JP2018172722A - 透磁率変化検出部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異方性を付与するための追加工を不要とする、透磁率変化検出部材の製造方法を提供する。【解決手段】検出部材10は、透磁率の変化を検出するために用いられる検出部材である。検出部材10の製造方法は、金型を用いて、所定の材料を、異方性を示す形状に成形する工程と、成形された前記材料を焼結する工程とを備える。一例では、検出部材の磁歪定数が25ppm以上となり、引っ張り強度が250MPa以上となる。一例では、異方性を示す形状は、複数の第1溝と、複数の第2溝とを備え、第1溝と第2溝とは平行ではない。一例では、所定の材料は、鉄およびニッケルまたは鉄およびコバルトの混合物である。【選択図】図2
Description
この発明は、透磁率変化検出部材の製造方法に関する。
透磁率の変化を検出し、これを利用して動作する機器が公知である。たとえば外力を検出するセンサでは、軸等に加わる外力の大きさに応じて変化する透磁率を、透磁率変化検出センサを用いて検出し、これに基づいて外力の大きさを算出する。
透磁率の変化を検出するための部材の製造方法として、たとえば特許文献1には、焼結を用いて磁歪素子を製造する方法が記載されている。
このような検出部材は、磁気的な異方性を備えることが必要である。従来、異方性の付与には追加工が用いられており、たとえば、まず材料を削り出し、その後に異方性を付与するための追加工を行う。または、たとえば、まず構造材料の上に検出膜を形成し、その後に膜に対して異方性を付与するための追加工を行う。このような追加工は、特許文献1に記載の技術に対しても行われる。
しかしながら、従来の方法では、異方性を付与するための追加工が必須であるという問題があった。このため、作成手順が複雑となる可能性や、コストが高くなる可能性がある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたものであり、異方性を付与するための追加工を不要とする透磁率変化検出部材の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る方法は、
透磁率の変化を検出するために用いられる、検出部材の製造方法であって、
金型を用いて、所定の材料を、異方性を示す形状に成形する工程と、
成形された前記材料を焼結する工程と、
を備える。
特定の態様によれば、前記焼結する工程は、前記検出部材の磁歪定数が25ppm以上となり、引っ張り強度が250MPa以上となる条件で実行される。
特定の態様によれば、前記異方性を示す形状は、第1部分において互いに平行に形成される複数の第1溝と、第2部分において互いに平行に形成される複数の第2溝とを備え、前記第1溝と前記第2溝とは平行ではない。
特定の態様によれば、前記所定の材料は、鉄およびニッケルの混合物であるか、または、鉄およびコバルトの混合物である。
透磁率の変化を検出するために用いられる、検出部材の製造方法であって、
金型を用いて、所定の材料を、異方性を示す形状に成形する工程と、
成形された前記材料を焼結する工程と、
を備える。
特定の態様によれば、前記焼結する工程は、前記検出部材の磁歪定数が25ppm以上となり、引っ張り強度が250MPa以上となる条件で実行される。
特定の態様によれば、前記異方性を示す形状は、第1部分において互いに平行に形成される複数の第1溝と、第2部分において互いに平行に形成される複数の第2溝とを備え、前記第1溝と前記第2溝とは平行ではない。
特定の態様によれば、前記所定の材料は、鉄およびニッケルの混合物であるか、または、鉄およびコバルトの混合物である。
この発明に係る、検出部材の製造方法によれば、焼結前に材料が異方性を示す形状に成形されているので、焼結後の追加工が不要となる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る検出部材10の構成の例を示す。検出部材10は、透磁率の変化を検出するために用いられる検出部材(透磁率変化検出部材)であり、たとえばコアとして用いられる。図1の例では、検出部材10の概略形状は、軸13の周りに形成される円筒形となっている。また、検出部材10は、第1部分11と第2部分12とを備える。第1部分11の表面(円筒面)には複数の第1溝11aが形成され、第2部分12の表面(円筒面)には複数の第2溝12aが形成される。第1溝11aおよび第2溝12aは、たとえば表面に沿って螺旋状に形成される。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る検出部材10の構成の例を示す。検出部材10は、透磁率の変化を検出するために用いられる検出部材(透磁率変化検出部材)であり、たとえばコアとして用いられる。図1の例では、検出部材10の概略形状は、軸13の周りに形成される円筒形となっている。また、検出部材10は、第1部分11と第2部分12とを備える。第1部分11の表面(円筒面)には複数の第1溝11aが形成され、第2部分12の表面(円筒面)には複数の第2溝12aが形成される。第1溝11aおよび第2溝12aは、たとえば表面に沿って螺旋状に形成される。
第1部分11および第2部分12は、軸13の方向において互いに異なる位置に設けられる。図1の例では、軸方向における所定の基準位置14に対して互いに反対側に、基準位置14から等距離に配置されている。
第1溝11aは互いに平行に形成され、第2溝12aもまた互いに平行に形成される。ここで、「平行」の意味は当業者が任意に定義することができるが、たとえば検出部材10の表面(円筒面)を仮想的に周方向に展開し、平面上に投影した場合に、その平面内において平行となるような関係である。「並行」と表現される関係であってもよい。
また、たとえば第1溝11aは互いに等間隔に形成され、第2溝12aもまた互いに等間隔に形成される。第1溝11aの間隔と第2溝12aの間隔とは等しい。間隔は、たとえば周方向に沿って測定される。
検出部材10は、異方性(磁気的な異方性を意味する。本明細書において同じ)を示す形状に成形されている。図1の例では、異方性を示す形状は、第1溝11aおよび第2溝12aを備える。第1溝11aと第2溝12aとは平行ではなく、互いに対向する向きである(すなわち、軸13の周りに互いに反対の向きに旋回する。図1の例では互いに直交している)。このため、第1溝11aを備える第1部分11と、第2溝12aを備える第2部分12とは、磁気的な異方性を有する。
検出部材10の形状として、たとえば、力が加わらない状態では第1部分11と第2部分12とで、同一方向の透磁率が等しくなるように構成しておくことができる。このような場合、軸の周りにある向きに捻りが加えられた場合に、第1部分11と第2部分12とで透磁率が異なる値に変化し、これに基づいて捻りの向きおよび強さを検出することが可能となる。このようにして異方性が利用される。
第1溝11aおよび第2溝12aは、図1ではそれぞれ幅を持たない直線として概略的に描かれているが、溝の形状は任意に設計可能である。たとえば、各溝の断面形状(幅および深さを含む)は、検出部材10のサイズまたは他の仕様等に応じて適宜決定することができる。
検出部材10は、所定の磁歪特性および機械特性を備える材料から構成されている。とくに、磁歪特性および機械特性の優れた材料を用いることが好ましい。材料は、たとえば磁歪定数が25ppm以上であり、かつ、引っ張り強度が250MPa以上であるような検出部材10を構成可能な材料である。
次に、検出部材10を製造する工程を説明する。
図2に、検出部材10を製造する工程の例を示す。検出部材10の製造方法は、このような工程を含む。まず材料を構成する粉末を混合する(工程S1)。材料は、磁歪定数および機械特性の優れた材料であることが好ましい。このような材料は、たとえば鉄およびニッケルの混合物として生成することができる。たとえば、x%のFeと(100−x)%のNiとの粉末混合により生成してもよく、その場合にはたとえばx=35としてもよい。
図2に、検出部材10を製造する工程の例を示す。検出部材10の製造方法は、このような工程を含む。まず材料を構成する粉末を混合する(工程S1)。材料は、磁歪定数および機械特性の優れた材料であることが好ましい。このような材料は、たとえば鉄およびニッケルの混合物として生成することができる。たとえば、x%のFeと(100−x)%のNiとの粉末混合により生成してもよく、その場合にはたとえばx=35としてもよい。
次に、金型を用いて、所定の材料を、異方性を示す形状に成形する(工程S2)。材料の詳細は上述の通りである。異方性を示す形状は、たとえば図1に関連して説明したようなものであり、そのような形状に対応する金型を作成または準備することは容易である。
次に、成形された材料を焼結する(工程S3)。焼結の具体的な条件はとくに限定しないが、当業者であれば決定可能である。たとえば、この工程は、上記の材料を用いて、検出部材10の磁歪定数が25ppm以上となり、引っ張り強度が250MPa以上となるような条件で実行される。このような条件は、たとえば焼結の温度および圧力に依存するが、具体的な温度および圧力は当業者が容易に決定可能である。
図2には示さないが、工程S3の後に、必要に応じて他の処理を行ってもよい。たとえば、サイジング処理やその他の後処理であり、完成品としての検出部材10の形状や、必要な強度等に応じて実行される。
なお、工程S2の完了した時点で、異方性を示す形状への成形が済んでいるので、工程S3より後に、さらに異方性を付与するための工程(追加工)を実行する必要はない。したがって、作成手順をより簡素なものにできる可能性や、コストを低減できる可能性がある。
検出部材10の用途は任意であるが、たとえば、外力による透磁率変化を検出する各種のセンサに応用することができる。
上述の実施の形態1において、以下のような変形を施すことができる。
検出部材10の概形は円筒形である必要はなく、任意の形状に成形することができる。また、異方性を示す形状の配置は任意であり、1箇所のみとしてもよく(たとえば、捻りの方向を検出する必要がない場合には第2部分12を省略してもよい)、3箇所以上に分離して配置されてもよい。
検出部材10の概形は円筒形である必要はなく、任意の形状に成形することができる。また、異方性を示す形状の配置は任意であり、1箇所のみとしてもよく(たとえば、捻りの方向を検出する必要がない場合には第2部分12を省略してもよい)、3箇所以上に分離して配置されてもよい。
第1溝11aと第2溝12aとが互いに対向する向きをなす場合において、第1溝11aは互いに平行でなくともよく、第2溝12aもまた互いに平行でなくともよい。また、平行である場合に、それぞれの間隔は等しくなくともよい。
検出部材10の特性として、磁歪定数が25ppm未満であってもよく、引っ張り強度が250MPa未満であってもよい。
材料は、鉄およびコバルトの混合物として生成されてもよい。
10 検出部材、11 第1部分、12 第2部分、11a 第1溝、12a 第2溝。
Claims (4)
- 透磁率の変化を検出するために用いられる、検出部材の製造方法であって、
金型を用いて、所定の材料を、異方性を示す形状に成形する工程と、
成形された前記材料を焼結する工程と、
を備える、方法。 - 前記焼結する工程は、前記検出部材の磁歪定数が25ppm以上となり、引っ張り強度が250MPa以上となる条件で実行される、請求項1に記載の方法。
- 前記異方性を示す形状は、第1部分において互いに平行に形成される複数の第1溝と、第2部分において互いに平行に形成される複数の第2溝とを備え、前記第1溝と前記第2溝とは平行ではない、請求項1または2に記載の方法。
- 前記所定の材料は、鉄およびニッケルの混合物であるか、または、鉄およびコバルトの混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017070909A JP2018172722A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 透磁率変化検出部材の製造方法 |
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JP2018172722A true JP2018172722A (ja) | 2018-11-08 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112477112A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-03-12 | 华中科技大学 | 一种基于4d打印成形的仿神经触觉传感器 |
-
2017
- 2017-03-31 JP JP2017070909A patent/JP2018172722A/ja active Pending
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