JP2017083560A - 積層体および光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成するのに際して、基板表面に斑点状に分布する反転不良部分を抑制する。
【解決手段】積層体は、強誘電性結晶基板1、および基板1の表面1aに形成されている絶縁膜2Aを備えている。絶縁膜2Aにホウ素が含有されている。これによって、基板に周期分極反転構造7を形成したときに、斑点状の分極反転不良部分を抑制できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧印加法による周期分極反転構造の製造に関するものである。
強誘電体非線型光学材料に周期状の分極反転構造を形成する手法としては、いわゆる電圧印加法が知られている。この方法では、強誘電性結晶の基板の一方の主面に櫛形電極を形成し、他方の主面に一様電極を形成し、両者の間にパルス電圧を印加する。
第2高調波発生デバイスにおいて高い変換効率を得るためには、強誘電性単結晶内に深い分極反転構造を形成する必要がある。特許文献1では、櫛形電極および一様電極を形成したニオブ酸リチウム基板を、別体のニオブ酸リチウム基板と積層一体化し、絶縁油内に浸漬して電圧を印加することが記載されている。
また、特許文献2、3記載の方法では、ニオブ酸リチウムのZカット基板の表面に絶縁膜を設け、絶縁膜にストライプ状の細長い隙間を設けた上で、絶縁膜および隙間を被覆するように導電膜を設けている。そして、この導電膜にパルス電圧を印加することによって、基板に周期分極反転構造を形成している。
特開2005−070192 特開2014−153555 特許第4642065
本発明者は、特許文献2、3記載のように、強誘電性結晶基板の第一の主面側に多数列の絶縁膜を形成し、隣接する絶縁膜の隙間に導電材料からなる電極片部を形成した。また、強誘電性結晶基板の第二の主面には一様電極を形成し、電極片部と一様電極との間に電圧を印加することで,電極片部の周期に対応する周期を有する周期分極反転構造を形成していた。
しかし、周期分極反転構造を形成してみると、例えば図6に示すように、斑点状に反転不良部分が生ずることがあった。こうした反転不良部分は表面にランダムに分布しており、制御が難しかった。
本発明の課題は、強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成するのに際して、基板表面に斑点状に分布する反転不良部分を抑制することである。
本発明は、強誘電性結晶基板、および前記強誘電性結晶基板の表面に形成されている絶縁膜を備えている積層体であって、
前記絶縁膜にホウ素が含有されていることを特徴とする。
また、本発明に係る光学素子の製法は、強誘電性結晶基板の一方の主面に複数列の絶縁膜を形成し、この際隣り合う前記絶縁膜間に隙間が設けられており、かつ前記絶縁膜にホウ素がドープされている工程;
前記絶縁膜間の前記隙間および前記絶縁膜を被覆するように導電膜を設け、この導電膜が、前記絶縁膜を被覆する絶縁膜被覆部と、前記隙間を被覆する電極片部とを備える工程;
前記強誘電性結晶基板の他方の主面に一様電極を設ける工程;および
前記導電膜と前記一様電極との間に電圧を印加することによって前記強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成する工程
を有することを特徴とする。
上記した斑点状の斑点不良部分の原因を探索するべく、本発明者は、強誘電性結晶基板上に絶縁膜を形成する工程について検討してみた。この場合には、例えば酸化珪素の薄膜を、スパッタリングやイオンアシスト蒸着法などによって形成し、積層体を得る。
ここで、本発明者は、絶縁膜を形成した後の積層体の表面をエッチング処理に供して絶縁膜を除去し、更に強誘電性結晶基板の表面をも浅くエッチングし、表面状態を観察してみた。
すると、図4、図5に示すように、大きさ数μmの斑点状の凹みがランダムに多数生成していることがわかった。これらの凹みは、単結晶が局所的に分極反転していたために、エッチングレートが周囲と異なっていることから生じたと考えられる。したがって、基板表面には、斑点状の分極反転不良部分が分布しているものと考えられる。こうした斑点状の反転不良部分は、おそらく、強誘電性結晶基板にプラズマが照射されたり、成膜時の熱の影響により生成したりしたものと考えられる。こうした反転不良部分が基板の表面に分布していると、次に周期状の分極反転を形成する際に、反転部間が横に連結し、図6に示すような反転不良部分となる。
本発明者は、こうした知見に立脚し、強誘電性結晶基板上に絶縁膜を設けるときの基板表面の斑点状の分極反転部分を抑制する方法を探索した。その過程で、絶縁膜材料中に単体のホウ素を添加すると、絶縁膜を設けるときの基板表面の斑点状の分極反転部分が抑制されることを発見した(図7参照)。そして、こうした基板上に更に導電膜を形成して電圧印加法で周期分極反転構造を形成したところ、図8に示すように、周期分極反転の不良が抑制されることを見いだし、本発明に到達した。
(a)は、強誘電性結晶基板1上にパターニングされた絶縁膜2Aおよびパターニングされていない絶縁膜2Bを形成した状態を模式的に示し、(b)は、更に導電膜3A(電極片部4)および一様電極3Bを形成した状態を示し、(c)は、図1(b)の膜構成に電圧印加している状態を示す模式図である。 波長変換素子14Aの一例を示す斜視図である。 図2の素子14Aの要部を示す模式的断面図である。 強誘電性結晶基板表面の斑点状の分極反転不良部分を示す写真である。 基板表面の斑点状の分極反転不良部分を示す写真(拡大写真)である。 比較例における周期分極反転構造を示し、反転不良部分を輪郭線で包囲した。 本発明例において、基板表面の状態を示すものであり、斑点状の分極反転不良部分が見られない(黒点は顕微鏡の位置合わせ用の目印である)。 本発明例における周期分極反転構造を示し、反転不良部分が特に見られない。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、図1に示すように、強誘電性結晶基板1の第一の主面1aに、一様な絶縁膜を形成し、次いで絶縁膜をパターニングすることで、多数列の細長い絶縁膜2Aを形成する。基板1の第二の主面1b上には、全面にわたって絶縁膜2Bを形成する。絶縁膜2Aにはパターニングを施し、隣り合う絶縁膜2A間にそれぞれ隙間を形成する。本例では、強誘電性結晶基板1は、Zカット基板またはオフカットZカット基板からなる。
周期分極反転構造を形成するべき基板を構成する強誘電性結晶の種類は、限定されない。しかし、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KLiNb15、LaGaSiO14を例示できる。強誘電性結晶は単結晶であることが特に好ましい。
強誘電性結晶中には、光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させることができ、マグネシウムが特に好ましい。
強誘電性結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。この希土類元素は、レーザ発振用の添加元素として作用する。この希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
強誘電性結晶基板としては、Zカット基板、オフカットZカット基板を使用することが好ましい。しかし、強誘電性結晶基板は、Xカット基板、オフカットXカット基板、Yカット基板、オフカットYカット基板であって良い。これらのオフカット角度は、10°以下が好ましく、5°以下が更に好ましい。
絶縁膜2A、2Bの材質は限定されないが、酸化珪素(SiO)や五酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)のような酸化物、窒化珪素のような窒化物であってよい。また、分極反転後に薬液でエッチング除去しやすい酸化珪素が更に好ましい。
本実施形態では、少なくとも電極片部を設ける側の絶縁膜2A中に単体のホウ素をドープする。絶縁膜2Bに単体のホウ素をドープすることもできる。これによって、前述したように、基板表面における斑点状の分極反転不良を抑制し、周期分極反転構造の不良を抑制できる。
絶縁膜中に単体のホウ素をドープするには、絶縁膜を形成するときの原料ガスにホウ素を添加してもよく、あるいは絶縁膜を形成しているときの雰囲気中にホウ素含有ガスを更に供給してもよい。あるいは、絶縁膜を形成するときのターゲット中にホウ素をドープしていてもよい。
例えば、強誘電性結晶基板上に酸化珪素を成膜する際には、ホウ素をドープしたSiターゲットを使用し、酸素ガスとアルゴンガスを成膜ガスとして反応性スパッタリングを行うことができる。また、また、強誘電性結晶基板上に酸化珪素を成膜する際には、ホウ素をドープした酸化珪素原料を使用し、イオンアシスト法による蒸着(IAD)を行うことができる。
原料中へのホウ素のドープ量については、特に珪素原料及び酸化珪素原料の抵抗を下げるという観点からは、2wt%以下が好ましい。また、ホウ素添加によって、スパッタリングターゲットのような原料の体積抵抗率を10Ω・cm以下とすることが好ましい。
絶縁膜の成膜方法としては、以下が好ましい。例えば、ホウ素をドープした珪素ターゲットを使用し、酸素ガスとアルゴンガスを成膜ガスとしてDC(直流電圧)又はAC(交流電圧)を印加して、反応性スパッタリングによりホウ素ドープ酸化珪素膜を作製できる。こうした酸化珪素膜は、パターン形成し易いので、更に好ましい。
パターニングされた絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、500オングストローム以上、4000オングストローム以下が好ましい。絶縁膜の厚さが小さい場合は、絶縁性が低くなり、分極反転が形成されにくい。絶縁膜が厚すぎる場合は、パターニング精度が悪くなる。
第二の主面側の絶縁膜1bの厚さは、3000
オングストローム以下が好ましく、2000オングストローム以下が最も好ましい。また、100 オングストローム以上が好ましく、1000オングストローム以上が更に好ましい。
絶縁膜をパターニングして隙間を形成する方法は特に限定されない。例えば、絶縁膜上にフォトレジストをスピンコーティングし、マスク露光、現像を経て、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、エッチング処理を行うことで、隙間を形成できる。エッチング処理はウェットエッチングでも、ドライエッチングでもよいが、理想的には基板表面にダメージを与えにくいウェットエッチングの方が好適である。
次いで、図1(b)に示すように、複数列の絶縁膜2Aの上に導電膜3Aを形成する。この導電膜3Aは、絶縁膜2Aを被覆する絶縁膜被覆部20と、主面1aを直接被覆する電極片部4を含む。したがって、複数列の細長い電極片部4が多数配列されると共に、隣接する電極部4間には絶縁膜2Aが介在することになる。
基板1の第二の主面1b側では、絶縁膜2B上に一様電極3Bを形成する。
導電膜、一様電極の材質は限定されないが、Al、Au、Ag、Cr、Cu、Ni、Ni-Cr 、Pd、Ta 、Mo、W、Ta、AuCrの積層膜などが好ましい。
導電膜、一様電極の形成方法は特に限定されず、蒸着法でもよく、スパッタリング法でもよい。電極の膜厚は、例えば500〜3000オングストロームとすることができる。
次いで、電圧印加法によって電極片部と一様電極との間に電圧を印加し、基板に周期分極反転構造を形成する。好ましくは、図1(c)に示すように、導電膜ないし電極片部を電源6に接続すると共に、一様電極3Bと電源との間にコンデンサを介在させる。このコンデンサは、回路部品であって良い。
あるいは、コンデンサは、両方の主面に電極33A、33Bの形成された誘電体基板5であってもよい。
この場合には、一様電極3Bと誘電体基板5上の第一の電極33Aとを電気的に導通させ、好ましくは強誘電性結晶基板1の温度が誘電体基板5の温度よりも高い状態で、誘電体基板上の第二の電極33Bと導電膜3Aの間に電圧を印加することによって、周期分極反転部を形成する。
誘電体基板は、絶縁性液体中に浸漬することもできる。また、強誘電体結晶基板と誘電体基板とを別の容器内の絶縁性液体中に浸漬することもできる。
本実施形態においては、電圧印加時における強誘電性結晶基板の温度は、分極反転構造の形成促進という観点からは、80°C以上が好ましく、140°C以上がさらに好ましい。また、電圧印加時における強誘電性結晶基板の温度は、強誘電性結晶基板の割れや焦電防止という観点からは、250°C以下が好ましく、200°C以下がさらに好ましい。
また、電圧印加時における誘電体基板の温度は、基板の割れや焦電防止という観点から、130°C以下が好ましく、80°C以下がさらに好ましい。この下限は特になく、室温であってもよい。
前記観点からは、電圧印加時における強誘電性結晶基板の温度と誘電体基板の温度との温度差は、60°C以上が好ましく、100°C以上がさらに好ましい。
強誘電性結晶基板、誘電体基板は、雰囲気中に設置することができるが、絶縁性液体中に浸漬することが好ましい。この場合には、各絶縁性液体の温度に温度差を設ける。この絶縁性液体としては、絶縁オイル(例えばシリコンオイル)、フッ素系不活性液体を例示できる。
誘電体基板5の材質は、絶縁性が高く、材質内の体積抵抗率が均一で、所定の構造強度を有していることが必要である。この材質としては、シリコン、サファイア、水晶、ガラスを例示できる。また、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KLiNb15のような強誘電性単結晶が特に好ましい。
電圧印加方法は特に限定されない。例えば不活性雰囲気中に基板を設置して電圧を印加してもよく、絶縁体液体中に基板を設置して電圧を印加してもよい。電圧を印加する際、電圧印加プローブピンを用いる場合、ピンの電極に対する接触位置は、真ん中である方が望ましい。
電圧はパルス電圧であることが好ましく、直流バイアス電圧を更に印加してもよい。パルス電圧の好ましい条件は以下のとおりである。
パルス電圧:2.0kV〜8.0kV(/mm)
パルス幅:0.1ms〜10ms
直流バイアス電圧:1.0kV〜5.0kV(/mm)
次いで、導電膜3Aおよび一様電極3Bを除去し、次いで絶縁膜2A、2Bを除去することで、周期分極反転構造7の形成された基板1を得る。周期分極反転構造7は、光の進行方向に向かって交互に多数配列された分極反転部7aと非反転部7bとからなる。
本発明の素子は、第二高調波発生素子等の高調波発生素子に適用できる。第二高調波発生素子として使用した場合には、高調波の波長は330−1600nmが好ましい。
図2、図3は、波長変換素子のより詳細な構成の一例を示すものである。
強誘電性結晶基板1Aには、一対の細長い溝15を設ける。溝15は互いに平行であり、これらの溝によってリッジ部16が形成されている。リッジ部16および溝15によってチャンネル型光導波路20が形成されている。各溝15の各外側には延在部17が形成されている。また、基板1Aの例えば全体に、前述のように周期分極反転構造7Aが形成されている。
チャンネル型光導波路20内では、光の伝搬方向に対して垂直なZ方向に向かって分極しており、分極方向が周期的に反転している。この結果、光導波路20の入射面から入射した基本波は、光導波路20内で波長変換を受け、高調波が出射面から出射する。
強誘電性結晶基板1Aの第二の主面1b側にはアンダークラッド11Bが形成されており、第一の主面1aにはオーバークラッド11Aが形成されている。基板1Aの第二の主面は、アンダークラッド11B、下側接着層12Bを介して支持基板9に対して接着されている。基板1Aの第一の主面は、オーバークラッド11Aを介して上側接着層12Aによって上側基板13に対して接着されている。下地接着層12Bはほぼ平坦な第二の主面に沿って形成されている。上側接着層12Aは、リッジ溝15内にも充填されており、溝充填部を形成している。これによって素子14Aが形成される。
基板に形成されるチャンネル型光導波路は限定されず、リッジ形光導波路や、拡散形光導波路であってよい。拡散形光導波路は、金属拡散(例えばチタン拡散)やプロトン交換によって形成できる。
(実施例1)
強誘電性結晶基板1として、MgO添加のLiNbO3のZカット基板を使用した。基板1の+z面(第一の主面)1aに、絶縁膜としてSiO膜を成膜した。具体的には、Siターゲットを使用し、反応性スパッタ装置にて、酸素ガスとアルゴンガスとの混合雰囲気中で、SiO膜を厚さ0.2μm成膜した。ただし、Siターゲットは、体積抵抗率が10Ω・cm以下となるようにホウ素をドープしてあるものを使用した。
次いで、BHF薬液によるウェットエッチング法によって酸化珪素膜を除去し、フッ硝酸薬液にて基板1の表面1aを深さ約0.1μmエッチングした。そして、エッチング後の基板表面を光学顕微鏡で観察した。この結果、図7に示すように、エッチング後の基板表面には、斑点状の反転不良部分は観察されなかった。なお、黒点は顕微鏡の位置合わせ用の目印である。
(実施例2)
図1を参照しつつ説明した前記方法に従い、周期分極反転構造を有する波長変換素子を作製した。
具体的には、基板1としては、MgO添加のLiNbO3のZカット基板を使用した。基板1の+z面(第一の主面)1aに、絶縁膜としてSiO膜を成膜した。具体的には、Siターゲットを使用し、反応性スパッタ装置にて、酸素ガスとアルゴンガスとの混合雰囲気中で、SiO膜を厚さ0.2μm成膜した。Siターゲットには、実施例1と同じ単体のホウ素をドープしたSiターゲットを使用した。また、これと同様にして、基板の−z面(第二の主面)1b上に絶縁膜2BとしてSiO膜を成膜した。各絶縁膜の膜厚は約2000オングストロームとした。
次いで、表面1a上の絶縁膜にフォトレジストをスピンコーティングし、マスク露光、現像を経て、周期約7μmのレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクにして、BHF薬液を用いてウェットエッチング処理を行うことで、図1(a)に示すようなパターニングされた絶縁膜2Aを形成した。
続いて、スパッタリング法によって、導電膜3Aおよび3Bを成膜した。これらの膜厚は2000オングストロームとし、材質はモリブデンとした。
このように作製した基板1を絶縁オイル内に浸漬し、150℃でパルス電圧を印加した。電圧印加条件としては、約2.6kV/mmに設定し、1msec幅の矩形パルスを印加した。
また、誘電体基板5としては、ノンドープLiNbO3のZカット基板を使用した。誘電体基板5の+z面および−z面に、それぞれ、電極33A、33Bとして、スパッタリング法によってモリブデン膜を形成した。各導電膜の膜厚は1000オングストロームとした。
電圧印加後、分極反転が形成されているかを確認するため、弗硝酸混合液(弗酸:硝酸=1:2)でウェットエッチングした。この結果、周期約7μmに対応した周期状分極反転構造が確認された。図8に示すように、周期分極反転構造には反転不良部分は見られなかった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、基板1の表面1aに酸化珪素膜を形成し、次いで酸化珪素膜を除去し、基板表面をエッチングした。ただし、本例においては、酸化珪素膜を形成する際のSiターゲットにホウ素をドープしなかった。
この結果、図4(倍率50倍)、図5(倍率500倍)に示すように、基板表面の全体にわたって、斑点状の分極反転不良部分が分布していた。
(比較例2)
実施例2と同様にして、基板1に周期分極反転構造を形成した。次いで、基板表面をウエットエッチングし、表面状態を観察した。ただし、本例においては、酸化珪素膜を形成する際のSiターゲットにホウ素をドープしなかった。
この結果、図6に示すように、周期分極反転構造中に分極反転不良部分が分布していた。これは、図4、図5に示したような、斑点状に分布する反転不良部分を起点として、反転不良部分がつながるためと思われる。

Claims (8)

  1. 強誘電性結晶基板、および前記強誘電性結晶基板の表面に形成されている絶縁膜を備えている積層体であって、
    前記絶縁膜にホウ素が含有されていることを特徴とする、積層体。
  2. 前記絶縁膜が、体積抵抗率が10Ω・cm以下である酸化物膜、窒化物膜または酸化物と窒化物との混合膜からなることを特徴とする、請求項1記載の積層体。
  3. 前記強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成するための積層体であることを特徴とする、請求項1または2記載の積層体。
  4. 前記強誘電性結晶基板が、Zカット基板またはオフカット角度10°以下のオフカットZカット基板であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の積層体。
  5. 強誘電性結晶基板の一方の主面に複数列の絶縁膜を形成し、この際隣り合う前記絶縁膜間に隙間が設けられており、かつ前記絶縁膜にホウ素がドープされている工程;
    前記絶縁膜間の前記隙間および前記絶縁膜を被覆するように導電膜を設け、この導電膜が、前記絶縁膜を被覆する絶縁膜被覆部と、前記隙間を被覆する電極片部とを備える工程;
    前記強誘電性結晶基板の他方の主面に一様電極を設ける工程;および
    前記導電膜と前記一様電極との間に電圧を印加することによって前記強誘電性結晶基板に周期分極反転構造を形成する工程
    を有することを特徴とする、光学素子の製造方法。
  6. 前記絶縁膜が珪素または二酸化珪素からなることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 前記強誘電性結晶基板が、Zカット基板またはオフカット角度10°以下のオフカットZカット基板であることを特徴とする、請求項5または6記載の方法。
  8. 前記強誘電性結晶基板が、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムまたはKLiNb15からなることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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