JP2016125174A - 導電性繊維 - Google Patents

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【課題】摩擦堅ろう度に優れ、長期に亘り初期の導電性や熱伝導性が発揮しうる導電性繊維およびその導電性繊維によって構成される繊維集合体を提供する。【解決手段】合成繊維の繊維表面に樹脂被膜が形成され、樹脂被膜中もしくは樹脂被膜を介してカーボンナノチューブを有してなり、カーボンナノチューブ100質量部に対して樹脂被膜を構成する樹脂量が400質量部を超えている導電性繊維。また、前記導電性繊維が複数本集合することによって、糸、紐、ロープ、布帛等の繊維集合体を構成している導電性繊維集合体。前記カーボンナノチューブが層数2以上の多層カーボンナノチューブであることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は導電性を有する繊維に関するものである。
繊維は織物、編物、ロープ、ネットなどの種々の形状に容易に加工され、使用する繊維の種類やその組み合わせ方、加工品の寸法などの調整が可能であり、樹脂をはじめとする他素材との複合化も含めて設計の自由度が高いため、衣料品、生活資材及び産業資材などの用途に幅広く利用されている。
繊維には天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維などの有機繊維や、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維がある。この中で合成繊維は、その生産性や性状の調整の容易さから各種用途で多量に使用されている。合成繊維の原材料にはポリエステルやポリアミド、ポリオレフィンなどの樹脂が広く用いられているが、一般的に樹脂は電気抵抗値が大きいため、静電気を嫌う用途や、半導体又は導電体レベルの低抵抗値が求められる用途では、導電成分を繊維中に練り込む、又は表面に塗工するなどの手段により電気抵抗値の低減が行われている。
カーボンナノチューブ(CNT)は導電性や熱伝導性などに優れる炭素系材料であり、合成繊維から構成される繊維製品への複合化も数多く検討されている。複合化の際には、CNTが有する導電性や熱伝導性を効果的に発揮するためには、繊維製品の表面に付着させることが好ましい。しかしながら、繊維製品を使用した際の摩擦や摩耗等が生じたときに、繊維製品の表面に付着したCNTが脱落しやすくなり、長期に亘って初期の導電性や熱伝導性が発揮できない場合がある。
付着させたCNTが脱落しにくくするための手法として、特許文献1には、表地、裏地及び連結糸で構成された立体繊維構造体に、CNTが分散させたゴムを被覆させる技術が開示されている。
特開2013−227694号公報
本発明の課題は、摩擦堅ろう度に優れ、長期に亘り初期の導電性や熱伝導性が発揮しうる導電性繊維およびその導電性繊維によって構成される繊維集合体を提供することである。
本発明は、上記課題を達成するものであり、その要旨は、合成繊維の繊維表面に樹脂被膜が形成され、樹脂被膜中もしくは樹脂被膜を介してカーボンナノチューブを有してなり、カーボンナノチューブ100質量部に対して樹脂被膜を構成する樹脂量が400質量部を超えていることを特徴とする導電性繊維にある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において導電性繊維とは、導電性、帯電性及び/又は制電性が求められる各種用途に使用可能な繊維であり、用途によって要求される体積抵抗率(比抵抗率ともいう。)の値は異なるが、本発明においては、10の7乗Ω・cm以下であるものを好ましく用いる。なお、体積抵抗率(R’)は、下式により求められるものである。
R’=R×S/L
上式において、Rは、抵抗測定機にて測定した抵抗値(Ω)、Sは試料の断面積、Lは電極間距離である。
本発明の導電性繊維は、合成繊維によって構成される。本発明において合成繊維は、特に限定されないが、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維及びポリフッ化ビニリデン系繊維などといった、溶融紡糸法によって得られる繊維や、アクリル系繊維及びポリビニルアルコール系繊維などの湿式紡糸法によって得られる繊維、またスーパー繊維と呼ばれる超高分子量ポリエチレン繊維やアラミド繊維などの高強力・高弾性率・高耐熱繊維などが使用可能である。なかでも、単繊維繊度や力学特性の調整の容易さ及び汎用性の高さから、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維が好適に使用できる。2種以上の樹脂からなるポリマーブレンド又はポリマーアロイを繊維化したものや、2種以上の樹脂を海島型、芯鞘型、サイドバイサイド型などに複合繊維化したものも合成繊維として使用可能である。
合成繊維は、連続繊維(フィラメント)、短繊維のいずれの形態であってもよく、連続繊維としてはモノフィラメント、マルチフィラメントのいずれの形態でもよい。モノフィラメントにおいて、その直径や断面形状は限定されず、また、マルチフィラメントにおいても、マルチフィラメントを構成する単フィラメントの直径や断面形状は限定されず、またフィラメント本数及び総繊度も任意に設定すればよい。短繊維においても、その直径や断面形状は限定されず、繊維長や捲縮の有無も問わない。また、合成繊維には、一般に使用されている難燃剤、着色剤、顔料、滑剤、耐候剤、酸化防止剤、耐熱剤などを本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加してもよい。
本発明の導電性繊維は、合成繊維の繊維表面には樹脂被膜が形成され、樹脂被膜中もしくは樹脂被膜を介してカーボンナノチューブ(CNT)を有している。なお、この樹脂被膜は、繊維表面の全てを覆っているものであっても、繊維表面の一部を覆っているものであってもよい。本発明におけるCNTは、層数は特に限定されないが、汎用性の観点から多層CNTを好ましく用いる。また、CNTの製造方法も特に限定されず、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法及びDIPS法など従来から知られている方法によって製造したものを使用できる。
本発明における樹脂被膜は、繊維表面に存在してCNTを担持する役割を担う。また、繊維表面にCNTを接着保持する接着剤としての役割を担っているともいえる。樹脂被膜を構成する樹脂材料としては、合成繊維との接着性や相溶性、作業性、被膜とした際の膜特性等を考慮して種々の樹脂から選択すればよく、例えばポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、シリコーン系樹脂及びポリウレタン系樹脂などが挙げられる。また要求性能に応じて複数種類の樹脂を混合して用いることも可能であり、樹脂被膜を構成する樹脂中には、充填剤、可塑剤、難燃剤、抗菌剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜含んでもよい。
樹脂被膜を構成する樹脂とCNTとの比率は、CNT100質量部に対して樹脂被膜を構成する樹脂量が400質量部を超える。樹脂被膜を構成する樹脂量は、膜厚に反映され、またCNTに対する樹脂量の比率は、導電性繊維の導電性や、導電層の摩擦などに対する耐久性に影響する。樹脂量の比率が小さくなると被膜中に分散して存在するCNT同士の間の距離が小さくなるため導電性はより向上する。しかしながら、被膜の強度が劣る傾向となり、摩擦などの外力に対して破損し、CNTや被膜が脱落し易くなる。反対に樹脂量の比率が大きくなると、前記と逆の傾向となって導電性は低下する傾向となるが、被膜における摩擦などに対する耐久性は向上する。本発明においては、耐摩擦性すなわち摩擦堅ろう度に優れ、所望の導電性も発揮しうるためには、CNT100質量部に対して樹脂400質量部を超える比率とすることが肝要である。なお、樹脂量の上限は、CNT100質量部に対して3000質量部程度とする。
合成繊維の表面にCNTを含む樹脂被膜を形成させる方法としては、一般的に用いられる加工手段が適用可能であり、例えばCNTと被膜形成性樹脂とを含む分散液に合成繊維を浸漬し乾燥させる方法、または前記した分散液を合成樹脂表面にコーティングし乾燥させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、合成繊維表面に樹脂被膜を形成させてCNTを付着させた後、さらに樹脂被膜を形成させて保護膜を設けて、CNTが付着した樹脂被膜をさらに樹脂にて被膜することにより、摩擦などの外力に対してCNTが脱落することを防止することもよい。また、CNTを含む樹脂被膜を形成させる前に、脱落防止を考慮して、樹脂被膜との接着性を高める加工を施すことも好ましい。このような加工としては、例えば、合成繊維の表面に、電子線や放射線などによるグラフト加工やプラズマ加工などの表面処理を施すこと、繊維製造工程中あるいは得られた繊維に接着性向上のための繊維用油剤やコーティング剤などを塗布すること等が挙げられる。また、嵩高加工や捲縮加工が施された合成繊維を用いると、構造的に被膜を形成する樹脂との接着性が向上する。
なお、合成繊維100質量部に対するCNTの割合は、所望の導電性を考慮して適宜選択すればよいが、十分な導電性を発揮するためには0.1質量部以上がよい。
上記した導電性繊維が複数本集合させて、例えば、引き揃え、合撚、交絡、混繊、紡績等の手段によって糸(導電性繊維集合体)とし、また、このような糸を用いて紐やロープ、織物、編物、ネット、また、繊維を集合させた不織布、紙、フェルト等の形態とし導電性繊維集合体として繊維製品とする。本発明において、繊維集合体の形態は特に限定しない。また、異なる形態の繊維集合体を複数用いて、縫製や接着等により積層、一体化、連結させることで複合化してもよい。繊維集合体においては、構成する全ての繊維として導電性繊維を用いる必要はなく、導電性を有しない合成繊維や、性状の調整のために天然繊維や無機繊維等の合成繊維以外の繊維を複合化してもよい。また、一定以上の導電性を有しない繊維のみからなる繊維構造体と、上記した導電性繊維集合体とを種々の方法により複合化してもよい。また、さらには、非導電性繊維を用いて所望の形態の繊維集合体を得た後に、上記した被膜形成処理(浸漬法やコーティング法等)を施すことにより、繊維集合体を構成する繊維の表面にCNTを含む樹脂被膜を形成させて、導電性繊維集合体としてもよい。
本発明の導電性繊維および導電性繊維集合体によれば、良好な導電性と被膜の摩擦堅ろう度を兼ね備えており、形状や性状の自由度が高く、長期に亘って初期の導電性を維持することができる。したがって、使用時に摩耗性を要する用途により好適に用いることができる。例えば、除電ブラシや発熱体、電磁波シールド材などの用途に好適であり、その他の用途にも好適に用いることができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、性能評価は、下記の方法により行った。
(1)比抵抗率
テスターを用いて抵抗値R(Ω)を測定し、下式より比抵抗率R’(Ω・cm)を算出した。
R’=R×S/L (S:試験片の断面積、L:電極間距離)
(2)摩擦堅ろう度
JIS K6404−16に準拠し、下記の条件下で摩擦堅ろう度の乾燥試験を行って評価した。
測定試験の条件
試験機:学振形摩擦試験機
試験片:導電性繊維集合体(マルチフィラメント糸または組紐)4本を重ならないように揃えて、試験片台に設置した。
荷重:200g
白綿布:3−1号 乾燥状態
往復早さ:毎分30回
摩擦回数:20往復
判定:摩擦させた相手材である白綿布の着色度合を目視で観察し、下記の判定基準により等級で表した。
等級:判定基準
5:着色しない
4:わずかに着色する
3:着色する
2:かなり着色する
1:著しく着色する
実施例1
・合成繊維
ポリエチレンテレフタレート(融点260℃)によって構成されるマルチフィラメント糸(1670dtex/192f)を準備した。
・導電性繊維集合体の作製
CNT水系分散液A(CNTとして多層CNT2.3wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂15wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約650質量部)を用いて、このCNT水系分散液に前記マルチフィラメント糸を浸して分散液中に保持し、その後、マングルで絞って絞り率を調整することによって分散液の保持量を調節した後にピンテンター型熱処理装置に導入し、130℃にて2分間の乾燥を施し、ポリエステル繊維の表面にCNTを含む樹脂被膜を形成させて導電性繊維からなる導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、マルチフィラメント糸(樹脂被覆の形成前のマルチフィラメント糸)に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は、8.5wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の2乗Ω・cmであり、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であった。
実施例2
・組紐の作製
実施例1で用いたマルチフィラメント糸(1670dtex/192f 樹脂被覆処理前のもの)を角8本打ちとして、直径およそ1.2mmの組紐(繊維集合体)を得た。この組紐(CNTを付与する処理前の組紐)の比抵抗率を測定したところ、およそ10の14乗Ω・cmであった。
・導電性繊維集合体の作製
実施例1で使用したCNT水系分散液Aを用い、このCNT水系分散液に前記組紐を浸して分散液中に保持し、その後、マングルで絞って絞り率を調整することによって分散液の保持量を調節した後にピンテンター型熱処理装置に導入し、130℃にて2分間の乾燥を施し、ポリエステル繊維の表面にCNTを含む樹脂被膜を形成させ、導電性繊維からなる導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は9.2wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の2乗Ω・cmであり、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であった。
実施例3
実施例2において、CNT水系分散液Aに純水を加えて2倍希釈した分散液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は4.4wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の4乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であったが、その着色度合は、実施例1や実施例2よりも少ないものであった。
実施例4
実施例2において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液B(CNTとして多層CNT1.1wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂13wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約1200質量部)を用いた以外は、実施例2と同様にして、導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は8.0wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の4乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であったが、その着色度合は、実施例1や実施例2よりも少ないものであった。
実施例5
実施例2において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液C(CNTとして多層CNT1.5wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂24wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約1600質量部)を用いた以外は、実施例2と同様にして、導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は13wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の4乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であったが、その着色度合は、実施例1や実施例2よりも少ないものであった。
実施例6
実施例5で使用したCNT水系分散液Cに純水を加えて4倍希釈したものを分散液に用いた以外は、実施例2と同様にして、導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は2.8wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の6乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は4であったが、その着色度合は、実施例1や実施例2よりも少ないものであった。
実施例7
実施例2において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液D(CNTとして多層CNT1.1wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂27wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約2500質量部)を用いた以外は、実施例2と同様にして、導電性繊維集合体を得た。得られた導電性繊維集合体において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は14wt%であった。
得られた導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の6乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は5であった。
実施例8
実施例1で得られた導電性繊維集合体(マルチフィラメント)を用いて、角8本打ちとして、直径およそ1.2mmの組紐を作成し、これを実施例8の導電性繊維集合体(組紐)とした。
得られた実施例8の導電性繊維集合体の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の2乗Ω・cm、導電性繊維集合体の摩擦堅ろう度は5であった。
比較例1
実施例1において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液E(CNTとして多層CNT3.3wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂4.0wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約120質量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして、CNTが付着したマルチフィラメント糸を得た。得られたCNT付着のマルチフィラメント糸において、分散液浸漬前のマルチフィラメント糸に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は2.8wt%であった。
得られたCNTが付着してなるマルチフィラメント糸の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の1乗Ω・cm、摩擦堅ろう度は1であった。
比較例2
実施例2において、CNT水系分散液として、比較例1で使用したCNT水系分散液Eを用いたこと以外は実施例2と同様にして行った。得られたCNT付着の組紐において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は3.3wt%であった。
得られたCNTが付着した組紐の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の1乗Ω・cm、摩擦堅ろう度は1であった。
比較例3
実施例2において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液F(CNTとして多層CNT1.1wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂3.5wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約320質量部)を用いた以外は、実施例2と同様にして行った。得られたCNT付着の組紐において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は2.8wt%であった。
得られたCNTが付着した組紐の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の3乗Ω・cm、摩擦堅ろう度は2〜3であった。
比較例4
実施例2において、CNT水系分散液として、CNT水系分散液G(CNTとして多層CNT1.1wt%含有し、樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂4.4wt%を含有した分散液であり、CNT100質量部に対するバインダーの割合が約400質量部)を用いた以外は、実施例2と同様にして行った。得られたCNT付着の組紐において、分散液浸漬前の組紐に対するCNTを含む樹脂被膜の重量比率は3.2wt%であった。
得られたCNTが付着した組紐の抵抗値および直径を測定し、比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の3乗Ω・cm、摩擦堅ろう度は3であった。
比較例5
実施例2において、CNT水系分散液に代えて、CNTを含まず樹脂成分を含む水系分散液(樹脂被膜を構成する樹脂としてウレタン樹脂を7.2wt%含有した分散液)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、組紐の表面に樹脂被膜を形成させた。分散液浸漬前の組紐に対する樹脂被膜の重量比率は4.3wt%であった。また、得られた樹脂被膜されてなる組紐の比抵抗率を求めたところ、比抵抗率はおよそ10の12乗Ω・cmであった。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2016125174


表1に示す結果からも明らかなように、一定値を超える比率で樹脂を配合したCNT分散液を用いることで、導電性能と摩擦堅ろう度との両方を兼ね備えた導電性繊維および導電性繊維集合体が得られることが分かった。

Claims (4)

  1. 合成繊維の繊維表面に樹脂被膜が形成され、樹脂被膜中もしくは樹脂被膜を介してカーボンナノチューブを有してなり、カーボンナノチューブ100質量部に対して樹脂被膜を構成する樹脂量が400質量部を超えていることを特徴とする導電性繊維。
  2. 前記カーボンナノチューブが層数2以上の多層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載の導電性繊維。
  3. 請求項1または2記載の導電性繊維が複数本集合することによって、糸、紐、ロープ、布帛等の繊維集合体を構成していることを特徴とする導電性繊維集合体。
  4. 請求項1または2記載の導電性繊維と、非導電性繊維とによって、糸、紐、ロープ、布帛等の繊維集合体を構成していることを特徴とする導電性繊維集合体。
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