JP2017085781A - 電力供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの利便性の向上を図ることができる電力供給システムを得る。【解決手段】系統電源200と太陽光パワーコンディショナ301と定置蓄電ユニット303と電気自動車に搭載されるバッテリ302との少なくとも1つから供給される電力を交流電力に変換して出力すると共に、定置蓄電ユニット303およびバッテリ302の少なくとも一方への充電を行う電力変換部2と、バッテリ302の電源状態情報と定置蓄電ユニット303の電源状態情報により、バッテリ302への充電を優先して実施し、定置蓄電ユニット303からの放電を優先して実施するように電力変換部2を制御する制御部3と、を備える電力供給システム100。【選択図】図1

Description

本発明は、外部電源から供給される電力を宅内負荷へ供給する電力供給システムに関する。
特許文献1に示す従来技術は、家庭内負荷への電力供給源または移動手段として利用可能な電気自動車に搭載されたバッテリと住宅用蓄電池の容量と太陽光発電の出力とに応じて家庭内負荷への電力供給の優先順位を、停電時対応も含めて決定する構成を採用している。
特開2001−8380号公報
しかしながら、特許文献1には電気自動車に搭載されたバッテリの充電状態を示す値(State Of Charge:SOC)を積極的に高い状態に維持させることにより、当該バッテリに蓄えられた電力を有効利用する構成については記載されていない。そのため特許文献1によれば、停電時または災害時の移動手段として電気自動車を利用する際、当該バッテリのSOCが低いため電気自動車の充分な走行距離を確保できなくなりユーザの利便性を損なう虞があるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの利便性の向上を図ることができる電力供給システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電力供給システムは、系統と太陽光パワーコンディショナと定置蓄電ユニットと電気自動車に搭載されるバッテリとの少なくとも1つから供給される電力を交流電力に変換して出力すると共に、定置蓄電ユニットおよびバッテリの少なくとも一方への充電を行う電力変換部と、少なくともバッテリの電源状態を示す情報と定置蓄電ユニットの電源状態を示す情報により、定置蓄電ユニットおよびバッテリへの充電時にはバッテリへの充電を定置蓄電ユニットへの充電よりも優先して実施し、宅内負荷への電力供給時には定置蓄電ユニットからの放電をバッテリからの放電よりも優先して実施するように電力変換部を制御する制御部と、を備える。
本発明によれば、ユーザの利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る電力供給システムの構成図 本発明の実施の形態1に係る外部電源状態検出部と制御部の構成図 本発明の実施の形態1に係る制御部の構成図 本発明の実施の形態1に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBへの充電動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態1に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBの放電動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBへの充電動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBの放電動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る電力供給システムの構成図 本発明の実施の形態3に係る電力供給システムが有する充放電動作設定テーブルの一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る電力供給システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る電力供給システムの構成図である。電力供給システム100には外部電源が接続され、外部電源は系統電源200と直流電源300に分けられる。直流電源300は、太陽光パワーコンディショナ301と、電気自動車(Electric Vehicle:EV)に搭載されるバッテリ302と、定置設置型のリチウムイオン蓄電池である定置蓄電ユニット303である。以下では、系統電源200を単に「系統」と称し、太陽光パワーコンディショナ301を単に「PV」(PhotoVoltaic)と称し、バッテリ302を単に「EV」称し、定置蓄電ユニット303を単に「LiB」(Lithium ion Battery)と称する場合がある。
電力供給システム100は、系統、PV、EVおよびLiBの各々の電源状態を検出する外部電源状態検出部1と、系統、PV、EVおよびLiBの少なくとも1つから供給される電力を交流電力に変換して出力すると共に、LiBおよびEVの少なくとも一方への充電を行う電力変換部2と、電力変換部2の動作を制御する制御部3と、系統と電力変換部2の少なくとも1つから供給される交流電力を整流して出力する整流部4と、整流部4から出力される電力により電力供給システム100内の制御負荷6へ供給するための制御電源を生成する制御電源生成部5と、各種表示を行うと共にユーザによる設定操作を受け付ける設定手段である表示器7とを備える。
電力変換部2は、PVから供給される直流電力を交流電力に変換して出力する第1の電力変換部21と、EVから供給される直流電力を交流電力に変換して出力する機能と交流電力を直流電力に変換してEVに出力する機能とを併せ持つ第2の電力変換部22と、LiBから供給される直流電力を交流電力に変換して出力する機能と交流電力を直流電力に変換してLiBに出力する機能とを併せ持つ第3の電力変換部23とを備える。
第1の電力変換部21は、PVから供給される直流電力を宅内負荷8へ供給するとき、直流電力の電圧を昇圧または降圧し、昇圧または降圧した直流電力を50Hzまたは60Hzの交流電力に変換して出力する。宅内負荷8はIHクッキングヒータ、冷蔵庫、または照明といった家電機器である。
第2の電力変換部22は、EVから供給される直流電力を宅内負荷8へ供給するとき、直流電力の電圧を昇圧または降圧し、昇圧または降圧した直流電力を50Hzまたは60Hzの交流電力に変換して出力する。また第2の電力変換部22は、EVを充電するとき、系統、PVまたはLiBから供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を昇圧または降圧してEVへ出力する。
第3の電力変換部23は、LiBから供給される直流電力を宅内負荷8へ供給するとき、直流電力の電圧を昇圧または降圧し、昇圧または降圧した直流電力を50Hzまたは60Hzの交流電力に変換して出力する。また、第3の電力変換部23は、LiBを充電するとき、系統、PVまたはEVから供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を昇圧または降圧してLiBへ出力する。
PVは、ユーザの意図により電力供給システム100に接続されていても、天気により発電有りまたは発電無しの状態がある。LiBとEVは、それぞれが電力供給システム100に接続されている状態、または電力供給システム100に未接続の状態がある。
LiBが電力供給システム100に接続されている状態とは、ユーザが別途設置したLiBが電力供給システム100と電気的に接続されている状態である。LiBが電力供給システム100に未接続の状態とは、ユーザがLiBを別途設置していない状態、またはユーザがLiBを別途設置しているもののLiBが電力供給システム100と電気的に接続されていない状態である。
EVが電力供給システム100に接続されている状態とは、EVが電力供給システム100と電気的に接続されている状態である。EVが電力供給システム100と未接続の状態とは、EVが移動手段として利用されている状態、またはEVが移動手段として利用されていないもののEVが電力供給システム100と電気的に接続されていない状態である。
LiBが電力供給システム100に接続されていないときの電力供給経路は以下の通りである。
1−(1)系統からEVおよび宅内負荷8の少なくとも1つへの電力供給経路。
1−(2)PVから系統、EVおよび宅内負荷8の少なくとも1つへの電力供給経路。
1−(3)EVから宅内負荷8への電力供給経路。
なお、LiBが接続されていないとき、充放電対象の蓄電池はEVのみであるため、電力供給システム100では、EVへの満充電が最優先されると共にEVからの放電のみが実施される。
LiBが電力供給システム100に接続されているときの電力供給経路は以下の通りである。
2−(1)系統からEV、LiBおよび宅内負荷8の少なくとも1つへの電力供給経路。
2−(2)PVから系統、EV、LiBおよび宅内負荷8の少なくとも1つへの電力供給経路。
2−(3)EVから宅内負荷8への電力供給経路。
2−(4)LiBから宅内負荷8およびEVの少なくとも1つへの電力供給経路。
電力供給システム100は、移動手段として利用可能なEVのSOCの低下を抑制するため、LiBとEVが電力供給システム100に接続されているときに、LiBまたはEVへの充電時には、LiBへの充電よりもEVへの充電を優先して実施し、EVが満充電となった後、またはEVのSOCが設定値以上に達した後に、LiBへの充電を開始する。但しEVが電力供給システム100に接続されていないときには、電力供給システム100は、最初にLiBへの充電を開始する。
一方、LiBまたはEVからの放電は、系統とPVの双方から電力の供給がないときに適用される。なお、以下では、系統とPVの双方から電力の供給がない状態を「サバイバルモード」と称し、PVから電力の供給はあるが系統から電力の供給がない状態を「停電時」と称し、系統から電力の供給がある状態を「非停電時」と称する。サバイバルモード時の電力供給システム100は、宅内負荷8に対して、まずLiBからの放電を開始し、LiBのSOCが設定値以下に低下した後、EVからの放電を開始する。但しEVが電力供給システム100に接続されていないときには、電力源がなくなるために宅内負荷8への電力供給は終了となる。
このように、蓄電池への充電時にはEVへの充電を優先して実施し、蓄電池からの放電時にはLiBからの放電を優先して実施することにより、移動手段となり得るEVのSOC低減を極力抑制することが可能であり、災害時の移動手段を確保することができ、安全と安心感を得られる。
なお非サバイバルモード時、すなわち系統とPVの少なくとも一方から電力の供給があるとき、LiBからの放電を行うことなく系統またはPVから宅内負荷8へ電力供給することはいうまでもないが、ユーザが、系統からの買電コストよりもLiBの供給電力単価が安いと判断した場合、系統から宅内負荷8への電力供給よりもLiBから宅内負荷8への電力供給を優先して行うように設定することも可能である。これらは表示器7への操作設定により実現される。
図2は本発明の実施の形態1に係る外部電源状態検出部と制御部の構成図である。外部電源状態検出部1は、系統の電源状態を検出する系統状態検出部11と、PVの電源状態を検出するPV状態検出部12と、EVの電源状態を検出するEV状態検出部13と、LiBの電源状態を検出するLiB状態検出部14とを備える。
系統状態検出部11は系統電圧を計測する電圧計測手段で構成され、系統の電源状態を示す情報を出力する。PV状態検出部12はPVの出力電圧を計測する電圧計測手段で構成され、PVの電源状態を示す情報を出力する。EV状態検出部13は、EVの蓄電池電圧、すなわち蓄電池の両端電圧を計測する電圧計測手段で構成され、例えば満充電時の両端電圧400Vから電圧降下後の電圧360Vを測定することによりEVのSOCを推定し、EVの電源状態を示す情報として出力する。LiB状態検出部14は、LiBの蓄電池電圧を計測する電圧計測手段で構成され、LiBの蓄電池電圧を計測することによりLiBのSOCを推定し、LiBの電源状態を示す情報として出力する。
制御部3は、系統状態検出部11で検出された情報により、系統から電力供給が行われているか否かを判定する系統状態判定部31と、PV状態検出部12で検出された情報により、PVから電力供給が行われているか否かを判定すると共にPVにおける発電量を判定するPV状態判定部32と、EV状態検出部13で検出された情報により、電力供給システム100にEVが接続されているか否かを判定すると共に、EVのSOCが設定値以上であるか否かを判定するEV状態判定部33と、LiB状態検出部14で検出された情報により、LiBのSOCが設定値以上であるか否かを判定するLiB状態判定部34と、第1の電力変換部21における放電動作、第2の電力変換部22における充放電動作、および第3の電力変換部23における充放電動作を制御する充放電動作制御部35と、を備える。
図3は本発明の実施の形態1に係る制御部の構成図である。制御部3は、情報入出力部3a、メモリ3bおよび演算部3cを含み、情報入出力部3a、メモリ3bおよび演算部3cはデータバス3dで接続されている。
情報入出力部3aは、演算部3cが外部の機器類と情報をやり取りするためのインターフェース回路である。実施の形態1では、情報入出力部3aに外部電源状態検出部1からの情報が入力され、また情報入出力部3aは演算部3cで生成された各電力変換部の動作を制御するための信号を出力する。情報入出力部3aに入力された情報は、前述した系統状態判定部31、PV状態判定部32、EV状態判定部33および充放電動作制御部35の演算に用いられる。
メモリ3bは、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)又はこれらの組合せである。
演算部3cは、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)といったプロセッサである。メモリ3bに格納された演算部3c用のプログラムが演算部3cで実行されることにより、前述した系統状態判定部31、PV状態判定部32、EV状態判定部33および充放電動作制御部35が実現される。
次に電力供給システム100の動作を具体的に説明する。
図4は本発明の実施の形態1に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBへの充電動作を示すフローチャートである。図4の動作では、系統からの電力供給が無く、LiBとPVが電力供給システム100に接続されており、EVは電力供給システム100に接続されまたは未接続であることを前提とする。
系統電力無しの運転時にユーザにより外部電源への充電モードが選択されると(S1)、制御部3はPV発電の有無を判定する。PV発電無しの場合(S2:N)、外部電源への充電モードは終了する。
PV発電有りの場合(S2:Y)、制御部3はEVが接続されているか否かを判定し、EVが接続されていない場合(S3:N)、LiBへ充電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S4)。
一方、EVが接続されている場合(S3:Y)、制御部3はEVへの充電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S5)。
EVへの充電開始後、制御部3はEVのSOCが設定値以上であるか否かを判定する。EVのSOCが設定値以上ではない場合(S6:N)、制御部3はEVのSOCが設定値以上と判定するまでS6の判定を繰り返す。
EVのSOCが設定値以上である場合(S6:Y)、制御部3はLiBへ充電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S4)。
図5は本発明の実施の形態1に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBの放電動作を示すフローチャートである。図5の動作では、系統からの電力供給が無く、LiBとPVが電力供給システム100に接続されており、EVは電力供給システム100に接続されまたは未接続であることを前提とする。
系統電力無しの運転時にユーザにより宅内負荷8への電力供給モードが選択されると(S11)、制御部3はPV発電の有無を判定する。PV発電無しの場合(S12:N)、制御部3はLiBからの放電、すなわちLiBからの電力供給を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S13)。
PV発電有りの場合(S12:Y)、制御部3はPVからの電力供給を開始するため第1の電力変換部21を制御する(S14)。
制御部3はPV発電が充分である否かを判定し、PV発電が充分な場合(S15:Y)、PV発電が充分ではないと判定するまでS15の判定を繰り返し、PV発電が充分ではない場合(S15:N)、LiBから電力供給を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S13)。
S13においてLiBから電力供給開始後、制御部3はLiBのSOCが設定値以下であるか否かを判定し、LiBのSOCが設定値以下ではない場合(S16:N)、LiBのSOCが設定値以下であると判定されるまでS16の判定を繰り返す。
LiBのSOCが設定値以下である場合(S16:Y)、制御部3はEVが接続されているか否かを判定する。EVが接続されている場合(S17:Y)、制御部3はEVから放電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S18)。
EVが接続されていない場合(S17:N)、宅内負荷8への電力供給モードは終了する。
なお電力供給システム100は、SOC検出値を表示器7に表示させるように構成しても良い。SOC検出値を表示することで、ユーザは蓄電池の状態を把握することが可能となる。また充電電流の流れと放電電流の流れを表示器7に表示させても良く、どこからどこへ充電と放電がなされているかを表示させてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る電力供給システム100は、系統またはPVから供給される電力による充電動作ではEVを優先とし、宅内負荷8への放電動作ではLiBを優先とするシーケンスを採ることにより、EVのSOCを高い状態に維持することが可能となり、災害時または停電時にEVを移動手段として利用する際、EVの充分な走行距離を確保でき、ユーザの利便性を向上させる共に、ユーザに安心感を与えることができる。
実施の形態2.
実施の形態1はEVへの充電を優先して実施すると共にLiBからの放電を優先して実施する構成であるが、実施の形態2はLiBとEVの各々のSOCを比較し、SOCの低い蓄電池への充電を優先して実施し、SOCの高い蓄電池からの放電を優先して行う。なお実施の形態2に係る電力供給システム100の構成は実施の形態1で示した構成と同様とする。以下、図6を参照して実施の形態2の動作を説明する。
図6は本発明の実施の形態2に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBへの充電動作を示すフローチャートである。図6の動作では、系統からの電力供給が無く、LiBとPVが電力供給システム100に接続されており、EVは電力供給システム100に接続されまたは未接続であることを前提とする。
系統電力無しの運転時にユーザにより外部電源への充電モードが選択されると(S21)、制御部3はPV発電の有無を判定し、PV発電無しの場合(S22:N)、外部電源への充電モードは終了する。
PV発電有りの場合(S22:Y)、制御部3はEVが接続されているか否かを判定し、EVが接続されていない場合(S23:N)、LiBへ充電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S24)。
EVが接続されている場合(S23:Y)、制御部3はEVのSOCとLiBのSOCを比較する。
EVのSOCがLiBのSOCよりも高い場合(S25:N)、制御部3はLiBへの充電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S26)。例えばLiBの蓄電容量が10kWhであり、そのSOCが40%、すなわち4kWhの容量が残存しており、EVの蓄電容量が24kWhであり、そのSOCが60%、すなわち14.4kWhの容量が残存しているとき、SOCの低いLiBから充電が開始される。
LiBへの充電開始後、制御部3はLiBのSOCが設定値以上であるか否かを判定する。LiBのSOCが設定値以上ではない場合(S27:N)、制御部3はLiBのSOCが設定値以上と判定するまでS27の判定を繰り返し、LiBのSOCが設定値以上である場合(S27:Y)、EVへ充電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S28)。設定値が90%に設定されているとき、LiBのSOCが90%に達するとEVへの充電動作が開始される。EVへの充電動作はSOCが100%となるまでとしてもよいし、LiBと同様にEVのSOCが90%に達した時点で、LiBとEVのSOC値が近似となるように同時に充電を行ってもよい。
S25においてEVのSOCがLiBのSOCよりも低い場合(S25:Y)、制御部3はEVへの充電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S29)。
EVへの充電開始後、制御部3はEVのSOCが設定値以上であるか否かを判定し、EVのSOCが設定値以上ではない場合(S30:N)、EVのSOCが設定値以上と判定するまでS30の判定を繰り返し、EVのSOCが設定値以上である場合(S30:Y)、LiBへ充電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S31)。
図7は本発明の実施の形態2に係る電力供給システムにおけるEVまたはLiBの放電動作を示すフローチャートである。図7の動作では、系統からの電力供給が無く、LiBとPVが電力供給システム100に接続されており、EVは電力供給システム100に接続されまたは未接続であることを前提とする。
系統電力無しの運転時にユーザにより宅内負荷8への電力供給モードが選択されると(S41)、制御部3はPV発電の有無を判定する。
PV発電有りの場合(S42:Y)、制御部3は第1の電力変換部21を制御することによりPVから宅内負荷8への電力供給を行い(S43)、PV発電が充分であるか否かを判定する。制御部3はPV発電が充分ではないと判定するまでS44の判定を繰り返し(S44:Y)、PV発電が充分ではないと判定した場合(S44:N)、S45の処理を行う。
S42においてPV発電無しの場合(S42:N)、制御部3はEVが接続されているか否かを判定する。
EVが接続されていない場合(S45:N)、制御部3はLiBから放電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S46)。
EVが接続されている場合(S45:Y)、制御部3はEVのSOCとLiBのSOCを比較する。
EVのSOCがLiBのSOCよりも高い場合(S47:N)、制御部3はEVから放電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S48)。例えばLiBの蓄電容量が10kWhであり、そのSOCが55%、すなわち5.5kWhの容量が残存しており、EVの蓄電容量が24kWhであり、そのSOCが70%、すなわち16.8kWhの容量が残存しているとき、SOCの高いEVから放電が開始される。
EVから放電開始後、制御部3はEVのSOCが設定値以下であるか否かを判定し、EVのSOCが設定値以下ではない場合(S49:N)、EVのSOCが設定値以下であると判定されるまでS49の判定を繰り返す。
EVのSOCが設定値以下の場合(S49:Y)、制御部3はLiBから放電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S50)。設定値が50%に設定されているとき、EVのSOCが50%まで低下するとLiBからの放電動作が開始される。LiBからの放電動作はSOCが50%まで低下した後にSOC0%に向けて継続放電するようにしてもよいし、LiBとEVのSOC値が近似となるように同時に宅内負荷8への放電を行ってもよい。
S47においてEVのSOCがLiBのSOCよりも低い場合(S47:Y)、制御部3はLiBから放電を開始するため第3の電力変換部23を制御する(S51)。
LiBから放電開始後、制御部3はLiBのSOCが設定値以下であるか否かを判定し、LiBのSOCが設定値以下ではない場合(S52:N)、LiBのSOCが設定値以下であると判定されるまでS52の判定を繰り返す。
LiBのSOCが設定値以下である場合(S52:Y)、制御部3はEVから放電を開始するため第2の電力変換部22を制御する(S53)。
以上のように実施の形態2に係る電力供給システム100は、LiBとEVのSOC状態に応じて充電と宅内負荷8への放電の優先順位を決めるようにしたので、EVとLiBの各々のSOCをバランスよく保持することが可能となる。従って、EVとLiBの蓄電容量を均等に保持することができ、サバイバルモード時または宅内負荷8への放電が必要なとき、LiBに蓄えられる電力量が多いためEVが移動手段として利用中のときにもLiBから宅内負荷8に電力供給する際の効率が良く、またEVを移動手段として利用する際にユーザに安心感を与えることができる電力供給システム100の使い勝手が向上する。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3に係る電力供給システムの構成図である。実施の形態3に係る電力供給システム100Aでは実施の形態1の制御部3の代わりに制御部3Aが用いられている。実施の形態2はLiBとEVの各々のSOCの設定値を予め決めておき、EVとLiBの充放電の優先順位を決定していたが、実施の形態3は、SOCの設定値、またはEVとLiBの充放電の優先順位をユーザが手動で任意に設定でき、設定されたSOC設定値または充放電の優先順位で充放電動作を制御するように構成されている。
表示器7は設定画面にて「EV充電優先」、「LiB充電優先」、「EV放電優先」、および「LiB放電優先」といった設定を任意に行うことができ、さらにEVとLiBのそれぞれの充電上限のSOC値と放電下限のSOC値とを任意に設定可能に構成されている。具体的な例としては充電時の設定内容は「EVのSOCが80%に達するまでEV充電を優先」、「LiBのSOCが60%に達するまでLiB充電を優先」であり、放電時の設定内容は「EVのSOCが40%に低下するまでEV放電を優先」「LiBのSOCが20%に低下するまでLiB放電を優先」である。
図9は本発明の実施の形態3に係る電力供給システムが有する充放電動作設定テーブルの一例を示す図である。図9に示す充放電動作設定テーブル7aは例えば表示器7内の記憶部に格納されており、充放電動作設定テーブル7aには、「EV充電優先」、「LiB充電優先」、「EV放電優先」、および「LiB放電優先」といった設定内容とSOCの設定値とが対応付けられている。
例えばPVで発電された電力で蓄電池の充電を行う際、ユーザが「LiB充電優先、SOC90%」と設定すると、表示器7の処理部では充放電動作設定テーブル7aを参照し、ユーザの設定に対応した設定情報を制御部3Aへ出力する。制御部3Aは、表示器7からの設定情報により、LiBのSOCが90%に達するまで優先的にLiBへの充電動作を行うように電力変換部を制御し、LiBのSOCが設定値に到達後、引き続きEVへの充電動作を行うように電力変換部を制御する。
またサバイバルモード時にEVとLiBの放電により宅内負荷8へ電力供給を行う際、ユーザが「EV放電優先、SOC20%」と設定すると、表示器7の処理部では充放電動作設定テーブル7aを参照し、ユーザの設定に対応した設定情報を制御部3Aへ出力する。制御部3Aは、表示器7からの設定情報により、EVのSOCが20%に低下するまで優先的にEVの放電動作を行うように電力変換部を制御し、EVのSOCが20%まで低下した後、引き続きLiBからの放電を開始するように電力変換部を制御する。
なお非停電時は、ユーザによる「充電」の任意設定は無効としてもよい。非停電時は系統からの電力の供給が継続しているため優先度を付けても意味がないためである。停電時の「充電」は上記仕様を採る。
以上のように実施の形態3に係る電力供給システム100Aは、EVまたはLiBへの充電優先順と、EVまたはLiBの放電優先順と、SOCの設定値とを設定可能な設定手段である表示器7を備え、制御部3Aは、表示器7からの設定情報に従いEVまたはLiBへの充電を行い、EVまたはLiBの放電を行うように電力変換部を制御する。この構成により、ユーザが表示器7上で任意にLiBとEVに対する充放電動作の優先順位を設定することができ、停電時またはサバイバルモードといった災害時に、移動手段であるEVの走行距離を長くすべきであるが、EVが移動手段として利用されているときにも宅内負荷8への電力供給量を増やすべきかをユーザが判断できる。すなわちユーザはEVとLiBの充電重要度を自分の考えに応じて設定することが可能となり、電力供給システム100Aの使い勝手が向上する。
実施の形態4.
実施の形態3はSOCの設定値、またはEVとLiBの充放電の優先順位を、ユーザが手動で任意に設定できるように構成されているが、実施の形態4はEVとLiBのそれぞれのSOCが常時近い値となるようにEVとLiBとのバランスをとりながら充電または放電させるように構成されている。実施の形態4の構成は実施の形態3で示した構成と同様とする。
外部電源への充電モードにおいてLiBのSOCがEVのSOCよりも高いとき、EVへの充電開始後、EVのSOCがLiBのSOCと等しくなると、制御部3は電力変換部を制御し、EVとLiBとのバランスをとりながら充電動作を行う。
また、宅内負荷8への電力供給モードにおいてEVのSOCがLiBのSOCよりも高いとき、EVからの放電開始後、EVのSOCがLiBのSOCと等しくなると、制御部3は電力変換部を制御し、EVとLiBとのバランスをとりながら放電動作を行う。
この動作により、EVとLiBの各々のSOCをバランスよく保持することができ、サバイバルモード時に宅内負荷8への放電が必要なときにおいてもEVとLiBのそれぞれの蓄電容量を均等に保持することができる。そのためEVを移動手段として使用するユーザに安心感を与えることができる。またEVが移動手段として利用中であってもLiBから宅内負荷8に電力供給する際の効率が良いため、電力供給システム100の使い勝手が向上する。
なお実施の形態1から4の電力供給システムは、EV状態検出部13によりEVの接続の有無またはEVのSOCを検出しているが、EV状態検出部13の代わりに、EVから送信されるEV状態情報をEVの状態を示す情報として受信し、この情報によりEVの接続の有無またはEVのSOCを検出するように構成してもよい。EVから送信されるEV状態情報を用いることにより、EV状態検出部13が不要となり、システムの小型化と低コスト化を図ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 外部電源状態検出部、2 電力変換部、3,3A 制御部、3a 情報入出力部、3b メモリ、3c 演算部、3d データバス、4 整流部、5 制御電源生成部、6 制御負荷、7 表示器、7a 充放電動作設定テーブル、8 宅内負荷、11 系統状態検出部、12 PV状態検出部、13 EV状態検出部、14 LiB状態検出部、21 第1の電力変換部、22 第2の電力変換部、23 第3の電力変換部、31 系統状態判定部、32 PV状態判定部、33 EV状態判定部、34 LiB状態判定部、35 充放電動作制御部、100,100A 電力供給システム、200 系統電源、300 直流電源、301 太陽光パワーコンディショナ、302 バッテリ、303 定置蓄電ユニット。

Claims (6)

  1. 太陽光パワーコンディショナと定置蓄電ユニットと電気自動車に搭載されるバッテリとの少なくとも1つから供給される電力を交流電力に変換して出力すると共に、前記定置蓄電ユニットおよび前記バッテリの少なくとも一方への充電を行う電力変換部と、
    少なくとも前記バッテリの電源状態を示す情報と前記定置蓄電ユニットの電源状態を示す情報により、前記定置蓄電ユニットおよび前記バッテリへの充電時には前記バッテリへの充電を前記定置蓄電ユニットへの充電よりも優先して実施し、宅内負荷への電力供給時には前記定置蓄電ユニットからの放電を前記バッテリからの放電よりも優先して実施するように前記電力変換部を制御する制御部と、
    を備える電力供給システム。
  2. 前記制御部は、前記バッテリおよび前記定置蓄電ユニットへ充電する充電モード時に、前記太陽光パワーコンディショナからの電力供給があるとき、前記バッテリへの充電を前記定置蓄電ユニットへの充電よりも優先して実施し、充電中の前記バッテリの充電状態を示す値が設定値以上となったとき、前記定置蓄電ユニットへの充電を実施するように前記電力変換部を制御する請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記制御部は、前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットから前記宅内負荷へ電力を供給する電力供給モード時に、前記太陽光パワーコンディショナからの電力供給がないとき、前記定置蓄電ユニットの放電を前記バッテリの放電よりも優先して実施し、放電中の前記定置蓄電ユニットの充電状態を示す値が設定値以下となったとき、前記バッテリの放電を実施するように前記電力変換部を制御する請求項1に記載の電力供給システム。
  4. 前記制御部は、前記バッテリおよび前記定置蓄電ユニットへ充電する充電モード時に、前記太陽光パワーコンディショナからの電力供給があり、かつ、前記バッテリの充電状態を示す値が前記定置蓄電ユニットの充電状態を示す値よりも低いとき、前記バッテリへの充電を前記定置蓄電ユニットへの充電よりも優先して実施し、充電中の前記バッテリの充電状態を示す値が設定値以上となったとき、前記定置蓄電ユニットへの充電を実施するように前記電力変換部を制御する請求項1に記載の電力供給システム。
  5. 前記制御部は、前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットから前記宅内負荷へ電力を供給する電力供給モード時に、前記太陽光パワーコンディショナからの電力供給がなく、かつ、前記定置蓄電ユニットの充電状態を示す値が前記バッテリの充電状態を示す値よりも高いとき、前記定置蓄電ユニットの放電を前記バッテリの放電よりも優先して実施し、放電中の前記定置蓄電ユニットの充電状態を示す値が設定値以下となったとき、前記バッテリの放電を実施するように前記電力変換部を制御する請求項1に記載の電力供給システム。
  6. 前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットへの充電優先順と、前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットの放電優先順と、充電状態を示す値の設定値とを設定可能な設定手段を備え、
    前記制御部は、前記設定手段で設定された設定情報に従い、前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットへの充電を実施し、前記バッテリまたは前記定置蓄電ユニットの放電を実施するように前記電力変換部を制御する請求項2から請求項5の何れか一項に記載の電力供給システム。
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