JP2017083213A - ナビサーバおよびナビシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】各リンクにおける様々な因子を総合勘案した形で移動体の通行に際して利便性の向上を図りうるナビサーバ等を提供する。【解決手段】ナビクライアント2の出発地点p1および目的地点p2を結ぶリンク群により構成され、かつ、当該リンク群における第2移動コストC2の合計値ΣC2が最小になるサーバルートRが探索される。第2移動コストC2は「静的因子」および「動的因子」の組み合わせに基づいて第1移動コストC1が補正された結果である。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の移動局のそれぞれとしてのナビクライアントとの通信に基づき、各移動局の移動を支援するナビサーバに関する。
偶発的事態が発生した道路区間における以後の交通状態に鑑みて適当な誘導支援情報を迅速に生成かつナビ装置に認識させるナビサーバが提案されている(特許文献1参照)。一のリンクから他の各リンクへの遷移コストを精度よく評価し、当該評価結果に基づいてナビ装置による移動体の誘導を支援することができるナビサーバが提案されている(特許文献2参照)。
国際公開公報WO2009/044497A1 国際公開公報WO2009/008138A1
しかし、車両等の移動体のユーザ、ユーザにとって各リンク、特に運転が不慣れなエリアに含まれる各リンクにおける運転の難易度は、各リンクの移動コストのみならず、さまざまな因子によって影響される流動的なものである。
そこで、本発明は、各リンクにおける様々な因子を総合勘案した形で移動体の通行に際して利便性の向上を図りうるナビサーバ等を提供することを解決課題とする。
本発明のナビサーバは、道路が複数のリンクにより記述されているサーバマップ情報および前記複数のリンクのそれぞれの第1移動コストを記憶保持しているサーバ記憶装置と、前記複数のリンクのそれぞれの通行難易度に影響を与える因子として、前記複数のリンクのそれぞれに固有の静的因子と、前記複数のリンクのそれぞれにおける環境変化に応じて動的に変化する動的因子とを認識した上で、前記静的因子および前記動的因子の組み合わせ態様に基づいて前記サーバ記憶装置により記憶保持されている前記第1移動コストを補正して第2移動コストを設定するように構成されている第1サーバ演算処理要素と、前記サーバ記憶装置により記憶保持されている前記サーバマップ情報および前記第1サーバ演算処理要素により設定された前記第2移動コストに基づき、ナビクライアントの出発地点および目的地点を結ぶリンク群により構成され、かつ、当該リンク群における前記第2移動コストの合計値が最小になるサーバルートを探索し、前記サーバルートに関する情報を前記ナビクライアントに送信するように構成されている第2サーバ演算処理要素と、を備えていることを特徴とする。
本発明のナビシステムは、前記ナビサーバと、前記サーバルートに関する情報を受信した上でこれに応じたナビルートに関する情報を出力する機能を有するナビクライアントと、により構成されていることを特徴とする。
本発明のナビサーバおよびナビシステム(以下「ナビサーバ等」という。)によれば、ナビクライアントの出発地点および目的地点を結ぶリンク群により構成され、かつ、当該リンク群における第2移動コストの合計値が最小になるサーバルートが探索された上で、当該サーバルートに関する情報がナビクライアントに対して送信される。ここで「第2移動コスト」は「静的因子」および「動的因子」の組み合わせに基づいて「第1移動コスト」が補正された結果である。「静的因子」とは、道路種類(一般道路、高速道路、都市部の自動車専用道路(首都高速道路など)、市街地道路および山間道路の別など)、リンクの幅員の広狭、車線数、対向車線の有無、車道および歩道の間のガードレールなどの道路わきの構造物の有無、次のリンクへの進入時における対向車線横断または右折(もしくは左折)の有無、および道路交通標識または交通規則の多少など、当該リンクに固有の静的な因子を意味する。「動的因子」とは、気象に関する要素(晴、曇、雨、雪、雷風向き、風速、気温、気圧、湿度など)、季節(温暖期および寒冷期の別、乾季および雨季の別など)、一日における時間帯(昼夜の別など)、静的因子と比較して動的に変化する(変化頻度が高い)因子を意味する。
このため、単に第1移動コストの合計値が最小になるように探索されたサーバルートと比較して、静的因子および動的因子が総合勘案されることによってユーザが移動体を移動させる際の運転容易性の観点からより適当なサーバルートが探索されうる。そして、当該サーバルートに関する情報が、ナビクライアントを通じて当該ユーザに提供されることにより、ユーザが移動体を移動させる際の利便性の向上が図られる。
本発明の一態様としてのナビサーバ等において、前記第1サーバ演算処理要素が、前記複数のリンクのそれぞれについて、これに連続する一または複数のリンクを基準として、前記動的因子の変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されている。
当該構成のナビサーバ等によれば、一のリンクから他のリンクへの侵入時に動的因子の変化が小さいほど、移動体の運転負荷が小さいという傾向に鑑みて、移動体の運転容易性の観点から適当なサーバルートが探索されうる。このため、当該サーバルートに関する情報が、ナビクライアントを通じて当該ユーザに提供されることにより、ユーザが移動体を移動させる際の利便性の向上が図られる。
本発明の一態様としてのナビサーバ等において、前記第1サーバ演算処理要素が、前記複数のリンクのそれぞれについて、これに連続する一または複数のリンクを基準として、前記静的因子の変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されている。
当該構成のナビサーバ等によれば、一のリンクから他のリンクへの侵入時に動的因子に加えて静的因子の変化が小さいほど、移動体の運転負荷がさらに小さいという傾向に鑑みて、移動体の運転容易性の観点から適当なサーバルートが探索されうる。このため、当該サーバルートに関する情報が、ナビクライアントを通じて当該ユーザに提供されることにより、ユーザが移動体を移動させる際の利便性の向上が図られる。
本発明の一態様としてのナビサーバ等において、前記第1サーバ演算処理要素が、前記静的因子および前記動的因子の重み付き変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されている。
当該構成のナビサーバ等によれば、一のリンクから他のリンクへの侵入時に動的因子の変化よりも静的因子の変化が大きい(または小さい)ほうが、移動体の運転負荷がさらに小さいという傾向に鑑みて、移動体の運転容易性の観点から適当なサーバルートが探索されうる。このため、当該サーバルートに関する情報が、ナビクライアントを通じて当該ユーザに提供されることにより、ユーザが移動体を移動させる際の利便性の向上が図られる。
本発明の一実施形態としてのナビシステムの構成説明図。 ナビシステムの機能に関する説明図。 サーバルートの探索方法に関する説明図。 クライアントルートの出力形態に関する説明図。
(構成)
図1に示されている本発明の一実施形態としてのナビシステムは、ナビサーバ1と、複数のナビクライアント2とにより構成されている。ナビサーバ1および複数のナビクライアント2のそれぞれは、一または複数のネットワークを介して相互通信可能である。ナビクライアント2は、四輪自動車、二輪自動車および自転車などの車両など、ユーザの運転操作にしたがって移動する機能を有する装置である移動体に一時的または恒久的に搭載されるように構成されている。
(ナビサーバの構成)
ナビサーバ1は、サーバ記憶装置10と、第1サーバ演算処理要素11と、第2サーバ演算処理要素12とを備えている。
サーバ記憶装置10は、第1サーバ演算処理要素11および第2サーバ演算処理要素12のそれぞれによる受信情報および計算結果などの演算処理結果を記憶保持するように構成されている。サーバ記憶装置10は、サーバマップ情報、道路交通情報などを記憶保持するように構成されている。「サーバマップ情報」には、道路を構成する各リンクの位置、形状および姿勢等が座標値((緯度、経度)または(緯度、経度、高度))の列のほか、各リンクを識別するためのリンク識別情報が含まれている。各リンクはノードにより接続されている。「道路交通情報」には、各リンクL(k)における第1移動コストC1(k)および第2移動コストC2(k)などが含まれている。
道路交通情報には、N1個(N1=1,2,‥)の静的因子が含まれている。「静的因子」には、道路種類(一般道路、高速道路、都市部の自動車専用道路(首都高速道路など)、市街地道路および山間道路の別など)、リンクの幅員の広狭、車線数、対向車線の有無、車道および歩道の間のガードレールなどの道路わきの構造物の有無、次のリンクへの進入時における対向車線横断または右折(もしくは左折)の有無、および道路交通標識または交通規則の多少などが含まれている。
静的因子のそれぞれは、N1個の静的変数Xi(i=1,2,‥,N1)のそれぞれによって表現されている。各静的変数Xiは、離散変数または連続変数として定義されている。たとえば、静的因子である「道路種類」を表現する静的変数Xi1(i=i1)は、「一般道路」が「0.5」、「高速道路」が「1.0」、「都市部の自動車専用道路」が「1.5」など、離散変数として定義されている。静的因子である「次のリンクへの進入時における対向車線横断の有無」を表現する静的変数Xi2(i=i2)は、「0(無)」および「1(有)」など2値変数として定義されている。
サーバ記憶装置10によりN2個(N2=1,2,‥)の動的因子がさらに記憶保持されている。「動的因子」には、気象に関する要素(晴、曇、雨、雪、雷風向き、風速、気温、気圧、湿度など)、季節(温暖期および寒冷期の別、乾季および雨季の別など)、一日における時間帯(昼夜の別など)などが含まれている。動的因子は、気象情報局などの外部情報源からナビサーバ1に対して提供されるほか、ナビクライアント2からナビサーバ1に対して提供されてもよい。
動的因子のそれぞれは、N2個の静的変数Yj(j=1,2,‥,N2)によって表現されている。各動的変数Yjは、離散変数または連続変数として定義されている。たとえば、動的因子である「天気」を表現する動的変数Yj1(j=j1)は、「晴」が「0.5」、「曇」が「1」、「雨」が「2」など、離散変数として定義されている。動的因子である「気温」を表現する静的変数Yj2(j=j2)は、摂氏温度(または華氏温度)の値(たとえば20.2℃の「20.2」)により0.1刻みの離散変数として定義されている。
静的因子および動的因子の組み合わせは、静的変数Xiおよび動的変数Yjを要素とするN次元ベクトル(N=N1+N2)Q^=(X1,‥Xi,‥XN1,Y1,‥Yj,‥YN2)により定義されている。
第1サーバ演算処理要素11および第2サーバ演算処理要素12は、サーバ記憶装置10を構成するメモリの指定領域からソフトウェアおよびデータを必要に応じて読み取った上で、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった指定の演算処理を実行する演算処理装置(CPU)および必要に応じて通信機器、記憶装置(メモリ)等により構成されている。当該指定の演算処理の詳細については後述する。
(ナビクライアントの構成)
ナビクライアント2は、スマートフォンまたはタブレットなどの携帯型の端末装置により構成されている。「携帯型」とは、例えばそのサイズが人間の標準的な手の平程度であり、その重量が片手でまたは衣服のポケットなどに入れて簡単に持ち運びができる程度であることを意味する。ナビクライアント2が、携帯型の機器よりも大型のかつ重量がある機器(たとえば移動体に組み付けられている機器)によって構成されていてもよい。
ナビクライアント2は、クライアント記憶装置20と、第1クライアント演算処理要素21と、第2クライアント演算処理要素22とを備えている。
クライアント記憶装置20は、第1クライアント演算処理要素21および第2クライアント演算処理要素22のそれぞれによる受信情報および計算結果などの演算処理結果を記憶保持するように構成されている。クライアント記憶装置20は、クライアントマップ情報およびコンテンツ等を格納するように構成されている。「クライアントマップ情報」には、道路を構成する各リンクの位置、形状および姿勢等を表わす座標列と、各リンクを識別するためのリンク識別情報とが含まれている。
クライアントマップ情報には、当該座標列が含まれず、マップを出力装置232に表示させるための画像情報と、当該マップに含まれている道路を構成する各リンクのリンク識別情報とが含まれていてもよい。この場合、ナビサーバ1により、サーバマップ情報に含まれる座標値のうち、プローブ情報または要求情報に含まれる座標値に一致する座標値が特定されることによって、当該特定座標値に対応するリンク識別情報または道路種類などが特定されてもよい。
クライアントマップ情報とサーバマップ情報とのスペックやデータ構造が異なるため、各マップ情報における座標列の定義等が異なっていても、同一のリンクに共通のリンク識別情報が付されることにより、リンクのマッチングが可能とされている。ナビサーバ1によりリンク識別情報が含まれているサーバルート情報が送信され、ナビクライアント2により当該ルート情報に含まれるリンク識別情報により識別される複数のリンクを包含するナビルートの画像が出力装置232を通じて表示される。
「コンテンツ」には、画像コンテンツ(静止画および動画)のように視覚を通じて認識されるコンテンツのほか、音響コンテンツ(楽曲および操作音など)のように聴覚を通じて認識されるコンテンツ、およびこれらが組み合わせられた娯楽コンテンツなどが含まれている。画像コンテンツには、クライアントマップ情報の一部のほか、当該クライアントマップ情報に重ねて表示されるクライアントルートも含まれる。
第1クライアント演算処理要素21は、ナビクライアント2の現在位置p1を逐次測定するように構成されている。ナビクライアント2の現在位置p1は、GPS受信機により人工衛星から受信された信号のほか、必要に応じてジャイロセンサの出力信号に基づいて計測される。第1クライアント演算処理要素21は、ナビクライアント2の位置p1の時系列を表わす「プローブ情報」をナビサーバ1に対して送信するように構成されている。
第2クライアント演算処理要素22は、をナビサーバ1に対して要求を送信し、これに応じた「サーバルート情報」をナビサーバ1から受信するように構成されている。第2クライアント演算処理要素22は、サーバルート情報に基づき、クライアントマップ情報を用いてクライアントルートを探索するように構成されている。
ナビクライアント2は、さらに入力装置231および出力装置232を備えている。入力装置231は、操作ボタンやマイクロフォンにより構成され、ユーザの操作または発話による種々の操作または入力設定を可能とする。出力装置232は、ディスプレイ装置および音響出力装置(スピーカ)により構成され、クライアントマップ情報等の画像コンテンツを表示または音響コンテンツを出力する。入力装置231および出力装置232は、タッチパネル式ディスプレイにより構成されていてもよい。
本発明の構成要素が情報を「出力する」とは、当該情報の表示、音声出力、振動出力等、人間がその視覚、聴覚、触覚等、五感を通じて認識しうるあらゆる形態で情報を出力することを意味する。本発明の構成要素が担当の演算処理を実行するように「構成されている」とは、当該構成要素が必要なプログラムおよびデータをメモリから読み取り等した上で、当該データに基づき、当該プログラムにしたがって担当演算処理を実行する機能を有すること、ひいてはプログラムされていることを意味する。
(機能)
前記構成のナビシステムの機能について説明する。(不特定多数の)ナビクライアント2において第1クライアント演算処理要素21が、プローブ情報を生成し、これをナビサーバ1に対して送信する(図2/STEP210)。「プローブ情報」には各ナビクライアント2の現在位置の測定結果(またはこれに応じたリンク識別情報)の時系列が含まれている。たとえば、プローブ情報の前回送信時から指定時間が経過したこと、プローブ情報の前回送信時からの移動体の移動距離が指定距離に達したこと、または、プローブ情報の情報量が所定量に達したことなどを契機として、今回のプローブ情報が送信される。
「プローブ情報」には、ナビクライアント2または移動体に搭載されているセンサの出力信号によって検知された一部の動的因子(外気温度、湿度、天気など)が含まれていてもよい(または付加されていてもよい)。「プローブ情報」には、各ナビクライアント2またはこれが搭載されている移動体を識別するための識別情報がさらに含まれていてもよい。
ナビサーバ1において第1サーバ演算処理要素11が、第1ナビクライアント2(i1)からプローブ情報を受信する(図2/STEP110)。第1サーバ演算処理要素11が、サーバ記憶装置10に累積的に保存されるプローブ情報に基づき、各リンクL(k)における第1移動コストC1(k)を逐次的に計算または更新する(図2/STEP112)。リンクL(k)において計測されたまたは当該計測結果に基づいて予測される移動所要時間、移動距離、燃料消費量、電力消費量もしくは道路料金またはこれらの組み合わせなどが当該リンクL(k)の第1移動コストC1(k)として定義される。第1移動コストC1(k)の計算に際して、道路交通情報センターが管理するサーバ(図示略)からナビサーバ1が受信した道路交通情報が補足的に用いられてもよい。
第1サーバ演算処理要素11が、リンクL(k)の静的因子および動的因子をサーバ記憶装置10から読み出す(図2/STEP114)。具体的には、N次元ベクトルQ^(k)=(X1(k),‥Xi(k),‥XN1(k),Y1(k),‥Yj(k),‥YN2(k))が認識される。
第1サーバ演算処理要素11が、リンクL(k)の静的因子および動的因子に基づき、サーバ記憶装置10に記憶保持されている第1移動コストC1(k)を補正して第2移動コストC2(k)を設定する(図2/STEP116)。具体的には、ベクトルQ^(k)の各要素X1(k),‥Xi(k),‥XN1(k),Y1(k),‥Yj(k),‥YN2(k)を主変数とする多変数関数f(X1(k),‥Xi(k),‥XN1(k),Y1(k),‥Yj(k),‥YN2(k))にしたがって補正係数a(k)が設定される。たとえば、N次元空間において定義されている複数の領域のうち、ベクトルQ^(k)により表わされる点が含まれる領域に応じて補正係数a(k)が設定される。そのほか、ベクトルQ^(k)のノルム|Q^(k)|の長短に応じて補正係数a(k)の値が設定されてもよい。
そのほか、リンクL(k)に連続する一のリンクL(m)を基準として静的因子の変化が大きいほど、補正係数a(k,m)が高くなるように設定されてもよい。たとえば、N1次元ベクトルQ1^(k)=(X1(k),‥Xi(k),‥XN1(k))およびQ1^(m)=(X1(m),‥Xi(m),‥XN1(m))の内積、ベクトルQ1^(k)およびQ1^(m)のノルムの偏差|Q1^(k)|−|Q1^(m)|またはベクトルQ1^(k)−Q1^(m)のノルム|Q1^(k)−Q1^(m)|が静的因子の変化として評価される。リンクL(k)に連続する複数のリンクL(m)、L(m+1)、‥を基準とする場合、当該複数のリンクについての当該内積の総和ΣQ1^(k)・Q1^(m)もしくはその平均値、当該ノルム偏差の総和Σ{|Q1^(k)|−|Q1^(m)|}もしくはその平均値、または当該ノルムの総和Σ{|Q1^(k)−Q1^(m)|}もしくはその平均値が静的因子の変化として評価される。
複数の静的因子のうち、移動体の運転難易度に与える影響が大きい一の静的因子を表現する離散変数としての静的変数の間隔が広くなるように定義されていてもよい。離散変数としての静的変数の間隔の広狭が、ナビクライアント2の入力装置231を通じて、ユーザの意思に応じて設定され、当該設定に関する情報がナビクライアント2からナビサーバ1に送信されて、前記識別情報と関連付けられてサーバ記憶装置10に記憶保持されてもよい。これにより、当該一の静的因子の変化に応じて静的因子の変化が、他の静的因子の変化に応じた静的因子の変化よりも大きく評価されうる。リンクL(k)の端点(ノード)から複数のリンクが連続している場合、当該複数のリンクのそれぞれについてリンクL(k)の補正係数a(k,m)の値が差別化されうる。
同様に、リンクL(k)に連続する一のリンクL(m)を基準として動的因子の変化が大きいほど、補正係数a(k,m)が高くなるように設定されてもよい。たとえば、N2次元ベクトルQ2^(k)=(Y1(k),‥Yj(k),‥YN2(k))およびQ2^(m)=(Y1(m),‥Yj(m),‥YN2(m))の内積、ベクトルQ2^(k)およびQ2^(m)のノルムの偏差|Q2^(k)|−|Q2^(m)|もしくはベクトルQ2^(k)−Q2^(m)のノルム|Q2^(k)−Q2^(m)|(または当該複数のリンクについての総和)が動的因子の変化として評価される。リンクL(k)に連続する複数のリンクL(m)、L(m+1)、‥を基準とする場合、当該複数のリンクについての当該内積の総和ΣQ2^(k)・Q2^(m)もしくはその平均値、当該ノルム偏差の総和Σ{|Q2^(k)|−|Q2^(m)|}もしくはその平均値、または当該ノルムの総和Σ{|Q2^(k)−Q2^(m)|}もしくはその平均値が静的因子の変化として評価される。
複数の動的因子のうち、移動体の運転難易度に与える影響が大きい一の動的因子を表現する離散変数としての動的変数の間隔が広くなるように定義されていてもよい。離散変数としての動的変数の間隔の広狭が、ナビクライアント2の入力装置231を通じて、ユーザの意思に応じて設定され、当該設定に関する情報がナビクライアント2からナビサーバ1に送信されて、前記識別情報と関連付けられてサーバ記憶装置10に記憶保持されてもよい。これにより、当該一の動的因子の変化に応じて動的因子の変化が、他の動的因子の変化に応じた静的因子の変化よりも大きく評価されうる。リンクL(k)の端点(ノード)から複数のリンクが連続している場合、当該複数のリンクのそれぞれについてリンクL(k)の補正係数a(k,m)の値が差別化されうる。
さらに、静的因子の変化および動的因子の重み付き変化が大きいほど、補正係数a(k,m)が高くなるように設定されてもよい。たとえば、N1次元ベクトルの内積Q1^(k)・Q1^(m)およびN2次元ベクトルの内積Q2^(k)・Q2^(m)の重み付き和αQ1^(k)・Q1^(m)+(1−α)Q2^(k)・Q2^(m)(0<α<1)、N1次元ベクトルのノルム偏差|Q1^(k)|−|Q1^(m)|およびN2次元ベクトルのノルム偏差|Q2^(k)|−|Q2^(m)|の重み付き和β(|Q1^(k)|−|Q1^(m)|)+(1−β)(|Q2^(k)|−|Q2^(m)|)(0<β<1)またはN1次元ベクトルノルム|Q1^(k)−Q1^(m)|およびN2次元ベクトルノルム|Q2^(k)−Q2^(m)|の重み付き和β(|Q1^(k)−Q1^(m)|)+(1−β)(|Q2^(k)−Q2^(m)|)が重み付き変化として評価されてもよい。
その上で、第1移動コストC1(k)および当該補正係数a(k)(またはa(k,m))が乗算され、当該乗算結果が各リンクL(k)における第2移動コストC2(k)(またはC2(k,m))として設定される。
ナビクライアント2において、入力装置231を通じてユーザにより目的地点p2が設定されたことに応じて、第2クライアント演算処理要素22が、ルート探索要求をナビサーバ1に対して送信する(図2/STEP220)。当該要求には、ナビクライアント2の出発地点p1および目的地点p2(正確には当該地点を表わす座標値またはリンク識別情報)が含まれている。目的地点p2の設定時点またはその直前において測定されたナビクライアント2の現在地点または入力装置231を通じてユーザにより設定された地点が出発地点p1として用いられる。
ナビサーバ1において第2サーバ演算処理要素12が、当該要求を受信する(図2/STEP120)。第2サーバ演算処理要素12が、ナビクライアント2の出発地点p1および目的地点p2を結ぶ複数のリンク群により構成されている一または複数のサーバルートRを探索する(図2/STEP122)。これにより、図3に示されているようなサーバルートRが探索結果として得られる。サーバルートRの探索に際して、サーバマップ情報および各リンクL(k)における2移動コストC2(k)またはC2(k,m)が用いられる。第2移動コストC2(k)またはC2(k,m)の合計が最低となるようなルートがサーバルートRとして探索される。
第2サーバ演算処理要素12が、サーバルートRを表わすサーバルート情報を生成したうえで、ナビクライアント2に対して送信する(図2/STEP124)。「サーバルート情報」には、サーバルートRを構成する一連のリンク群のうち少なくとも一部のリンクのリンク識別情報、または、サーバルートRの上にある離散的な複数の地点のそれぞれの座標値が含まれている。
ナビクライアント2において第2クライアント演算処理要素22がサーバルート情報を受信する(図2/STEP222)。 第2クライアント演算処理要素22が、サーバルート情報に基づき、クライアントマップ情報を用いて、出発地点p1(または目的地点p2の設定時点よりも後の最新の現在地)および目的地点p2を結ぶクライアントルートrを計算したうえで、出力装置232に出力する(図2/STEP224)。
たとえば、サーバルート情報に含まれているリンク識別情報により識別されるリンクまたは座標値により表わされる複数の地点が含まれるように(サーバルートRの少なくとも一部が再現されるように)、クライアントルートrが探索される。これにより、図4に示されているように、クライアントルートrが、ナビクライアント2の現在地点p1を表わす標識Mともにクライアントマップ上に重ねられて、出力装置232を構成するディスプレイに表示される。
(作用効果)
本実施形態のナビサーバ1等によれば、ナビクライアント2の出発地点p1および目的地点p2を結ぶリンク群により構成され、かつ、当該リンク群における第2移動コストC2の合計値ΣC2が最小になるサーバルートRが探索される(図2/STEP122および図3参照)。第2移動コストC2は「静的因子」および「動的因子」の組み合わせに基づいて第1移動コストC1が補正された結果である(図2/STEP116参照)。
このため、単に第1移動コストC1の合計値が最小になるように探索されたサーバルートと比較して、静的因子および動的因子が総合勘案されることによってユーザが移動体を移動させる際の運転容易性の観点からより適当なサーバルートRが探索されうる。そして、当該サーバルートRに関する情報が、ナビクライアントを通じて当該ユーザに提供されることにより、ユーザが移動体を移動させる際の利便性の向上が図られる(図2/STEP124および図4参照)。
(本発明の他の実施形態)
ルート探索要求の受信に応じて最新の動的因子が認識された上で、これに基づいて第2移動コストC2が設定され、当該第2移動コストC2に基づいてサーバルートRが探索されてもよい。すなわち、図2でSTEP120→STEP114→STEP116→STEP122の順で演算処理が実行されてもよい。
連続するリンクを基準とした各リンクの第2移動コストC2(k,m)の設定基礎として、動的因子の変化と、動的因子および静的因子のそれぞれの変化とのうち一方の指定がルート探索要求(図2/STEP220)に含まれていてもよい。静的因子の変化および動的因子の重み付き変化に基づいて第2移動コストC2(k,m)が設定される場合、重み係数α(またはβ)の指定がルート探索要求に含まれていてもよい。当該指定は、ナビクライアント2の入力装置231を通じてユーザの意思に応じてなされる。
1‥ナビサーバ、10‥サーバ記憶装置、11‥第1サーバ演算処理要素、12‥第2サーバ演算処理要素、2‥ナビクライアント、21‥第1クライアント演算処理要素、22‥第2クライアント演算処理要素。

Claims (5)

  1. 道路が複数のリンクにより記述されているサーバマップ情報および前記複数のリンクのそれぞれの第1移動コストを記憶保持しているサーバ記憶装置と、
    前記複数のリンクのそれぞれの通行難易度に影響を与える因子として、前記複数のリンクのそれぞれに固有の静的因子と、前記複数のリンクのそれぞれにおける環境変化に応じて動的に変化する動的因子とを認識した上で、前記静的因子および前記動的因子の組み合わせ態様に基づいて前記サーバ記憶装置により記憶保持されている前記第1移動コストを補正して第2移動コストを設定するように構成されている第1サーバ演算処理要素と、
    前記サーバ記憶装置により記憶保持されている前記サーバマップ情報および前記第1サーバ演算処理要素により設定された前記第2移動コストに基づき、ナビクライアントの出発地点および目的地点を結ぶリンク群により構成され、かつ、当該リンク群における前記第2移動コストの合計値が最小になるサーバルートを探索し、前記サーバルートに関する情報を前記ナビクライアントに送信するように構成されている第2サーバ演算処理要素と、を備えていることを特徴とするナビサーバ。
  2. 請求項1記載のナビサーバにおいて、
    前記第1サーバ演算処理要素が、前記複数のリンクのそれぞれについて、これに連続する一または複数のリンクを基準として、前記動的因子の変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されていることを特徴とするナビサーバ。
  3. 請求項2記載のナビサーバにおいて、
    前記第1サーバ演算処理要素が、前記複数のリンクのそれぞれについて、これに連続する一または複数のリンクを基準として、前記静的因子の変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されていることを特徴とするナビサーバ。
  4. 請求項3記載のナビサーバにおいて、
    前記第1サーバ演算処理要素が、前記静的因子および前記動的因子の重み付き変化が大きいほど、前記第2移動コストが高くなるように前記第1移動コストを補正するように構成されていることを特徴とするナビサーバ。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のナビサーバと、
    前記サーバルートに関する情報を受信した上でこれに応じたナビルートに関する情報を出力する機能を有するナビクライアントと、により構成されていることを特徴とするナビシステム。
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