JP2017075435A - 導電性複合繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、ポリエステルと混用した際に、加工後にシワ等の不良がなく、制電性に優れ、かつ耐アルカリ性に優れた耐久性の良好な制電性生地とすることができる導電性複合繊維を提供する。
【解決手段】
芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維であって、鞘部は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有したポリアミドからなる導電層であり、芯部は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を全酸成分の0.5mol%以上、5mol%以下共重合したポリエステルからなる非導電層である導電性複合繊維である。
【選択図】 なし
本発明は、ポリエステルと混用した際に、加工後にシワ等の不良がなく、制電性に優れ、かつ耐アルカリ性に優れた耐久性の良好な制電性生地とすることができる導電性複合繊維を提供する。
【解決手段】
芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維であって、鞘部は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有したポリアミドからなる導電層であり、芯部は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を全酸成分の0.5mol%以上、5mol%以下共重合したポリエステルからなる非導電層である導電性複合繊維である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐アルカリ性に優れ、導電性を有し、静電気の発生を抑制する導電性複合繊維に関するものである。
導電性を有する導電性繊維は、主に静電気によるスパークや埃のまとわりつきを防ぐ目的で引火性危険物取扱者のユニフォーム、クリーンルーム用防塵衣、カーペット、カーテン等用の生地に用いられることが多い。このような生地に用いられる際は、数mm〜数cmのピッチでグリット状またはストライプ状に導電繊維が挿し込まれており、これらの生地には低温低湿といった、種々の環境下でも安定した制電性能が求められている。
このような生地に用いる導電性繊維として、例えば、金属そのものからなる金属繊維、一般的な繊維に金属をメッキした金属メッキ繊維、一般的な繊維に導電性物質混練樹脂を溶融または溶液被覆させた導電性被覆繊維、導電性物質の混練樹脂組成物と熱可塑性樹脂を複合紡糸した導電性複合繊維等が挙げられる。中でも、スパークを生じさせない制電性能、布帛とした際の風合い、耐腐食性、耐薬品性、耐伸張性、耐摩擦性、洗濯耐久性、製造コスト等を鑑みて、導電性カーボンブラックを使用した導電性複合繊維が最も好まれて使用されている。このような導電性複合繊維の繊維横断面においては、導電層が非導電層に完全に包まれている非露出タイプと、導電層が繊維表面の一部または繊維表面全体に露出している露出タイプがあるが、露出タイプのほうが制電性能に優れ、その中でも繊維表面全体に露出しているタイプ(特許文献1等参照)が特に制電性能が優れている。
このような生地に用いる導電性繊維として、例えば、金属そのものからなる金属繊維、一般的な繊維に金属をメッキした金属メッキ繊維、一般的な繊維に導電性物質混練樹脂を溶融または溶液被覆させた導電性被覆繊維、導電性物質の混練樹脂組成物と熱可塑性樹脂を複合紡糸した導電性複合繊維等が挙げられる。中でも、スパークを生じさせない制電性能、布帛とした際の風合い、耐腐食性、耐薬品性、耐伸張性、耐摩擦性、洗濯耐久性、製造コスト等を鑑みて、導電性カーボンブラックを使用した導電性複合繊維が最も好まれて使用されている。このような導電性複合繊維の繊維横断面においては、導電層が非導電層に完全に包まれている非露出タイプと、導電層が繊維表面の一部または繊維表面全体に露出している露出タイプがあるが、露出タイプのほうが制電性能に優れ、その中でも繊維表面全体に露出しているタイプ(特許文献1等参照)が特に制電性能が優れている。
しかしながら、このような繊維表面全体に露出している導電性複合繊維を製造することは、通常、カーボンブラックを高濃度で混練した溶融流動性が低い樹脂組成物を用いることとなるため非常に難易度が高いものである。
例えば、カーボンブラックが混練される導電層の樹脂がポリエステルであれば、何らかの共重合や流動性改質剤、可塑剤等の添加による非晶性の増加、溶融流動性の向上がなされ、その導電性能と製糸性を両立している。しかし、この共重合や流動性改質剤、可塑剤の添加により、耐アルカリ性が極端に低下し、特に露出タイプの導電性複合繊維において生地化の工程や実用される中で様々な薬品に曝されたり過酷な環境下に置かれることで導電層やカーボンブラックが脱落し、制電性能が低下する。加えて、クリーンルーム用の防塵衣として用いる際にはそのこれらの脱落物自体がクリーンルーム内の異物となるため、非常に大きな問題が生じる。
これに対し、耐アルカリ性を有するポリアミドを用いると、カーボンブラックを比較的高濃度で混練し、複合繊維化することができる。しかし、防塵衣に用いられる布帛は、ポリエステルで構成される場合が多く、その布帛にポリアミドの導電性複合繊維を挿し込み、加工すると、ポリエステルとポリアミドの収縮率や収縮力、吸放湿による伸縮の差により、生地全体が波打ったようなウロコ状のシワが現れる不良が問題となる。
このような問題を解決するため、導電層をポリアミド、非導電層をポリエステルとする技術も挙げられるが、ポリアミドとポリエステルとは相溶性がなく接着性が悪いため、繊維表面全体に露出している導電性複合繊維においては、導電層と非導電層が剥離し、導電層が破断・脱落し、実用上の耐久性に劣るものとなるのが現状である。
本発明は、上記の課題を鑑み、繊維表面全体に導電層が露出するタイプの導電性複合繊維において、ポリエステルと混用しても、生地加工の際にシワが生じず、制電性に優れ、耐アルカリ性及び導電層と非導電層の接着性が良好な導電性複合繊維を提供することを目的とする。
例えば、カーボンブラックが混練される導電層の樹脂がポリエステルであれば、何らかの共重合や流動性改質剤、可塑剤等の添加による非晶性の増加、溶融流動性の向上がなされ、その導電性能と製糸性を両立している。しかし、この共重合や流動性改質剤、可塑剤の添加により、耐アルカリ性が極端に低下し、特に露出タイプの導電性複合繊維において生地化の工程や実用される中で様々な薬品に曝されたり過酷な環境下に置かれることで導電層やカーボンブラックが脱落し、制電性能が低下する。加えて、クリーンルーム用の防塵衣として用いる際にはそのこれらの脱落物自体がクリーンルーム内の異物となるため、非常に大きな問題が生じる。
これに対し、耐アルカリ性を有するポリアミドを用いると、カーボンブラックを比較的高濃度で混練し、複合繊維化することができる。しかし、防塵衣に用いられる布帛は、ポリエステルで構成される場合が多く、その布帛にポリアミドの導電性複合繊維を挿し込み、加工すると、ポリエステルとポリアミドの収縮率や収縮力、吸放湿による伸縮の差により、生地全体が波打ったようなウロコ状のシワが現れる不良が問題となる。
このような問題を解決するため、導電層をポリアミド、非導電層をポリエステルとする技術も挙げられるが、ポリアミドとポリエステルとは相溶性がなく接着性が悪いため、繊維表面全体に露出している導電性複合繊維においては、導電層と非導電層が剥離し、導電層が破断・脱落し、実用上の耐久性に劣るものとなるのが現状である。
本発明は、上記の課題を鑑み、繊維表面全体に導電層が露出するタイプの導電性複合繊維において、ポリエステルと混用しても、生地加工の際にシワが生じず、制電性に優れ、耐アルカリ性及び導電層と非導電層の接着性が良好な導電性複合繊維を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維であって、鞘部は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有したポリアミドからなる導電層であり、芯部は金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を全酸成分の0.5mol%以上、5mol%以下共重合したポリエステルからなる非導電層である導電性複合繊維をその要旨とする。
上記導電性複合繊維において、非導電層のポリエステルが、共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、導電層のポリアミドが、ポリアミド6またはポリアミド12であることが好ましい。
また、上記複合繊維おいて、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率が30/70〜98/2であることが好ましい。
上記導電性複合繊維において、非導電層のポリエステルが、共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、導電層のポリアミドが、ポリアミド6またはポリアミド12であることが好ましい。
また、上記複合繊維おいて、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率が30/70〜98/2であることが好ましい。
本発明の導電性複合繊維によれば、ポリエステル糸と混用しても、加工後にシワ等の不良がなく、制電性に優れ、かつ耐アルカリ性に優れた耐久性の良好な制電性生地を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維である。
そして、芯部は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルからなる非導電層である。
本発明は、芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維である。
そして、芯部は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルからなる非導電層である。
本発明において、非導電層を構成するポリエステルに共重合する金属スルホネート基含有イソフタル酸成分としては、以下で示される化合物が好適に挙げられる。
(ただし、Mはアルカリ金属を示し、A、A’は、−H、−CH3または、−(CH2)nOHを示し、nは2以上の整数である)
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられるが、ナトリウムが最も好適に用いられる。
上記の非導電層に用いられる金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルにおいて、特に好適な例としては、5−スルホイソフタル酸金属塩を共重合した共重合ポリエステルが好ましく、中でも、5−スルホイソフタル酸金属塩を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられるが、ナトリウムが最も好適に用いられる。
上記の非導電層に用いられる金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルにおいて、特に好適な例としては、5−スルホイソフタル酸金属塩を共重合した共重合ポリエステルが好ましく、中でも、5−スルホイソフタル酸金属塩を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明において、非導電層は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を全酸成分に対し、0.5mol%以上、5mol%以下共重合したポリエステルである。金属スルホネート基含有イソフタル酸成分が少ないと、非導電層と導電層との接着性が悪化する傾向があり、多いと、糸強度が低下したり、非導電層の耐アルカリ性が悪化する傾向があるため、上記の範囲である。尚、好ましくは、0.8mol%以上、3mol%以下である。
本発明において、非導電層に、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分以外を、本発明の効果を損なわいない範囲で、ポリエステルに共重合してもよいが、本発明の効果をより奏し易い点からは、実質的に金属スルホネート基含有イソフタル酸成分のみを共重合することが好ましい。
本発明の導電性複合繊維の鞘部は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有したポリアミドからなる導電層である。
本発明において、導電層を構成するベースポリマーとなる熱可塑性樹脂は、ポリアミドである。
このようなポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6,6及びそれらを主体とする共重合体が挙げられ、中でも、ポリアミド6、ポリアミド12が好ましい。
このようなポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6,6及びそれらを主体とする共重合体が挙げられ、中でも、ポリアミド6、ポリアミド12が好ましい。
本発明の導電性複合繊維において、導電層は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有している。カーボンブラックの量が、少な過ぎると導電性及び制電性が得られず、多過ぎると、紡糸の際に、流動性が失われ製糸性が悪くなる傾向がある。中でも、カーボンブラックの含有量は、20質量%以上、40質量%以下が好ましい。
本発明において、導電層に用いられる導電性カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどが挙げられ、優れた導電性を有するカーボンブラックであれば特に限定はされない。
本発明の導電層に導電性カーボンブラックを含有させる方法としては、(1)カーボンブラックを溶融紡糸時に混合する方法、(2)予め、導電性カーボンブラックとベースポリマーを混練させ、導電性カーボンブラックとベースポリマーの樹脂組成物とし、溶融紡糸時に、芯部に樹脂組成物を溶融し、導電層を形成する方法等が挙げられるが、後者の方が好ましい。
本発明の導電性複合繊維は、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率が30/70〜98/2であることが好ましい。この範囲であると、十分な導電性が得られ、布帛に使用した際に制電性が得られ、糸強度が十分保持できる傾向がある。より好ましくは、非導電層/導電層の比率が50/50〜95/5である。尚、本発明において、繊維横断面は、繊維軸長手方向に垂直な面をいう。
本発明の導電性複合繊維において、後述する摩擦帯電圧の値の絶対値は、例えば、3000V未満であることが好ましく、より好ましくは2500V以下である。
このような本発明の導電性複合繊維は、ポリエステルと組み合わせた生地に用いたとしても、加工の際にシワが生じず、耐アルカリ性及び制電性に優れるものとなり、クリーンルーム用の防塵衣、作業衣等に好適に用いることができる。
また、本発明の導電性複合繊維は、織編物に混用して制電性生地とし、ユニフォーム、クリーンルーム用防塵衣、カーペット、カーテンに好適に用いることができる。短繊維化して紡績糸や不織布としても良いし、導電性を利用した導電ブラシ、タッチパネル用ペン先や手袋として使用しても良い。
本発明の導電性複合繊維の好適な製造方法の例を示す。
上記の導電性カーボンブラック、上記のポリアミドを準備し、混練して樹脂組成物を製造する。得られた樹脂組成物を鞘部、上記の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルを芯部とし、導電層が繊維表面全体が露出し、導電層及び非導電層が上記の範囲となるように、芯鞘複合口金と用いて、鞘部と芯部に吐出し、溶融紡糸を行い、鞘部の導電層が繊維表面全体に露出した導電性複合繊維を製造する。
上記の導電性カーボンブラック、上記のポリアミドを準備し、混練して樹脂組成物を製造する。得られた樹脂組成物を鞘部、上記の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエステルを芯部とし、導電層が繊維表面全体が露出し、導電層及び非導電層が上記の範囲となるように、芯鞘複合口金と用いて、鞘部と芯部に吐出し、溶融紡糸を行い、鞘部の導電層が繊維表面全体に露出した導電性複合繊維を製造する。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。尚、本発明の実施例及び比較例で得られた導電性繊維及びそれからなる生地の特性・評価は次に示す方法より求めた。
<破断強度及び破断伸度>
導電性複合繊維の破断強度および破断伸度は、JIS−L−1013に準じ、(株)島津製作所製AGS−1KNGオートグラフ引っ張り試験機を用い、試料糸長20cm、引っ張り速度20cm/minの条件で試料が伸長破断したときの強度および伸度を測定して求めた。
<収縮率>
JIS−L−1013に準じ、熱水収縮率を求めた。
<剥離の評価>
引っ張り試験機で破断強度及び破断伸度を測定した際の、破断させた導電性複合繊維の破断部を光学顕微鏡で観察し、評価した。
<繊維の導電性評価(線抵抗値)>
線抵抗値は、導電性複合繊維を10cm採取し、その両端に導電性接着剤でアルミ箔を接着させ、ヒューレットパッカード製ハイレジスタンスメーター4339Bを用いて測定した。
<耐アルカリ性の評価>
98℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に検尺機でかせ取りした導電性複合繊維を浸し、導電層のカーボンブラックによる水溶液の黒色汚れを観察した。
<サンプル生地の作製>
導電性複合繊維を56dtex/24fのポリエチレンテレフタレート繊維にカバリングしたカバリング糸を8mmピッチで経糸に用い、その他の経糸及び緯糸は84dtex/36fのポリエチレンテレフタレート繊維とし、タフタを作製し、精練、乾燥、熱セットしてサンプル生地とした。
<シワ不良の評価>
サンプル生地を平坦な台の上に載せて光源を横方向から当てることにより目視でシワ不良の評価を行った。
シワのないものは○、軽度のシワがみられるものは△、強いシワがみられるものは×と評価した。
<制電性の評価(摩擦帯電圧)>
JIS L 1094 1997 摩擦帯電減衰測定法にてサンプル生地の初期摩擦帯電圧を測定した。測定条件は以下の通りである。
摩擦帯電測定:エレクトロ スタティックテスター
摩擦布:羊毛
摩擦方向:縦方向
洗濯処理:洗濯あり
温湿度:22℃ 33%RH
導電性複合繊維の破断強度および破断伸度は、JIS−L−1013に準じ、(株)島津製作所製AGS−1KNGオートグラフ引っ張り試験機を用い、試料糸長20cm、引っ張り速度20cm/minの条件で試料が伸長破断したときの強度および伸度を測定して求めた。
<収縮率>
JIS−L−1013に準じ、熱水収縮率を求めた。
<剥離の評価>
引っ張り試験機で破断強度及び破断伸度を測定した際の、破断させた導電性複合繊維の破断部を光学顕微鏡で観察し、評価した。
<繊維の導電性評価(線抵抗値)>
線抵抗値は、導電性複合繊維を10cm採取し、その両端に導電性接着剤でアルミ箔を接着させ、ヒューレットパッカード製ハイレジスタンスメーター4339Bを用いて測定した。
<耐アルカリ性の評価>
98℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に検尺機でかせ取りした導電性複合繊維を浸し、導電層のカーボンブラックによる水溶液の黒色汚れを観察した。
<サンプル生地の作製>
導電性複合繊維を56dtex/24fのポリエチレンテレフタレート繊維にカバリングしたカバリング糸を8mmピッチで経糸に用い、その他の経糸及び緯糸は84dtex/36fのポリエチレンテレフタレート繊維とし、タフタを作製し、精練、乾燥、熱セットしてサンプル生地とした。
<シワ不良の評価>
サンプル生地を平坦な台の上に載せて光源を横方向から当てることにより目視でシワ不良の評価を行った。
シワのないものは○、軽度のシワがみられるものは△、強いシワがみられるものは×と評価した。
<制電性の評価(摩擦帯電圧)>
JIS L 1094 1997 摩擦帯電減衰測定法にてサンプル生地の初期摩擦帯電圧を測定した。測定条件は以下の通りである。
摩擦帯電測定:エレクトロ スタティックテスター
摩擦布:羊毛
摩擦方向:縦方向
洗濯処理:洗濯あり
温湿度:22℃ 33%RH
〔実施例1〕
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性、耐アルカリ性、サンプル生地のシワ不良及び制電性を評価したところ、いずれも、優れたものであった。
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性、耐アルカリ性、サンプル生地のシワ不良及び制電性を評価したところ、いずれも、優れたものであった。
〔実施例2〕
ポリアミド12に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は良好であり、耐アルカリ性、サンプル生地のシワ不良及び制電性の評価は、いずれも、優れたものであった。
ポリアミド12に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は良好であり、耐アルカリ性、サンプル生地のシワ不良及び制電性の評価は、いずれも、優れたものであった。
〔比較例1〕
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を芯の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性は劣ったものであった。
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を芯の導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性は劣ったものであった。
〔比較例2〕
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は90.9/9.1とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性は劣ったものであった。
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を導電層、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を全酸成分の1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1500m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、90℃の予熱ローラー、150℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は90.9/9.1とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性は劣ったものであった。
〔比較例3〕
実施例1の非導電層をホモポリエチレンテレフタレートとした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。サンプル生地の耐アルカリ性は良好なものの、得られた導電性複合繊維は剥離が生じ、耐久性に劣るものであった。
実施例1の非導電層をホモポリエチレンテレフタレートとした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。サンプル生地の耐アルカリ性は良好なものの、得られた導電性複合繊維は剥離が生じ、耐久性に劣るものであった。
〔比較例4〕
実施例2の非導電層をホモポリエチレンテレフタレートとした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。サンプル生地の耐アルカリ性は良好なものの、得られた導電性複合繊維は剥離が生じ、耐久性に劣るものであった。
実施例2の非導電層をホモポリエチレンテレフタレートとした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。サンプル生地の耐アルカリ性は良好なものの、得られた導電性複合繊維は剥離が生じ、耐久性に劣るものであった。
〔比較例5〕
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、ポリアミド6を芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し700m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、115℃の予熱ローラー、120℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られたサンプル生地は、シワが発生し、波打ったものとなった。また得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性に劣ったものであった。
ポリアミド6に導電性カーボンブラックを35質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、ポリアミド6を芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を8糸条に分け、1糸条を3フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し700m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、115℃の予熱ローラー、120℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られたサンプル生地は、シワが発生し、波打ったものとなった。また得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性に劣ったものであった。
〔比較例6〕
比較例5の非導電層をポリアミド6,6とした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られたサンプル生地は、軽度のシワがみられた。また得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性に劣ったものであった。
比較例5の非導電層をポリアミド6,6とした以外は同様の条件で22dtex/3fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られたサンプル生地は、軽度のシワがみられた。また得られた導電性複合繊維の導電性は優れていたものの、実施例1と比べて、サンプル生地の制電性に劣ったものであった。
〔比較例7〕
分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)を4.8質量%共重合したポリエチレンテレフタレートに導電性カーボンブラックを26質量%混練した樹脂組成物を芯の導電層に、ホモポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を4糸条に分け、1糸条を6フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1000m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、80℃の予熱ローラー、125℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/6fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は90.9/9.1とした。
分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)を4.8質量%共重合したポリエチレンテレフタレートに導電性カーボンブラックを26質量%混練した樹脂組成物を芯の導電層に、ホモポリエチレンテレフタレートを鞘の非導電層とし、導電層が非導電層に挟まれる形で繊維表面の2点に露出したサンドイッチ型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を4糸条に分け、1糸条を6フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1000m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、80℃の予熱ローラー、125℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、22dtex/6fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は90.9/9.1とした。
〔比較例8〕
イソフタル酸(IPA)を全酸成分の10mol%共重合したポリエチレンテレフタレートに導電性カーボンブラックを26質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、ホモポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を4糸条に分け、1糸条を6フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1000m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、80℃の予熱ローラー、125℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、33dtex/6fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
イソフタル酸(IPA)を全酸成分の10mol%共重合したポリエチレンテレフタレートに導電性カーボンブラックを26質量%混練した樹脂組成物を鞘の導電層、ホモポリエチレンテレフタレートを芯の非導電層とし、導電層が繊維表面全体に露出した芯鞘型複合繊維を形成する口金を用いて溶融複合紡糸機にて複合紡糸を行った。口金のホール数は24ホールであり、吐出された複合繊維を4糸条に分け、1糸条を6フィラメントとし、油剤付与ガイド、ゴデットローラーを介し1000m/minで回転するボビンに未延伸糸として巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延撚機にてフィードローラー、80℃の予熱ローラー、125℃の熱セットローラーを介し、予熱ローラーと熱セットローラー間で破断伸度が30〜80%程度となるように回転速度差を付けて延伸させ、トラベラを介してパーンに巻きとり、33dtex/6fの導電性複合繊維の延伸糸を得た。尚、繊維横断面積における非導電層/導電層の比率は83.3/16.7とした。
比較例7及び比較例8から得られた導電性複合繊維を用いて、サンプル生地を作製した。得られた導電性複合繊維は、実施例1及び実施例2と比べて、導電性及び耐アルカリ性
に劣っていた。またサンプル生地は、実施例1と比べて、制電性に劣ったものであった。
に劣っていた。またサンプル生地は、実施例1と比べて、制電性に劣ったものであった。
実施例1、2及び比較例1〜8において、得られた導電性複合繊維の破断強度及び破断伸度、収縮率を測定し、剥離の有無、線抵抗値、耐アルカリ性を評価した。結果を表1に示す。
尚、表中のSIPは、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、PEG600は分子量600のポリエチレングリコール、IPAはイソフタル酸を示す。また繊維横断面の模式図において、斜線部は導電層、白抜き部は非導電層を示す。
尚、表中のSIPは、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、PEG600は分子量600のポリエチレングリコール、IPAはイソフタル酸を示す。また繊維横断面の模式図において、斜線部は導電層、白抜き部は非導電層を示す。
表1、表2の結果より、本発明の実施例から得られた複合繊維は、制電性に優れる上、導電層と非導電層の接着性は良好で、ポリエステル糸と混用し、加工しても、シワが発生せず、耐アルカリ性も良好で、屑が発生しにくいものとなる。このため、クリーンルームに用いる防塵衣に特に好適に用いることができる。
本発明の導電性複合繊維は、ポリエステル織編物に混用して制電性生地とした際に、制電性に優れ、導電層と非導電層の接着性も良好で、シワ不良等の問題もなく、耐アルカリ性に優れたものとなる。従って、後加工等により、屑も発生しにくく、耐久性も良好となり、クリーンルーム用防塵衣に好適に用いることができる。導電性も良好であるため、カーペット、カーテン、導電ブラシ、手袋等にも、好適に用いることができる。
Claims (4)
- 芯部と、繊維表面全体に露出した鞘部とからなる導電性複合繊維であって、鞘部は、導電性カーボンブラックを15質量%以上、45質量%以下含有したポリアミドからなる導電層であり、芯部は、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を全酸成分の0.5mol%以上、5mol%以下共重合したポリエステルからなる非導電層である導電性複合繊維。
- 非導電層のポリエステルが、共重合ポリエチレンテレフタレートである請求項1記載の導電性複合繊維。
- 導電層のポリアミドが、ポリアミド6またはポリアミド12である請求項1または2記載の導電性複合繊維。
- 繊維横断面積における非導電層/導電層の比率が30/70〜98/2である請求項1〜3いずれか1項に記載の導電性複合繊維。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2015-10-16 JP JP2015205115A patent/JP2017075435A/ja active Pending
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