JPH08199538A - ドラムスクリーンの清掃方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクレーパ部への夾雑物の噛み込み、滞留を
少なくし、ドラムスクリーンの回転トルクの増加を防止
し、かつ清掃作業の軽減を図る。 【構成】 ドラムスクリーン１のスクリーン目に互いに
噛み合うように配設した回転スクレーパ２を同方向に、
かつ回転スクレーパ２の周速度をドラムスクリーン１の
周速度より高めて回転駆動して汚泥の濾過を連続して行
う。そしてドラムスクリーン１の運転停止後、短時間回
転スクレーパ２を逆回転させて回転・固定スクレーパ
２，３間に噛み込んだ夾雑物を排出した後、停止させて
ドラムスクリーン１及び回転スクレーパ２に付着する夾
雑物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は下水処理等において下水
中に含まれる夾雑物を除去するドラムスクリーンを効率
的に清掃するようにしたドラムスクリーンの清掃方法及
びその装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下水あるいは廃水の処理に際し、汚水中
に含有される夾雑物（固形物）は予め汚水と分離除去
し、固液別に処理する必要がある。このため小規模処理
場等において汚水中の夾雑物除去にはドラムスクリーン
が使用されている。このドラムスクリーンは予め定めた
速度で回転し、その周回の一部にて櫛歯状の固定スクレ
ーパを噛合させて、ドラムスクリーンのスクリーン目に
詰まる夾雑物を固定スクレーパにて掻き取り除去してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って従来の回転する
ドラムスクリーンに櫛歯状をした固定スクレーパを用い
る方式では、内側に開口しているスクリーン状スクリー
ンに差し込んでいるスクレーパの歯先部分で、スクリー
ン目に挿入した夾雑物をスクリーン内部に押し込むこと
になり、回収率が低下している。さらにスクレーパ歯先
に絡まった夾雑物、特に糸状・紐状のものを桟にて剪断
されるとき、ドラムスクリーンにトルクが増し、これが
過負荷となりドラムスクリーンの駆動系に影響を与えて
いる。

【０００４】本発明はスクレーパ部への夾雑物の噛み込
み、滞留を少なくし、ドラムスクリーンの回転トルクの
増加を防止し、かつ清掃作業の軽減を図ることを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、ドラムスクリーンのスクリー
ン目に互いに噛み合うように配設した回転スクレーパを
同方向に、かつ回転スクレーパの周速度をドラムスクリ
ーンの周速度より高めて回転駆動して汚泥の濾過を行
い、ドラムスクリーンの運転停止後、短時間回転スクレ
ーパを逆回転させて回転・固定スクレーパ間に噛み込ん
だ夾雑物を排出した後、停止させてドラムスクリーン及
び回転スクレーパに付着する夾雑物を除去する第１の発
明と、ドラムスクリーンのスクリーン目に互いに噛合す
るよう回転スクレーパを配設し、かつこの回転スクレー
パに反ドラムスクリーン側で固定スクレーパを噛合させ
ると共に、回転スクレーパをドラムスクリーンの中心よ
り下方位置に、固定スクレーパの歯先を回転スクレーパ
の中心より下方にて接するように夫々配置し、かつ回転
スクレーパにはドラムスクリーンの周速度より早く駆動
される駆動装置を設けた第２発明とを要旨とする。

【０００６】

【作 用】ドラムスクリーンに回転スクレーパを噛み合
わせ、さらにこの回転スクレーパに固定スクレーパを噛
み合わせ、順次その噛み合わせ位置を下方位置となるよ
うに配設し、かつ固定スクレーパを逆傾斜としているの
で、ドラムスクリーンの夾雑物除去がドラムスクリーン
に過負荷を与えることなく行えるものとなる。さらにド
ラムスクリーンの停止後、回転スクレーパを逆回転させ
ることにより固定・回転スクレーパ間に挟まれた夾雑物
の除去をも確実に行えるものとなる。

【０００７】

【実施例】以下本発明のドラムスクリーンの清掃方法及
びその装置を図面に示す実施例にもとづいて説明する。
図において１はポンプ場、廃水処理場、下水処理場等に
設置され、廃下水などの流水中に含まれる夾雑物を濾過
除去する回転ドラム型のスクリーン、所謂ドラムスクリ
ーンで、このドラムスクリーン１は処理水量に応じた所
要の径と、除去すべき夾雑物の大きさに応じた目幅を有
し、予め定めた速度で回動自在にしてケーシングＫ内等
に支持される。

【０００８】このドラムスクリーン１にはその外周の一
部に、望ましくはドラムスクリーン１の中心を通る水平
線よりも低い位置でのドラムスクリーン外周面に互いに
噛み合うようにして回転スクレーパ２を対設する。この
回転スクレーパ２は小径で、パイプ２２の外周面にドラ
ムスクリーン１のスクリーン目に嵌合するリング状の突
条２２ａをスクリーン目間のピッチに合わせて、しかも
スクリーン目内に予め定めた深さに侵入するようにして
多数形成し、この回転スクレーパのパイプ２２内に軸２
１を貫通して支持する。

【０００９】この回転スクレーパ２の軸２１はケーシン
グＫに軸受２３，２３を介して回動自在に支持すると共
に、この軸２１の一端にケーシングＫに設けた正逆回転
選択可能な駆動装置２４を取り付け、回転スクレーパ２
を回転駆動する。

【００１０】また回転スクレーパ２の外周面には櫛歯状
をした固定スクレーパ３を対設し、この固定スクレーパ
３の歯先が回転スクレーパ２の溝２２ｂ内に挿入される
ようにする。この固定スクレーパ３は少なくとも先端の
歯先が櫛歯状として回転スクレーパ２の全長にわたって
噛合し、この両端に取付軸３１をケーシングＫに設けた
軸受３２にて支持するものである。

【００１１】そしてこの固定スクレーパ３の歯先が回転
スクレーパ２の溝２２ｂに挿入される位置は、回転スク
レーパ２の中心より下方位置となるようにすると共に、
この歯先が回転スクレーパの溝内に挿入される鉛直線よ
り固定スクレーパの下端側がドラムスクリーン側に近接
するように逆傾斜するように配設する。

【００１２】また固定スクレーパ３の歯先より下方位置
にある取付軸３１，３１の軸心は一直線上に配し、かつ
その支持位置は固定スクレーパの外側すなわち前記鉛直
線より反ドラムスクリーン側になるようにする。

【００１３】上述のように構成する装置において、ドラ
ムスクリーン１は図示省略したが駆動装置にて予め定め
た速度にて回転駆動すると共に、回転スクレーパ２は駆
動装置２４にてドラムスクリーン１と同方向に、しかも
ドラムスクリーン１の周速度よりも早く、望ましくはド
ラムスクリーンとの周速度比が１．２〜２．０となるよ
うにして回転駆動する。また固定スクレーパ３はその歯
先が取付軸３１を中心にして固定スクレーパがその自重
にて旋回せんとするその回転トルクにて回転スクレーパ
側に当接される。

【００１４】この状態で下廃水等をドラムスクリーンに
通水すると、この通水中の夾雑物はドラムスクリーン外
周面にて捕捉され、水分のみ流通する。そして捕捉され
た夾雑物はドラムスクリーンの回転にて回転スクレーパ
３側へ移送され、この回転スクレーパ３にて強制的に剥
離除去される。

【００１５】この剥離された夾雑物は回転スクレーパの
回転によりドラムスクリーンより離れる方向へ移送され
ると共に、この回転スクレーパ周面より次に固定スクレ
ーパの歯先により剥離除去されるものである。従ってド
ラムスクリーン１の回転方向と同方向に、しかもこの周
速度より早く回動する回転スクレーパにてドラムスクリ
ーンに付着あるいはドラムスクリーン目に侵入した夾雑
物は、強制的に剥離されるものとなると共に、回転スク
レーパ２はドラムスクリーンと異なり、その外周面に凹
凸の溝を形成したものであるため、夾雑物は内部に侵入
することがなく、溝内に挿入する程度であり、固定スク
レーパにて確実に掻き取ることができる。しかもこの固
定スクレーパは従来と比べ逆方向に傾斜しているので、
回転スクレーパの回転にて溝内が確実に清掃されるもの
となる。

【００１６】さらにドラムスクリーン１の回転を停止し
た後、予め定めた時間この回転スクレーパ３の回転方向
を逆方向として回転駆動する。これは駆動装置２４の制
御にて行う。これにより固定スクレーパの歯先に絡んだ
夾雑物及び回転スクレーパと固定スクレーパ間に挟まれ
た夾雑物を取り除くことができ、その後回転スクレーパ
を停止するものである。

【００１７】

【発明の効果】第１発明のドラムスクリーンの清掃方法
においては、ドラムスクリーンにて捕捉された夾雑物も
スクリーン目に詰まることなく、回転スクレーパにて除
去できると共に、完全停止前における回転スクレーパの
逆回転にて回転・固定両スクレーパ間に挟んだ夾雑物を
も確実に取り除くことができる。第２発明のドラムスク
リーンの清掃装置は、ドラムスクリーンに回転スクレー
パを噛み合わせ、さらにこの回転スクレーパに固定スク
レーパを噛み合わせ、順次その噛み合わせ位置を下方位
置となるように配設しているので、夾雑物の除去が確実
に行える。第３発明のドラムスクリーンの清掃装置にお
いては、固定スクレーパを逆傾斜としているので、ドラ
ムスクリーンに過負荷を与えることなく夾雑物の除去が
行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドラムスクリーンの清掃装置の一実施
例を示す側面図である。

【図２】同正面図である。

【図３】公知例の説明図である。

【符号の説明】

１ ドラムスクリーン ２ 回転スクレーパ ２１ 軸 ２２ パイプ ２２ａ 突条 ２２ｂ 溝 ３ 固定スクレーパ ３１ 取付軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラムスクリーンのスクリーン目に互い
   に噛み合うように配設した回転スクレーパを同方向に、
   かつ回転スクレーパの周速度をドラムスクリーンの周速
   度より高めて回転駆動して汚泥の濾過を連続して行い、
   ドラムスクリーンの運転停止後、短時間回転スクレーパ
   を逆回転させて回転・固定スクレーパ間に噛み込んだ夾
   雑物を排出した後、停止させてドラムスクリーン及び回
   転スクレーパに付着する夾雑物を除去するようになした
   ことを特徴とするドラムスクリーンの清掃方法。
2. 【請求項２】 ドラムスクリーンと、このスクリーン目
   に互いに噛合するよう配設する回転スクレーパと、この
   回転スクレーパに反ドラムスクリーン側で噛合する固定
   スクレーパとよりなり、回転スクレーパをドラムスクリ
   ーンの中心より下方位置に、固定スクレーパの歯先を回
   転スクレーパの中心より下方にて接するように夫々配置
   し、かつ回転スクレーパにはドラムスクリーンの周速度
   より早く駆動される駆動装置を設けたことを特徴とする
   ドラムスクリーンの清掃装置。
3. 【請求項３】 歯先が回転スクレーパに噛み込む固定ス
   クレーパは、先端を回転スクレーパに接離方向に揺動可
   能として取り付ける取付軸を反ドラムスクリーン側に設
   けると共に、固定スクレーパを鉛直線より歯先が反ドラ
   ムスクリーン側に傾斜して設けた請求項２記載のドラム
   スクリーンの清掃装置。