JP2017075555A - 内燃機関の凝縮水排出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸気管20に備えられたインタークーラ24と、排気の一部をインタークーラ24の上流側の吸気管20に還流する低圧排気還流通路45とを有するエンジン1に設けられた凝縮水排出装置であって、インタークーラ24を通過した吸気から発生した凝縮水を捕集する凝縮水捕集タンク52と、凝縮水捕集タンク52と排気管30とを連通し、凝縮水捕集タンク52に捕集されている凝縮水を排気管30に排出する排水路50と、排水路50を開閉する開閉弁51と、凝縮水捕集タンク52における凝縮水捕集量を検出(推定)する捕集量推定部71と、凝縮水捕集量Mが閾値Ma、Mbより大きく、かつ所定の排出許可条件が成立した際に、開閉弁51の開弁制御を行なうエンジンコントロールユニット70と、を備え、エンジンコントロールユニット70は、複数設定した閾値Ma、Mbに応じて排出許可条件を異なって設定する。
【選択図】図1
Description
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、内燃機関の運転状況に応じて開閉弁の適切な開閉制御を行ない、凝縮水の効率的な排水が可能な内燃機関の凝縮水排出装置を提供することにある。
また、好ましくは、前記凝縮水排出装置は、外気温度を検出する外気温度検出部と、前記排水路の両端の圧力差を検出する圧力検出部と、を更に備え、前記排出許可条件は、前記圧力差が所定圧以上であることと前記外気温度が前記凝縮水の凍結温度より高いことである第1の許可条件を少なくとも含むとよい。
また、好ましくは、前記内燃機関は、前記排水路による前記凝縮水の排出位置より下流の前記排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度または空燃比を制御して前記排気浄化触媒を再生処理する触媒再生制御部と、を有し、前記排出許可条件は、前記再生処理が実施していない第3の許可条件を更に含むとよい。
また、好ましくは、前記制御部は、前記外気温度が前記所定温度より高い場合には、前記第2の許可条件での前記閾値と前記第3の許可条件での前記閾値を、前記外気温度に基づいて連続的に変化させて設定するとよい。
そして、凝縮水捕集量に応じて、開閉弁を開弁させる排出許可条件が変更されるので、凝縮水排出の必要度合いに応じた排出許可条件に設定することができる。例えば凝縮水捕集量が大きくなってきた場合に排出許可条件を低くして凝縮水捕集量の許容以上の増加を抑え、凝縮水捕集量が小さい場合には排出許可条件を高くして開閉弁の開弁に伴う内燃機関の運転への影響を抑制することができ、凝縮水捕集量の増加抑制と内燃機関の運転への影響の抑制とを両立できるような、効率的な排水が可能となる。
図1は、本発明の排気浄化装置が適用されたディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の吸排気系の概略構成図である。
エンジン1は、走行駆動源として車両に搭載されており、ターボチャージャ2(過給機)を備えた多気筒の筒内直接噴射式エンジン(例えばコモンレール式ディーゼルエンジン)である。詳しくは、エンジン1は、シリンダブロック3の上部にシリンダヘッド4が設けられている。エンジン1の気筒毎にシリンダヘッド4に燃料噴射ノズル5が設けられており、燃料ポンプ6によってコモンレール7に蓄圧された高圧燃料を、当該燃料噴射ノズル5に供給し、任意の噴射時期及び噴射量で当該燃料噴射ノズル5から各気筒の燃焼室8内に噴射可能な構成を成している。
インテークポート10には、燃焼室8と当該インテークポート10との連通と遮断を行うインテークバルブ12が設けられている。また、エキゾーストポート11には、燃焼室8と当該エキゾーストポート11との連通と遮断とを行うエキゾーストバルブ13が設けられている。
インテークマニフォールド14には、吸気通路である吸気管20が接続され、吸気管20には、上流側からインテークマニフォールド14に向かって順番に、新気中のゴミを取り除くエアークリーナ21と、新気の流量を調整しつつ、後述する低圧排気還流通路45(排気還流部)により導入される低圧の排気の流量を調整するための電子制御スロットルバルブ22と、ターボチャージャ2のコンプレッサ23と、コンプレッサ23により圧縮され高温となった吸気を冷却するインタークーラ24(吸気冷却部)と、インタークーラ24通過後の吸気の流量を調整するための電子制御スロットルバルブ25が介装されている。
電子制御スロットルバルブ25より下流側の吸気管20と、タービン31より上流側の排気管30との間には、排気の一部を吸気へ戻す、即ち高温・高圧の排気を吸気に導入する高圧排気還流通路40が設けられている。また、高圧排気還流通路40と吸気管20との接続部には、高温・高圧の排気が吸気に戻る量を調整する排気還流バルブ41が設けられている。更に、高圧排気還流通路40には、インテークマニフォールド14に導入する排気を冷却する排気還流クーラ42が設けられている。
更に、本実施形態では、インタークーラ24より下流の吸気管20から排気管30に凝縮水を排水する凝縮水排出装置を備えている。凝縮水排出装置は、インタークーラ24と電子制御スロットルバルブ25との間の吸気管20と、低圧排気還流通路45との接続部とNOxトラップ触媒34との間の排気管30とを接続し、当該吸気管20から当該排気管30へ凝縮水を排水する排水路50を備えている。排水路50には、電子制御の開閉弁51が設けられている。吸気管20と排水路50との接続部には、凝縮水を貯留可能な凝縮水捕集タンク52(凝縮水捕集部)が設けられている。
低圧排気還流通路45との接続部とNOxトラップ触媒34との間の排気管30には、排気圧を検出する排気圧センサ57(圧力検出部)が設けられている。
また、エンジン1を搭載した車両には、外気温度Tを検出する外気温度センサ59(外気温度検出部)が備えられている。
そして、ブーストセンサ55、吸気圧センサ56(圧力検出部)、排気圧センサ57、出口温度センサ58、外気温度センサ59や図示しないエンジン回転速度センサ、吸気温度センサ、その他排気温度センサ、空燃比センサ等の各種センサと、燃料噴射ノズル5、電子制御スロットルバルブ22、25、排気還流バルブ41、48及び開閉弁51等の各種機器は、エンジンコントロールユニット70(制御部)に電気的に接続されている。
図2に示すように、出口温度センサ58は、排水路50と排気管30との接続位置よりも排水路50の上流側(吸気管20側)に若干遡った位置に設けられている。出口温度センサ58は、排気管30内を通過する排気を直接検出するのではなく、排気管30を伝う熱伝導、あるいは排水路50を遡った排気の温度を検出する。これにより、出口温度センサ58は、高温側の検出範囲を抑えることができ、部品コストを低減することができる。
例えば、目標トルクが適宜設定された所定値より低い低負荷では高圧排気還流通路40により排気を還流させ、目標トルクが当該所定値以上の高負荷では低圧排気還流通路45により排気を還流させる。
図3は、エンジンコントロールユニット70において実行する凝縮水の排出制御の制御要領を示すフローチャートである。図4は、排出許可条件設定制御要領を示すフローチャートである。図5は、排出制御の終了判定制御要領を示すフローチャートである。
図3に示すように、始めにステップS10では、凝縮水捕集タンク52における凝縮水捕集量Mを演算する。凝縮水捕集量Mは、例えば外気の飽和水蒸気量からインタークーラ通過水分量を減算して求めればよい。インタークーラ通過水分量は、吸入空気中水分量と排気還流ガス中水分量を加算して求められる。排気還流ガス中水分量は、吸入空気中水分量、燃焼生成水分量、吸入空気量、投入燃料量、排気還流ガス質量に基づいて求められる。吸入空気中水分量は、外気の飽和水蒸気量と相対湿度を用いて求められ、燃焼生成水分量は投入燃料量に基づいて求められる。なお、本ステップにおける凝縮水捕集量Mの演算は、エンジンコントロールユニット70における捕集量推定部71(捕集量検出部)によって演算される。
ステップS20では、ステップS10で算出した凝縮水捕集量Mが排出要求値Mcより大きいか否かを判別する。排出要求値Mcは、凝縮水捕集タンク52における凝縮水の最大可能捕集量Mmaxより小さい値に設定すればよい。凝縮水捕集量Mが排出要求値Mcより大きい場合には、ステップS30に進む。凝縮水捕集量Mが排出要求値Mc以下の場合には、ステップS40に進む。
ステップS40では、凝縮水の排出許可条件が成立したか否かを判別する。排出許可条件は、後述する図4に示す排出制御の許可判定制御によって設定された排出許可条件である。排出許可条件が成立した場合には、ステップS50に進む。排出許可条件が成立しない場合には、ステップS60に進む。
ステップS60では、排出制御の要求フラグがONであるか否かを判別する。排出制御の要求フラグがONである場合には、ステップS70に進む。排出制御の要求フラグがOFFである場合には、本ルーチンを終了する。
ステップS80では、排出制御を実施する。具体的には、開閉弁51を開弁制御する。そして、本ルーチンを終了する。
次に、図3に示す凝縮水の排出制御と並行して行なわれる排出許可条件設定制御について、図4を用いて説明する。なお、この排出許可条件設定制御については、図3のステップS40において排出許可条件が成立したか否かを判別する際に、その判別前に都度行なってもよい。
なお、閾値Ma、閾値Mb、排出要求値Mcは、本発明の閾値に該当する。
第1の許可条件である許可条件(1)は、下記式(A)に示すように吸気管20と排気管30との間で凝縮水排出に必要な圧力差があることと、下記式(B)に示すように外気温度センサ59により検出した外気温度Tが0℃(凝縮水の凍結温度)より高いことの2つの条件である。凝縮水排出に必要な圧力差があることについては、詳しくは、吸気圧センサ56によりインタークーラ24下流の吸気圧Pinを検出するとともに、排気圧センサ57により排気管30の圧力Poutを検出し、その差圧(Pin−Pout)が排出可能差圧Pa以上である場合に凝縮水排出に必要な圧力差があると判定する。排出可能差圧Paは、排水路50によって凝縮水が吸気管20から排気管30に排出可能な値に適宜設定すればよい。
T>0(℃)・・・(B)
そして、本ルーチンを終了する。
ステップS130では、凝縮水の排出許可条件として、許可条件(1)+(2)に設定する。
そして、本ルーチンを終了する。
ステップS140では、凝縮水の排出許可条件として、許可条件(1)+(2)+(3)に設定する。
第3の許可条件である許可条件(3)は、NOxトラップ触媒34の再生制御をしていないことである。
始めにステップS200では、開閉弁51が開弁しているか否か、即ち排出制御の実行中であるか否かを判別する。開閉弁51が開弁している場合には、ステップS210に進む。開閉弁51が開弁していない場合には、ステップS200を繰り返して待機する。
なお、この図5に示す排出制御の終了判定制御を行なわず、排出制御の実行を開始してから所定時間経過したら排出制御を終了させるように制御してもよい。
更に、エンジンコントロールユニット70は、排水制御を実施した際に、出口温度センサ58によって検出される凝縮水排出出口温度Toutに基づいて、排出の可否を判定する機能を有している。
図6に示すように、排出制御許可フラグがONになっている状態で、凝縮水捕集量Mが排出要求値Mc以上となると、排出制御要求フラグがONになり、排出制御が実施される。これにより、正常であれば凝縮水が排気管30に排出されて凝縮水排出出口温度Toutが低下する。そして、凝縮水排出出口温度Toutが排出可否判定温度Ta(例えば100℃)以下になれば、排出可否判定がONになり、排出制御が継続される。ここで、凝縮水排出出口温度Toutが排出可否判定温度Ta以下にならなければ、排水路50での閉塞、開閉弁51の故障が考えられるので、排出制御を中止する。なお、このように、排出制御が中止された場合には、排出制御が開始してから排出制御が中止されるまでは、実際には凝縮水が排水されていないとして、凝縮水捕集量Mを演算している場合には、凝縮水捕集量Mの減算はしない。
以上のように、本実施形態では凝縮水捕集量Mが排出要求値Mc以上になれば、排出要求されるが、凝縮水捕集量Mに基づいて設定される排出許可条件を満たさないと、排出制御されない。
図7は、第1の実施形態における凝縮水捕集量Mと排出許可条件との関係を示すマップである。
図7に示すように、凝縮水捕集量Mが閾値Maより大きい場合、即ち凝縮水捕集量Mが最大可能捕集量Mmaxに近く排出要求が高い場合には、許可条件(1)のみとしている。許可条件(1)は、凝縮水排出に必要な圧力差があることと、凝縮水が凍結してないことであるので、排出制御の必須要件である。このように、排出要求が高い場合には、排出制御の必須要件を満たした上で、比較的容易に排出制御が実行される。
図8は、第2の実施形態における凝縮水捕集量M及び外気温度Tと排出許可条件との関係を示すマップである。
図8に示すように、第2の実施形態では、外気温度Tが排出可否判定温度Tb(本発明の所定温度)以上である場合には、上記第1の実施形態と同様に、凝縮水捕集量Mに基づいて排出許可条件を3段階に設定しているが、外気温度Tが排出可否判定温度Tb未満である場合には、排出許可条件を(1)のみとする。なお、排出可否判定温度Tbは、低圧排気還流装置(低圧排気還流通路45)による排気の導入を禁止する温度にすればよい。この低圧排気還流装置による導入を禁止する温度は、0℃よりも高く、かつ0℃に近い低温域に設定されている。
図9に示すように、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、外気温度Tが排出可否判定温度Tb未満である場合には、排出許可条件を(1)のみとする。また、外気温度Tが排出可否判定温度Tb以上である場合には、上記第2の実施形態と同様に凝縮水捕集量Mに基づいて排出許可条件を3段階に設定するが、外気温度Tに基づいて排出許可条件を切換える閾値Ma、Mbが変化する。詳しくは、外気温度Tが低下するに伴って排出許可条件を切換える閾値Ma、Mbが低下する。なお、外気温度Tが排出可否判定温度Tbである場合には、排出許可条件を切換える閾値Ma、Mbはいずれも排出要求値Mcと同一であり、排出可否判定温度Tbから外気温度Tが上昇するに伴って、閾値Maの方が閾値Mbよりも大きくなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではない。本発明は、低圧排気還流装置と排水路を有する内燃機関に広く適用することができる。
2 ターボチャージャ(過給機)
20 吸気管(吸気通路)
24 インタークーラ(吸気冷却部)
30 排気管(排気通路)
34 NOxトラップ触媒(排気浄化触媒)
45 低圧排気還流通路(排気還流部)
50 排水路
51 開閉弁
52 凝縮水捕集タンク(凝縮水捕集部)
56 吸気圧センサ(圧力検出部)
57 排気圧センサ(圧力検出部)
59 外気温度センサ(外気温度検出部)
70 エンジンコントロールユニット(制御部)
71 捕集量推定部(捕集量検出部)
72 触媒再生制御部
Claims (7)
- 吸気通路に備えられた吸気冷却部と、排気の一部を前記吸気冷却部の上流側の前記吸気通路に還流する排気環流部と、を有する内燃機関に設けられた凝縮水排出装置であって、
前記吸気冷却部を通過した吸気から発生した凝縮水を捕集する凝縮水捕集部と、
前記凝縮水捕集部と前記内燃機関の排気通路とを連通し、前記凝縮水捕集部に捕集されている凝縮水を前記排気通路に排出する排水路と、
前記排水路を開閉する開閉弁と、
前記凝縮水捕集部における凝縮水捕集量を検出する捕集量検出部と、
前記凝縮水捕集量に応じて、前記排気通路から凝縮水を排出するか否かの排出許可条件を変更し、前記排出許可条件が成立した際に、前記開閉弁の開弁制御を行なう制御部と、を備えることを特徴とする内燃機関の凝縮水排出装置。 - 前記制御部は、複数設定された前記凝縮水捕集量の閾値に応じて異なる前記排出許可条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。
- 前記凝縮水排出装置は、
外気温度を検出する外気温度検出部と、
前記排水路の両端の圧力差を検出する圧力検出部と、を更に備え、
前記排出許可条件は、前記圧力差が所定圧以上であることと前記外気温度が前記凝縮水の凍結温度より高いことである第1の許可条件を少なくとも含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。 - 前記内燃機関は、過給機を有し、
前記排出許可条件は、前記過給機の実過給圧と目標過給圧との差が所定値以下である第2の許可条件を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。 - 前記内燃機関は、前記排水路による前記凝縮水の排出位置より下流の前記排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度または空燃比を制御して前記排気浄化触媒を再生処理する触媒再生制御部と、を有し、
前記排出許可条件は、前記再生処理が実施していない第3の許可条件を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。 - 前記制御部は、前記外気温度が前記凍結温度より高い所定温度以下では前記第1の許可条件のみを前記排出許可条件とし、前記外気温度が前記所定温度より高い場合には前記第2の許可条件での前記閾値と前記第3の許可条件での前記閾値とを異なる値に設定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。
- 前記制御部は、前記外気温度が前記所定温度より高い場合には、前記第2の許可条件での前記閾値と前記第3の許可条件での前記閾値を、前記外気温度に基づいて連続的に変化させて設定することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の凝縮水排出装置。
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