JP2017077831A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させる。
【解決手段】電動パワーステアリング装置100であって、操舵角センサ15の取得結果とモータ回転角センサ10aの取得結果に基づいて、推定操舵トルクを演算する操舵トルク推定部33と、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて演算された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値を設定する補正値設定部34と、を備え、モータ制御部31は、トルクセンサ12の故障時には、操舵トルク推定部33にて演算された推定操舵トルクを補正値にて補正して補正推定操舵トルクを演算し、補正推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来の電動パワーステアリング装置として、特許文献1には、トルクセンサの異常検出手段が異常を検出したときに、操舵輪回転角、モータ回転角、連結部材のばね定数、及び減速機構の減速比に基づき操舵トルクを算出することが開示されている。
特開2004−224077号公報
トルクセンサの故障時に、特許文献1に記載の方法で操舵トルクの推定値を算出し、その推定値に基づいて電動モータの駆動を制御することが考えられる。
しかし、この場合には、操舵輪回転角及びモータ回転角を検出するセンサの精度や減速機構の減速比の固体差等により、操舵トルクの推定精度は高いとは言えない。したがって、トルクセンサの故障時には良好な操舵フィーリングが得られない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させることを目的とする。
第1の発明は、電動パワーステアリング装置であって、操舵角取得部の取得結果とモータ回転角取得部の取得結果に基づいて、推定操舵トルクを演算する操舵トルク推定部と、トルクセンサの正常時に、トルクセンサにて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部にて演算された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値を設定する補正値設定部と、を備え、モータ制御部は、トルクセンサの正常時には、トルクセンサにて検出された操舵トルクに基づいて電動モータの駆動を制御し、トルクセンサの故障時には、操舵トルク推定部にて演算された推定操舵トルクを補正値にて補正して補正推定操舵トルクを演算し、補正推定操舵トルクに基づいて電動モータの駆動を制御することを特徴とする。
第1の発明では、トルクセンサの正常時に、トルクセンサにて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部にて推定された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値が設定され、トルクセンサの故障時には、操舵トルク推定部にて推定された推定操舵トルクを補正値にて補正して得られる補正推定操舵トルクに基づいて電動モータの駆動が制御される。
第2の発明は、補正値設定部は、前記操舵トルク推定部にて推定された前記推定操舵トルクが前記トルクセンサにて検出された前記操舵トルクに近付くように、前記補正値を設定することを特徴とする。
第2の発明によれば、トルクセンサの故障時に演算される補正操舵トルクを、トルクセンサにて検出される操舵トルクと実質的に一致させることができる。
第3の発明は、補正値は、車速に応じて設定されることを特徴とする。
第3の発明によれば、より精度の高い補正値を設定することができる。
第4の発明は、補正値は、推定操舵トルクのヒステリシスを補正するためのヒステリシス補正値を含むことを特徴とする。
第5の発明は、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正は、操舵方向が変化した場合に実行されることを特徴とする。
第4及び5の発明によれば、トルクセンサの故障時に演算される補正操舵トルクを、トルクセンサにて検出される操舵トルクに高い精度で一致させることができる。
第6の発明は、モータ制御部は、トルクセンサの故障時には、舵角速度に応じて補正推定操舵トルクを補正することを特徴とする。
第6の発明によれば、トルクセンサの故障時に演算される補正推定操舵トルクの精度を、より高めることができる。
本発明によれば、トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。 操舵角と操舵トルクの関係を示す図である。 舵角速度と補正係数の関係を示すマップ図である。 推定操舵トルクのヒステリシスを示す図である。 ヒステリシス補正値のマップ図である。 ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正を実行するか否かの判定手順を示すフローチャートである。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置100について説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操作(以下、「ステアリング操作」と称する。)に伴って回転する入力シャフト2と、車輪6を転舵するラック軸5に連係する出力シャフト3と、入力シャフト2と出力シャフト3を連結するトーションバー4と、を備える。入力シャフト2、出力シャフト3、及びトーションバー4によってステアリングシャフト7が構成される。
出力シャフト3の下部には、ラック軸5に形成されたラックギヤ5aと噛み合うピニオンギヤ3aが形成される。ステアリングホイール1が操舵されると、ステアリングシャフト7が回転し、その回転がピニオンギヤ3a及びラックギヤ5aによってラック軸5の直線運動に変換され、ナックルアーム14を介して車輪6が転舵される。
電動パワーステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操舵を補助するための動力源である電動モータ10と、電動モータ10の回転をステアリングシャフト7に減速して伝達する減速機11と、運転者によるステアリング操作に伴う入力シャフト2と出力シャフト3との相対回転によってトーションバー4に作用する操舵トルクを検出するトルクセンサ12と、電動モータ10を制御するコントローラ30と、をさらに備える。
電動モータ10には、電動モータ10の回転角度を取得するモータ回転角取得部としてのモータ回転角センサ10aが設けられる。モータ回転角センサ10aは、レゾルバによって構成される。
減速機11は、電動モータ10の出力軸に連結されるウォームシャフト11aと、出力シャフト3に連結されウォームシャフト11aに噛み合うウォームホイール11bと、からなる。電動モータ10が出力するトルクは、ウォームシャフト11aからウォームホイール11bに伝達されて出力シャフト3に操舵補助トルクとして付与される。
運転者によるステアリング操作に伴って入力シャフト2に付与される操舵トルクはトルクセンサ12によって検出され、トルクセンサ12はその操舵トルクに対応する電圧信号をコントローラ30に出力する。コントローラ30は、トルクセンサ12からの電圧信号に基づいて、電動モータ10が出力するトルクを演算し、そのトルクが発生するように電動モータ10の駆動を制御する。このように、電動パワーステアリング装置100は、入力シャフト2に付与される操舵トルクをトルクセンサ12にて検出し、その検出結果に基づいて電動モータ10の駆動をコントローラ30にて制御して運転者のステアリング操作を補助する。
トルクセンサ12は、メイン系統とサブ系統の2つの系統にてコントローラ30に接続される。
入力シャフト2には、ステアリングホイール1の回転角度である操舵角(絶対操舵角)を取得する操舵角取得部としての操舵角センサ15が設けられる。入力シャフト2の回転角度とステアリングホイール1の操舵角とは等しいため、操舵角センサ15にて入力シャフト2の回転角度を検出することによってステアリングホイール1の操舵角が得られる。操舵角センサ15の検出結果はコントローラ30に出力される。
操舵角センサ15は、図示しないが、入力シャフト2と一体に回転するセンターギアと、センターギアに噛み合う2つのアウターギアと、を備え、2つのアウターギアの回転に伴う磁束の変化に基づいて、センターギアの回転角度、すなわち入力シャフト2の回転角度を演算するものである。
コントローラ30は、電動モータ10の動作を制御するCPUと、CPUの処理動作に必要な制御プログラムや設定値等が記憶されたROMと、トルクセンサ12や操舵角センサ15等の各種センサが検出した情報を一時的に記憶するRAMと、を備える。
次に、図2を参照して、コントローラ30について説明する。図2は、電動パワーステアリング装置100の制御ブロック図である。
コントローラ30は、電動モータ10の駆動を制御するモータ制御部31と、トルクセンサ12の故障を判定する故障判定部32と、運転者によるステアリング操作に伴って入力シャフト2に付与される操舵トルクを推定する操舵トルク推定部33と、トルクセンサ12の正常時に、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクの補正値を設定する補正値設定部34と、を備える。
モータ制御部31は、トルクセンサ12の正常時には、トルクセンサ12の検出結果に基づいて電動モータ10の駆動を制御し、トルクセンサ12の故障時には、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクと補正値設定部34にて設定された補正値に基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
トルクセンサ12の正常時には、電動モータ10の制御には、メイン系統から出力される電圧信号が用いられる。サブ系統から出力される電圧信号は、電動モータ10の制御には用いられず、トルクセンサ12の故障を判定するために用いられる。
故障判定部32は、メイン系統から出力された出力電圧とサブ系統から出力された出力電圧とを比較し、その差が予め定められた許容差以上であると判断した場合には、トルクセンサ12が故障していると判定する。
操舵トルク推定部33は、操舵角センサ15にて取得された操舵角とモータ回転角センサ10aにて取得されたモータ回転角とに基づいて、推定操舵トルクを演算する。運転者によりステアリングホイール1が操舵されると、トーションバー4の捩れによって操舵角とモータ回転角とに角度差が生じるため、その角度差に基づいて推定操舵トルクを演算することができる。具体的には、操舵角及びモータ回転角に加え、トーションバー4のばね定数及び減速機11の減速比に基づいて推定操舵トルクが演算される。
しかし、操舵角センサ15及びモータ回転角センサ10aの検出精度、操舵角センサ15及びモータ回転角センサ10aにて検出される検出信号が操舵トルク推定部33へ入力される周期の差、及び減速機11の減速比の固体差等により、操舵トルク推定部33にて推定される推定操舵トルクの推定精度は高いとは言えない。したがって、トルクセンサ12の故障時に、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御しても、良好な操舵フィーリングが得られない。
そこで、トルクセンサ12の故障時には、モータ制御部31は、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクを、補正値設定部34で設定された補正値にて補正して補正推定操舵トルクを演算し、その補正推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
以下では、補正値設定部34による補正値の設定方法について詳しく説明する。
補正値設定部34は、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクとを比較して補正値を設定する。図3を参照して具体的に説明する。
図3は、操舵角と操舵トルクの関係を示す図であり、実線がトルクセンサ12が出力する操舵トルク、破線が操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルク、一点鎖線が補正値設定部34にて設定された補正値である。図3に示すように、補正値設定部34では、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクとを、操舵角に応じてサンプリングする。なお、図3では、トルクセンサ出力値及び推定操舵トルクを便宜上、直線で示しているが、トルクセンサ出力値及び推定操舵トルクは、必ずしも直線的な特性を示すとは限らない。
図3に示すように、操舵トルク推定部33にて推定される推定操舵トルクは、上述した理由により推定精度が高くないため、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクに一致しない。そこで、補正値設定部34は、推定操舵トルクがトルクセンサ12にて検出される操舵トルクに近付くように、好ましくは一致するように、推定操舵トルクの補正値を設定する。つまり、推定操舵トルクに補正値を加減算した値が、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクに一致するように補正値を設定する。
トルクセンサ出力値と推定操舵トルクのサンプリング、及び補正値の設定は、トルクセンサ12の正常時に常に行われる。トルクセンサ出力値と推定操舵トルクのサンプリングをトルクセンサ12の正常時に常に行うことによって、補正値をより正確な値に近づけることができる。
操舵角と操舵トルクの関係は車速に応じて変化するため、車速に応じてトルクセンサの出力値と推定操舵トルクの関係も変化する。そこで、より精度の高い補正値を設定するためには、トルクセンサ出力値と推定操舵トルクのサンプリング、及び補正値の設定は、所定の車速範囲毎に行うのが望ましい。つまり、所定の車速範囲毎に、図3に示す特性図を作成するのが望ましい。例えば、車速が0〜30km/hの低速度域、30〜60km/hの中速度域、及び60km/h以上の高速度域に分けて特性図を作成する。このように、補正値は、車速に応じて設定するのが望ましい。
推定操舵トルクの補正値は、以上のようにして設定される。故障判定部32にてトルクセンサ12が故障していると判定された場合には、モータ制御部31は、トルクセンサ12の検出結果に基づくアシスト制御から、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクに基づくアシスト制御へと、電動モータ10の制御方法を切り換える。
具体的に説明すると、モータ制御部31は、推定操舵トルクを操舵トルク推定部33から取得すると共に、現在の舵角に対応する補正値(図3参照)を補正値設定部34から取得する。そして、推定操舵トルクに補正値を加減算して補正推定操舵トルクを演算し、その補正推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御する。車速に応じて補正値が設定されている場合には、モータ制御部31は、車速センサ(図示せず)の検出結果に基づいて、現在の車速に対応する補正値を取得する。
補正値は、トルクセンサ12の正常時に、推定操舵トルクがトルクセンサ12にて検出される操舵トルクに一致するように演算されたものであるため、補正値にて補正された補正推定操舵トルクは、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクと実質的に一致する。したがって、トルクセンサ12が故障したとしても、操舵フィーリングが悪化することがない。
以上のように、車両走行中にトルクセンサ12が故障した場合であっても、操舵フィーリングを悪化させることなく、車両の走行を継続させることが可能となる。
なお、トルクセンサ出力値及び推定操舵トルクが図3に示すような直線的な特性となる場合には、補正値は、図3に示すように舵角に応じて設定する必要はなく、舵角によらず一定値としてもよい。その場合には、補正推定操舵トルクは、推定操舵トルクに補正値を乗算することによって演算される。
トルクセンサ12の出力値と推定操舵トルクの関係は、舵角速度に応じて変化する。そのため、補正推定操舵トルクの精度を高めるため、以上で説明した推定操舵トルクの補正に加えて、図4に示すように舵角速度に応じた補正係数を予め設定し、その補正係数を用いて補正推定操舵トルクをさらに補正するのが望ましい。具体的には、モータ制御部31は、操舵角センサ15の検出結果に基づいて演算される舵角速度を取得し、現在の舵角速度に対応する補正係数を図4に示すマップを参照して取得する。そして、その補正係数を補正推定操舵トルクに乗算して補正推定操舵トルクをさらに補正する。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
補正値設定部34は、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値を設定する。故障判定部32にてトルクセンサ12が故障していると判定された場合には、モータ制御部31は、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクを補正値にて補正して得られる補正推定操舵トルクに基づいて、電動モータ10の駆動を制御する。よって、トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させることができる。
また、トルクセンサ出力値と推定操舵トルクのサンプリング、及び補正値の設定は、トルクセンサ12の正常時に常に行われるため、精度の高い補正値を設定することができる。したがって、トルクセンサ12の故障時に演算される補正操舵トルクを、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクと実質的に一致させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置100と異なる点について説明し、電動パワーステアリング装置100と同一の構成には、同一の符号を用いて説明を省略する。
図5に示すように、操舵角センサ15にて取得された操舵角とモータ回転角センサ10aにて取得されたモータ回転角とに基づいて推定される推定操舵トルクは、ヒステリシスを持った特性となる。つまり、ステアリングホイール1が中立位置から操舵されてから操舵方向が変化した時点(図5中操舵角Xの時点)以降では、ヒステリシスが発生する。このように、操舵トルク推定部33にて推定される推定操舵トルクは、ヒステリシスの分だけトルクセンサ12の出力値と比較して精度が悪い。そこで、補正値設定部34では、図3に示す補正値に加えて、推定操舵トルクのヒステリシスを補正するためのヒステリシス補正値(図6参照)も設定する。以下に、ヒステリシス補正値について詳しく説明する。
図6に示すヒステリシス補正値は、ステアリングホイール1を戻す際の推定操作トルクが、ステアリングホイール1を中立位置から切り込んだ際の推定操舵トルクに一致するように設定される。つまり、戻り側の推定操作トルクにヒステリシス補正値を加減算した値が、切り側の推定操舵トルクに一致するようにヒステリシス補正値を設定する。具体的に説明すると、図5に示すように、操舵角Yでは、切り側の推定操舵トルクTfと戻り側の推定操舵トルクTbとはトルク値Cだけ偏差がある。したがって、図6に示すように、操舵角Yではヒステリシス補正値はCに設定される。
推定操舵トルクのサンプリング及びヒステリシス補正値の設定は、トルクセンサ12の正常時に常に行われる。推定操舵トルクのサンプリングをトルクセンサ12の正常時に常に行うことによって、ヒステリシス補正値をより正確な値に近づけることができる。
ヒステリシスの大きさは車速に応じて変化するため、より精度の高いヒステリシス補正値を設定するためには、推定操舵トルクのサンプリング及びヒステリシス補正値の設定は、所定の車速範囲毎に行うのが望ましい。つまり、所定の車速範囲毎に、図6に示すヒステリシス補正値のマップを作成するのが望ましい。
故障判定部32にてトルクセンサ12が故障していると判定された場合には、モータ制御部31は、推定操舵トルクを操舵トルク推定部33から取得すると共に、現在の舵角に対応する補正値(図3参照)及びヒステリシス補正値(図6参照)を補正値設定部34から取得する。そして、推定操舵トルクに図3に示す補正値と図6に示すヒステリシス補正値を加減算して補正操舵トルクを演算し、その補正操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
推定操舵トルクのヒステリシスは、操舵方向が変化した時点以降で発生するため、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正は、操舵方向が変化した時点以降のみで行われる。そこで、以下では、図7を参照して、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正を実行するか否かの判定手順について説明する。図7に示す手順は、モータ制御部31にて実行される。
ステップ1では、操舵角センサ15の検出結果に基づいて演算される舵角速度Δθを取得し、現在の舵角速度Δθが不感帯内であるか否かを判定する。舵角速度Δθが不感帯内ではないと判定した場合には、操舵角が変化中の状態であり、ステップ2に進む。舵角速度Δθの不感帯は、操舵角センサ15の検出誤差に起因する誤判定を防止できる程度の微小速度に設定される。
ステップ2では、操舵角センサ15の検出結果に基づいて操舵方向が変化したか否かを判定する。操舵方向が変化したと判定した場合には、ステップ3において操舵方向変化フラグをONした上で、ステップ4へと進む。操舵方向が変化していないと判定した場合には、ステップ3において操舵方向変化フラグをONとすることなく、ステップ4へと進む。
ステップ4では、操舵方向変化フラグがONであるか否かを判定する。操舵方向変化フラグがONであると判定した場合には、ステップ5に進み、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正を実行する。具体的には、図6に示すヒステリシス補正値のマップを参照して、現在の操舵角に対応するヒステリシス補正値を取得する。車速に応じてヒステリシス補正値が設定されている場合には、車速センサ(図示せず)の検出結果に基づいて、現在の車速に対応するヒステリシス補正値を取得する。
ステップ4において、操舵方向変化フラグがONでないと判定した場合には、ステアリングホイール1が中立位置から操舵されてから操舵方向が変化していない状態であり、ステップ5においてヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正を実行することなく、処理を終了する。
ステップ1において、舵角速度Δθが不感帯内であると判定した場合には、操舵角が一定の状態であり、ステップ6に進む。ステップ6では、操舵角センサ15の検出結果に基づいて、現在の操舵角θが不感帯内であるか否かを判定する。操舵角θが不感帯内ではないと判定した場合には、ステアリングホイール1が一定舵角で切られている状態であり、ステップ4に進む。操舵角θの不感帯は、操舵角センサ15の検出誤差に起因する誤判定を防止できる程度の微小操舵角に設定される。
ステップ4での処理は、上述したとおりである。
ステップ6において、操舵角θが不感帯内であると判定した場合には、ステアリングホイール1が中立位置にある状態であり、ステップ7において操舵方向変化フラグをOFFにし、処理を終了する。このように、舵角速度Δθ及び操舵角θの双方が不感帯内である場合には、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正を実行することなく、処理を終了する。
以上の処理は、車両のイグニッションスイッチがONの間、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
補正値設定部34は、操舵トルク推定部33にて推定される推定操舵トルクのヒステリシスを補正するヒステリシス補正値も設定する。したがって、トルクセンサ12の故障時に演算される補正操舵トルクは、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクに高い精度で一致するため、トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させることができる。
上記第2実施形態では、補正値設定部34において、操舵角センサ15及びモータ回転角センサ10aの検出精度等に起因する補正値(図3参照)とヒステリシス補正値(図6参照)とを別に設定する形態について説明した。これに代わり、補正値設定部34において、両補正値を考慮した1つの補正値を設定するようにしてもよい。
操舵角センサ15及びモータ回転角センサ10aの検出精度等に起因する補正値(図3参照)は、推定操舵トルクのヒステリシスを考慮して、ステアリングホイール1が中立位置から切り込まれる際において、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクとを比較して設定するのが望ましい。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
本実施形態では、電動パワーステアリング装置は、運転者によるステアリング操作に伴って回転するステアリングシャフト7と、ステアリングシャフト7の一部を構成するトーションバー4と、トーションバー4に作用する操舵トルクを検出するトルクセンサ12と、運転者によるステアリング操作を補助する操舵補助トルクを付与する電動モータ10と、電動モータ10の駆動を制御するモータ制御部31と、トルクセンサ12の故障を判定する故障判定部32と、ステアリング操作に伴う操舵角を取得する操舵角センサ15と、電動モータ10の回転角を取得するモータ回転角センサ10aと、操舵角センサ15の取得結果とモータ回転角センサ10aの取得結果に基づいて、推定操舵トルクを演算する操舵トルク推定部33と、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて演算された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値を設定する補正値設定部34と、を備え、モータ制御部31は、トルクセンサ12の正常時には、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御し、トルクセンサ12の故障時には、操舵トルク推定部33にて演算された推定操舵トルクを補正値にて補正して補正推定操舵トルクを演算し、補正推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
この構成では、トルクセンサ12の正常時に、トルクセンサ12にて検出された操舵トルクと操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクとの比較に基づいて推定操舵トルクの補正値が設定され、トルクセンサ12の故障時には、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクを補正値にて補正して得られる補正推定操舵トルクに基づいて電動モータ10の駆動が制御される。よって、トルクセンサ故障時の操舵フィーリングを向上させることができる。
また、本実施形態では、補正値設定部34は、操舵トルク推定部33にて推定された推定操舵トルクがトルクセンサ12にて検出された操舵トルクに近付くように、補正値を設定する。
この構成では、トルクセンサ12の故障時に演算される補正操舵トルクを、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクと実質的に一致させることができる。
また、本実施形態では、補正値は、車速に応じて設定される。
この構成では、より精度の高い補正値を設定することができる。
また、本実施形態では、補正値は、推定操舵トルクのヒステリシスを補正するためのヒステリシス補正値を含む。
また、本実施形態では、ヒステリシス補正値による推定操舵トルクの補正は、操舵方向が変化した場合に実行される。
以上の構成では、トルクセンサ12の故障時に演算される補正操舵トルクを、トルクセンサ12にて検出される操舵トルクに高い精度で一致させることができる。
また、本実施形態では、モータ制御部31は、トルクセンサ12の故障時には、舵角速度に応じて補正推定操舵トルクを補正する。
この構成では、トルクセンサ12の故障時に演算される補正推定操舵トルクの精度を、より高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、出力シャフト3の下部に形成されたピニオンギヤ3aがラック軸5に形成されたラックギヤ5aと噛み合う形態について説明した。これに代えて、出力シャフト3とは別にラックギヤ5aに噛み合うピニオンシャフトを設け、出力シャフト3とピニオンシャフトを自在継手を介して連結するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、電動モータ10の駆動力が、減速機11を介して出力シャフト3に付与される形態について説明した。これに代えて、電動モータ10の駆動力を、プーリ及びベルトを有する減速機を介してラック軸5に付与する構成(ベルトドライブ方式)としてもよく、また、電動モータ10の駆動力を、減速機を介さずに直接ラック軸5に付与する構成(ダイレクトドライブ方式)としてもよい。このように、電動モータ10は、ステアリング系にトルクを付与するものである。
100・・・電動パワーステアリング装置、1・・・ステアリングホイール、2・・・入力シャフト 、3・・・出力シャフト、4・・・トーションバー、5・・・ラック軸、7・・・ステアリングシャフト、10・・・電動モータ、10a・・・モータ回転角センサ(モータ回転角取得部)、12・・・トルクセンサ、15・・・操舵角センサ(操舵角取得部)、30・・・コントローラ、31・・・モータ制御部、32・・・故障判定部、33・・・操舵トルク推定部、34・・・補正値設定部

Claims (6)

  1. 運転者によるステアリング操作に伴って回転するステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトの一部を構成するトーションバーと、
    前記トーションバーに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    運転者によるステアリング操作を補助する操舵補助トルクを付与する電動モータと、
    前記電動モータの駆動を制御するモータ制御部と、
    前記トルクセンサの故障を判定する故障判定部と、
    ステアリング操作に伴う操舵角を取得する操舵角取得部と、
    前記電動モータの回転角を取得するモータ回転角取得部と、
    前記操舵角取得部の取得結果と前記モータ回転角取得部の取得結果に基づいて、推定操舵トルクを演算する操舵トルク推定部と、
    前記トルクセンサの正常時に、前記トルクセンサにて検出された前記操舵トルクと前記操舵トルク推定部にて演算された前記推定操舵トルクとの比較に基づいて前記推定操舵トルクの補正値を設定する補正値設定部と、を備え、
    前記モータ制御部は、前記トルクセンサの正常時には、前記トルクセンサにて検出された前記操舵トルクに基づいて前記電動モータの駆動を制御し、前記トルクセンサの故障時には、前記操舵トルク推定部にて演算された前記推定操舵トルクを前記補正値にて補正して補正推定操舵トルクを演算し、当該補正推定操舵トルクに基づいて前記電動モータの駆動を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記補正値設定部は、前記操舵トルク推定部にて推定された前記推定操舵トルクが前記トルクセンサにて検出された前記操舵トルクに近付くように、前記補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記補正値は、車速に応じて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記補正値は、前記推定操舵トルクのヒステリシスを補正するためのヒステリシス補正値を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ヒステリシス補正値による前記推定操舵トルクの補正は、操舵方向が変化した場合に実行されることを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記モータ制御部は、前記トルクセンサの故障時には、舵角速度に応じて前記補正推定操舵トルクを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の電動パワーステアリング装置。
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