JP2017077507A - スカム寄せ装置及びそれを有する汚泥掻寄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
専用の動力源を設けることなく、沈殿池の側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間及び/又はスカムスキマの両端部でのスカムの滞留を防止し得るスカム寄せ装置及びそれを有する汚泥掻寄機を提供する。
【解決手段】
スカム寄せ装置10,10’は、沈殿池8の水面付近に浮遊するスカムを排出するスカムスキマ6の上流側であって沈殿池の側壁8cより内側へと突出する柱17aの近傍及び/又はスカムスキマ6の両端部近傍に配される可倒式プレート15又はフロート31と、スカムスキマ6の動力を可倒式プレート15又はフロート31へ伝達する動力伝達部材16,16’と、を備える。スカム寄せ装置10,10’は、沈殿池側壁8cと柱17aの間及び/又はスカムスキマ6の両端部近傍に滞留するスカムを沈殿池8の内側へと掻き寄せる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、下水処理施設或いは上水処理施設に備えられる沈殿池で使用される、汚泥掻寄機に係り、特に、沈殿池内でのスカムの滞留を防止するためのスカム寄せ装置及びそれを有する汚泥掻寄機に関する。
下水又は上水の処理において、沈殿池内に導入される原水に含まれる砂等の無機物や有機物等の不純物を除去するため、沈殿池内に汚泥掻寄機が設置されている。この汚泥掻寄機において、戻り側フライトにてスカムを掻き寄せることができず、沈殿池側壁の内側に沿った水面にスカムが多く滞留し、処理水質の悪化、腐敗による悪臭、害虫の発生等が問題とされている。このような問題を解決するものとして特許文献1に記載される技術が提案されている。
特許文献1には、フライト端部と沈殿池側壁との間で、水面近傍に沈殿池の長手方向に沿ってスカムガイドを配し、スカムを戻り側フライトの範囲内へ導く構成が記載されている。スカムガイドは、沈殿池側壁からフライト端部側へと傾斜する下面を有し、沈殿池側壁に沿ってスカムスキマの近くまで延在する。これにより沈殿池側壁近傍で発生したスカムは、スカムガイド下面の傾斜面に沿って上昇し、戻り側フライトによりスカムスキマへと掻き寄せられる。
また、パイプ状のスカムスキマに依らず、沈殿池の水面付近に浮遊するスカムを効率よく収集する技術として、特許文献2が提案されている。特許文献2には、スカムを含む被処理水(原水)の水面下部分にスカム吸込口を有するスカム収集槽と、沈殿池の両側壁の上方に長手方向に沿って複数配されるスプレーノズルを有し、圧力水ポンプにより送水管を介してスプレーノズルより圧力水を噴出してスカムを上流側及び下流側からスカム吸込口へ移送する構成が記載されている。また、特許文献2では、スカム収集槽を水路方向(沈殿池の長手方向)に2分するよう沈殿池の幅方向ほぼ全体に亘り設けられ、スカム収集槽の上流側と下流側とを連通する切欠部を有するスカム遮蔽板を備え、スカム収集槽に収集されたスカムを、吸引ポンプを駆動しスカム貯留槽へ排出する。
特開平8−267059号公報 特開平9−150147号公報
多くの沈殿池では、沈殿池の躯体強度を補強するため、沈殿池側壁より内側へと突出する柱を、沈殿池の長手方向に沿って所定の間隔にて複数設置されている。これは、下水処理施設或いは上水処理施設では、通常、複数の沈殿池が相互にその側壁同士が隣接し二次元状に配置されており、場合によっては、空の沈殿池と被処理水(原水)で満たされた(例えば、数トンの水量)沈殿池が隣接することになる。このような状況下では、上記空の沈殿池の側壁には多大な荷重が付加されることになるため、補強部材として柱が必須となる。
しかしながら、特許文献1では、スカムガイド自体は動作しないため、スカムガイド側面へのスカム固着が生じ得る。スカムガイド側面に固着したスカムは、維持管理者等の人手により除去せねばならず、作業負荷の増大を招きかねない。
また、沈殿池側壁より内側へと突出する柱と側壁との間の水面、更には、スカムスキマの両端部には、処理水質の悪化或いは腐敗による悪臭等の要因となるスカムの滞留が生じ得る。この滞留するスカムを、下水処理施設或いは上水処理施設の維持管理者が手作業で除去する必要があり、維持管理者への負担増或いは、休日又は夜間においては上記滞留するスカムを除去し得ないという課題が生じる。これに対し、上記特許文献2に記載される技術によれば、スプレーノズルから圧力水を噴出することにより、スカムの滞留或いは、沈殿池側壁又は柱へのスカムの固着をある程度防止できる。
しかしながら、特許文献2では、圧力水をスプレーノズルより噴出させるための圧力水ポンプ等の動力源が必要となると共に、複数配されるスプレーノズル及び当該スプレーノズルへ圧力水ポンプから圧力水を送水するための送水管の敷設が必要となる。そのため、設備の大型化或いは設備全体としての消費電力の増大を招く恐れがある。
そこで本発明は、専用の動力源を設けることなく、沈殿池の側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間及び/又はスカムスキマの両端部でのスカムの滞留を防止し得るスカム寄せ装置及びそれを有する汚泥掻寄機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のスカム寄せ装置は、少なくとも、沈殿池の水面付近に浮遊するスカムを排出するスカムスキマの上流側であって前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に配される可倒式プレート又はフロートと、前記スカムスキマの動力を前記可倒式プレート又はフロートへ伝達する動力伝達部材と、を備え、前記側壁と前記柱の間及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に滞留するスカムを前記沈殿池の内側へと掻き寄せることを特徴とする。
また、本発明のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機は、沈殿池の底面に沈殿する汚泥を汚泥ピットへ掻き寄せる汚泥掻寄機であって、水面軌道を移動するスカムを、前記沈殿池外へと排出するスカムスキマと、少なくとも、前記スカムスキマの上流側であって前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に配される可倒式プレート又はフロートと、前記スカムスキマの動力を前記可倒式プレート又はフロートへ伝達する動力伝達部材を有するスカム寄せ装置と、を備え、前記側壁と前記柱の間及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に滞留するスカムを前記沈殿池の内側へと掻き寄せることを特徴とする。
本発明によれば、専用の動力源を設けることなく、沈殿池の側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間及び/又はスカムスキマの両端部でのスカムの滞留を防止し得るスカム寄せ装置及びそれを有する汚泥掻寄機を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
汚泥掻寄機が設置される沈殿池の部分透過斜視図である。 汚泥掻寄機が設置される沈殿池の縦断面図である。 本発明の一実施例に係る実施例1のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。 図3に示すスカム寄せ装置の説明図であって、上面図及び側面図である。 図3に示す沈殿池の長手方向に直交する横断面図であって、一対の側壁に設置されたスカム寄せ装置の動作状態の説明図である。 図3に示すスカムスキマの駆動原理の説明図である。 図3に示すスカムスキマの横断面図であって、スカムスキマの動作状態の説明図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4のスカム寄せ装置有する汚泥掻寄機であって、沈殿池の一対の側壁に設置されたスカム寄せ装置の動作状態を示す横断面である。 図10のA−A断面矢視図である。 図10に示すスカム寄せ装置の動作状態の説明図である。
本明細書において、汚泥掻寄機としてチェーンフライト方式の汚泥掻寄機、すなわち、二条平行に張架された無端チェーンを亘るように所定間隔にて取り付けられた複数のフライトを有し、これら複数のフライトが沈殿池内で周回駆動される汚泥掻寄機を、一例として説明するが、本発明の汚泥掻寄機はチェーンフライト方式の汚泥掻寄機に限られるものではない。
例えば、汚泥掻寄機が、沈殿池の底面付近の長手方向に沿って平行に敷設されるガイドレール及び、当該ガイドレールに沿って往復運動する複数のフライト(スクレーパと称される場合もある)を有し、フライト(スクレーパ)が汚泥ピット側へ移動することにより、重力沈降により沈殿池の底面に沈殿する汚泥を汚泥ピットへ掻き寄せる構成としても良く、本発明における汚泥掻寄せ機は種々の態様を含む。
また、沈殿池の水面付近を浮遊するスカムを、スカムスキマへと掻き寄せる機構として、例えば、スキマーブレード、走行台車、走行台車の上面に設けられるクラッチ、走行台車の上方に設けられるスライトバー、及びスライドバーの走行台車に対向する側の面に所定の間隔にて離間し設けられた複数のコマを、少なくとも備える構成としても良い。この場合、スライドバーの移動に伴いコマが移動し、当該コマがクラッチに当接し、走行台車より垂下されるスキマーブレードにより、水面付近に浮遊するスキマをスカムスキマへ掻き寄せる。また、沈殿池内の上流側から下流側へと向かう水流により、沈殿池の水面付近を浮遊するスカムを、スカムスキマへ自然流下させる方式としても良い。なお、以下では一例として、チェーンフライト方式の汚泥掻寄機における戻りフライト(水面付近を移動するフライト)により、沈殿池の水面付近に浮遊するスキマをスカムスキマへ掻き寄せる場合を例に説明するが、上述のとおり、本発明におけるスカムをスカムスキマへ掻き寄せる機構は、如何なる態様をも含む。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
先ず、図1に汚泥掻寄機が設置される沈殿池の部分透過斜視図を示し、図2に汚泥掻寄機が設置される沈殿池の縦断面図を示す。図2に示すように、上水処理施設或いは下水処理施設に備えられる沈殿池8は、被処理水(原水)が流入する側の沈殿池上流壁8a、被処理水の流れに沿って下流側に設けられる沈殿池下流壁8b、一対の沈殿池側壁8c及び沈殿池の底面を有する。この沈殿池8内に配される汚泥掻寄機1は、所定の間隔で無端チェーン2に取り付けられた複数のフライト3、沈殿池8の水上部に設置された駆動装置5により回転駆動される駆動スプロケットホイール4a、駆動スプロケットホイール4aの下流側に配置され水面近傍に設けられた従動スプロケットホイール4b、従動スプロケットホイール4bの下流側であって沈殿池8の底面付近に設けられた従動スプロケットホイール4c、及び沈殿池8の底面付近であって従動スプロケットホイール4cの上流側に設けられた従動スプロケットホイール4dを有する。複数のフライト3が所定間隔にて取り付けられた無端チェーン2が、これら、駆動スプロケットホイール4a及び従動スプロケットホイール4b〜4dに二条平行に張架され、駆動装置5により周回駆動される。フライト3は、この二条平行に張架された無端チェーン2を亘るように所定間隔にて取り付けられた平板形状を有する。
そして、矢印F1にて示す方向(下流側から上流側へ向かう方向)に沿って無端チェーン2が移動する際、無端チェーン2に取り付けられたフライト3は、重力沈降により沈殿池8の底面に沈殿する汚泥を汚泥ピットP1側へ掻き寄せる。また、沈殿池8の水面近傍で矢印F2にて示す方向(上流側から下流側へ向かう方向)に無端チェーン2が移動する際、無端チェーン2に取り付けられたフライト3は、水面付近を浮遊するスカムをスカムスキマ6へ掻き寄せ排出する。また、水面近傍であってスカムスキマ6の下流側に越流トラフ7が設けられている。なお、従動スプロケットホイール4bを通過したフライト3は、沈殿池8の底面付近に配される従動スプロケットホイール4cへと無端チェーン2の移動と共に沈殿池8内を下降するため、スカムスキマ6と接触することは無い。以下、駆動スプロケットホイール4a及び従動スプロケットホイール4b間をフライト3が移動する軌跡を、水面軌道と称する。
無端チェーン2は、例えば、ステンレス製または合成樹脂製のチェーンが用いられる。ここで、ノッチチェーンは、チェーンの側部の下方に凹部が形成されており、この凹部と駆動スプロケットホイール4aと連結ピン(図示せず)とが噛み合い、従動スプロケットホイール4b〜4d上を摺動し、ノッチチェーンが周回軌道を移動する。また、フライト3は、ステンレス製、合成木材製、または軽量化のためアルミ製あるいは合成樹脂製のもの等が用いられる。
また、図2に示すように、沈殿池8には、スカムスキマ6の上流側であって、沈殿池側壁8cより内側へと突出する柱17a、及びスカムスキマ6の下流側であって、沈殿池側壁8cより内側へと突出する柱17bが設けられている。上述の通り、相互に沈殿池側壁8c同士が隣接し配置される複数の沈殿池8のうち、仮に、一方の沈殿池8が空の状態にあり、隣接する他方の沈殿池8が被処理水で満たされた状況下では、上記空の沈殿池8の沈殿池側壁8cには多大な荷重が付加される。このような場合において、これらの柱17a、17bは、沈殿池8の躯体強度を維持するための補強部材として機能する。なお、図2では、補強部材としての柱17a、17bを沈殿池側壁8cに2本設ける構成を示すが、これに限られるものではない。例えば、沈殿池8の長手方向に沿って、スカムスキマ6の上流側に複数の柱17aを設ける構成としても良い。補強部材としての柱17aの本数は、沈殿池8の容積、沈殿池側壁8cの長手方向の長さ、及び沈殿池側壁8cの壁厚とに基づき、沈殿地8の躯体強度を考慮して適宜設定すれば良い。
図1に示すように、汚泥掻寄機1を構成する駆動スプロケットホイール4aは、駆動装置5により回転力が伝達される駆動軸11の両端部に設けられている。また、従動スプロケットホイール4bは中間軸12の両端部に、従動スプロケットホイール4cはテール軸13の両端部に、従動スプロケットホイール4dはヘッド軸14の両端部にそれぞれ設けられている。汚泥掻寄機1は、水面軌道を移動するフライト3によりスカムスキマ6へ掻き寄せられたスカムを沈殿池8外の図示しないスカムピットへ移送するためのスカム排出ポンプ9を備える。
図3は、本発明の一実施例に係る実施例1のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。なお、説明の便宜上、越流トラフ7を省略している。図3に示すように、スカムスキマ6は沈殿池8の全幅に亘り、すなわち、一対の沈殿側壁8c間を亘るよう沈殿池8の幅方向に延在している。また、スカムスキマ6は、水面軌道を移動するフライト3により掻き寄せられたスカムを内部に導入するための吸入口6aを有する。また、水面軌道及び重力沈降により沈殿池8の底面に沈殿する汚泥を汚泥ピットP1側へ掻き寄せる周回軌道において、フライト3の池幅方向の両端部は、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17a及びスカムスキマ6の下流側に設けられた柱17bと干渉することはない。
また、図3に示すように、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aと、柱17aの上流側であって当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍に配される可倒式プレート15、沈殿池側壁8cに直交するよう配される(沈殿池8の底面と平行)第1滑車16b、沈殿池側壁8cと平行となるよう配される(沈殿池8の底面に直交)第2滑車16c、及び一端が可倒式プレート15に接続され他端が第1滑車16bと第2滑車16cを介してスカムスキマ6に接続される索状部材16aとを備える。第1滑車16b及び第2滑車16cは、相互に直交し所定の距離だけ離間し配される。索状部材16a、第1滑車16b及び第2滑車16cにより動力伝達部材16が構成される。また、この動力伝達部材16及び可倒式プレート15によりスカム寄せ装置10が構成される。索状部材16aとして、例えば、ワイヤー或いはチェーンが用いられる。なお、動力伝達部材16として、索状部材16a、第1滑車16b及び第2滑車16cからなる構成を例に以下説明するが、必ずしもこの構成に限られるものではない。例えば、複数のロッドとジョイントから構成されるリンク機構を用いて動力伝達部材16を構成しても良い。すなわち、スカムスキマ6の回動による動力を、可倒式プレート15へ伝達可能な構成であればいずれの構成を用いても良い。
図4は、図3に示すスカム寄せ装置の説明図であって、図4の上図に上面図を、下図に側面図を示している。図4の上面図及び側面図に示すように、矩形状の可倒式プレート15の上端部は、初期状態において沈殿池側壁8cと当接状態にある。この状態から、側面図に白抜き矢印で示す方向にスカムスキマ6が回動(正転)すると、一端がスカムスキマ6に接続された索状部材16aに引っ張り張力が発生し、第2滑車16cにより索状部材16aは沈殿池8内で下流側(図4に向かって左側から右側へと向かう方向)へと変位する。スカムスキマ6の正転により第2滑車16cを介して下流側へと変位する索状部材16aは、第1滑車16bを介して他端が可倒式プレート15に接続されているため、回転軸18を中心として、可倒式プレート15は沈殿池8の内側へと向かい回動する。側面図においては図面に向かって手前方向へ、また上面図においては、白抜き矢印にて示すように下方へと可倒式プレート15は回動する。上面図において、一点鎖線で示す位置まで可倒式プレート15の上端部が変位する。このように可倒式プレート15が、スカムスキマ6の正転に応じて沈殿池8内の内側へと向かい回動することにより、図3に示した柱17aの上流側であって当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍の水面に滞留するスカムは、沈殿池8の内側へと掻き出される。掻き出されたスカムは水面軌道を移動するフライト3により、スカムスキマ6へ吸入口6aを介して導入される。これにより、沈殿池側壁8cと当該側壁8cより内側へ突出する柱17aとの間でのスカムの滞留を防止することが可能となる。このように、スカム寄せ装置10は、スカムスキマ6の回転に応じて動作するため、特に、スカム寄せ装置10を駆動するための専用の動力源は不要である。
なお、図4の側面図に示すように、スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15の上端部は、初期状態において水面Wより所定の高さ上方に位置するよう配されることが望ましい。また、可倒式プレート15の形状は、図4に示すように四角形状であることが、スカムを掻き出す上で表面積が大となることから望ましいが、必ずしも四角形状に限られるものではない。例えば、可倒式プレート15は、表面が平坦なプレート状であれば、その輪郭は他の多角形状でも良く、また、扇形の輪郭形状であって、扇形の要部分を水平に切欠き、当該切欠き部の近傍に回転軸18を有する形状であっても良い。
次に、スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15の上述の回動動作及び初期状態への復帰動作につき説明する。図5は、図3に示す沈殿池8の長手方向に直交する横断面図であって、一対の沈殿池側壁8cに設置されたスカム寄せ装置10の動作状態の説明図である。図5では、説明を分かり易くするため、スカム寄せ装置10以外の構成、すなわち、沈殿池側壁8cより沈殿池内側へと突出する柱17a、フライト3、及びスカムスキマ6等を省略している。
図5に示すように、一対の沈殿池側壁8cに、それぞれ、上述の可倒式プレート15及び動力伝達部材16からなるスカム寄せ装置10が配される。スカム寄せ装置10は、更に、動力伝達部材16とは反対側の可倒式プレート15の面に一端が接続される索状部材16aに吊り下げられる錘19を備える。図5に示すように、動力伝達部材16を構成する第1滑車16b及び第2滑車16cは相互に直交するよう配されている。白抜き矢印で示すように、上述のスカムスキマ6が正転すると、スカムスキマ6の回動による動力が、第1滑車16b及び第2滑車16cを介して索状部材16aにより、可倒式プレート15に伝達され、可倒式プレート15は回転軸18を回動中心として沈殿池8の内側へと回動する。その後、詳細後述するスカムスキマ6が正転状態から復帰状態へと移行すると、それまで索状部材16aに付加されていた沈殿池8内の下流側(スカムスキマ6へ向かう)方向への引っ張り張力は消失する。続いて、索状部材16aにより可倒式プレート15に接続される錘19が重力沈降することにより、索状部材16aには沈殿池8内の上流側及び沈殿池側壁8cへと向かう方向に引っ張り張力が付加される。これにより、可倒式プレート15は、回転軸18を回動中心として、上端部が沈殿池側壁8cに当接するまで回動する。(図5中黒矢印で示す復帰状態)
このように、スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が、スカムスキマ6の回動状態に応じて、正転及び復帰を繰り返すことにより、所定の周期で、図3に示した柱17aの上流側であって当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍の水面に滞留するスカムを掻き出す。なお、スカム寄せ装置10の正転は、スカムスキマ6の回動による動力により行われ、また、スカム寄せ装置10の復帰は、スカム寄せ装置10を構成する錘19により行われるため、スカム寄せ装置10を駆動するため特別に動力源を設ける必要がなく、省エネ効果が図られると共に、設備の大型化を防ぐことも可能となる。
次に、スカムスキマ6の駆動について説明する。図6に、図3に示すスカムスキマの駆動原理の説明図を示し、図7に、図3に示すスカムスキマの横断面図であって、スカムスキマの動作状態の説明図を示す。図6に示すように、本実施例の汚泥掻寄機1は、沈殿池8の底面付近を矢印F1に示す方向(下流側から上流側へ向う方向)へ汚泥を掻き寄せながらフライト3を移動させる無端チェーン2の上方であって、沈殿池8の池幅方向に延在するよう配される反転用パイプ軸22、反転用パイプ軸22に一端が接続され他端が反転用パイプ軸22よりも下方に位置する駆動レバー21、反転用パイプ軸22の回動による動力をスカムスキマ6へ伝達する連結ロッド23を備える。また、沈殿池8の底面を移動するフライト3には、無端チェーン2よりも池幅方向内側にストライカ20が取り付けられている。同様に上記駆動レバー21も無端チェーン2よりも池幅方向内側に位置する。これら駆動レバー21及びストライカ20は、ストライカ20が取り付けられたフライト3が反転用パイプ軸22の下方を通過する際、ストライカ20が駆動レバー21に当接しフライト3の移動方向へ駆動レバー21を押し込むことが可能な配置関係にある。
図6に示すように、ストライカ20が取り付けられたフライト3が白抜き矢印に示すF1方向(沈殿池8の下流側から上流側へと向かう方向)に移動し、反転用パイプ軸22の直下に位置すると、ストライカ20は駆動レバー21に当接する。その後、更に、フライト3が沈殿池8の上流側へと移動することにより、駆動レバー21は白抜き矢印に示す方向に押し込まれる。このとき、駆動レバー21の一端が接続される反転用パイプ軸22は、白抜き矢印に示す方向(図6では時計回り)に回転し、その回転力は連結ロッド23を介してスカムスキマ6へ伝達される。スカムスキマ6は、白抜き矢印にて示す方向(反時計回りに)に回動(正転)し、図7の右図に示す状態となる。図7の右図に示すように、スカムスキマ6に設けられた吸入口6aの一部が水面Wの下方に位置することにより、図2に示した水面軌道を移動するフライト3により掻き寄せられたスカムは、被処理水と共にスカムスキマ6内に流入する。スカムスキマ6内に流入したスカムは、図1に示したスカム排出ポンプ9により汲み出され、図示しないスカムピットへと移送される。すなわち、図7の右図に示す状態は、スカムスキマ6が正転することによりスカムスキマ6が作動した状態を示している。
一方、フライト3に取り付けられたストライカ20が、更に、フライト3が上流側へと移動することにより駆動レバー21から離脱すると、図6に示すように、スカムスキマ6は黒矢印にて示す方向(時計回り)に回動する。スカムスキマ6の回動による動力は、連結ロッド23を介して反転用パイプ軸22に伝達され、反転用パイプ軸22は黒矢印にて示す方向(時計回り)に回転する。反転用パイプ軸22の時計回りの回転により駆動レバー21は、ストライカ20に当接する前の状態に復帰する。このときの状態が図7の左図に示す状態である。図7の左図に示すように、スカムスキマ6の復帰時においては、スカムスキマ6に設けられた吸入口6aの全ての領域が水面Wより上方に位置し、スカムスキマ6内にスカムが流入することはない。すなわち、スカムスキマ6は休止状態となる。
上述のように、スカムスキマ6を回動(作動)させるために、特別に動力源を設ける必要がなく、図2に示した無端チェーン2を周回駆動するための駆動装置5のみにより、スカムスキマ6及びスカム寄せ装置10が駆動される。従って、設備の大型化を防止することが可能となる。
なお、本実施例では、図6に示すように、フライト3を移動させる無端チェーン2の周回駆動力を、駆動レバー21、反転用パイプ軸22及び連結ロッド23よりなるリンク機構にて、スカムスキマ6へ伝達する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、独立に設けられた動力源により、スカムスキマ6を回動する構成としても良い。この場合においても、スカム寄せ装置10は、スカムスキマ6の回動による動力が伝達され駆動されるため、スカム寄せ装置10を駆動するために特別に動力源を設ける必要はない。
以上の通り、本実施例によれば、専用の動力源を設けることなく、沈殿池側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間にスカムが滞留することを防止できる。
また、スカム寄せ装置10の駆動を、スカムスキマ6の回動による動力を伝達することで、実現可能となり省エネ化を図ることも可能となる。
図8は、本発明の他の実施例に係る実施例2のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。実施例1では、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aと当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍にスカム寄せ装置10を配する構成とした。これに対し、本実施例では、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aの下流側であって、スカムスキマ6の上流側の近傍にスカム寄せ装置10を配する構成とした点が異なる。その他の構成は、実施例1と同様であるため、以下では重複する説明を省略する。なお、図8においても説明の便宜上、越流トラフ7を省略しており、実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付している。
図8に示すように、本実施例の汚泥掻寄機1は、柱17aの下流側であってスカムスキマ6の上流側に近接する沈殿池側壁8cの近傍に配される可倒式プレート15及び動力伝達部材16からなるスカム寄せ装置10を備える。図8に示すスカム寄せ装置10の構成及び動作については、実施例1と同様であるためここでは説明を省略する。
図8に示すように、スカムスキマ6は、沈殿池8の全幅に亘るよう配され、その両端部がそれぞれ沈殿池側壁8cの壁面に回動可能に支持されている。そのため、スカムスキマ6の長手方向に沿って延在するよう設けられる吸入口6aは、スカムスキマ6を回動可能に支持する沈殿池側壁8cの壁面まで延在させることはできない。よって、スカムスキマ6のうち吸入口6aが形成されていない端部と沈殿池側壁8cとの間では、沈殿池8の水面近傍を浮遊するスカムは、スカムスキマ6に設けられた吸入口6aに導入されることなく滞留し、時間の経過と共に腐敗が進行し悪臭を発生する要因となり得る。
本実施例では、スカムスキマ6の上流側近傍に配されるスカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15により、スカムスキマ6のうち吸入口6aが形成されていない端部と沈殿池側壁8cとの間に滞留するスカムは、沈殿池8の内側へと掻き出され、スカムスキマ6の吸入口6aに導入され、図示しないスカムピットへ排出される。これにより、スカムスキマ6のうち吸入口6aが形成されていない端部と沈殿池側壁8cとの間にスカムが滞留することを防止できる。
なお、本実施例と上述の実施例1とを組み合わせる構成、すなわち、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aと当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍及び、柱17aの下流側であってスカムスキマ6の上流側に近接する沈殿池側壁8cの近傍に、それぞれ上述のスカム寄せ装置10を配する構成としても良い。このようにスカム寄せ装置10を配すれば、専用の動力源を設けることなく、沈殿池の側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間及びスカムスキマの両端部でのスカムの滞留を防止することが可能となる。
本実施例によれば、専用の動力源を設けることなく、スカムスキマ両端部にスカムが滞留することを防止できる。
また、スカム寄せ装置10の駆動を、スカムスキマ6の回動による動力を伝達することで、実現可能となり省エネ化を図ることも可能となる。
図9は、本発明の他の実施例に係る実施例8のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機が設置された沈殿池の上面図である。実施例1では、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aと当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍にスカム寄せ装置10を配する構成とした。これに対し、本実施例では、更に、スカムスキマ6の下流側に設けられた柱17bと当該柱17bに近接する沈殿池側壁8cの近傍にもスカム寄せ装置10を配する構成とした点が異なる。その他の構成は、実施例1と同様であるため、以下では重複する説明を省略する。なお、図9においても説明の便宜上、越流トラフ7を省略しており、実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付している。
図9に示すように、本実施例の汚泥掻寄機1は、スカムスキマ6の上流側に設けられた柱17aと、柱17aの上流側であって当該柱17aに近接する沈殿池側壁8cの近傍に配される可倒式プレート15及び動力伝達部材16からなるスカム寄せ装置10(以下、上流側スカム寄せ装置10と称する)を備えると共に、スカムスキマ6の下流側に設けられた柱17bと、柱17bの上流側であって当該柱17bに近接する沈殿池側壁8cの近傍に配される可倒式プレート15及び動力伝達部材16からなるスカム寄せ装置10(以下、下流側スカム寄せ装置10と称する)を更に備える。上流側スカム寄せ装置10の構成及び動作については、実施例1と同様であるためここでは説明を省略する。
下流側スカム寄せ装置10は、動力伝達部材16を構成する、相互に離間し直交配置される第1滑車16b及び第2滑車16c、並びに一端が可倒式プレート15に接続され第1滑車16bと第2滑車16cを介して他端がスカムスキマ6に接続される索状部材16aを有する。下流側スカム寄せ装置10も、スカムスキマ6の正転及び復帰の回動に応じて、沈殿池側壁8cより沈殿池8の内側へと回動(正転)及び可倒式プレート15の上端部が沈殿池側壁8cに当接する(復帰)。なお、上流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15と、下流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が同一のタイミングにて正転及び復帰を繰り返す構成としても良く、逆に、上流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が正転状態のとき、下流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が復帰状態となり、上流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が復帰状態のとき、下流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15が正転状態となるよう構成しても良い。
沈殿池8の水面Wを浮遊するスカム及びスカムスキマ6の上流側に設けられた柱17a付近に滞留するスカムは上流側スカム寄せ装置10により沈殿池8の内側に掻き出され、スカムスキマ6に流入し、スカム排出ポンプ9により沈殿池8外へと移送される。しかし、スカムスキマ6の上流側にて発生するスカムに比べ、スカムスキマ6の下流側にて発生するスカムは少量であるものの、越流トラフ7を介して被処理水と共に沈殿池8外へと流出することなく柱17bと沈殿池側壁8cとの間にスカムが滞留すると、時間の経過と共に腐敗が進行し悪臭を発生する要因となり得る。本実施例では、下流側スカム寄せ装置10を構成する可倒式プレート15により掻き出され、越流トラフ7を介して被処理水と共に沈殿池8外へと流出するため、柱17bと沈殿池側壁8cとの間にスカムが滞留することを防止できる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、更に、仮にスカムスキマの下流側にてスカムが発生した場合であっても、スカムスキマの下流側の沈殿池側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間にスカムが滞留することを防止できる。
なお、本実施例の構成に、上述の実施例2の構成を組み合わせても良い。
図10は、本発明の他の実施例に係る実施例4のスカム寄せ装置有する汚泥掻寄機であって、沈殿池の一対の側壁に設置されたスカム寄せ装置の動作状態を示す横断面である。実施例1〜実施例3では、スカム寄せ装置を可倒式プレート及び動力伝達部材にて構成したのに対し、本実施例では、スカム寄せ装置をフロート及びフロートの移動をガイドするフロートガイド並びに動力伝達部材にて構成した点が異なる。その他の構成は、上述の実施例1と同様であるため、以下では重複する説明を省略する。なお、図10では、説明を分かり易くするため、スカムスキマ6及びスカム寄せ装置10’以外の構成、すなわち、沈殿池側壁8cより沈殿池内側へと突出する柱17a,17b、及びフライト3等を省略している。
図10に示すように、本実施例のスカム寄せ装置10’は、一対の沈殿池側壁8cに配される。スカム寄せ装置10’の詳細構成は後述するが、図10に示す状態は、スカムスキマ6が正転しスカムスキマ6に設けられた吸入口6aの一部が水面Wの下方に位置し、図2に示した水面起動を移動するフライト3により掻き寄せられたスカムが、吸入口6aを介してスカムスキマ6内に流入する、スカムスキマ6の作動状態を示している。スカム寄せ装置10’は、少なくとも、一端がスカムスキマ6に接続されるアーム33、フロート31、及びフロートの鉛直方向(沈殿池8の底面に直交する方向)への移動をガイドするフロートガイド32を備える。図10に示す状態では、スカムスキマ6の正転動作に応じてスカム寄せ装置10’を構成するフロート31が沈降した状態を示している。
図11は図10のA−A断面矢視図であり、図12は、図10に示すスカム寄せ装置10’の動作状態の説明図である。図11において、右側が沈殿池8の上流側であり、左側が沈殿池8の下流側である。図11に示すように、スカム寄せ装置10’を構成する動力伝達部材16’は、一端がスカムスキマ6に接続されるアーム33、及び一端がアーム33の他端(先端部の近傍)に接続され他端がフロート31に接続される索状部材16a’を備える。また、スカム寄せ装置10’は、索状部材16a’の一端が接続されるフロート31、及びフロート31の鉛直方向(沈殿池8の底面に直交する方向)への移動をガイドするフロートガイド32を備える。フロートガイド32は、平面視矩形状をなし、その内側に開口部を有する。また、フロートガイド32は、上記開口部の下面から上面へと延伸する相互に平行な2本のロッドを備え、当該ロッドはフロート31を貫通する。これにより、フロート31は、フロートガイド32の開口部に設けられた2本のロッドに沿って、鉛直方向に上下動可能に構成されている。なお、ロッドの本数は2本に限らず、所望の本数とすれば良い。索状部材16a’として、例えば、ワイヤー或いはチェーンが用いられる。
また、図11に示すように、沈殿池8の水上部にスカムスキマ6を回動するためのスカムスキマ駆動装置34が設置されている。スカムスキマ6が初期状態或は復帰時(スカムスキマ休止(停止)状態)では、スカム寄せ装置10’の動力伝達部材16’を構成するアーム33及び索状部材16a’は実線で示す位置にあり、また、フロート31は実線で示すように、一部下面近傍が沈殿池8内の被処理水に浸漬するものの、その大半が水面Wより上方へ位置する。一方、スカムスキマ6が作動状態、すなわち、正転時においては、スカム寄せ装置10’の動力伝達部材16’を構成するアーム33及び索状部材16a’は二点鎖線で示す位置にあり、また、フロート31は二点鎖線で示すように、一部上面が沈殿池8内の水面Wより上方へ位置するものの、その大半が水面Wより下方へ位置する。
次に、図12を用いてスカム寄せ装置10’の動作状態について説明する。図12では、スキマ寄せ装置10’の動力伝達部材16’を構成するアーム33を省略している。また、フロートガイド32についても説明の便宜上、簡略化して示している。スカムスキマ6が、図11にて白抜き矢印にて示すように正転(回動)すると、図12の右図に示すように、図示しない一端がスカムスキマ6に接続されたアーム33を介して、索状部材16a’に引っ張り張力(図12中、矢印で示す方向)が発生する。この引っ張り張力が付与された索状部材16a’により、フロート31はフロートガイド32に設けられた2本のロッドに沿って沈降する。フロート31は、図12に示すように立体形状を有するため、沈降時に沈殿池8内の水面Wに、沈殿池8の内側へと向かう波紋或は波を発生する。これにより、スカムスキマ6の両端部と沈殿池側壁8cとの間に滞留するスカムは、スカムスキマ6の吸入口6a側へと掻き出され、スカムスキマ6の吸入口6aに導入され、図示しないスカムピットへ排出される。一方、スカムスキマ6が、図11にて黒矢印にて示すように復帰すると、図12の左図に示すように、これまで索状部材16a’に付与されていた引っ張り張力は消失し、索状部材16a’が開放されることでフロート31は、フロートガイド32に設けられた2本のロッドに沿って浮上する(スキマ休止(停止)状態)。このように、スカム寄せ装置10’がスカムスキマ6より伝達される動力により、フロート31が上下動することにより、スカムスキマ6の両端部近傍に滞留するスキマは、スカムスキマ6の吸入口6aへと掻き寄せられる。
なお、本実施例のスカム寄せ装置10’を、上述の実施例1又は実施例3と同様の位置に配しても良い。
以上の通り、本実施例によれば、専用の動力源を設けることなく、沈殿池の側壁と当該側壁より内側へ突出する柱との間及び/又はスカムスキマの両端部でのスカムの滞留を防止することが可能となる。
また、スカム寄せ装置10’の駆動を、スカムスキマ6の回動による動力を伝達することで、実現可能となり省エネ化を図ることも可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1・・・汚泥掻寄機
2・・・無端チェーン
3・・・フライト
4a・・・駆動スプロケットホイール
4b,4c,4d・・・従動スプロケットホイール
5・・・駆動装置
6・・・スカムスキマ
6a・・・吸入口
7・・・越流トラフ
8・・・沈殿池
8a・・・沈殿池上流壁
8b・・・沈殿池下流壁
8c・・・沈殿池側壁
9・・・スカム排出ポンプ
10,10’・・・スカム寄せ装置
11・・・駆動軸
12・・・中間軸
13・・・テール軸
14・・・ヘッド軸
15・・・可倒式プレート
16,16’・・・動力伝達部材
16a,16a’・・・索状部材
16b・・・第1滑車
16c・・・第2滑車
17a,17b・・・柱
18・・・回転軸
19・・・錘
20・・・ストライカ
21・・・駆動レバー
22・・・反転用パイプ軸
23・・・連結ロッド
31・・・フロート
32・・・フロートガイド
33・・・アーム
34・・・スカムスキマ駆動装置

Claims (28)

  1. 少なくとも、沈殿池の水面付近に浮遊するスカムを排出するスカムスキマの上流側であって前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に配される可倒式プレート又はフロートと、
    前記スカムスキマの動力を前記可倒式プレート又はフロートへ伝達する動力伝達部材と、を備え、
    前記側壁と前記柱の間及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に滞留するスカムを前記沈殿池の内側へと掻き寄せることを特徴とするスカム寄せ装置。
  2. 請求項1に記載のスカム寄せ装置において、
    前記スカムスキマの下流側であって、前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍に配される可倒式プレート又はフロートを備えることを特徴とするスカム寄せ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスカム寄せ装置において、
    前記可倒式プレート又はフロートは、前記スカムスキマと連動して動作することを特徴とするスカム寄せ装置。
  4. 請求項3に記載のスカム寄せ装置において、
    前記動力伝達部材は、相互に直交するよう配される第1滑車及び第2滑車と、前記可倒式プレートに一端が接続され、他端が前記第1滑車及び第2滑車を介して、前記スカムスキマに接続される索状部材を備えることを特徴とするスカム寄せ装置。
  5. 請求項4に記載のスカム寄せ装置において、
    前記第1滑車は前記沈殿池の側壁と直交するよう配され、前記第2滑車は前記沈殿池の側壁と平行となるよう配されることを特徴とするスカム寄せ装置。
  6. 請求項3に記載のスカム寄せ装置において、
    前記動力伝達部材は、前記可倒式プレートに一端が接続され他端が前記スカムスキマに接続されるリンク機構を有し、
    前記リンク機構は、前記スカムスキマの回動による動力を前記可倒式プレートに伝達することを特徴とするスカム寄せ装置。
  7. 請求項5に記載のスカム寄せ装置において、
    前記動力伝達部材と反対側の前記可倒式プレートの面に一端が接続される第2の索状部材に吊り下げられる錘を備えることを特徴とするスカム寄せ装置。
  8. 請求項7に記載のスカム寄せ装置において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の一部が、前記沈殿池内の水面よりも下方に位置するよう正転すると、
    前記スカムスキマの回動による動力が前記動力伝達部材を介して前記可倒式プレートに伝達され、
    前記可倒式プレートは、下方に位置する回転軸を回動中心として上端部が前記沈殿池の内側へと向かい回動することを特徴とするスカム寄せ装置。
  9. 請求項7に記載のスカム寄せ装置において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の全ての領域が、前記沈殿池内の水面よりも上方に位置するよう復帰すると、
    前記可倒式プレートは、前記第2の索状部材に吊り下げられる錘の重力沈降により、下方に位置する回転軸を回動中心として上端部が前記沈殿池の側壁に当接するよう回動することを特徴とするスカム寄せ装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のスカム寄せ装置において、
    前記可倒式プレートの上端部は、前記沈殿池の内側へ向かい回動したとき、又は、前記沈殿池の側壁に当接するよう回動したとき、前記沈殿池内の水面より所定の高さ上方に位置することを特徴とするスカム寄せ装置。
  11. 請求項3に記載のスカム寄せ装置において、
    前記動力伝達部材は、一端が前記スカムスキマに接続されるアームと、前記アームのスカムスキマとは反対側の端部に一端が接続されると共に他端が前記フロートに接続される索状部材を備えることを特徴とするスカム寄せ装置。
  12. 請求項11に記載のスカム寄せ装置において、
    前記フロートの鉛直方向への移動をガイドするフロートガイドを備えることを特徴とするスカム寄せ装置。
  13. 請求項12に記載のスカム寄せ装置において、
    前記フロートガイドは、鉛直方向に相互に平行に配される複数のロッドを備え、前記複数のロッドは前記フロートを貫通することを特徴とするスカム寄せ装置。
  14. 請求項13に記載のスカム寄せ装置において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の一部が、前記沈殿池内の水面よりも下方に位置するよう正転すると、
    前記スカムスキマの回動による動力が前記動力伝達部材を介して前記フロートに伝達され、
    前記フロートは、前記複数のロッドに沿って前記沈殿池の被処理水中へ沈降することを特徴とするスカム寄せ装置。
  15. 沈殿池の底面に沈殿する汚泥を汚泥ピットへ掻き寄せる汚泥掻寄機であって、
    水面軌道を移動するスカムを、前記沈殿池外へと排出するスカムスキマと、
    少なくとも、前記スカムスキマの上流側であって前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に配される可倒式プレート又はフロートと、前記スカムスキマの動力を前記可倒式プレート又はフロートへ伝達する動力伝達部材を有するスカム寄せ装置と、を備え、
    前記側壁と前記柱の間及び/又は前記スカムスキマの両端部近傍に滞留するスカムを前記沈殿池の内側へと掻き寄せることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  16. 請求項15に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカム寄せ装置は、前記スカムスキマの下流側であって、前記沈殿池の側壁より内側へと突出する柱の近傍に配される可倒式プレート又はフロートを備えることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  17. 請求項15又は請求項16に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記可倒式プレート又はフロートは、前記スカムスキマと連動して動作することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  18. 請求項17に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記動力伝達部材は、相互に直交するよう配される第1滑車及び第2滑車と、前記可倒式プレートに一端が接続され、他端が前記第1滑車及び第2滑車を介して、前記スカムスキマに接続される索状部材を備えることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  19. 請求項18に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記第1滑車は前記沈殿池の側壁と直交するよう配され、前記第2滑車は前記沈殿池の側壁と平行となるよう配されることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  20. 請求項17に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記動力伝達部材は、前記可倒式プレートに一端が接続され他端が前記スカムスキマに接続されるリンク機構を有し、
    前記リンク機構は、前記スカムスキマの回動による動力を前記可倒式プレートに伝達することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  21. 請求項19に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカム寄せ装置は、前記動力伝達部材と反対側の前記可倒式プレートの面に一端が接続される第2の索状部材に吊り下げられる錘を備えることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  22. 請求項21に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の一部が、前記沈殿池内の水面よりも下方に位置するよう正転すると、
    前記スカムスキマの回動による動力が前記動力伝達部材を介して前記可倒式プレートに伝達され、
    前記可倒式プレートは、下方に位置する回転軸を回動中心として上端部が前記沈殿池の内側へと向かい回動することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  23. 請求項21に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の全ての領域が、前記沈殿池内の水面よりも上方に位置するよう復帰すると、
    前記可倒式プレートは、前記第2の索状部材に吊り下げられる錘の重力沈降により、下方に位置する回転軸を回動中心として上端部が前記沈殿池の側壁に当接するよう回動することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  24. 請求項22又は請求項23に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記可倒式プレートの上端部は、前記沈殿池の内側へ向かい回動したとき、又は、前記沈殿池の側壁に当接するよう回動したとき、前記沈殿池内の水面より所定の高さ上方に位置することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  25. 請求項17に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記動力伝達部材は、一端が前記スカムスキマに接続されるアームと、前記アームのスカムスキマとは反対側の端部に一端が接続されると共に他端が前記フロートに接続される索状部材を備えることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  26. 請求項25に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカム寄せ装置は、前記フロートの鉛直方向への移動をガイドするフロートガイドを備えることを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  27. 請求項26に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記フロートガイドは、鉛直方向に相互に平行に配される複数のロッドを備え、前記複数のロッドは前記フロートを貫通することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
  28. 請求項27に記載のスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機において、
    前記スカムスキマは、前記沈殿池の幅方向に延在する円筒形状を成し、前記スカムを導入するための吸入口を有し、
    前記スカムスキマの吸入口の一部が、前記沈殿池内の水面よりも下方に位置するよう正転すると、
    前記スカムスキマの回動による動力が前記動力伝達部材を介して前記フロートに伝達され、
    前記フロートは、前記複数のロッドに沿って前記沈殿池の被処理水中へ沈降することを特徴とするスカム寄せ装置を有する汚泥掻寄機。
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CN112871846A (zh) * 2020-12-23 2021-06-01 重庆市畜牧科学院 一种用于畜牧养殖的牲畜用具清洗装置
CN113716796A (zh) * 2021-08-18 2021-11-30 杭州中储环保科技有限公司 一种溶解性脂肪酸废水预处理装置及处理工艺
CN114959862A (zh) * 2022-06-28 2022-08-30 镇江市联创表面处理科技有限公司 一种清洁式汽车配件用镀锌装置及其使用方法

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