JP2017077098A - 電気接続箱 - Google Patents

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Keiichi Sasaki
慶一 佐々木
隆弘 山下
Takahiro Yamashita
隆弘 山下
幸功 北
Yukinori Kita
幸功 北
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Abstract

【課題】金属製の放熱部材と金属製のカバーとの間の境界部から浸入した水による不具合を抑制する。
【解決手段】電気接続箱は、回路基板11と、回路基板11の熱を放熱する金属製の放熱部材20と、回路基板11を覆い、放熱部材20と対向する後端縁40Aを有する金属製のカバー40と、を備え、放熱部材20とカバー40の後端縁40Aとの間の境界部38よりも内側には、境界部38から浸入した水を排出する側に導く排水溝30を有する。
【選択図】図4

Description

本明細書では、電気接続箱に関する技術を開示する。
車両に搭載される電気接続箱には、一般に、雨天走行時や洗車時において内部に水が浸入しないように防水構造が設けられている。特許文献1の電気接続箱は、合成樹脂製の本体ケースと、この本体ケースに取付けられる合成樹脂製のアッパカバーとが、二重壁構造になっており、アッパカバーの外壁と内壁との間に、本体ケースの外壁が挿入されている。アッパカバーの外壁先端、及び、本体ケースの外壁上端は、互いに当接する段付き形状となっており、アッパカバーの外壁と本体ケースの外壁との間の合わせ目の隙間を通って本体ケース内に浸入した水は、ロアカバーの水抜き孔から排水される。
特開2014−27723号公報
ところで、特許文献1では、アッパカバーや本体ケースが合成樹脂製であるため、境界部分の形状を加工して内部への水の浸入を防止することが比較的容易にできるが、カバー等を金属製とした場合には、合成樹脂製と比較して、水の浸入を防止するために境界部分の形状を加工することが容易ではないという問題がある。
本明細書で開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、金属製の放熱部材と金属製のカバーとの間の境界部から浸入した水による不具合を抑制することが可能な電気接続箱を提供することを目的とする。
本明細書で開示される電気接続箱は、回路基板と、前記回路基板の熱を放熱する金属製の放熱部材と、前記回路基板を覆い、前記放熱部材と対向する端縁を有する金属製のカバーと、を備え、前記放熱部材と前記カバーの端縁との間の境界部よりも内側には、前記境界部から浸入した水を排出する側に導く排水溝を有する。
カバーと放熱部材が共に金属製であると、放熱部材とカバーの端縁との間の境界部からの水の浸入が懸念される。本構成によれば、排水溝により、放熱部材とカバーの端縁との間の境界部から浸入した水を外部に導くことができる。よって、金属製の放熱部材と金属製のカバーとの間の境界部から浸入した水による不具合を抑制することができる。
本明細書で開示される技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記カバーの内面に沿って配される樹脂製のフレームを備え、前記排水溝は、前記フレームにおける前記放熱部材側の面と前記放熱部材における前記フレーム側の面とを用いて構成されている。
このようにすれば、フレームと放熱部材を用いて排水溝を形成することができるため、排水溝を形成するための構成を簡素化することができる。
前記フレームと前記放熱部材との間にシール部材を備え、前記フレームは、前記回路基板を内側に収容する収容壁と、前記収容壁の外側に、前記収容壁に沿って配される補強壁と、前記収容壁と前記補強壁との間を連ね、かつ、前記シール部材を前記放熱部材との間に挟持する挟持部と、を備える。
このようにすれば、排水溝の水の内部への浸入をシール部材によって確実に防止することができる。ここで、シール部材でシールするためには、挟持部の長さを長くすることが組付作業性等の観点から好ましいが、挟持部が長くなると、挟持部の剛性が弱くなりやすく、挟持部の挟持力の低下が懸念される。本構成によれば、補強壁により、挟持部の強度が高められるため、挟持部の挟持力の低下を抑制することができる。
本明細書で開示された技術によれば、金属製の放熱部材と金属製のカバーとの間の境界部から浸入した水による不具合を抑制することが可能となる。
実施形態1の電気接続箱を示す斜視図 図1とは異なる向きの電気接続箱を示す斜視図 電気接続箱を示す縦断面図 図3の一部を拡大した図 放熱部材について一部を省略して示す斜視図 フレームについて一部を省略して示す斜視図 カバーを示す斜視図 放熱部材にフレームが組み付けられた状態の一部を省略して示す斜視図 図8とは異なる向きで放熱部材にフレームが組み付けられた状態の一部を省略して示す斜視図
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図9を参照しつつ説明する。
電気接続箱10(図1)は、例えば電気自動車やハイブリット自動車等の車両のバッテリ等の電源とランプ等の車載電装品や駆動モータ等からなる負荷との間の電力供給経路に配され、例えばDC−DCコンバータやインバータ等に用いることができる。以下では、X方向を前方、Y方向を右方、Z方向を上方として説明する。
(電気接続箱10)
電気接続箱10は、図3に示すように、回路基板11,12と、回路基板11,12の熱を放熱する放熱部材20と、カバー40と、放熱部材20とカバー40の間に収容されて回路基板11,12等を保持するフレーム50とを備えている。回路基板11,12は、共に長方形状で、平行に配置され、複数の電子部品13が実装されている。電子部品13は、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子、抵抗、コイル、コンデンサ等からなる。
回路基板11は、絶縁材料からなる絶縁板に銅箔等からなる導電路(図示しない)がプリント配線技術により形成されたプリント基板11Aに金属板材を導電路の形状に打ち抜いた複数のバスバー11Bとを重ねて構成されている。バスバー11Bは、銅、銅合金等の金属で形成されている。回路基板11は、絶縁性の接着剤が塗布されて絶縁層14が形成された放熱部材20(の絶縁層14)に重ねられて、放熱部材20にネジ留めされている。回路基板12は、制御信号が伝送されるプリント基板である。
(放熱部材20)
放熱部材20は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の熱伝導性が高い金属材料からなり、板状の板状部21と、板状部21から起立する複数の放熱フィン28とを備えている。放熱フィン28は、板状部21の後面側に上下に間隔を空けて並んで形成されている。板状部21は、長方形状であって、図4に示すように、前面側(放熱フィン28とは反対側)に、回路基板11が載置される平坦な載置部22と、板状部21の周縁部に形成された凹部23と、を備えている。
載置部22は、回路基板11よりも大きい長方形状の領域に形成され、載置部22の周縁部には、回路基板11は載置されておらず、フレーム50が載置されている。凹部23は、載置部22の外側(板状部21の上端部及び左右の側端部)に設けられ、図5に示すように、放熱部材20の上面に形成された凹部23Aと、左右の側面に形成された凹部23Bとが連なって構成され、この凹部23が形成された領域の板状部21は後方(凹部23とは反対側)に張り出す張出部24とされ、載置部22の板厚(放熱フィン28がない部分の板厚)よりも厚みが厚くされている。
凹部23は、外部から浸入した水を外部に導く排水溝30の一部を形成するものである。排水溝30は、溝底31と、溝底31から起立する一対の溝壁32,33とを備える。凹部23は、排水溝30の溝底31と一方の溝壁33を形成する。放熱部材20の上面で左右に延びる凹部23Aは、溝底31の高さが左右方向の中間部から左右方向の端部側に向けて傾斜状に低くなっており、排水溝30の水は凹部23Aの中間部から左右に導かれ、凹部23Bを伝って下方に移動する。そして、例えば、カバー40の下端部の後端縁40Aと放熱部材20との間の境界部38から外部に排出される。
板状部21の外周には、ネジ留め可能な複数の留め部25が形成されている。留め部25には、ネジ孔26が形成されており、板状部21の上端部及び下端部にそれぞれ設けられ、隣り合う留め部25は、所定の間隔を空けて配置されている。凹部23Aのうち、留め部25が配置された部分は、留め部25が凹部23側(前方)に張り出すことにより、凹部23Aは、留め部25の箇所で分断されている(図8,図9参照)。
(カバー40)
カバー40は、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる板状の金属に打ち抜き加工及び曲げ加工を施して形成されており、図7に示すように、ネジ留めするための通し孔42が貫通形成された留め片41と、係止孔44が貫通形成された係止片43が延びている。
留め片41は、放熱部材20の留め部25にネジ65でネジ留めされて固定されるとともに、放熱部材20を介してカバー40をグランド電位に接続する。また、カバー40の側面の後端縁40Aには、わずかに後方に突出する突出部40Bが形成されている。カバー40が放熱部材20に装着されると、図4に示すように、カバー40の後端縁40Aは、放熱部材20の凹部23の底面(溝壁33)に当接可能に対向配置される。ここで、カバー40の後端縁40Aと、放熱部材20の凹部23の底面(溝壁33)との間の境界部38は、カバー40が金属製で厚みが薄いために防水性を生じさせることが困難であり、外部からの水が境界部38を通ってカバー40の内部に浸入する可能性がある。
(フレーム50)
フレーム50は、絶縁性の合成樹脂製であって、図6に示すように、枠状の本体50Aと、カバー40の外側に配されて図示しない電線の端末部を接続可能な取付部63(図1参照)とを備えている。本体50Aは、カバー40の内面に沿って配された長方形の枠状であって、図4,図6に示すように、回路基板11を内側に収容する収容壁51と、収容壁51の外側に、収容壁51に沿って配される補強壁52と、収容壁51と補強壁52との間を連ね、かつ、シール部材39を放熱部材20との間に挟持する挟持部56と、放熱部材20の凹部23に進入する凸部57とを備えている。
収容壁51は、回路基板11を収容可能な大きさの角筒状であって、回路基板11を全周に亘って包囲する。補強壁52は、収容壁51よりも高さ(突出寸法)が低く、収容壁51の外側に所定の間隔を空けて配されている。収容壁51と補強壁52の間は、所定間隔を空けて連結部53で連結されている。
補強壁52の外面には、補強リブ54が突出している。補強リブ54は、補強壁52の前端から凸部57に連なる後方に向けて傾斜状に突出寸法が大きくされている。挟持部56は、放熱部材20の載置部22の周縁部と対向し、回路基板11の周縁の近傍から外方側に向けて延びている。挟持部56は、載置部22の周縁部の形状に応じて回路基板11を包囲するように長方形の環状に延びている。
凸部57は、挟持部56の外方側の周縁部の全周に亘って後方(放熱部材20側)に向けて突出している。凸部57の突出寸法は、放熱部材20の凹部23の深さ(前後方向の寸法)の略半分とされている。放熱部材20にフレーム50が装着されると、挟持部56が放熱部材20の載置部22との間に接着剤からなるシール部材39を挟んで凸部57が凹部23内に進入することで、凸部57の端面が溝壁32となって排水溝30が形成される。即ち、排水溝30は、フレーム50における放熱部材20側の端面と放熱部材20の凹部23(フレーム50側の面)とを用いて形成される。なお、図4では、シール部材39は、挟持部56の上下方向の一部に配されているが、これに限られず、例えば、載置部22に重なる挟持部56の全体にシール部材39が配されていてもよい。
本体50Aには合成樹脂製のコネクタハウジング59が装着される(図1参照)。コネクタハウジング59は、角筒状のフード部が奥壁部で閉鎖されており、奥壁部にはバスバー11Bと一体に形成されたコネクタ端子が貫通している。また、コネクタハウジング59は、本体50Aにネジ留めされて固定されている。コネクタハウジング59の側方に隣り合う位置には、図3に示すように、制御用コネクタハウジング62が配される。制御用コネクタハウジング62は、回路基板12に接続されたコネクタ端子61が固定されており、制御信号が入出力される。
取付部63は、本体50Aと一体に形成され、電源側端子が収容され、内部の電源側端子を外部と仕切るものであり、図1に示すように、カバー40の外側に配されている。取付部63の上面側は、蓋部64がヒンジを軸として開閉可能とされている。
電気接続箱10の組み付けについて説明する。
放熱部材20の上面に接着剤を塗布して回路基板11を貼り付け、フレーム50を放熱部材20の上に載置してネジ留めして放熱部材20に固定する。また、制御用コネクタ60が装着された回路基板12、コネクタハウジング59をフレーム50にネジ留めして固定する。そして、フレーム50の上からカバー40を被せ、カバー40の留め片41を放熱部材20の留め部25にネジ65でネジ留めすることで、電気接続箱10が形成される(図1)。電気接続箱10は、コネクタハウジング59側を下方(Z方向を上方)とする向きで車両に搭載される。
本実施形態の作用、効果について説明する。
電気接続箱10のカバー40と放熱部材20が共に金属製であると、放熱部材20とカバー40の後端縁40A(端縁)との間の境界部38からの水の浸入が懸念される。本実施形態によれば、排水溝30が放熱部材20とカバー40の後端縁40Aとの間の境界部38よりも内側(境界部38の近傍の位置)に配されることにより、放熱部材20とカバー40の後端縁40Aとの間の境界部38から浸入した水を外部に排出する側に導くことができる。よって、金属製の放熱部材20と金属製のカバー40との間の境界部38から浸入した水による不具合を抑制することができる。
また、カバー40の内面に沿って配される樹脂製のフレーム50を備え、排水溝30は、フレーム50における溝壁32の面(放熱部材20側の面)と放熱部材20における凹部23の面(フレーム50側の面)とを用いて構成されている。
このようにすれば、フレーム50と放熱部材20を用いて排水溝30を形成することができるため、排水溝30を形成するための構成を簡素化することができる。
また、フレーム50と放熱部材20との間にシール部材39を備え、フレーム50は、回路基板11,12を内側に収容する収容壁51と、収容壁51の外側に、収容壁51に沿って配される補強壁52と、収容壁51と補強壁52との間を連ね、かつ、シール部材39を放熱部材20との間に挟持する挟持部56と、を備える。
このようにすれば、排水溝30の水の内部への浸入をシール部材39によって確実に防止することができる。ここで、シール部材39でシールするためには、挟持部56の長さ(内側から外側に向かう経路長)を長くする(挟持する面積を大きくする)ことが組付作業性等の観点から好ましいが、挟持部56が長くなると、挟持部56の剛性が弱くなりやすく、挟持部56の挟持力の低下が懸念される。本実施形態によれば、補強壁52により、挟持部56の強度が高められるため、挟持部56の挟持力の低下を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)排水溝30は、フレーム50と放熱部材20とにより形成されることとしたが、これに限られない。例えば、フレーム50及び放熱部材20とは別体の排水溝をフレーム50と放熱部材20との間に設けるようにしてもよい。また、電気接続箱にフレーム50を設けずに、排水溝を形成してもよい。
(2)シール部材39は接着剤としたが、これに限られない。例えば、シール部材にゴム等からなるシールリング等を用いてもよい。また、シール部材としてスポンジを用いてもよい。
10: 電気接続箱
11,12: 回路基板
20: 放熱部材
21: 板状部
22: 載置部
23(23A,23B): 凹部
30: 排水溝
31: 溝底
32,33: 一対の溝壁
38: 境界部
39: シール部材
40: カバー
40A: 後端縁(端縁)
50: フレーム
50A: 本体
51: 収容壁
52: 補強壁
56: 挟持部
57: 凸部

Claims (3)

  1. 回路基板と、
    前記回路基板の熱を放熱する金属製の放熱部材と、
    前記回路基板を覆い、前記放熱部材と対向する端縁を有する金属製のカバーと、を備え、
    前記放熱部材と前記カバーの端縁との間の境界部よりも内側には、前記境界部から浸入した水を排出する側に導く排水溝を有する、電気接続箱。
  2. 前記カバーの内面に沿って配される樹脂製のフレームを備え、
    前記排水溝は、前記フレームにおける前記放熱部材側の面と前記放熱部材における前記フレーム側の面とを用いて構成されている請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記フレームと前記放熱部材との間にシール部材を備え、
    前記フレームは、前記回路基板を内側に収容する収容壁と、前記収容壁の外側に、前記収容壁に沿って配される補強壁と、前記収容壁と前記補強壁との間を連ね、かつ、前記シール部材を前記放熱部材との間に挟持する挟持部と、を備える請求項2に記載の電気接続箱。
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