JP2017075383A - アルミニウム部材及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム部材及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017075383A JP2017075383A JP2015204819A JP2015204819A JP2017075383A JP 2017075383 A JP2017075383 A JP 2017075383A JP 2015204819 A JP2015204819 A JP 2015204819A JP 2015204819 A JP2015204819 A JP 2015204819A JP 2017075383 A JP2017075383 A JP 2017075383A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- barrier layer
- base material
- porous
- aluminum member
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
Description
該母材の表面上に形成された陽極酸化皮膜とを有しており、
該陽極酸化皮膜は、
上記母材上に形成された厚さ300〜800nmのバリア層と、
該バリア層上に形成され、多数の孔を有する厚さ10〜100μmの多孔質層とを有している、アルミニウム部材にある。
到達電圧を100〜300Vに制御したポーラス型陽極酸化処理を上記母材に施すことにより、上記母材の表面上に、バリア層と、該バリア層上に形成された厚さ10〜100μmの多孔質層とからなる陽極酸化皮膜を形成し、
次いで、到達電圧を200〜500Vに制御したバリア型陽極酸化処理を上記母材に施すことにより、上記バリア層の厚みを300〜800nmまで厚くする、アルミニウム部材の製造方法にある。
例えば図2に示すように、陽極酸化皮膜3の厚み方向における全体が視野に入るようにして、陽極酸化皮膜3の断面をSEMにより観察した。得られたSEM像に基づいて、1視野あたりの多孔質層32の厚みの平均を算出し、この値を多孔質層32の厚みとして表3及び表4に記載した。
・バリア層31の厚み
例えば図3に示すように、バリア層31の厚み方向における全体が視野に入るようにして、陽極酸化皮膜3の断面をSEMにより観察した。得られたSEM像に基づいて、個々の孔321の底からバリア層31と母材2との界面311の底部までの厚さt(図1参照)を計測した。1視野あたりの厚さtの平均をバリア層31の厚みとして表3及び表4に記載した。
多孔質層32の厚みの測定に用いたSEM像において、1視野中に枝分かれを有する孔321が30%以上確認された場合には枝分かれ有りと判定し、表3及び表4の「孔の枝分かれ」の欄にAの記号を記載した。また、1視野中の枝分かれを有する孔321が30%未満であった場合には、枝分かれ無しと判定し、表3及び表4の「孔の枝分かれ」の欄にBの記号を記載した。
バリア層31の厚みの測定に用いたSEM像において、個々の孔321の幅w(図1参照)を計測した。そして、1視野あたりに存在する孔321の幅wの平均を孔321の平均径waveとして表3及び表4に記載した。
また、上記SEM像において、孔321の間隔d(図1参照)を計測した。そして、1視野あたりの間隔dの平均を孔321の平均間隔daveとして表3及び表4に記載した。
バリア層31の厚みの測定に用いたSEM像において、バリア層31と母材2との界面311の底部313を結ぶ直線Lを基準とし、この基準から界面311の各頂部312までの距離h(図1参照)を計測した。そして、1視野あたりの距離hの平均を高さの差haveとして表3及び表4に記載した。
試験体C6は、ポーラス型陽極酸化処理における到達電圧が高かったため、孔の平均径及び平均間隔が上記特定の範囲よりも大きくなった。それ故、試験体C6の白色度は、試験体E1〜E32に比べて低かった。
試験体C8は、バリア型陽極酸化処理における到達電圧が高かったため、処理中に火花放電が発生した。その結果、試験体C8の白色度は、試験体E1〜E32に比べて低かった。
2 母材
3 陽極酸化皮膜
31 バリア層
32 多孔質層
321 孔
Claims (10)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる母材と、
該母材の表面上に形成された陽極酸化皮膜とを有しており、
該陽極酸化皮膜は、
上記母材上に形成された厚さ300〜800nmのバリア層と、
該バリア層上に形成され、多数の孔を有する厚さ10〜100μmの多孔質層とを有している、アルミニウム部材。 - 上記孔の平均径は150〜450nmであり、かつ、隣り合う上記孔の平均間隔は250〜750nmである、請求項1に記載のアルミニウム部材。
- 上記孔は、少なくとも上記バリア層の近傍において枝分かれしている、請求項1または2に記載のアルミニウム部材。
- 上記バリア層と上記母材との界面における、頂部と底部との高さの差が100nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム部材。
- 上記アルミニウム部材は、ASTM E313−73の規定による白色度が60以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム部材。
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材を準備し、
到達電圧を100〜300Vに制御したポーラス型陽極酸化処理を上記母材に施すことにより、上記母材の表面上に、バリア層と、該バリア層上に形成された厚さ10〜100μmの多孔質層とからなる陽極酸化皮膜を形成し、
次いで、到達電圧を200〜500Vに制御したバリア型陽極酸化処理を上記母材に施すことにより、上記バリア層の厚みを300〜800nmまで厚くする、アルミニウム部材の製造方法。 - 上記ポーラス型陽極酸化処理を、リン酸、リン酸塩、シュウ酸、シュウ酸塩、クロム酸、クロム酸塩、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の電解質の水溶液中で行う、請求項6に記載のアルミニウム部材の製造方法。
- 上記ポーラス型陽極酸化処理を、電解質濃度が0.01〜0.1mol・dm-3の浴中で行う、請求項6または7に記載のアルミニウム部材の製造方法。
- 上記バリア型陽極酸化処理を、ホウ酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、シュウ酸チタン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、シュウ酸ナトリウム及び酒石酸アンモニウムからなる群より選ばれるいずれか1種または2種以上の電解質の水溶液中で行う、請求項6〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム部材の製造方法。
- 上記母材に電解研磨処理を行った後に、上記ポーラス型陽極酸化処理を行う、請求項6〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015204819A JP6604703B2 (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015204819A JP6604703B2 (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017075383A true JP2017075383A (ja) | 2017-04-20 |
JP6604703B2 JP6604703B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=58551031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015204819A Active JP6604703B2 (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6604703B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6474878B1 (ja) * | 2017-11-28 | 2019-02-27 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
WO2020026719A1 (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-06 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
JP2020084307A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
CN111610353A (zh) * | 2019-02-26 | 2020-09-01 | 普因特工程有限公司 | 用于探针卡的引导板及包括其的探针卡 |
CN113348270A (zh) * | 2019-01-23 | 2021-09-03 | 株式会社Uacj | 铝部件及其制造方法 |
WO2022085548A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
WO2023008926A1 (ko) * | 2021-07-28 | 2023-02-02 | 삼성전자 주식회사 | 아노다이징이 가능한 알루미늄 외장재 제조 방법 및 이를 포함하는 전자 장치 |
WO2023203910A1 (ja) * | 2022-04-18 | 2023-10-26 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6335795A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Showa Alum Corp | アルミニウム合金材の白色陽極酸化皮膜形成方法 |
JPH06506985A (ja) * | 1991-05-07 | 1994-08-04 | アルキャン・インターナショナル・リミテッド | 着色パターンを示すアノード膜を製造するための方法及びその膜を組み入れた構造 |
JP2006322067A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-30 | Fujifilm Holdings Corp | 構造体の製造方法 |
JP2008223073A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Osaka Industrial Promotion Organization | 多孔質ナノ構造体及びその製造方法 |
JP2009263748A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Fujifilm Corp | 微細構造体およびその製造方法 |
US20150090597A1 (en) * | 2013-09-27 | 2015-04-02 | Apple Inc. | Methods for forming white anodized films by forming branched pore structures |
JP2015526590A (ja) * | 2012-06-22 | 2015-09-10 | アップル インコーポレイテッド | 白色様陽極酸化膜及びその形成方法 |
JP3211272U (ja) * | 2014-06-23 | 2017-07-06 | アップル インコーポレイテッド | 多孔性酸化厚膜の干渉着色 |
-
2015
- 2015-10-16 JP JP2015204819A patent/JP6604703B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6335795A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Showa Alum Corp | アルミニウム合金材の白色陽極酸化皮膜形成方法 |
JPH06506985A (ja) * | 1991-05-07 | 1994-08-04 | アルキャン・インターナショナル・リミテッド | 着色パターンを示すアノード膜を製造するための方法及びその膜を組み入れた構造 |
JP2006322067A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-30 | Fujifilm Holdings Corp | 構造体の製造方法 |
JP2008223073A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Osaka Industrial Promotion Organization | 多孔質ナノ構造体及びその製造方法 |
JP2009263748A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Fujifilm Corp | 微細構造体およびその製造方法 |
JP2015526590A (ja) * | 2012-06-22 | 2015-09-10 | アップル インコーポレイテッド | 白色様陽極酸化膜及びその形成方法 |
US20150090597A1 (en) * | 2013-09-27 | 2015-04-02 | Apple Inc. | Methods for forming white anodized films by forming branched pore structures |
JP2016537513A (ja) * | 2013-09-27 | 2016-12-01 | アップル インコーポレイテッド | 分枝状細孔構造体の形成により白色の陽極酸化膜を形成する方法 |
JP3211272U (ja) * | 2014-06-23 | 2017-07-06 | アップル インコーポレイテッド | 多孔性酸化厚膜の干渉着色 |
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190062210A (ko) * | 2017-11-28 | 2019-06-05 | 가부시키가이샤 유에이씨제이 | 알루미늄 부재 및 그 제조 방법 |
JP2019094553A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-06-20 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
KR102118169B1 (ko) * | 2017-11-28 | 2020-06-02 | 가부시키가이샤 유에이씨제이 | 알루미늄 부재 및 그 제조 방법 |
JP6474878B1 (ja) * | 2017-11-28 | 2019-02-27 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
US10844506B2 (en) | 2017-11-28 | 2020-11-24 | Uacj Corporation | Aluminum member and method of manufacturing the same |
US11549190B2 (en) | 2018-07-31 | 2023-01-10 | Uacj Corporation | Aluminum member and method of manufacturing aluminum member |
WO2020026719A1 (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-06 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
JP2020019987A (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-06 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
JP2020084307A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
WO2020110903A1 (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社Uacj | アルミニウム部材及びその製造方法 |
CN113195797A (zh) * | 2018-11-30 | 2021-07-30 | 株式会社Uacj | 铝构件及其制造方法 |
CN113348270A (zh) * | 2019-01-23 | 2021-09-03 | 株式会社Uacj | 铝部件及其制造方法 |
CN111610353A (zh) * | 2019-02-26 | 2020-09-01 | 普因特工程有限公司 | 用于探针卡的引导板及包括其的探针卡 |
US11193955B2 (en) * | 2019-02-26 | 2021-12-07 | Point Engineering Co., Ltd. | Guide plate for probe card and probe card having same |
WO2022085548A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
JP2022069083A (ja) * | 2020-10-23 | 2022-05-11 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
JP7435405B2 (ja) | 2020-10-23 | 2024-02-21 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
WO2023008926A1 (ko) * | 2021-07-28 | 2023-02-02 | 삼성전자 주식회사 | 아노다이징이 가능한 알루미늄 외장재 제조 방법 및 이를 포함하는 전자 장치 |
WO2023203910A1 (ja) * | 2022-04-18 | 2023-10-26 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム部材及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6604703B2 (ja) | 2019-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6604703B2 (ja) | アルミニウム部材及びその製造方法 | |
US11932956B2 (en) | Aluminum member and method of manufacturing the same | |
US12018396B2 (en) | Method to apply color coatings on alloys | |
US20210285120A1 (en) | Aluminum member and method of manufacturing aluminum member | |
JP2017122267A (ja) | 白色アルミニウム材及びその製造方法 | |
US10844506B2 (en) | Aluminum member and method of manufacturing the same | |
WO2022009606A1 (ja) | アルミニウム部材及びその製造方法 | |
JP6584604B1 (ja) | アルミニウム部材及びその製造方法 | |
TW201621095A (zh) | 鋁合金件陽極氧化及表面處理方法,及其陽極氧化處理液 | |
JP2015129706A (ja) | 微細凹凸構造を表面に有する物品の検査装置および検査方法、並びに微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法 | |
CN110117809B (zh) | 氧化膜制备方法 | |
WO2019163466A1 (ja) | アルミニウム積層体およびその製造方法 | |
JP7571041B2 (ja) | 多孔質金属体、照明装飾具、照明機器及び、多孔質金属体の製造方法 | |
KR20170129652A (ko) | 알루미늄 소재의 표면처리방법 | |
JP2023106241A (ja) | 白色アルミニウム部材及びその製造方法 | |
TWI441949B (zh) | 鋁合金表面干涉膜的形成方法及其結構 | |
CN111663165A (zh) | 一种基于磷酸体系的工业纯钛二次阳极氧化的方法 | |
TW202321474A (zh) | 鋁構件及其製造方法 | |
TW201422849A (zh) | 耐高溫且高吸收力之金屬表面鍍膜方法 | |
JP2008163434A (ja) | 表面処理アルミニウム材料の製造方法および表面処理アルミニウム材料の製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20151116 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180611 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190319 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190409 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191001 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6604703 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |