JP3211272U - 多孔性酸化厚膜の干渉着色 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光の干渉効果による色を有する多孔性金属酸化層を備える部品を提供する。【解決手段】干渉着色処理を受ける部品200の断面において、金属基板204の一部分が多孔性金属酸化層202に変換されている。陽極酸化処理或いは熱処理を使用して多孔性金属酸化層202が形成される。多孔性金属酸化層202は、陽極酸化処理中に内部に形成される細孔206を有する。基板204は、アルミニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数を含む任意の適切な陽極酸化可能な材料で作ることができる。【選択図】図2B

Description

この開示は、概して、金属酸化膜及び金属酸化膜を形成するための方法に関するものである。特に、着色金属酸化膜を作成するための方法について記述する。
アルミニウム材料は、広範な異なる特性を有する多数の異なる合金として入手可能である。特に、異なるアルミニウム合金は、異なる密度、引張強度、ハーネス、腐食抵抗性及び異なる用途に適した他の物理特性を有することができる。例えば、2000系アルミニウム合金は、一般に、良好な比強度及び良好な機械加工性を有し、したがって、リベット及びファスナ、又はアルミニウム製航空機の支持構造を形成するためにしばしば使用される。6000系アルミニウム合金は、一般に、良好な腐食抵抗性を有し、多くの工業市販製品で使用される。
アルミニウム合金は、合金の種類に応じて、アルミニウム以外の多数の異なる元素を異なる量で含む。アルミニウム以外の典型的な元素としては、鉄、銅、マンガン、クロム、ケイ素及び他の元素が挙げられる。アルミニウム以外のこれらの元素は、アルミニウム合金の異なる物理特性に寄与する。アルミニウム以外の元素は、異なるアルミニウム合金の、色などの異なる見た目の品質にも寄与し得る。色が異なることによって、異なるアルミニウム合金部品の色を整合させたり、アルミニウム部品の、異なるアルミニウム合金部分を有する異なる部分の色を整合させたりすることが困難となる。
この書面では、薄膜干渉効果による色を有するものとして特徴付けられる多孔性金属酸化膜を形成する方法に関する種々の実施形態について記述する。着色多孔性金属酸化膜を提供するのに加えて、方法は、異なる金属又は金属合金で作られた金属部分を色整合させるために使用することができる。
一実施形態によれば、基板に着色コーティングを形成する方法が記述される。方法は、基板の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、多孔性金属酸化層が、対応する細孔終端を伴う多数の細孔を有する多孔性部分と、細孔終端及び下層金属表面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分とを含む、ことを含む。方法は、非多孔性バリア層部分の厚さを最終厚さまで増加させることであって、その厚さが、多孔性金属酸化層に入射する可視光波を細孔終端の少なくとも一部分及び下層金属表面で反射させ、互いに干渉させ、多孔性金属酸化層に色を与える新たな可視光波として多孔性金属酸化層から出現させるのに十分である、ことも含む。
別の実施形態によれば、部品が記述される。部品は、金属表面を有する金属基板を含む。部品は、金属表面に配された多孔性金属酸化層も含む。多孔性金属酸化層は、対応する細孔終端を伴う多数の細孔を有する多孔性部分を含む。多孔性金属酸化層は、細孔終端及び金属表面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分も含む。その厚さは、多孔性金属酸化層に入射する可視光波を細孔終端の少なくとも一部分及び金属表面で反射させ、互いに干渉させ、多孔性金属酸化層に色を与える新たな可視光波として多孔性金属酸化層から出現させるのに十分である。
追加の実施形態によれば、第1の種類の金属合金と第2の種類の金属合金とを色整合させる方法が記述される。方法は、第1の種類の金属合金の陽極酸化面の目標色を計測することを含む。方法は、第1の種類の金属合金とは異なる第2の種類の金属合金の陽極酸化面の対象色を計測することも含む。方法は、加えて、目標色と対象色の間の色差を求めることを含む。方法は、色差に基づいて、第2の種類の金属合金で作られた部品に金属酸化層を形成することを更に含む。金属酸化層は、多孔性部分と、多孔性部分の多数の細孔終端及び下層金属表面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分とを有する。非多孔性バリア層部分の厚さは、金属酸化層に入射する可視光波を細孔終端の少なくとも一部分及び下層金属表面で反射させ、互いに干渉させ、目標色に実質的に整合する最終色を金属酸化層に与える新たな可視光波として金属酸化層から出現させるのに十分である。
これらの実施形態及び他の実施形態について、以下でより詳細に記述する。
本開示は、同じ参照数字が同じ構造要素を示す添付の図面とともに、以下の詳細な説明により容易に理解されるであろう。
薄膜干渉を示す、異なる厚さの金属酸化層を有する部品の断面図である。 薄膜干渉を示す、異なる厚さの金属酸化層を有する部品の断面図である。
記述する実施形態による干渉着色処理を受ける部品の断面図である。 記述する実施形態による干渉着色処理を受ける部品の断面図である。
記述する実施形態による細孔改良処理を含む干渉着色処理を受ける部品の断面図である。 記述する実施形態による細孔改良処理を含む干渉着色処理を受ける部品の断面図である。 記述する実施形態による細孔改良処理を含む干渉着色処理を受ける部品の断面図である。
図2A〜図2B及び図3A〜図3Cによる干渉着色多孔性金属酸化層を基板に形成するための処理を示すフローチャートである。
アルミニウム合金基板から形成された干渉着色多孔性アルミニウム酸化層のa*及びb*反対色次元値に印加電圧がどのような影響を及ぼし得るかを示すL*a*b*色空間グラフである。 アルミニウム合金基板から形成された干渉着色多孔性アルミニウム酸化層のa*及びb*反対色次元値に印加電圧がどのような影響を及ぼし得るかを示すL*a*b*色空間グラフである。
アルミニウム合金基板から形成された干渉着色多孔性アルミニウム酸化層のa*及びb*反対色次元値に、印加電圧がどのような影響を及ぼし得るかを示す別のL*a*b*色空間グラフである。
第1の種類の基板の陽極酸化面と第2の種類の基板の陽極酸化面とを色整合させるための処理を示すフローチャートである。
添付の図面に図示する代表的な実施形態が詳細に参照される。以下の説明は、実施形態を1つの好適な実施形態に限定することを意図していないことを理解されたい。対照的に、以下の説明は、添付の請求項により規定されるような、記述する実施形態の趣旨及び範囲に含まれ得る代替、修正及び均等物を網羅することを意図している。
以下の開示は、金属酸化層及び金属酸化層を形成するための方法に関する。本明細書において用語「金属酸化層」及び「金属酸化膜」は、相互に交換可能に使用され、厚さを有する金属酸化物材料を概ね意味することに留意されたい。方法は、多孔性金属酸化層の非多孔性部分(時には、「バリア層」と称する)の厚さを調節することによって、多孔性金属酸化層の知覚される色を変更することを含む。多孔性金属酸化層は、非多孔性バリア層部分の上に配され、同バリア層部分を引っ掻き及び摩耗から保護する、可視光に対して実質的に透過性又は半透過性である、多孔性部分も含む。多孔性部分は、非多孔性バリア層部分に近接して対応する細孔終端を有する多数の細孔を含む。このようにして、一側では多孔性部分の一連の細孔終端により、また別の側では下層金属表面により境界を定められた厚さを有する、非多孔性バリア層部分を規定することができる。非多孔性バリア層部分の特定の厚さによって、多孔性金属酸化層に色を与える方法で入射光に細孔終端及び下層金属表面と相互作用させることができる。特に、入射可視光波は、多孔性金属酸化層に入り、それらの一部は、細孔終端の少なくとも一部分及び下層金属表面で反射し、強め合う及び弱め合うように互いに干渉し、多孔性金属酸化層に色の外観を与える波長を有して多孔性金属酸化層から出て来る。
入射可視光波の間での強め合う干渉及び弱め合う干渉の度合は、反射光波の位相差に依存する。強め合う干渉及び弱め合う干渉の度合が異なることによって、異なる色が生成される。干渉の度合の差は、非多孔性バリア層部分の厚さに部分的に依存する。本明細書に記述する方法を使用して、非多孔性バリア層の厚さを調節し、それにより多孔性金属酸化層の色を調整することができる。例えば、方法を使用して、多孔性金属酸化層に黄、マゼンタ、緑、青及びそれらの混色などの色をもたらすことができる。幾つかの場合、色は、僅かな色相を多孔性金属酸化層にもたらす。多孔性金属酸化層は、下層金属基板を見ることができ、着色された金属的な外見をもたらすように、部分的に半透明とすることもできる。
本明細書に記述する方法を使用して僅かな色相を金属表面にもたらすことができるので、これらの方法を使用して、僅かに異なる色を有する異なる部品を色整合させることができる。特定の実施形態では、記述する方法は、異なる金属で作られた部品の部分を色整合させるために、又は異なる金属で作られた金属部品を色整合させるために使用される。例えば、幾つかの用途では、構造的強度、可鍛性又は見た目の外観のために、第2の種類の合金に代えて第1の種類の合金を使用することが有利となる場合がある。しかし、合金の組成に応じて、第1の種類の合金の仕上げ色は、第2の種類の合金の仕上げ色とは異なる場合がある。例えば、銅を多く含む(銅リッチな)アルミニウム合金の金属酸化物は、銅を多く含まない(銅リーンな)アルミニウム合金の金属酸化物の色と比べて、僅かに黄色い色相を有する場合がある。幾つかの実施形態によれば、銅リッチなアルミニウム合金は、一部の6000系アルミニウム合金に相当することができ、銅リーンなアルミニウム合金は、一部の7000系アルミニウム合金に相当することができる。この視認可能な差は、僅かな場合でも、銅リッチなアルミニウム合金の部品を銅リーンなアルミニウム合金の部品から視覚的に識別可能にする場合があり、このことは、部品が視覚的に整合すべき製品ラインでは望ましくない場合がある。本明細書に記述する方法を使用して、第1の種類の合金が、著しく異なる合金組成(例えば銅リーンなアルミニウム合金)から成る第2の種類のアルミニウム合金と色整合するように、第1の種類の合金(例えば、銅リッチなアルミニウム合金)の金属酸化物に色をもたらすことができる。記述する方法は、著しく異なる組成を有する任意の種類の金属又は金属合金で作られた部品を色整合させるために適用することができ、異なる合金系に分類される合金を整合させることのみに限定されないことに留意されたい。例えば、方法は、視認可能な色差を有するように銅又は他の元素の含有量が著しく異なるが、6000又は7000系の品目に属する、組成的に異なる2つの合金を色整合させるために使用することもできる。
本明細書に記述する方法は、見た目をアピールする表面仕上げを消費者製品にもたらすのに良く適している。例えば、本明細書に記述する方法を使用して、カリフォルニア州クパティーノを拠点とするApple Inc.により製造されるようなコンピュータ、携帯型電子デバイス及び電子デバイスアクセサリ用のハウジングの、耐久性があり見た目でアピールする仕上げを形成することができる。
これらの実施形態及び他の実施形態について、図1〜図7を参照して以下で論じる。しかし、これらの図に関して本明細書で与えられる詳細な説明は、説明を目的とするものにすぎず、限定するものとして解釈すべきではないことが、当業者には容易に理解されるであろう。
透明又は部分的に透明な材料から成る薄層の外観は、入射光波が薄層の境界面により反射されるときに生じる薄膜干渉として知られる現象による影響を受ける場合がある。特に、薄膜干渉によって、薄層を着色されているように見せることができる。図1A及び図1Bは、薄膜干渉を示す、異なる厚さの金属酸化層を有する2つの部品の断面図を示す。図1Aは、金属基板104の変換部分に相当する金属酸化層102を含む部品100を示す。金属酸化層102は、可視光に対して少なくとも部分的に透過性であり、概ね数十又は数百ナノメートル程度の範囲の厚さ110を有する。したがって、金属酸化層102は、薄膜干渉を生じさせるのに適した厚さを有する。金属酸化層102は、例えば、アルミニウム酸化層又はチタン酸化層に相当し得る。
金属酸化層102は、部品100の外面に相当する第1の面106と、金属基板104の下層面に相当する第2の面108とを含む。金属酸化層は、入射光112に晒される。入射光112の第1の部分は、第1の面106で反射光114として反射する。入射光112の第2の部分は、第1の面106で金属酸化層102に入り、境界面で屈折し、金属酸化層102を通って進み、終端面108で反射し、媒質の変化により第1の面106で屈折し、金属酸化層102から反射光116として出る。反射光114及び116が異なる経路を取ることによって、反射光114及び116の間で強め合う干渉及び弱め合う干渉が生じる。強め合う干渉及び弱め合う干渉の度合は、反射光の位相差に依存する。位相差は、層102の厚さ110の度合に部分的に依存する。この光干渉は、金属酸化層102の知覚される色として現れることができる。言い換えれば、金属酸化層102に入射する光波112は、光波を互いに干渉させる表面106及び108で反射し、多孔性金属酸化層に色を与える新たな可視光波114及び116として金属酸化層102から出る。厚さ110の度合に加えて、金属酸化層102の知覚される色は、金属酸化層102が作られる材料の種類に部分的に依存する。例えば、アルミニウム酸化層の典型的な色としては、黄、ピンク、緑、青及びそれらのバリエーションを挙げることができる。典型的なチタン酸化層の色としては、金、紫、緑、青、マゼンタ及びそれらのバリエーションを挙げることができる。加えて、アルミニウム酸化層で観察される干渉色は、酸化物の外面からの反射114と比べた場合の金属からの反射116の相対的な強さに起因して、一般に、チタン酸化物で観察される干渉色と比べてより明るい。チタンの干渉着色によって、反射強さが比較的良好に整合し、得られる色が一般に濃くなる。
図1Bは、金属基板124の変換部分に相当する金属酸化層122を含む部品120を示す。金属酸化層120は、部品120の外面に相当する第1の面126と、金属基板124の下層面に相当する第2の面128とを含む。図1Aの金属酸化層102と同じように、金属酸化層122は、可視光に対して少なくとも部分的に透過性であり、概ね数十又は数百ナノメートル程度の範囲の厚さ130を有する。しかし、金属酸化層122は、層102の厚さ110よりも大きな厚さ130を有する。入射光132の第1の部分は、第1の面126で反射光134として反射する。入射光132の第2の部分は、第1の面126で金属酸化層120に入り、境界面で屈折し、金属酸化層120を通って進み、第2の面128で反射し、媒質の変化により第1の面126で屈折し、金属酸化層120から反射光136として出る。上述したように、強め合う干渉及び弱め合う干渉の度合は、金属酸化層の厚さ130の度合に部分的に依存する。よって、金属酸化層102及び120の厚さが異なることによって、金属酸化層102及び120は異なる色を有することができる。
図1A及び図1Bを参照して上述したような干渉着色金属酸化薄層の使用における課題の1つは、金属酸化薄層の厚さが多くの用途の保護コーティングとして機能するのに十分でない場合がある点である。例えば、金属酸化薄層は、引っ掻き抵抗性が低く、摩耗抵抗性が低い場合がある。本明細書に記述する方法は、非多孔性金属酸化薄層の薄膜干渉特性と、多孔性金属酸化物により提供される耐久性とを組み合わせて、着色多孔性金属酸化層を形成する。
多孔性金属酸化層を着色する従来技術には、染色及び電解着色が含まれる。染色は、典型的に、多孔性金属酸化層の細孔に有機系染料などの染料を堆積させることを含み、電解着色は、典型的に、多孔性金属酸化層の細孔内に金属を堆積させることを含む。しかし、これらの着色技術は、欠点を有する場合がある。例えば、染色では、色補正を非常に微妙に制御することが困難である。加えて、染色では、一般に、多孔性酸化物の色の明度(L*)が低下し、これは、染料の存在によって、下層金属基板からの反射の強さが低下し、金属仕上げの明るさが低下するためである。更に、表面すりへりに対する耐久性が制限され、これは、染料が主に多孔性酸化物の最外側領域に吸収され、染色多孔性酸化物が表面すりへり又は摩耗で除去され易くなるためである。その上、多くの染色多孔性酸化物は、紫外(UV)光で劣化する場合がある。電解着色の場合、金属は、一般に、比較的厚く堆積する。よって、金属の堆積によって、入射光の殆どが多孔性金属酸化層内で散乱する傾向にある。よって、一般に、堆積金属の色のオーバートーンと相まって、光の散乱の度合に基づき茶、青銅及び黒などの暗色のみが実現可能である。例えば、堆積金属として銅を使用すると、赤茶色から黒色が生じる傾向にある。
従来の干渉着色技術として記述され得る技術では、金属がやはり細孔内にも堆積されるが、概ね薄いため、光学的な薄膜干渉着色効果が発現する。従来の干渉着色技術では、2つの実効的な反射面は、金属酸化物/アルミニウム境界面と、細孔内の金属堆積物の上部により形成された近似平面とに相当する。電解着色の場合と同様に、細孔内に堆積した金属に対応するオーバートーンが存在する傾向にある。これにより、色の範囲は、下層アルミニウムの色の範囲から外れるように偏り、本明細書に提示する実施形態に記述するような色の微妙な調節及び整合にとって不適切となる。また、電解着色の場合と同様に、一部の光は、散乱し堆積金属により吸収され、色の範囲は、L*値が低い色に限定される。更に、堆積金属の厚さは、本明細書に提示する実施形態に記述する厚化したバリア層の厚さと比べて、一様でなく、制御するのが難しく、従来の干渉着色技術を使用して精確な色を実現することが難しくなる。つまり、厚さが一様ではないことによって、鈍い色を有する金属酸化物が生じる。その上、従来の干渉着色技術で使用する金属堆積物は、処理中に腐食、酸化及び若干の溶解を受け易く、再び、金属堆積物の厚さ及び一様性を制御したり、信頼性が高く正確な色を繰り返し実現したりすることが難しくなる。
本明細書に記述する方法は、従来の技術とは多くの点で異なる。例えば、本明細書に記述する干渉着色技術によって、染色又は電解着色を伴わずに多孔性金属酸化層に色を与えることができる。よって、干渉効果により生成される色は、一般に、従来技術を使用して生成される色と比べて正確に制御可能であり、それにより、信頼性が高く均一な着色がもたらされる。着色酸化層は、一般に、UV光退色に対する耐性も有し、すりへり又は摩耗による色抜けも受け難い。更に、微妙な色相差を有する着色金属酸化膜を生成することができる。加えて、本明細書に記述する方法を使用して、多孔性金属酸化層の多孔性部分と下層基板との間のバリア層の厚さを調節することができ、それにより、多数の異なる色のうちのいずれかを有する金属酸化層の生成を精確に制御することができる。これらの利点及び他の利点について、本明細書に記述する。
図2A及び図2Bは、記述する実施形態による干渉着色処理を受ける部品200の断面図を示す。図2Aでは、金属基板204の一部分が多孔性金属酸化層202に変換されている。幾つかの実施形態では、陽極酸化処理を使用して多孔性金属酸化層202が形成される。他の実施形態では、熱処理を使用して多孔性金属酸化層202が形成される。多孔性金属酸化層202は、例えば陽極酸化処理中に内部に形成される細孔206を有する。基板204は、アルミニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数を含む任意の適切な陽極酸化可能な材料で作ることができる。幾つかの実施形態では、基板204は、2000、3000、4000、5000、6000又は7000系アルミニウム合金などの適切なアルミニウム合金で作られる。金属酸化層202を形成する前に、基板には、1つ又は複数の艶出し及び/又はテクスチャ化(例えば、ブラスティング及び/又はエッチング)処理を含む多数の適切な表面仕上げ操作のいずれかを施すことができる。幾つかの実施形態では、基板204は、電子デバイス用のハウジング又はハウジングの一部分である。
金属酸化層202を形成するための任意の適切な陽極酸化処理を使用することができる。幾つかの実施形態では、十分な引っ掻き及び摩耗抵抗性を部品200にもたらすのに十分な厚さの金属酸化層202を提供する陽極酸化処理が使用される。特定の実施形態では、硫酸電解浴を使用する陽極酸化処理が使用される。適切なリン酸又はシュウ酸電解浴など他の電解浴を含む陽極酸化処理が使用される。電圧は、DC、AC又はそれらの組合せとすることができる。金属酸化層202は、部品200の外面に相当する第1の面203に入射する可視光に対して少なくとも部分的に透過性である。幾つかの実施形態では、金属酸化層202は、実質的に透明であり、このことは、実質的に全ての入射可視光が金属酸化層202を透過することを意味する。幾つかの実施形態では、透明材料によって、入射可視光の約90%が金属酸化層202を透過する。他の実施形態では、金属酸化層202は、完全に透明ではないが、半透明である。少なくとも一部の入射可視光が金属酸化層202を透過するので、この透過光は、下層基板204に達し、同基板で反射することができる。このことは、下層基板204が金属酸化層202を通して少なくとも部分的に視認可能であることに等しい。つまり、基板204の金属的外観が、金属酸化層202を通して少なくとも部分的に視認可能である。加えて、光沢のある艶出し面又はテクスチャ化面などの任意の表面トポロジーを、金属酸化層202を通して少なくとも部分的に視認可能にすることができる。
多孔性金属酸化層202のバリア層部分208が、陽極酸化処理中に基板204に近接して細孔206の終端で生じる。バリア層部分208は、一般に、多孔性金属酸化層202の稠密で均一な非多孔性領域である。バリア層部分208は、一般に、厚さ210に相当し非常に薄い。バリア層部分208の厚さ210は、陽極酸化処理中に使用される電圧に部分的に依存し得る。幾つかの実施形態では、約30nm〜90nmの厚さ210に対応して、約15ボルト〜30ボルトの範囲の陽極酸化電圧が使用される。厚さ210は、一般に、図1A及び図1Bに関して上述した干渉着色効果を生じさせるには小さすぎる。
図2Bでは、部品200が、バリア層部分208の成長及び厚化を促進する非溶解性陽極酸化処理に晒される。示すように、バリア層部分208は、非溶解性陽極酸化処理に晒す前の厚さ210よりも実質的に大きな厚さ212まで成長している。バリア層部分208の成長は、自己制限処理であり、もって、バリア層部分208が概ね一様に成長するようになっている。非溶解性陽極酸化処理は、一般に、金属酸化層の同時溶解を実質的に伴わない金属酸化層の成長を含む。このことは、図2Aで多孔性金属酸化層202を形成するために使用される陽極酸化処理のような溶解性陽極酸化処理とは対照的である。非溶解性陽極酸化処理は、溶解及び細孔形成を実質的に伴わずに金属酸化成長を促進する電解浴の使用を含むことができる。幾つかの実施形態では、電解浴としては、ホウ酸ナトリウム(NaB・HO)、五ホウ酸アンモニウム、中性のホウ酸(例えば、ホウ酸+四ホウ酸ナトリウム)、希ホウ酸、酒石酸二アンモニウム(例えば、酒石酸添加剤でpH調節された)、硫酸ナトリウム、エチレングリコール又は他の適切な非溶解性陽極酸化剤が挙げられる。特定の実施形態では、ホウ酸ナトリウムを含む電解浴を使用することが好ましい。電解浴の温度及び電流密度は、多数の処理ファクタに応じて変化し得る。特定の実施形態では、電解浴温度は、ほぼ室温であり、電流密度は、約0.2A/dm〜10A/dmの範囲である。バリア層部分208の厚化は、第1の面203に晒される細孔206のシール部分を任意選択的に細孔シール処理する前又は後でも生じ得ることに留意されたい。
バリア層部分208の厚さ212は、非溶解性陽極酸化処理中に電解浴に印加される電圧を調節することにより制御される。幾つかの実施形態では、約40ボルトよりも高い陽極酸化電圧が使用される。幾つかの実施形態では、陽極酸化電圧は、約50ボルト〜120ボルトである。特定の実施形態では、約70〜100ボルトの陽極酸化電圧が使用されて、対応する約175〜250nmの厚さ212を有するバリア層部分208が形成される。これは、青みを帯びた色を金属酸化層202にもたらすのに対応する。別の実施形態では、約120〜150ボルトの陽極酸化電圧が使用されて、約300〜375nmの厚さ212を有するバリア層部分208が形成される。これは、黄色みを帯びた色を金属酸化層202にもたらすのに対応する。別の実施形態では、約200ボルトの陽極酸化電圧が使用されて、約500nmの厚さ212を有するバリア層部分208が形成される。これは、紫色みを帯びたピンク色を金属酸化層202にもたらすのに対応する。図5A〜図5B及び図6を参照して以下で詳細に記述する、本明細書に記述する方法を使用して、金属酸化層の色を精確に調整することができる。
部品200が入射可視光波216に晒されると、入射可視光波216は、細孔終端222の少なくとも一部分及び下層金属表面224で反射し、互いに干渉し、多孔性金属酸化層202に色をもたらす新たな可視光波218及び220として多孔性金属酸化層202から出る。例えば、入射光波216の第1の部分は、多孔性金属酸化層202の第1の面203に入り、細孔終端222(すなわち細孔終端壁)で反射し、多孔性金属酸化層202から反射光波218として出る。入射光波216の一部分は、多孔性金属酸化層202に入り同層から出るときに、多孔性金属酸化層202の第1の面203でも屈折し得るが、簡略化のために示していないことに留意されたい。入射光波216の第2の部分は、多孔性金属酸化層202に第1の面203で入り、多孔性金属酸化層202を通って進み、基板表面224で反射し、多孔性金属酸化層202から反射光波220として出る。第2の部分も、媒質の変化により細孔206の表面222(すなわち、細孔終端壁)及び第1の面203で屈折する場合があることに留意されたい。
光波218及び220が取る経路差によって、反射光波218及び220の間で強め合う干渉及び弱め合う干渉が生じる。強め合う干渉及び弱め合う干渉の度合は、反射光波の位相差に依存し、位相差は、非多孔性バリア層部分208の厚さ212に依存する。強め合う干渉及び弱め合う干渉の量を決定できる他のファクタには、多孔性部分214及び非多孔性バリア層部分208の屈折率が含まれ、程度は低いが入射光波216の入射角が含まれる。この強め合う干渉及び弱め合う干渉は、多孔性金属酸化層202に色の外観として発現する。バリア層部分208の厚さが非溶解性陽極酸化処理中に使用される電圧に依存するので、バリア層部分208の厚化に際して使用される電圧を調整することによって、多孔性金属酸化層202に所定の色を与えることができる。このことについては、図5A〜図5B及び図6に関して以下で詳細に記述する。
幾つかの実施形態では、多孔性金属酸化層202に付与される色は、バリア層部分208の厚化を伴わない多孔性金属酸化層202と比べて比較的微妙である。色の微妙さは、基板204の材料に部分的に依存し得る。例えば、チタン及びチタン合金基板は、一般に、アルミニウム及びアルミニウム合金基板よりもくっきりした色を生成する。このことは、アルミニウム金属の高い反射率に部分的に依るものであり、知覚される色の鮮やかさを低下させることがあり得る。幾つかの実施形態では、アルミニウム及びアルミニウム合金で実現できる微妙な色差によって、図7に関して以下で詳細に記述し、本明細書に記述する方法は、色整合の目的に良く適したものとなる。
多孔性金属酸化層202の多孔性部分214は、バリア層部分208の上方に配置され、それにより、通常使用中に部品200が受け得る引っ掻き及び摩耗からバリア層部分208を保護することに留意されたい。このようにして、多孔性金属酸化層202は、厚化されたバリア層部分208の薄膜干渉効果により生成された特有の色と、多孔性部分214によりもたらされた良好な摩耗/引っ掻き抵抗性とを有するものとして特徴付けられる。
幾つかの実施形態では、干渉着色の量を増やすために多孔性金属酸化層の細孔を改良することができる。図3A〜図3Cは、細孔改良処理を含む干渉着色処理を受ける部品300の断面図を示す。図3Aでは、金属基板304の一部分が、細孔306を有する多孔性金属酸化層302に変換されている。図2Aを参照して上述した適切な陽極酸化処理を含む任意の適切な技術を使用して、多孔性金属酸化層302を形成することができる。細孔306は、平均幅(又は直径)312を有する。基板304は、アルミニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数などの任意の適切な陽極酸化可能な材料で作ることができる。金属酸化層302を形成する前に、1つ又は複数の艶出し及び/又はテクスチャ化(例えば、ブラスティング及び/又はエッチング)処理を含む多数の適切な表面仕上げ操作のうちのいずれかを基板に施すことができる。
金属酸化層302は、部品300の外面に相当する第1の面303に入射する可視光に対して少なくとも部分的に透過性である。多孔性金属酸化層302の形成中、バリア層部分308は、基板304に近接して細孔306の終端で生じ、干渉着色効果を生じさせるには典型的に薄すぎる厚さ310を有する。上述したように、バリア層308の厚さ310は、陽極酸化処理中に使用される電圧に部分的に依存し得る。幾つかの実施形態では、約30nm〜90nmの厚さ210に対応して、約15ボルト〜30ボルトの範囲の陽極酸化電圧が使用される。
図3Bでは、部品300が、細孔306の少なくとも終端部分314を拡張する細孔拡大処理に晒される。幾つかの実施形態では、このことは、約5ボルト〜15ボルトの範囲の電圧を使用して、リン酸を用いた陽極酸化処理に部品300を晒すことを含む。特定の実施形態では、約10ボルトの電圧が使用される。幾つかの実施形態では、細孔拡大処理は、電解条件が異なるが、金属酸化層302を形成するために使用されるのと同じ電解浴で生じる。他の実施形態では、部品300は、金属酸化層302を形成するために使用されるのとは異なる電解浴に移される。細孔拡大陽極酸化処理の処理パラメータは、電解浴の化学的性質及び基板304の種類などの多数のファクタに応じて変化し得る。幾つかの実施形態では、電圧は、約2〜6分間印加される。特定の実施形態では、電圧は約4分間印加される。細孔拡大処理は、細孔306の終端部分314を、細孔拡大処理前の幅312よりも広い平均幅(又は直径)316まで増加させる。
図3Cでは、部品300が、非溶解性陽極酸化処理に晒される前の厚さ310よりも実質的に大きな厚さ318まで、バリア層部分308の成長及び厚化を促進する非溶解性陽極酸化処理に晒されている。この非溶解性陽極酸化処理は、図2Bを参照して上述した非溶解処理と同様とすることができ、ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸アンモニウム、中性のホウ酸、希ホウ酸、酒石酸二アンモニウム、硫酸ナトリウム、エチレングリコール又は他の適切な非溶解剤を含む電解浴を使用することができる。バリア層部分308の厚さ310は、薄膜干渉効果を生じさせるように十分に厚い。例えば、入射光波320の第1の部分は、多孔性金属酸化層302の第1の面303に入り、細孔306の表面323(すなわち細孔終端壁)で反射し、多孔性金属酸化層302から反射光波322として出ることができる。入射光波320の第2の部分は、金属酸化層302に第1の面303で入り、多孔性金属酸化層302を通って進み、基板表面324で反射し、多孔性金属酸化層302から反射光波326として出ることができる。光波322及び326は、強め合い及び弱め合うように干渉し、多孔性金属酸化層302に色を持たせる。多孔性金属酸化層302の多孔性部分328は、バリア層部分308の上方に配置され、通常使用中に部品300が受け得る引っ掻き及び摩耗から同バリア層部分を保護する。
細孔306が拡大されて、平均幅316が細孔拡大前の幅312よりも広くなるので、終端面323の細孔壁は、入射光波320が反射する表面積が大きくなる。このことによって、終端面323で反射される光の量が増え、多孔性金属酸化層302の知覚される色が濃くなる。つまり、細孔306の終端で表面積を増やすことによって、反射光の量を増やし、金属酸化層302の色を濃くすることができる。細孔306の終端の表面積を増やす別の方法は、相対的に大きな細孔直径を有する細孔を作り出す多孔性陽極酸化処理(図3A)を使用することに依るものである。例えば、標準的な硫酸陽極酸化処理は、典型的に、約20nm〜40nmの範囲の平均細孔直径を有する細孔を作り出す一方、リン酸陽極酸化処理は、約300nm〜400nmの範囲の平均細孔直径を有する細孔を作り出すことができる。細孔直径を大きくするほど、細孔の終端での反射表面積を大きくすることができ、それにより、多孔性金属酸化層の色が濃くなる。幾つかの実施形態では、幅広の細孔を作り出すために使用される方法(例えばリン酸陽極酸化)及び細孔拡大処理は、組み合わせて使用される。しかし、陽極酸化処理及び/又は細孔拡大処理を設計するときには、耐久性などのファクタを重視すべきである。例えば、多孔性が高すぎる多孔性金属酸化層は、特定の用途で耐久性が不足する場合がある。
図4は、上述した図2A〜図2B及び図3A〜図3Cにより基板に干渉着色多孔性金属酸化層を形成するための処理を示すフローチャート400を示す。402では、基板の一部が、非多孔性バリア層部分を含む多孔性金属酸化層に変換される。上述したように、基板は、アルミニウム及び/又はチタンなどの1つ又は複数の陽極酸化可能な材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、基板はアルミニウム合金を含む。幾つかの実施形態では、変換には、得られる金属酸化層内に細孔を形成するのに適した任意の陽極酸化処理に基板を晒すことが含まれる。幾つかの実施形態では、陽極酸化処理は、硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用することを含む。多孔性金属酸化層は、可視光に対して少なくとも部分的に透過性であるべきである。幾つかの実施形態では、陽極酸化の前に、基板は、1つ又は複数の艶出し、エッチング及びブラスティング操作などの1つ又は複数の表面仕上げ操作に晒され、陽極酸化処理に晒される仕上げ面を形成する。
404では、多孔性金属酸化層内の細孔は、任意選択的に拡大される。このことは、リン酸又はシュウ酸陽極酸化処理などの細孔拡大陽極酸化処理に多孔性金属酸化層を晒すことにより実現することができる。幾つかの実施形態では、細孔拡大処理は、多孔性金属酸化層を形成するために使用される陽極酸化処理と同じ電解浴で生じる。細孔拡大処理は、印加電圧又は電流密度を高めることにより実現され得る。細孔拡大処理は、細孔の終端面を増加させ、それにより、入射光を反射させるための広い内面を作り出し、非多孔性バリア層の厚化後の多孔性金属酸化層の知覚される色を濃くする(406)。
406では、多孔性金属酸化層の非多孔性バリア層部分の厚さが、最終厚さまで増加される。幾つかの実施形態では、このことは、同部分を非溶解性陽極酸化処理に晒すことを含み、それにより、細孔の形成を実質的に伴わずに非多孔性バリア層部分の成長が促進される。幾つかの実施形態では、非溶解性陽極酸化処理は、ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸アンモニウム、中性のホウ酸、希ホウ酸、酒石酸二アンモニウム、硫酸ナトリウム、エチレングリコール又は他の適切な非溶解性陽極酸化剤などを含む電解浴などの非溶解性電解浴の使用を含む。
非多孔性バリア層部分の最終厚さは、非多孔性バリア層部分が、多孔性金属酸化層に入射する可視光の薄膜干渉を生じさせるのに十分である。つまり、多孔性金属酸化層の露出面に入射する可視光波は、細孔終端の少なくとも一部分及び下層金属表面で反射し、互いに干渉し、多孔性金属酸化層に色を与える新たな可視光波として多孔性金属酸化層から出る。細孔拡大処理(404)を使用する場合、得られる色は、拡大された細孔終端壁により提供される広い反射面の存在により濃くされ得る。
上述したように、多孔性金属酸化層のバリア層部分の厚さを調整することによって、多孔性金属酸化層の色を制御することができる。更に、バリア層部分の厚さは、非溶解性陽極酸化処理中に印加される電圧に直接関連する。図5A及び図5Bは、アルミニウム合金基板から形成された干渉着色多孔性アルミニウム酸化層のL*a*b*色空間(又はCIELAB)において、印加電圧がa*及びb*の反対色次元値にどのような影響を及ぼし得るかを示すグラフを示す。一般に、L*a*b*色空間は、反対色によって、対象の色をプロットするために使用されるモデルである。L*は明度の量に相当し、a*は緑及びマゼンタの量に相当し、b*青及び黄の量に相当する。負のa*値は緑色を示す一方、正のa*値はマゼンタ色を示す。負のb*値は青色を示し、正のb*値は黄色を示す。
図5Aは、60ボルト〜110ボルトの範囲の印加電圧に応じて、a*値及びb*値がどのように変化するかを示すL*a*b*色空間グラフを示す。示すように、a*値は、60ボルト〜110ボルトの範囲の印加電圧を使用することにより約0〜約−1.3の範囲に及び、緑色の種々の量に対応する。電圧を60ボルトから約100ボルトまで高めることによって、緑色の量が増える。約100ボルトから約110ボルトまでは、緑の量が僅かに減る。b*値は、60ボルト〜110ボルトの範囲の印加電圧を使用することにより約−5.5から約−0.5の範囲に及ぶ。示すように、電圧を約60ボルトから約70ボルトに高めることによって、青色の量が増える。約70ボルトから約110ボルトまでは、青の量が減り、黄の量が増える。
図5Bは、150ボルト〜200ボルトの範囲の印加電圧に応じて、a*値及びb*値がどのように変化するかを示すL*a*b*色空間グラフを示す。示すように、a*値は、150ボルト〜200ボルトの範囲の印加電圧を使用することにより約0〜約4.2の範囲に及び、種々の量のマゼンタ色に対応する。150ボルトから約190ボルトまでは、マゼンタの量が増え、次いで、約190ボルトから約200ボルトまでは、マゼンタの量が僅かに減る。b*値は、150ボルト〜200ボルトの範囲の印加電圧を使用することにより約9から約−8の範囲に及ぶ。示すように、電圧を150ボルトから200ボルトまで高めることによって、黄の量が大きく減り、青の量が増える。
よって、非溶解性陽極酸化処理中に使用される印加電圧を選ぶことによって、緑(負のa*)、マゼンタ(正のa*)、青(負のb*)及び黄(正のb*)の種々の混色を有する多孔性金属酸化膜を精確に制御することができる。図5A及び図5Bでは、60ボルト〜110ボルト及び150ボルト〜200ボルトの電圧範囲において、a*値と比べて、b*値が印加電圧の量に対して強い関係を有することに留意されたい。よって、これらの範囲の電圧変化によって、緑とマゼンタの間の色シフトと比べて、青と黄の間の色シフトの量が大きくなる。
図6は、アルミニウム合金基板から形成された干渉着色多孔性アルミニウム酸化層のa*及びb*反対色次元値に印加電圧がどのような影響を及ぼし得るかを示す別のグラフを示す。図6のグラフは、a*値(y軸)に対するb*値(x軸)を示す、L*a*b*色空間グラフを示す。曲線602は、非溶解性陽極酸化処理中に、示すように異なる電圧を使用して形成された多孔性金属酸化層のa*値/b*値を示す。グラフに沿う正のb*方向(右)の移動は、濃い黄色に対応し、負のb*方向(左)の移動は、濃い青色に対応し、正のa*方向(上)の移動は、濃いマゼンタ色に対応し、負のa*方向(下)の移動は、濃い緑色に対応する。このグラフは、約60ボルト〜80ボルトの範囲の印加電圧が、最も純粋な青色に対応し、約150ボルト〜160ボルトの範囲の印加電圧が、最も純粋な黄色に対応し、約170ボルトの印加電圧が最も純粋なマゼンタ色に対応することを示す。
上記したように、本明細書に記述する技術を使用して、異なる材料を色整合させることができる。例えば、異なるアルミニウム合金は、異なる色を有する場合がある。これらの色差は、アルミニウム合金に使用される、銅、鉄又はマグネシウムなどの合金化剤に起因する場合がある。異なるアルミニウム合金に形成された金属酸化層は、異なる合金化剤により異なる色を有する場合もある。例えば、2000系及び6000系アルミニウム合金の殆どは、合金中の銅含有量に主に起因して黄色みを帯びた色を生成し、2000系は、一般に、6000系アルミニウム合金よりも非常に濃い黄色を生成する。対照的に、7000系アルミニウム合金の一部は、6000及び2000系アルミニウム合金と比べて、特に銅含有量が最小である場合に、濃い青のアルミニウムを生成する。これらの色差は、消費者製品ラインに関して見た目でアピールしない効果をもたらす場合がある。例えば、部品の一部分が6000系アルミニウム合金で作られ、別の部分が7000系アルミニウム合金で作られる場合、その色差が、非常に目立つ可能性がある。このことは、金属表面が整合し連続的に見えることが意図される製品では、望ましくない場合がある。同様に、製品ラインの一部品が6000系アルミニウム合金で作られる一方、別の部品が同じ製品ラインにより7000系アルミニウム合金で作られる場合、部品間の色差に気づく可能性がある。このことは、製品ラインの部品の全てが同一に見えることが意図される場合、望ましくない場合がある。
本明細書に記述する方法を使用して、第1の種類の金属基板に形成された第1の多孔性金属酸化層と、第1の種類の金属基板とは異なる第2の種類の金属基板に形成された第2の多孔性金属酸化層とを色整合させることができる。図7は、第1の種類の基板の陽極酸化面と第2の種類の基板の陽極酸化面とを色整合させるための処理を示すフローチャート700を示す。第1及び第2の種類の基板は、アルミニウム及び/又はチタンの異なる合金など、2つの異なる種類の金属合金とすることができる。702では、第1の種類の基板の陽極酸化面の目標色が計測される。目標色は、各基板の両方の多孔性金属酸化層の最終色に相当する。光学計測技術又は目視検査を含む任意の適切な技術を使用することにより目標色を計測することができる。幾つかの実施形態では、この色は、色精度を確保し得る反射率/透過率スペクトル計測値又は比色計計測値を使用して計測され得る。幾つかの実施形態では、計測値は、図5A〜図5B及び図6に関して上述したL*、a*、b*色モデルなどの色空間モデルに変換される。
704では、第2の種類の基板の陽極酸化面の色が計測される。計測は、精確な色整合を確実にするために、702で目標色を計測するために使用された同じ計測技術とすべきである。706では、第2の種類の基板の陽極酸化面と第1の種類の基板の陽極酸化面とを整合させるのに必要とされる色変化が推定される。例えば、第1の種類の基板の陽極酸化面は、青みを帯びた色相(例えば、銅リーンなアルミニウム合金)を有してもよく、第2の種類の基板の陽極酸化面は、黄色みを帯びた色相(例えば、銅リッチなアルミニウム合金)を有してもよい。この場合、第1の種類の基板の陽極酸化面と整合させるために、青色を多く有するように第2の種類の基板の陽極酸化面を調節すべきである。幾つかの実施形態では、必要とされる色調節の量は、各基板表面の反射率/透過率スペクトル計測値を比較することにより推定される。幾つかの実施形態では、各基板表面の色空間モデル(例えば、L*、a*、b*色モデル)が、推定された色種類(青、黄、緑、マゼンタ)及び必要とされる調節の量と比較される。
708では、求められた必要とされる色変化に基づいて、第2の種類の基板に干渉着色金属酸化層が形成される。つまり、干渉着色金属酸化層によって、第2の種類の基板の陽極酸化面の最終色が、第2の種類の基板の陽極酸化面の目標色に整合するように、第2の種類の基板に色が加えられる。例えば、銅リッチなアルミニウム合金基板と整合させるために、黄色みを帯びた色相を有する干渉着色多孔性金属酸化層を銅リーンなアルミニウム合金基板に形成することができる。同じように、銅リーンなアルミニウム合金基板と整合させるために、青みを帯びた色相を有する干渉着色多孔性金属酸化層を銅リッチなアルミニウム合金基板に形成することができる。幾つかの場合、色差は、かなり微妙であり、色相の微妙な変化のみが必要とされることに留意されたい。上述した陽極酸化方法のうちのいずれかを使用して、干渉着色金属酸化層を形成することができる。上述したように、必要とされる色変化を非多孔性バリア層部分中に使用される印加電圧と相関させることによって、干渉着色金属酸化層の色を選ぶことができる。幾つかの実施形態では、上述したように、細孔拡大処理を使用して平均細孔幅を増加させることによってなど、細孔終端からの反射の相対的な強さを高めることによって、加えられる色を濃くすることができる。
710では、第2の種類の基板に形成される干渉着色金属酸化層の最終色が、第2の種類の基板の陽極酸化面の目標色と比較されて、相応に整合するかどうかが判定される。最終色と目標色が整合するかどうかを判定するために使用されるパラメータ及び判定の厳密性は、用途条件に応じて変化する。幾つかの実施形態では、最終色と目標色は、視覚的に実質的に識別不能な場合に相応に整合する。幾つかの実施形態では、最終色と目標色は、相応に同様な反射率及び/又は透過率スペクトル計測値を有する場合に相応に整合する。幾つかの実施形態では、最終色と目標色は、色空間モデル(例えば、L*、a*、b*色モデル)上で同様に特徴付けられる場合に相応に整合する。最終色と目標色が相応に整合しないと判定された場合、別の色変化が706で推定され、続いて、推定された色変化708に基づいて干渉着色金属酸化層が形成される。最終色と目標色が十分に整合すると判定された場合に、処理700が完了する。
前述の説明では、記述する実施形態の完全な理解をもたらすために、説明を目的として特定の専門用語を使用した。しかし、記述する実施形態を実践するために、特定の詳細が必要とされないことが当業者には明らかであろう。よって、本明細書に記述する具体的な実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提示される。これらの説明は、網羅的であることも、又は開示する厳密な形態に実施形態を限定することも、目的としていない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更及び変形が可能であることが当業者には明らかであろう。

Claims (89)

  1. 金属基板に着色コーティングを形成する方法であって、
    前記金属基板の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、前記多孔性金属酸化層が、対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、前記複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分とを含み、前記非多孔性バリア層部分は、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるのに十分なほど厚く、
    光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記着色コーティングがもたらされる、ことを含む方法。
  2. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記金属基板の前記部分を変換することは、
    前記金属基板を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記金属基板の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記金属基板の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記金属基板の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記金属基板の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項4に記載の方法。
  7. 金属基板に着色コーティングを形成する方法であって、
    前記金属基板の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、前記多孔性金属酸化層が、対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、前記複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分とを含む、ことと、
    前記非多孔性バリア層部分の前記厚さを最終厚さまで増加させることであって、前記最終厚さが、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるのに十分であり、
    光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記着色コーティングがもたらされる、ことと、を含む方法。
  8. 前記金属基板の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記金属基板の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項7に記載の方法。
  10. 前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項7に記載の方法。
  11. 前記金属基板の前記部分を変換することは、
    前記金属基板を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことを含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 金属基板に着色コーティングを形成する方法であって、
    前記金属基板の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、前記多孔性金属酸化層が、対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、前記複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分とを含む、ことと、
    前記金属基板を非溶解性電解浴の使用を含む非溶解性陽極酸化処理に晒すことによって、前記非多孔性バリア層部分の前記厚さを増加させることであって、前記非多孔性バリア層の前記厚さは、最終厚さまで増加され、前記最終厚さが、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるのに十分であり、
    光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記着色コーティングがもたらされる、ことと、を含む方法。
  13. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記非溶解性電解浴は、ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸アンモニウム、中性のホウ酸、希ホウ酸、酒石酸二アンモニウム、硫酸ナトリウム及びエチレングリコールのうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項12に記載の方法。
  16. 前記金属基板の前記部分を変換することは、
    前記金属基板を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記金属基板の部分を多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記基板に仕上げ面を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ面は、前記多孔性金属酸化層を通して視認可能である、ことを更に含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記金属基板の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記金属基板の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記金属基板の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属基板を前記金属基板の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が境界面に維持される、ことを更に含む、請求項17に記載の方法。
  20. 金属表面に配された多孔性金属酸化層を備える部品であって、前記多孔性金属酸化層が、
    対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、
    前記複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分であって、前記厚さは、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるのに十分であり、光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、着色コーティングがもたらされる、非多孔性バリア層部分と、
    を備える部品。
  21. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項20に記載の部品。
  22. 前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項20に記載の部品。
  23. 前記金属基板は、第1の種類の金属合金で作られた前記部品の第1のセクションに相当し、前記多孔性金属酸化層は、第1の色を有するものとして特徴付けられ、前記部品は、
    前記第1の種類の金属合金とは異なる第2の種類の金属合金で構成された第2のセクションを更に含み、前記第2のセクションが、前記第1の色に実質的に整合する第2の色を有するものとして特徴付けられる第2の多孔性金属酸化層を含む、請求項20に記載の部品。
  24. 前記境界面は、前記多孔性金属酸化層を通して観察可能である艶出しされた外観を有する、請求項20に記載の部品。
  25. 前記部品は、電子デバイス用又は電子デバイスのアクセサリ用の筐体である、請求項20から24のいずれか一項に記載の部品。
  26. 第1の種類の金属合金で構成され、第1の色を有するものとして特徴付けられる第1の多孔性金属酸化層を含む、第1のセクションと、
    前記第1の種類の金属合金とは異なる第2の種類の金属合金で構成された第2のセクションと、を備え、前記第1のセクションが、金属表面に配された第2の多孔性金属酸化層を含み、前記多孔性金属酸化層が、
    対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、
    前記複数の細孔終端及び前記金属表面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分であって、前記厚さは、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるのに十分であり、
    光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記第1の色に実質的に整合する第2の色が第2の金属酸化層にもたらされる、非多孔性バリア層部分と、を備える部品。
  27. 前記第1の種類の金属合金は、銅リッチなアルミニウム合金であり、前記第2の種類の金属合金は、銅リーンなアルミニウム合金であり、前記非多孔性バリア層部分によって、前記第2の多孔性金属酸化層に黄色が加えられる、請求項26に記載の部品。
  28. 前記第1の種類の金属合金は、銅リーンなアルミニウム合金であり、前記第2の種類の金属合金は、銅リッチなアルミニウム合金であり、前記非多孔性バリア層部分によって、前記第2の多孔性金属酸化層に青色が加えられる、請求項26に記載の部品。
  29. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項26に記載の部品。
  30. 前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項26に記載の部品。
  31. 前記境界面は、前記多孔性金属酸化層を通して観察可能である艶出しされた外観を有する、請求項26に記載の部品。
  32. 前記部品は、電子デバイス用又は電子デバイスのアクセサリ用の筐体である、請求項26から31のいずれか一項に記載の部品。
  33. 第1の種類の金属合金と第2の種類の金属合金とを色整合させる方法であって、
    前記第1の種類の金属合金の陽極酸化面の目標色を計測することと、
    前記第1の種類の金属合金とは異なる第2の種類の金属合金の陽極酸化面の対象色を計測することと、
    前記目標色と前記対象色の間の色差を求めることと、
    前記色差に基づいて、前記第2の種類の金属合金で構成された部品に金属酸化層を形成することであって、前記金属酸化層が、多孔性部分及び非多孔性バリア層部分を有し、前記非多孔性バリア層部分が、前記多孔性部分の複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と前記非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有し、前記非多孔性バリア層部分は、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるほど十分に厚く、光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記目標色に実質的に整合する最終色が前記金属酸化層にもたらされる、ことと、を含む方法。
  34. 前記金属酸化層を形成する陽極酸化処理中に印加される電圧を求めることであって、前記電圧が前記最終色と関連付けられる、ことを更に含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記電圧は、約50ボルト〜約200ボルトの範囲の値を有する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記第1及び第2の種類の金属合金は、相異なる種類のアルミニウム合金である、請求項33に記載の方法。
  37. 前記第1及び第2の種類の金属合金は、相異なる種類のアルミニウム合金である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記部品は、消費者製品用の筐体の第1の部分であり、前記方法は、
    第2の金属酸化層を前記筐体の第2の部分に形成することであって、前記第2が、前記第2の種類の金属合金で構成され、前記第2の金属酸化層は前記最終色を有する、ことと、
    前記第1の部分を前記第2の部分に組み付けることにより前記筐体を形成することと、を更に含む、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 第1の種類の金属合金と第2の種類の金属合金とを色整合させる方法であって、
    前記第1の種類の金属合金の陽極酸化面の目標色を計測することと、
    前記第1の種類の金属合金とは異なる第2の種類の金属合金の陽極酸化面の対象色を計測することと、
    前記目標色と前記対象色の間の色差を求めることと、
    前記色差に基づいて、前記第2の種類の金属合金で構成された部品に金属酸化層を形成することと、を含み、前記金属酸化層を形成することは、
    金属基板の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、前記多孔性金属酸化層が、対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、前記複数の細孔終端、及び前記金属基板の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分と、を含み、前記非多孔性バリア層部分は、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるほど十分に厚く、光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記目標色に実質的に整合する最終色が前記金属酸化層にもたらされる、ことを含む、方法。
  40. 前記金属酸化層を形成する陽極酸化処理中に印加される電圧を求めることであって、前記電圧が前記最終色と関連付けられる、ことを更に含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記電圧は、約50ボルト〜約200ボルトの範囲の値を有する、請求項39に記載の方法。
  42. 前記第1及び第2の種類の金属合金は、相異なる種類のアルミニウム合金である、請求項39に記載の方法。
  43. 前記第1及び第2の種類の金属合金は、相異なる種類のアルミニウム合金である、請求項39に記載の方法。
  44. 前記部品は、消費者製品用の筐体の第1の部分であり、前記方法は、
    第2の金属酸化層を前記筐体の第2の部分に形成することであって、前記第2が、前記第2の種類の金属合金で構成され、前記第2の金属酸化層は前記最終色を有する、ことと、
    前記第1の部分を前記第2の部分に組み付けることにより前記筐体を形成することと、を更に含む、請求項39から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. アルミニウム合金で構成されたアルミニウムセクションを備える部品であって、前記アルミニウムセクションが、前記アルミニウムセクションの非変換部分に形成された多孔性アルミニウム酸化層を含み、前記アルミニウム酸化層が、
    対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、
    前記複数の細孔終端、及び前記アルミニウムセクションの非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分であって、前記厚さは、前記多孔性アルミニウム酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層を透過させ、前記境界面で反射させるほど十分に厚く、光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、知覚される色が前記アルミニウムセクションにもたらされる、非多孔性バリア層部分と、
    を備える部品。
  46. 前記非多孔性バリア層の厚さの量は、前記知覚される色と関連付けられる、請求項45に記載の部品。
  47. 前記知覚される色は、前記多孔性アルミニウム酸化層が形成されていない前記アルミニウムセクションの色とは異なる、請求項45に記載の部品。
  48. 前記アルミニウム合金は、6000又は7000系アルミニウム合金のうちの一方を含む、請求項45から47のいずれか一項に記載の部品。
  49. 金属部品の知覚される色を調節する方法であって、前記金属部品が、前記調節前に第1の色を有し、前記方法は、
    前記金属部品の一部分を多孔性金属酸化層に変換することであって、前記多孔性金属酸化層が、対応する複数の細孔終端を伴う複数の細孔を有する多孔性部分と、前記複数の細孔終端、及び前記金属部品の非変換部分と非多孔性バリア層との境界面により規定される厚さを有する非多孔性バリア層部分と、を含む、ことと、
    前記非多孔性バリア層部分の前記厚さを最終厚さまで増加させることであって、前記最終厚さが、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第1の部分を前記複数の細孔終端の少なくとも一部分で反射させ、
    前記多孔性金属酸化層に入射する可視光線の第2の部分を前記非多孔性バリア層に透過させ、前記境界面で反射させるのに十分であり、
    光線の前記第1及び第2の部分が組み合わさり、前記第1の色とは異なる第2の色が前記金属部品をもたらされる、ことと、を含む方法。
  50. 前記多孔性部分の透過性によって、前記複数の細孔終端及び前記境界面で反射する可視光の量が決まる、請求項49に記載の方法。
  51. 前記金属部品は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又はチタン合金で構成される、請求項49に記載の方法。
  52. 前記非多孔性バリア層の前記厚さを増加させることは、
    前記多孔性金属酸化層を非溶解性陽極酸化処理に晒すことを含み、前記非溶解性陽極酸化処理が、前記非多孔性バリア層の多孔性を実質的に高めずに前記非多孔性バリア層の前記厚さを増加させるように構成される、請求項49に記載の方法。
  53. 所定の電圧が前記非溶解性陽極酸化処理中に使用され、前記所定の電圧が前記第2の色に対応する、請求項52に記載の方法。
  54. 前記所定の電圧は、約50ボルト〜約200ボルトの範囲の値を有する、請求項53に記載の方法。
  55. 前記非溶解性電解浴は、ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸アンモニウム、中性のホウ酸、希ホウ酸、酒石酸二アンモニウム、硫酸ナトリウム及びエチレングリコールのうちの1つ又は複数を含む、請求項52に記載の方法。
  56. 前記金属部品の前記部分を変換することは、
    前記金属部品を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことを含む、請求項49に記載の方法。
  57. 前記金属部品の前記部分を変換することは、
    前記金属部品を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことと、
    前記多孔性金属酸化層を非溶解性陽極酸化処理に晒すことであって、前記非溶解性陽極酸化処理が、前記非多孔性バリア層の多孔性を実質的に高めずに前記非多孔性バリア層の前記厚さを増加させるように構成される、ことと、を含む、請求項49に記載の方法。
  58. 所定の電圧が前記非溶解性陽極酸化処理中に使用され、前記所定の電圧が前記第2の色に対応する、請求項57に記載の方法。
  59. 前記部品は、電子デバイス用又は電子デバイスのアクセサリ用の筐体である、請求項49に記載の方法。
  60. 前記金属部品の前記部分を前記多孔性金属酸化層に変換する前に、前記金属部品を前記金属部品の表面に仕上げ外観を形成する1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項49から59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 金属基板に色の外観を付与する方法であって、
    前記金属基板の一部分を陽極層に変換することであって、前記陽極層が、前記陽極層の表面にある細孔開口、及び前記陽極層内に延び細孔終端で終わる細孔柱を備える細孔構造を有する陽極細孔を備える多孔性部分と、前記多孔性部分と前記金属基板の非変換部分との間に配された非多孔性バリア層と、を含み、前記多孔性部分により反射された光及び前記非多孔性バリア層により反射された光が組み合わさり、前記色の前記外観が前記金属基板に付与される、ことを含む方法。
  62. 前記多孔性部分により反射された前記光の少なくとも一部は、前記細孔終端で反射された光を含み、前記非多孔性バリア層により反射された前記光の少なくとも一部は、前記非多孔性バリア層と前記金属基板の前記非変換部分との間の境界面で反射された光を含む、請求項61に記載の方法。
  63. 前記多孔性部分は、前記陽極層の前記表面に入射する光を通過させる前記陽極層の特性に対応する第1の透過性値を含み、前記非多孔性バリア層は、前記多孔性部分から受けた光を通過させる前記非多孔性バリア層の特性に対応する第2の透過性値を含む、請求項61又は62に記載の方法。
  64. 前記第1の透過性値は、細孔密度及び前記細孔構造に依存し、前記第2の透過性値は、前記非多孔性バリア層の厚さに依存する、請求項63に記載の方法。
  65. 前記多孔性層により反射される前記光の量及び波長は、前記第1の透過性値及び前記細孔構造の反射特性に部分的に依存する、請求項64に記載の方法。
  66. 前記非多孔性層により反射される前記光の量及び波長は、前記第2の透過性値及び前記境界面の反射特性に部分的に依存する、請求項64又は65に記載の方法。
  67. 前記金属基板は、純アルミニウム、アルミニウム合金、純チタン、又はチタン合金のうちの1つ又は複数を含む、請求項61に記載の方法。
  68. 前記金属基板の前記部分を変換することは、
    前記金属基板を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことを含む、請求項61に記載の方法。
  69. 前記金属基板の前記部分を変換する前に、
    前記金属基板の表面を1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことによって前記金属基板の前記表面に仕上げ外観を形成することであって、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、ことを更に含む、請求項62に記載の方法。
  70. 携帯型コンピューティングデバイスのハウジングが、前記金属基板を備える、請求項61に記載の方法。
  71. 色の外観を基板に付与する方法であって、
    前記基板の一部分を、第1の透過性値を有するものとして特徴付けられる第1の層に変換することであって、前記第1の透過性値が、前記第1の層に入射し、前記第1の層と前記第2の層との間の第1の境界面に達する光の割合に対応し、前記第2の層は第2の透過性値を有するものとして特徴付けられ、前記第2の透過性値が、前記第2の層に入り、前記第2の層と前記基板の非変換部分との間の第2の境界面に達する光の割合に対応し、前記第1の境界面から反射された光は、前記色の前記外観を前記基板に付与するような方法で、前記第2の境界面から反射した光と係り合う、ことを含む、方法。
  72. 前記基板は、陽極酸化処理を受けるのに適した金属基板である、請求項71に記載の方法。
  73. 前記第1の層は、前記陽極酸化処理により形成された陽極層であり、前記陽極層が、前記第1の層の表面にある細孔開口と、細孔終端まで延び前記細孔終端で終わる細孔柱と、を備える細孔構造を備える陽極細孔を備える、請求項72に記載の方法。
  74. 前記細孔柱の長さは、前記第1の層の厚さを概ね規定する、請求項71から73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記細孔終端は、前記第1の境界面に相当する、請求項74に記載の方法。
  76. 前記第2の層は、非多孔性バリア層である、請求項71に記載の方法。
  77. 前記非多孔性バリア層と前記基板の前記非変換部分との接合部は、前記第2の境界面に相当する、請求項71に記載の方法。
  78. 前記第1の境界面で反射される前記光は、前記細孔終端の反射特性に依存する、請求項71に記載の方法。
  79. 前記第2の境界面で反射される前記光は、前記第2の境界面の反射特性及び前記非多孔性バリア層の厚さに依存する、請求項71に記載の方法。
  80. 色の外観を有する金属基板を備える部品であって、前記金属基板が、
    陽極細孔を備える多孔性部分を備える露出した陽極層であって、前記陽極細孔が、前記陽極層の表面にある細孔開口と、前記陽極層内に延び細孔終端で終わる細孔柱と、を備える細孔構造を有する、陽極層と、
    前記多孔性部分と前記金属基板の非変換部分との間に配された非多孔性バリア層であって、前記多孔性部分により反射された光及び前記非多孔性バリア層により反射された光が組み合わさり、前記色の前記外観が前記金属基板に付与される、非多孔性バリア層と、を備える部品。
  81. 前記多孔性部分により反射された前記光の少なくとも一部は、前記細孔終端で反射された光を含み、前記非多孔性バリア層により反射された前記光の少なくとも一部は、前記非多孔性バリア層と前記金属基板の前記非変換部分との間の境界面で反射された光を含む、請求項80に記載の部品。
  82. 前記多孔性部分は、前記陽極層の前記表面に入射する光を通過させる前記陽極層の特性に対応する第1の透過性値を有し、前記非多孔性バリア層は、前記多孔性部分から受けた光を通過させる前記非多孔性バリア層の特性に対応する第2の透過性値を有する、請求項80又は81に記載の方法。
  83. 前記第1の透過性値は、細孔密度及び前記細孔構造に依存し、前記第2の透過性値は、前記非多孔性バリア層の厚さに依存する、請求項82に記載の部品。
  84. 前記多孔性層により反射される前記光の量及び波長は、前記第1の透過性値及び前記細孔構造の反射特性に部分的に依存する、請求項83に記載の部品。
  85. 前記非多孔性層により反射される前記光の量及び波長は、前記第2の透過性値及び前記境界面の反射特性に部分的に依存する、請求項83又は84に記載の方法。
  86. 前記金属基板は、純アルミニウム、アルミニウム合金、純チタン、又はチタン合金のうちの1つ又は複数を含む、請求項80に記載の部品。
  87. 前記露出した陽極層は、前記金属基板を硫酸、リン酸及びシュウ酸のうちの1つ又は複数を含む電解浴を使用する陽極酸化処理に晒すことにより形成される、請求項80に記載の部品。
  88. 前記露出した陽極層が形成される前に、前記金属基板の表面を1つ又は複数の表面仕上げ処理に晒すことによって、前記金属基板の前記表面に仕上げ外観がもたらされ、前記仕上げ外観が前記境界面に維持される、請求項81に記載の部品。
  89. 前記部品は、携帯型コンピューティングデバイスのハウジングの少なくとも一部分を備える、請求項80に記載の部品。
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