JP2017080940A - 射出成形金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンダーカット部を有する成形品で且つサイズの小さな成形品を生産できる射出成形金型の製造方法を提供する。【解決手段】第1の工程は、成形品12のアンダーカット部13から駒7を並進させて分離する際に、成形品12に生じる最大応力及び駒7が成形品12によって並進方向の周りに回転させられる回転角を、駒7の並進方向を変えてシミュレーションで複数求める。第2の工程は、第1の工程で求めた全ての最大応力が成形品12の耐力以上である場合には、アンダーカット部13の形状を変更し、再度、第1の工程をやり直す。第3の工程は、第1の工程において求めた成形品12の複数の最大応力のうちの耐力未満で且つ最小の応力を決定し、最小の応力に対応する駒7の並進方向及び駒7の回転角に基づいて駒7の移動路15を形成する。【選択図】図4
Description
この発明は、アンダーカット部を有する成形品の射出成形に使用される射出成形金型の製造方法に関するものである。
例えば、アンダーカット部を有する過給器用羽根車、歯車等の合成樹脂製の成形品は、射出成形金型のキャビティ内に溶融状態の合成樹脂材料を射出し、そのキャビティ内の合成樹脂材料が冷却固化した後、射出成形金型の固定型から可動型を分離し、アンダーカット部を形作る駒(入子型)を成形品のアンダーカット部から分離することにより、射出成形金型から離型することができるようになっている。そして、このような成形品を形作る射出成形金型は、駒を分割し(例えば、固定側入子と可動側入子に二分割し)、成形品の離型時に、分割した駒がアンダーカット部に干渉することなく移動できるように工夫されている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の射出成形金型は、成形品のサイズが小さな場合に、駒の強度を確保できない等の理由により、駒を分割することができず、使用できないという問題を有していた。
そこで、本発明は、アンダーカット部を有する成形品で且つサイズの小さな成形品を生産できる射出成形金型の製造方法を提供する。
本発明は、キャビティ4内に溶融状態の樹脂材料を射出し、アンダーカット部13を有する成形品12を射出成形した後、前記アンダーカット部13を形成する駒7を前記成形品12から分離するようになっている射出成形金型1の製造方法に関するものである。この発明における射出成形金型1の製造方法は、(1)前記アンダーカット部13から前記駒7を並進させて分離する際に、前記成形品12に生じる最大応力及び前記駒7が前記成形品12によって並進方向の周りに回転させられる回転角を、前記駒7の並進方向を変えてシミュレーションで複数求める第1の工程と、(2)前記第1の工程で求めた全ての前記最大応力が前記成形品12の耐力以上である場合には、前記アンダーカット部13の形状を変更し、再度、前記第1の工程をやり直す第2の工程と、(3)前記第1の工程において求めた前記成形品12の複数の前記最大応力のうちの耐力未満で且つ最小の応力を決定し、前記最小の応力に対応する前記駒7の並進方向及び前記駒7の回転角に基づいて前記駒7の移動路15を形成する第3の工程と、を有している。
本発明によれば、成形品のアンダーカット部から駒を並進させて分離する際に、成形品が駒によって破壊されないように、駒の移動路が形成されるため、駒を分割する必要がない。したがって、本発明によれば、アンダーカット部を有する成形品で且つサイズの小さな成形品を射出成形し得る射出成形金型の製造が可能になる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳述する。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例に係る製造方法によって製造された射出成形金型1を示す図である。なお、図1(a)は、射出成形金型1の平面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す射出成形金型1の断面図である。また、図1(c)は、図1(a)のA2−A2線に沿って切断して示す射出成形金型1の断面図である。
図1は、本発明の第1実施例に係る製造方法によって製造された射出成形金型1を示す図である。なお、図1(a)は、射出成形金型1の平面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す射出成形金型1の断面図である。また、図1(c)は、図1(a)のA2−A2線に沿って切断して示す射出成形金型1の断面図である。
この図1に示すように、射出成形金型1は、固定型2と可動型3との型合わせ面側にキャビティ4が形成されており、キャビティ4を形作るための空間5内に軸型6と一対の駒7,7がスライド移動できるように収容され、軸型6と一対の駒7,7の周囲に形成される隙間がキャビティ4になっている。軸型6は、丸棒の側面に一対の平行面8,8が対向するように形成されており、先端面10が可動型3のキャビティ内面3aに突き当てられた状態から固定型2に形成された軸型ガイド穴11に沿ってスライド移動し、キャビティ4を形作るための空間5内から退避できる(空間5外に抜け出すことができる)ようになっている。駒7は、略角棒状に形成され、成形品12のアンダーカット部13(図2参照)を形成するためのアンダーカット部形成部分14が一部に形成され(図3参照)、先端面7aが軸型6の平行面8に突き当てられた状態から移動路15に沿ってスライド移動し、キャビティ4を形作るための空間5内から退避できるようになっている。このような射出成形金型1は、キャビティ5に開口するゲート16が固定型2に形成されており、溶融状態の樹脂材料(ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)等)がゲート16からキャビティ4内に射出されることにより、キャビティ4の形状が転写されたような成形品12(図2参照)を成形できるようになっている。
図2は、図1に示した射出成形金型1で射出成形された成形品12を示す図である。なお、図2(a)は、成形品12の平面図である。また、図2(b)は、成形品12の側面図である。
この図2に示すように、成形品12は、軸穴17を有する筒状のボス18が中央に形成され、このボス18の軸方向に沿った一端(下端)寄りの部分にフランジ20が形成されている。ボス18は、軸穴17が軸型6を転写した形状になっており、肉厚が同一の寸法に形成され、軸直角断面の外形形状が角丸長円形状になっている。そして、この成形品12は、ボス18の平面状の外側壁21からフランジ20の上面20aの径方向に沿って延びる角形筒状部22が一対形成されている(中心軸23の周りに2回対称となるように形成されている)。この角形筒状部22は、駒7の外表面と可動型3との間のキャビティ部分で形作られており、軸穴17からフランジ20の径方向外方端24側(以下、外端24側と略称する)まで延びる断面略矩形形状の連通路25が形成されている。そして、この角形筒状部22の連通路25は、フランジ20の径方向外方端24寄りの部分にアンダーカット部13が形成されている。この連通路25のアンダーカット部13は、駒7のアンダーカット部形成部分14が転写されたものであり、連通路25の一側壁の内方に三角状に張り出した突起であり、連通路25の途中から外端24側へ向かうに従って連通路断面積を漸減させるように形成されている。
図3は、射出成形前の射出成形金型1を示す図であり、可動型3を固定型2から離した状態を示す図である。なお、図3(a)は、固定型2を平面視した図である。また、図3(b)は、図3(a)の矢印A方向に沿って見た側面図(固定型2の一部を破断して示す側面図)である。また、図3(c)は、図3(a)の矢印B方向に沿って見た固定型2の側面図である。
この図3に示すように、駒7は、固定型2の上面2a側(可動型3に対面する側)にスライド移動できるように配置されており、図示しない駆動手段(カム、シリンダ、モータ等)によって駒7の移動路15に沿ってスライド移動させられるようになっている。そして、この駒7は、その一側面7bにアンダーカット部形成部分14が形成されている。この駒7のアンダーカット部形成部分14は、駒7の一側面7bで且つ外端7c寄りに位置する部分の下端から上端に向けて切り込み深さを漸増させると共に、駒7の一側面7bで且つ駒7の長手方向中央部の上端から外端7c寄りに位置する部分の上端に向けて切り込み深さを漸増させる三角形状の凹みである。駒7の移動路15は、固定型2側に設けられており、図6又は図7に示す射出成形金型1の製造方法に従って形成される。
図4は、射出成形後の射出成形金型1を示す図であり、可動型3を固定型2から離した状態を示す図である。なお、図4(a)は、固定型2を平面視した図である。また、図4(b)は、図4(a)のA3−A3線に沿って切断して示す固定型2側の断面図である。また、図4(c)は、図4(a)の矢印C方向に沿って見た側面図(固定型2の一部を破断して示す側面図)である。また、図4(d)は、図4(b)で示した駒7を移動路15に沿ってスライド移動させた後の状態を示す固定型2の断面図である。
この図4に示すように、射出成形後の射出成形金型1は、可動型3を固定型2から型分離した状態において、軸型6が成形品12のボス18の軸穴17に嵌合し、駒7が成形品12の角形筒状部22に係合した状態になっている。そして、成形品12は、角形筒状部22の両側壁22a,22aと上面壁22bが可動型3から分離され、角形筒状部22の両側壁22a,22aと上面壁22bが可動型3に拘束されない状態になっている。その結果、図4(b)において、成形品12の角形筒状部22は、駒7が軸型6から離れる方向に移動路15に沿ってスライド移動する際に、アンダーカット部13及びその周辺がスライド移動する駒7によって押し拡げられるように変形させられる。すなわち、駒7は、図4(b)に示す軸型6に押し当てられた状態から図4(c)に示す成形品12の角形筒状部22を抜け出る位置まで、成形品12の角形筒状部22のアンダーカット部13及びその周辺部を変形させながら移動する。
図5は、駒7の並進方向を説明するための図であり、駒7の外端7c側及び成形品12の角形筒状部22の外端22c側を簡略化して示す図である。
この図5において、駒7は、その並進方向をR(駒7の移動方向ベクトル)で示してあり、移動方向ベクトル分だけ移動した場合、移動後の位置を三次元空間の直交座標系(X軸、Y軸、Z軸)で示すことができる。ここで、X−Y座標面に投影した移動方向ベクトルRとX軸とがなす角をαとし、移動方向ベクトルRとZ軸とがなす角をβとすると、駒7が移動方向ベクトルR分だけ移動した後の位置は、X軸上でRsinβ・cosαとなり、Y軸上でRsinβ・sinαとなり、Z軸上でRcosβとなる。したがって、駒7の並進方向は、角度α及びβによって決定することができる。
図6は、射出成形金型1の製造工程の第1実施例を説明するためのフローチャート図であり、特に、駒7の移動路15を決定するための製造工程の第1実施例を説明するためのフローチャート図である。
(第1の工程)
この図6に示すように、駒7の移動路15の決定には、非線形問題が解ける非線形構造解析ソフト(例えば、シミュレーションソフトとして、AdventureCluster、ABAQUS、ANSYS、又はLS−DYNA)が使用される。そこで、第1ステップ(S1)として、成形品12の射出成形に使用する樹脂材料の材料物性値(ポアソン比ν、縦弾性係数E、耐力σ0.2、応力歪線図、接触摩擦力(静摩擦係数、動摩擦係数)等)、成形品12の形状及び駒7の形状の3D(3次元)データ、駒7の並進方向を示す角度(α、β)を、シミュレーションソフトに入力する。また、駒7の並進方向の周りの回転自由度(回転自由又は回転固定)を、シミュレーションの実行前にシミュレーションソフトに設定する。本実施例において、シミュレーションソフトは、駒7が並進方向の周りに自由に回転できるように設定される。また、例えば、最初の駒7の並進方向(α1、β1)は、α1=0,β1=0とし、Z軸方向(角形筒状部22の長手方向)に沿った方向とすることが考えられる。なお、スライド移動(並進)する駒7は、並進方向の周りに自由に回転できるように設定されることにより、成形品12の角形筒状部22の両側壁22a,22a及び上面壁22bから作用する力が釣り合う角度(θ)まで、並進方向の周りに回転できることになる(図5参照)。
この図6に示すように、駒7の移動路15の決定には、非線形問題が解ける非線形構造解析ソフト(例えば、シミュレーションソフトとして、AdventureCluster、ABAQUS、ANSYS、又はLS−DYNA)が使用される。そこで、第1ステップ(S1)として、成形品12の射出成形に使用する樹脂材料の材料物性値(ポアソン比ν、縦弾性係数E、耐力σ0.2、応力歪線図、接触摩擦力(静摩擦係数、動摩擦係数)等)、成形品12の形状及び駒7の形状の3D(3次元)データ、駒7の並進方向を示す角度(α、β)を、シミュレーションソフトに入力する。また、駒7の並進方向の周りの回転自由度(回転自由又は回転固定)を、シミュレーションの実行前にシミュレーションソフトに設定する。本実施例において、シミュレーションソフトは、駒7が並進方向の周りに自由に回転できるように設定される。また、例えば、最初の駒7の並進方向(α1、β1)は、α1=0,β1=0とし、Z軸方向(角形筒状部22の長手方向)に沿った方向とすることが考えられる。なお、スライド移動(並進)する駒7は、並進方向の周りに自由に回転できるように設定されることにより、成形品12の角形筒状部22の両側壁22a,22a及び上面壁22bから作用する力が釣り合う角度(θ)まで、並進方向の周りに回転できることになる(図5参照)。
次に、上記シミュレーションソフトを使用してシミュレーションを実行し(ステップS2)、駒7が成形品12の角形筒状部22から抜かれるまで(図4(b)の状態から図4(d)の状態に移行するまで)に、角形筒状部22に作用する最大応力(σ)を算出すると共に、最大応力に対応する駒7の回転角(θ)を算出する(ステップS3)。これら、角形筒状部22に生じる最大応力(σ)と駒7の回転角(θ)は、駒7の並進方向(α、β)と関連付けしてメモリに記録される。
次に、ステップS2〜ステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達しているか否かを判断し(ステップS4)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達していない場合には、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する。
(第2の工程)
ステップS4において、シミュレーションの回数が所望の回数(n=X)に到達し、全ての最大応力が耐力以上と判断された場合(ステップS5)、アンダーカット部13の形状(及びアンダーカット部形成部分14の形状)を変更し、変更後の成形品12の形状の3Dデータ及び駒7の形状の3Dデータをシミュレーションソフトに入力し直す(ステップS1b)と共に、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する(第1の工程をやり直す)。
ステップS4において、シミュレーションの回数が所望の回数(n=X)に到達し、全ての最大応力が耐力以上と判断された場合(ステップS5)、アンダーカット部13の形状(及びアンダーカット部形成部分14の形状)を変更し、変更後の成形品12の形状の3Dデータ及び駒7の形状の3Dデータをシミュレーションソフトに入力し直す(ステップS1b)と共に、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する(第1の工程をやり直す)。
(第3の工程)
また、ステップS4において、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達したと判断され、記録された全ての角形筒状部22の最大応力のうちで耐力未満の最大応力があると判断された場合には、記録された全ての最大応力のうちで耐力(σ0.2)未満で且つ最小の応力(σmin)を選択し、σminに対応する(関連付けされた)駒7の回転角(θ)及び駒7の並進方向(α、β)を決定し、これら駒7の回転角(θ)及び駒7の並進方向(α、β)に合致するように駒7の移動路15を形成する(ステップS6)。
また、ステップS4において、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達したと判断され、記録された全ての角形筒状部22の最大応力のうちで耐力未満の最大応力があると判断された場合には、記録された全ての最大応力のうちで耐力(σ0.2)未満で且つ最小の応力(σmin)を選択し、σminに対応する(関連付けされた)駒7の回転角(θ)及び駒7の並進方向(α、β)を決定し、これら駒7の回転角(θ)及び駒7の並進方向(α、β)に合致するように駒7の移動路15を形成する(ステップS6)。
以上のような本実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、成形品12のアンダーカット部13から駒7を並進させて分離する際に、成形品12が駒7によって破壊されないように、駒7の移動路15が形成されるため、駒7を分割する必要がない。その結果、本実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、アンダーカット部13を有する成形品12で且つサイズの小さな成形品12を射出成形し得る射出成形金型1の製造が可能になる。
また、本実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、第2の工程を有する結果、成形品12のアンダーカット部13の形状が、移動路15に沿って移動する駒7によって破壊されないように決定される。
(第2実施例)
図7は、射出成形金型1の製造工程の第2実施例を説明するためのフローチャート図であり、特に、駒7の移動路15を決定するための製造工程の第2実施例を説明するためのフローチャート図である。なお、図7は、本第2実施例と上記第1実施例とを比較し易くするため、図6に対応する箇所には同一符号を付してある。
図7は、射出成形金型1の製造工程の第2実施例を説明するためのフローチャート図であり、特に、駒7の移動路15を決定するための製造工程の第2実施例を説明するためのフローチャート図である。なお、図7は、本第2実施例と上記第1実施例とを比較し易くするため、図6に対応する箇所には同一符号を付してある。
本実施例において、シミュレーションソフトは、上記第1実施例と同様のものが使用されるが、駒7が並進方向の周りに自由に回転できないように設定(回転固定に設定)される(ステップS1)。したがって、本実施例は、シミュレーションを実行することによって最大応力σnのみが出力される(ステップS2〜S3)。以下に、本実施例に係る射出成形金型1の製造方法を説明する。
(第1の工程)
第1ステップ(S1)として、成形品12の射出成形に使用する樹脂材料の材料物性値(ポアソン比ν、縦弾性係数E、耐力σ0.2、応力歪線図、接触摩擦力(静摩擦係数、動摩擦係数)等)、成形品12の形状及び駒7の形状の3Dデータ、駒7の並進方向を示す角度(α、β)を、シミュレーションソフトに入力する。また、駒7の並進方向の周りの回転自由度を、シミュレーションの実行前にシミュレーションソフトに設定する(回転固定に設定する)。
第1ステップ(S1)として、成形品12の射出成形に使用する樹脂材料の材料物性値(ポアソン比ν、縦弾性係数E、耐力σ0.2、応力歪線図、接触摩擦力(静摩擦係数、動摩擦係数)等)、成形品12の形状及び駒7の形状の3Dデータ、駒7の並進方向を示す角度(α、β)を、シミュレーションソフトに入力する。また、駒7の並進方向の周りの回転自由度を、シミュレーションの実行前にシミュレーションソフトに設定する(回転固定に設定する)。
次に、シミュレーションソフトを使用してシミュレーションを実行し(ステップS2)、駒7が成形品12の角形筒状部22から抜かれるまで(図4(b)の状態から図4(d)の状態に移行するまで)に、角形筒状部22に作用する最大応力(σ)を算出する(ステップS3)。この最大応力(σ)は、駒7の並進方向(α、β)と関連付けしてメモリに記録される。
次に、ステップS2〜ステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達しているか否かを判断し(ステップS4)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達していない場合には、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する。
(第2の工程)
ステップS4において、シミュレーションの回数が所望の回数(n=X)に到達し、全ての最大応力が耐力以上と判断された場合(ステップS5)、アンダーカット部13の形状(及びアンダーカット部形成部分14の形状)を変更し、変更後の成形品12の形状の3Dデータ及び駒7の形状の3Dデータをシミュレーションソフトに入力し直す(ステップS1b)と共に、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する(第1の工程をやり直す)。
ステップS4において、シミュレーションの回数が所望の回数(n=X)に到達し、全ての最大応力が耐力以上と判断された場合(ステップS5)、アンダーカット部13の形状(及びアンダーカット部形成部分14の形状)を変更し、変更後の成形品12の形状の3Dデータ及び駒7の形状の3Dデータをシミュレーションソフトに入力し直す(ステップS1b)と共に、駒7の並進方向(αn、βn)を変更し(ステップS1a)、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達するまで、ステップS2〜S4及びステップS1aを繰り返し実行する(第1の工程をやり直す)。
(第3の工程)
また、ステップS4において、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達したと判断され、記録された全ての最大応力のうちで耐力未満の最大応力があると判断された場合には、記録された全ての最大応力のうちで耐力(σ0.2)未満で且つ最小の応力(σmin)を選択し、σminに対応する(関連付けされた)駒7の並進方向(α、β)を決定し、駒7の並進方向(α、β)に合致するように駒7の移動路15を形成する(ステップS6)。
また、ステップS4において、ステップS2からステップS3の回数が所望のシミュレーション回数(n=X)に到達したと判断され、記録された全ての最大応力のうちで耐力未満の最大応力があると判断された場合には、記録された全ての最大応力のうちで耐力(σ0.2)未満で且つ最小の応力(σmin)を選択し、σminに対応する(関連付けされた)駒7の並進方向(α、β)を決定し、駒7の並進方向(α、β)に合致するように駒7の移動路15を形成する(ステップS6)。
本実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、上述した第1実施例と同様に、成形品12のアンダーカット部13から駒7を並進させて分離する際に、成形品12が駒7によって破壊されないように、駒7の移動路15が形成されるため、駒7を分割する必要がない。したがって、本第2実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、アンダーカット部13を有する成形品12で且つサイズの小さな成形品12を射出成形し得る射出成形金型1の製造が可能になる。
また、本実施例に係る射出成形金型1の製造方法によれば、第2の工程を有する結果、成形品12のアンダーカット部13の形状が、移動路15に沿って移動する駒7によって破壊されないように決定される。
なお、本発明は、第1及び第2実施例に係る成形品12の射出成形金型1の製造方法に限定されるものではなく、他のアンダーカット部を有する過給器用羽根車、歯車等の射出成形金型の製造方法に広く適用できる。
1……射出成形金型、4……キャビティ、7……駒、12……成形品、13……アンダーカット部、15……移動路
Claims (2)
- キャビティ内に溶融状態の樹脂材料を射出し、アンダーカット部を有する成形品を射出成形した後、前記アンダーカット部を形成する駒を前記成形品から分離するようになっている射出成形金型の製造方法において、
前記アンダーカット部から前記駒を並進させて分離する際に、前記成形品に生じる最大応力及び前記駒が前記成形品によって並進方向の周りに回転させられる回転角を、前記駒の並進方向を変えてシミュレーションで複数求める第1の工程と、
前記第1の工程で求めた全ての前記最大応力が前記成形品の耐力以上である場合には、前記アンダーカット部の形状を変更し、再度、前記第1の工程をやり直す第2の工程と、
前記第1の工程において求めた前記成形品の複数の前記最大応力のうちの耐力未満で且つ最小の応力を決定し、前記最小の応力に対応する前記駒の並進方向及び前記駒の回転角に基づいて前記駒の移動路を形成する第3の工程と、
を有することを特徴とする射出成形金型の製造方法。 - キャビティ内に溶融状態の樹脂材料を射出し、アンダーカット部を有する成形品を射出成形した後、前記アンダーカット部を形成する駒を前記成形品から分離するようになっている射出成形金型の製造方法において、
前記アンダーカット部から前記駒を並進させて分離する際に、前記成形品に生じる最大応力を、前記駒の並進方向を変えてシミュレーションで複数求める第1の工程と、
前記第1の工程で求めた全ての前記最大応力が前記成形品の耐力以上である場合には、前記アンダーカット部の形状を変更し、再度、前記第1の工程をやり直す第2の工程と、
前記第1の工程において求めた前記成形品の複数の前記最大応力のうちの耐力未満で且つ最小の応力を決定し、前記最小の応力に対応する前記駒の並進方向に基づいて前記駒の移動路を形成する第3の工程と、
を有することを特徴とする射出成形金型の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2015209464A JP2017080940A (ja) | 2015-10-26 | 2015-10-26 | 射出成形金型の製造方法 |
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