JPH1147520A - ブラッシフィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】濾過領域を構成する回転帯体、および固形物受
けベルトを、常時、連続的に洗浄して濾過に最適な状態
を維持するブラッシフィルターを提供する。 【解決手段】表面にフィルター要素２を具備した回転帯
体１と、一対のローラー３，３′相互間に展張され、そ
の一部に回転帯体と向かい合った状態で相対方向に回転
するよう配置された固形物受けベルト４と、回転帯体の
表面に当接してフィルター要素に捕獲された異物を除去
するスクレーパー５と、ベルトの表面に当接して沈着し
た固形物を掻き落とす清浄手段６と、被処理液を濾過領
域７に均一に供給するヘッダー８とから成り、回転帯体
ならびに固形物受けベルトを濾過領域外で自己清浄し、
濾過に最適な状態で濾過領域内に臨ませるようにした構
成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工業用廃水、厨房
等の家庭用排水、油等を再利用することを目的として、
それら被処理液から、固形物、異物等を物理的に除去す
るブラッシフィルター、ならびに濾過方法の改良に関
し、特に、濾過領域におけるブラッシフィルター、濾過
網等のフィルター要素を常時、自己清浄して濾過に最適
な状態を維持させるようにしたブラッシフィルターの改
良、ならびに濾過方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、被処理液から固形物、異物等を物
理的に除去するものとして、被処理液を貯槽に導き、貯
槽内で固形物や異物等を沈殿させ、上澄を再利用しよう
とするもの、あるいは、被処理液を貯槽に導く過程で、
もしくは固形物、異物等を除去するための循環系路内で
フィルター要素を通過させるようにしたもの、さらにこ
れら両者を組合わせたりしたものが種々提案され、実用
に供されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、沈殿に
よるものは沈降させるために長時間を要したり、また、
貯槽内の固形物や異物等の滞積状態を絶えずチェックし
ておかないと固形物等の滞積物が貯槽の実質的体積を減
らして、時には処理液がオーバーフローし、とくにその
処理液が可燃性のもであるときは危険を伴う。また、被
処理液をフィルター要素を通過させてその過程で固形物
や異物等を除去しようとするものは、固形物や異物等の
性状により程度の差はあるが極短時間のうちに目詰まり
を起し、濾過能力が著しるしく低下するか、その循環系
路の循環が停止してしまい、フィルター要素を交換する
等、メンテナンスのために固形物や異物等の除去運転を
中断しなければならない、といった問題点が存在する。
この発明は、以上述べたような従来の被処理液から固形
物、異物等を物理的に除去するものがもつ諸問題点を解
消し、フィルター要素を常時、自己清浄して濾過に最適
な状態を維持させるブラッシフィルター、ならびに濾過
方法を得るために創案されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明に係るブラッシフィルターは、表面にフィ
ルター要素を具備した回転帯体と、一対のローラー相互
間に展張され、その一部に該回転帯体と向かい合った状
態で相対方向に回転するよう配置された固形物受けベル
トと、前記回転帯体の表面に当接して当該フィルター要
素に捕獲された異物を除去するスクレーパーと、前記固
形物受けベルトの表面に当接して当該固形物受けベルト
上に沈着した固形物を掻き落とす清浄手段と、および、
被処理液を前記濾過領域に均一に供給するヘッダーとか
ら成り、前記回転帯体を少なくともフィルター要素の厚
みの分だけ離間させて固形物受けベルト上に配置するこ
とにより濾過領域を画成するとともに、前記回転帯体な
らびに固形物受けベルトを濾過領域外で自己清浄し、か
つ、それらフィルター要素ならびに固形物受けベルトを
常時、濾過に最適な状態で該濾過領域内に臨ませるよう
にしたことを特長とするブラッシフィルターを提供する
ことにより解決を計ったものである。

【０００５】この発明には、前記回転帯体ならびに固形
物受けベルトの支承枠体を傾斜させ、被処理液の流下速
度を調整するようにした態様が含まれる。

【０００６】また、この発明には、前記固形物受けベル
ト上に沈着した固形物を掻き落とす清浄手段に逆転ブラ
シを併設するようにした態様も含まれる。

【０００７】さらにまた、この発明には、フィルター要
素ならびに固形物受けベルトを常時、濾過に最適な状態
で濾過領域内に臨ませるようにした前記ブラッシフィル
ターの濾過領域に対し、ヘッダーを介して被処理液を供
給し、回転帯体ならびに固形物受けベルトの反回転方
向、すなわち、被処理液の吐出側に向けて流下させなが
らその被処理液中の固形物等をフィルター要素で捕獲し
たのち、スラッジ受けベルト上に沈降させるようにした
被処理液中から固形物等を分離する濾過方法が含まれて
いる。

【０００８】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について以
下、添付図面を参照して説明する。この発明に係るブラ
ッシフィルターは、前述のように工業用廃水、厨房等の
家庭用排水、油等の被処理液中に含まれる固形物や異物
等を除去するものであるが、特に、旋盤、ボール盤等の
工作機械で使用される切削油に適用する場合に有用であ
る。図１ないし図４において、符号１は回転帯体、２は
フィルター要素、３、３′はローラー、４は固形物受け
ベルト、５は異物Ａを除去するスクレーパー、６は固形
物Ｂを掻き落とす清浄手段、７は濾過領域、８は被処理
液を前記濾過領域に均一に供給するヘッダーである。

【０００９】回転帯体１の表面には、例えばポリプロピ
レン製の繊維状ブラッシが直接、蜜に植毛されるとか、
ブラッシを植毛した細長い棒材をその外周上に多数列固
定するとか、さらに網状のフィルターを巻きつけ固定す
るによりフィルター要素２を構成している。一対のロー
ラー３、３′の相互間には固形物受けベルトが展張さ
れ、その上方に回転帯体２を少なくともフィルター要素
１の厚みｔの分だけ離間させてに配置することにより濾
過領域７を画成している。一対のローラ−３、３′、お
よび回転帯体１の両端は枠体９に対して回動自在に支承
され、駆動装置（図示せず）により互いに向かい合った
状態で相対方向に回転する、ようにしている。

【００１０】スクレーパー５は、回転帯体２の表面にお
ける前記濾過領域７以外の適宜領域でその回転帯体の表
面に当接して当該フィルター要素に捕獲された異物を除
去するもので、櫛状を呈している。また、清浄手段６
は、固形物受けベルトの表面における前記濾過領域７以
外の適宜領域でその固形物受けベルトの表面に当接して
当該固形物受けベルト上に沈着した固形物を掻き落とす
硬質ゴム、軟質樹脂等から成るヘラである。この清浄手
段６におけるヘラは、特別な固形物や異物等を除いて充
分な清浄機能を果たすが、なおこれを以てしても清浄機
能が低い場合には、固形物受けベルト４の回転と逆方向
に駆動される逆転ブラッシ１１を併設するとよい。この
ような清浄手段の構成下にあって回転帯体２と固形物受
けベルト４を相対方向に回転させると、前記回転帯体な
らびに固形物受けベルトは濾過領域外で自己清浄され、
かつ、濾過領域内を連続的に常時、濾過に最適な状態を
維持することになる。

【００１１】枠体９は、通常、固形物や異物等を除去す
るのに適した傾斜を以て固定され被処理液の流下速度を
所定値に定めるが、固形物や異物等の性状によってその
流下速度をより最適なところに変える必要があるとき
は、枠体９の傾斜を適宜手段により増減して被処理液の
流下速度を調整することが望ましい。この調整を超え
て、さらに濾過機能を固形物や異物等の性状に適した状
態に変更しようとするときは、図２に示すように回転帯
体２を固形物受けベルト４のように一対のローラーを用
いて適宜長くし、濾過領域を増大させることにより、固
形物や異物等の捕獲態様を変更することも濾過効果を高
める。この発明の目的は、上記されたものに限らず、実
質的に好ましい、あるいは利点として表現されたものを
提供することをも暗黙的に含むものである。

【００１２】次にこのブラッシフィルターの使用方法に
ついて述べる。一対のローラー３、３′に展張される固
形物受けベルト４、および回転帯体１を駆動装置（図示
せず）により互いに向かい合った状態で相対方向に回転
させ、ヘッダー８を介してブラッシフィルターの濾過領
域入口Ｃ（図に向かって左側）対して被処理液を供給す
ると、被処理液は固形物受けベルト、および回転帯体１
の回転による移動の向きに逆流するかたちで吐出側Ｄに
向け流下する。このとき、被処理液中の固形物や異物等
はフィルター要素に接触して物理的に捕獲されたのち、
固形物受け受けベルト４上に沈降する。捕獲された固形
物や異物等は濾過領域７以外の適宜領域でスクレーパ
ー、清浄手段により、回転帯体ならびに固形物受けベル
トから取り除かれる。

【００１３】

【発明の効果】この発明は、次のような効果を奏する。 イ．回転帯体と固形物受けベルトの一部を向かい合わせ
た状態で相対方向に回転するようにして濾過領域を画成
するようにしたので、濾過領域内のフィルター要素が濾
過領域内で連続的に入替えることができ、被処理液をい
つも濾過に最適状態のフィルター要素内で濾過させるこ
とができる。 ロ．回転帯体と固形物受けベルトにより捕獲された固形
物や異物等は、濾過領域７以外の適宜領域でスクレーパ
ー、清浄手段により、回転帯体ならびに固形物受けベル
トから取り除くようにしたので、フィルター要素ならび
に固形物受けベルトを常時、濾過に最適な状態で該濾過
領域内に臨ませることができる。 ハ．連続的にフィルター要素ならびに固形物受けベルト
を自己清浄するようにしたのでフィルターの交換やメン
テナンスが不要となり、また、固形物等の除去運転を中
断することもなくすことができる。 ニ．回転帯体、ならびに固形物受けベルトの支持枠体の
傾斜を変更できるようにしたので、被処理液の流下速度
を調整することができる。その結果、被処理液はいつも
きれいに濾過され、再利用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ブラッシフィルターを示す説明的側面図。

【図２】濾過領域を長くした場合のブラッシフィルター
を示す説明的側面図。

【図３】図１における濾過領域のＩ−Ｉ部分拡大断面図

【図４】図２の平面図

【符号の説明】

１…回転帯体 ２…フィルター要素 ３、３′…ローラー ４…固形物受けベルト ５…スクレーパー ６…清浄手段 ７…濾過領域 ８…ヘッダー ９…枠体 １０…傾斜手段 １１…逆転ブラッシ Ａ……異物 Ｂ……固形物 Ｃ……濾過領域入口 Ｄ……吐出口

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面にフィルター要素を具備した回転帯
   体と、一対のローラー相互間に展張され、その一部に該
   回転帯体と向かい合った状態で相対方向に回転するよう
   配置された固形物受けベルトと、前記回転帯体の表面に
   当接して当該フィルター要素に捕獲された異物を除去す
   るスクレーパーと、前記固形物受けベルトの表面に当接
   して当該固形物受けベルト上に沈着した固形物を掻き落
   とす清浄手段と、および、被処理液を前記濾過領域に均
   一に供給するヘッダーとから成り、前記回転帯体を少な
   くともフィルター要素の厚みの分だけ離間させて固形物
   受けベルト上に配置することにより濾過領域を画成する
   とともに、前記回転帯体ならびに固形物受けベルトを濾
   過領域外で自己清浄し、かつ、それらフィルター要素な
   らびに固形物受けベルトを常時、濾過に最適な状態で該
   濾過領域内に臨ませるようにしたことを特長とするブラ
   ッシフィルター。
2. 【請求項２】 回転帯体ならびに固形物受けベルトの支
   承枠体を傾斜させ、被処理液の流下速度を調整するよう
   にしたことを特長とする請求項１記載のブラッシフィル
   ター。
3. 【請求項３】 固形物受けベルト上に沈着した固形物を
   掻き落とす清浄手段に逆転ブラシを併設したことを特長
   とする請求項１または請求項２記載のブラッシフィルタ
   ー。
4. 【請求項４】 フィルター要素ならびに固形物受けベル
   トを常時、濾過に最適な状態で濾過領域内に臨ませるよ
   うにした前記ブラッシフィルターの濾過領域に対し、ヘ
   ッダーを介して被処理液を供給し、吐出側に向け流下さ
   せながら被処理液中の固形物をフィルター要素で捕獲し
   たのちスラッジ受けベルト上に沈降させるようにしたと
   を特長とする被処理液中から固形物を分離する濾過方
   法。