JP2017080136A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検眼における眼内距離を高精度に測定することが可能な眼科装置を提供する。【解決手段】眼科装置は、干渉光学系と、視標投影系と、制御部と、眼内距離算出部とを含む。干渉光学系は、第1光源からの光を参照光と測定光とに分割し、測定光を被検眼に照射し、その戻り光と参照光との干渉光を生成し、生成された干渉光を検出する。視標投影系は、第1固視標及び第1固視標より視角が狭い第2固視標を被検眼に選択的に投影する。制御部は、第1固視標及び第2固視標の切り替えを行う。眼内距離算出部は、被検眼の遠点に相当する位置に第2固視標が呈示された状態において干渉光学系による干渉光の検出データに基づいて被検眼における眼内距離を求める。【選択図】図7

Description

この発明は、眼科装置に関する。
白内障は、レンズの役目を担う水晶体が混濁することにより徐々に視力が低下していく眼疾患である。白内障が進行した被検眼に対しては、一般的に、白内障手術が行われる。例えば、白内障手術では、混濁した水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズ(Intraocular Lens:以下、IOL)が挿入される。IOLには、球面度のみを有するものや、乱視の矯正が可能なトーリックIOLや、遠方と近方の双方に焦点を合わせることが可能な多焦点IOLなどがある。白内障手術の前には、被検眼の構造を表す眼球情報(眼軸長等)の測定が行われ、得られた眼球情報からIOLの度数が決定される。
特開2012−161425号公報
IOL度数の決定には、被検眼について眼軸長や前房深度等の複数の眼内距離が必要である。眼内距離は、光干渉計測により求めることが可能である。しかしながら、被検眼の調節の状態によって眼内距離の測定値が大きく変化し、求められたIOL度数の誤差が大きくなるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、被検眼における眼内距離を高精度に測定することが可能な眼科装置を提供することにある。
実施形態に係る眼科装置は、干渉光学系と、視標投影系と、制御部と、眼内距離算出部とを含む。干渉光学系は、第1光源からの光を参照光と測定光とに分割し、測定光を被検眼に照射し、その戻り光と参照光との干渉光を生成し、生成された干渉光を検出する。視標投影系は、第1固視標及び第1固視標より視角が狭い第2固視標を被検眼に選択的に投影する。制御部は、第1固視標及び第2固視標の切り替えを行う。眼内距離算出部は、被検眼の遠点に相当する位置に第2固視標が呈示された状態において干渉光学系による干渉光の検出データに基づいて被検眼における眼内距離を求める。
実施形態によれば、被検眼における眼内距離を高精度に測定することが可能な眼科装置を提供することができる。
実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。
この発明に係る眼科装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、他覚測定と自覚検査とを実行可能である。他覚測定は、被検者からの応答を参照することなく、主に物理的な手法を用いて被検眼に関する情報を取得する測定手法である。
他覚測定には、被検眼の特性を取得するための測定と、被検眼の画像を取得するための撮影とが含まれる。他覚測定には、他覚屈折測定、角膜形状測定、眼圧測定、眼底撮影、光干渉計測等がある。一方、自覚検査は、被検者からの応答を利用して情報を取得する測定手法である。自覚検査には、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査等の自覚屈折測定や、視野検査などがある。
実施形態に係る眼科装置は、任意の自覚検査及び任意の他覚測定の少なくとも一方を実行可能である。光干渉計測は、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚など、被検眼の構造を表す眼球情報を取得するために用いられる。また、被検眼の画像や解析データを取得するために光干渉計測を利用することもできる。
<構成>
図1及び図2に、実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。眼科装置1000は、被検眼Eの検査を行うための光学系として、Zアライメント系1、XYアライメント系2、ケラト測定系3、視標投影系4、観察系5、レフ測定投影系6、レフ測定受光系7、及び眼内距離測定系8を含む。また、眼科装置1000は処理部9を含む。
(処理部9)
処理部9は、眼科装置1000の各部を制御する。また、処理部9は、各種演算処理を実行可能である。処理部9はプロセッサを含む。プロセッサの機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路により実現される。処理部9は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
(観察系5)
観察系5は、被検眼Eの前眼部を動画撮影する。被検眼Eの前眼部からの光(赤外光)は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52及び53を透過し、絞り54の開口を通過する。絞り54の開口を通過した光は、ハーフミラー55を透過し、リレーレンズ56及び57を通過し、結像レンズ58により撮像素子59(エリアセンサ)の撮像面に結像される。撮像素子59は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子59の出力(映像信号)は処理部9に入力される。処理部9は、この映像信号に基づく前眼部像E’を表示部10の表示画面10aに表示させる。前眼部像E’は、例えば赤外動画像である。観察系5は、前眼部を照明するための照明光源を含んでいてもよい。
(Zアライメント系1)
Zアライメント系1は、観察系5の光軸方向(前後方向、Z方向)におけるアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。Zアライメント光源11から出力された光は、被検眼Eの角膜Kに照射され、角膜Kにより反射され、結像レンズ12によりラインセンサ13に結像される。角膜頂点の位置が前後方向に変化すると、ラインセンサ13に対する光の投影位置が変化する。処理部9は、ラインセンサ13に対する光の投影位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づきZアライメントを実行する。
(XYアライメント系2)
XYアライメント系2は、観察系5の光軸に直交する方向(左右方向(X方向)、上下方向(Y方向))のアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。XYアライメント系2は、ハーフミラー55により観察系5から分岐された光路に設けられたXYアライメント光源21を含む。XYアライメント光源21から出力された光は、ハーフミラー55により反射され、観察系5を通じて被検眼Eに照射される。その角膜Kによる反射光は、観察系5を通じて撮像素子59に導かれる。
この反射光の像(輝点像)は前眼部像E’に含まれる。処理部9は、図1に示すように、輝点像Brを含む前眼部像E’とアライメントマークALとを表示画面10aに表示させる。手動でXYアライメントを行う場合、ユーザは、アライメントマークAL内に輝点像Brを誘導するように光学系の移動操作を行う。自動でアライメントを行う場合、処理部9は、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位がキャンセルされるように、光学系を移動させるための機構を制御する。
(ケラト測定系3)
ケラト測定系3は、角膜Kの形状を測定するためのリング状光束(赤外光)を角膜Kに投影する。ケラト板31は、対物レンズ51と被検眼Eとの間に配置されている。ケラト板31の背面側(対物レンズ51側)にはケラトリング光源32が設けられている。ケラトリング光源32からの光でケラト板31を照明することにより、角膜Kにリング状光束が投影される。その反射光(ケラトリング像)は撮像素子59により前眼部像とともに検出される。処理部9は、このケラトリング像を基に公知の演算を行うことで角膜形状パラメータを算出する。
(視標投影系4)
視標投影系4は、固視標や自覚検査用視標等の各種視標を被検眼Eに呈示する。視標投影系4は、視角が異なる2以上の固視標を切り替えつつそれぞれの固視標を被検眼Eに投影する。視角が異なる2以上の固視標には、例えば、輝点と、輝点より視角が広い風景チャートとが含まれる。風景チャートは、遠景が描出されたチャートであり、後述のように他覚屈折測定(レフ測定)だけではなく眼内距離測定にも用いられる。光源41から出力された光(可視光)は視標チャート42に照射される。視標チャート42は、例えば透過型の液晶パネルを含み、視標を表すパターンを表示する。視標チャート42を透過した光は、結像レンズ43及びVCCレンズ44を通過し、反射ミラー45により反射され、ダイクロイックミラー53により反射され、ダイクロイックミラー52を透過し、対物レンズ51を通過して眼底Efに投影される。光源41及び視標チャート42は、一体となって光軸方向に移動可能である。
自覚検査を行う場合、処理部9は、他覚測定の結果に基づき視標チャート42、光源41及びVCCレンズ44を制御する。処理部9は、検者又は処理部9により選択された視標を視標チャート42に表示させる。それにより、当該視標が被検者に呈示される。被検者は視標に対する応答を行う。応答内容の入力を受けて、処理部9は、更なる制御や、自覚検査値の算出を行う。例えば、視力測定において、処理部9は、ランドルト環等に対する応答に基づいて、次の視標を選択して呈示し、これを繰り返し行うことで視力値を決定する。
(レフ測定投影系6及びレフ測定受光系7)
レフ測定投影系6及びレフ測定受光系7は他覚屈折測定(レフ測定)に用いられる。レフ測定投影系6は、他覚測定用のリング状光束(赤外光)を眼底Efに投影する。レフ測定受光系7は、このリング状光束の被検眼Eからの戻り光を受光する。
レフ測定光源61は光軸方向に移動可能であり、眼底Efと光学的に共役な位置に配置される。レフ測定光源61から出力された光は、コンデンサレンズ62を通過し、反射ミラー63により反射され、円錐プリズム64A及びリレーレンズ64Bを透過し、リング絞り64Cのリング状透光部を通過してリング状光束となる。リング絞り64Cにより形成されたリング状光束は、孔開きプリズム65の反射面により反射され、ロータリープリズム66を通過し、クイックリターンミラー67に導かれる。
ロータリープリズム66は、眼底Efの血管や疾患部位に対するリング状光束の光量分布を平均化させるために用いられる。また、クイックリターンミラー67は、他覚屈折測定と眼内距離測定との切り替えに用いられる。他覚屈折測定を行う場合、クイックリターンミラー67の反射面は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路(分岐光路)に配置される。それにより、レフ測定投影系6の光路及びレフ測定受光系7の光路の双方が観察系5の光路に結合される。一方、眼内距離測定を行う場合、クイックリターンミラー67は、この分岐光路から退避される。それにより、眼内距離測定系8の光路が観察系5の光路に結合される。
他覚屈折測定では、ロータリープリズム66を通過したリング状光束は、クイックリターンミラー67により反射され、ダイクロイックミラー52に反射され、対物レンズ51を通過して眼底Efに投影される。
眼底Efに投影されたリング状光束の戻り光は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52及びクイックリターンミラー67により反射される。クイックリターンミラー67により反射された戻り光は、ロータリープリズム66を通過し、孔開きプリズム65の穴部を通過し、リレーレンズ71及び合焦レンズ72を透過し、結像レンズ73により撮像素子74の撮像面に結像される。撮像素子74の出力は処理部9に入力される。処理部9は、撮像素子74からの出力を基に公知の演算を行うことで被検眼Eの球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aを算出する。
処理部9は、算出された屈折値に基づいて、レフ測定光源61と眼底Efと撮像素子74とが共役となる位置に、レフ測定光源61と合焦レンズ72とをそれぞれ光軸方向に移動させる。更に、処理部9は、合焦レンズ72及びレフ測定光源61の移動に連動して眼内距離測定系8の合焦レンズ85をその光軸方向に移動させる。処理部9は、レフ測定光源61、合焦レンズ72及び合焦レンズ85、光源41及び視標チャート42を一体的に移動させることも可能である。
(眼内距離測定系8)
眼内距離測定系8は、眼球情報としての眼内距離を取得するための光干渉計測を行う。光干渉計測が行われるとき、クイックリターンミラー67が上記分岐光路から退避される。また、光干渉計測よりも前にレフ測定が実施され、光ファイバ80aの端面が眼底Efと共役となるように合焦レンズ85の位置が調整される。
図2に示すように、干渉計ユニット80において、干渉計光源81から出力された光(赤外光、広帯域光)L0は、光ファイバ80bを通じて導かれたファイバカプラ82により測定光LSと参照光LRとに分割される。測定光LSは、光ファイバ80aを通じてコリメータレンズ84に導かれる。一方、参照光LRは、光ファイバ80cを通じて参照光路長変更ユニット90に導かれる。
参照光路長変更ユニット90は、参照光LRの光路長を変更する。参照光路長変更ユニット90に導かれた参照光LRは、コリメータレンズ91により平行光束とされてビームスプリッタ92に入射する。ビームスプリッタ92は、50:50の分割比で参照光LRを2つの光束(網膜・前房深度用光束、角膜用光束)に分割する。なお、ビームスプリッタ92の分割比は必ずしも等分割でなくてもよく、光学系の構成などに応じた分割比であってよい。
ビームスプリッタ92の透過方向には網膜・前房深度用シャッター93と網膜・前房深度用参照ミラーユニット94とが設けられ、反射方向には角膜用シャッター95と角膜用参照ミラーユニット96とが設けられている。網膜・前房深度用参照ミラーユニット94は、結像レンズ94Aと網膜・前房深度用参照ミラー94Bとを含む。角膜用参照ミラーユニット96は、結像レンズ96Aと角膜用参照ミラー96Bとを含む。
網膜・前房深度用シャッター93は、ビームスプリッタ92と網膜・前房深度用参照ミラー94Bとの間の網膜・前房深度用光束の光路(網膜・前房深度用参照光路)に対して挿脱可能である。角膜用シャッター95は、ビームスプリッタ92と角膜用参照ミラー96Bとの間の角膜用光束の光路(角膜用参照光路)に対して挿脱可能である。網膜・前房深度用シャッター93が光路から退避されている場合、網膜・前房深度用光束は、結像レンズ94Aにより網膜・前房深度用参照ミラー94Bの反射面に結像され、網膜・前房深度用参照ミラー94Bにより反射され、結像レンズ94Aを通過してビームスプリッタ92に戻る。角膜用シャッター95が光路から退避されている場合、角膜用光束は結像レンズ96Aにより角膜用参照ミラー96Bの反射面に結像され、角膜用参照ミラー96Bにより反射され、結像レンズ96Aを通過してビームスプリッタ92に戻る。
一方、干渉計ユニット80から出力された測定光LSは、コリメータレンズ84により平行光束とされる。平行光束とされた測定光LSの光路に対して、水晶体レンズ89が挿脱される。当該光路に水晶体レンズ89が挿入されている場合、平行光束とされた測定光LSは、光スキャナ87bにより偏向され、合焦レンズ85、リレーレンズ86及び水晶体レンズ89を通過し、ミラー87aにより偏向される。当該光路から水晶体レンズ89が退避されている場合、平行光束とされた測定光LSは、光スキャナ87bにより偏向され、合焦レンズ85及びリレーレンズ86を通過し、ミラー87aにより偏向される。ミラー87aにより偏向された測定光LSは、瞳レンズ88を通過し、ダイクロイックミラー52により反射され、対物レンズ51を通過して被検眼Eに照射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、対物レンズ51を通過し、往路と同じ経路を通じて干渉計ユニット80に導かれる。光スキャナ87bは、例えば1以上のガルバノミラーを含み、処理部9による制御を受けて測定光LSの偏向方向を変化させる。光スキャナ87bは、瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。
ファイバカプラ82は、参照光路長変更ユニット90を経由した参照光と、測定光LSの戻り光とを干渉させる。それにより生成された干渉光LCは、光ファイバ80dにより分光器83に導かれる。分光器83は、干渉光LCを空間的に波長分離し、これら波長成分をラインセンサで検出する。処理部9は、分光器83から出力された信号にFFT(Fast Fourier Transform)等の公知の信号処理を施すことにより、深さ方向の情報を取り出す。
本例ではスペクトラルドメインOCT(Opcitcal Coherence Tomography)が適用されているが、他のタイプのOCTを適用することも可能である。例えばスウェプトソースOCTが適用される場合、低コヒーレンス光源(干渉計光源81)の代わりに波長掃引光源(波長可変光源)が設けられ、且つ、分光器83の代わりにバランスドフォトダイオード等の光検出器が設けられる。
処理部9は、深さ方向の所定位置に干渉信号が配置されるように、網膜・前房深度用参照ミラーユニット94と角膜用参照ミラーユニット96とを移動させることが可能である。FFTにより得られる干渉信号の強度の深さ方向における変化の例を図3に示す。点線で示す干渉信号SC0が得られた状態において、図4に示すように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94をビームスプリッタ92に近接させることにより、図3に示す所定範囲内に干渉信号SC0(網膜に相当)を移動させることができる。つまり、結像レンズ94A及び網膜・前房深度用参照ミラー94Bを点線で示す位置から実線で示す位置に移動させることにより、所望の範囲内に干渉信号SC0を移動させることができる。
Zアライメント系1を用いて検出される角膜頂点の位置を利用することで、被検眼Eに対する対物レンズ51の距離(作動距離)を一定に保つことができる。ここで、角膜用シャッター95が光路から退避されると、角膜Kに相当する干渉信号も分光器83により同時に検出される。角膜用参照ミラー96Bは、網膜に相当する干渉信号SC1に重ならないように、角膜Kから所定距離dだけ離れた位置に配置される(図5)。これにより、図6に示すように、網膜に相当する干渉信号SC1と角膜に相当する干渉信号SC2の双方を、深さ方向における計測範囲Rにおいて同時に取得できる。
図6に示すように計測範囲Rにおいて信号感度SCが変化する場合、比較的信号が弱い干渉信号SC1を比較的高感度の計測範囲R1で検出し、比較的信号が強い干渉信号SC2を比較的低感度の計測範囲R2で検出することができる。それにより、双方の干渉信号の検出精度が向上される。
この実施形態では、被検眼Eの眼内距離を測定するとき、処理部9は、角膜用参照ミラーユニット96を固定した状態で網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動させる。それにより、基準部位としての角膜頂点を基準に被検眼Eの各種の眼内距離を測定することが可能になる。図5に示すように、眼軸長を測定する場合、網膜に相当する干渉信号を検出できるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動させて角膜頂点と眼底(網膜)との距離D1を求める。前房深度を測定する場合、水晶体前面に相当する干渉信号を検出できるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動させて角膜頂点と水晶体前面との距離D2を求める。水晶体厚を測定する場合、水晶体後面に相当する干渉信号を検出できるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動させて角膜頂点と水晶体後面との距離(D2+D3)を求め、距離(D2+D3)から前述の距離D2を差し引いて距離D3を求める。角膜厚を測定する場合、角膜後面に相当する干渉信号を検出して角膜頂点と角膜後面との距離を求める。
(情報処理系の構成)
眼科装置1000の情報処理系について説明する。眼科装置1000の情報処理系の機能的構成の例を図7及び図8に示す。図7は、眼科装置1000の情報処理系の機能ブロック図の一例を表したものである。図8は、図7の演算処理部120の機能ブロック図の一例を表したものである。処理部9は、制御部110と演算処理部120とを含む。また、眼科装置1000は、表示部170と、操作部180と、通信部190とを含む。
(制御部110)
制御部110は、プロセッサを含み、眼科装置1000の各部を制御する。制御部110は、主制御部111と、記憶部112とを含む。
主制御部111は、眼科装置1000の各種制御を行う。主制御部111は、Zアライメント系1のZアライメント光源11やラインセンサ13、XYアライメント系2のXYアライメント光源21、ケラト測定系3のケラトリング光源32を制御する。それにより、Zアライメント光源11やXYアライメント光源21やケラトリング光源32から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、ラインセンサ13により検出された信号が取り込まれ、取り込まれた信号に基づくアライメント制御等が行われる。
主制御部111は、視標投影系4の光源41、視標チャート42、及びVCCレンズ44を制御する。それにより、光源41から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、視標チャート42における視標や固視標の表示のオン・オフや、視標や固視標が切り替えられる。光源41及び視標チャート42は、光軸方向の位置が変更される。更に、VCCレンズ44により被検眼Eの乱視状態が矯正されたりする。
主制御部111は、観察系5の撮像素子59を制御する。それにより、撮像素子59により取得された信号が取り込まれ、演算処理部120により画像の形成等が行われたりする。なお、観察系5が照明光源を含んで構成されている場合、主制御部111は照明光源を制御することが可能である。
主制御部111は、レフ測定投影系6のレフ測定光源61、ロータリープリズム66、クイックリターンミラー67を制御する。それにより、レフ測定光源61がレフ測定投影系6の光軸に沿って移動されたり、レフ測定光源61から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたりする。また、ロータリープリズム66が回転されたり、クイックリターンミラー67により光路が切り替えられたりする。
主制御部111は、レフ測定受光系7の合焦レンズ72や撮像素子74を制御する。それにより、合焦レンズ72の光軸方向の位置が変更されたり、撮像素子74により取得された信号が取り込まれ、演算処理部120により画像の形成等が行われたりする。
主制御部111は、レフ測定光源61から出力される光の光量、撮像素子74の検出感度、露光時間、及び撮像素子74により検出された光に基づく像の重ね合わせ枚数のうち少なくとも1つを変更することが可能である。それにより、レフ測定投影系6及びレフ測定受光系7の測定条件が変更される。
主制御部111は、干渉計光源81、分光器83、合焦レンズ85、光スキャナ87b、水晶体レンズ89、網膜・前房深度用シャッター93、角膜用シャッター95、網膜・前房深度用参照ミラーユニット94、及び角膜用参照ミラーユニット96を制御する。それにより、干渉計光源81から出力される光の光量が変更されたり、点灯や非点灯が切り替えられたり、分光器83により取得された信号が取り込まれ、演算処理部120により画像の形成等が行われたり、合焦レンズ85の光軸方向の位置が変更されたりする。また、被検眼Eに対する測定光LSの入射位置が変更されたり、参照ミラーの位置が変更されたりする。主制御部111は、合焦レンズ85をレフ測定光源61及び合焦レンズ72に連動して眼内距離測定系8の光軸に沿って移動させてもよい。また、主制御部111は、更に合焦レンズ85に連動して光源41及び視標チャート42を光軸に沿って移動させてもよい。
主制御部111は、干渉計光源81から出力される光の光量、分光器83の検出感度、露光時間及び分光器83により検出された光に基づく像の重ね合わせ枚数のうち少なくとも1つを変更することが可能である。それにより、眼内距離測定系8の測定条件が変更される。
水晶体レンズ89は、測定対象に対応して設けられた「合焦調整範囲変更手段」の一例である。「合焦調整範囲変更手段」は、測定対象に対して高精度な合焦を行うために測定対象近傍に合焦レンズによる合焦調整範囲を移動させる。具体的には、合焦レンズ85の移動だけでは移動量が足りず、眼内距離測定系8の焦点を水晶体前面や水晶体後面に合わせることができない。そこで、水晶体前面や水晶体後面等の水晶体に関する眼内距離を測定する場合に、主制御部111は、測定光LSの光路に水晶体レンズ89を挿入させる。それにより、合焦レンズ85の合焦調整範囲を水晶体近傍に移動させることができ、水晶体前面や水晶体後面に合焦させた状態で水晶体に関する眼内距離を高精度に測定することが可能になる。
また、主制御部111は、記憶部112にデータを書き込む処理や、記憶部112からデータを読み出す処理を行う。
記憶部112は、各種のデータを記憶する。記憶部112に記憶されるデータとしては、例えば、光干渉計測結果、光干渉計測により取得された画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。測定情報は、眼科装置1000の内部又は外部にて被検眼Eの眼屈折力測定が行われたときに記憶部112に記憶される。また、記憶部112には、眼科装置1000を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
(演算処理部120)
演算処理部120は、例えば、眼屈折力の算出、眼内距離(眼軸長、前房深度、水晶体厚、角膜厚等)の算出、IOL度数の算出、光干渉計測画像(OCT画像)の生成、光干渉計測画像の解析など、各種の演算を実行する。演算処理部120は、眼屈折力算出部121と、眼内距離算出部122と、IOL度数算出部123とを含む。眼内距離算出部122は、眼軸長算出部122Aと、前房深度算出部122Bと、水晶体厚算出部122Cと、角膜厚算出部122Dとを含む。
眼屈折力の算出において、眼屈折力算出部121は、レフ測定受光系7からの出力(リング像)の形状を解析する。例えば、眼屈折力算出部121は、得られた画像における輝度分布からリング像の重心位置を求め、この重心位置から放射状に延びる複数の走査方向に沿った輝度分布を求め、この輝度分布からリング像を特定する。続いて、眼屈折力算出部121は、特定されたリング像の近似楕円を求め、この近似楕円の長径及び短径を公知の式に代入することによって球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aを求める。或いは、眼屈折力算出部121は、基準パターンに対するリング像の変形及び変位に基づいて眼屈折力のパラメータを求めることができる。
眼屈折力算出部121は、眼内距離測定系8を用いた光干渉計測の結果から、少なくとも球面度数を求めることができる。例えば、眼屈折力算出部121は、合焦レンズ85の移動により干渉光LCの検出信号がピークになる合焦レンズ85の位置を特定し、0Dに相当する合焦レンズの位置と、特定されたピークになる合焦レンズ85の位置とに基づいて等価球面度数を求める。
眼屈折力算出部121は、観察系5により取得されたケラトリング像に基づいて、角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。例えば、眼屈折力算出部121は、ケラトリング像を解析することにより角膜前面の強主経線や弱主経線の角膜曲率半径を算出し、角膜曲率半径に基づいて上記パラメータを算出する。
眼内距離算出部122は、眼内距離測定系8により取得された2つの干渉光の検出データに基づいて被検眼Eの1以上の眼内距離を算出する。眼内距離算出部122は、検出データに含まれる当該2つの干渉光に基づく2つの干渉信号(例えば図6参照)の位置の間隔に基づいて被検眼Eの眼内距離を算出する。眼内距離算出部122は、水晶体レンズ89の挿脱を行いつつ被検眼Eの複数の眼内距離を算出することが可能である。眼内距離算出部122は、光路から水晶体レンズ89が退避されている状態で取得された検出データに基づいて眼軸長や角膜厚(第1眼内距離)を算出する。また、眼内距離算出部122は、当該光路に水晶体レンズ89が挿入されている状態で取得された検出データに基づいて前房深度や水晶体厚(第2眼内距離)を算出する。水晶体レンズは既存のレンズ(例えばリレーレンズ86)と組み合わせた焦点距離を有し、これをリレーレンズ86と差し替え可能であってもよい。
眼内距離算出部122は、被検眼Eの基準部位を基準に複数の眼内距離を算出することが可能である。基準部位として、被検眼Eからの測定光LSの戻り光の強度が強い部位が挙げられる。基準部位には、被検眼Eの角膜頂点(角膜前面)や網膜や内境界膜等がある。それにより、被検眼Eが動いてしまい、干渉信号の位置が変わってしまった場合でも、基準部位の干渉信号を基準にすることによって、常に高い精度で複数の眼内距離を算出することができる。
眼軸長算出部122Aは、角膜頂点に相当する干渉信号の位置と網膜に相当する干渉信号の位置との間隔及び参照ミラーユニットの移動量に基づいて眼軸長(眼内距離D1)を求める。前房深度算出部122Bは、角膜頂点に相当する干渉信号の位置と水晶体前面に相当する干渉信号の位置との間隔及び参照ミラーユニットの移動量に基づいて前房深度(眼内距離D2)を求める。水晶体厚算出部122Cは、角膜頂点に相当する干渉信号の位置と水晶体後面に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて距離(D2+D3)を求め、求められた距離(D2+D3)から距離D2を差し引くことにより水晶体厚(距離D3)を求める。角膜厚算出部122Dは、角膜頂点(角膜前面)に相当する干渉信号の位置と角膜後面に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて角膜厚を求める。
IOL度数の算出において、IOL度数算出部123は、ケラトの測定結果と眼内距離算出部122において求められた眼軸長、前房深度、水晶体厚及び角膜厚の少なくとも1つを公知の計算式に代入することによりIOL度数を求める。なお、IOL度数算出部123は、眼屈折力の算出結果と眼軸長の算出結果とを公知の計算式に代入することによりIOL度数を求めてもよい。
(表示部170、操作部180)
表示部170は、制御部110による制御を受けて情報を表示する。表示部170は表示部10を含む。操作部180は、眼科装置1000の操作や情報入力に使用される。操作部180は、各種のハードウェアキー(ジョイスティック、ボタン、スイッチなど)、及び/又は、表示部170に提示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)を含む。
(通信部190)
通信部190は、外部装置と通信する機能を持つ。通信部190は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置がある。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置1000に入力する。また、外部装置は、任意の眼科装置、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)などでもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)サーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバなどでもよい。
干渉計ユニット80は、実施形態に係る「干渉光学系」の一例である。干渉計光源81は、実施形態に係る「第1光源」の一例である。風景チャートは、実施形態に係る「第1固視標」、「所定の視標」の一例である。輝点は、実施形態に係る「第2固視標」の一例である。レフ測定投影系6、レフ測定受光系7及び眼屈折力算出部121は、実施形態に係る「屈折力測定部」の一例である。レフ測定光源61は、実施形態に係る「第2光源」の一例である。
<動作例>
実施形態に係る眼科装置1000の動作について説明する。眼科装置1000の動作の一例を図9及び図10に示す。図9は、眼科装置1000の動作例のフロー図を表したものである。図10は、図9のS4〜S6のそれぞれの動作例のフロー図を表したものである。
操作部180に対するユーザの操作を受けて、眼科装置1000に対して眼内距離の測定時の動作モードの設定が可能である。遅くとも、動作モードは、後述のS4が実行される直前までに設定される。動作モードには、固視標として風景チャート及び輝点を切り替えて被検眼に呈示しつつ眼内距離の測定を行う第1動作モードと、固視標として輝点だけを呈示しつつ眼内距離の測定を行う第2動作モードとがある。動作モードは、眼軸長測定、前房深度測定及び水晶体厚測定のそれぞれに対して個別に設定可能であってもよいし、眼軸長測定、前房深度測定及び水晶体厚測定に対して1つが設定可能であってもよい。主制御部111は、操作部180に対するユーザの操作を受けて、ユーザにより指定された動作モードの設定情報を記憶部112に保存する。
(S1)
図示しない顔受け部に被検者の顔が固定された状態で、検者が操作部180に対して所定の操作を行うことで、眼科装置1000は、光源41及び視標チャート42により固視標として輝点(図12参照)を被検眼Eに投影し、アライメントを実行する。具体的には、主制御部111は、Zアライメント光源11やXYアライメント光源21や光源41を点灯させる。図12に示す固視標としての輝点は、光源41及び視標チャート42により図11に示す風景チャートC1の所定位置に重ねて呈示されてもよい。処理部9は、撮像素子59の撮像面上に結像された前眼部像の撮像信号を取得し、表示部170(表示部10の表示画面10a)に前眼部像E’を表示させる。その後、図1に示す光学系が被検眼Eの検査位置に移動される。検査位置とは、被検眼Eの検査を行うことが可能な位置である。前述のアライメント(Zアライメント系1及びXYアライメント系2と観察系5とによるアライメント)を介して被検眼Eが検査位置に配置される。光学系の移動は、ユーザによる操作若しくは指示又は制御部110による指示にしたがって、制御部110によって実行される。すなわち、被検眼Eの検査位置への光学系の移動と、他覚測定を行うための準備とが行われる。
また、主制御部111は、レフ測定光源61と合焦レンズ72、合焦レンズ85、光源41及び視標チャート42を連動させて、光軸に沿って原点、例えば、0Dの位置に移動させる。
(S2)
主制御部111は、光源41及び視標チャート42により固視標として輝点を被検眼Eに投影させ、ケラト測定を実行させる。すなわち、主制御部111は、ケラトリング光源32を点灯させる。ケラトリング光源32から光が出力されると、角膜Kに角膜形状測定用のリング状光束が投影される。眼屈折力算出部121は、撮像素子59によって取得された像に対して演算処理を施すことにより、角膜曲率半径を算出し、算出された角膜曲率半径から角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。制御部110では、算出された角膜屈折力などが記憶部112に記憶される。主制御部111からの指示、又は操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により、眼科装置1000の動作はS3に移行する。
(S3)
主制御部111は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路にクイックリターンミラー67の反射面を配置させる。主制御部111は、光源41及び視標チャート42により固視標として風景チャート(図11参照)を被検眼Eに投影させ、レフ測定を実行させる。すなわち、主制御部111は、前述のようにレフ測定のためのリング状の測定パターン光束を被検眼Eに投影させる。被検眼Eからの測定パターン光束の戻り光に基づくリング像が撮像素子74の結像面に結像される。主制御部111は、撮像素子74により検出された眼底Efからの戻り光に基づくリング像を取得できたか否かを判定する。例えば、主制御部111は、撮像素子74により検出された戻り光に基づく像のエッジの位置(画素)を検出し、像の幅(外径と内径との差)が所定値以上であるか否かを判定する、或いは強度が所定の高さ以上の点(像)に基づいてリングを形成できるか否かを判定することにより、リング像を取得できたか否かを判定する。
リング像を取得できたと判定されたとき、眼屈折力算出部121は、被検眼Eに投影された測定パターン光束の戻り光に基づくリング像を公知の手法で解析し、仮の球面度数S及び乱視度数Cを取得する。仮の球面度数S及び乱視度数Cに基づき、レフ測定光源61、合焦レンズ72(合焦レンズ85)、光源41及び視標チャート42を等価球面度数(S+C/2)の位置(仮の遠点に相当する位置)へ移動させる。その位置から、風景チャートを雲霧視させた(すなわち、雲霧位置に移動させた)後、再度本測定としてリング像を取得し、前述と同様に得られたリング像の解析結果と合焦レンズの移動量から球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aを求める。眼屈折力算出部121は、求められた球面度数S及び乱視度数Cから被検眼Eの遠点に相当する位置(本測定により得られた遠点に相当する位置)を求め、求められた遠点に相当する位置に光源41及び視標チャート42を移動させる。制御部110では、合焦レンズ72(合焦レンズ85)の位置や算出された球面度数などが記憶部112に記憶される。主制御部111からの指示、又は操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により、眼科装置1000の動作はS4に移行する。
リング像を取得できないと判定されたとき、まずは強度屈折異常眼である可能性を考慮してレフ測定光源61、合焦レンズ72をあらかじめ設定したステップでマイナス度数側(例えば−10D)、プラス度数側(例えば+10D)へ移動し各位置でリング像の検出を実施する。それでもリング像を取得できないと判定されたとき、眼科装置1000の動作はS4に移行する。制御部110では、レフ測定結果が得られなかったことを示す情報が記憶部112に記憶される。
(S4)
主制御部111は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路からクイックリターンミラー67の反射面を退避させて、眼軸長測定を実行させる。眼軸長測定では、水晶体レンズ89が測定光LSの光路から退避されている。眼軸長測定は、図10に示すフローにしたがって行われる。制御部110では、算出された眼軸長が記憶部112に記憶される。眼科装置1000の動作はS5に移行する。
(S5)
主制御部111は、前房深度測定を実行させる。前房深度測定では、水晶体レンズ89が測定光LSの光路に挿入されている。前房深度測定は、図10に示すフローにしたがって行われる。制御部110では、算出された前房深度が記憶部112に記憶される。眼科装置1000の動作はS6に移行する。
(S6)
主制御部111は、水晶体厚測定を実行させる。水晶体厚測定では、水晶体レンズ89が測定光LSの光路に挿入されている。水晶体厚測定は、図10に示すフローにしたがって行われる。制御部110では、算出された水晶体厚が記憶部112に記憶される。眼科装置1000の動作はS7に移行する。
(S7)
主制御部111は、角膜厚測定を実行させる。角膜厚測定では、水晶体レンズ89が測定光LSの光路から退避されている。制御部110では、算出された角膜厚が記憶部112に記憶される。角膜厚測定の詳細について後述する。眼科装置1000の動作はS8に移行する。
(S8)
IOL度数算出部123は、S1〜S7で求められた角膜屈折力(ケラト値)、眼軸長測定、前房深度、水晶体厚及び角膜厚の少なくとも1つを用いてIOLの度数を求める。制御部110では、求められたIOL度数が記憶部112に記憶される。
(S9)
制御部110は、例えば、操作部180に対するユーザの指示に基づき、視標チャート42を制御することにより所望の視標を表示させる。また、制御部110は、他覚測定の結果に応じた位置に光源41及び視標チャート42を移動する。被検者は、眼底Efに投影された視標に対する応答を行う。例えば、視力測定用の視標の場合には、被検者の応答により被検眼の視力値が決定される。視標の選択とそれに対する被検者の応答が、検者又は制御部110の判断により繰り返し行われる。
或いは、制御部110は、他覚測定で得られた被検眼Eの乱視状態(乱視度数、乱視軸角度)に基づいて、この乱視状態が矯正されるようにVCCレンズ44を制御する。被検者は、眼底Efに投影された視標に対する応答を行う。被検者の応答に基づきVCCレンズを制御することも可能である。例えば、視力測定用の視標の場合には、被検者の応答により被検眼の視力値が決定される。視標の選択とそれに対する被検者の応答が、検者又は制御部110の判断により繰り返し行われる。検者又は制御部110は、被検者からの応答に基づいて視力値或いは処方値(S、C、A)を決定し、眼科装置1000の動作は終了する(エンド)。
<眼軸長測定>
次に、図10に示す図9のS4における眼軸長測定のフローについて説明する。
(S11)
主制御部111は、まず、眼内距離測定系8の光学系の設定を行う。具体的には、主制御部111は、干渉計光源81を点灯させ、光源41及び視標チャート42により固視標として輝点を被検眼Eに投影させる。次に、主制御部111は、角膜用参照光路に対し角膜用シャッター95を挿入させ、網膜・前房深度用参照光路から網膜・前房深度用シャッター93を退避させる。その後、主制御部111は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路からクイックリターンミラー67の反射面を退避させる。それにより、干渉計ユニット80と被検眼Eとの間に測定光LSの光路が形成され、光干渉計測経路が開放される。
主制御部111は、S3において記憶部112に記憶された情報に基づいて、レフ測定結果があるか否かを判定する。
レフ測定結果があると判定されたとき、主制御部111は、S3において記憶部112に記憶された合焦レンズ72(合焦レンズ85)の位置から眼軸長測定時の合焦レンズ85の位置を決定し、決定された位置に合焦レンズ85を移動する。具体的には、レフ測定は雲霧視させた状態で実行されるため、レフ測定時は、被検眼Eに対する合焦において求められた合焦レンズ72の位置から所定の距離ΔDだけ移動される。レフ測定系の移動部(レフ測定光源61、合焦レンズ72)と眼内距離測定系8の合焦レンズ85は一体で移動可能な場合、S3のレフ測定時には合焦レンズ85は既に雲霧位置にあるので雲霧分のみ戻せばよい。
次に、主制御部111は、網膜に相当する干渉信号の位置が所定の位置となるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動する。
一方、レフ測定結果がないと判定されたとき、主制御部111は、網膜に相当する干渉信号の位置が所定の位置となるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動する。次に、主制御部111は、網膜に相当する干渉信号の強度が最も高くなるように合焦レンズ85を移動する。
以上のように、レフ測定結果があるとき(すなわち、合焦レンズ85の位置がわかっているとき)、最初に合焦状態に設定することにより、網膜に相当する干渉信号の検出が容易になる。これに対して、レフ測定結果がないとき(すなわち、合焦レンズ85の位置が不明であるとき)、最初に、網膜に相当する干渉信号を検出することにより、網膜に対する合焦を可能にする。
(S12)
主制御部111は、事前に設定された動作モードの設定情報を参照して眼軸長測定時に風景チャートを使用するか否かを判定する。風景チャートを使用すると判定されたとき(S12:Y)、眼科装置1000の動作はS13に移行する。風景チャートを使用しないと判定されたとき(S12:N)、眼科装置1000の動作はS16に移行する。
(S13)
風景チャートを使用すると判定されたとき(S12:Y)、眼科装置1000は、第1動作モードで動作する。第1動作モードでは、主制御部111は、視標チャート42を制御することにより図12に示すような輝点C2から図11に示すような風景チャートC1に切り替える。風景チャートC1は、前述の輝点より視角が広い固視標であればよく、例えば、視角が9度以上の固視標であることが望ましい。
(S14)
次に、主制御部111は、所定時間が経過するまで待機する(S14:N)。それにより、輝点より調節刺激の強い風景チャートC1を用いて被検眼Eを遠点に調節させることができる。所定時間が経過したとき(S14:Y)、眼科装置1000の動作はS15に移行する。
(S15)
所定時間が経過したとき(S14:Y)、主制御部111は、視標チャート42を制御することにより図12に示すような輝点C2に切り替える。輝点C2は、被検眼の中心窩が存在する領域に相当する視角を有する視標であればよく、例えば、視角が全角で3度以下の視標である。それにより、風景チャートC1より視角が狭い輝点C2を注視させることで、遠点に調節させた状態で被検眼Eの視軸を安定させることができる。なお、S15において切り替えられる輝点C2は、S13における風景チャートC1への切り替え前の輝点と異なる固視標であってもよい。
(S16)
風景チャートを使用しないと判定されたとき(S12:N)、眼科装置1000は、第2動作モードで動作する。第1動作モード及び第2動作モードは、S16以降は共通である。風景チャートを使用しないと判定されたとき(S12:N)、又はS15に続いて、主制御部111は、S3のレフ測定の結果に基づいて被検眼Eの視度に応じて光源41及び視標チャート42を光軸に沿って移動させる。それにより、よりピントの合った固視標を被検眼Eに呈示することが可能になる。
なお、所定時間が経過したとき(S14:Y)、主制御部111は、光源41及び視標チャート42を光軸に沿って雲霧位置に移動させた後に、被検眼Eの視度に応じて光源41及び視標チャート42を光軸に沿って移動させてもよい。それにより、被検眼の調節をより除去しやすくなる。
(S17)
続いて、主制御部111は、S11において網膜・前房深度用参照光路から退避させた網膜・前房深度用シャッター93と同様に、角膜用参照光路から角膜用シャッター95を退避させる。それにより、網膜・前房深度用シャッター93及び角膜用シャッター95の双方がそれぞれの光路から退避され、角膜頂点に相当する干渉信号と網膜に相当する干渉信号とを同時に検出することが可能になる(図6参照)。
(S18)
眼軸長算出部122Aは、S17において同時に検出可能になった角膜頂点に相当する干渉信号の位置と網膜に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて眼軸長を算出する。以上で、眼軸長測定のフローが終了となる(エンド)。
以上のように、眼科装置1000は、風景チャートC1を用いて被検眼Eを遠点に調節させた後に固視標を輝点C2に切り替え、視度に応じて被検眼Eにピントの合った輝点C2を呈示することができる。それにより、被検眼Eの調節が除去された状態で、固視不良を招くことなく被検眼Eの眼軸長を高精度に測定することが可能になる。また、風景チャートC1から風景チャートC1より視角の狭い輝点C2に切り替えることにより、視軸を安定させた状態で被検眼Eの眼軸長をより高精度に測定することが可能になる。
<前房深度測定>
図9のS5における前房深度測定も、S4における眼軸長測定と同様に図10に示すフローにしたがって行われる。以下では、S5における前房深度測定について、S4における眼軸長測定との相違点を中心に説明する。
前房深度測定では、S11において、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路からクイックリターンミラー67の反射面を退避させて光干渉計測経路が開放された後、主制御部111は、測定光LSの光路(光干渉計測経路)に対し水晶体レンズ89を挿入させる。水晶体レンズ89の挿入時、合焦レンズの位置は既定の位置に移動する。それにより、合焦レンズ85の合焦調整範囲が網膜(眼底)近傍から水晶体近傍に移動する。次に、主制御部111は、水晶体前面に相当する干渉信号の位置が所定の位置となるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動し、水晶体前面に相当する干渉信号の強度が最も高くなるように合焦レンズ85を移動する。
その後、主制御部111は、網膜・前房深度用シャッター93及び角膜用シャッター95の双方をそれぞれの光路から退避させる。それにより、角膜頂点に相当する干渉信号と水晶体前面に相当する干渉信号とを同時に検出することが可能になる。前房深度算出部122Bは、同時に検出可能になった角膜頂点に相当する干渉信号の位置と水晶体前面に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて前房深度を算出する。
以上のように、合焦レンズ85の移動による合焦調整範囲を水晶体近傍に移動させ、角膜頂点ではなく水晶体前面に合焦させた状態で取得された検出データに含まれる2つの干渉信号の位置の間隔を用いて前房深度が求められる。特に、被検眼Eの調節の状態に応じて前房深度の測定値が大きく変化するため、上記のような測定を行うことにより、被検眼Eの前房深度を高精度に測定することが可能になる。
<水晶体厚測定>
図9のS6における水晶体厚測定も、S4における眼軸長測定と同様に図10に示すフローにしたがって行われる。以下では、S6における水晶体厚測定について、S4における眼軸長測定との相違点を中心に説明する。
水晶体厚測定では、S11において、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路からクイックリターンミラー67の反射面を退避させて光干渉計測経路が開放された後、主制御部111は、測定光LSの光路(光干渉計測経路)に対し水晶体レンズ89を挿入させる。次に、主制御部111は、水晶体後面に相当する干渉信号の位置が所定の位置となるように網膜・前房深度用参照ミラーユニット94を移動し、水晶体後面に相当する干渉信号の強度が最も高くなるように合焦レンズ85を移動する。
その後、主制御部111は、網膜・前房深度用シャッター93及び角膜用シャッター95の双方をそれぞれの光路から退避させる。それにより、角膜頂点に相当する干渉信号と水晶体後面に相当する干渉信号とを同時に検出することが可能になる。水晶体厚算出部122Cは、同時に検出可能になった角膜頂点に相当する干渉信号の位置と水晶体後面に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて、角膜頂点と水晶体後面との距離を求める。水晶体厚算出部122Cは、求められた角膜頂点と水晶体後面との距離から前述のように求められた前房深度を差し引くことにより、水晶体厚を算出する。
以上のように、合焦レンズ85の移動による合焦調整範囲を水晶体近傍に移動させ、角膜頂点ではなく水晶体後面に合焦させた状態で取得された検出データに含まれる2つの干渉信号の位置の間隔を用いて水晶体厚が求められる。特に、被検眼Eの調節の状態に応じて水晶体厚の測定値が大きく変化するため、上記のような測定を行うことにより、被検眼Eの水晶体厚を高精度に測定することが可能になる。
<角膜厚測定>
図9のS7における角膜厚測定では、主制御部111は、干渉計光源81を点灯させ、光源41及び視標チャート42により固視標として輝点を被検眼Eに投影させる。次に、主制御部111は、角膜用参照光路から角膜用シャッター95を退避させ、網膜・前房深度用参照光路に対し網膜・前房深度用シャッター93を挿入させる。その後、主制御部111は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路からクイックリターンミラー67の反射面を退避させる。それにより、光干渉計測経路が開放される。
主制御部111は、測定光LSの光路から水晶体レンズ89を退避させ、角膜後面に相当する干渉信号の強度が最も高くなるように合焦レンズ85を移動する。角膜頂点に相当する干渉信号と角膜後面に相当する干渉信号とが同時に検出することが可能であるため、角膜厚算出部122Dは、角膜頂点に相当する干渉信号の位置と角膜後面に相当する干渉信号の位置との間隔に基づいて角膜厚を算出する。
以上のように、角膜頂点ではなく角膜後面に合焦させた状態で取得された検出データに含まれる2つの干渉信号の位置の間隔を用いて角膜厚が求められる。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置1000の作用及び効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置(眼科装置1000)は、干渉光学系(干渉計ユニット80)と、視標投影系(視標投影系4)と、制御部(制御部110、主制御部111)と、眼内距離算出部(眼内距離算出部122)とを含む。干渉光学系は、第1光源(干渉計光源81)からの光(光L0)を参照光(参照光LR)と測定光(測定光LS)とに分割し、測定光を被検眼(被検眼E)に照射し、その戻り光と参照光との干渉光(干渉光LC)を生成し、生成された干渉光を検出する。視標投影系は、第1固視標(風景チャート)及び第1固視標より視角が狭い第2固視標(輝点)を被検眼に選択的に投影する。制御部は、第1固視標及び第2固視標の切り替えを行う。眼内距離算出部は、被検眼の遠点に相当する位置に第2固視標が呈示された状態において干渉光学系による干渉光の検出データに基づいて被検眼における眼内距離を求める。
このような構成によれば、第1固視標から第1固視標より視角が狭い第2固視標に切り替え、被検眼の遠点に相当する位置に第2固視標が呈示された状態において干渉光学系を用いて被検眼の眼内距離を求めることができる。それにより、視角がより狭い第2固視標を被検眼に注視させることで、遠点に調節させた状態で被検眼の視軸を安定させて眼内距離を求めることができるため、固視不良を招くことなく、より精度の高い眼内距離の測定が可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、被検眼の遠点に相当する位置に第1固視標を呈示した後に当該位置に第2固視標を呈示してもよい。
このような構成によれば、第1固視標で被検眼の調節を誘導した後に第2固視標で固視させることができるので、例えば被検眼を遠点に調節させやすくなり、より精度の高い眼内距離の測定が可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、第1固視標を雲霧視させた後に第2固視標を被検眼の遠点に相当する位置に呈示してもよい。
このような構成によれば、被検眼の調節をより除去しやすくなるため、第2固視標を遠点に相当する位置に呈示するだけの場合に比べて、より一層精度の高い眼内距離の測定が可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、第2光源(レフ測定光源61)からの光を被検眼に照射し、その戻り光を検出することにより被検眼の屈折力を測定する屈折力測定部(レフ測定投影系6、レフ測定受光系7及び眼屈折力算出部121)を含み、制御部は、屈折力測定部による測定結果に基づいて被検眼の遠点に相当する位置を求めてもよい。
このような構成によれば、眼屈折力測定により得られた測定結果から求められた遠点に相当する位置に第2固視標を呈示して眼内距離を測定することができるため、被検眼の調節が除去された状態でのより精度の高い眼内距離の測定が可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、屈折力測定部は、被検眼に所定の視標を投影可能であり、第1固視標は、所定の視標であってもよい。
このような構成によれば、屈折力測定部で用いる既存の視標を用いて第1固視標を呈示することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、第2固視標は、視角が3度以下の視標であってもよい。
このような構成によれば、被検眼の中心窩が存在する領域に相当する視角を有する視標を呈示することができるので、第2固視標を見失うことなく、被検眼に第2固視標をより確実に注視させることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、第2固視標は、輝点であってもよい。
このような構成によれば、簡素な構成で第2固視標を呈示することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、眼内距離算出部は、水晶体厚、前房深度及び眼軸長のうち少なくとも1つを求めてもよい。
このような構成によれば、遠点に調節させた状態で被検眼の視軸を安定させて眼内距離を求めることができるため、より精度の高い水晶体厚、前房深度及び眼軸長の少なくとも1つの測定が可能になる。
<変形例>
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
前述の実施形態では、リレーレンズ86及びミラー87aの間で水晶体レンズ89が挿脱される場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成はこれに限定されるものではない。水晶体レンズ89は、測定光の光路の任意の位置で挿脱可能である。
前述の実施形態では、視標チャート42として透過型の液晶パネルを用いた場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成はこれに限定されるものではない。視標チャート42は、光学式チャートであってもよい。
図1の視標投影系4において、グレア光源と視標チャート42及び結像レンズ43の間に配置されたビームスプリッタとを設け、光源41からの光路にグレア光源からのグレア光の光路を結合するようにしてもよい。この場合、光源41、視標チャート42、グレア光源及びビームスプリッタは、一体となって光源41の光軸に沿って移動可能である。
前述の実施形態において、図10ではユーザや主制御部111からの指示を受けてS15からS16に移行するようにしてもよい。例えば、被検眼Eの視線方向を検出する視線方向検出手段を設け、当該視線方向の揺れがなくなったと判断されたときS15からS16に移行することが可能である。視線方向検出手段は、被検眼Eの前眼部を撮影する1以上の撮像部により取得された画像を解析することにより被検眼Eの視線方向を検出してもよい。
1 Zアライメント系
2 XYアライメント系
3 ケラト測定系
4 視標投影系
5 観察系
6 レフ測定投影系
7 レフ測定受光系
8 眼内距離測定系
9 処理部
80 干渉計ユニット
110 制御部
111 主制御部
122 眼内距離算出部
1000 眼科装置

Claims (8)

  1. 第1光源からの光を参照光と測定光とに分割し、前記測定光を被検眼に照射し、その戻り光と前記参照光との干渉光を生成し、生成された前記干渉光を検出する干渉光学系と、
    第1固視標及び前記第1固視標より視角が狭い第2固視標を前記被検眼に選択的に投影する視標投影系と、
    前記第1固視標及び前記第2固視標の切り替えを行う制御部と、
    前記被検眼の遠点に相当する位置に前記第2固視標が呈示された状態において前記干渉光学系による前記干渉光の検出データに基づいて前記被検眼における眼内距離を求める眼内距離算出部と、
    を含む眼科装置。
  2. 前記制御部は、前記位置に前記第1固視標を呈示した後に前記位置に前記第2固視標を呈示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記制御部は、前記第1固視標を雲霧視させた後に前記第2固視標を前記位置に呈示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 第2光源からの光を前記被検眼に照射し、その戻り光を検出することにより前記被検眼の屈折力を測定する屈折力測定部を含み、
    前記制御部は、前記屈折力測定部による測定結果に基づいて前記位置を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  5. 前記屈折力測定部は、前記被検眼に所定の視標を投影可能であり、
    前記第1固視標は、前記所定の視標である
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記第2固視標は、視角が3度以下の視標である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 前記第2固視標は、輝点である
    ことを特徴とする請求項6に記載の眼科装置。
  8. 前記眼内距離算出部は、水晶体厚、前房深度及び眼軸長のうち少なくとも1つを求める
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科装置。
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