JP5668228B2 - 導電性合成繊維とその製造方法およびその用途 - Google Patents

導電性合成繊維とその製造方法およびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、導電性合成繊維とその製造方法およびその用途に関するものであり、更に詳しくは、導電性に優れ、かつ透明および/もしくは白色の導電性合成繊維とその製造方法およびその用途に関するものである。
導電性合成繊維は、従来から様々な工業用分野に使用されており、例えば導電性ポリエステルモノフィラメントは、使用中の静電気帯電による障害を防ぐことを目的とした小麦粉などの粉体篩分けフィルター、紙おむつや生理用品などのサニタリー製品製造時に水分や有機溶剤を乾燥させることを目的としたドライヤーベルトおよび抄紙用ドライヤーカンバスなどの工業用織物の経糸および/または緯糸の少なくとも一部、あるいはヘアブラシや工業用ブラシなどの用途に広く使用されている。
従来の導電性合成繊維としては、主原料となるポリマーペレットと、例えばカーボンブラックや金属等の導電性粒子を高濃度にブレンドしたポリマー樹脂とを混練して溶融押出、冷却、熱延伸して繊維化したもの、または鞘成分もしくは芯成分の一部を導電性樹脂とした複合繊維がよく知られている。
例えば、合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層と、この芯層の表面に溶融被覆した導電性の被覆層とからなる導電性合成樹脂モノフィラメント(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、この導電性合成樹脂モノフィラメントにおいては、導電性カーボンブラックを多量に含むポリマーが高温に加熱された溶融被覆ダイに接触して流れるため、カーボンブラックの蓄積物やポリマーの熱分解物によるダイ周辺汚れが多発し、その結果コブ糸や線径斑が発生し、長時間の安定生産が困難になるという問題があった。
また、延伸した合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層と、この芯層の表面に溶液塗布した導電性の被覆層とを有する複層繊維からなる導電性フィラメント(例えば、特許文献2参照)、および延伸された合成繊維モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層と、DBP給油量が340ml/100g以上である高導電性カーボンブラックを含有するポリカーボネイト系脂肪族ウレタン樹脂またはアクリル樹脂からなる水分散型樹脂により形成された被覆層とからなる導電性合成繊維(例えば、特許文献3参照)が提案されている。しかし、これらはいずれも導電性材料としてカーボンブラックを使用していることから、得られる繊維は黒色で基本的に色調の変更ができないため、限定的な用途にしか使用することができないという問題があった。
特開2002−339240号公報 特開2002−266187号公報 特許第4261837号公報
本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、導電性に優れ、かつ透明および/もしくは白色の導電性合成繊維とその効率的な製造方法およびその用途を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、延伸された熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層の周囲に、比表面積が3〜60m/gの導電性酸化亜鉛を含有する熱可塑性樹脂からなる被覆層が形成されていることを特徴とする導電性合成繊維が提供される。
なお、本発明の導電性合成繊維においては、
フィラメントの抵抗値(Ω)×フィラメントの断面積(cm)/抵抗値測定時の電極間距離(cm)で表される体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以下であること、
前記被覆層が、導電性酸化亜鉛5〜30重量%と熱可塑性樹脂95〜70重量%との混合物からなること、
前記被覆層が、導電性合成繊維の全断面積に対して占める割合が3〜50%であること、
前記被覆層を形成する熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリアミド、フッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種を主成分とすること、
前記被覆層を形成する導電性酸化亜鉛が、3価の金属元素の少なくとも1種を添加した導電性酸化亜鉛であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たした場合には、さらに優れた効果を取得することができる。
また、本発明の導電性合成繊維の製造方法は、延伸された熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの周囲に、熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントを構成するポリマーと同種の熱可塑性樹脂と比表面積が3〜60m/gの導電性酸化亜鉛とを含有する水分散型樹脂を塗布し、次いで熱処理することにより、前記導電性酸化亜鉛と熱可塑性樹脂とからなる被覆層を形成することを特徴とする。
さらに、本発明の布帛およびブラシは、前記導電性合成繊維からなることを特徴とする。
本発明によれば、以下に説明するとおり、導電性に優れ、かつ透明性および/もしくは白色の導電性合成繊維を得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の導電性合成繊維は、延伸された熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層の周囲に、比表面積が3〜60m/gの導電性酸化亜鉛を含有する熱可塑性樹脂からなる被覆層が形成されていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明の導電性合成繊維は、導電性ならびに高強度を維持するために、被覆する前の熱可塑性樹脂モノフィラメントは延伸されて高強度を有し、被覆層は延伸されることなく皮膜形成されていることを特徴とする。
本発明の導電性合成繊維において、芯層を形成する熱可塑性樹脂については特に制限は無く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、46ナイロン、56ナイロン、510ナイロン、1010ナイロン、6/66共重合体などのポリアミド樹脂またはその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂またはその共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エテレン・テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素樹脂類、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、および液晶ポリエステルなどが用いられる。
これらは単独あるいは混合物を用いても良い。中でも、高い引張強度と適度な伸びを有し、耐熱性に優れている点でポリアミド樹脂またはその共重合体、ポリエステル樹脂またはその共重合体、フッ素樹脂またはその共重合体は、本発明の目的に適しており、好ましく使用することができる。
本発明でいう熱可塑性樹脂モノフィラメントとは、被覆される前の状態でフィラメント数が1本のものであり、同じくマルチフィラメントとは、被覆される前の状態でフィラメント数が複数本からなるものである。被覆される前のマルチフィラメントは、被覆時の工程通過性をよくするため撚糸されているか、あるいは交絡をかけられて集束しているものである。
芯層を形成するフィラメントの断面直径は、用途によって適宜選択できるが、0.05〜3mmの範囲が最もよく使用される。ただし、芯層がマルチフィラメントの場合には、断面直径を測定することはできないため、マルチフィラメントの繊度から芯が円形断面と仮定した直径である。
また、ポリエチレンやポリプロピレンのような素材は、無極性で結晶性が大きいため、被覆層が付着しにくい。よって、このような樹脂を芯層に使用する場合には、被覆前にエネルギー線照射やプラズマ処理により素材表面に極性基を導入するか、極性基を有するプライマーを塗布することにより、被覆の付着性を確保したものを用いることが望ましい。
本発明において、被覆樹脂の溶剤として、炭化水素系、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系などの有機溶剤を使用する場合には、塗布した樹脂の乾燥工程に排気、防火、空気清浄設備等を追加する必要があるため、被覆樹脂には水分散型樹脂、樹脂の分散剤には水を用いることが好ましい。なお、被覆層を形成する水分散型樹脂としては、ポリアミド樹脂またはポリエステル樹脂を好ましく使用できる。
なお、被覆層を形成するための水分散型樹脂としては、熱可塑性樹脂が分散されたものが使用され、特に熱可塑性を有する共重合ポリアミド固体粒子および/または共重合ポリエステル固体粒子が分散されたものが本発明においては好ましく使用される。具体的にはエムスケミー・ジャパン社製・商品名「Griltex D1500A Suspension」、「Griltex 2A Suspension」、「Griltex D1377E Suspension」および「Griltex 9E Suspension」などの市販品がそれに当たり、これらを適用することにより被覆層を形成することができる。
本発明の導電性合成繊維における被覆層は、上記した水分散型樹脂に導電性酸化亜鉛を混ぜたものからなる。かかる導電性酸化亜鉛とは、比表面積が3〜60m/gのものである。また、高い導電性を得るため、酸化亜鉛に3価の金属元素の少なくとも1種を添加することが好ましい。これらの特性を有する導電性酸化亜鉛としては、ハクスイテック社製・商品名「23−K」、「PazetCK」および「PazetGK−40」等があり、23−KとPazetCKには金属元素Alが、PazetGK−40には金属元素Gaが、それぞれ添加されている。
導電性酸化亜鉛の比表面積が小さい場合には、得られる導電性合成繊維は白色傾向となるが、比表面積が3m/gを下回ると、導電性酸化亜鉛の粒子径が拡大し被覆層の平滑性が悪化するため、本発明の導電性合成繊維には適さない。一方、導電性酸化亜鉛の比表面積が大きい場合には、粒子径が小さくなり得られる導電性合成繊維は透明性を呈するが、比表面積が60m/gを超えると、導電性酸化亜鉛の凝集力が強くなるために水分散型樹脂中での分散性が悪化し、結果として得られる導電性合成繊維は、被覆層の平滑性が劣るばかりではなく、繊維軸方向で導電性能が不均一なものとなるため不適である。
本発明の導電性合成繊維は、フィラメントの抵抗値(Ω)×フィラメントの断面積(cm)/抵抗値測定時の電極間距離(cm)で表される体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以下であることが望ましい。例えばヘアブラシ等のブラシでは、帯電防止を目的として導電性合成繊維をブラシの一部に使用するが、体積固有抵抗値が1×10Ω・cmを超える導電性合成繊維を使用する場合には、使用において十分な帯電防止効果が得られないことがある。また、ブラシ中の導電性合成繊維の割合を増やすことにより、帯電防止効果を向上することができるが、この場合にはコストアップになるという好ましくない傾向が招かれる。
本発明の導電性合成繊維において、被覆層樹脂成分中の導電性酸化亜鉛濃度は5〜30重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。被覆層樹脂成分中の導電性酸化亜鉛濃度がこのような低濃度であっても導電性の優れた繊維が得られることが本発明の特徴である。しかし、5重量%以下の導電性酸化亜鉛濃度では、十分な導電性が得られず、また、30重量%以上の導電性酸化亜鉛濃度では、被覆樹脂の流動性が著しく低下し、被覆が困難になるという好ましくない傾向が招かれる。
なお、被覆層を形成するための被覆手段としては、ディップ、ローラー、ノズル、ドクター・ナイフ法等により、芯層フィラメント表面に被覆層成分の溶液を塗布する方法が有効である。また、被覆厚さの変更は被覆樹脂水分散体の液粘度を変更する方法が有効である。
本発明の導電性合成繊維を製造するに際し、芯層を形成する合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの製造には何ら特殊な方法を必要とせず、既知の紡糸方法で行うことができる。そして、熱延伸、熱セット処理された合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの表面には、上記した被覆手段により導電性酸化亜鉛を含む水分散型樹脂が被覆される。
かくして得られる本発明の導電性合成繊維は、被覆層が全断面積に対して占める割合が3〜50%、好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。一方、芯層が全断面積に対して占める割合は97〜50%である。被覆層の断面積比率が50%を超えると、導電性は十分であるが、得られる繊維の強度が低下するばかりか、被覆層が肉厚になり線径斑が大きくなるという好ましくない傾向を生じる。一方、被覆層の断面積比率が3%未満では、本発明が目的とする効果が十分に得られない傾向となる。
以上説明したように、本発明の導電性合成繊維は、布帛として十分な糸物性を持ち、特に導電性酸化亜鉛が持つ本来の導電性を失うことなく、その体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以下であるという優れた導電性を発揮する。また、被覆層が芯層の表面に薄く被覆されるため、繊維軸方向で優れた線径均一性を実現することが出来る。
また、本発明の導電性合成繊維は、導電性酸化亜鉛を使用することで、透明および/もしくは白色を呈するため、芯層を形成する合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの原着、および得られた導電性合成繊維の染色等により、導電性合成繊維の色調を適宜変更することができる。
また、本発明の導電性合成繊維の製造方法は、芯層を形成する合成樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの製造には何ら特殊な方法を必要とせず、芯層の表面に導電性酸化亜鉛を含む水分散型樹脂を被覆し、乾燥して被覆層を形成するのみで、上記の特性を有する導電性合成繊維を効率的に製造することができる。
なお、被覆層の乾燥温度は、分散剤が水であるため100℃以上であるが、好ましくは130〜150℃である。130℃より低温では乾燥に時間がかかるため、生産性の観点から好ましくない。一方、150℃より高温では、水が急激に蒸発するため得られる繊維表面に凹凸ができてしまうことから好ましくない。
また、被覆層の分散剤は水であるため、被覆の熱処理装置には特別な排気、防火、空気清浄設備等を用意する必要が無く、経済的にも有効な手段であるといえる。
以上説明したように、本発明の導電性合成繊維は、上記の特性を活かして、各種フィルター、搬送用ベルトなどの工業用布帛、あるいはヘアブラシや工業用ブラシの少なくとも一部などに好ましく適用することができ、これらの各用途に使用された場合には優れた帯電防止効果が得られる。
以下、本発明の導電性合成繊維について実施例に基づいて説明するが、本発明の導電性合成繊維はその要旨を超えない限り以下の実施例に何ら限定されるものではない。
また、実施例における導電性合成繊維の評価は以下の方法で行った。
[体積固有抵抗値]
東亜電波工業社製極超絶縁計SM−10を使用して測定した。導電性合成繊維試料5cmの両端にドータイトを塗り1時間乾燥させる。その後、試料の両端を電気抵抗の極めて低いクリンプ(電極)で十分把持し、印加して糸の抵抗値を測定し、次の計算式により体積固有抵抗値を求めた。なお、測定時の周囲条件は温度20℃、湿度65%とした。
体積固有抵抗値(Ω・cm)=測定抵抗値(Ω)×糸の断面積(cm)/電極間距離(cm)。
[断面積比]
導電性合成繊維をミクロトームで厚さ15μmに輪切りにし、その断面をマイクロスコープ(KEEYENCE社製 デジタルHDマイクロスコープVH−7000)の面積測定機能を使用して測定した。
[線径斑]
アンリツ社製レーザー外径測定機KL−151Aを使用した。導電性合成繊維試料300mを30m/分の速度で測定し、測定した最大直径と最小直径の差ΔDを平均直径の割り、百分率で表した。
[静電電位]
春日電機社製、デジタル静電電位測定器KSD−0103を使用し、400m/分で走行するドライヤーベルトから10cm、ブラシから2cmの位置における静電電位を測定した。
[実施例1]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が5.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製23−K、以下ZnOと略表記)5.3重量%と純水19.7重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には6ナイロン樹脂(東レ製M1021T、以下N6と略表記)を溶融押出して20℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で5倍に延伸したN6モノフィラメント(直径0.197mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.205mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が48.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製Pazet GK−40、以下ZnOと略表記)7.5重量%と純水17.5重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には6ナイロン樹脂(東レ製M1021T、以下N6と略表記)を溶融押出して20℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で5倍に延伸したN6モノフィラメント(直径0.197mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.210mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[実施例3]
14000dtex−204fil−1781(東レ製)66ナイロン繊維(以下N66と略表記)のマルチフィラメントを、4642t/127cmで下撚りし、さらに下撚りした2本を323t/127cmで上撚りして、直径0.590mmの撚糸コードを作り、これを芯層とした。
芯層に上記撚糸コードを用いた以外は、実施例2に記載の被覆材料、被覆方法により直径0.648mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が48.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製Pazet GK−40、以下ZnOと略表記)3.3重量%と純水21.7重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には66ナイロン樹脂(東レ製M3001、以下N66と略表記)を溶融押出して30℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で4.5倍に延伸したN66モノフィラメント(直径0.203mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.220mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[実施例5]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が48.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製Pazet GK−40、以下ZnOと略表記)10.0重量%と純水15.0重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には6/66ナイロン共重合体(東レ製M6151、以下N6/66と略表記)を溶融押出して30℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で6倍に延伸したN6/66モノフィラメント(直径0.202mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.219mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[実施例6]
ポリエステル共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 9E Suspension)75.0重量%と比表面積が48.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製Pazet GK−40、以下ZnOと略表記)7.5重量%と純水17.5重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層にはポリエチレンテレフタレート(東レ製T701T、以下PETと略表記)を溶融押出して70℃の水で冷却固化した後、180℃の熱風浴中で5倍に延伸したPETモノフィラメント(直径0.427mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.477mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[比較例1]
6.7×10−2Pa以下の減圧下、150℃で8時間乾燥したPET80重量%とZnO20重量%とを混合した後、ベントを有する径37mm、L/D=38.9、同方向回転完全噛合型の2軸混練押出機(東芝機械社製TEM35B)に供給し、混練・押出・冷却・カッティングを行って、導電性PET樹脂組成物を得た。この樹脂を減圧下、130℃で10時間乾燥し、導電性合成繊維の形成に使用した。
PET樹脂と、上記で調整した導電性PET樹脂組成物とを、10:1の重量比で混合し、エクストルーダーで溶融押出して70℃の温水で冷却・固化した後、180℃の熱風浴中で5倍に延伸することにより、直径0.480mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が2.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製23−Kを分級、以下ZnOと略表記)7.5重量%と純水17.5重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には6ナイロン樹脂(東レ製M1021T、以下N6と略表記)を溶融押出して20℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で5倍に延伸したN6モノフィラメント(直径0.197mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.219mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
[比較例3]
ポリアミド共重合体が40重量%分散した水系懸濁液(エムスケミー・ジャパン製 Griltex 2A Suspension)75.0重量%と比表面積が80.0m/gの導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製Pazet GK−40を分級、以下ZnOと略表記)5.3重量%と純水19.7重量%を加え、十分に攪拌して導電性被覆材料を調整した。
芯層には6ナイロン樹脂(東レ製M1021T、以下N6と略表記)を溶融押出して20℃の水で冷却固化した後、80℃の温水浴および120℃の熱風浴中で5倍に延伸したN6モノフィラメント(直径0.197mm)を使用した。
芯層の全表面に上記導電性被覆材料をディップ方式により塗布し、160℃の熱風浴にて乾燥・固化することにより、直径0.218mmの導電性合成繊維を得た。その物性測定結果を表1に示す。
Figure 0005668228
表1の結果から明らかのように、本発明に導電性合成繊維(実施例1〜6)は、導電性酸化亜鉛を練り込んで延伸した導電性合成繊維(比較例1)、および導電性酸化亜鉛の比表面積が本発明の条件を満たさない導電性合成繊維(比較例1および2)に比較して、導電性、線径均一性が優れるものである。
すなわち、本発明の導電性合成繊維は、体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以下という優れた導電性を発揮する。また、導電性の被覆層が芯層に薄く塗布されるため、線径斑が5%以下という優れた線径均一性を有し、かつ導電性酸化亜鉛を使用することで、透明および/もしくは白色を呈する特徴を兼備したものとなる。
[実施例7および比較例4]
布帛の例として、実施例2および比較例2で得られた各導電性合成繊維を、4本中1本の割合で緯糸の一部に使用して平織りの織物を作成した。それぞれの織物をドライヤーベルトとして走行中の静電電位を測定した結果、実施例2の導電性合成繊維を使用した織物(実施例7)の静電電位は18.2kVと優れていたのに対し、比較例2の導電性合成繊維を使用した織物(比較例4)の静電電位は77kVと劣っていた。
[実施例8および比較例5]
ブラシの例として、実施例2および比較例2で得られた導電性合成繊維を、手動式植毛機を使用して耐熱性ABS樹脂製本体(柄)の直径0.6mmの穴部に4本中2本の割合で植毛した。それぞれのブラシについて、各20回のブラッシングを行った場合の静電電位を評価した結果、実施例2の導電性合成繊維を使用したブラシ(実施例8)の静電電位は3.3kVと優れていたのに対し、比較例2の導電性合成繊維を使用したブラシ(比較例5)の静電電位は30.1kVと劣るものであった。
本発明によれば、導電性に優れ、かつ透明性および/もしくは白色の導電性合成繊維を得ることができるため、布帛やブラシに用いた場合には極めて優れた効果を期待できる。

Claims (9)

  1. 延伸された熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントからなる芯層の周囲に、比表面積が3〜60m/gの導電性酸化亜鉛を含有する熱可塑性樹脂からなる被覆層が形成されていることを特徴とする導電性合成繊維。
  2. フィラメントの抵抗値(Ω)×フィラメントの断面積(cm)/抵抗値測定時の電極間距離(cm)で表される体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性合成繊維。
  3. 前記被覆層が、導電性酸化亜鉛5〜30重量%と熱可塑性樹脂95〜70重量%との混合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性合成繊維。
  4. 前記被覆層が、導電性合成繊維の全断面積に対して占める割合が3〜50%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性合成繊維。
  5. 前記被覆層を形成する熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリアミド、フッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性合成繊維。
  6. 前記被覆層を形成する導電性酸化亜鉛が、3価の金属元素の少なくとも1種を添加した導電性酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性合成繊維。
  7. 延伸された熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントの周囲に、熱可塑性樹脂モノフィラメントまたはマルチフィラメントを構成するポリマーと同種の熱可塑性樹脂と比表面積が3〜60m/gの導電性酸化亜鉛とを含有する水分散型樹脂を塗布し、次いで熱処理することにより、前記導電性酸化亜鉛と熱可塑性樹脂とからなる被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性合成繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性合成繊維を経糸および/また緯糸の少なくとも一部に使用した布帛。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性合成繊維を少なくとも一部に使用したブラシ。
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