JP2017084807A - 正極ペースト、並びに、これを用いた非水電解質電池用正極及び非水電解質電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質電池の正極合剤の形成に用いる正極ペーストでの、経時安定性が優れる正極ペーストの提供。【解決手段】α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物と、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.5≦y<1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とを60:40〜5:95の質量比率で含有する非水電解質電池用正極活物質と、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤と、分散溶媒とを含む正極ペースト。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質電池用正極活物質を含む正極ペースト及びそれを用いた非水電解質電池の製造方法に関する。
現在、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、携帯用端末等に広く搭載されている。これらの非水電解質電池には、正極活物質として主にLiCoO2が用いられている。このような、α−NaFeO2型結晶構造を有するLiMeO2型活物質(Meは遷移金属)は、Me部分を構成する元素の種類と比率が異なる種々の組成物が提案されている。一例として、LiNiO2、LiNi1/2Mn1/2O2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2等が挙げられる。
前記LiMeO2型活物質に対し、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meが1より大きく、例えばLi/Meが1.25〜1.6であるいわゆるリチウム過剰型活物質が知られている。このような材料は、Li1+αMe1−αO2(α>0)と表記することができる。ここで、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meは(1+α)/(1−α)で表されるから、例えば、Li/Meが1.5のとき、α=0.2である。
特許文献1には、いわゆるリチウム過剰型活物質の一種であり、Li[Li1/3Mn2/3]O2、LiNi1/2Mn1/2O2及びLiCoO2の3つの成分の固溶体として表すことのできる活物質が記載されている。また、前記活物質を用いた電池の製造方法として、4.3V(vs.Li/Li+)を超え4.8V以下(vs.Li/Li+)の正極電位範囲に出現する、電位変化が比較的平坦な領域に少なくとも至る充電を行う製造工程を設けることにより、充電時の正極の最大到達電位が4.3V(vs.Li/Li+)以下である充電方法が採用された場合であっても、177mAh/g以上の放電容量が得られる電池を製造できることが記載されている。
特許文献2には、リチウム電池の安全性を維持しつつ容量を増加させることを目的として、ニッケル系列化合物とコバルト系列化合物を適当な比率で混合した正極活物質を使用することが記載されている。
特許文献3には、耐用寿命が長く、室温および高温の両方で、高電流充電および放電を繰り返した後でも、優れた安全性を有する、非水性電解質系の高出力リチウム二次バッテリーを提供することを目的として、スピネル構造を有する特定のリチウムマンガン−金属複合酸化物と層状構造を有する特定のリチウムニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物を混合して用いることが記載されている。
特許文献4には、擬三元系固溶体であるxLi[Mn1/2Ni1/2]O2・yLiCoO2・zLi[Li1/3Mn2/3]O2(x+y+z=1、0<x<1、0≦y<0.5、0<z<1)を正極活物質として用いた場合、体積当りの容量密度が低いという問題を解決するために、正極活物質として、Li2MnO3とLiM1O2との固溶体に、充填密度の高い副活物質であるLiM2O2を混合するという発明が記載され(段落0005、0007、0009参照)、具体的には、Li[Ni0.183Li0.200Co0.033Mn0.583]O2とLi[Ni1/3Co1/3Mn1/3]O2とを90:10〜30:70の質量比で混合して正極活物質とし、アセチレンブラックとポリテトラフルオロエチレンを含む正極活物質スラリーを経由して作製したリチウムイオン電池が記載されている(段落0088、表1等参照)。
非水電解質電池は、正極、負極及び非水電解質を備える。正極は、正極集電体上に正極合剤が形成されてなる。前記正極合剤は、正極活物質及び結着剤が溶媒中に分散されてなる正極ペーストを正極集電体上に塗布し、前記溶媒を除去する工程を経て作製される。前記正極ペーストには、導電材が必要に応じて添加される。前記正極ペーストに用いられる結着剤及び分散用の溶媒は、前記正極活物質ができるだけ均一に分散されるように選択され、正極活物質と混合、混練して作製される。作製された正極ペーストは、静止状態において良好な分散状態が長時間維持されることが望まれる。
しかしながら、従来の正極ペーストは、作製後一定期間が経過すると、不可逆な粘度上昇が観察されるといった問題点があった。このような、不可逆な粘度上昇が生じた正極ペーストを用いると、正極集電体上に正極合剤が形成できないか、又は、形成できたとしても電池性能が劣る非水電解質電池となってしまう。従って、不可逆な粘度上昇が生じた正極ペーストは廃棄するしかなかった。即ち、正極ペーストは大量に作り貯めすることができないため、日々の生産量に応じた量の正極ペーストをその都度作製する必要があった。
そして、不可逆な粘度上昇が生じた正極ペーストが生産に用いられることがないように、作製後の正極ペーストの粘度を経時的に監視すること、あるいは、正極ペースト作製後の経過時間をロット管理することが必要であった。このように、正極ペーストの作製及び正極ペーストの品質維持管理に多大なコストがかかるため、非水電解質電池を安価に提供できないといった問題点があった。従って、経時安定性に優れる正極ペーストを作製できる技術が求められていた。
そして、不可逆な粘度上昇が生じた正極ペーストが生産に用いられることがないように、作製後の正極ペーストの粘度を経時的に監視すること、あるいは、正極ペースト作製後の経過時間をロット管理することが必要であった。このように、正極ペーストの作製及び正極ペーストの品質維持管理に多大なコストがかかるため、非水電解質電池を安価に提供できないといった問題点があった。従って、経時安定性に優れる正極ペーストを作製できる技術が求められていた。
本発明の課題は、経時安定性が優れる正極ペーストを提供することにある。
本発明者らは、正極ペーストの経時安定性を向上させるという課題に取り組み、鋭意検討した結果、特定の正極活物質を混合することにより、正極ペーストの経時安定性を向上させる効果が奏されることを見出し、本発明に至った。
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物と、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.5≦y<1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とを60:40〜5:95の質量比率で含有する非水電解質電池用正極活物質を正極ペーストに用いる。
このような構成によれば、経時安定性が優れる正極ペーストを提供できる。よって、正極ペーストの管理にかけるコストを低減できるので、非水電解質電池を安価に提供できる。
また、前記組成式LixNiyM1−yO2において、0.8≦y≦1としてもよい。
このような構成によれば、上記効果に加え、これを用いた非水電解質電池において、放電の中期から末期にかけての放電電位が高いものとすることができることから、エネルギー密度が高い非水電解質電池を提供できる。もって、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が備える、低SOC領域における放電電位が低いという問題を解決できる。
本発明によれば、経時安定性が優れる正極ペーストを提供できる。
正極ペーストは、正極活物質及び結着剤が溶媒中に分散されてなる。前記正極ペーストには、導電材が必要に応じて添加される。
正極ペーストに用いる分散用の溶媒としては、非水溶媒が用いられる。
本発明に係る正極ペーストが含有する結着剤としては、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン二元共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル二元共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン二元共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン三元共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/クロロフルオロプロピレン二元共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン三元共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロメチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン三元共重合体、フッ素ゴム等が挙げられる。これらは1種または2種以上の混合物として用いることができる。従来技術においては、正極ペーストにこれらの結着剤を用いた場合、不可逆な粘度上昇が生じていたが、本発明の構成を適用することにより、経時安定性が優れた正極ペーストを提供できる。結着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。なお、スチレンブタジエンゴム(SBR)やポリテトラフルオロエチレンを用いる場合は、従来技術においても不可逆な粘度上昇は認められない。しかしながら、スチレンブタジエンゴム(SBR)やポリテトラフルオロエチレンは取り扱いが困難であるため、正極ペースト用結着剤としては適さない。
本発明に係る正極ペーストが含有する正極活物質は、いわゆるリチウム過剰型正極活物質と、いわゆるLiMeO2型活物質とを含む。
<リチウム過剰型正極活物質>
まず、リチウム過剰型正極活物質について述べる。組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)において(1+α)/(1−α)で表される遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Me、即ち、(1+α)/(1−α)の値は、放電容量が大きく、高率放電性能が優れた非水電解質電池を得るため、1.25以上が好ましく、1.45以下が好ましい。前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素を構成するCo、Ni及びMn等の元素の比率は、求められる特性に応じて任意に選択することができる。放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0.02〜0.23が好ましく、0.04〜0.21がより好ましく、0.06〜0.17が最も好ましい。また、放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは0.63〜0.72が好ましく、0.65〜0.71がより好ましい。
まず、リチウム過剰型正極活物質について述べる。組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)において(1+α)/(1−α)で表される遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Me、即ち、(1+α)/(1−α)の値は、放電容量が大きく、高率放電性能が優れた非水電解質電池を得るため、1.25以上が好ましく、1.45以下が好ましい。前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素を構成するCo、Ni及びMn等の元素の比率は、求められる特性に応じて任意に選択することができる。放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0.02〜0.23が好ましく、0.04〜0.21がより好ましく、0.06〜0.17が最も好ましい。また、放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは0.63〜0.72が好ましく、0.65〜0.71がより好ましい。
本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、本質的に、金属元素としてLi、Co、Ni及びMnを含む複合酸化物であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、少量のNa,Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、Fe,Zn等の3d遷移金属に代表される遷移金属など他の金属を含有することを排除するものではない。
本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、2次粒子の粒度分布における累積体積が50%となる粒度であるD50の値は、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、6μm以上が最も好ましい。また、前記D50の値は、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が最も好ましい。
また、本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、窒素ガス吸着法を用いたBET比表面積の値は、15m2/g以下が好ましく、12m2/g以下がより好ましく、9m2/g以下がさらに好ましく、6m2/g以下が最も好ましい。また、BET比表面積の値は、0.1m2/g以上が好ましい。
次に、本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質を製造する方法について説明する。 本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、基本的に、活物質を構成する金属元素(Li,Mn,Co,Ni)を、目的とする活物質(リチウム遷移金属複合酸化物)の組成通りに含有するように原料を調整し、最終的にこの原料を焼成すること、によって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物を作製するための方法として、Li,Co,Ni,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめCo,Ni,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくい。このため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。本発明に係る非水電解質電池用活物質を製造するにあたり、前記「固相法」と前記「共沈法」のいずれを選択するかについては限定されるものではない。しかしながら、「固相法」を選択した場合には、本発明に係る正極活物質を製造することは極めて困難である。「共沈法」を選択する方が元素分布がより均一な活物質を得ることが容易である点で好ましい。
共沈前駆体を作製するにあたって、Co,Ni,MnのうちMnは酸化されやすく、Co,Ni,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Co,Ni,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。特に本発明の組成範囲においては、Mn比率がCo,Ni比率に比べて高いので、水溶液中の溶存酸素を除去することが重要である。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO2)等を用いることができる。なかでも、後述する実施例のように、遷移金属炭酸塩の共沈前駆体(以下、「共沈炭酸塩前駆体」という)を作製する場合には、酸素を含まないガスとして二酸化炭素を採用すると、炭酸塩がより生成しやすい環境が与えられるため、好ましい。
溶液中でCo、Ni及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を製造する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製しようとする場合には、7.5〜11とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。pHを9.4以下とすることにより、タップ密度を1.25g/cc以上とすることができ、高率放電特性を向上させることができる。さらに、pHを8.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
前記共沈前駆体の作製は、MnとNiとCoとが均一に混合された化合物であることが好ましい。本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物の酸素位置パラメータを0.262以下とするために、共沈前駆体を炭酸塩とすることが好ましい。また、錯化剤を用いた晶析反応等を用いることによって、より嵩密度の大きな前駆体を作製することもできる。その際、Li源と混合・焼成することでより高密度の活物質を得ることができるので電極面積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
前記共沈前駆体の作製に用いる原料としては、アルカリ水溶液と沈殿反応を形成するものであればどのような形態のものでも使用することができるが、好ましくは溶解度の高い金属塩を用いるとよい。
前記共沈前駆体の原料は、Mn化合物としては酸化マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を、Ni化合物としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を一例として挙げることができる。
反応晶析法において、アルカリ性を保った反応槽に前記共沈前駆体の原料水溶液を滴下供給して共沈前駆体を得るが、ここで、前記原料水溶液の滴下速度は、生成する共沈前駆体の1粒子内における元素分布の均一性に大きく影響を与える。特にMnは、CoやNiと均一な元素分布を形成しにくいので注意が必要である。好ましい滴下速度については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、10ml/min以下が好ましい。
また、反応槽内に錯化剤が存在し、かつ一定の対流条件を適用した場合、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続けることにより、粒子の自転および攪拌槽内の公転が促進され、この過程で、粒子同士が衝突しつつ、粒子が段階的に同心円球状に形成される。即ち、共沈前駆体は、反応槽内に原料水溶液が滴下された際の金属錯体形成反応、及び、前記金属錯体が反応槽内の滞留中に生じる沈殿形成反応という2段階での反応を経て形成される。従って、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続ける時間を適切に選択することにより、目的とする粒子径を備えた共沈前駆体を得ることができる。
原料水溶液滴下終了後の好ましい攪拌継続時間については、反応槽の大きさ、pH、反応温度等にも影響されるが、攪拌速度等の攪拌条件に特に大きく影響される。このため、前記攪拌継続時間は、それぞれの条件に応じて適宜決定する必要がある。粒子を均一な球状粒子として成長させるため、前記攪拌継続時間は0.5h以上が好ましく、1h以上がより好ましく、3h以上が最も好ましい。また、粒子径が大きくなりすぎることで電池の出力性能が充分でないものとなる虞を低減させるため、概ね60h以下が好ましい。 また、リチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の粒度分布における累積体積が50%となる粒度であるD50を6〜30μmとするための好ましい撹拌継続時間は、制御するpHによって異なる。例えばpHを8.3〜9.0に制御した場合には、撹拌継続時間は1.3〜50hが好ましく、pHを7.6〜8.2に制御した場合には、撹拌継続時間は0.8〜42hが好ましい。
本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、前記共沈前駆体とLi化合物とを混合した後、熱処理することで好適に作製することができる。Li化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム等を用いることで好適に製造することができる。
焼成温度は、活物質の可逆容量に影響を与える。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って分相すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O2型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導くので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って分相すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O2型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導くので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
一方、焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性が低下する傾向がある。本発明においては、焼成温度は少なくとも700℃以上とすることが好ましい。十分に結晶化させることにより、結晶粒界の抵抗を軽減し、円滑なリチウムイオン輸送を促すことができる。
また、発明者らは、本発明活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することで750℃までの温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、それ以上の温度で合成することでほとんどひずみを除去することができることを確認した。また、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本発明活物質の組成においても、系内に格子のひずみがほとんどなく、かつ結晶子サイズが十分成長した粒子を志向することで良好な放電容量を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼすひずみ量が2%以下、かつ結晶子サイズが50nm以上に成長しているような合成温度(焼成温度)を採用することが好ましいことがわかった。これらを電極として成型して充放電をおこなうことで膨張収縮による変化も見られるが、充放電過程においても結晶子サイズは30nm以上を保っていることが得られる効果として好ましい。即ち、焼成温度を上記した活物質の酸素放出温度にできるだけ近付けるように選択することにより、はじめて、可逆容量が顕著に大きい活物質を得ることができる。
上記のように、好ましい焼成温度は、活物質の酸素放出温度により異なるから、一概に焼成温度の好ましい範囲を設定することは難しいが、組成比率Li/Meが1.25〜1.60である場合に放電容量を充分なものとするために、焼成温度を750〜1000℃とすることが好ましく、さらにいえば、組成比率Li/Meが1.5を下回る場合には750〜900℃付近が好ましい。
焼成工程を経て得られるリチウム遷移金属複合酸化物の粒子形状及び粒子径は、焼成前の前駆体の粒子形状及び粒子径がほぼ維持されるが、常温から焼成温度までの昇温速度は、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶粒子の成長程度に影響を与え、細孔径分布の差となって現れる。即ち、昇温速度が大きすぎると、細孔径が小さいものが生成されやすい傾向にあり、高率放電性能に悪影響を与える。この観点から、昇温速度は、200℃/h以下が好ましく、100℃/h以下がより好ましい。
本発明に用いるリチウム過剰型正極活物質は、窒素ガス吸着法を用いたBET比表面積の値は、8m2/g以下が好ましく、4m2/g以下がより好ましく、2m2/g以下が最も好ましい。また、前記BET比表面積の値は、0.2m2/g以上が好ましい。
<LiMeO2型正極活物質>
次に、LiMeO2型正極活物質について述べる。組成式α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.3≦y≦1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物において、前記Mとしては、Co、Mn、Al、Fe、Mg等が挙げられる。具体的には、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.85Aln0.05Co10O2、LiNi0.9Mn0.05Fe0.05O2、LiNiO2等を用いることができる。
次に、LiMeO2型正極活物質について述べる。組成式α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.3≦y≦1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物において、前記Mとしては、Co、Mn、Al、Fe、Mg等が挙げられる。具体的には、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.85Aln0.05Co10O2、LiNi0.9Mn0.05Fe0.05O2、LiNiO2等を用いることができる。
本発明に用いるLiMeO2型正極活物質は、2次粒子の粒度分布における累積体積が50%となる粒度であるD50の値は、0.5μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。また、前記D50の値は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が最も好ましい。
次に、本発明に用いるLiMeO2型正極活物質を製造する場合について、以下、MeがNi,Co及びMnを含有する場合を例に挙げて説明する。基本的に、原料は、上記したリチウム過剰型正極活物質の場合と同様、活物質を構成する金属元素(Li,Ni,Co,Mn)を、目的とする活物質(リチウム遷移金属複合酸化物)の組成通りに含有するように調整し、最終的にこの原料を焼成することによって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物を作製するための方法として、Li,Ni,Co,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめNi,Co,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくい。このため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。本発明に係る非水電解質電池用活物質を製造するにあたり、前記「固相法」と前記「共沈法」のいずれを選択するかについては限定されるものではない。しかしながら、「固相法」を選択した場合には、本発明に係る正極活物質を製造することは極めて困難である。「共沈法」を選択する方が元素分布がより均一な活物質を得ることが容易である点で好ましい。
本発明に係る非水電解質電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li2B10Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2,LiN(C2F5SO2)2,LiN(CF3SO2)(C4F9SO2),LiC(CF3SO2)3,LiC(C2F5SO2)3,(CH3)4NBF4,(CH3)4NBr,(C2H5)4NClO4,(C2H5)4NI,(C3H7)4NBr,(n−C4H9)4NClO4,(n−C4H9)4NI,(C2H5)4N−maleate,(C2H5)4N−benzoate,(C2H5)4N−phthalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF6又はLiBF4と、LiN(C2F5SO2)2のようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より望ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/l〜2.5mol/lである。
負極材料としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを析出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]O4に代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
正極活物質の粉体および負極材料の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
以上、正極及び負極の主要構成成分である正極活物質及び負極材料について詳述したが、前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため望ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、およびその他の材料を混練し合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるものではない。
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため望ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能である。
非水電解質電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池、角型電池、扁平型電池等が一例として挙げられる。
<リチウム過剰型活物質(複合酸化物A)の作製> 硫酸コバルト7水和物14.08g、硫酸ニッケル6水和物21.00g及び硫酸マンガン5水和物65.27gを秤量し、これらの全量をイオン交換水200mlに溶解させ、Co:Ni:Mnのモル比が12.7:19.9:67.4となる2.00Mの硫酸塩水溶液を作製した。一方、2dm3の反応槽に750mlのイオン交換水を注ぎ、CO2ガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中にCO2を溶解させた。反応槽の温度を50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を700rpmの回転速度で攪拌しながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、2.0Mの炭酸ナトリウム及び0.4Mのアンモニアを含有する水溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に7.9(±0.05)を保つように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに36h継続した。攪拌の停止後、12h以上静置した。
次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した共沈炭酸塩の粒子を分離し、さらにイオン交換水を用いて粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、100℃にて乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、共沈炭酸塩前駆体を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体2.304gに、炭酸リチウム0.944gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が134:100である混合粉体を調製した。ペレット成型機を用いて、6MPaの圧力で成型し、直径25mmのペレットとした。ペレット成型に供した混合粉体の量は、想定する最終生成物の質量が2gとなるように換算して決定した。前記ペレット1個を全長約100mmのアルミナ製ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、900℃で10h焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、実施例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。組成分析の結果、Li1.13Co0.11Ni0.16Mn0.60O2という組成を有していた。CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO2型の六方晶構造が主相として確認された。また、窒素吸着法により測定したBET比表面積は5.6m2/gであった。粒度分布測定の結果、D10、D50及びD90の値は、それぞれ、12.4μm、16.7μm及び23.0μmであった。このリチウム遷移金属複合酸化物を複合酸化物Aとする。
<LiMeO2型活物質(複合酸化物B1)の作製>
硝酸コバルト、硝酸ニッケル及び硝酸アルミニウムを、Ni:Co:Alの原子比が82:15:3の割合で含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、大気中110℃で加熱、乾燥して、Ni、Co及びAlを含む共沈前駆体を作製した。前記共沈前駆体に水酸化リチウムを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Al)のモル比が102:100である混合粉体を調製した。これをアルミナ製匣鉢に充填し、電気炉を用いて100℃/hで1000℃まで昇温し、1000℃にて、5時間、大気雰囲気下で焼成することにより、組成式LiNi0.82Co0.15Al0.03O2で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO2型の六方晶構造が主相として確認された。窒素吸着法により測定したBET比表面積は0.44m2/gであった。粒度分布測定の結果、D10、D50及びD90の値は、それぞれ、3.7μm、6.9μm及び14.9μmであった。このリチウム遷移金属複合酸化物を複合酸化物B1とする。
硝酸コバルト、硝酸ニッケル及び硝酸アルミニウムを、Ni:Co:Alの原子比が82:15:3の割合で含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、大気中110℃で加熱、乾燥して、Ni、Co及びAlを含む共沈前駆体を作製した。前記共沈前駆体に水酸化リチウムを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Al)のモル比が102:100である混合粉体を調製した。これをアルミナ製匣鉢に充填し、電気炉を用いて100℃/hで1000℃まで昇温し、1000℃にて、5時間、大気雰囲気下で焼成することにより、組成式LiNi0.82Co0.15Al0.03O2で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO2型の六方晶構造が主相として確認された。窒素吸着法により測定したBET比表面積は0.44m2/gであった。粒度分布測定の結果、D10、D50及びD90の値は、それぞれ、3.7μm、6.9μm及び14.9μmであった。このリチウム遷移金属複合酸化物を複合酸化物B1とする。
<LiMeO2型活物質(複合酸化物B2)の作製>
硝酸コバルト、硝酸ニッケル及び硝酸マンガンを、Co:Ni:Mnの原子比が1:1:1の割合で含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、大気中110℃で加熱、乾燥して、Co、Ni及びMnを含む共沈前駆体を作製した。前記共沈前駆体に水酸化リチウムを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が102:100である混合粉体を調製した。これをアルミナ製匣鉢に充填し、電気炉を用いて100℃/hで1000℃まで昇温し、1000℃にて、5時間、大気雰囲気下で焼成することにより、組成式LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO2型の六方晶構造が主相として確認された。窒素吸着法により測定したBET比表面積は1.4m2/gであった。粒度分布測定の結果、D10、D50及びD90の値は、それぞれ、4.2μm、5.6μm及び7.5μmであった。このリチウム遷移金属複合酸化物を複合酸化物B2とする。
硝酸コバルト、硝酸ニッケル及び硝酸マンガンを、Co:Ni:Mnの原子比が1:1:1の割合で含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、大気中110℃で加熱、乾燥して、Co、Ni及びMnを含む共沈前駆体を作製した。前記共沈前駆体に水酸化リチウムを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が102:100である混合粉体を調製した。これをアルミナ製匣鉢に充填し、電気炉を用いて100℃/hで1000℃まで昇温し、1000℃にて、5時間、大気雰囲気下で焼成することにより、組成式LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO2型の六方晶構造が主相として確認された。窒素吸着法により測定したBET比表面積は1.4m2/gであった。粒度分布測定の結果、D10、D50及びD90の値は、それぞれ、4.2μm、5.6μm及び7.5μmであった。このリチウム遷移金属複合酸化物を複合酸化物B2とする。
<粒度分布測定>
なお、本明細書において、粒度分布測定は、次の条件及び手順に沿って行った。測定装置には日機装社製Microtrac(型番:MT3000)を用いた。前記測定装置は、光学台、試料供給部及び制御ソフトを搭載したコンピュータからなり、光学台にはレーザー光透過窓を備えた湿式セルが設置される。測定原理は、測定対象試料が分散溶媒中に分散している分散液が循環している湿式セルにレーザー光を照射し、測定試料からの散乱光分布を粒度分布に変換する方式である。前記分散液は試料供給部に蓄えられ、ポンプによって湿式セルに循環供給される。前記試料供給部は、常に超音波振動が加えられている。分散溶媒として水を用いた。測定制御ソフトにはMicrotrac DHS for Win98(MT3000)を用いた。前記測定装置に設定入力する「物質情報」については、溶媒の「屈折率」として1.33を設定し、「透明度」として「透過(TRANSPARENT)」を選択し、「球形粒子」として「非球形」を選択した。試料の測定に先立ち、「Set Zero」操作を行う。「Set Zero」操作は、粒子からの散乱光以外の外乱要素(ガラス、ガラス壁面の汚れ、ガラス凸凹など)が後の測定に与える影響を差し引くための操作であり、試料供給部に分散溶媒である水のみを入れ、湿式セルに分散溶媒である水のみが循環している状態でバックグラウンド測定を行い、バックグラウンドデータをコンピュータに記憶させる。続いて「Sample LD(Sample Loading)」操作を行う。Sample LD操作は、測定時に湿式セルに循環供給される分散液中の試料濃度を最適化するための操作であり、測定制御ソフトの指示に従って試料供給部に測定対象試料を手動で最適量に達するまで投入する操作である。続いて、「測定」ボタンを押すことで測定操作が行われる。前記測定操作を2回繰り返し、その平均値として測定結果が制御コンピュータから出力される。測定結果は、粒度分布ヒストグラム、並びに、D10、D50及びD90の各値(D10、D50及びD90は、2次粒子の粒度分布における累積体積がそれぞれ10%、50%及び90%となる粒度)として取得される。
なお、本明細書において、粒度分布測定は、次の条件及び手順に沿って行った。測定装置には日機装社製Microtrac(型番:MT3000)を用いた。前記測定装置は、光学台、試料供給部及び制御ソフトを搭載したコンピュータからなり、光学台にはレーザー光透過窓を備えた湿式セルが設置される。測定原理は、測定対象試料が分散溶媒中に分散している分散液が循環している湿式セルにレーザー光を照射し、測定試料からの散乱光分布を粒度分布に変換する方式である。前記分散液は試料供給部に蓄えられ、ポンプによって湿式セルに循環供給される。前記試料供給部は、常に超音波振動が加えられている。分散溶媒として水を用いた。測定制御ソフトにはMicrotrac DHS for Win98(MT3000)を用いた。前記測定装置に設定入力する「物質情報」については、溶媒の「屈折率」として1.33を設定し、「透明度」として「透過(TRANSPARENT)」を選択し、「球形粒子」として「非球形」を選択した。試料の測定に先立ち、「Set Zero」操作を行う。「Set Zero」操作は、粒子からの散乱光以外の外乱要素(ガラス、ガラス壁面の汚れ、ガラス凸凹など)が後の測定に与える影響を差し引くための操作であり、試料供給部に分散溶媒である水のみを入れ、湿式セルに分散溶媒である水のみが循環している状態でバックグラウンド測定を行い、バックグラウンドデータをコンピュータに記憶させる。続いて「Sample LD(Sample Loading)」操作を行う。Sample LD操作は、測定時に湿式セルに循環供給される分散液中の試料濃度を最適化するための操作であり、測定制御ソフトの指示に従って試料供給部に測定対象試料を手動で最適量に達するまで投入する操作である。続いて、「測定」ボタンを押すことで測定操作が行われる。前記測定操作を2回繰り返し、その平均値として測定結果が制御コンピュータから出力される。測定結果は、粒度分布ヒストグラム、並びに、D10、D50及びD90の各値(D10、D50及びD90は、2次粒子の粒度分布における累積体積がそれぞれ10%、50%及び90%となる粒度)として取得される。
<正極活物質及び正極ペースト>
表1及び表2に試験例1〜21として示す質量比率に従って上記複合酸化物を単独で、又は、2種混合してそれぞれの試験例に係る正極活物質とした。全ての試験例において、正極ペーストは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を分散溶媒とし、前記正極活物質、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、及び、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を90:4:6(固形物換算)の質量比で含有している。正極ペースト中の固形分比率は55質量%である。
表1及び表2に試験例1〜21として示す質量比率に従って上記複合酸化物を単独で、又は、2種混合してそれぞれの試験例に係る正極活物質とした。全ての試験例において、正極ペーストは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を分散溶媒とし、前記正極活物質、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、及び、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を90:4:6(固形物換算)の質量比で含有している。正極ペースト中の固形分比率は55質量%である。
<ペースト保存試験>
試験例1〜21に係る正極ペーストについて、保存試験を行った。正極ペーストは露点−30℃以下に保たれたドライルームにて作製し、作製後の正極ペーストを、ポリエチレン製の保存容器に10ml採取し蓋を閉めた状態で、温度25℃の実験室中に最大3週間静置し、目視により、不可逆な粘度上昇が生じているか否かを判定した。
試験例1〜21に係る正極ペーストについて、保存試験を行った。正極ペーストは露点−30℃以下に保たれたドライルームにて作製し、作製後の正極ペーストを、ポリエチレン製の保存容器に10ml採取し蓋を閉めた状態で、温度25℃の実験室中に最大3週間静置し、目視により、不可逆な粘度上昇が生じているか否かを判定した。
その結果、試験例12及び試験例21に係る正極ペーストは、1週間経過後、全体が半流動体化している様子が観察され、不可逆な粘度上昇が生じていることがわかった。これに対し、試験例1〜11及び試験例13〜20に係る正極ペーストは、3週間経過後も不可逆な粘度上昇が観察されなかった。以上の結果から、正極活物質として複合酸化物Aが5質量%以上混合されている正極活物質を用いることにより、不可逆な粘度上昇が抑制され、経時安定性に優れる正極ペーストを提供できることがわかった。
上記保存試験中、不可逆な粘度上昇が観察されなかった正極ペーストについては、それぞれピペットで1mlずつ採取し、ガラス平板上に吐出し、10分後の様子を目視観察した。その結果、1週間経過後の時点で、試験例1〜8及び試験例13〜19に係る正極ペーストは吐出時の状態から外観上の変化が認められなかったのに対し、試験例9〜11及び試験例20に係る正極ペーストは、吐出した場所から、極めて低粘度の黒色液状物が分離して流出している様子、即ち、層分離が観察された。層分離の程度は、試験例20よりも試験例9〜11の方が大きかった。さらに、3週間経過後の時点では、試験例1〜6及び試験例13〜17に係る正極ペーストは吐出時の状態から外観上の変化が認められなかったのに対し、試験例7、8及び試験例18、19に係る正極ペーストについても、層分離が観察された。以上の結果から、正極活物質として複合酸化物B1を用いる場合には、複合酸化物Aを50質量%以上、より好ましく60質量%以上、さらに好ましく70質量%以上混合することにより、経時安定性が高度に優れる正極ペーストを提供できることがわかった。また、正極活物質として複合酸化物B2を用いる場合には、複合酸化物Aを15質量%以上、より好ましく30質量%以上、さらに好ましく50質量%以上混合することにより、経時安定性が高度に優れた正極ペーストを提供できることがわかった。
正極ペーストを作製後、保存中に不可逆な粘度上昇が観察されるという経時安定性の問題は、試験例12や試験例21の結果にみられるように、概してLiMeO2型正極活物質の組成にかかわらず認められる。不可逆な粘度上昇が生じる原因としては必ずしも明らかではないが、正極ペーストが含有している結着剤が変性することによるものであろうと発明者らは推察している。また、正極活物質のアルカリ度、即ち、正極活物質を水中に投入し撹拌したときの上澄み液のpHの値が高いほど、正極ペーストの経時安定性が劣る傾向があることを本発明者らは経験的に知得している。なかでも、Ni元素の含有量が多いほど、経時安定性が劣る傾向があることもまた本発明者らは経験的に知得している。これは、Ni元素の含有量が多いほど、LiMeO2型正極活物質中に水に溶出するLiが多く含まれる傾向があることと関連していると考えられる。即ち、LiMeO2型正極活物質をLixNiyM1−yO2と表したとき、yの値が0.3、0.5、0.8、1と大きくなればなるほど、これを含有する正極ペーストは、経時安定性に劣るという問題を孕んでいる。
これに対して、上記実施例の結果からわかるように、リチウム過剰型活物質を少量混合するだけで、正極ペーストの経時安定性が劇的に改善されることについては発明者も予測がつかなかった。Liが多く含まれるという点からいえば、リチウム過剰型活物質はLiMeO2型正極活物質よりも明らかに多くのLiを含むからである。上記実施例の結果を踏まえ、リチウム過剰型活物質に含まれるLiは、LiMeO2型正極活物質に含まれるLiとは性質が大きく異なるものと発明者らは推察している。
以上説明したように、本発明によれば、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.3≦y≦1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物に対して、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を5質量%以上混合して用いることにより、正極ペーストの不可逆な粘度上昇が抑制され、経時安定性が優れた正極ペーストとすることができる正極活物質を提供できる。
なかでも、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物の混合比率を15質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上と増やすことにより、正極ペーストの層分離が抑制され、経時安定性が高度に優れた正極ペーストを提供できる。
<非水電解質電池の作製>
試験例1〜8及び試験例13〜16に係る正極ペーストをそれぞれ用いて、次の処方により、非水電解質電池を作製した。アルミ端子を取り付けたアルミニウムメッシュ集電体上の両面に正極ペーストを塗布し、80℃でNMPを除去した後、塗布部分同士を二重に重ね、塗布部分の投影面積が半分になるように折り曲げ、折り曲げた後の厚みが400μm以下になるようにプレス加工を行った。折り曲げた後の活物質の塗布面積は2.25cm2、塗布質量は0.07gであった。最終的に80℃で14時間以上の減圧乾燥を行い、極板中の水分を除去した。これを正極とした。
試験例1〜8及び試験例13〜16に係る正極ペーストをそれぞれ用いて、次の処方により、非水電解質電池を作製した。アルミ端子を取り付けたアルミニウムメッシュ集電体上の両面に正極ペーストを塗布し、80℃でNMPを除去した後、塗布部分同士を二重に重ね、塗布部分の投影面積が半分になるように折り曲げ、折り曲げた後の厚みが400μm以下になるようにプレス加工を行った。折り曲げた後の活物質の塗布面積は2.25cm2、塗布質量は0.07gであった。最終的に80℃で14時間以上の減圧乾燥を行い、極板中の水分を除去した。これを正極とした。
ステンレス鋼(品名:SUS316)製の端子を取り付けたステンレス鋼(品名:SUS316)製のメッシュ集電体の両面に、厚さ300μmのリチウム金属箔を貼り合わせてプレス加工したものを負極とした。
リチウム金属片をステンレス鋼(品名:SUS316)製の集電棒の先端に貼り付けたものを参照極とした。
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比6:7:7の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1.0mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
露点−40℃以下のArボックス中においてガラス製のリチウムイオン電池を組み立てた。予め容器の蓋部分に導線部を固定した金メッキクリップに正極と負極と参照極とを各1枚ずつ挟んだ後、正・負極が対向するように固定した。参照極は負極から見て正極の裏側となる位置に固定した。次に、一定量の電解液を入れたポリプロピレン製カップをガラス容器内に設置し、そこに正極、負極及び参照極が浸かるように蓋をすることで非水電解質電池を組み立てた。
<初期充放電工程>
以下の説明において、充放電時の電圧制御は、参照極に対する正極電位に対して行った。また、電流密度は正極板の面積(両面)に対するものである。組み立てた非水電解質電池は、温度25℃において、1サイクルの初期充放電工程に供した。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.6V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度1mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。該初期充放電工程を経て、非水電解質電池を作成した。
以下の説明において、充放電時の電圧制御は、参照極に対する正極電位に対して行った。また、電流密度は正極板の面積(両面)に対するものである。組み立てた非水電解質電池は、温度25℃において、1サイクルの初期充放電工程に供した。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.6V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度1mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。該初期充放電工程を経て、非水電解質電池を作成した。
<放電性能評価試験>
初期充放電工程を経て作製した上記実施例及び比較例に係る非水電解質電池について、温度25℃において、低率放電性能試験を行った。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.3V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度1mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。引き続いて、温度25℃において、高率放電性能試験を行った。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.3V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度2mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。
初期充放電工程を経て作製した上記実施例及び比較例に係る非水電解質電池について、温度25℃において、低率放電性能試験を行った。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.3V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度1mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。引き続いて、温度25℃において、高率放電性能試験を行った。充電条件は、電流密度1mA/cm2、上限電圧4.3V、終止電流密度0.2mA/cm2とした定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流密度2mA/cm2、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。
図1に、一例として、正極活物質としてリチウム過剰型活物質である複合酸化物Aを単独で用いた試験例1、正極活物質としてリチウム過剰型活物質である複合酸化物AとLiMeO2型正極活物質であるLiNi82Co15Al3O2で表される複合酸化物B1とを60:40の質量比率で混合して用いた試験例7、及び、正極活物質としてリチウム過剰型活物質である複合酸化物AとLiMeO2型正極活物質であるLiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2で表される複合酸化物B2とを60:40の質量比率で混合して用いた試験例16に係る非水電解質電池をそれぞれ2mA/cm2の電流密度で高率放電したときの放電カーブ挙動を示す。図1からわかるように、放電初期から放電中期にかけての挙動はほぼ同様であるが、放電中期から放電末期にかけての低SOC領域における電位が、試験例7では試験例1に比べて大幅に引き上げられていることがわかる。そこで、低SOC領域における電位挙動を比較評価するために、それぞれの試験例に係る非水電解質電池について、低率放電(1mA/cm2)及び高率放電(2mA/cm2)を行った場合の正極活物質質量あたりのエネルギー密度(Wh/kg)を求め、試験例1に対する向上率(%)として表3及び表4に示した。なお、−(マイナス)の符号は、試験例1に対してエネルギー密度(Wh/kg)が低下したことを示す。
表3から、正極活物質として複合酸化物Aを単独で用いた試験例1に係る非水電解質電池に比べて、正極活物質として複合酸化物B1を5質量%以上混合して用いた試験例2〜8に係る非水電解質電池では、低SOC領域における放電電位が引き上げられ、エネルギー密度(Wh/kg)が向上していることがわかる。なお、表3には、正極活物質として複合酸化物B1を70質量%以上混合した場合についてエネルギー密度(Wh/kg)の値を掲載していないが、複合酸化物B1を5質量%混合した試験例2において既に上記効果が奏されていることから、試験例9〜11においても当然に上記効果が奏されることは自明である。一方、表4から、正極活物質として複合酸化物Aと複合酸化物B2を混合して用いた場合、一部の混合比率及び試験条件を採用した場合を除いて、エネルギー密度の向上がみられなかった。
また、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.3≦y≦1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物のyの値を0.8以上とすることにより、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)
で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が備える、低SOC領域の放電電位が低いという問題を解決でき、エネルギー密度が高い非水電解質電池用正極活物質を提供できる。
で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が備える、低SOC領域の放電電位が低いという問題を解決でき、エネルギー密度が高い非水電解質電池用正極活物質を提供できる。
Claims (4)
- α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物と、α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式LixNiyM1−yO2(x=1.0±0.2、0.5≦y<1、MはLi、Ni以外の金属)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とを60:40〜5:95の質量比率で含有する非水電解質電池用正極活物質と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン二元共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル二元共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン二元共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン三元共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/クロロフルオロプロピレン二元共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン二元共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン三元共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロメチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン三元共重合体及びフッ素ゴムからなる群から選択される1種又は2種以上の結着剤と、分散溶媒とを含む正極ペースト。
- 前記α−NaFeO2型結晶構造を有し組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む金属元素、α>0)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物は、(1+α)/(1−α)の値が1.25以上であり、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.63〜0.72である請求項1に記載の正極ペースト。
- 請求項1又は2に記載の正極ペーストを用いて作製する、非水電解質電池用正極の製造方法。
- 請求項3に記載の非水電解質電池用正極の製造方法を用いる、非水電解質電池の製造方法。
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