JP6619197B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼科装置に関する。
白内障は、レンズの役目を担う水晶体が混濁することにより徐々に視力が低下していく眼疾患である。白内障が進行した被検眼に対しては、一般的に、白内障手術が行われる。例えば、白内障手術では、混濁した水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズ(Intraocular Lens:以下、IOL)が挿入される。IOLには、球面度のみを有するものや、乱視の矯正が可能なトーリックIOLや、遠方と近方の双方に焦点を合わせることが可能な多焦点IOLなどがある。白内障手術の前には、被検眼の構造を表す眼球情報(眼軸長等)の測定が行われ、得られた眼球情報からIOLの度数が決定される。
特許文献1には、被検眼の水晶体の状態に応じた測定値を得るために、被検眼が有水晶体眼、無水晶体眼及びIOL移植眼のいずれであるか判別可能な装置が開示されている。この装置は、前眼部からの反射情報を検出し、この反射情報に基づいて角膜から水晶体後嚢の間に存在する反射物体に対応する反射信号を抽出し、その抽出結果に基づいて被検眼が有水晶体眼及びIOL移植眼のいずれかであるか判定するよう構成されている。この判定処理は、角膜と水晶体前面との間の距離の測定結果や水晶体厚の測定結果を閾値と比較することにより行われている。
特許第5410954号公報
近年、有水晶体眼にIOLを付加する手術(フェイキック(Phakic)IOL手術)を採用するケースが増えてきている。フェイキックIOL(有水晶体IOL)には、前房型と後房型とがある。前房型のフェイキックIOLは角膜と虹彩との間に固定され、後房型のフェイキックIOLは虹彩と水晶体との間に固定される。
被検眼がフェイキックIOL移植眼である場合、特許文献1に記載の発明では、角膜及び水晶体に対応する反射信号だけでなくフェイキックIOLに対応する反射信号も検出されるため、被検眼の状態の判定を的確に行うことは困難である。
本発明の目的は、IOLの種別に関わらず被検眼の状態(有水晶体眼、IOL移植眼等)を的確に判定できる眼科装置を提供することにある。
実施形態に係る眼科装置は、データ取得部と、制御部と、判定部とを備える。データ取得部は、光干渉計測を用いて被検眼のデータを取得する。制御部は、被検眼の角膜と網膜との間に位置する物体に対応する信号が取得されるようにデータ取得部を制御する。判定部は、制御部による制御によって取得された上記信号の強度に基づいて被検眼が有水晶体眼及び眼内レンズ移植眼のいずれであるか判定する。データ取得部は、干渉光学系と、光検出器と、光路長変更部と、合焦レンズと、駆動機構とを含む。干渉光学系は、光源からの光を測定光と参照光とに分割し、測定光を被検眼に照射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光とを干渉させる。光検出器は、干渉光学系により生成された干渉光を検出する。光路長変更部は、測定光の光路長及び参照光の光路長の少なくとも一方を変更する。合焦レンズは、測定光の光路に配置されている。駆動機構は、測定光の光路に沿って合焦レンズを移動させる。制御部は、データ取得部により取得されるデータに上記信号が含まれるように光路長変更部の制御を行った後、上記信号の強度が最大になるように駆動機構の制御を行う。
実施形態によれば、IOLの種別に関わらず被検眼の状態(有水晶体眼、IOL移植眼等)を的確に判定することが可能である。
実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。
実施形態に係る眼科装置は任意の眼科測定を実行可能である。眼科測定には、他覚測定と自覚検査とがある。他覚測定は、被検者からの応答を参照することなく、主に物理的な手法を用いて被検眼に関する情報を取得する測定手法である。他覚測定には、被検眼の特性を取得するための測定と、被検眼の画像を取得するための撮影とが含まれる。その典型例として、他覚屈折測定、角膜形状測定、眼圧測定、眼底撮影、光干渉計測などがある。光干渉計測は、光の干渉を利用して被検眼の計測を行うものであり、その一例として光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)がある。自覚検査は、被検者からの応答を利用して情報を取得する測定手法である。その典型例として、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査などの視力検査や、視野検査などがある。
実施形態に係る眼科装置は、少なくとも光干渉計測を実行可能であり、更に任意の自覚検査及び任意の他覚測定の少なくとも一方を実行可能であってよい。光干渉計測は、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚など、被検眼の構造を表す眼球情報を取得するために用いられる。また、被検眼の画像や解析データを取得するために、OCT等の光干渉計測を利用することもできる。
<構成>
典型的な実施形態の構成例を図1及び図2に示す。眼科装置1000は、被検眼Eの検査を行うための光学系として、Zアライメント系1、XYアライメント系2、ケラト測定系3、視標投影系4、観察系5、レフ測定投影系6、レフ測定受光系7、及び、眼内距離測定系8を含む。また、眼科装置1000は処理部9を備える。
(処理部9)
処理部9は、眼科装置1000の各部を制御する。また、処理部9は、各種演算処理を実行可能である。処理部9はプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。処理部9は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
(観察系5)
観察系5は、被検眼Eの前眼部を動画撮影する。被検眼Eの前眼部からの光(赤外光)は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52及び53を透過し、絞り54の開口を通過し、ハーフミラー55を透過し、リレーレンズ56及び57を通過し、結像レンズ58により撮像素子59(エリアセンサ)の撮像面に結像される。撮像素子59は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子59の出力(映像信号)は処理部9に入力される。処理部9は、この映像信号に基づく前眼部像E’を表示部10の表示画面10aに表示させる。前眼部像E’は、例えば赤外動画像である。観察系5は、前眼部を照明するための照明光源を含んでいてもよい。
(Zアライメント系1)
Zアライメント系1は、観察系5の光軸方向(前後方向、Z方向)におけるアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。Zアライメント光源11から出力された光は、被検眼Eの角膜Kに照射され、角膜Kにより反射され、結像レンズ12によりラインセンサ13に結像される。角膜頂点の位置が前後方向に変化すると、ラインセンサ13に対する光の投影位置が変化する。処理部9は、ラインセンサ13に対する光の投影位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づきZアライメントを実行する。
(XYアライメント系2)
XYアライメント系2は、観察系5の光軸に直交する方向(左右方向(X方向)、上下方向(Y方向))のアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。XYアライメント系2は、ハーフミラー55により観察系5から分岐された光路に設けられたXYアライメント光源21を含む。XYアライメント光源21から出力された光は、ハーフミラー55により反射され、観察系5を通じて被検眼Eに照射される。角膜Kに照射された光の反射光は、観察系5を通じて撮像素子59に導かれる。
この反射光の像(輝点像)は前眼部像E’に描出される。処理部9は、図1に示すように、輝点像Brを含む前眼部像E’とアライメントマークALとを表示画面10aに表示させる。手動でXYアライメントを行う場合、ユーザは、アライメントマークAL内に輝点像Brを誘導するように光学系の移動操作を行う。自動でアライメントを行う場合、処理部9は、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位を求め、この変位をキャンセルするように光学系の移動制御を行う。
(ケラト測定系3)
ケラト測定系3は、角膜Kの形状を測定するためのリング状光束(赤外光)を角膜Kに投影する。ケラト板31は、対物レンズ51と被検眼Eとの間に配置されている。ケラト板31の背面側(対物レンズ51側)にはケラトリング光源32が設けられている。ケラトリング光源32からの光でケラト板31を照明することにより、角膜Kにリング状光束が投影される。角膜Kに投影されたリング状光束の反射光(ケラトリング像)は撮像素子59により前眼部像E’とともに検出される。処理部9は、このケラトリング像に基づき公知の演算を行うことで角膜形状パラメータを算出する。
(視標投影系4)
視標投影系4は、固視標や自覚検査用視標等の各種視標を被検眼Eに呈示する。光源41から出力された光(可視光)は視標チャート42に照射される。視標チャート42は、例えば、各種視標パターンが設けられたターレット板又は透過型液晶パネルを含み、視標を表すパターンを提示する。視標チャート42を透過した光は、合焦レンズ43及びVCCレンズ44を通過し、反射ミラー45により反射され、ダイクロイックミラー53により反射され、ダイクロイックミラー52を透過し、対物レンズ51を通過して眼底Efに投影される。光源41及び視標チャート42は、一体となって光軸方向に移動可能である。
自覚検査を行う場合、処理部9は、他覚測定の結果に基づき視標チャート42、光源41及びVCCレンズ44を制御する。処理部9は、検者又は処理部9により選択された視標を視標チャート42に表示させる。それにより、選択された視標が被検者に提示される。被検者は視標に対する応答を行う。応答内容の入力を受けて、処理部9は、更なる制御や、自覚検査値の算出を行う。例えば、視力測定において、処理部9は、ランドルト環等に対する応答に基づいて、次の視標を選択して呈示し、これを繰り返し行うことで視力値を決定する。
(レフ測定投影系6及びレフ測定受光系7)
レフ測定投影系6及びレフ測定受光系7は他覚屈折測定(レフ測定)に用いられる。レフ測定投影系6は、他覚測定用のリング状光束(赤外光)を眼底Efに投影する。レフ測定受光系7は、このリング状光束の被検眼Eからの戻り光を受光する。
レフ測定光源61は光軸方向に移動可能であり、眼底Efと光学的に共役な位置に配置される。レフ測定光源61から出力された光は、コンデンサレンズ62を通過し、反射ミラー63により反射され、円錐プリズム64A及びリレーレンズ64Bを透過し、リング絞り64Cのリング状透光部を通過してリング状光束となる。リング絞り64Cにより形成されたリング状光束は、穴開きプリズム65の反射面により反射され、ロータリープリズム66を通過し、クイックリターンミラー67に導かれる。
ロータリープリズム66は、眼底Efの血管や疾患部位に対するリング状光束の光量分布を平均化させるために用いられる。また、クイックリターンミラー67は、他覚屈折測定と眼軸長測定との切り換えに用いられる。他覚屈折測定を行う場合、クイックリターンミラー67の反射面は、ダイクロイックミラー52により観察系5の光路から分岐された光路(分岐光路)に配置される。それにより、レフ測定投影系6の光路及びレフ測定受光系7の光路の双方が観察系5の光路に結合される。一方、眼軸長測定を行う場合、クイックリターンミラー67は、この分岐光路から退避される。それにより、眼内距離測定系8の光路が観察系5の光路に結合される。他覚屈折測定に用いられる波長と眼軸長測定に用いられる波長とが異なる場合、クイックリターンミラー67の代わりにダイクロイックミラーを配置してもよい。この場合、ダイクロイックミラーの駆動が不要となる。
他覚屈折測定では、ロータリープリズム66を通過したリング状光束は、クイックリターンミラー67により反射され、ダイクロイックミラー52に反射され、対物レンズ51を通過して眼底Efに投影される。
眼底Efに投影されたリング状光束の戻り光は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52及びクイックリターンミラー67により反射され、ロータリープリズム66を通過し、穴開きプリズム65の穴部を通過し、リレーレンズ71及び合焦レンズ72を透過し、結像レンズ73により撮像素子74の撮像面に結像される。撮像素子74の出力は処理部9に入力される。処理部9は、撮像素子74からの出力を基に公知の演算を行うことで被検眼Eの球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aを算出する。
処理部9は、算出された屈折値に基づいて、レフ測定光源61と眼底Efとが共役になる位置に、レフ測定光源61と合焦レンズ72とをそれぞれ光軸方向に移動させる。更に、処理部9は、合焦レンズ72及びレフ測定光源61の移動に連動して眼内距離測定系8の合焦レンズ85をその光軸方向に移動させる。処理部9は、レフ測定光源61、合焦レンズ72及び合焦レンズ85、光源41及び視標チャート42を一体的に移動させることも可能である。
(眼内距離測定系8)
眼内距離測定系8は眼球情報としての眼内距離測定のための光干渉計測を行う。光干渉計測が行われるとき、クイックリターンミラー67が上記分岐光路から退避される。また、光干渉計測よりも前にレフ測定が実施され、光ファイバ80aの端面が眼底Efと共役となるように合焦レンズ85の位置が調整される。
図2に示すように、干渉計ユニット80において、干渉計光源81から出力された光(赤外光、広帯域光)L0は、光ファイバ80bを通じて導かれたファイバカプラ82により測定光LSと参照光LRとに分割される。測定光LSは、光ファイバ80aを通じてコリメータレンズ84に導かれる。一方、参照光LRは、光ファイバ80cを通じて光路長変更ユニット90に導かれる。
光路長変更ユニット90は、参照光LRの光路長を変更する。光路長変更ユニット90に導かれた参照光LRは、コリメータレンズ91により平行光束とされてビームスプリッタ92に入射する。ビームスプリッタ92の透過方向には網膜用シャッター93と網膜用参照ミラーユニット94とが設けられ、反射方向には角膜用シャッター95と角膜用参照ミラーユニット96とが設けられている。網膜用参照ミラーユニット94は、結像レンズ94Aと参照ミラー94Bとを含む。角膜用参照ミラーユニット96は、結像レンズ96Aと参照ミラー96Bとを含む。
参照光LRは、例えば50:50のビームスプリッタ92により2つの光束(網膜用光束及び角膜用光束)に分割される。網膜用シャッター93が光路から退避されている場合、網膜用光束は、結像レンズ94Aにより参照ミラー94Bの反射面に結像され、参照ミラー94Bにより反射され、結像レンズ94Aを通過してビームスプリッタ92に戻る。角膜用シャッター95が光路から退避されている場合、角膜用光束は結像レンズ96Aにより参照ミラー96Bの反射面に結像され、参照ミラー96Bにより反射され、結像レンズ96Aを通過してビームスプリッタ92に戻る。なお、ビームスプリッタ92による光分割比率は等分割には限定されず、例えば30:70や10:90のような非対称な比率であってもよい。
一方、干渉計ユニット80から出力された測定光LSは、コリメータレンズ84により平行光束とされ、光スキャナ87bにより偏向され、合焦レンズ85及びリレーレンズ86を通過し、ミラー87aにより反射され、瞳レンズ88を通過し、ダイクロイックミラー52により反射され、対物レンズ51を通過して被検眼Eに照射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、対物レンズ51を通過し、往路と同じ経路を通じて干渉計ユニット80に導かれる。光スキャナ87bは、例えば1以上のガルバノミラーを含み、処理部9による制御を受けて測定光LSの偏向方向を変化させる。光スキャナ87bは、眼底Efと光学的に共役な位置に配置される。
ファイバカプラ82は、光路長変更ユニット90を経由した参照光と、測定光LSの戻り光とを干渉させる。それにより生成された干渉光LCは、光ファイバ80dにより分光器83に導かれる。分光器83は、干渉光LCを空間的に波長分離し、これら波長成分をラインセンサで検出する。処理部9は、分光器83から出力された信号にFFT(Fast Fourier Transform:FFT)等の公知の信号処理を施すことにより、深さ方向の情報を取り出す。
本例ではスペクトラルドメインOCTが適用されているが、他のタイプのOCTを適用することも可能である。例えばスウェプトソースOCTが適用される場合、干渉計光源81として低コヒーレンス光源の代わりに波長掃引光源(波長可変光源)が設けられ、且つ、分光器83の代わりにバランスドフォトダイオード等の光検出器が設けられる。
処理部9は、深さ方向の所定位置に干渉信号(ピーク)が配置されるように、網膜用参照ミラーユニット94と角膜用参照ミラーユニット96とを移動させる。FFTにより得られる干渉信号の強度の深さ方向における分布の例を図4に示す。点線で示す干渉信号SC0が得られた状態において、図3に示すように網膜用参照ミラーユニット94をビームスプリッタ92に近接させることにより(つまり、結像レンズ94A及び参照ミラー94Bを点線で示す位置から実線で示す位置に移動させることにより)、図4に示す所定範囲内に干渉信号SC0(網膜に相当)を移動させることができる。
Zアライメント系1を用いて検出される角膜頂点の位置を利用することで、被検眼Eに対する対物レンズ51の距離(作動距離)を一定に保つことができる。角膜用シャッター95が光路から退避されると、角膜Kに相当する干渉信号も分光器83により同時に検出される。参照ミラー96Bは、網膜に相当する干渉信号SC1に重ならないように、角膜Kに対応する位置から所定距離dだけ離れた位置に配置される(図5)。これにより、図6に示すように、網膜に相当する干渉信号SC1及び角膜に相当する干渉信号SC2の双方を、深さ方向における計測範囲Rにおいて同時に取得できる。
図6に示すように信号感度SCが計測範囲Rにおいて変化する場合、比較的信号が弱い干渉信号SC1を比較的高感度の計測範囲R1で検出し、比較的信号が強い干渉信号SC2を比較的低感度の計測範囲R2で検出することができる。それにより、2つの干渉信号SC1及びSC2の検出感度を最適化できる。
(情報処理系の構成)
眼科装置1000の情報処理系について説明する。眼科装置1000の情報処理系の機能的構成の例を図7及び図8に示す。なお、図8には、本実施形態による後述の動作に関わる構成要素が特に提示されている。処理部9は、制御部110と演算処理部120とを含む。また、他覚屈折測定に用いられるレフ測定投影系6とレフ測定受光系7をまとめてレフ測定系130と呼ぶ。更に、眼科装置1000は、表示部170と、操作部180と、通信部190とを含む。
(制御部110)
制御部110は、プロセッサを含み、眼科装置1000の各部を制御する。また、制御部110は記憶回路や記憶装置を含む。
(演算処理部120)
演算処理部120は、例えば、眼屈折力の算出、眼内距離(眼軸長、前房深度、水晶体厚、角膜厚等)の算出、IOL度数の算出、光干渉計測画像(OCT画像)の生成、光干渉計測画像の解析など、各種の演算を実行する。本実施形態の演算処理部120は、図8に示すように、他覚値算出部121及び判定部122を含む。
眼屈折力の算出において、他覚値算出部121は、レフ測定受光系7からの出力(リング像)の形状を解析する。例えば、他覚値算出部121は、得られた画像における輝度分布からリング像の重心位置を求め、この重心位置から放射状に延びる複数の走査方向に沿った輝度分布を求め、この輝度分布からリング像を特定し、特定されたリング像の近似楕円を求め、この近似楕円の長径及び短径を公知の式に代入することによって球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aを求める。或いは、他覚値算出部121は、基準パターンに対するリング像の変形及び変位に基づいて眼屈折力のパラメータを求めることができる。
眼内距離測定系8を用いた光干渉計測の結果から、少なくとも球面度数を求めることが可能である。例えば、処理部9は、参照ミラーユニット(例えば、網膜用参照ミラーユニット94)を移動することにより干渉光LCの検出信号のピーク位置を特定し、0Dに相当する基準位置に対する参照ミラーユニットの変位と、特定されたピーク位置の基準位置に対する変位とに基づいて等価球面度数を求めることができる。
演算処理部120は、観察系5により取得されたケラトリング像に基づいて、角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。例えば、演算処理部120は、ケラトリング像を解析することにより角膜前面の強主経線や弱主経線の角膜曲率半径を算出し、角膜曲率半径に基づいて上記パラメータを算出する。
眼軸長測定において、演算処理部120は、眼内距離測定系8を用いて取得された2つの干渉信号のピーク(図6)の間隔に基づいて被検眼Eの眼軸長を算出する。他の眼内距離の測定も同様に、当該眼内距離の両端に対応する2つの干渉信号の間隔に基づいて実行可能である。
IOL度数の算出において、演算処理部120は、ケラト測定の算出結果と眼軸長の算出結果とを公知の計算式に代入する。なお、角膜厚、前房深度、水晶体厚等を考慮してIOL度数を求めることも可能である。
判定部122について説明する。前提として、制御部110は、被検眼の角膜Kと網膜(眼底Efの表面)との間に位置する物体(対象物体)に対応する信号(対象信号)が取得されるように、光干渉計測に関する制御を実行する。対象物体は、例えば、水晶体やIOLのような屈折機能を備えた物体である。
対象信号を取得するための制御には、例えば、参照光LRの光路長(参照アーム長)を変更する処理が含まれる。本実施形態では、網膜用参照ミラーユニット94が移動される。具体例として、記憶部112には、対象物体に関して予め設定された参照ミラー位置が記憶されている。対象物体が水晶体やIOLである場合、水晶体の標準的な位置やIOLの標準的な設置位置に対応する参照ミラー位置が記憶部112に格納される。或いは、被検眼Eにおける対象物体の位置が事前に得られている場合、その位置に基づき得られた参照ミラー位置を記憶部112に格納することができる。主制御部111は、参照ミラー位置を記憶部112から読み出し、それに基づいて網膜用参照ミラーユニット94を移動させる。
なお、本例の対象信号は、既定の参照ミラー位置に網膜用参照ミラーユニット94が配置された状態で実行された光干渉計測により得られたデータにFFT等を施すことで得られた干渉信号のピークとして特定される。しかしながら、標準的な位置から大きく外れた位置に対象物体が配置されている被検眼の検査が行われる場合、既定の参照ミラー位置に網膜用参照ミラーユニット94を配置させてもピークが得られない場合がある。この場合、処理部9は、網膜用参照ミラーユニット94を移動させつつピークを探索することができる。或いは、干渉信号又はそれに基づく情報(光干渉計測画像等)を主制御部111が表示部170に表示させ、ユーザが手動で網膜用参照ミラーユニット94を移動させてピークを探索するようにしてもよい。
なお、本実施形態は参照アームを変更しているが、測定光LSの光路長(測定アーム長)を変更する構成や、参照アーム長及び測定アーム長の双方を変更可能な構成を適用することも可能である。
対象信号を取得するために参照アーム長(測定アーム長)を変更する処理の精度は任意である。第1の例として、光干渉計測により得られる干渉信号に対象信号が含まれるように、つまり、光干渉計測による計測範囲に対象信号が表れるように、参照アーム長を変更することができる。第2の例として、干渉信号の既定位置(又はその近傍)に対象信号が配置されるように、つまり、光干渉計測による計測範囲における既定の深さ位置(又はその近傍)に対象信号が配置されるように、参照アーム長を変更することができる。この既定の深さ位置は、例えば、計測感度が最大となる位置である。なお、第1の例により対象信号を検出した後に、第2の例によりこの対象信号を既定位置に配置させるように制御を行うことが可能である。
このような参照アーム長(測定アーム長)を変更する処理に加え、対象信号を取得するための制御は、測定光LSのフォーカス調整を含んでもよい。測定光LSのフォーカス調整は、測定光LSの光路に沿って合焦レンズ85を移動させる駆動機構85A(図8を参照)を主制御部111が制御することにより実行される。フォーカス調整は、例えば参照アーム長の変更の後に実行される。具体例として、制御部110は、光干渉計測により取得されるデータ(干渉信号)に対象信号が含まれるように参照アーム長を変更した後に、この対象信号の強度が最大になるようにフォーカス調整(駆動機構85Aの制御)を行うことができる。或いは、制御部110は、光干渉計測により取得されるデータ(干渉信号)に含まれる対象信号が既定位置又はその近傍に配置されるように参照アーム長を変更した後に、この対象信号の強度が最大になるようにフォーカス調整(駆動機構85Aの制御)を行うことができる。
対象信号を取得するための制御は、参照アーム長(測定アーム長)の変更や測定光LSのフォーカス調整には限定されない。例えば、正の屈折力を有するレンズ又はレンズ系を測定光LSの光路に配置可能な構成を適用できる。このレンズ(又はレンズ系)は、測定光LSの光路の任意の位置に挿入され、測定光LSの焦点位置を不連続的に変化させる。つまり、このレンズ(又はレンズ系)は、その屈折力に応じた距離だけ測定光LSの焦点を近づけるように作用する。なお、このレンズ(又はレンズ系)としてアルバレッツレンズ等の屈折力可変レンズを適用してもよい。このレンズ(又はレンズ系)が挿入される位置は、例えば、合焦レンズ85に隣接する位置であってよい。以下、このレンズ(又はレンズ系)を補助レンズと呼ぶことがある。
補助レンズの屈折力は、例えば、網膜表面と水晶体前面との間の標準的な距離に相当する正の屈折力に設定される。他の例においては、角膜表面と水晶体前面との間の標準的な距離に相当する負の屈折力を有する補助レンズを適用し、角膜用参照ミラーユニット96(可動であることが望ましい)を用いて光干渉計測を実行することが可能である。なお、本明細書において、眼の構造的数値又は機能的数値の標準値は、模型眼における値や、臨床的に得られた統計値であってよい。
対象信号を含む干渉信号が得られると、判定部122は、この対象信号の強度に基づいて被検眼Eが有水晶体眼及びIOL移植眼のいずれであるか判定する。この判定処理は、図8に示す強度検出部1222と強度比較部1223により実行される。
強度検出部1222は、干渉信号を解析することにより、この干渉信号に含まれる対象信号(ピーク)の強度を検出する。この処理は、例えば、深さ方向における強度分布として表される干渉信号における最大強度値を探索する処理である。なお、ノイズを除去又は低減した後に強度検出を行うようにしてもよい。
強度比較部1223は、強度検出部1222により検出された対象信号の強度を既定閾値と比較する。それにより、被検眼Eが有水晶体眼(生体組織である水晶体が存在する眼)であるか、或いはIOL移植眼(水晶体の代わりに又は水晶体に加えてIOLが移植された眼)であるか判定する。
この判定処理の原理について説明する。眼球内を満たす房水の屈折率は一般に1.336程度であり、水晶体の表面付近の屈折率は一般に1.386程度とされる。したがって、水晶体の前面における反射率は約0.03パーセントとなる。これに対し、IOLは、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)やシリコン樹脂などを材料として含む。典型的なIOLの屈折率は1.594程度であり、それが眼内に配置された場合の反射率は約0.3パーセントとなる。このように、IOLによる反射強度は水晶体によるそれよりも一般的に大きくなる。実施形態に係る判定処理はこのような現象を利用したものである。
本実施形態では、被検眼E内の物体の種類に応じた反射強度の相違を識別できるように閾値が設定される。特に、干渉信号に含まれる対象信号が深さ方向の既定位置又はその近傍に配置された状態における、当該対象信号の強度が用いられる。例えば図9において、横軸は深さ方向における計測範囲Rを示し、縦軸は干渉信号の強度を示す。また、符号R0は深さ方向における既定位置を示し、符号P1は水晶体の前面に対応するピークを、符号P2はIOLの前面に対応するピークをそれぞれ示す。更に、符号THは、水晶体前面に対応するピークP1の標準的な強度と、IOL前面に対応するピークP2の標準的な強度とを識別するために設定された閾値のレベルを示している。なお、深さ方向の既定位置又はその近傍に配置された対象信号(ピーク)の強度を閾値と比較することで、比較を高確度かつ高精度で行うことが可能である。
判定部122には更に他覚値比較部1221が設けられている。他覚値比較部1221は、他覚値算出部121により算出された被検眼Eの屈折力(他覚値)に基づいて、被検眼Eが無水晶体眼(水晶体もIOLも存在しない眼)か否か判定する。なお、例えば、干渉信号に対象信号が含まれるか否かに基づいて、或いは、干渉信号に含まれる対象信号の強度が既定閾値(上記閾値より小さい)未満であるか否かに基づいて、無水晶体眼か否かの判定を実行することも可能である。
他覚値比較部1221による判定処理の限定について説明する。被検眼Eが無水晶体眼である場合、水晶体による屈折力もIOLによる屈折力も失われているので、他覚値は強度の遠視を呈する。他覚値比較部1221は、この判定のために予め設定された閾値(遠視の程度を示す閾値)と、他覚値算出部121により算出された屈折力の値とを比較する。被検眼Eの遠視の程度が閾値以上である場合、被検眼Eは無水晶体眼であると判定される。一方、被検眼Eの遠視の程度が閾値未満である場合、被検眼Eは無水晶体眼でないと判定される。
(表示部170、操作部180)
表示部170は、制御部110による制御を受けて情報を表示する。表示部170は表示部10を含む。操作部180は、眼科装置1000の操作や情報入力に使用される。操作部180は、各種のハードウェアキー(ジョイスティック、ボタン、スイッチなど)、及び/又は、表示部170に提示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)を含む。
(通信部190)
通信部190は、外部装置と通信する機能を持つ。通信部190は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置がある。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置1000に入力する。また、外部装置は、任意の眼科装置、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)などでもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOMサーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバなどでもよい。
<動作例>
実施形態に係る眼科装置1000の動作について説明する。眼科装置1000の動作の一例を図10に示す。
(S1:レフ測定)
まず、レフ測定系130及び他覚値算出部121を用いてレフ測定を行う。他覚値算出部121により求められた被検眼Eの屈折力の値(特に球面度数)は、判定部122の他覚値比較部1221に送られる。
(S2:閾値以上に遠視か?)
他覚値比較部1221は、ステップS1で取得された球面度数を閾値と比較する。ここでは、被検眼Eの球面度数が閾値以上の遠視に相当するか判定される。
(S3:無水晶体眼と判定)
ステップS2において被検眼Eの球面度数が閾値以上の遠視に相当すると判定された場合(S2:Yes)、判定部122は、被検眼Eは無水晶体眼であると判定する。処理はステップS13に移行する。
(S4:干渉計光源の点灯)
一方、ステップS2において被検眼Eの球面度数が閾値以上の遠視に相当しないと判定された場合(S2:No)、主制御部111は、干渉計光源81を点灯する。
(S5:角膜用シャッターの挿入)
主制御部111は、ビームスプリッタ92の反射方向の光路に角膜用シャッター95を挿入する。
(S6:補助レンズの挿入)
主制御部111は、測定光LSの光路に補助レンズ(図示省略)を挿入する。なお、ステップS4〜ステップS6における3つの処理を実行するタイミングは任意である。例えば、これらを同時に実行することもできるし、本例と異なる順序で実行することもできる。また、これら以外の動作を付加的に実行することも可能である。
通常、ここまでの処理により、水晶体又はIOLの前面に対応する信号(対象信号、ピーク)が干渉信号の計測範囲Rに表れる(図9を参照)。対象信号が計測範囲Rに存在しない場合には、前述したように自動又は手動で対象信号を探索することができる。
(S7:参照アーム長の調整)
主制御部111は、計測範囲R内の既定位置R0に対象信号が配置されるように、網膜用参照ミラーユニット94の移動制御を行う。それにより、対象信号が既定位置R0又はその近傍に配置される。
(S8:測定光のフォーカス調整)
主制御部111は、対象信号の強度が最大になるようにフォーカス調整(合焦レンズ85の移動制御)を行う。これにより、既定位置R0又はその近傍に配置された対象信号の強度が最適化される。
(S9:対象信号の強度の検出)
強度検出部1222は、既定位置R0又はその近傍に配置され、かつ強度が最適化された対象信号について、その強度を検出する。
(S10:強度は閾値以上か?)
強度比較部1223は、ステップS9で検出された対象信号の強度を閾値と比較する。強度が閾値以上である場合(S10:Yes)にはステップS11へ移行し、強度が閾値未満である場合(S10:No)にはステップS12へ移行する。
(S11:IOL移植眼と判定)
ステップS10で「Yes」と判定された場合、判定部122は、被検眼EはIOL移植眼であると判定する。処理はステップS13に移行する。
(S12:有水晶体眼と判定)
ステップS10で「No」と判定された場合、判定部122は、被検眼Eは有水晶体眼であると判定する。処理はステップS13に移行する。
なお、被検眼EがフェイキックIOLである場合には、水晶体とIOLの双方が存在するので、これらに対応する対象信号(ピーク)が1つ以上ずつ検出される。そして、いずれかの対象信号の強度が閾値以上となり、かつ、他のいずれかの対象信号の強度が閾値以下となる。これにより、被検眼EはIOL移植眼かつ有水晶体眼(つまりフェイキックIOL移植眼)と判定される。
(S13:判定結果の表示)
主制御部111は、ステップS3、S11又はS12で得られた判定結果(被検眼Eの状態)を表す情報を表示部170に表示させる。
ここで、以降の処理において適用される動作モードを設定することができる。動作モードの設定は、手動又は自動で行われる。動作モードの手動設定は、例えば、表示部170に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を用いて行われる。一方、動作モードの手動設定は、例えば主制御部111によって実行される。
動作モード情報は、実施される検査の種別や、検査で適用されるパラメータ値などを含んでよい。更に、動作モード情報は、アライメントモードやフォーカシングモードなど、測定の準備として実行される動作に関する情報を含んでいてよい。
具体例として、被検眼Eが有水晶体眼又は無水晶体眼であると判定された場合、被検眼Eに移植されるべきIOLの度数計算を含む、公知の処理を実行することができる。また、このIOLの度数計算に適用されるパラメータ値や計算式が動作モード情報に含まれていてよい。また、通常のアライメントモードが適用されることを示す情報が動作モード情報に含まれていてよい。
また、被検眼EがIOL移植眼であると判定された場合、このIOLの度数の推定や適否判定、新たに移植されるべきIOLの度数計算などを含む、公知の処理を実行することが可能である。パラメータ値等については上記と同様である。また、アライメントについては、IOLによる反射像を考慮したIOLアライメントモードが適用されることを示す情報が動作モード情報に含まれていてよい。
(S14:測定・解析)
眼科装置1000は、ステップS13で設定された動作モードに基づいて測定(眼軸長測定等)や解析(IOL度数計算等)を行う。以上で、本動作例の説明は終了である。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置の作用及び効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置は、データ取得部と、制御部と、判定部とを備える。
データ取得部は、光干渉計測を用いて被検眼のデータを取得する。上記実施形態において、データ取得部は、眼内距離測定系8と、測定光LSの光路を形成する光学素子群とを含む。
制御部は、被検眼の角膜と網膜との間に位置する物体に対応する信号(対象信号)が取得されるようにデータ取得部を制御する。上記実施形態において、制御部は、処理部9のうちの少なくとも制御部110を含む。
判定部は、制御部による制御によって取得された対象信号の強度に基づいて、被検眼が有水晶体眼及び眼内レンズ移植眼のいずれであるか判定する。判定部は、例えば、対象信号の強度が既定閾値未満である場合には被検眼は有水晶体眼であると判定し、対象信号の強度が既定閾値以上である場合には被検眼は眼内レンズ移植眼であると判定する。上記実施形態において、判定部は、判定部122(特に強度算出部1222及び強度比較部1223)を含む。
被検眼がフェイキックIOL(有水晶体IOL)移植眼である場合、従来の技術では、角膜及び水晶体に対応する反射信号だけでなくフェイキックIOLに対応する反射信号も検出されるため、被検眼の状態(有水晶体眼、IOL移植眼等)の判定を的確に行うことは困難であった。しかし、実施形態に係る眼科装置によれば、角膜と網膜との間に存在する物体に対応する光干渉信号(対象信号)の強度に基づいて判定が行われるので、フェイキックIOLの識別も可能である。
実施形態において、データ取得部は、干渉光学系と、光検出器と、光路長変更部とを含んでいてよい。干渉光学系は、光源(干渉計光源81)からの光を測定光と参照光とに分割し、測定光を被検眼に照射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光とを干渉させる。上記実施形態において、干渉光学系は、干渉計光源81、ファイバカプラ82、測定アームを形成する光学素子群、参照アームを形成する光学素子群を含む。光検出器は、干渉光学系により生成された干渉光を検出する。上記実施形態において、光検出器は、分光器83(又はバランスドフォトダイオード等)を含む。光路長変更部は、測定光の光路長及び参照光の光路長の少なくとも一方を変更する。上記実施形態において、光路長変更部は、網膜用参照ミラーユニット94を含む。また、光路長変更部は、補助レンズ及びこれを光路に挿入する駆動機構を含んでいてよい。制御部は、対象信号を取得するために、光路長変更部の制御を行うよう構成されてよい。
この構成によれば、測定光の光路長及び参照光の光路長の少なくとも一方を制御することによって対象信号を取得できるので、対象信号を取得する処理の容易化を図ることができる。
更に、実施形態において、データ取得部は、測定光の光路に配置された合焦レンズと、測定光の光路に沿って合焦レンズを移動させる駆動機構とを含んでいてよい。上記実施形態において、合焦レンズは合焦レンズ85を含み、駆動機構は駆動機構85Aを含む。また、合焦レンズは補助レンズを含んでよく、かつ、駆動機構は補助レンズを光路に挿入する機構を含んでよい。制御部は、対象信号を取得するためにこの駆動機構の制御を行うことができる。
加えて、実施形態において、制御部は、データ取得部により取得されるデータに対象信号が含まれるように光路長変更部の制御を行った後に、この対象信号の強度が最大になるように駆動機構の制御を行うことができる。このとき、制御部は、データ取得部により取得されるデータにおける既定位置又はその近傍に対象信号が配置されるように光路長変更部の制御を行うことができる。
このような構成によれば、測定光のフォーカス調整を行うことにより、対象信号の強度の最大化を図ることが可能である。それにより、対象信号の強度に基づく被検眼の状態の判定を高精度、高確度で行うことができる。
実施形態の眼科装置は他覚屈折測定部を更に備えていてよい。他覚屈折測定部は、網膜にパターン光を投影し、その戻り光を検出し、その検出結果を解析することにより被検眼の屈折力を求める。上記実施形態において、他覚屈折測定部は、レフ測定系130及び他覚値算出部1221を含む。判定部は、他覚屈折測定部により求められた屈折力に基づいて被検眼が無水晶体眼か否か判定することができる。
この構成によれば、被検眼が無水晶体眼であるか否かを他覚屈折測定の結果に基づいて容易に判定することが可能である。
実施形態において、制御部は、判定部による判定結果に応じて動作モードを選択的に適用することができる。実施形態では、有水晶体眼に適用される通常モード、IOL移植眼に適用されるIOLモード、無水晶体眼に適用される無水晶体モードなど、実施形態により判定可能な被検眼の状態の少なくとも1つに対応する動作モードが設けられる。各動作モードは、実施される検査の種別、検査で適用されるパラメータ値や計算式などを含むよう構成されたマクロによって実行される。
この構成によれば、被検眼の状態の判定結果に応じた動作モードが自動設定されるので、検査の迅速化を図ることができる。また、動作モードの選択ミスを防止できるというメリットもある。
以上に示された実施形態は、本発明を実施するための構成の例に過ぎない。本発明を実施しようとする者は、本発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加、置換等を施すことが可能である。
1000 眼科装置
8 眼内距離測定系
110 制御部
122 判定部

Claims (2)

  1. 光干渉計測を用いて被検眼のデータを取得するデータ取得部と、
    前記被検眼の角膜と網膜との間に位置する物体に対応する信号が取得されるように前記データ取得部を制御する制御部と、
    前記制御部による制御によって取得された前記信号の強度に基づいて前記被検眼が有水晶体眼及び眼内レンズ移植眼のいずれであるか判定する判定部と
    を備え
    前記データ取得部は、
    光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に照射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光とを干渉させる干渉光学系と、
    前記干渉光学系により生成された干渉光を検出する光検出器と、
    前記測定光の光路長及び前記参照光の光路長の少なくとも一方を変更する光路長変更部と、
    前記測定光の光路に配置された合焦レンズと、
    前記測定光の光路に沿って前記合焦レンズを移動させる駆動機構と
    を含み、
    前記制御部は、前記データ取得部により取得されるデータに前記信号が含まれるように前記光路長変更部の制御を行った後、前記信号の強度が最大になるように前記駆動機構の制御を行う
    ことを特徴とする眼科装置。
  2. 前記制御部は、前記データ取得部により取得されるデータにおける既定位置又はその近傍に前記信号が配置されるように前記光路長変更部の制御を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
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