JP2017083042A - 薄葉状ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】限定空間条件の中で、高発熱密度の電子部品の冷却において、従来の面内方向の熱伝導を利用した熱拡散板は、機器内の均熱化が不十分で温度上昇が問題となっている。これを解決する、マイクロ領域の作動・伝熱メカニズムの熱密度変換機能により局所的過熱を拡散・消散させ、機器内の低温冷却化を図る薄葉状ヒートパイプと、軽量化のためアルミニウム容器の内壁面上に金属被膜を被覆した、薄葉状ヒートパイプを提供する。【解決手段】容器2内の作動流体6を内壁面に保持し、凝縮した作動流体を長手方向軸線に対して直交する、又は、斜交する方向に移動させる内壁面に配列された立体型突起7aの液体通路手段と、蒸気となった作動流体を長手方向軸線に対して直交する、又は、斜交する方向に移動させる、立体型突起7aが対向して形作る蒸気空間流路8aと、内壁面に離隔する円弧断面形状の拡径する流路9aの蒸気流路手段で構成する薄葉状ヒートパイプ。【選択図】図1
Description
この発明は、半導体素子などの高発熱密度の電子部品の冷却において、限定空間内で局所的に過熱する熱密度を瞬時に平均化し拡散・消散させるための薄葉状ヒートパイプに関するものである。
スマートフォン・タブレット端末などのモバイル機器は、近年ますます薄型化し、高機能化が要求されている。それに伴い、CPUなどの半導体素子および周辺機器は高密度化し、発生する熱量・熱密度は増大し、電子部品の動作時の温度は高くなり、熱対策は設計上の重要な課題となってきている。
このような薄型のモバイル機器では、限られた空間内でファンなどによって外気中に強制熱放散させることは困難である。
そのため、従来から、限定的空間内で電子部品の温度低減のために、グラファイトシートや金属板あるいは多層プリント配線板などの熱拡散板により機器内の局所的に集中する熱を面内方向に熱伝導させて広げる熱配線機能が用いられている。
上記に示したような従来の熱配線機能方式では、局所的熱集中を面内方向の熱移動により拡散し熱伝導しようとしているが、今後、モバイル機器の性能向上、高密度化の進展により発熱量が増加し、さらなる薄型化が進み、冷却するための空間は限られ、電子部品の冷却に対しては不十分となり満足する結果が得られないこととなる。
電子部品の冷却の例として、ヒートパイプが知られている。ヒートパイプは、パイプの両端を閉じて作った密閉容器の内部を減圧し、作動液と呼ばれる水などの熱媒体を少量封入することのよって得られる。ヒートパイプの加熱部分では、液体が蒸気となり、これによって容器内に圧力差が生じ、蒸気は容器の他端に移動して冷却されて液体となり、この液体は、毛細管力により加熱部に戻る。この作用の繰り返しで熱を加熱部より放熱部へ伝達する。そこで、上記のような効率的な熱輸送素子として、ヒートパイプがモバイル機器等の電子機器の温度上昇を制御する方法として注目されている。しかしながら、薄型化する機器の放熱・冷却を、限られた空間条件のなかで行うには、極薄型形状を有し、高い熱密度を均一に拡散する熱密度変換機能を持ち、且つ拡散・消散機能も有するヒートパイプが望まれる。
原著者:P.D.Dunn,D.A.Reary,著、訳者:伊藤謹司「ヒートパイプ(HeatPipes)」、株式会社学献社、1981年4月2日
しかしながら、以上のような従来の熱拡散板やヒートパイプでは、今後、電子機器の軽薄型化が進み電子部品の発熱密度が拡大する市場において、それに適応する十分な熱拡散および消散が行われないという課題がある。
この発明の目的は、機器装置内部の限れた空間条件の中で、電子部品の発熱密度の上昇に適応し、ファン等の強制熱拡散などに頼らなくても局所的に集中する過熱を平均化し、拡散・消散するためのマイクロ領域の作動・伝熱メカニズムによる熱密度変換機能を有する優れた伝熱・冷却特性の薄葉状ヒートパイプを提供することである。
この発明の他の目的は、三次元グルーブ構造の複数の立体型突起から形成される液体通路手段によって、液体を複数の立体型突起内に保持する濡れ特性に優れ、効果的な毛細管力で凝縮した作動流体を直交する縦横方向あるいは斜交する斜めの方向に移動させ、複数の立体型突起の先端部を経て受熱部の蒸発端に還流させる、また、表面積を増加させた伝熱構造により、伝熱促進が高められる、熱の拡散・消散に優れた薄葉状ヒートパイプを提供することである。
この発明のさらなる他の目的は、円弧断面形状に拡径された蒸気流路と、液体通路手段の複数の立体型突起によって形成される蒸気空間、との蒸気流路手段によって、受熱部から熱を受け取り蒸気となった作動流体を、直交する縦横方向あるいは斜交する斜めの方向に瞬時に移動させ、蒸気流と液体流の安定な流れを供給することで、蒸気流の迅速な熱応答性を可能にする熱の拡散・消散に優れた薄葉状ヒートパイプを提供することである。
この発明のさらに次の目的は、定常な密閉容器の外表面を維持する伝熱機構によって、電子部品に面接触する平滑な受熱面を有する薄葉状ヒートパイプを提供することにある。
この発明のもうひとつの目的は、密閉容器の重量を軽減するため、密閉容器の素材に加工性の良いアルミニウム金属を用い、容器内壁上に純銅の箔状被膜あるいは蒸着被膜が被覆された軽量薄型の放熱・冷却効果の高いアルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプを提供することである。
受熱面となる底壁と、底壁に対向する上壁と、底壁と上壁とを連結する側壁とによって規定される偏平矩形断面形状で、内部に空隙を有する密閉容器の形態を備え、気密封止された容器内に導入された、蒸発と凝縮とを繰り返す熱媒体となる作動流体と、底壁および上壁の容器の内壁面には、作動流体を内壁面に保持し、凝縮した作動流体を毛細管現象によって、配列された複数の立体型突起に沿って、長手方向軸線に対して、平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させる液体通路手段と、底壁、上壁および側壁の内壁面上には、作動流体の相変化に伴って発生する蒸気を、液体通路手段に比して、流路断面積が大きい複数の円弧断面形状の拡径する流路に沿って長手方向軸線に対して、平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させる、また、液体通路手段の複数の立体型突起が互いに向き合って空隙を形成する蒸気空間の流路に沿って、同様の方向に移動させる蒸気流路手段と、を備えている薄葉状ヒートパイプ。
上記の液体通路手段には、好ましくは、底壁および上壁の内壁面上に、長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列されて延びる角錐状あるいは円錐状を形成する複数の溝が設けられている。また、蒸気流路手段には、好ましくは、複数の溝の角錐状あるいは円錐状の頂点が同軸上で対向する角型断面形状の空隙の蒸気空間、あるいは、千鳥にずれて対向するように形成される、波形断面形状の空隙の蒸気空間が、長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる複数の縦横・斜交流路が設けられている。また、蒸気流路手段には、好ましくは、複数の溝の角錐状あるいは円錐状の頂点が同軸上で対向する角型断面形状の空隙の蒸気空間、あるいは、千鳥にずれて対向するように形成される、波形断面形状の空隙の蒸気空間が、長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる複数の縦横・斜交流路が設けられている。また、上記流路手段には、好ましくは、底壁、上壁および側壁の内壁面上に、内壁面上に対して、円弧断面形状の空隙の流路を作るように、容器の外方向に向かって、内壁面が湾曲状に曲がった形状を有しており、間隔をあけて長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列された複数の内部管路が設けられている。
また、他の局面では、容器の重量を軽減するために、好ましくは、容器の素材にアルミニウムを用いたアルミニウム金属仕様の容器と、前記アルミニウム金属仕様の容器の内壁面上には、純銅の箔状被膜あるいは蒸着皮膜が密着固定して被覆して設けられている。
この発明に基づく薄葉状ヒートパイプの作用においては、偏平矩形断面形状で、内部に空隙を有する密閉容器の底壁が受熱面となる。底壁は電子部品に面接触するので、熱は電子部品から薄葉状ヒートパイプに効率的に伝達される。容器内部には液体保持力および毛細管力を高める、三次元グルーブ構造を持つ、配列する複数の立体型突起が形作る液体通路手段、そして、蒸気流の安定な流れを供給する液体通路手段に比して、流路断面積が大きい、複数の円弧断面形状の拡径する流路の空隙状の蒸気空間と、液体通路手段の複数の立体型突起が互いに向き合って、空隙の蒸気空間を形作る蒸気流路手段が形成される熱伝達構造となっている。
まず、底壁に熱が伝達され、この加熱された容器の内部空間内には、熱媒体となる作動流体が気密封入されており、この作動流体が容器の熱流入側の蒸発端で蒸発し、蒸発潜熱として熱を吸収し、液相状態から気相状態へと変態する。
気相状態となった作動流体は、蒸気空間となる蒸気流路手段の円弧断面形状拡径する流路。および、液体通路手段の複数の立体型突起が形成する蒸気空間の流路を、容器内の圧力差に生じて、蒸気はこの蒸気流路を移動し、熱流出側の凝縮端となる上壁面の温度的に低い内壁面で凝縮することによって、上壁に凝縮潜熱として熱を放出する。このようにして、蒸気空間を蒸気が長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動し、蒸気流による迅速な熱移動応答性が可能となる。この際、表面積が拡大するように内壁面に配列して設けられた複数の立体型を経由して効果的に容器壁面から局所的に集中する熱密度が変換され、熱を瞬時に拡散する。この複数の立体型突起の先端部分が、熱伝達過程において主導的な役割を果たしている。これにより、表面張力効果が強められ、効果的な液体被膜によって熱伝達が効率的行なわれる。
温度的に低い内壁面に凝縮・付着した作動流体は、液体通路手段を通って毛細管圧力によって長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動し、複数の立体型突起の先端部分を経て蒸発端へ還流される。複数の立体型突起によって表面張力効果が強まり作動流体が保持され毛細管圧力が高まることで、還流する作動流体の能力が高まることが可能となる。そして、作動流体は再び蒸発端で潜熱の形で熱を吸収する。このような動作が繰り返されることによって、受熱面の局所的に集中する熱密度を平均化し、拡散・消散することで制御対象となる熱源の各電子部品の熱を等温度に保ち冷却することが可能となる。
また、液体通路手段には、底壁および上壁の内壁面に、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列されて延びる角錐状あるいは円錐状を形成する複数の溝が設けられた場合には、作動流体が受熱面の底壁内面全体にいきわたり、効果的に熱を受け取り、蒸気となった作動流体は圧力が上昇し、圧力の低い温度的に低い凝縮端に、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に。又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動し、凝縮して熱を放出する。上壁内壁面に凝縮・付着した作動流体は、液体通路手段を通って毛細管力によって、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動しながら、蒸発端の底壁内面に還流することになる。このとき、液体通路手段が設けられているため、複数の溝の中に作動流体が充満し、この複数の溝の先端部分から効率的に熱が伝達される。この角錐状あるいは円錐状の溝によって、表面張力効果により凝縮した作動流体が壁面に保持されて、濡れ特性が強まることが可能となる。そして、凝縮した作動流体は、底壁へ再び効率よく還流されることが可能となる。それにより、底壁面では受熱効率が高められることが可能となる。
また、蒸気流路手段には、蒸気が流れる蒸気流路のため、複数の溝の角錐状あるいは円錐状の頂点が同軸上で対向する角型断面形状の空隙の蒸気空間、あるいは千鳥にずれて対向するように形成される波形断面形状の空隙の蒸気空が、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる複数の縦横・斜交流路が設けられた場合には、底壁の蒸発端より熱を吸収して移動する蒸気流は、凝縮端で凝縮して熱を放出して、液体に戻る。凝縮端の内壁面に凝縮・付着した作動流体は、液体通路手段の複数の立体型突起を通って毛細管力によって、蒸発端の底壁内面へ還流される。このとき、蒸気流路手段が設けられることによって、一方では、作動流体が受熱面で加熱され、蒸発端から凝縮端へ向かって流れる蒸気となり、他方では、複数の立体型突起に沿って蒸発端に還流される液体流となる。この対向して流れる2つの境界面で、蒸気流が液体流を巻き込んで蒸気流方向に飛散させることを防ぎ、蒸気流と液体流の安定な流れを供給することが可能となる。それにより、蒸気流の迅速な熱応答性が可能となる。また、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる蒸気空間内を、蒸気流が移動することで効果的に熱密度変換が行われ、熱の拡散・消散効率が高められる。
また、蒸気流路手段には、底壁、上壁および側壁の内壁面上に、内壁面に対して円弧断面形状の空隙の流路を作るように、容器の外方向に向かって、内壁面が湾曲状に曲がった形状を有しており、間隔をあけて長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列された複数の管内流路が設けられた場合には、上述と同様に蒸気流と液体流の安定な流れを供給することが可能となる。また、底壁と上壁とが極めて近傍な空間の中で、作動流体は底壁面で熱を吸収して蒸気となって、複数の管内流路に沿って局所的に集中する熱を拡散しながら温度的に圧力的に低い、上壁の凝縮端へ移動する。このとき、間隔をあけて設けられた複数の管内流路が、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列して設けられていることで、蒸気の流れは容器内部の蒸気の圧力が蒸気の持つ粘性力に打ち勝って凝縮端へ効率的に移動し、大きな熱流速が得られることが可能となる。それにより、蒸気流の迅速な熱応答性が可能となり、熱密度変換が効率的に行なわれ、熱の拡散・消散効果が高まる。また、円弧断面形状の蒸気流路によって、容器の外表面への影響が、凹型断面形状の流路に比べ、定常な外壁面を維持することが可能となる。それにより、電子部品との平滑な面接触が可能となる。
他の局面では、容器の素材にアルミニウムを用いたアルミニウム金属仕様の容器を使用し、容器内壁面に純銅の金属被膜を被覆した、受熱効率および放熱特性の優れた薄型軽量の薄葉状ヒートパイプが得られる。この薄葉状ヒートパイプは、ヒートパイプの密閉容器の重量を軽減するために、容器の素材にアルミニウムを用いたアルミニウムを金属仕様の容器の内壁面上には、純銅の箔状被膜あるいは純銅の蒸着被膜が密着固定して被膜して設けられている。
第二の局面のアルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプの作用においては、上述と同一の作用状態を示し、受熱面となる底壁が熱源の電子部品の上面に面接触するように置かれる。従って、電子部品の熱は効率よく底壁面に伝達される。容器内に封入された作動流体は、頻繁に蒸発と凝縮とを繰り返し、蒸発端の底壁内面から蒸発潜熱の形で熱を吸収し、蒸気となって容器内の圧力差に生じて、蒸気流路手段の液体通路手段に比して、流路断面積が大きい、複数の円弧断面形状の拡径する流路の蒸気流路と、液体通路手段の複数の立体型突起が互いに向き合って空隙を形成する蒸気空間の流路を、移動して長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に流れ、上壁の温度的に低い凝縮端に移動し、ここで凝縮潜熱として外界に放出する。作動流体は冷却して液体に戻り、壁面に凝縮・付着した作動流体は液体通路手段の複数の立体型突起を通って、毛細管力によって長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動し、蒸発端の底壁へ還流される。
この場合、容器の重量軽減のために、容器素材がアルミニウムの軽金属で構成される。
また、容器の内壁面上には、作動流体に適合し、熱伝導性が大きい、作動流体との濡れ性を保持する、純銅の箔状被膜あるいは蒸着被膜が全体に被覆されている。この純銅の箔状被膜あるいは蒸着被膜は、複数の立体型突起および複数の円弧断面形状の拡径する流路に密着固定され、容器の内壁面に良質なグルーブ構造を形成することが可能となる。また、熱抵抗・流路抵抗を小さくし、軽量薄により経済性を有利にすることが可能となる。
また、内壁面上に密着固定された純銅の箔状被膜あるいは蒸着被膜によって、容器の内壁面は常に濡れた状態で覆われるため、蒸気流の迅速な熱応答性を可能にし、蒸発端に作動流体が繰り返し供給されることで、潜熱移動を効果的に行ない、受夏効率を高め、局所的に集中する熱密度を平均化し、熱の拡散・消散効果を向上させることが可能となる。
以上のように、この発明によれば、電子部品の軽量薄型化、高機能化が進み発熱密度が増大する市場に適応するため、限定空間内で局所的に集中する熱密度を瞬時に変換し、広い容器内壁面全体に分散して平均化し、効率良く壁面全体の等温度化を図り、熱密度変換機能により熱の拡散・消散に優れた薄葉状ヒートパイプを提供できる。
そして、液体通路手段の三次元的グルーブ構造の複数の立体型突起を設けることで、表面張力効果を強め、作動流体を壁面に保持する濡れ特性に優れ、毛細管圧力が高まることで、凝縮して蒸発端に長手方向軸線に対して直交する、又は、斜交する方向に移動し還流する作動流体の性能を向上させることが可能となり、熱伝達促進効果を大きくし、熱の拡散・消散効果が得られる。
また、複数の円弧断面形状の拡径する流路と、液体通路手段の複数の立体型突起が互いに向き合って形成する蒸気空間の流路の蒸気流路手段によって、容器内部の蒸気の圧力差が蒸気の持つ粘性力に打ち勝つことで、蒸気は効率良く直交する縦横方向、又は、斜交する斜めの方向に移動し、大きな熱流束によって蒸気流と液体流の安定な流れを供給し、そして、蒸気流の迅速な熱応答性が可能となる。それにより、熱は、瞬時に広い内壁面全体に分散され、受熱・熱拡散効果を高めることが可能となる。
さらに、複数の円弧断面形状の拡径する流路が間隔をあけて設けられることで、定常な容器の外表面を維持し、電子部品などの発熱体に面接触させる平滑な受熱面を供給することが可能となる。
また、この発明により、従来製造不可能であった、厚さが0.5mm以下で、マイクロ領域の作動・伝熱メカニズムの薄葉状ヒートパイプが可能となる。
また、上記の薄葉状ヒートパイプの容器の重量を軽減するため、容器素材に加工性の良いアルミニウム軽金属を用い、容器内壁面に純銅の金属被膜を設けることで熱抵抗・流路抵抗の少ない、受熱・放熱特性に優れた経済性を発揮する、軽量薄型の薄葉状ヒートパイプを提供する。
以下、この発明に基づく一実施例について、図1〜図4を用いて説明する。図1に示すこの発明の一実施例である薄葉状ヒートパイプ1は、底壁4とそれに対向する上壁3と、底壁3と上壁4を連結する側壁5によって規定される偏平矩形断面形状で、内部に空隙を有する密閉容器2形態を備える。容器2の底壁3は電子機器本体の発熱体12と面接触する受熱面となる。
容器2のそれぞれの側端部気密封止されている。真空気密封止された容器2内部に熱媒体として機能する作動流体6が封入されることになる。
容器2の内壁面には、内壁面に作動流体6を保持し、凝縮した作動流体6を液体通路手段に沿って受熱部へ、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させ、還流させる複数の立体型突起7aが形成されている。底壁3と上壁4に設けられたこの液体通路手段の複数の立体型突起7aが互いに向き合って空隙の蒸気空間を作り、蒸気となった作動流体6が長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させる蒸気空間の流路8aの蒸気流路手段が形成されている。さらに、もう一つの手段の蒸気流路手段として、蒸気が上述と同様の方向に流れ移動するために、底壁3、上壁4および側壁5には、液体通路手段の流路断面積より大きい、複数の円弧断面形状の拡径する流路9aが形成されている。
次に、図2〜図4を用いてより具体的に説明する。容器2の内壁面の底壁3および上壁4内壁面上には、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めにしゃこうして配列される、角錐状あるいは円錐状の液体通路手段の複数の溝7bが形成されている。図3に示すように、角錐状あるいは円錐状であるが、そのような形に限定されるものではないが突起状が好ましいと言える。複数の溝7bの錐状表面の曲率が頂点先端から根元へ向かって単調減少する形状が好ましいと言える。それにより、表面積が増大されることで、複数の溝7bに作動流体6が保持されることが可能となる。
受熱面となる底壁3の熱流入側の蒸発端では、底壁3に作動流体6が複数の溝7bに沿って全体に行き渡り、熱を効果的に受け取ることが可能となる。また、上壁4の熱流出側の凝縮端では、作動流体6が複数の溝7bの頂点から根元へ引きこまれ、先端部では液膜が薄くなり表面張力効果が強められることが可能となり、効果的な濡れ特性が得られる。そして、凝縮して、複数の溝7bの先端から熱を放出した作動流体6は、毛細管現象の毛細管力が高められることで、複数の溝7bに沿って蒸発端の底壁3へ還流される。
この複数の溝7bを作る目的は、複数の溝7bの錐状の表面の曲率が頂点先端から根元へ向かって単調に減少していることで、表面積が増大し、作動流体6を先端部から根元部分へ引きこむため、表面張力が高められ濡れ特性が良好になり、作動流体6を複数の溝7bの中に保持することが可能となり、複数の溝7bの中の作動流体6を長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に、複数の溝7bに沿って移動させ、底壁3全体に行き渡らせ底壁3からの受熱効率を高めることが可能となる。また、熱流出側の凝縮端で、凝縮潜熱を放出した作動流体6を長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させ、複数の溝7bの先端部分を経て、受熱面の底壁3へ毛細管現象によって還流されることを可能にすることである。このとき、複数の溝7bの先端部分が熱伝達過程において主導的な役割を果たすことになる。
また、底壁3および上壁4に設けられた複数の溝7b角錐状あるいは円錐状の頂点は、互いに向き合って同軸上で対向するか、あるいは、千鳥にずれて対向して、底壁3および上壁4の間に空隙の蒸気空間の流路8aを作る。この空間は、断面が角型断面形状あるいは波形断面形状を成して、長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる複数の縦横・斜交流路8bが形成される。このような形状の空間に限定されるものではない。
この縦横・斜交流路を作る目的は、底壁3の熱流入側の蒸発端で熱を吸収した作動流体6が、蒸気となって複数の縦横・斜交流路8b内を通って、温度的に低い熱流出側の凝縮端に移動する蒸気流と、これに対して、凝縮端の上壁4で凝縮し、熱を放出して液体に戻った作動流体6が複数の溝7bに沿って蒸発端に還流する液体流となる際、蒸気速度が大きく2つの境界面で蒸気流が液体流を巻き込んで飛散させる飛散現象を防ぎ、蒸気流を長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させ、蒸気流と液体流の安定な流れを供給することで、蒸気流の迅速な熱応答性を可能にすることである。また、蒸気流を内壁面全体に瞬時に分散させることが可能にすることである。
そして、容器2の内の凝縮した作動流体6の帰還液は、液体保持力が保たれた複数の溝7bを効率的に帰還する。これに対向して移動する蒸気流は複数の縦横・斜交流路8bを安定して流れることが可能となる。
さらに、図2と図4に示すように、底壁3および上壁4、そして対向しあう側壁5の内壁面には、空隙の複数の円弧断面形状の拡径する流路9aを形作る。この流路は、底壁3、上壁4および側壁5の内壁面上に、容器2の内壁面に対して外方向に向かって湾曲状に曲がった形状を有し、拡径する蒸気空間を成す。そして、容器2の底壁3と上壁4および側壁5の内壁面に、間隔をあけて長手方向軸線に対して平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列された複数の管内流路9bが形成される。この形状はこのような形状に限定されるものではないが、湾曲状が好ましいと言える。
この複数の管内流路9bを作る目的は、上述の複数の縦横・斜交流路8bと同様に、蒸気流と液体流の安定な流れを供給することである。また、底壁3と上壁4が極めて近傍な空間内で熱流入側の蒸発端の底壁3から熱を吸収し、蒸気となった作動流体6が局所的に集中する熱を瞬時に、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に、蒸気流を内壁面全体に分散させて拡散し、容器2の内の圧力差に生じて温度的に低い、熱流出側の凝縮端に移動することで、広い壁面全体を等温度化し、熱密度変換を可能にする。そして、この圧力差は蒸気の持つ粘性力による影響を低減させることで、蒸気流の迅速な熱応答性を可能にすることである。
また、他の目的は、薄葉状を成す容器2において、電子機器本体の発熱体12と容器2の底壁3が面接触するために、定常で平滑な容器2の外表面を維持することである。
容器2の内壁面上には、円弧断面形状の複数の管内流路9bが、容器2の内壁面に対して外方向に向かって湾曲状に曲がるように、底壁3、上壁4および側壁5に、拡径する流路が形成されている。それにより、円弧断面形状の複数の管内流路9bは、凹型断面形状の流路に比べ、容器2の外方向への影響を低減することが可能となる。
次に、上記のような構造の薄葉状ヒートパイプ1の動作について説明する。図5に示されるように、容器2の底壁3は電子機器本体の発熱体12の上面に面接触するので、熱は電子機器本体の発熱体12から底壁3に効率良く伝達される。加熱された底壁3は、底壁3内壁面に設けられた、熱伝達の表面積を大きくした角錐状あるいは円錐状の複数の溝7bを経由して効果的に吸熱が行われる。
それにより、容器2内に密閉封入されている作動流体6は、熱流入側の蒸発端の底壁3より蒸発潜熱の形で熱を吸収し、液相状態から気相状態へと変態する。蒸気となった作動流体6は、容器2内の圧力差により上壁4の圧力的に温度的に低い熱流出側の凝縮端へ移動する。このとき、蒸気となった作動流体6は、底壁3と上壁4に設けられた複数の溝7bが形作る角型断面形状あるいは波形断面形状の蒸気空間の複数の縦横・斜交流路8bと、底壁3、上壁4および側壁5に設けられた円弧断面形状の複数の管内流路9bを凝縮端へと、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動する。
その際、蒸気となった作動流体6は、複数の縦横・斜交流路8bと複数の管内流路9bを移動しながら、電子機器本体の発熱体12の局所的に集中する熱エネルギーを、底壁3より吸収し、複数の縦横・斜交流路8bおよび複数の管内流路9bを移動する過程で、これらの流路内に入り込み、瞬時に長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に広がって内壁面全体に熱を分散・拡散し、容器2内に圧力差が生じることで、圧力的に、温度的にも低い上壁4の凝縮端に移動する。このようにして、蒸気となった作動流体6は、複数の縦横・斜交流路8bおよび複数の管内流路9bに沿って移動する。この容器2内の蒸気の圧力差は、蒸気のもつ粘性力に打ち勝って、安定した蒸気の流れを生じ。温度的に低い上壁4の内壁面の凝縮端で凝縮し、凝縮潜熱を放出し気相状態から液相状態に戻る。
このとき、圧力的に温度的に低い凝縮端の上壁4の内壁面の、角錐状あるいは円錐状の複数の立体型突起7aの複数の溝7bの中には、作動流体6はが充満しており、複数の溝7bの先端部分から熱が伝達され、この先端の頂点部分が熱伝達過程において主導的な役割を果たすことになる。この複数の立体型突起7aの形状により、表面積が増加することで伝熱面積が増大し、凝縮端の内壁面に凝縮・付着した作動流体6は、表面張力によって複数の溝7bの根元に向かって引きこまれ、液体被膜は薄くなり、表面張力効果が強まる。凝縮液となった作動流体6が保持されることで、伝熱促進効果が大きくなる。凝縮・付着し、液体となった作動流体6は、複数の溝7b内を通って毛細管力によって、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動しながら、蒸発端となる底壁3へ還流される。そして、作動流体6の一部は、圧力の高い温度的に高い蒸発端から、再び熱を吸収して蒸発する。このようにして、蒸発と凝縮が繰り返され効果的な熱伝達が可能となる。
このようにして、加熱されて潜熱の形で熱を吸収して蒸気となった作動流体6は、蒸気流路手段の流路を移動し、容器2内の流路全体に分散する。一方、潜熱の形で熱を放出し液体となった作動流体6は、液体通路手段に沿って還流する。それにより、蒸気流と液体流の安定な流れを供給され、蒸気流と対向する液体流の境界面で蒸気の流れが、ある限度より大きくなりすぎて、蒸気流が液体流を巻き込む逆流や不安定な流れが防止される。そして、蒸気流の迅速な熱応答性が可能となり、瞬時に熱が長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動して、容器2内全体に均一に拡散し、熱密度変換が可能となる。また、凝縮端では、濡れ特性が良好になることで効率的に熱輸送が行われ、容器2と液体通路手段および蒸気流路手段とが一体化しているため、熱抵抗が少なく、局所的に集中する熱は容器2内全体に均一に等温度化され、拡散・消散される。このような一連の熱流動現象は、ほとんど同時且つ持続的に繰り返されることとなる。
以上のようにして、マイクロ領域の作動・伝熱メカニズムによる熱密度変換機能を有する優れた伝熱・冷却特性を発揮することで、電子機器本体の発熱体12の低温化・冷却化を可能とする。
次に、図1、図3、図6を用いて他の局面の一実施例について説明する。図6はアルミニウム金属を用いたアルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ13である。図示するアルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ13は、容器2の内壁面に純銅の箔状被膜15aあるいは純銅の蒸着被膜15bが被覆されている。
図6は、アルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ13の内部の形態を示す断面図である。密閉容器2となるアルミニウム金属仕様の容器14の底壁3、上壁4および側壁5の内壁面には、作動流体6に適合し、熱伝導性の良い作動流体6との濡れ性を保持することが可能な純銅の箔状被膜15aあるいは純銅の蒸着被膜15bが密着固定して被覆形成されている。このとき、複数の立体型突起7aおよび複数の円弧断面形状の拡径する流路9aの内壁面は、全体を密着して被覆されることで、良好な液体通路手段および蒸気流路手段が形成されることとなり、作動流体6の流路抵抗を小さくすることが可能となる。また、アルミニウム金属仕様の容器14によって、熱伝効率が良く薄型軽量で経済性に有利となる。
以上のような構造の、図6に示すアルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ13は薄葉状ヒートパイプ1と同一の作動状態を有している。熱伝導性の良いアルミニウム金属仕様の容器14の、受熱面となる底壁3より効率的に熱が吸収され、底壁3の内壁面の純銅の箔状被膜15aあるいは純銅の蒸着被膜15bが被覆された立体型突起7aに効率良く熱が伝達される。そして、アルミニウム金属仕様の容器14内に封入された作動流体6は、蒸発潜熱を吸収して蒸気となる。
蒸気となった作動流体6は、純銅の箔状被膜15aあるいは純銅の蒸着被膜15bが被覆された複数の円弧断面形状の拡径する流路9aと、複数の立体型突起7aが形作る蒸気空間の流路8aを長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動さする。そして、圧力的に温度的に低い上壁4の内壁面の立体型突起7aの先端部分を経て熱を伝達して凝縮し、凝縮潜熱を放出する。液体に戻った作動流体6は、純銅の箔状被膜15aあるいは純銅の蒸着被膜15bが被覆された立体型突起7aに沿って受熱面の底壁3へ毛細管力によって、長手方向軸線に対して平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動しながら還流される。そして、作動流体6は、温度的に高い底壁3から熱を吸収し、再び容器内の圧力差に生じて蒸気となって移動する。
このような一連の熱流動現象が繰り返されることで、局所的に集中する熱をアルミニウム金属仕様の容器14内全体に、瞬時に拡散・消散する熱密度変換機能のマイクロ領域の作動・伝熱メカニズムによって、電子機器本体の発熱体12と低温化冷却化を可能とし、且つアルミニウム金属仕様の容器14を用いることで軽量薄型で経済的有効性を可能とする。
以上のように、この発明によれば、電子機器の微細化に伴い、放熱・冷却のための実装条件が限定される市場において、マイクロ領域の作動・伝熱メカニズムを生かし、従来から不可能であった電子部品の微細部分の局所的に集中する熱制御を行ない、機器の低温化を行なう。それにより、機器の発熱による使用時の不快感を改善し、製品の故障ならびに破裂などの事故を防止する。また、容器素材の改善により、伝熱性能を低下させることなく機器の熱設計にかかるコストを低減するため経済的であることが利点である。また、マイクロ素子などのマイクロエレクトロニクス分野の他に、高集積化、高密度化するパワー半導体素子のパワーエレクトロニクス分野での冷却・放熱に利用が可能である。
1 薄葉状ヒートパイプ
2 容器
3 底壁
4 上壁
5 側壁
6 作動流体
7a 複数の立体型突起
7b 複数の溝
8a 蒸気空間の流路
8b 複数の縦横・斜交流路
9a 複数の円弧断面形状の拡径する流路
9b 複数の管内流路
10 長手方向軸線
11 幅方向軸線
12 電子機器本体の発熱体
13 アルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ
14 アルミニウム金属仕様の容器
15a 純銅の箔状被膜
15b 純銅の蒸着被膜
2 容器
3 底壁
4 上壁
5 側壁
6 作動流体
7a 複数の立体型突起
7b 複数の溝
8a 蒸気空間の流路
8b 複数の縦横・斜交流路
9a 複数の円弧断面形状の拡径する流路
9b 複数の管内流路
10 長手方向軸線
11 幅方向軸線
12 電子機器本体の発熱体
13 アルミニウム金属仕様の薄葉状ヒートパイプ
14 アルミニウム金属仕様の容器
15a 純銅の箔状被膜
15b 純銅の蒸着被膜
Claims (5)
- 受熱面となる底壁と、前記底壁に対向する上壁と、前記底壁と前記上壁とを連結する側壁とによって規定される偏平矩形断面形状で、内部に空隙を有する密閉容器の形態を備え、
気密封止された前記容器内に導入された、蒸発と凝縮とを繰り返す熱媒体となる作動流体と、
前記底壁および前記上壁の前記容器の内壁面には、前記作動流体を内壁面に保持し、凝縮した前記作動流体を毛細管現象によって、配列された複数の立体型突起に沿って、長手方向軸線に対して、平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させる液体通路手段と、
前記底壁、前記上壁および前記側壁の内壁面上には、前記作動流体の相変化に伴って発生する蒸気を、前記液体通路手段に比して、流路断面積が大きい複数の円弧断面形状の拡径する流路に沿って長手方向軸線に対して、平行ならびに直交する垂直な方向に、又は、斜めならびにそれに交差する斜めの方向に移動させる、また、前記液体通路手段の複数の立体型突起が互いに向き合って空隙を形成する蒸気空間の流路に沿って、同様の方向に移動させる蒸気流路手段と、
を備えている薄葉状ヒートパイプ。 - 前記液体通路手段には、前記底壁および前記上壁の内壁面上に、長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列されて延びる角錐状あるいは円錐状を形成する複数の溝が設けられている、請求項1に記載の薄葉状ヒートパイプ。
- 前記蒸気流路手段は、前記複数の溝の角錐状あるいは円錐状の頂点が同軸上で対向する角型断面形状の空隙の蒸気空間、あるいは、千鳥にずれて対向するように形成される、波形断面形状の空隙の蒸気空間が、長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して延びる複数の縦横・斜交流路が設けられている、請求項1に記載の薄葉状ヒートパイプ。
- 前記上記流路手段は、前記底壁、前記上壁および前記側壁の内壁面上に、内壁面上に対して、円弧断面形状の空隙流路を作るように、前記容器の外方向に向かって、内壁面が湾曲状に曲がった形状を有しており、間隔をあけて長手方向軸線に対して、平行ならびに垂直に直交する、又は、斜めに斜交して配列された複数の内部管路が設けられている、請求項1に記載の薄葉状ヒートパイプ。
- 前記容器の重量を軽減するために、前記容器の素材にアルミニウムを用いたアルミニウム金属仕様の容器と、前記アルミニウム金属仕様の容器の内壁面上には、純銅の箔状被膜あるいは蒸着皮膜が密着固定して被覆して設けられている、請求項1に記載の薄葉状ヒートパイプ。
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JP2015209495A JP2017083042A (ja) | 2015-10-26 | 2015-10-26 | 薄葉状ヒートパイプ |
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JP2015209495A JP2017083042A (ja) | 2015-10-26 | 2015-10-26 | 薄葉状ヒートパイプ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019088301A1 (ja) * | 2017-11-06 | 2019-05-09 | 大日本印刷株式会社 | ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用シート、並びに、ベーパーチャンバ用シート及びベーパーチャンバの製造方法 |
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-
2015
- 2015-10-26 JP JP2015209495A patent/JP2017083042A/ja active Pending
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