JP2017075449A - スクリーン付破砕機 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水中の夾雑物をスクリーン部により捕捉し、捕捉した夾雑物を回転レーキ部により破砕部へ掻き寄せるスクリーン付破砕機において、夾雑物を掻き寄せる際に、夾雑物の一部がレーキの回転に巻き込まれて、破砕部に流入せずにスクリーン部の下流側に溜まることがある。本発明では、スクリーン部に堆積した夾雑物を取り除く機能を有するスクリーン付破砕機を提供することを目的とする。【解決手段】上記課題を解決するために、被処理水中の夾雑物を捕捉するスクリーン部と、前記スクリーン部の一側方に設置され、夾雑物を破砕する破砕部と、スクリーン部で捕捉された夾雑物を破砕部へ掻き寄せる回転レーキ部と、を備え、回転レーキ部は、正転逆転運転可能であることを特徴とするスクリーン付破砕機を提供する。回転レーキ部を逆転運転することにより、スクリーン部に堆積した夾雑物を取り除くことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、下水処理場等の水路に設置され、水中に浮遊するし渣等の夾雑物を破砕するための破砕機に関するものである。更に詳しくは、水中に浮遊するし渣等の夾雑物をスクリーン部で捕捉し、スクリーン部に捕捉された夾雑物を回転レーキ部により破砕部に掻き寄せ、破砕部で夾雑物を破砕するスクリーン付破砕機に関するものである。
下水処理場等の水路には、水中に浮遊するし渣等の夾雑物を破砕するためのスクリーン付破砕機が設置されている。水路に設置されるスクリーン付破砕機は、夾雑物を破砕するための破砕部の他、夾雑物を捕捉するためのスクリーン部と、スクリーン部に捕捉された夾雑物を破砕部に掻き寄せるための回転レーキ部を備えており、水路の全幅に亘って流れる夾雑物を破砕部に掻き寄せて破砕することができる。
例えば、特許文献1には、スクリーン装置と該スクリーン装置の一側方に設置された破砕機とを水路に横断設置し、水中の夾雑物を破砕機へ収集する装置が記載されている。このスクリーン装置は、垂直方向に積層された円弧状スクリーン部材と、該円弧状スクリーン部材の間を回転するレーキ群を固着している垂直方向のレーキ軸からなり、該レーキ軸をスクリーンの外周縁の中心と偏心して設置することにより、レーキの先端部がスクリーンの外周縁から出没し、スクリーンに捕捉された夾雑物が破砕機へ掻き寄せる装置である。
特許第3581017号公報
回転するレーキにより夾雑物を掻き寄せると、夾雑物の一部がレーキの回転に巻き込まれて破砕部に流入しないことがある。そして、レーキに巻き込まれた夾雑物は、スクリーン部の下流側で堆積する。夾雑物が堆積するとレーキの回転に負荷を与えるため、夾雑物の堆積があれば、レーキの運転を停止して堆積した夾雑物を取り除いていた。
本発明では、スクリーン部に堆積した夾雑物を取り除く機能を有するスクリーン付破砕機を提供し、作業性に優れた破砕処理を行うことを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、回転レーキ部を逆転運転することにより、スクリーンの下流側に堆積した夾雑物が取り除かれることを見出して本発明を完成した。
具体的には、本発明は、以下のスクリーン付破砕機を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明は、被処理水中の夾雑物を捕捉するスクリーン部と、前記スクリーン部の一側方に設置され、夾雑物を破砕する破砕部と、スクリーン部で捕捉された夾雑物を破砕部へ掻き寄せる回転レーキ部と、を備えたスクリーン付破砕機であって、回転レーキ部は、正転逆転運転可能であることを特徴とするものである。
このスクリーン付破砕機では、回転レーキ部を逆転運転することにより、正転運転時に堆積した夾雑物をレーキで絡め取ることができる。そして、絡め取られた夾雑物は、逆転運転するレーキによってスクリーン部の外周面に沿って上流側へ移送され、正転運転を再開した際に破砕部へと掻き寄せられる。
よって、このスクリーン付破砕機によると、スクリーン部の下流側に堆積した夾雑物が回転レーキ部を利用して取り除かれるため、作業性に優れた破砕処理を行うことができる。
更に本発明は、回転レーキ部が、回転軸と、回転軸から放射状に固定されたレーキを備えるという特徴を有する。
チェーンとスプロケットを備えたレーキ移送装置等では、スクリーン部を通過した小さな夾雑物がチェーンに絡まる等のトラブルが発生しやすい。しかし、回転軸と、回転軸から放射状に固定されたレーキからなる回転レーキ部は、簡素な構造物であるため、このようなトラブルが生じにくいという利点がある。
更に本発明は、回転レーキ部のレーキは、逆転運転時の前面部に、スクリーンの外周面と鋭角に交差する傾斜部を備えるという特徴を有する。
逆転運転することによりレーキに絡め取られた夾雑物は、レーキがスクリーン部の内部に収容される際に、レーキに巻き込まれてスクリーン部の内部へ引き込こまれることがある。
上記の特徴によれば、逆転運転時にレーキがスクリーンの外周面から突出している間、レーキの前面部が進行方向後方に向かって傾斜した状態となるため、夾雑物がスクリーンの内部へ引き込まれることを防止する効果を奏する。
更に本発明は、前記傾斜部が、スクリーンの外周面に対する傾斜角が異なる第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、第1傾斜部はレーキの先端に形成され、第1傾斜部の該傾斜角は、第2傾斜部の該傾斜角より小さいという特徴を有する。
この特徴により、レーキに形成された傾斜部は、先端に向かって更に傾斜した状態となる。
第2傾斜部は、スクリーン部の外周面と鋭角に交差するため、スクリーン内部への夾雑物の引き込みを抑制しつつ、更に第1傾斜部より大きな傾斜角でスクリーン外周面と交差している。そのため、スクリーン部に堆積した夾雑物を絡め取る作用や、夾雑物をスクリーン部の上流側へ移送する作用において、第1傾斜部よりも高い性能を有している。
一方、第1傾斜部は、第2傾斜部より小さな傾斜角を有するため、夾雑物を絡め取る作用や移送する作用が小さくなるが、レーキの先端部における夾雑物のスクリーン内部への引き込みの防止については高い効果を奏する。
すなわち、第1傾斜部及び第2傾斜部を形成することにより、堆積した夾雑物を絡め取り移送する作用と、この移送された夾雑物がスクリーン内部へ引き込まれることを防止する効果をより確実に発揮することができる。
更に本発明は、回転レーキ部の回転方向を制御する制御部を備え、前記制御部は、回転レーキ部の運転を断続的に実行し、回転レーキ部が正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に少なくとも1回以上の逆転運転を実行するという特徴を有する。
この特徴によれば、回転レーキ部の運転を断続的に実行するため、回転レーキ部の不要な運転時間が削減され、省エネルギーの観点において優れたスクリーン付破砕機を提供することができる。
一方、回転レーキ部を断続運転した場合には、回転レーキ部の停止時に捕捉された夾雑物により、正転運転の開始時に掻き寄せられる夾雑物の量が一時的に多くなる。そのため、正転運転の開始時には、スクリーン部の下流に堆積する夾雑物の量も一時的に多くなるという現象が認められる。ここで、回転レーキ部の断続運転の一つのサイクルにおいて、スクリーン部の下流に堆積した夾雑物を多量に残したまま終了すると、次のサイクルの正転運転開始時に夾雑物の量が多くなり、回転レーキ部にかかる負荷が一時的に極めて高くなる。そして、回転レーキ部への過負荷は、回転レーキ部の強制停止等のトラブルが生じる場合がある。
しかし、上記の制御部によれば、正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に少なくとも1回以上の逆転運転を実行するため、正転運転開始時に堆積した多量の夾雑物は、正転運転停止までの間に取り除かれる。なお、所定のt1時間は、回転レーキ部の停止時に捕捉された夾雑物を十分に掻き寄せるための時間である。この制御部により、正転運転開始時に堆積した多量の夾雑物を、次の正転運転開始時に残すことがないため、回転レーキ部に極めて高い負荷がかかることを防止するという効果を奏する。
更に本発明の制御部は、回転レーキ部が正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に1回逆転運転を実行し、以後、所定のt2時間毎に逆転運転を実行するという特徴を有する。
回転レーキ部の断続運転において一つのサイクルを長時間実行すると、正転運転中に徐々に夾雑物が堆積する。上記の特徴によれば、所定のt2時間毎に逆転運転を実行するため、正転運転中に徐々に堆積した夾雑物を定期的に取り除くことができる。
本発明のスクリーン付破砕機によれば、スクリーン部の下流側に堆積した夾雑物を取り除く機能を有するため、作業性に優れた破砕処理を行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機の構成を示す概略説明図である。 図2は、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機の逆転運転時の作動を説明する概略説明図である。 図3は、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機のレーキの形状を説明する概略説明図である。 図4は、本発明のスクリーン付破砕機のレーキについて他の形状を説明する概略説明図である。 図5は、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機の制御部におけるプログラム実行処理の流れを示すフローチャート図である。 図6は、本発明の第2の実施例のスクリーン付破砕機の構成を示す概略説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るスクリーン付破砕機の実施形態を詳細に説明する。
本発明のスクリーン付破砕機は、水路に設置され、水路を流れる被処理水中の夾雑物を破砕するために使用される。例えば、水路としては、下水処理場等の沈砂池等であり、夾雑物としては、下水等の汚水に含まれるし渣等が挙げられる。
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機の構成を示す概略説明図である。なお、図1では、図中の矢印に示すように、スクリーン付破砕機の正転運転時の作動について説明する。
本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機は、水路Rを流れる被処理水に含まれる夾雑物Gを捕捉するためのスクリーン部1、スクリーン部1に捕捉された夾雑物Gを破砕部3へ掻き寄せるための回転レーキ部2、及び、夾雑物Gを破砕するための破砕部3を備えている。
スクリーン部1は、略垂直方向に積層された複数のスクリーン部材により構成されており、各スクリーン部材は離間して設置されている。スクリーン部1の上流から流れてくる被処理水は、スクリーン部材の間の間隙を通過し、スクリーン部1の上流側に夾雑物Gが捕捉される。なお、スクリーン部1を構成する部材はどのようなものでもよく、例えば、複数のスリットが略水平に形成された板部材等で構成してもよい。
スクリーン部1は、一端側が水路Rの側壁R1に固定され、側壁R2付近まで横断するように設置されている。他端側は、水路Rの略中央まで延伸し、水路Rの略中央から下流側に向けて円弧状に湾曲した円弧部を形成し、破砕部3の水路中央側のケーシング側面に固定されている。
なお、スクリーン部1の固定方法は特に制限されず、回転レーキ部2及び破砕部3を囲う函体等に固定してもよい。
回転レーキ部2は、回転軸22と、回転軸22から放射状に固定された複数のレーキ21で構成されている。レーキ21は、積層されたスクリーン部材の間隙を通過可能な厚みを有する板羽根であり、回転レーキ部2には、スクリーン部1に形成された間隙と同数のレーキ21が高さ方向に並設されている。
回転レーキ部2の回転軸22は、スクリーン部1の円弧部の中心と偏心して設置されており、レーキ21が回転軸22を中心に周回すると、スクリーン部材の間からレーキ21が突出する。そして、スクリーン部1の外周面からレーキ21が突出する間に、スクリーン部1に捕捉された夾雑物Gが掻き寄せられ、破砕部3へと流入する。
なお、本発明の回転レーキ部は、スクリーン部1に捕捉された夾雑物Gを破砕部3へ掻き寄せることができれば、どのような構成でもよく、スクリーン部1の形状に合わせて適宜設計することができる。例えば、第1の実施例の回転レーキ部2のように、回転軸22とレーキ21からなる構成のほか、後述する第2の実施例の回転レーキ部5のように、レーキを取り付けたチェーンと、チェーンを周回するための複数のスプロケットを備えた構成等がある。
第1の実施例の回転レーキ部2のように、回転軸22と、回転軸22から放射状に取り付けたレーキ21により構成した回転レーキ部は、チェーンとスプロケットのように噛み合うような構造がなく、簡素な構造物であるため、回転レーキ部2に夾雑物が絡まる等のトラブルが生じにくいという利点がある。
本発明の第1の実施例の破砕部3は、スクリーン部1と水路Rの側壁R2の間に設置されている。本発明の破砕部としては、どのような破砕機であってもよく、例えば、垂直型2軸破砕機、水平型の破砕機等がある。スクリーン部1の高さ方向に均等に破砕部を設置できるため、垂直型の破砕機を使用することが好ましい。
上述したように、回転レーキ部2を正転運転することにより、スクリーン部1に捕捉された夾雑物Gが破砕部3に掻き寄せられ、夾雑物Gを破砕部3により破砕処理することができる。
しかしながら、図1に示すように、夾雑物Gの一部は、回転レーキ部2の回転に巻き込まれ、破砕部3へ流入せずにスクリーン部1の下流側に堆積することがある。
そこで、堆積した夾雑物gを取り除くために、本発明のスクリーン付破砕機の回転レーキ部2は、逆転運転する機能を備えている。
以下、図2を参照して回転レーキ部2の逆転運転について説明する。
図2に示すように、回転レーキ部2を逆転運転することにより、スクリーン部1の下流側に堆積した夾雑物gをレーキ21で絡め取ることができる。そして、絡め取られた夾雑物gは、逆転運転するレーキ21によってスクリーン部1の外周面に沿って上流側へ移送される。
スクリーン部1の外周面に沿って移送された夾雑物gは、上流側でレーキ21がスクリーン部1の内部に収容される際に、レーキ21から剥がれ、スクリーン部1の外周面上に残る。
そして、スクリーン部1の外周面上に残った夾雑物gは、正転運転を再開した際に破砕部3へと掻き寄せられ、破砕される。
レーキ21の形状は、逆転運転時の前面部(正転運転時の背面)に、スクリーン部1の外周面と鋭角に交差する第1傾斜部及び第2傾斜部を備えている。すなわち、逆転運転するレーキ21がスクリーン部1の外周面から突出する際には、傾斜部は進行方向後方に向かって傾斜した状態となる。
なお、本発明において、スクリーン部1の外周面が湾曲している場合には、スクリーン部1の外周面と傾斜部のなす角(傾斜角)は、スクリーン部1の接線Tと傾斜部のなす角をいう。
逆転運転によりスクリーン部1の上流側に移送された夾雑物gは、レーキ21がスクリーン部1の内部に収容される際に、レーキ21に引っかかり、スクリーン部1の内部へ引き込まれることがある。
しかし、本発明のレーキ21のように、逆転運転時の前面部にスクリーン部1の外周面と鋭角に交差する傾斜部を設けることにより、夾雑物gのスクリーン部1の内部への引き込みを防止することができる。
次に、図3を参照して、傾斜部について詳細に説明する。図3に示すように、レーキ21の傾斜部は、スクリーン部1の外周面に対する傾斜角が異なる第1傾斜部と第2傾斜部を有している。
第1傾斜部は、レーキ21の先端に形成され、第2傾斜部より小さい傾斜角(α)を有している。レーキ21がスクリーン部1の内部に収容される際に、先端において夾雑物gが引っかかりやすく、スクリーン部1の内部へ引き込む作用が強い。そのため、レーキ21の先端に形成された第1傾斜部の傾斜角は、小さくすることが望ましい。
第1傾斜部の傾斜角(α)は、特に限定されないが、1〜60°が好ましく、3〜50°が特に好ましい。1°未満の場合には、第2傾斜部とのなす角(γ)が小さくなるため、第2傾斜部との角において夾雑物gが引っかかりやすくなり、60°を超える場合には、傾斜角が大きくなるため、レーキ21の先端において夾雑物gが引っかかりやすい。
第2傾斜部は、第1傾斜部に隣接して形成された傾斜部であり、第1傾斜部より大きい傾斜角(β)を有している。傾斜部の傾斜角を小さくすると、夾雑物gをスクリーン部1の内部へ引き込む作用は小さくなるが、一方で、夾雑物gを絡め取る作用も小さくなる。そこで、第2傾斜部では、第1傾斜部より大きい傾斜角を有し、夾雑物gを絡め取る性能を高めている。
第2傾斜部の傾斜角(β)は、特に限定されないが、20〜89°が好ましく、30〜70°が特に好ましい。20°未満の場合には、夾雑物gを絡め取る作用が小さく、夾雑物gを取り除けないことがある。一方、89°を超える場合には、夾雑物gをスクリーン部1の内部へ引き込む作用が高まり、夾雑物gがスクリーン部1の内部に流入する恐れがある。
また、第1傾斜部と第2傾斜部のなす角(γ)は、特に限定されないが、95〜175°が好ましく、110〜165°が特に好ましい。95°未満の場合には、第1傾斜部と第2傾斜部のなす角に夾雑物gが引っかかりやすくなり、175°を超える場合には、第1傾斜部と第2傾斜部の各傾斜部がほぼ同等の傾斜角となるため、第1傾斜部と第2傾斜部を設けた効果が小さくなる。
なお、本発明において、回転レーキ部のレーキには、傾斜部を設けなくてもよい。また、単一の傾斜部でも、3つ以上の傾斜部を設けてもよい。夾雑物gを絡め取り、上流側へ移送する作用、スクリーン部の内部への夾雑物gの引き込み防止作用等を鑑みれば、異なる傾斜角を有する2以上の傾斜部を設けることが好ましい。
更に、傾斜部は、逆転運転時のレーキ21の前面部において、スクリーン部1の外周面から突出する領域すべてに形成されていることが好ましい。これにより、夾雑物gのスクリーン部1の内部への引き込みがより防止される。
次に、図4を参照して、傾斜部のその他の態様について説明する。図4(A)は、単一の傾斜部25aを有するレーキの例である。単一の傾斜部におけるスクリーン部1の外周面との傾斜角は、特に限定されないが、夾雑物gを絡め取る作用とスクリーン部1の内部への引き込みを防止する作用の両方を得ることを鑑みれば、第2傾斜部の傾斜角(β)と同様、20〜89°が好ましく、30〜70°が特に好ましい。
図4(B)は、湾曲した単一の傾斜部25bを有するレーキの例である。このように、傾斜部の形状としては、逆転運転時の前方方向に湾曲していてもよい。
なお、本発明において、湾曲した傾斜部を有する場合のスクリーン部1の外周面との傾斜角は、湾曲の始点と終点を結ぶ直線(弦)とスクリーン部1の外周面との傾斜角とする。
図4(C)は、湾曲した第2傾斜部24aと、直線状の第1傾斜部23を有するレーキの例である。このように、湾曲した傾斜部と直線状の傾斜部を組み合わせて構成してもよい。
なお、湾曲した傾斜部は、堆積した夾雑物gを絡め取る作用が小さくなるため、直線状の傾斜部で構成することが好ましい。
[制御部]
次に、本発明の回転レーキ部2の回転方向を制御する制御部について説明する。制御部は、図1には図示されていないが、回転レーキ部2に連結された電子計算機であり、回転レーキ部2の回転方向を制御するものである。
本発明の制御部は、回転レーキ部2の運転を断続的に実行するものである。これにより、回転レーキ部2の不要な運転時間が削減され、省エネルギーの観点において優れたスクリーン付破砕機を提供することができる。
更に、本発明の制御部は、回転レーキ部2が正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に少なくとも1回以上の逆転運転を実行するものである。
回転レーキ部2を断続運転すると、回転レーキ部2の停止時に夾雑物Gがスクリーン部1に溜まる。そのため、正転運転開始時には一時的に掻き寄せられる夾雑物Gが多くなり、破砕部3に流入せずにスクリーン部1の下流に堆積する夾雑物gも多くなる。回転レーキ部2にかかる負荷の向上等の問題を考慮すれば、正転運転開始時にはスクリーン部1の下流に堆積している夾雑物gの量は少量であることが望ましい。
正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に少なくとも1回以上の逆転運転を実行することにより、正転運転開始時に堆積した多量の夾雑物gは、正転運転停止までの間に取り除かれており、堆積している夾雑物gの量は少ない状態で正転運転が停止される。そのため、次の正転運転開始時における一時的な夾雑物gの増加により、回転レーキ部2に過度な負担がかかることを回避することができる。
図5には、本発明の第1の実施例のスクリーン付破砕機の制御部におけるプログラム実行処理の流れを示すフローチャート図を示した。なお、図5のフローチャート図は、本発明の制御部の正転運転実行プログラムの一例であって、これに限定するものではない。
図5の正転運転実行プログラムでは、正転運転開始の指令が入力後、所定のt1時間経過後に自動的に逆転運転開始の指令が入力され、逆転運転が開始される。そして、所定の逆転運転プログラムが終了すると、逆転運転が停止される。
その後、正転運転停止の指令がなければ、所定のt2時間ごとに逆転運転プログラムが実行される。t1時間経過後、逆転運転が少なくとも一回以上実行された後は、正転運転停止の指令の入力があれば、正転運転を停止し、正転運転実行プログラムが終了する。
なお、仮に、所定のt1時間経過前に正転運転停止の指令が入力された場合には、逆転運転プログラムを実行した後に正転運転実行プログラムを終了しても、逆転運転プログラムを実行せずに正転運転実行プログラムを終了してもよい。
ここで、t1時間とt2時間の役割を説明すると、t1時間は、正転運転が停止している間にスクリーン部1に溜まった夾雑物Gを掻き寄せるための時間である。スクリーン部1に溜まっていた夾雑物Gを掻き寄せると、スクリーン部1の下流側に堆積する夾雑物gも一時的に増加する。そのため、t1時間は、比較的短く設定され、正転運転開始後に一時的に増加した夾雑物gを素早く取り除くことが好ましい。t1時間としては、好ましくは1〜30分間であり、特に好ましくは2〜20分間である。
2時間は、正転運転を継続している間に徐々に堆積する夾雑物gを定期的に取り除くための逆転運転プログラムの間隔を設定する時間である。よって、t2時間は、t1時間より長い時間であり、好ましくは30分間以上であり、特に好ましくは1時間以上である。
なお、正転運転の開始又は停止の指令は、どのような方法でもよく、例えば、作業員が人的に開始又は停止の指令を入力する方法、所定の時間ごとに開始又は停止の指令を入力する方法、水路Rの流量計測値が所定の値に達することにより開始又は停止の指令を入力する方法等がある。
(第2の実施例)
図6は、本発明の第2の実施例のスクリーン付破砕機の構成を示す概略説明図である。
第2の実施例のスクリーン付破砕機では、第1の実施例のスクリーン付破砕機において、下流方向に傾斜して設置された長い直線部と湾曲した円弧部を有するスクリーン4、及び、レーキ53が取り付けられたチェーン52と、チェーン52を駆動するための2つのスプロケット51a、51bを有する回転レーキ部5を備えた構成である。その他の構成については、第1の実施例と同様である。
第2の実施例のように、チェーンと複数のスプロケットを使用した回転レーキ部5を備えたスクリーン付破砕機は、水路Rを幅の大きさを問わず設置することができる。そのため、幅が大きい水路Rに設置する場合に適したスクリーン付破砕機である。
第2の実施例のスクリーン付破砕機も、第1の実施例と同様に、回転レーキ部5は逆転運転可能な構成であり、スクリーン部4の下流側に堆積した夾雑物gを取り除く機能を有している。
また、チェーン52に取り付けられたレーキ53も、第1の実施例におけるレーキ21と同様、逆転運転時の前面部に、スクリーン部4の外周面と鋭角に交差する傾斜部を有している。
本発明のスクリーン付破砕機は、水路を流れる被処理水中の夾雑物を破砕するための破砕機として利用することができる。具体的には、例えば、下水処理場の沈砂池において、夾雑物としてし渣を捕捉、破砕するための破砕機として利用することができる。
1 スクリーン部、2 回転レーキ部、21 レーキ、22 回転軸、23 第1傾斜部、24,24a 第2傾斜部、25a,25b 傾斜部、3 破砕部、4 スクリーン部、5 回転レーキ部、51a,51b スプロケット、52 チェーン、53 レーキ、R 水路、R1,R2 側壁、G 夾雑物、g 堆積した夾雑物

Claims (5)

  1. 被処理水中の夾雑物を捕捉するスクリーン部と、
    前記スクリーン部の一側方に設置され、前記夾雑物を破砕する破砕部と、
    前記スクリーン部で捕捉された前記夾雑物を前記破砕部へ掻き寄せる回転レーキ部と、を備え、
    前記回転レーキ部は、正転逆転運転可能であることを特徴とするスクリーン付破砕機。
  2. 前記回転レーキ部は、回転軸と、前記回転軸から放射状に固定されたレーキを備え、
    前記レーキは、逆転運転時の前面部に、前記スクリーンの外周面と鋭角に交差する傾斜部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン付破砕機。
  3. 前記傾斜部は、前記スクリーンの外周面に対する傾斜角が異なる第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、前記第1傾斜部は、前記レーキの先端に形成され、前記第1傾斜部の前記傾斜角は、前記第2傾斜部の前記傾斜角より小さいことを特徴とする請求項2に記載のスクリーン付破砕機。
  4. 前記回転レーキ部の回転方向を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記回転レーキ部の運転を断続的に実行し、前記回転レーキ部が正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に少なくとも1回以上の逆転運転を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン付破砕機。
  5. 更に、前記制御部は、前記回転レーキ部が正転運転を開始してから所定のt1時間経過後に1回逆転運転を実行し、以後、所定のt2時間毎に逆転運転を実行することを特徴とする請求項4に記載のスクリーン付破砕機。
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