に交互に成される。すなわち、MDの方向に、延伸されて波形形状が成される。延伸の方向は、この場合に限らず搬送と直交する方向(CD)であってもよい。この場合は、図11に示す延伸装置が用いられる。幅方向に延伸するには、ロール周方向に等間隔に歯溝を切った凹凸ロール401、402を用いる。凹凸ロール401、402においては、凸部403および凸部404はそれぞれのロール周面上の周方向に沿って配される。かつ、凸部403および凸部404は、それぞれのロール幅方向に等間隔に離間させて複数配されている。この場合、繊維シート30の延伸加工は、搬送方向(MD)に延出する畝状の凸条部31と溝状の凹条部32とが搬送方向と直交する方向(CD)に交互に成される。すなわち、CDの方向に、延伸されて波形形状が成される。
さらに、繊維シート30の畝状の凸条部31と溝状の凹条部32とが第1不織布シート21の搬送方向(MD)に対して斜め方向、例えば45度方向に作製されていてもよい。
上記の延伸加工では、1本の構成繊維34における隣り合う該融着部35、35どうしの間の領域を積極的に引き伸ばす。その際、構成繊維34の表面に付着した繊維処理剤の内、延展性のある成分は、低温での流動性に優れている。そのため、繊維の伸長に伴って流動し、小径部36の表面に付着した状態が維持される。一方、構成繊維34の表面に付着した繊維処理剤の内、延展性のある成分以外の成分は、繊維の伸長に伴って流動できず、小径部36の表面に付着した状態が維持できない。したがって、隣り合う融着部35、35間の領域を延伸することによって成される小径部36の表面と大径部37の表面では、付着されている繊維処理剤の組成比率が変化する。具体的には、小径部36の表面には、延展性のある成分のみ付着し易くなる。一方、大径部37の表面には、延展性のある成分と親水化成分とを含む繊維処理剤が付着するようになる。この結果、小径部36の親水度が大径部37の親水度よりも小さくなり易い。特に、延展性のある上述のポリオルガノシロキサンを用いると、ポリオルガノシロキサン自身が疎水性のため、さらに小径部36の親水度が大径部37よりも小さくなり易い。
また、このような延伸が、上記した延伸装置においてもなされる。そのため、シート全体としても延伸前よりも繊維密度が低くなっている。その中でも、繊維シート30の側部域30Cは、特に延伸されやすいため、凸条部31および凹条部32よりも繊維密度が低くなされる。
なお、第2不織布シート21は、同一繊維内に小径部36および大径部37を形成して、柔らかく肌触りを良好にする観点から、高伸度繊維のみからなることが好ましい。
仮に、構成繊維に弾性繊維が入っている場合、不織布が収縮されながら延伸されるため、不織布の製造方法と機械延伸倍率が同じ場合であっても、繊維径の変化が起こりにくい。そのため、構成繊維に弾性繊維が入っている場合、極端に繊維径が変化する部位である変化点38ができにくくなる。そのかわり、小径部36から大径部37へ連続的に漸次変化する部位が形成されやすくなる。このように形成される連続的に漸次変化する部位は、弾性繊維が入っているため、融着点付近で局部的に延伸されるとは限らない。局部的な延伸箇所が融着点付近というよりも、構成繊維全体にランダムに観察されるようになる。この観点からも、構成繊維に弾性繊維を含まないほうが好ましい。
上記第2不織布シート21の製造方法によれば、図7に示した構成繊維34を備える。すなわち、小径部36の接触角が大径部37の接触角よりも大きい(すなわち親水度が小さい)第2不織布シート21を連続的に効率よく製造することができる。
製造された第2不織布シート21(繊維シート30)は、一旦巻き取られてロールの形態とされる。その後、ロールから繰り出されて、第1不織布シート11の原料となる繊維ウエブ50と積層され、積層不織布10が形成される。
本発明の積層不織布10は、その他、各種用途に用いることができる。例えば、おむつや、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。その他、おしり拭きシート、清掃シート、フィルターとして利用する形態も挙げられる。
次に、図12を参照しながら本発明に係る積層不織布を表面材(以下、表面シートともいう。)に用いた吸収性物品の好ましい一実施形態を以下に説明する。具体的には、吸収性物品としてのおむつ200の本体4への積層不織布の適用例について説明する。同図に示したおむつはテープ型の乳幼児用おむつであり、平面に展開した状態のおむつを多少曲げて内側(肌当接面側)からみた状態で示している。また、図1のx方向に対応するおむつのX方向はおむつの幅方向を示し、図1のy方向に対応するおむつのY方向はおむつの長手方向を示し、図1のz方向に対応するおむつのZ方向はおむつの厚み方向を示す。
図12に示すように、おむつ200は、液透過性の表面シート1、液難透過性の裏面シート2、および液保持性の吸収体3を備える。表面シート1は肌当接面側に配されている。裏面シート2は非肌当接面側に配されている。吸収体3は、両シートの間に介在配置されている。
表面シート1には上記実施形態の積層不織布10が適用され、その第1突出部12側が肌当接面とされている。
裏面シート2は展開状態で、その両側縁が長手方向中央部Cにおいて内側に括れた形状を有しており、1枚または複数枚のシートからなるものであってもよい。裏面シート2としては、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されない。
吸収体3としては、液保持性を有するものであれば、この種の物品に用いられる様々の態様ものを広く採用できる。例えば、パルプ繊維をコアラップシートで被覆したもの、エアレイド不織を用いたシート状のもの、高吸水性ポリマーを繊維シートで挟持してなるシート状のものなど様々ある。
またコアラップシートは、親水性の部材である。例えば、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、クレープ紙、不織布を挙げることができる。
本例ではサイドシート5が配されている。サイドシート5としては、撥水性の不織布が好ましい。
さらにサイドシート5がなす横漏れ防止ギャザー7が設けられており、これにより乳幼児の運動等による股関節部分における液体等の横漏れを効果的に防止しうる。本実施形態のおむつにおいては、さらに機能的な構造部やシート材等を設けてもよい。なお、図12においては各部材の配置関係や境界を厳密には図示しておらず、この種のおむつの一般的な形態とされていれば特にその構造は限定されない。
上記おむつはテープ型のものとして示しており、背側Rのフラップ部にはファスニングテープ6が設けられている。ファスニングテープ6を腹側Fのフラップ部に設けたテープ貼付部(図示せず)に貼付して、おむつを装着固定することができる。
おむつ200は、積層不織布10を表面シート1として適用したことにより、肌当接面上での液戻りの防止と肌触りの良さ、クッション感の向上の両立を図ることができる。また、積層不織布10の凹凸形状によってより高い通気性が得られる。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態のおむつに制限されるものではなく、例えば生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、尿とりパッド等に適用することができる。なお吸収性物品の構成部材として、表面シート1、裏面シート2、吸収体3の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。
以下に、上述の積層不織布の製造方法により積層不織布を製造した実施例、および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、特に断らない限り「部」および「%」は質量基準である。
(実施例1)
実施例1の積層不織布として、図13に示すものを作製した。
まず、第2不織布シート21を次の方法により作製した。
構成繊維として、普通伸度繊維のみからなり、弾性(エラストマー)を有していない繊維を用いた。具体的には、前記普通伸度繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部がポリエチレンである同心タイプの芯鞘型複合繊維であった。普通伸度繊維は、繊度3.3dtexで、伸度55%であった。この「普通伸度繊維」とは、特定の伸度の性能を有する繊維であり、具体的には繊維の破断伸度が30%以上100%未満の性能を有する繊維を意味する。
上記構成繊維のウエブを温度133℃、風速0.7m/sec、処理時間30秒、加工速度5m/minの条件で熱風を吹き付けて融着処理を行った。
次いで、図9に示したロール301、302を用いて延伸処理を行った。具体的には、一対の凹凸ロール301、302が備える凸部の間隔(ピッチ)が2.0mmであり、押し込み深さt(図10参照)が1.2mmのものを用いた。機械延伸倍率が1.9倍であった。尚、構成繊維への繊維処理剤の塗布は、延伸工程の前に行い、付着量0.47質量%とした。得られた第2不織布シート21の坪量は28g/mであり、厚みは2.12mmであった。
次に、上記の第2不織布シート21を、第1不織布シート11を形成する繊維ウエブ50を合わせて図8に示したように支持体100を用いて積層不織布10を作製した。支持体100における突起102のピッチは、MDピッチ10mm、CDピッチ3mmとした。
第1不織布シート11となる繊維ウエブ50には、構成繊維として、繊度2.4dtexの、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンの芯鞘構造の繊維を用いた。このような繊維を用いて、カード機により坪量20g/mの繊維ウエブ50を作製した。次いで、図7のように、支持体100の突起102上に、第2不織布シート21、繊維ウエブ50を積層した。そして、第1エアースルー工程により賦形処理を行い、第2エアースルー工程により構成繊維同士の融着処理を行った。
第1エアースルー工程は、熱風の温度110℃、風速1.4m/sec、熱処理時間10sec、加工速度5m/minであった。
第2エアースルー工程は、熱風の温度136℃、風速0.7m/sec、熱処理時間30sec、加工速度5m/minであった。
これにより得た積層不織布10は、図13に示すような、2層構造で、開孔を有さず、坪量48g/m、厚み5mmのものとなった。
また、第2不織布シート21の層には、同一繊維内に、小径部および大径部の混在していた。これは、前述の走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM−5100)を用いた測定方法により確認した。
加えて、第1不織布シート11の層には、第1突出部12が第2突出部14よりも繊維密度が低くされていた。これは、前述の走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM−5100)を用いた測定方法により確認した。
(実施例2)
実施例2は、第2不織布シート21に下記の高伸度繊維を用いた以外、実施例1と同様の製造方法により作成した。
構成繊維として、高伸度繊維のみからなり、弾性(エラストマー)を有していない繊維を用いた。具体的には、高伸度繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部がポリエチレンである同心タイプの芯鞘型複合繊維であった。高伸度繊維は、繊度3.3dtexで、伸度350%であった。高伸度繊維に付着させる繊維処理剤として次の組成のものを用いた。
高伸度繊維に付着させる繊維処理剤として次の組成のものを用いた。
延展性のある成分:ポリオルガノシロキサン 5.0質量%
親水性成分:ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)変性シリコーン 19.0質量%
ポリオキシエチレン(POE)アルキルアミド 28.5質量%
ステアリルベタイン 14.3質量%
疎水性成分:アルキルリン酸エステル 23.7質量%
アニオン界面活性剤 9.5質量%
(比較例1)
比較例1は、第2不織布シート21に歯溝加工を施さなかった以外、実施例1と同様の製造方法により作成した。
[0.05kPa圧力時の厚みの測定]
0.05kPaの圧力がかかるように荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン社製のレーザー変位計を用いた。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
[3kPa圧力時の厚みの測定]
3kPaの圧力がかかるように荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン社製のレーザー変位計を用いた。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
[形状保持性の評価方法]
以下の式で計算した。数値の小さい方が潰れにくく、耐圧縮性がある。つまり、形状保持性があると評価した。
{(0.05kp時の厚み)−(3kpa時の厚み)}/0.05kpa時の厚み×100
[液戻り量の測定]
液戻り量の測定は、評価用の乳幼児用おむつを用いた。評価用の乳幼児用おむつは、吸収性物品100の一例として乳幼児用おむつから表面シートを取り除き、その代わりに積層不織布10の試験体を用い、その周囲を固定して得た。乳幼児用おむつには、花王株式会社製のメリーズさらさらエアスルー(登録商標)Mサイズ、2012年製を用いた。なお積層不織布10の試験体は、以下、不織布試験体という。
上記不織布試験体上に3kPaの圧力を均等にかけ、試験体のほぼ中央に設置した断面積1000mmの筒を当て、そこから人口尿を注入した。人工尿としては、生理食塩水を用い、10分ごとに40gずつ4回にわたり、計160gの人工尿を注入した。
注入完了から10分静置した後に、上述の円筒および圧力を取り除いた。そして吸収シート(質量=M1)に3kPaの圧力がかかるように調整した重りを、注入点を中心として不織布試験体上に置いた。吸収シート(質量=M1)には、アドバンテック株式会社製のろ紙No.5C(100mm×100mm)を20枚重ねて用いた。
5分静置した後に重りを取り除き、ろ紙の質量(M2)を測定し、次式のようにして、液戻り量を算出した。
液戻り量(g)=加圧後のろ紙の質量(M2)−加圧前のろ紙の質量(M1)
[クッション感(圧縮回復性)の評価方法]
クッション感の評価法は、KES圧縮試験機(カトーテック株式会社製KES FB−3)を用いた。測定は、22℃65%RH環境下にて行った。KES圧縮試験機は、通常モードで5.0kPaまでの圧縮特性評価を行い、RC値を読み取った。測定値としては、3点を測定しその平均値を圧縮回復性とした。このKES圧縮試験機は、圧縮部位が面積2cmの円形平面を持つ板である。その圧縮速度が0.02mm/sec、圧縮最大圧力が5.0kPaで、圧縮最大圧力に到達した時点で圧縮方向を反転させ回復過程に移行するものである。上記RC値は、圧縮時のエネルギーに対する回復されるエネルギーの割合を%表示したものであり、RC値が大きいほど、圧縮に対する回復性が良く、弾力性があるとされる。上記圧縮特性評価におけるRC値は、不織布の試験体に掛かる初期圧力0.05kPaがかかる時間Tから最大圧力5.0kPaがかかる時間Tまでの圧力の時間積分値を求める。そしてその時間積分値を最大圧力5.0kPaまでの仕事量で除し、%で表示したものである。
表1に示した結果から明らかなように、実施例1および実施例2は、耐圧縮性が50%、52%であり、高荷重に対して厚み方向に潰れ難くなっていた。また液戻り量が42mg以下と少なくなっていた。さらにクッション感も47.0以上と優れていた。
比較例は、第2不織布シート21に歯溝加工がなされていないため、耐圧縮性が66%と高く潰れ易くなっていた。また、液戻り量が61mgと多くなっていた。さらに、クッション感が43.3%と低く、高荷重がかけられた後の圧縮回復性が低かった。
上記したように実施例1から2は、優れた、耐圧縮性、液戻り量、クッション感を同時に達成できたことがわかった。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 本体
5 サイドシート
6 ファスニングテープ
10 積層不織布
11 第1不織布シート
12 第1突出部
12H 開口部
12T 第1突出部の頂部領域(第1突出部頂部)
13 内部空間
14 第2突出部
14T 第2突出部の頂部領域(第2突出部頂部)
15 内部空間
16(16a、16b)、26 壁部
21 第2不織布シート
22 第3突出部
23 内部空間
24 第4突出部
24a、24b 小さな凸部
25 内部空間
25B 底部領域
30 繊維シート
30a 頂部域
30b 底部域
30c 側部域
31 凸条部
32 凹条部
34 繊維
35 融着部
36 小径部
37 大径部
38 変化点
30B、50 繊維ウエブ
100 支持体
101 棒状体
102 突起
103 孔
200 おむつ
T 積層不織布の厚み
T1 第1不織布シートの厚み
T2 第2不織布シートの厚み
Z1 第1面側
Z2 第2面側
301、301 凹凸ロール
303、304 凸部
303A、304A 頂部
401、401 凹凸ロール
403、404 凸部

Claims (7)

  1. 不織布を平面視した側の第1面側に突出していて、前記第1面側とは反対側の第2面側に内部空間を有してなる第1突出部と、前記第2面側に突出していて前記第1面側に内部空間を有してなる第2突出部とを備えてなり、前記第1、第2突出部が該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に複数配された第1不織布シートと、
    前記第1面側の一方向に連続して突出していて前記第2面側に連続した内部空間を有してなる第3突出部と、前記第2面側の前記一方向に沿う方向に連続して突出していて前記第1面側に連続した内部空間を有してなる第4突出部とを備えてなり、前記第3、第4突出部が該不織布の平面視前記一方向と交差する方向に交互に複数配された第2不織布シートとを有してなり、
    前記第1不織布シートの第2面側に前記第2不織布シートが配されていて、前記複数の第4突出部のうち、前記第2突出部の頂部領域に対応する第4突出部の頂部領域の裏面側と、前記第2突出部の頂部領域とが接合された積層不織布。
  2. 前記第4突出部は前記一方向に凹凸形状を有してなる請求項1記載の積層不織布。
  3. 前記第1不織布シートは前記第1突出部より前記第2突出部の繊維密度が高く、
    前記第2不織布シートは前記一方向と交差する方向に繊維密度の疎密が交互に存する請求項1または2に記載の積層不織布。
  4. 前記第2不織布シートは高伸度繊維を含んでいて、
    前記第2不織布シートの繊維同士が融着していて、該繊維融着点間に太さの異なる繊度部を有してなり、
    前記太さの異なる繊度部のうち太い繊度部が細い繊度部より親水度が高い請求項1から3のいずれか1項に記載の積層不織布。
  5. 前記第1不織布シートの平均繊維密度は前記第2不織布シートの平均繊維密度より低い請求項1から4のいずれか1項に記載の積層不織布。
  6. 前記複数の第4突出部のうち、前記第2突出部の頂部領域に接合されていない前記第4突出部の内部空間が、前記第1突出部の内部空間の位置に対応して配されている請求項1から5のいずれか1項に記載の積層不織布。
  7. 液透過性の表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記表面シートに請求項1から6のいずれか1項に記載の積層不織布を配してなる吸収性物品。
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