JP2017073900A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシを用いることなく、比較的簡素な構成で、三相モータを駆動させることができる回転電機を提供すること。【解決手段】回転電機10は、インナーロータ11とインナーロータ11に設けられた各相ロータコイル22u〜22wを有する三相モータとしての第1電動モータ31とを備えている。そして、回転電機10は、複数の相ロータコイル22u〜22wに対応させて複数の相給電部41u〜41wを備えている。u相給電部41uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてu相ロータコイル22uに給電を行う。v相給電部41vは、両v相結合コンデンサCv1,Cv2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてv相ロータコイル22vに給電を行う。w相給電部41wは、両w相結合コンデンサCw1,Cw2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてw相ロータコイル22wに給電を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、回転電機に関する。
回転電機は、例えばロータと、ロータに設けられたロータコイルを有する電動モータとを備えている(例えば特許文献1参照)。また、特許文献1には、スリップリングを用いてロータコイルに給電を行うことが記載されている。
ここで、スリップリングを用いた電力伝送は、ブラシの摩耗が懸念される。また、スリップリングが対応可能な回転速度が予め定められている場合、回転電機の回転速度が制限される場合がある。
また、電動モータとして、例えばu相ロータコイル、v相ロータコイル及びw相ロータコイルを有する三相モータがある。当該三相モータを駆動させるためには、三相モータに例えば三相交流を入力させる必要がある。この場合、例えば専用の三相インバータ等を設けると、構成の複雑化が懸念される。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はブラシを用いることなく、比較的簡素な構成で、三相モータを駆動させることができる回転電機を提供することである。
上記目的を達成する回転電機は、ロータと、前記ロータに設けられたu相ロータコイル、v相ロータコイル及びw相ロータコイルを有する三相モータと、電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記u相ロータコイルに対して給電を行うu相給電部と、電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記v相ロータコイルに対して給電を行うv相給電部と、電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記w相ロータコイルに対して給電を行うw相給電部と、を備え、前記各相給電部はそれぞれ、直流電源から出力される直流の電源電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換動作を行う第1変換部と、前記ロータの回転に伴って回転しないように保持され且つ前記交流電力が入力される保持電極、及び、前記ロータに設けられ且つ前記保持電極から非接触で前記交流電力を受電する回転電極を有するものであって、前記保持電極及び前記回転電極で構成される結合コンデンサを介して非接触の電力伝送を行う非接触電力伝送部と、前記ロータに設けられ、前記回転電極によって受電された交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作を行う第2変換部と、を備え、前記回転電機は、前記各相給電部の前記第2変換部によって変換された直流電力を、対応する相ロータコイルに、予め定められた順序で入力させる制御部を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、各相給電部によって、ロータに設けられた各相ロータコイルに対する非接触給電が実現されている。これにより、ブラシレス化を図ることができる。また、本構成によれば、直流電力が、各相ロータコイルに、予め定められた順序で入力されることにより、各相ロータコイルの通電態様を、三相交流に近づけることができる。これにより、三相交流を生成する三相インバータを設けることなく、三相モータを駆動させることができる。よって、ブラシを用いることなく、比較的簡素な構成で、三相モータを駆動させることができる。
なお、「対応する相ロータコイル」とは、給電部と同一相のロータコイルを意味し、詳細には、u相相給電部の第2変換部によって変換された直流電力についてはu相ロータコイルであり、v相相給電部の第2変換部によって変換された直流電力についてはv相ロータコイルであり、w相相給電部の第2変換部によって変換された直流電力についてはw相ロータコイルである。
上記回転電機について、前記第1変換部は、1次側スイッチング素子を有し、当該1次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記DC/AC変換動作を行うものであり、前記第2変換部は、2次側スイッチング素子を有し、当該2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記AC/DC変換動作を行うものであり、前記u相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするu相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるu相第2動作と、を合わせてu相単位動作とし、前記v相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするv相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるv相第2動作と、を合わせてv相単位動作とし、前記w相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするw相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるw相第2動作と、を合わせてw相単位動作とすると、前記制御部は、前記各相単位動作の実行タイミングがそれぞれずれた状態で、前記各相単位動作が繰り返し実行されるように前記各相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御するとよい。
かかる構成によれば、各給電部の1次側スイッチング素子及び2次側スイッチング素子とは別に、直流電力の入力制御を行うためのスイッチ等を別途設けることなく、各相ロータコイルの通電態様を三相交流に近づけることができるとともに、無駄なスイッチングを抑制できる。これにより、効率の向上と構成の簡素化との両立を図ることができる。
上記回転電機について、前記各相単位動作が行われる期間はそれぞれ同一であり、当該期間の逆数を単位動作周波数とすると、前記制御部は、前記ロータの回転数に対応させて、前記単位動作周波数を制御するとよい。
かかる構成によれば、ロータの回転と、各相ロータコイルの通電態様とを同期させることができる。これにより、三相モータを、より好適に駆動させることができる。
上記回転電機について、前記交流電力の周波数は、前記単位動作周波数よりも高く設定されているとよい。
上記回転電機について、前記交流電力の周波数は、前記単位動作周波数よりも高く設定されているとよい。
かかる構成によれば、三相モータを好適に駆動させることができるとともに、各相結合コンデンサを介する非接触の電力伝送を好適に行うことができる。
上記回転電機について、前記各相給電部の前記第1変換部はそれぞれ、前記直流電源に直列接続された1次側コイルと、前記直流電源に並列接続された1石の前記1次側スイッチング素子と、前記1次側スイッチング素子に並列接続された1次側シャントキャパシタと、を有し、前記各相給電部の前記第2変換部はそれぞれ、対応する相ロータコイルに直列接続された2次側コイルと、対応する相ロータコイルに並列接続された1石の前記2次側スイッチング素子と、前記2次側スイッチング素子に並列接続された2次側シャントキャパシタと、を有し、前記各相給電部はそれぞれ、前記結合コンデンサと直列接続されたものであって前記結合コンデンサと協働して直列共振回路を構成する共振コイルを備え、前記直列共振回路は、前記1次側シャントキャパシタと前記2次側シャントキャパシタとの間に設けられており、前記第1変換部と前記直列共振回路とによってE級インバータが構成され、前記第2変換部と前記直列共振回路とによってE級コンバータが構成されているとよい。
上記回転電機について、前記各相給電部の前記第1変換部はそれぞれ、前記直流電源に直列接続された1次側コイルと、前記直流電源に並列接続された1石の前記1次側スイッチング素子と、前記1次側スイッチング素子に並列接続された1次側シャントキャパシタと、を有し、前記各相給電部の前記第2変換部はそれぞれ、対応する相ロータコイルに直列接続された2次側コイルと、対応する相ロータコイルに並列接続された1石の前記2次側スイッチング素子と、前記2次側スイッチング素子に並列接続された2次側シャントキャパシタと、を有し、前記各相給電部はそれぞれ、前記結合コンデンサと直列接続されたものであって前記結合コンデンサと協働して直列共振回路を構成する共振コイルを備え、前記直列共振回路は、前記1次側シャントキャパシタと前記2次側シャントキャパシタとの間に設けられており、前記第1変換部と前記直列共振回路とによってE級インバータが構成され、前記第2変換部と前記直列共振回路とによってE級コンバータが構成されているとよい。
かかる構成によれば、E級動作によってDC/AC変換動作及びAC/DC変換動作が実現されるため、各相給電部の両スイッチング素子のスイッチング損失を低減できる。これにより、直流電源から三相モータへの電力伝送の効率向上を図ることができる。
ここで、E級動作を実現するためには、直列共振回路が必要となる。この点、本構成によれば、電界結合式の非接触の給電を行うのに必須の構成である結合コンデンサが直列共振回路の一部として採用されている。そして、当該直列共振回路は、E級インバータ及びE級コンバータの双方に用いられている。よって、構成の簡素化を図ることができる。
この発明によれば、ブラシを用いることなく、比較的簡素な構成で、三相モータを駆動させることができる。
以下、回転電機の一実施形態について説明する。なお、図6においては、図示の都合上、周期Tを実際よりも大きく示す。
図1に示すように、本実施形態の回転電機10は、エンジン101及びバッテリ(蓄電装置)102を有する車両100に搭載されており、ハイブリッドトランスアクスルに用いられる。なお、バッテリ102は直流電源であり、バッテリ102の蓄電電力が「電源電力」に対応する。
図1に示すように、本実施形態の回転電機10は、エンジン101及びバッテリ(蓄電装置)102を有する車両100に搭載されており、ハイブリッドトランスアクスルに用いられる。なお、バッテリ102は直流電源であり、バッテリ102の蓄電電力が「電源電力」に対応する。
回転電機10は、回転可能なインナーロータ11及びアウターロータ12と、回転しないように保持されているステータ13とを備えている。例えば、インナーロータ11は柱状であり、アウターロータ12及びステータ13は筒状である。両ロータ11,12及びステータ13は、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、インナーロータ11、アウターロータ12及びステータ13の順に同心円状に配置されている。
回転電機10は、これら両ロータ11,12とステータ13とが収容されたハウジング14(図2参照)を備えている。両ロータ11,12は、ハウジング14に対して回転可能な状態で支持されている一方、ステータ13は、ハウジング14に固定されている。この場合、インナーロータ11とアウターロータ12とは、相対回転可能となっている。
インナーロータ11は、エンジン101の出力軸に機械的に連結されている。インナーロータ11は、エンジン101の動力が伝達されることにより、回転する。
インナーロータ11は、筒状のインナーロータコア21と、インナーロータコア21に捲回されたロータコイル22とを有している。ロータコイル22は、u相ロータコイル22uと、v相ロータコイル22vと、w相ロータコイル22wとから構成されている。インナーロータ11が回転した場合、ロータコイル22も回転する。
インナーロータ11は、筒状のインナーロータコア21と、インナーロータコア21に捲回されたロータコイル22とを有している。ロータコイル22は、u相ロータコイル22uと、v相ロータコイル22vと、w相ロータコイル22wとから構成されている。インナーロータ11が回転した場合、ロータコイル22も回転する。
アウターロータ12は、車両100の車軸103に機械的に連結されている。このため、アウターロータ12の回転力は車軸103に伝達され、且つ、車軸103の回転力はアウターロータ12に伝達される。
アウターロータ12は、インナーロータコア21の外周面と対向する内周面を有する筒状のアウターロータコア23と、アウターロータコア23に埋設された永久磁石24,25とを備えている。両永久磁石24,25は、径方向にずれて埋設されている。両永久磁石24,25のうち内側に埋設されている第1永久磁石24とインナーロータ11とが対向している。
ステータ13は、アウターロータ12の外周面と対向する内周面を有する筒状のステータコア26と、ステータコア26に捲回されたステータコイル27とを備えている。ステータコイル27は、ロータコイル22と同様に、3つの相コイルで構成されている。ステータ13と、両永久磁石24,25のうち外側に埋設されている第2永久磁石25とが対向している。
かかる構成によれば、インナーロータ11(詳細にはロータコイル22)とアウターロータ12(詳細には第1永久磁石24)とによって第1電動モータ31が構成され、アウターロータ12(詳細には第2永久磁石25)とステータ13(詳細にはステータコイル27)とによって第2電動モータ32が構成されている。第1電動モータ31は、インナーロータ11を回転させる三相モータである。第2電動モータ32は、アウターロータ12を回転させる三相モータである。
図1に示すように、車両100には、バッテリ102の蓄電電力を、第2電動モータ32が駆動可能な交流の駆動電力に変換してステータコイル27に出力するステータインバータ33が搭載されている。ステータインバータ33は、両ロータ11,12の回転に伴って回転しないようにハウジング14又は車両100に固定されている。なお、ステータインバータ33は、回転電機10と一体化されていてもよいし、回転電機10とは別体であってもよい。
本実施形態の回転電機10は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を用いて第1電動モータ31に給電を行う電界結合式非接触給電システム40を備えている。電界結合式非接触給電システム40について以下に説明する。
図1に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、インナーロータ11に設けられ、ロータコイル22に対する給電を行うのに用いられる電子ユニット42を備えている。電子ユニット42は、インナーロータ11の回転に伴って回転する。
電界結合式非接触給電システム40は、蓄電電力を、予め定められた周波数を有する交流の伝送用電力(交流電力)に変換するステータ変換部43と、ステータ変換部43によって変換された伝送用電力を電子ユニット42に伝送する非接触電力伝送部44とを備えている。更に、電子ユニット42は、伝送用電力を直流電力に変換するロータ変換部45を備えている。なお、換言すれば、伝送用電力は非接触給電用電力とも言えるし、非接触電力伝送部44は、伝送用電力を電子ユニット42に給電する非接触給電部とも言える。
ここで、本実施形態の電界結合式非接触給電システム40は、相ロータコイル22u〜22wに個別に給電を行う相給電部41u〜41wを備えている。
u相給電部41uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてu相ロータコイル22uに給電を行うものである。u相給電部41uは、ステータ変換部43に設けられたu相ステータ変換部43uと、非接触電力伝送部44に設けられたu相伝送部44uと、ロータ変換部45に設けられたu相ロータ変換部45uとを備えている。
u相給電部41uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてu相ロータコイル22uに給電を行うものである。u相給電部41uは、ステータ変換部43に設けられたu相ステータ変換部43uと、非接触電力伝送部44に設けられたu相伝送部44uと、ロータ変換部45に設けられたu相ロータ変換部45uとを備えている。
v相給電部41vは、両v相結合コンデンサCv1,Cv2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてv相ロータコイル22vに給電を行うものである。v相給電部41vは、ステータ変換部43に設けられたv相ステータ変換部43vと、非接触電力伝送部44に設けられたv相伝送部44vと、ロータ変換部45に設けられたv相ロータ変換部45vとを備えている。
w相給電部41wは、両w相結合コンデンサCw1,Cw2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いてw相ロータコイル22wに給電を行うものである。w相給電部41wは、ステータ変換部43に設けられたw相ステータ変換部43wと、非接触電力伝送部44に設けられたw相伝送部44wと、ロータ変換部45に設けられたw相ロータ変換部45wとを備えている。各相ステータ変換部43u〜43wがそれぞれ「第1変換部」に対応し、各相ロータ変換部45u〜45wがそれぞれ「第2変換部」に対応し、各相伝送部44u〜44wがそれぞれ「非接触電力伝送部」に対応する。
電子ユニット42及び非接触電力伝送部44の詳細な構成について説明する。なお、各相伝送部44u〜44wの構成は基本的に同一であるため、以下の説明ではu相伝送部44uについて詳細に説明し、他の相伝送部44v,44wの説明は省略する。
図2に示すように、インナーロータ11は、回転軸51と、回転軸51に固定された筒状(詳細には円筒状)の絶縁部材52とを備えている。回転軸51は、エンジン101の出力軸に連結されている。絶縁部材52は、例えば樹脂等で形成されており、回転軸51を径方向外側から覆っている。回転軸51の軸線方向がインナーロータ11の軸線方向であり、絶縁部材52の軸線方向はインナーロータ11の軸線方向と一致している。
絶縁部材52の軸線方向の端部52aは、ハウジング14に形成された凹部14aに入り込んでいる。そして、絶縁部材52の軸線方向の端部52aと凹部14aの側壁面との間には、絶縁部材52を回転可能に支持する軸受53が設けられている。これにより、回転軸51及び絶縁部材52は、ハウジング14に対して回転可能に支持されている。
非接触電力伝送部44のu相伝送部44uは、インナーロータ11に設けられ、インナーロータ11の回転に伴って回転するu相回転電極61u,62uと、インナーロータ11の回転に伴って回転しないように保持されたu相保持電極71u,72uと、を有している。u相回転電極61u,62uとu相保持電極71u,72uとは、電界結合しており、詳細には所定の間隔を隔てて対向配置されている。
u相回転電極61u,62uは、絶縁部材52の外周面に固定された筒状であり、u相回転電極61u,62uの軸線方向とインナーロータ11の軸線方向とは一致している。ちなみに、両u相回転電極61u,62uは、インナーロータ11の軸線方向に離間して配置されている。
両u相保持電極71u,72uは、u相回転電極61u,62uよりも長い内径を有する筒状(詳細には円筒状)である。u相保持電極71u,72uは、u相回転電極61u,62uと電界結合する位置に配置されている。詳細には、第1u相保持電極71uは、第1u相回転電極61uとインナーロータ11の径方向に対向しており、第2u相保持電極72uは、第2u相回転電極62uとインナーロータ11の径方向に対向している。
非接触電力伝送部44は、両u相保持電極71u,72uをハウジング14に保持するための保持部材80を備えている。保持部材80は、例えば両u相保持電極71u,72uの内径と同一の内径を有する円筒状であり、絶縁性を有している。保持部材80の軸線方向とインナーロータ11の軸線方向とは一致している。保持部材80は、ハウジング14の内面のうち凹部14aの周囲からインナーロータ11の軸線方向に起立して設けられており、ハウジング14に固定されている。保持部材80の内周面におけるu相回転電極61u,62uと径方向に対向する位置には、当該内周面から凹んだu相溝81u,82uが形成されている。u相保持電極71u,72uは、u相溝81u,82uに嵌り込んだ状態で保持部材80に固定されている。これにより、両u相保持電極71u,72uは、インナーロータ11の回転に伴って回転しないようになっている。また、回転電機10は、両u相保持電極71u,72uとu相ステータ変換部43uとを電気的に接続するu相ステータ側配線83uを備えている。
かかる構成によれば、電界結合している第1u相回転電極61u及び第1u相保持電極71uによって第1u相結合コンデンサCu1が構成され、電界結合している第2u相回転電極62u及び第2u相保持電極72uによって第2u相結合コンデンサCu2が構成されている。これら両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して、回転する電子ユニット42と、回転しないu相ステータ変換部43uとの間で伝送用電力の伝送が可能となっている。
u相ステータ変換部43uからu相ステータ側配線83uを介して両u相保持電極71u,72uに伝送用電力が入力される場合、両u相保持電極71u,72uが両u相回転電極61u,62uに伝送用電力を送電する「送電部」として機能する。そして、両u相回転電極61u,62uが両u相保持電極71u,72uから伝送用電力を非接触で受電する「受電部」として機能する。
なお、図示は省略するが、u相伝送部44uと同様に、v相伝送部44vは、v相ステータ変換部43vに接続された2つのv相保持電極と、インナーロータ11に設けられ、v相保持電極と対向配置された2つのv相回転電極とを有しており、v相結合コンデンサCv1,Cv2は、これらv相保持電極とv相回転電極とによって構成されている。また、w相伝送部44wは、w相ステータ変換部43wに接続された2つのw相保持電極と、インナーロータ11に設けられ、w相保持電極と対向配置された2つのw相回転電極とを有しており、w相結合コンデンサCw1,Cw2は、これらw相保持電極とw相回転電極とによって構成されている。v相伝送部44v及びw相伝送部44wは、u相伝送部44uに対して回転軸51の軸線方向に離間させて配列されている。
図2に示すように、電子ユニット42は、各種電子部品が実装される回路基板91を備えている。回路基板91は、例えば平板リング状であって、インナーロータ11に設けられている。詳細には、回路基板91は、非接触電力伝送部44に対して離れた位置にて、絶縁部材52が挿通された状態で絶縁部材52に固定されている。このため、回路基板91は、インナーロータ11の回転に伴って回転する。
ロータ変換部45は、回路基板91に搭載されており、非接触電力伝送部44と電気的に接続されている。詳細には、絶縁部材52には、u相伝送部44uの第1u相回転電極61uと接触している第1u相バスバー92auと、第2u相回転電極62uと接触している第2u相バスバー92buとが埋設されている。両u相バスバー92au,92buは、互いに絶縁部材52の周方向にずれた位置に設けられており、インナーロータ11の軸線方向、詳細には電子ユニット42に向けて延びている。そして、両u相バスバー92au,92buは、ロータ変換部45のu相ロータ変換部45uに接続されている。これにより、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して伝送される伝送用電力は、両u相バスバー92au,92buを介してu相ロータ変換部45uに入力されることとなる。
なお、図示は省略するが、v相伝送部44vとv相ロータ変換部45vとは、絶縁部材52に埋設されたv相バスバーを介して電気的に接続されており、w相伝送部44wとw相ロータ変換部45wとは、絶縁部材52に埋設されたw相バスバーを介して電気的に接続されている。
ロータ変換部45は、絶縁部材52に埋設された複数の配線93を介してロータコイル22に電気的に接続されている。詳細には、u相ロータ変換部45uは、u相配線93uを介してu相ロータコイル22uに電気的に接続されており、v相ロータ変換部45vは、v相配線93vを介してv相ロータコイル22vに電気的に接続されており、w相ロータ変換部45wは、w相配線93wを介してw相ロータコイル22wに電気的に接続されている。
更に、電子ユニット42は、ロータ変換部45を制御するロータコントローラ94を備えている。ロータコントローラ94は、回路基板91に実装されている。
なお、図示は省略するが、実際には、回転電機10は、ロータコントローラ94に動作電力を供給する電力供給部を備えている。電力供給部は、例えばインナーロータ11に設けられた回転電極と、回転電極と対向する位置にてハウジング14に固定された保持電極とによって構成された結合コンデンサを介して電力供給を行う。なお、ロータコントローラ94への動作電力の給電は、常に行われている構成であってもよいし、必要な処理の前段階(例えば力行動作開始前)から行われる構成でもよい。
なお、図示は省略するが、実際には、回転電機10は、ロータコントローラ94に動作電力を供給する電力供給部を備えている。電力供給部は、例えばインナーロータ11に設けられた回転電極と、回転電極と対向する位置にてハウジング14に固定された保持電極とによって構成された結合コンデンサを介して電力供給を行う。なお、ロータコントローラ94への動作電力の給電は、常に行われている構成であってもよいし、必要な処理の前段階(例えば力行動作開始前)から行われる構成でもよい。
図1に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、ステータ変換部43を制御するとともに、ステータインバータ33を制御するステータコントローラ95を備えている。ステータコントローラ95は、両ロータ11,12の回転に伴って回転しないようにハウジング14又は車両100に固定されている。なお、ステータコントローラ95は、回転電機10と一体化されていてもよいし、別体でもよい。
ロータコントローラ94とステータコントローラ95とは、互いに情報のやり取りが可能に構成されている。詳細には、図3に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、インナーロータ11に設けられた2つの信号用回転電極とハウジング14に固定された2つの信号用保持電極とから構成された信号用結合コンデンサCz1,Cz2を備えている。両コントローラ94,95は、両信号用結合コンデンサCz1,Cz2を介して電気的に接続されている。なお、図2においては、信号用結合コンデンサCz1,Cz2の図示は省略する。両コントローラ94,95が「制御部」に対応する。
ここで、ステータコントローラ95は、インナーロータ11の回転数及び回転位置と、アクセル及びブレーキの動作状況と車両100の走行状況とを把握可能に構成されている。そして、ステータコントローラ95は、これらの状況に基づいて、バッテリ102の蓄電電力を用いて第1電動モータ31を駆動させる力行動作を行うか、第1電動モータ31にて発生する回生電力を用いてバッテリ102を充電する回生動作を行うかを決定する。そして、ステータコントローラ95は、ロータコントローラ94と協働して、決定された動作を行う。
なお、インナーロータ11の回転数及び回転位置を把握する具体的な構成は任意であり、例えば回転数を検出する専用のセンサを設ける構成でもよいし、各相ロータコイル22u〜22wに流れる電流値から推定する構成でもよい。
以下、力行動作及び回生動作について、回転電機10(詳細には電界結合式非接触給電システム40)の電気的構成の詳細な説明と合わせて説明する。
まず、図3を用いて回転電機10の電気的構成について説明する。本実施形態の回転電機10は、等価回路的には、バッテリ102から第1電動モータ31のロータコイル22に向けて、ステータ変換部43、非接触電力伝送部44及びロータ変換部45が順次設けられた構成となっている。
まず、図3を用いて回転電機10の電気的構成について説明する。本実施形態の回転電機10は、等価回路的には、バッテリ102から第1電動モータ31のロータコイル22に向けて、ステータ変換部43、非接触電力伝送部44及びロータ変換部45が順次設けられた構成となっている。
また、各相給電部41u〜41wに着目すれば、u相給電部41uは、バッテリ102及びu相ロータコイル22uに接続されており、v相給電部41vは、バッテリ102及びv相ロータコイル22vに接続されており、w相給電部41wは、バッテリ102及びw相ロータコイル22wに接続されている。なお、本実施形態の各相ロータコイル22u〜22wはデルタ結線されている。
ここで、各相給電部41u〜41wの電気的構成は同一である。このため、各相給電部41u〜41wのうち一例としてu相給電部41uについて以下に詳細に説明する。
u相給電部41uのu相ステータ変換部43uとu相ロータ変換部45uとは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して電気的に接続されている。u相ステータ変換部43uは、バッテリ102と両u相結合コンデンサCu1,Cu2との間に設けられており、バッテリ102の蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作を行い、且つ、当該伝送用電力を両u相結合コンデンサCu1,Cu2のu相保持電極71u,72uに出力する。
u相給電部41uのu相ステータ変換部43uとu相ロータ変換部45uとは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して電気的に接続されている。u相ステータ変換部43uは、バッテリ102と両u相結合コンデンサCu1,Cu2との間に設けられており、バッテリ102の蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作を行い、且つ、当該伝送用電力を両u相結合コンデンサCu1,Cu2のu相保持電極71u,72uに出力する。
u相ステータ変換部43uは、バッテリ102に直列接続された1次側u相コイルLu1と、バッテリ102に並列接続された1石の1次側u相スイッチング素子Qu1と、1次側u相スイッチング素子Qu1に並列接続された1次側u相シャントキャパシタCsu1とを備えている。1次側u相スイッチング素子Qu1は、1次側u相コイルLu1に対して後段(詳細には両u相結合コンデンサCu1,Cu2側)に設けられている。1次側u相シャントキャパシタCsu1は、1次側u相スイッチング素子Qu1に対して後段に設けられている。すなわち、1次側u相シャントキャパシタCsu1は、1次側u相コイルLu1に対して後段に設けられている。
u相ロータ変換部45uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2と、u相ロータコイル22uとの間に設けられている。u相ロータ変換部45uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して、u相ステータ変換部43uと左右対称の回路構成となっている。詳細には、u相ロータ変換部45uは、u相ロータコイル22uに直列接続された2次側u相コイルLu2と、u相ロータコイル22uに並列接続された1石の2次側u相スイッチング素子Qu2と、2次側u相スイッチング素子Qu2に並列接続された2次側u相シャントキャパシタCsu2とを備えている。2次側u相コイルLu2は、u相ロータコイル22uに対して前段(詳細には両u相結合コンデンサCu1,Cu2側)に設けられている。2次側u相スイッチング素子Qu2は、2次側u相コイルLu2よりも前段に設けられている。2次側u相シャントキャパシタCsu2は、2次側u相スイッチング素子Qu2よりも前段に設けられている。すなわち、2次側u相シャントキャパシタCsu2は、2次側u相コイルLu2に対して前段に設けられている。2次側u相シャントキャパシタCsu2は、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介して、1次側u相シャントキャパシタCsu1と並列接続されている。
なお、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、例えばn型のパワーMOSFET等である。u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、ソース・ドレイン間に接続されたu相ボディダイオード(寄生ダイオード)Dbu1,Dbu2を有している。
更に、電界結合式非接触給電システム40は、両u相コイルLu1,Lu2とは別に第1u相結合コンデンサCu1に直列接続されたものであって第1u相結合コンデンサCu1と協働してu相直列共振回路96uを構成するu相共振コイルLu3を備えている。u相共振コイルLu3は、両u相シャントキャパシタCsu1,Csu2の間に設けられている。詳細には、u相共振コイルLu3は、1次側u相コイルLu1と第1u相保持電極71uとを接続する配線上に設けられている。本実施形態では、u相ステータ変換部43uがu相共振コイルLu3を有している。
かかる構成によれば、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2が周期的にON/OFFすることにより、バッテリ102からu相ロータコイル22uに向かう電力伝送(換言すれば給電)が可能となっているとともに、u相ロータコイル22uからバッテリ102に向かう電力伝送が可能となっている。すなわち、本実施形態のu相給電部41uは、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する双方向の非接触電力伝送が可能となっている。なお、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のON状態とは導通状態とも言え、OFF状態は遮断状態(非導通状態)とも言える。
ここで、u相ステータ変換部43u及びu相直列共振回路96uが、E級動作によって蓄電電力を伝送用電力に変換するu相E級インバータEiuを構成している。そして、u相直列共振回路96u及びu相ロータ変換部45uが、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するu相E級コンバータEcuを構成している。換言すれば、電界結合式非接触給電システム40は、u相E級インバータEiu及びu相E級コンバータEcuの双方の一部として機能しているu相直列共振回路96uとを備えている。
伝送用電力の電力値は、第1電動モータ31が駆動可能な三相交流の駆動電力のうち一相分の駆動電力を生成できる程度に設定されている。この場合、両u相結合コンデンサCu1,Cu2のキャパシタンスは、上記伝送用電力を伝送できるように伝送用電力の周波数及び電圧値に対応させて設定されている。また、両u相シャントキャパシタCsu1,Csu2のキャパシタンス及び各u相コイルLu1,Lu2,Lu3のインダクタンスは、E級動作条件を満たすように、両u相結合コンデンサCu1,Cu2のキャパシタンスに対応させて設定されている。E級動作条件とは、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のターンオン時に両u相スイッチング素子Qu1,Qu2の印加電圧が「0」であるとともに印加電圧波形の傾きが「0」となる条件である。
なお、両u相結合コンデンサCu1,Cu2のキャパシタンスは、u相回転電極61u,62u及びu相保持電極71u,72uの軸線方向の長さや、u相回転電極61u,62uの径とu相保持電極71u,72uの径との比率等に基づいて決まる。この場合、両u相結合コンデンサCu1,Cu2のキャパシタンスを高くしようとすると、u相伝送部44uは大型になり易い。
v相給電部41vのv相ステータ変換部43vは、u相ステータ変換部43uと同様に、1次側v相コイルLv1と、1次側v相ボディダイオードDbv1を有する1次側v相スイッチング素子Qv1と、1次側v相シャントキャパシタCsv1とを備えている。v相給電部41vのv相ロータ変換部45vは、u相ロータ変換部45uと同様に、2次側v相コイルLv2と、2次側v相ボディダイオードDbv2を有する2次側v相スイッチング素子Qv2と、2次側v相シャントキャパシタCsv2とを備えている。そして、v相給電部41vは、第1v相結合コンデンサCv1と協働してv相直列共振回路96vを構成するv相共振コイルLv3を備えている。v相直列共振回路96vとv相ステータ変換部43vとによってv相E級インバータEivが構成され、v相直列共振回路96vとv相ロータ変換部45vとによってv相E級コンバータEcvが構成されている。これらの構成は、u相給電部41uの対応する構成と同一である。
同様に、w相給電部41wのw相ステータ変換部43wは、1次側w相コイルLw1と、1次側w相ボディダイオードDbw1を有する1次側w相スイッチング素子Qw1と、1次側w相シャントキャパシタCsw1とを備えている。w相給電部41wのw相ロータ変換部45wは、2次側w相コイルLw2と、2次側w相ボディダイオードDbw2を有する2次側w相スイッチング素子Qw2と、2次側w相シャントキャパシタCsw2とを備えている。そして、w相給電部41wは、第1w相結合コンデンサCw1と協働してw相直列共振回路96wを構成するw相共振コイルLw3を備えている。w相直列共振回路96wとw相ステータ変換部43wとによってw相E級インバータEiwが構成され、w相直列共振回路96wとw相ロータ変換部45wとによってw相E級コンバータEcwが構成されている。これらの構成は、u相給電部41uの対応する構成と同一である。
なお、1次側の相コイルLu1,Lv1,Lw1のそれぞれが「1次側コイル」に対応し、1次側の相シャントキャパシタCsu1,Csv1,Csw1のそれぞれが「1次側シャントキャパシタ」に対応する。また、2次側の相コイルLu2,Lv2,Lw2のそれぞれが「2次側コイル」に対応し、2次側の相シャントキャパシタCsu2,Csv2,Csw2のそれぞれが「2次側シャントキャパシタ」に対応する。
ステータコントローラ95は、1次側u相スイッチング素子Qu1、1次側v相スイッチング素子Qv1、及び1次側w相スイッチング素子Qw1(以降単に1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1ともいう)を制御することにより、各相ステータ変換部43u〜43w(換言すれば各相E級インバータEiu〜Eiw)を動作させる。
ロータコントローラ94は、2次側u相スイッチング素子Qu2、2次側v相スイッチング素子Qv2及び2次側w相スイッチング素子Qw2(以降単に2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2ともいう)を制御することにより、各相ロータ変換部45u〜45w(換言すれば各相E級コンバータEcu〜Ecw)を動作させる。
ここで、両コントローラ94,95における両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のスイッチング制御の詳細について以下に説明する。
ステータコントローラ95は、周期的にHI/LOWに切り替わるクロック信号CKを用いて1次側u相スイッチング素子Qu1を周期的にON/OFFさせることにより、u相E級インバータEiuを動作させる。
ステータコントローラ95は、周期的にHI/LOWに切り替わるクロック信号CKを用いて1次側u相スイッチング素子Qu1を周期的にON/OFFさせることにより、u相E級インバータEiuを動作させる。
更にステータコントローラ95は、上記クロック信号CKをロータコントローラ94に送信する。この場合、クロック信号CKは、信号用結合コンデンサCz1,Cz2を伝送する際に微分される。このため、ロータコントローラ94は、クロック信号CKの微分波形を受信することとなる。これに対して、ロータコントローラ94は、クロック信号CKの微分波形からクロック信号CKを生成(復元)する回路を有している。これにより、ロータコントローラ94は、クロック信号CKを把握できる。
ロータコントローラ94は、クロック信号CKに基づいて、1次側u相スイッチング素子Qu1よりも遅延時間Tdだけ遅延させて2次側u相スイッチング素子Qu2を周期的にON/OFFさせることにより、u相E級コンバータEcuを動作させる。この場合、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のスイッチング周波数は同一であり、詳細にはクロック信号CKの周波数と同一である。また、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のオンオフのデューティ比は同一である。このため、図4(a)及び図4(b)に示すように、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、1次側u相スイッチング素子Qu1の立ち上がりタイミングに対して2次側u相スイッチング素子Qu2の立ち上がりタイミングが遅延時間Tdだけ遅れた状態で、同一の周期TでON/OFFしている。
ちなみに、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のスイッチング周波数は、伝送用電力の周波数と一致している。そして、上記スイッチング周波数(換言すれば伝送用電力の周波数)は、駆動電力の周波数よりも高く設定されており、例えば少なくとも100倍以上高く設定されている。
ここで、本発明者は、電力伝送方向(換言すれば給電方向)や電力値が、遅延時間Tdに依存している特性を見出した。当該特性について図5を用いて説明する。
図5は、遅延時間Tdと、電力伝送方向及び伝送される電力値との関係を示すグラフである。図5においては、バッテリ102からu相ロータコイル22u(第1電動モータ31)に向かう方向を正(+)方向とし、u相ロータコイル22uからバッテリ102に向かう方向を負(−)方向としている。正方向が「第1電力伝送方向」に対応し、負方向が「第2電力伝送方向」に対応する。また、図5中の実線の電源グラフPt1は、遅延時間Tdに対するバッテリ102の電力消費を示すグラフであり、図5中の一点鎖線の負荷グラフPt2は、遅延時間Tdに対するu相ロータコイル22uの電力消費を示すグラフである。
図5は、遅延時間Tdと、電力伝送方向及び伝送される電力値との関係を示すグラフである。図5においては、バッテリ102からu相ロータコイル22u(第1電動モータ31)に向かう方向を正(+)方向とし、u相ロータコイル22uからバッテリ102に向かう方向を負(−)方向としている。正方向が「第1電力伝送方向」に対応し、負方向が「第2電力伝送方向」に対応する。また、図5中の実線の電源グラフPt1は、遅延時間Tdに対するバッテリ102の電力消費を示すグラフであり、図5中の一点鎖線の負荷グラフPt2は、遅延時間Tdに対するu相ロータコイル22uの電力消費を示すグラフである。
図5に示すように、電力伝送方向は、遅延時間Tdに応じて異なっている。詳細には、電力伝送方向は、遅延時間Tdが0〜T/2である場合には負方向となり、遅延時間TdがT/2〜Tである場合には正方向となる。なお、遅延時間TdがT/2である場合、バッテリ102の電力消費とu相ロータコイル22uの電力消費とが打ち消し合って「0」となる。この場合、正方向及び負方向のどちらにも電力伝送は行われない。
また、バッテリ102及びu相ロータコイル22uの電力消費は、遅延時間Tdに応じて変動している。この場合、遅延時間Tdが0〜T/2の範囲内で、バッテリ102及びu相ロータコイル22uの電力消費が最大となる遅延時間Tdを回生遅延時間Td1とする。遅延時間Tdが回生遅延時間Td1に設定されている場合、u相ロータコイル22uからバッテリ102に向けて伝送される電力値が最大となる。
また、遅延時間TdがT/2〜Tの範囲内で、バッテリ102及びu相ロータコイル22uの電力消費が最大となる遅延時間Tdを力行遅延時間Td2とする。遅延時間Tdが力行遅延時間Td2に設定されている場合、バッテリ102からu相ロータコイル22uに向けて伝送される電力値が最大となる。
遅延時間Tdが0〜T/2である場合、バッテリ102の電力消費がu相ロータコイル22uの電力消費よりも小さくなっている。両者の差は、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する非接触電力伝送を含めたu相ロータ変換部45uからu相ステータ変換部43uまでの電力伝送の損失を示す。
遅延時間TdがT/2〜Tである場合、u相ロータコイル22uの電力消費がバッテリ102の電力消費よりも小さくなっている。両者の差は、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する非接触電力伝送を含めたu相ステータ変換部43uからu相ロータ変換部45uまでの電力伝送の損失を示す。
なお、バッテリ102の電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には放電による電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には充電による電力消費である。
また、u相ロータコイル22uの電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には第1電動モータ31の駆動に係る電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には出力される回生電力による電力消費である。
また、u相ロータコイル22uの電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には第1電動モータ31の駆動に係る電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には出力される回生電力による電力消費である。
次に、電力伝送方向に対するu相E級インバータEiu及びu相E級コンバータEcuの動作について説明する。
電力伝送方向が正方向である場合、u相E級インバータEiu(詳細にはu相ステータ変換部43u)では、蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作が行われ、u相E級コンバータEcu(詳細にはu相ロータ変換部45u)では、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、直流電力がu相ロータコイル22uに入力される。
電力伝送方向が正方向である場合、u相E級インバータEiu(詳細にはu相ステータ変換部43u)では、蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作が行われ、u相E級コンバータEcu(詳細にはu相ロータ変換部45u)では、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、直流電力がu相ロータコイル22uに入力される。
ちなみに、u相ロータ変換部45uから出力される直流電力は、一定の向きとなっている。そして、上記直流電力の電力値は、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2のスイッチング周波数に対応する周期で変化している。すなわち、直流電力とは、向きが一定であればよく、電力値が周期的に変化しているものを含む。
一方、電力伝送方向が負方向である場合、u相E級コンバータEcuでは、交流の回生電力を伝送用電力に変換する変換動作が行われ、u相ステータ変換部43uでは、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、直流電力がバッテリ102に入力される。
以上のことから、電界結合式非接触給電システム40は、両u相結合コンデンサCu1,Cu2を介する双方向の非接触電力伝送が可能となっている。なお、u相ロータコイル22uからバッテリ102に向かう電力伝送が行われる場合には、両u相回転電極61u,62uが両u相保持電極71u,72uに伝送用電力を送電する「送電部」として機能し、両u相保持電極71u,72uが両u相回転電極61u,62uから伝送用電力を非接触で受電する「受電部」として機能する。
ちなみに、上述した遅延時間Tdだけずらしたスイッチング制御、及び、遅延時間Tdに対する電力伝送方向の特性は、u相に限られず、v相及びw相についても同様である。すなわち、両コントローラ94,95は、両v相スイッチング素子Qv1,Qv2を、遅延時間Tdだけずれた状態で周期的にON/OFFさせる。両コントローラ94,95は、両w相スイッチング素子Qw1,Qw2を、遅延時間Tdだけずれた状態で周期的にON/OFFさせる。
両コントローラ94,95は、力行動作時には、各相ロータ変換部45u〜45wによって変換された直流電力が、対応する相ロータコイル22u〜22wに、予め定められた順序で入力されるように各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各スイッチング素子Qu1〜Qw2という)を制御する。当該制御について以下に説明する。
なお、u相ロータ変換部45uとu相ロータコイル22uとが対応しており、u相ロータ変換部45uにて変換された直流電力はu相ロータコイル22uに入力される。同様に、v相ロータ変換部45vとv相ロータコイル22vとが対応しており、v相ロータ変換部45vにて変換された直流電力はv相ロータコイル22vに入力される。同様に、w相ロータ変換部45wとw相ロータコイル22wとが対応しており、w相ロータ変換部45wにて変換された直流電力はw相ロータコイル22wに入力される。
図6(a)及び図6(b)に示すように、両コントローラ94,95は、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2が力行遅延時間Td2だけずれた状態でON/OFFするu相第1動作と、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2がOFF状態に維持されるu相第2動作とを交互に繰り返し実行させる。u相第1動作と当該u相第1動作の後に実行されるu相第2動作とを合わせてu相単位動作とする。
同様に、図6(c)及び図6(d)に示すように、両コントローラ94,95は、両v相スイッチング素子Qv1,Qv2が力行遅延時間Td2だけずれた状態でON/OFFするv相第1動作と、両v相スイッチング素子Qv1,Qv2がOFF状態に維持されるv相第2動作とを交互に繰り返し実行させる。v相第1動作と当該v相第1動作の後に実行されるv相第2動作とを合わせてv相単位動作とする。
また、図6(e)及び図6(f)に示すように、両コントローラ94,95は、両w相スイッチング素子Qw1,Qw2が力行遅延時間Td2だけずれた状態でON/OFFするw相第1動作と、両w相スイッチング素子Qw1,Qw2がOFF状態に維持されるw相第2動作とを交互に繰り返し実行させる。w相第1動作と当該w相第1動作の後に実行されるw相第2動作とを合わせてw相単位動作とする。
ここで、各相単位動作が行われる期間はそれぞれ同一に設定されている。上記期間を単位動作期間Taとする。単位動作期間Taは、第1動作が行われている第1動作期間Ta1と、第2動作が行われている第2動作期間Ta2とを加算した値である。
かかる構成において、図6に示すように、両コントローラ94,95は、各相単位動作の実行タイミング(換言すれば開始タイミング)がそれぞれずれた状態で各相単位動作が繰り返し実行されるように各スイッチング素子Qu1〜Qw2を制御する。詳細には、両コントローラ94,95は、各相単位動作がそれぞれ単位動作期間Taの1/3ずつずれるように各相給電部41u〜41wを制御する。すなわち、両コントローラ94,95は、直流電力を、u相ロータコイル22u→v相ロータコイル22v→w相ロータコイル22wの順序で繰り返し入力させる。
なお、本実施形態では、第1動作期間Ta1は、単位動作期間Taの1/3よりも長い期間に設定されている。この場合、一部の期間において、3相のうち2相において第1動作が行われる。但し、これに限られず、同時に2つの相の第1動作が行われないように第1動作期間Ta1が設定されていてもよい。すなわち、第1動作期間Ta1は、単位動作期間Taの1/3以下に設定されてもよい。この場合、第1動作が行われる相が順次切り替わる。
また、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転数に基づいて、単位動作期間Ta及び当該単位動作期間Taの逆数である単位動作周波数ftを制御する。例えば、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転数が高くなるに従って単位動作周波数ftを高くする。そして、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転数が一定となった場合には、単位動作周波数ftを維持する。つまり、両コントローラ94,95は、単位動作周波数ftがインナーロータ11の回転数と同一となるように各相単位動作を制御する。単位動作周波数ftが第1電動モータ31の駆動電力の周波数である。
次に、回生動作時における両コントローラ94,95の制御態様について説明する。両コントローラ94,95は、回生動作時には、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2が回生遅延時間Td1だけずれ、両v相スイッチング素子Qv1,Qv2が回生遅延時間Td1だけずれ、両w相スイッチング素子Qw1,Qw2が回生遅延時間Td1だけずれた状態で各スイッチング素子Qu1〜Qw2を常に周期的にON/OFFさせる。これにより、各相給電部41u〜41wにて、回生電力を用いたバッテリ102への給電が行われる。詳細には、各相ロータ変換部45u〜45wにて、回生電力を伝送用電力に変換する変換動作が行われ、当該伝送用電力が各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介して各相ステータ変換部43u〜43wに伝送され、各相ステータ変換部43u〜43wにて、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。この場合、両コントローラ94,95は、回生ブレーキの必要量に応じて、伝送用電力の電力値を可変制御してもよい。
そして、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転数が予め定められた下限値を下回ったことに基づいて、各相給電部41u〜41wによる給電を停止させる。詳細には、両コントローラ94,95は、各スイッチング素子Qu1〜Qw2をOFF状態に維持する。なお、両コントローラ94,95は、第1電動モータ31の空転時には、各相給電部41u〜41wの動作を停止させる。
次に本実施形態の作用について説明する。
各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触の電力伝送により、インナーロータ11に設けられた相ロータコイル22u〜22wに対して給電が行われる。また、相ロータコイル22u〜22wにて回生電力が発生した場合には、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触電力伝送を含む、相ロータコイル22u〜22wからバッテリ102に向かう電力伝送が行われ、バッテリ102が充電される。
各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触の電力伝送により、インナーロータ11に設けられた相ロータコイル22u〜22wに対して給電が行われる。また、相ロータコイル22u〜22wにて回生電力が発生した場合には、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触電力伝送を含む、相ロータコイル22u〜22wからバッテリ102に向かう電力伝送が行われ、バッテリ102が充電される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)回転電機10は、インナーロータ11とインナーロータ11に設けられた各相ロータコイル22u〜22wを有する三相モータとしての第1電動モータ31とを備えている。そして、回転電機10は、複数の相ロータコイル22u〜22wに対応させて複数の相給電部41u〜41wを備えている。詳細には、回転電機10は、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、3つの相ロータコイル22u〜22wに対して給電を行う3つの相給電部41u〜41wを備えている。
(1)回転電機10は、インナーロータ11とインナーロータ11に設けられた各相ロータコイル22u〜22wを有する三相モータとしての第1電動モータ31とを備えている。そして、回転電機10は、複数の相ロータコイル22u〜22wに対応させて複数の相給電部41u〜41wを備えている。詳細には、回転電機10は、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、3つの相ロータコイル22u〜22wに対して給電を行う3つの相給電部41u〜41wを備えている。
かかる構成によれば、各相給電部41u〜41wによって、インナーロータ11に設けられた各相ロータコイル22u〜22wに対する非接触給電が実現されている。これにより、ブラシを設けることなく、インナーロータ11への給電を行うことができる。
また、相ロータコイル22u〜22wに対して個別に相給電部41u〜41wが設けられているため、各相給電部41u〜41wによる給電態様を個別に制御することにより、各相ロータコイル22u〜22wの通電態様を個別に制御することができる。これにより、三相交流を生成する三相インバータを設けることなく、第1電動モータ31を駆動させることができる。
特に、本実施形態では、3つの相給電部41u〜41wが設けられているため、1つ当たりの相給電部が要求される要求電力値が小さくて済む。詳細には、各相給電部41u〜41wは、少なくとも1相分の駆動電力を給電することができればよい。これにより、各相結合コンデンサCu1〜Cw2のキャパシタンスを低くすることができる。
詳述すると、結合コンデンサを介する電界結合式の非接触の電力伝送においては、電力伝送が可能な電力値は、結合コンデンサのキャパシタンスが高くなるほど、大きくなる。このため、第1電動モータ31を駆動させるために、大きな電力を伝送させようとすると、結合コンデンサのキャパシタンスを高くする必要が生じる。しかしながら、結合コンデンサのキャパシタンスは、電極の形状や電極間距離等に依存するため、要求電力値によっては、製造や配置が困難な非現実的な結合コンデンサが求められる不都合が生じ得る。これに対して、本実施形態では、1つ当たりの相給電部が要求される要求電力値が小さくて済むため、要求電力値を満たす各相結合コンデンサCu1〜Cw2のキャパシタンスを低くできる。これにより、上記不都合を抑制できる。
(2)相給電部41u〜41wは、直流電源であるバッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、予め定められた周波数の交流の伝送用電力に変換するDC/AC変換動作を行う相ステータ変換部43u〜43wを備えている。
相給電部41u〜41wは、インナーロータ11に対して非接触の電力伝送を行う相伝送部44u〜44wを備えている。u相伝送部44uは、インナーロータ11の回転に伴って回転しないように保持され且つ伝送用電力が入力されるu相保持電極71u,72uと、インナーロータ11に設けられ且つu相保持電極71u,72uから非接触で伝送用電力を受電するu相回転電極61u,62uと有している。u相結合コンデンサCu1,Cu2は、u相保持電極71u,72uとu相回転電極61u,62uとによって構成されている。同様に、v相伝送部44vは、v相結合コンデンサCv1,Cv2を構成するv相保持電極とv相回転電極とを有し、w相伝送部44wは、w相結合コンデンサCw1,Cw2を構成するw相保持電極とw相回転電極とを有している。
また、相給電部41u〜41wは、インナーロータ11に設けられ、相回転電極によって受電された伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作を行う相ロータ変換部45u〜45wを備えている。そして、回転電機10は、各相ロータ変換部45u〜45wによって変換された直流電力を、対応する相ロータコイル22u〜22wに、予め定められた順序で入力させる両コントローラ94,95を備えている。かかる構成によれば、直流電力が、各相ロータコイル22u〜22wに、予め定められた順序で入力される。当該入力態様は、各相ロータコイル22u〜22wに対して互いに位相がずれた電力が入力されたことと等価である。これにより、各相ロータコイル22u〜22wの通電態様を、三相交流に近づけることができる。よって、三相交流を生成する三相インバータを設けることなく、第1電動モータ31を駆動させることができる。
ここで、第1電動モータ31を駆動させる点に着目すれば、例えば各相ロータ変換部45u〜45wによって変換された直流電力を用いて三相交流を生成する三相インバータを設けることも考えられる。しかしながら、当該三相インバータは、通常6つのスイッチング素子を有する構成のため、スイッチング素子の数が多くなり易い。特に、本実施形態では、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触の電力伝送を行う関係上、上記三相インバータはインナーロータ11に設ける必要があり、構成の複雑化やインナーロータ11の大型化等といった不都合が生じ易い。これに対して、本実施形態では、三相インバータを設けることなく、第1電動モータ31を駆動させることができるため、上記不都合を抑制できる。
(3)相ステータ変換部43u,43v,43wは、1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1を有し、当該1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1が周期的にON/OFFすることによりDC/AC変換動作を行う。相ロータ変換部45u,45v,45wは、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2を有し、当該2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2が周期的にON/OFFすることにより、DC/AC変換動作を行う。
かかる構成において、u相給電部41uの両u相スイッチング素子Qu1,Qu2が周期的にON/OFFするu相第1動作と、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2がOFF状態に維持されるu相第2動作とを合わせてu相単位動作とする。同様に、両v相スイッチング素子Qv1,Qv2の上記u相単位動作に対応する動作をv相単位動作とし、両w相スイッチング素子Qw1,Qw2の上記u相単位動作に対応する動作をw相単位動作とする。両コントローラ94,95は、各相単位動作の実行タイミングがそれぞれずれた状態で、各相単位動作が繰り返し実行されるように各スイッチング素子Qu1〜Qw2を制御する。かかる構成によれば、直流電力の入力制御を行うためのスイッチ等を別途設けることなく、各相ロータコイル22u〜22wの通電態様を三相交流に近づけることができるとともに、無駄なスイッチングを抑制できる。これにより、効率の向上と構成の簡素化との両立を図ることができる。
(4)各相単位動作が行われる期間(単位動作期間Ta)はそれぞれ同一に設定されており、その期間の逆数を単位動作周波数ftとする。この場合、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転数に対応させて、単位動作周波数ftを制御する。これにより、インナーロータ11の回転と、各相ロータコイル22u〜22wの通電態様とを同期させることができる。また、単位動作周波数ftを制御することにより、インナーロータ11の回転数制御を行うことができる。なお、単位動作周波数ftとは、第1電動モータ31に入力される電力の周波数とも言える。
(5)伝送用電力の周波数は、単位動作周波数ftよりも高く設定されている。かかる構成によれば、第1電動モータ31を好適に駆動させることができるとともに、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触の電力伝送を好適に行うことができる。
詳述すると、例えば、インナーロータ11の回転数に応じて決まる単位動作周波数ftと同一周波数の伝送用電力で各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する非接触の電力伝送を行うことも考えられる。しかしながら、各相結合コンデンサCu1〜Cw2を介する電界結合式の非接触の電力伝送においては、電力伝送が可能な電力値は、伝送用電力の周波数及び各相結合コンデンサCu1〜Cw2のキャパシタンスで決まる。このため、仮に伝送用電力の周波数を単位動作周波数ftと同一に設定すると、要求電力値を満たすために必要なキャパシタンスが非常に高くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、伝送用電力の周波数は、単位動作周波数ftよりも高く設定されている。これにより、要求電力値を満たすための各相結合コンデンサCu1〜Cw2のキャパシタンスを低くすることができる。よって、インナーロータ11の回転と各相ロータコイル22u〜22wの通電態様とを同期させつつ、要求電力値の伝送用電力を非接触で好適に電力伝送させることができる。なお、各相ロータ変換部45u〜45wは、AC/DC変換動作と、振幅変調動作との双方を行うものとも言える。
(6)相ステータ変換部43u,43v,43wは、バッテリ102に直列接続された1次側の相コイルLu1,Lv1,Lw1と、バッテリ102に並列接続された1石の1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1と、を有している。更に、相ステータ変換部43u,43v,43wは、1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1に並列接続された1次側の相シャントキャパシタCsu1,Csv1,Csw1を有している。
相ロータ変換部45u,45v,45wは、相ロータコイル22u,22v,22wに直列接続された2次側の相コイルLu2,Lv2,Lw2と、相ロータコイル22u,22v,22wに並列接続された1石の2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2と、を有している。更に、相ロータ変換部45u,45v,45wは、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2に並列接続された2次側の相シャントキャパシタCsu2,Csv2,Csw2を有している。
u相給電部41uは、第1u相結合コンデンサCu1と直列接続されたものであって第1u相結合コンデンサCu1と協働してu相直列共振回路96uを構成するu相共振コイルLu3を備え、当該u相直列共振回路96uは、両u相シャントキャパシタCsu1,Csu2の間に設けられている。
v相給電部41vは、第1v相結合コンデンサCv1と直列接続されたものであって第1v相結合コンデンサCv1と協働してv相直列共振回路96vを構成するv相共振コイルLv3を備え、当該v相直列共振回路96vは、両v相シャントキャパシタCsv1,Csv2の間に設けられている。
w相給電部41wは、第1w相結合コンデンサCw1と直列接続されたものであって第1w相結合コンデンサCw1と協働してw相直列共振回路96wを構成するw相共振コイルLw3を備え、当該w相直列共振回路96wは、両w相シャントキャパシタCsw1,Csw2の間に設けられている。
そして、相直列共振回路96u,96v,96wと相ステータ変換部43u,43v,43wとによって相E級インバータEiu,Eiv,Eiwが構成され、相直列共振回路96u,96v,96wと相ロータ変換部45u,45v,45wとによって相E級コンバータEcu,Ecv,Ecwが構成されている。
かかる構成によれば、E級動作によって電力変換動作が行われるため、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング損失の低減を図ることができる。詳述すると、E級動作とは、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のターンオン時における各スイッチング素子Qu1〜Qw2の印加電圧及び印加電圧の傾きが「0」となる動作モードである。この場合、ターンオン時にZVS動作が実現されるとともに、ターンオフ損失が最小となる。これにより、電界結合式非接触給電システム40の効率向上を図ることができる。
ここで、E級動作を実現するためには、直列共振回路が必要となる。この点、本実施形態では、電界結合式の非接触の電力伝送(換言すれば給電)を行うのに必須の構成である第1u相結合コンデンサCu1、第1v相結合コンデンサCv1及び第1w相結合コンデンサCw1が相直列共振回路96u,96v,96wの一部として採用されている。これにより、専用のコンデンサを別途設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。更に、上記相直列共振回路96u,96v,96wは、相E級インバータEiu,Eiv,Eiw及び相E級コンバータEcu,Ecv,Ecwの双方に用いられている。よって、相E級インバータEiu,Eiv,Eiw及び相E級コンバータEcu,Ecv,Ecwの双方において専用の直列共振回路を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
特に、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2は、1石ずつである。このため、インナーロータ11に設けられているスイッチング素子は合計3個となる。これにより、三相インバータのような少なくとも6個のスイッチング素子が必要な構成と比較して、スイッチング素子の数の削減を図ることができる。
また、相E級インバータEiu,Eiv,Eiw及び相E級コンバータEcu,Ecv,Ecwが上記のように構成されているため、回転電機10は、バッテリ102から各相ロータコイル22u〜22wへの電力伝送だけでなく、各相ロータコイル22u〜22wからバッテリ102への電力伝送が可能な双方向給電システムとなっている。これにより、双方向給電に好適に対応できる。
(8)両コントローラ94,95は、蓄電電力を用いて第1電動モータ31を駆動させる力行動作時には、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2の立ち上がりタイミングが1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1の立ち上がりタイミングよりも、力行遅延時間Td2だけ遅延した状態で各相単位動作を実行させる。両コントローラ94,95は、回生動作時には、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2の立ち上がりタイミングが1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1の立ち上がりタイミングよりも、回生遅延時間Td1だけ遅延した状態で各スイッチング素子Qu1〜Qw2を周期的にON/OFFさせる。力行遅延時間Td2は、バッテリ102から第1電動モータ31に向かう電力伝送方向に対応する遅延時間Tdであり、回生遅延時間Td1は、第1電動モータ31からバッテリ102に向かう電力伝送方向に対応する遅延時間Tdである。換言すれば、両コントローラ94,95は、遅延時間Tdを変更することにより、給電態様を、バッテリ102から第1電動モータ31への給電が行われる力行対応給電と、第1電動モータ31からバッテリ102への給電が行われる回生対応給電とに切り替える。
かかる構成によれば、遅延時間Tdを変更することにより、電力伝送方向が変更される。これにより、電力伝送経路を切り替えるスイッチ等を設けることなく、力行動作及び回生動作の双方に対応できるため、構成の簡素化を図ることができる。
(9)ステータコントローラ95は、クロック信号CKを用いて各1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1を周期的にON/OFFさせるものであり、且つ、当該クロック信号CKをロータコントローラ94に送信する。ロータコントローラ94は、上記クロック信号CKに基づいて、2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2の立ち上がりタイミングを1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1の立ち上がりタイミングよりも遅延時間Tdだけ遅延させる。これにより、1次側スイッチング素子Qu1,Qv1,Qw1と2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2とを、別々のクロック信号を用いてON/OFFさせる構成と比較して、遅延時間Tdが所望値からずれる事態を抑制できる。
(10)回転電機10は、インナーロータ11に対して径方向外側に配置され、インナーロータ11と個別に回転可能なアウターロータ12を備えている。第1電動モータ31は、インナーロータ11のロータコイル22とアウターロータ12の第1永久磁石24とによって構成されている。この場合、回転するインナーロータ11に設けられたロータコイル22に給電する必要が生じる。これに対して、本実施形態では、ロータコイル22に給電するものとして非接触電力伝送部44が採用されている。これにより、ダブルロータ型の回転電機10において、ブラシレス化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 直流電力が入力される順序は、u相ロータコイル22u→v相ロータコイル22v→w相ロータコイル22wに限られず、任意である。
○ 直流電力が入力される順序は、u相ロータコイル22u→v相ロータコイル22v→w相ロータコイル22wに限られず、任意である。
○ 相ステータ変換部43u〜43w及び相ロータ変換部45u〜45wの具体的な構成は任意である。例えば、図7に示すように、u相ステータ変換部43uは、1次側u相スイッチング素子Qu1及び第1u相ダイオードDu1の直列接続体と、第2u相ダイオードDu2と、を有する構成でもよい。第1u相ダイオードDu1は、当該第1u相ダイオードDu1の順方向と1次側u相ボディダイオードDbu1の順方向とが逆向きになるように接続されている。そして、上記直列接続体と第2u相ダイオードDu2とは、第1u相ダイオードDu1の順方向と第2u相ダイオードDu2の順方向とが逆向きとなるように、並列接続されている。
同様に、図7に示すように、u相ステータ変換部43uは、2次側u相スイッチング素子Qu2及び第3u相ダイオードDu3の直列接続体と第4u相ダイオードDu4とを有する構成でもよい。かかる構成によれば、各u相ダイオードDu1〜Du4の方が、各u相ボディダイオードDbu1,Dbu2よりも、効率がよくなり易いため、効率の向上を図ることができる。但し、部品点数の点に着目すれば、実施形態の構成の方がよい。
○ また、実施形態では、1次側スイッチング素子及び2次側スイッチング素子は、各相において1石ずつであったが、これに限られず、両スイッチング素子の少なくとも一方が2石以上であってもよい。
○ 相ステータ変換部43u〜43w及び相ロータ変換部45u〜45wは、E級動作条件を満たさなくてもよい。
○ ステータ変換部とロータ変換部とは、同一の回路構成に限られず、異なる回路構成であってもよい。例えば両変換部のうちいずれか一方に双方向スイッチ回路を設けてもよい。
○ ステータ変換部とロータ変換部とは、同一の回路構成に限られず、異なる回路構成であってもよい。例えば両変換部のうちいずれか一方に双方向スイッチ回路を設けてもよい。
○ 各相第2動作を省略してもよい。すなわち、両コントローラ94,95は、力行動作時に、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を常にON/OFFさせてもよい。この場合、2次側の相コイルLu2,Lv2,Lw2と相ロータコイル22u,22v,22wとの間にスイッチが設けられているとよい。そして、両コントローラ94,95は、当該スイッチを制御することにより、相ロータコイル22u,22v,22wへの直流電力の入力を制御するとよい。すなわち、直流電力を相ロータコイル22u,22v,22wに予め定められた順序で入力することができれば、回転電機10の具体的な構成は任意である。但し、スイッチング損失等を考慮すると、各相第2動作が設けられている方がよい。
○ 単位動作期間Taは、u相単位動作と、v相単位動作と、w相単位動作とでそれぞれ異なっていてもよい。
○ 第1動作期間Ta1と第2動作期間Ta2との比率は、任意であり、例えば第1電動モータ31の特性等に応じて変更してもよい。
○ 第1動作期間Ta1と第2動作期間Ta2との比率は、任意であり、例えば第1電動モータ31の特性等に応じて変更してもよい。
○ 両コントローラ94,95は、回生動作時には、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を常に周期的にON/OFFさせる構成であったが、これに限られない。例えば、両コントローラ94,95は、インナーロータ11の回転角(回転位置)を把握し、その回転角に基づいて、各相ロータコイル22u〜22wにて交流の回生電力のうち正成分が出力されるu相正回生期間、v相正回生期間及びw相正回生期間を推定してもよい。そして、両コントローラ94,95は、u相正回生期間に、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2を、回生遅延時間Td1ずれた状態で周期的にON/OFFさせてもよい。同様に、両コントローラ94,95は、v相正回生期間に両v相スイッチング素子Qv1,Qv2を回生遅延時間Td1ずれた状態で周期的にON/OFFさせ、w相正回生期間に両w相スイッチング素子Qw1,Qw2を回生遅延時間Td1ずれた状態で周期的にON/OFFさせてもよい。なお、インナーロータ11の回転角を把握する具体的な構成は任意であるが、例えばインナーロータ11にレゾルバ等の回転角センサを設けることが考えられる。
○ 直流電力の電力値は遅延時間Tdに応じて変動することに着目して、両コントローラ94,95は、遅延時間Tdを変更することにより、第1電動モータ31に入力される直流電力の電力値の可変制御を行ってもよい。つまり、遅延時間Tdは、電力値が最大となる回生遅延時間Td1又は力行遅延時間Td2に限られない。
○ ステータコントローラ95が、各2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2を制御してもよい。この場合、ステータコントローラ95は、遅延時間Tdを決定し、クロック信号CKに対して当該遅延時間Tdだけ遅延させた制御信号を、信号用結合コンデンサCz1,Cz2を介して、インナーロータ11に設けられた波形整形部に送信する。波形整形部は、制御信号の微分波形から制御信号を生成(復元)し、その生成された制御信号を各2次側スイッチング素子Qu2,Qv2,Qw2に出力するとよい。これにより、ロータコントローラ94の簡素化又は省略を図ることができる。
○ 相ロータ変換部45u,45v,45wが相共振コイルLu3,Lv3,Lw3を備えていてもよい。詳細には、u相共振コイルLu3は、第1u相結合コンデンサCu1と2次側u相コイルLu2とを接続する配線上にあってもよい。
○ 結合コンデンサを構成する回転電極と保持電極との具体的な構成は任意である。例えば、両電極は、絶縁部材52が挿通された円板リング状であってインナーロータ11の軸線方向に互いに対向する構成であってもよい。
○ 各相E級インバータEiu〜Eiwは昇圧又は降圧の電圧値変換を行ってもよく、各相E級コンバータEcu〜Ecwは昇圧又は降圧の電圧値変換を行ってもよい。
○ スイッチング素子は、n型のMOSFETに限られず、IGBT等任意である。
○ スイッチング素子は、n型のMOSFETに限られず、IGBT等任意である。
○ 結合コンデンサの数は任意であり、例えば互いに並列接続された複数の結合コンデンサを用いて非接触の電力伝送を行ってもよい。
○ 直流電源はバッテリ102であったが、これに限られず、充放電が可能な蓄電装置であれば、任意であり、例えば電気二重層キャパシタ等でもよい。
○ 直流電源はバッテリ102であったが、これに限られず、充放電が可能な蓄電装置であれば、任意であり、例えば電気二重層キャパシタ等でもよい。
○ 回転電機10は、コイルが設けられたロータを少なくとも1つ有していればよい。例えば、回転電機は、1つのロータとステータとを有する構成であってもよい。また、回転電機は、ステータ13が省略され、2つのロータを有する構成であってもよい。
○ 回転電機10は、ハイブリッドトランスアクスルに用いられていたが、他の用途に用いられてもよい。また、車両は、エンジンと蓄電装置とを有する車両に限られず任意である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記制御部は、前記電源電力を用いて前記三相モータを駆動させる力行動作時には、前記各相給電部の前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングが同一相の前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングよりも、前記直流電源から前記三相モータに向かう第1電力伝送方向に対応した力行遅延時間だけ遅延した状態で、前記各相単位動作を実行させる一方、前記三相モータにて回生電力が発生している回生動作時には、前記各相給電部の前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングが同一相の前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングよりも、前記三相モータから前記直流電源に向かう第2電力伝送方向に対応した回生遅延時間だけ遅延した状態で前記各相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせる請求項5に記載の回転電機。
(イ)前記制御部は、前記電源電力を用いて前記三相モータを駆動させる力行動作時には、前記各相給電部の前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングが同一相の前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングよりも、前記直流電源から前記三相モータに向かう第1電力伝送方向に対応した力行遅延時間だけ遅延した状態で、前記各相単位動作を実行させる一方、前記三相モータにて回生電力が発生している回生動作時には、前記各相給電部の前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングが同一相の前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングよりも、前記三相モータから前記直流電源に向かう第2電力伝送方向に対応した回生遅延時間だけ遅延した状態で前記各相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせる請求項5に記載の回転電機。
10…回転電機、11…インナーロータ、12…アウターロータ、13…ステータ、22…ロータコイル、22u…u相ロータコイル、22v…v相ロータコイル、22w…w相ロータコイル、31…第1電動モータ(三相モータ)、40…電界結合式非接触給電システム、41u…u相給電部、41v…v相給電部、41w…w相給電部、42…電子ユニット、43…ステータ変換部、43u…u相ステータ変換部、43v…v相ステータ変換部、43w…w相ステータ変換部、44…非接触電力伝送部、44u…u相伝送部、44v…v相伝送部、44w…w相伝送部、45…ロータ変換部、45u…u相ロータ変換部、45v…v相ロータ変換部、45w…w相ロータ変換部、61u,62u…u相回転電極、71u,72u…u相保持電極、94…ロータコントローラ、95…ステータコントローラ、96u〜96w…相直列共振回路、100…車両、102…バッテリ(直流電源)、Cu1,Cu2…u相結合コンデンサ、Cv1,Cv2…v相結合コンデンサ、Cw1,Cw2…w相結合コンデンサ、Qu1,Qv1,Qw1…1次側スイッチング素子、Qu2,Qv2,Qw2…2次側スイッチング素子、Td…遅延時間、ft…単位動作周波数。
Claims (5)
- ロータと、
前記ロータに設けられたu相ロータコイル、v相ロータコイル及びw相ロータコイルを有する三相モータと、
を備えた回転電機において、
電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記u相ロータコイルに対して給電を行うu相給電部と、
電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記v相ロータコイルに対して給電を行うv相給電部と、
電界結合式の非接触の電力伝送を用いて、前記w相ロータコイルに対して給電を行うw相給電部と、
を備え、
前記各相給電部はそれぞれ、
直流電源から出力される直流の電源電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換動作を行う第1変換部と、
前記ロータの回転に伴って回転しないように保持され且つ前記交流電力が入力される保持電極、及び、前記ロータに設けられ且つ前記保持電極から非接触で前記交流電力を受電する回転電極を有するものであって、前記保持電極及び前記回転電極で構成される結合コンデンサを介して非接触の電力伝送を行う非接触電力伝送部と、
前記ロータに設けられ、前記回転電極によって受電された交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作を行う第2変換部と、
を備え、
前記回転電機は、前記各相給電部の前記第2変換部によって変換された直流電力を、対応する相ロータコイルに、予め定められた順序で入力させる制御部を備えていることを特徴とする回転電機。 - 前記第1変換部は、1次側スイッチング素子を有し、当該1次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記DC/AC変換動作を行うものであり、
前記第2変換部は、2次側スイッチング素子を有し、当該2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記AC/DC変換動作を行うものであり、
前記u相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするu相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるu相第2動作と、を合わせてu相単位動作とし、
前記v相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするv相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるv相第2動作と、を合わせてv相単位動作とし、
前記w相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFするw相第1動作と、当該両スイッチング素子がOFF状態に維持されるw相第2動作と、を合わせてw相単位動作とすると、
前記制御部は、前記各相単位動作の実行タイミングがそれぞれずれた状態で、前記各相単位動作が繰り返し実行されるように前記各相給電部の前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御する請求項1に記載の回転電機。 - 前記各相単位動作が行われる期間はそれぞれ同一であり、当該期間の逆数を単位動作周波数とすると、
前記制御部は、前記ロータの回転数に対応させて、前記単位動作周波数を制御する請求項2に記載の回転電機。 - 前記交流電力の周波数は、前記単位動作周波数よりも高く設定されている請求項3に記載の回転電機。
- 前記各相給電部の前記第1変換部はそれぞれ、
前記直流電源に直列接続された1次側コイルと、
前記直流電源に並列接続された1石の前記1次側スイッチング素子と、
前記1次側スイッチング素子に並列接続された1次側シャントキャパシタと、
を有し、
前記各相給電部の前記第2変換部はそれぞれ、
対応する相ロータコイルに直列接続された2次側コイルと、
対応する相ロータコイルに並列接続された1石の前記2次側スイッチング素子と、
前記2次側スイッチング素子に並列接続された2次側シャントキャパシタと、
を有し、
前記各相給電部はそれぞれ、前記結合コンデンサと直列接続されたものであって前記結合コンデンサと協働して直列共振回路を構成する共振コイルを備え、
前記直列共振回路は、前記1次側シャントキャパシタと前記2次側シャントキャパシタとの間に設けられており、
前記第1変換部と前記直列共振回路とによってE級インバータが構成され、前記第2変換部と前記直列共振回路とによってE級コンバータが構成されている請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199567A JP2017073900A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015199567A JP2017073900A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 回転電機 |
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JP2017073900A true JP2017073900A (ja) | 2017-04-13 |
Family
ID=58537726
Family Applications (1)
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JP2015199567A Pending JP2017073900A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017073900A (ja) |
-
2015
- 2015-10-07 JP JP2015199567A patent/JP2017073900A/ja active Pending
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