JP5128709B1 - 非正弦波駆動電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】リラクタンストルクを得て回転駆動する際の振動や騒音、トルクリップルの低減が図れるうえ、起動の円滑化が図れる非正弦波駆動電動機を提供すること、及び通電停止直後に、通電時と同じ操作部で回生制動が行え、その際に生じる電力を蓄電し、エネルギー効率を高めることが可能な非正弦波駆動電動機を提供する。
【解決手段】対称に配置された偶数の回転突極により、少なくとも二組の回転突極対が形成された回転子と回転子の周囲に対称に配置された偶数の固定突極により回転突極対の少なくとも三倍の固定突極対が形成され、固定突極対に巻回された界磁巻線に給電される非正弦波の負荷電流により、固定突極対それぞれが同一極性に磁化される固定子と、固定突極対と対応する位置に配置され、回転突極対が固定突極対の励磁領域を通過するタイミングを検出する検出手段と、検出されたタイミングで界磁巻線への給電方向を切換える切換手段と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転子及び固定子双方が突極構造を有し、固定子の界磁巻線に供給する非正弦波負荷電流の方向を順次切換えてリラクタンストルクを得る非正弦波駆動電動機に関し、特に負荷電流の供給を停止したときの慣性モーメントによって生じる電力を回生制動する非正弦波駆動電動機に関するものである。
近年、地球環境保全、石油依存からの脱却、エネルギー効率に関する意識の高まりを背景に、エンジンとモータを併用するハイブリッド車や、蓄電池や燃料電池に蓄積された電気エネルギーでモータを駆動して走行する電気自動車が脚光を浴びている。特に、小型・高出力のモータ、蓄電池や燃料電池の開発が急速に進展したことも、その実用化に拍車をかけている。
電気自動車等には、小型軽量で、エネルギー変換効率が高く、低騒音、低コストで、運転時の振動やさまざまな温度条件に対する信頼性、保守性に優れたモータが求められる。一般に、直巻モータや分巻モータは、インバータを用いずに可変速制御が可能ではあるが、ブラシを用いるため保守性や小型化に適さないという問題がある。そこで、高速化、小型化に適し、堅牢な誘導モータや永久磁石を用いエネルギー変換効率の高いブラシレスDCモータが盛んに開発されている。しかしながら、昨今、永久磁石用希土類鉱石が高騰し、永久磁石を用いるPMモータにとって、必ずしも好ましくない状況が生じている。
一方、回転子、固定子共に突極があり、固定子突極に巻回した界磁巻線に、PMモータと同様の非正弦波電流を流し、界磁巻線の磁気吸引力によって回転子を回転駆動するスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)が知られている。このモータは、回転子に積層電磁鋼板が用いられるので、回転子の発熱や熱減磁といった問題がなく、低コストで高速運転が可能であるという特長を有する。反面、振動や騒音があり、トルクリップルの発生という課題や、回転子が停止したとき突極の位置によっては、起動トルクが得られないという課題がある。
そこで、それらを改良する様々な提案がなされている。例えば、ステータコイルによるロータの吸引トルクは、回転方向のトルクとラジアル方向のトルクが合成されたものであり、SRモータ駆動時の騒音は、励磁が切断されたときの、ラジアル方向トルクの急激な減少が一因であるとして、駆動電流のオフ時の波形を正弦波状に緩やかにすることにより、騒音や振動音を防止する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。また、複数の回転子と、それら複数の回転子の突極と対極する複数の突極とを有する複数の固定子と、を備え、固定子それぞれの突極のピッチを少しずつずらすことにより、ラジアル方向のトルクの偏りを減らし、トルクリップルや振動を少なくするという方法が提案されている(特許文献3参照)。
他方、エネルギー消費を抑えて走行距離を延ばすことやエネルギー効率を高めるために、走行時の余剰な運動エネルギーを電気変換して二次電池に充電する方法や、減速時の余剰な運動エネルギーを電気変換して回収・消費する、いわゆる回生制動に関する開発が盛んに行われている。
例えば、回生制動で生じた電力をバッテリに充電する小型電動車において、長い下り坂でバッテリが過充電にならないように、初期充電の容量制限値を満充電未満に設定するとともに、走行中に過充電になったら、車速の上限値を下方に設定する方法が提案されている(特許文献4参照)。
また、トルクを積算処理することにより、基準値を超える高トルクが出力された後は回生トルクの使用を制限又は禁止してモータの巻線が過熱するのを防止すると共に、十分な動力性能を確保し、一方、降坂時の回生制動で巻線温度が上昇し電流が制限され、その後の登坂時に必要なトルクが得られなくなるという不都合を解消する方法が提案されている(特許文献5参照)。
さらに、燃費をよくするため、ブレーキペダルの操作による要求制動力が回生制動力よりも小さいときは、回生制動のみを使用し、要求制動力が回生制動力よりも大きいときは回生制動と摩擦制動を併用し、急制動が必要なときは、回生制動力の比率を小さくする方法などが提案されている(特許文献6参照)。
特開平10−210782号公報 特開2000−166292号公報 特開2011−125125号公報 特開2008−54441号公報 特開2008−167599号公報 特開2001−8306号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された方法では、トルクが低下すること、また特許文献3で開示された方法では構造が複雑でコストが高くなる恐れがある。
さらに、特許文献4から特許文献6に開示された方法では、エネルギー効率の向上や燃費の向上は図れても、エンジン自動車に慣れている運転者がエンジンブレーキと同様の感覚を期待してアクセルペダルを緩め、解放したときに、回生制動が機能しないと、不安感から慌ててブレーキペダルを踏み込んでしまう恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑み、起動が円滑に行えると共に、回転駆動時には強力なリラクタンストルクが得られ、振動や騒音、トルクリップルも低減することが可能な非正弦波駆動電動機を提供することを第一の目的とする。そして、通電停止直後に、通電時と同じ操作部を操作することによって回生制動が行えるうえ、回生制動を行う際に生じる電力を蓄電し、エネルギー効率を高めることが可能な非正弦波駆動電動機を提供することを第二の目的とする。
本発明の非正弦波駆動電動機は、回転軸を挟んで対称に配置された偶数の回転突極により回転突極対が形成された回転子と、上記回転子の周囲に対称に配置された偶数の固定突極により上記回転突極対の少なくとも三倍の固定突極対が形成され、該固定突極対に巻回された界磁巻線に給電される非正弦波の負荷電流により、該固定突極対それぞれが同時に磁化される固定子と、上記固定突極対と対応する位置に配置され、上記回転突極対が上記固定突極対の励磁領域を通過するタイミングを早めに検出する検出手段と、上記検出手段が検出したタイミングにより、上記負荷電流の上記界磁巻線への給電方向を切換える切換手段と、を備え、上記回転突極それぞれの回転方向の幅は、上記固定突極それぞれの少なくとも二つに跨る寸法を有すると共に、該回転突極それぞれは、回転位置にかかわらず該固定突極の少なくとも一つから同じ磁極に着磁されて回転力を得ることを特徴とする。
このように、回転突極それぞれが少なくとも二つの固定突極に跨る寸法を有し、回転突極対が固定突極対を通過するタイミングを早めに検出して固定突極対の磁化を反転させるので、回転子が如何なる位置で停止していても、円滑に起動できる。また、回転軸を中心にして対称に配置された固定突極対が同時に磁化されるので、直径方向に作用する力が相殺され、振動や騒音を抑制できる。さらに、固定突極対の数を増やせば、トルク変動が分散され、リップルを抑制することもできる。
ここで、上記検出手段は、上記回転軸に軸着され、上記回転突極対と同数の磁極対が所定の隙間を開けて上記回転突極対よりも進相した位置に配置された回転体と、上記回転体の周囲の、上記固定突極の少なくとも三つと対応するそれぞれの位置に配置され、上記磁極対の磁束を検出する磁気センサと、を備えたことが好ましく、上記回転突極の回転方向の幅は、上記固定突極の二つに跨る寸法を有し、上記磁極対は、上記回転突極対よりも、少なくとも上記固定突極の幅だけ進相して回転する位置に配置されることも好ましい。
また、上記磁気センサは、上記給電信号出力手段から上記給電信号が入力したとき、該給電信号に上記磁極対の磁束の方向に応じた極性を付与して出力するホール素子であって、nを整数、Kを3以上の整数としたとき、上記回転突極の数が2n、上記固定突極の数が2nK、上記ホール素子の配置数がKであることも好ましい。
回転突極と固定突極とホール素子とが、このような関係性を有するように配置され、磁極対が所定の隙間を開けて回転突極対よりも進相した位置に配置されていれば、回転突極が、固定突極の二つに跨り、回転突極と固定突極がぴったり重なる場合であっても、後方で跨る固定突極が磁化休休止を経て異なる磁極に励磁されるので、リラクタンストルクを得て回転することができる。
また、力の大きさによる指令を受け、受けた力が所定値を超える場合は、該所定値を超える力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第1指令信号を生成する指令信号生成手段と、例えばパルス幅変調により、上記第1指令信号に応じたデューティ比の給電信号を出力する給電信号出力手段と、を備え、上記第1指令信号のデューティ比に応じた回転力を得ることが好ましい。
このように指令信号生成手段と、その指令信号に応じたデューティ比の給電信号を出力する給電信号生成手段とを備えれば、トルクの調整が容易である。
さらに、上記界磁巻線に通電される上記負荷電流の大きさを検出する負荷電流検出手段と、上記負荷電流検出手段により検出された上記負荷電流が閾値を超えたとき、過負荷信号を出力する過負荷電流制限手段と、を備え、上記給電信号生成手段は、上記過負荷信号が入力すると上記給電信号のデューティ比を減少させ、該過負荷信号が解消すると、減少させた該給電信号のデューティ比を、上記第1指令信号に応じたデューティ比まで増加させることも好ましい。
このようにすれば、負荷電流に何らかの異常が生じても、界磁巻線の焼損やモータの暴走を防ぐことができる。
また、上記指令信号生成手段は、上記受けた力が上記所定値以下の場合は、該所定値を下回る力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第2指令信号を生成するものであって、上記第2指令信号に応じたデューティ比の回生信号を出力する回生信号生成手段と、上記界磁巻線に誘起される電力を上記回生信号のデューティ比に応じて整流し、蓄電器に蓄電する回生電力制御手段と、を備え、上記第2指令信号のデューティ比に応じて回生制動することが好ましい。
このように指令信号生成手段に加える力を緩めることで第2指令信号を生成し、その指令信号に応じたデューティ比の回生信号によって誘起される電力を制御すれば一つの指令手段で加速することやエンジンブレーキを用いるような感覚で減速することができる。
さらに、上記指令信号生成手段は、並設された帯状の摺動面に抵抗体が形成され、該摺動面双方を長さ方向にスライドするスライド部材により抵抗値が変化する摺動抵抗器、及び力の大きさによる指令を受けたとき、受けた力に応じて該スライド部材をスライドさせるコントロール部材を有するものであって、該受けた力が上記所定値を超える場合には、該所定値を超える力の大きさに比例して抵抗値が減少する第1の抵抗体により上記第1指令信号を生成し、該受けた力が該所定値以下の場合には、該所定値を下回る力の大きさに比例して抵抗値が減少する第2の抵抗体により上記第2指令信号を生成することができる。
また上記切換手段は、上記ホール素子から出力された上記給電信号の極性に応じて上記負荷電流の方向を切換える一方、該給電信号のデューティ比に応じて該負荷電流を給電することができる。
また、上記界磁巻線への給電が停止されたとき、該界磁巻線に誘起される電力による回生電流を検出する回生電流検出手段と、上記回生電流検出手段により検出された上記回生電流が閾値を超えたとき、過電流信号を出力する過電流制限手段と、を備え、上記回生信号生成手段は、上記過電流信号が入力すると上記回生信号のデューティ比を減少させ、該過電流信号が解消すると、減少させた該回生信号のデューティ比を、上記第2指令信号に応じたデューティ比まで増加させることができる。
このようにすれば、異常が生じても界磁巻線が焼損することはない。
本発明の非正弦波駆動電動機によれば、対称に配置された回転突極対が固定突極対を通過するタイミングを磁気センサで検出して固定突極対の極性を反転させるので、固定突極が回転子を常に回転させると共に、吸引力のみならず反発力も活用して大きなトルクを得ることができる。また、回転子を挟んで対称に配置された固定突極対は同時に磁化されるので、直径方向に作用する力が相殺されて振動や騒音を抑制できる。さらに、固定突極対の数を増やせば、トルク変動が分散され、リップルを抑制することもできる。さらに、給電停止直後の回生制動を、給電操作手段と同じ操作手段で、簡易に行うことができるので、例えば電気自動車のアクセルペダルに適用すれば、エンジンブレーキと同様の感覚を得ることができる。さらに、回生制動で得られた電力を整流して、大容量キャパシタに蓄電し、2次電池に適正電圧で充電できるので、エネルギー効率を高めることができる。
図1は、各実施形態に共通する非正弦波駆動電動機本体の模式図である。 図2は、各実施形態に共通する界磁巻線への給電系及び制御系の主要部を示す図である。 図3は、図1に示す回転突極の位置が15度変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。 図4は、図1に示す回転突極の位置が30度変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。 図5は、図1に示す回転突極の位置が45度変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。 図6は、図1に示す回転突極の位置が60度変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。 図7は、図1に示す回転突極の位置が75度変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。 図8は、第一の実施形態の非正弦波駆動電動機の制御系及び給電系を示す機能ブロック図である。 図9は、第1の実施形態の指令信号生成部の1例を示すコントロールペダルの側面図である。 図10は、コントロールペダルに結合された摺動抵抗器を展開した図である。 図11は、第2の実施形態の非正弦波駆動電動機の制御系及び給電系を示す機能ブロック図である。
以下に、本発明の非正弦波励磁駆動電動機の実施形態について説明する。
始めに、各実施形態に共通する正弦波駆動電動機の駆動原理について説明する。
図1は、各実施形態に共通する非正弦波駆動電動機本体の模式図である。
図1に示す非正弦波駆動電動機本体は、回転子1と、固定子2と、回転体3及びホール素子(本発明の「磁気センサ」に相当する。u,v,w)18を具備した検出手段16と、を有する。
回転子1は、回転軸1aを挟んで4個の回転突極(A,B,C,D)1bが対称に配置され、2組の回転突極対(ACとBD)が形成されている。
固定子2は、12個の固定突極2bが回転子1の周囲に対称に配置され、6組の固定突極対(u1,v1,w1.u2,v2,w2)が形成されている。そして、回転突極(A,B,C,D)1bそれぞれは、2つの固定突極2bに跨り、回転突極(A,B,C,D)1b相互間にある凹部は、1つの固定突極2bの幅よりも大きくなっている。
回転体3は、回転子1と共通の回転軸1aに軸着されており、外縁には、回転突極(A,B,C,D)1bと同数の永久磁石(N極、S極)3bが隙間を開けて交互に配置され、2対の磁極対を形成している。そして、永久磁石(N極、S極)3bは、回転突極対(ACとBD)よりも、固定突極2bの幅程度進相するように配置されている。
ホール素子(u,v,w)18は、入力端子と出力端子とを有し、隣接した3組の固定突極(u1,v1,w1)と対応する、回転体3の周囲に配置され、回転体3の外縁に交互に配置された永久磁石3bの磁極を検出し、検出した磁極の極性に応じて、入力信号の極性を反転させて出力する。一方、回転体3の永久磁石は、回転突極対と同期して回転し、回転突極対(ACとBD)よりも、固定突極2bの幅程度進相するように配置されているので、各ホール素子(u,v,w)18は、回転突極対(ACとBD)が固定突極対(u1,v1,w1.u2,v2,w2)の励磁領域を通過するのを早めに検出し、入力信号の極性を反転させて出力する。すなわち、回転突極対(ACとBD)が固定突極対の励磁領域を通過するとき、固定突極2bから逆向きのトルクを受けないように、その固定突極2bの界磁巻線への給電を停止(磁化休止)する。その休止時間は、固定突極2bのヒステリシス特性や発生する逆起電力等を勘案して、回転体の永久磁石の隙間によって調整することができる。従って、回転突極1bが、複数の固定突極2bに跨る場合であっても、それぞれの固定突極2bから着磁される磁極によって、回転突極1bの磁化が完全に打ち消されることはなく、回転子1が如何なる位置で停止していても、起動時においては、回転突極1bが少なくとも1つの固定突極2bによって磁化され、その固定突極2bに隣接する固定突極2bによりリラクタンストルクを得て回転する。
さらに、固定子2の12個の固定突極2bには、図示しない界磁巻線が巻回され、6組の固定突極対(u1,v1,w1.u2,v2,w2)それぞれを構成する一対の固定突極2bそれぞれに巻回された界磁巻線は並列に接続されている。また、3組の固定突極対(u1,v1,w1)それぞれの界磁巻線は、全て同じ方向に巻回され、他の3組の固定突極対(u1,v1,w1)それぞれの界磁巻線も、それらとは逆向きに、全て同じ方向に巻回されている。従って、本実施形態の非正弦波駆動電動機本体は、3つのホール素子(u,v,w)18を配置することにより、全ての固定突極(U1,V1,W1.U2,V2,W2)2bの励磁領域についての通過タイミングを検出することができる。
ここで、ホール素子は、nを2以上の整数、Kを3以上の整数とし、回転突極数を2n、固定突極数を2nKとすれば、配置数をKとすればよい。
図2は、各実施形態に共通する界磁巻線への給電系及び制御系の主要部を示す図である。
図1に示した6組の固定突極対(u1,v1,w1.u2,v2,w2)それぞれに巻回され、並列に接続された、図2に示す一対の界磁巻線2cには、一対のスイッチング素子4a、4bが直列に接続され、各スイッチング素子にはダイオード4eが並列に接続される。一対のスイッチング素子4a、4bは、ホール素子18の出力端子Houtから入力する信号の極性(正又は負)に基づいてスイッチング素子4a及びスイッチング素子4bの何れか一方が作動して、入力端子Pinに接続された直流電源10から一組の界磁巻線2cに通電される負荷電流の方向が切換わり、一組の界磁巻線2cに巻回された固定突極対(UVW)の磁化の極性が切換わる。
ここで、ホール素子18の出力は、不平衡分をカットするため、パルストランス経由で取り出され、パルストランスは出力側がダイオードを介して接地された後に出力端子Houtに接続されている。
一方、一対の界磁巻線2cには、全波整流器13が並列に接続され、全波整流器13には、スイッチング素子(IGBT)9aと、回生電流を蓄電するキャパシタ9bと、異常電流を検出する過電流検出部12が直列に接続されている。スイッチング素子(IGBT)9aは、入力端子Rinから入力する回生指令信号に基づき、回生チョッパ信号制御部7で生成された回生信号に応じて通電時間が制御される。キャパシタ9bに蓄えられた電力は、充電量制御部15を介して直流電源(二次電池)10に充電される。
次に、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が、90度変化するまで、15度ずつ変化した各位置におけるリラクタンストルクについて、説明する。なお、90度変化した場合における固定突極の磁極、及び回転体3の磁極位置は、図1におけるN極とS極とを反転させたものと同じであることから、図及び説明を省略する。
図3〜図7は、図1に示す回転突極(A,B,C,D)1bの位置が15度ずつ変化した場合の非正弦波駆動電動機本体を示す模式図である。
図1に示すように、各ホール素子(u,v,w)18が、回転体の永久磁石(N極、S極)3bの隙間よりも内側にある場合には、ホール素子(u,v,w)18は全て、永久磁石3bの同一の磁極(S極)を検出し、各界磁巻線に負荷電流が給電される。そして、固定突極対(u1,v1,w1)はS極に励磁され、固定突極対(u2,v2,w2)は、N極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(u1,v1)によってN極が着磁し、回転突極(BD)1bは、固定突極対(u2,v2)によってS極が着磁する。よって、回転突極(AC)1bは、固定突極対(u1,v1)から吸引力を受け、固定突極対(w2)から反発力を受け、回転突極(BD)1bは、固定突極対(u2,v2)から吸引力を受け、固定突極対(w1)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
図3に示すように、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が図1に対して15度変化し永久磁石(N極、S極)3bの隙間が、ホール素子(u)18の位置にある場合は、ホール素子(u)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極を検出しないので、界磁巻線には負荷電流が給電されず、固定突極対(u1,u2)は磁化されない。一方、ホール素子(v,w)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(S)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(v1,w1)はS極に励磁され、固定突極対(v2,w2)はN極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(v1)によってN極が着磁し、回転突極(BD)1bは、固定突極対(v2)によってS極が着磁する。よって、回転突極(AC)1bは、固定突極対(v1)及び固定突極対(w1)から吸引力を受けると共に、固定突極対(w2)から反発力を受ける。さらに、回転突極(BD)1bは、固定突極対(v2)及び固定突極対(w1)から吸引力を受けると共に、固定突極対(w1)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
図4に示すように、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が図1に対して30度変化し、ホール素子(u)18とホール素子(v)18の中間に、永久磁石(N極、S極)3bの隙間が位置する場合は、ホール素子(u)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(N)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(u1)はN極に磁化され、固定突極対(u2)は、反対のS極に磁化される。一方、ホール素子(v,w)は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(S)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(v1,w1)はS極に励磁され、固定突極対(v2,w2)はN極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(v1,w1)によってN極が着磁し、回転突極(BD)1bは、固定突極対(v2,w2)によってS極が着磁する。よって、回転突極(AC)1bは、固定突極対(w1)から吸引力を受け、固定突極対(u1)から反発力を受ける。さらに、回転突極(BD)1bは、固定突極対(w2)から吸引力を受け、固定突極対(u2)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
図5に示すように、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が図1に対して45度変化し、永久磁石(N極、S極)3bの隙間が、ホール素子(v)18の位置にある場合は、ホール素子(v)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極を検出しないので、界磁巻線には負荷電流が給電されず、固定突極対(v1,v2)は磁化されない。一方、ホール素子(u)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(N)を検出し、ホール素子(w)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(S)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(u1)はN極に励磁され、固定突極対(u2)はS極に励磁される。また、固定突極対(w1)はS極に励磁され、固定突極対(w2)は反対にN極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(w1)によってS極が着磁し、回転突極(BD)1bは、固定突極対(w2)によってN極が着磁する。よって、回転突極(AC)1bは、固定突極対(w1)及び固定突極対(u2)から吸引力を受け、固定突極対(u1)から反発力を受ける。さらに、回転突極(BD)1bは、固定突極対(w2)及び固定突極対(u1)から吸引力を受け、固定突極対(u2)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
図6に示すように、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が図1に対して60度変化し、ホール素子(v)18とホール素子(w)18の中間に永久磁石(N極、S極)3bの隙間が位置する場合は、ホール素子(u,v)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(N)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(u1,v1)はN極に磁化され、固定突極対(u2,v2)は、反対のS極に磁化される。一方、ホール素子(w)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(S)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(w1)はS極に励磁され、固定突極対(w2)はN極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(w1,u2)によってN極が着磁し、回転突極(BD)1bは、固定突極対(w2,u1)によってS極が着磁する。よって、回転突極(AC)1bは、固定突極対(u2)から吸引力を受け、固定突極対(v1)から反発力を受ける。さらに、回転突極(BD)1bは、固定突極対(u1)から吸引力を受け、固定突極対(v2)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
図7に示すように、回転突極(A,B,C,D)1bの位置が図1に対して75度変化し、永久磁石(N極、S極)3bの隙間がホール素子(w)18の位置にある場合は、ホール素子(w)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極を検出しないので、界磁巻線には負荷電流が給電されず、固定突極対(w1,w2)は磁化されない。一方、ホール素子(u,v)18は、永久磁石(N極、S極)3bの磁極(N)を検出し、界磁巻線には負荷電流が給電される。そして、固定突極対(u1,v1)はN極に励磁され、固定突極対(u2,v2)はS極に励磁される。その結果、回転突極(AC)1bは、固定突極対(u2)によってN極が着磁し、回転突極(BD)は、固定突極対(u1)によってS極が着磁する。よって、回転突極(AC)は、固定突極対(u2)及び固定突極対(v2)から吸引力を受け、固定突極対(v1)から反発力を受ける。さらに、回転突極(BD)1bは、固定突極対(u1)及び固定突極対(v1)から吸引力を受け、固定突極対(v2)から反発力を受けるので、回転子1は、時計方向に回転駆動される。
ここで、図1、図3〜図7から明らかなように、回転子1が如何なる位置にあっても、ACはN極に磁化され、BDはS極に磁化される。従って、本実施形態の回転子は、電磁鋼板を打ち抜いたものを用いているが、磁化される磁極と同じ極性の永久磁石を配置してもよく、それによってさらに強力なトルクを得ることができる。
一方、回転体3には永久磁石3bが4つ、隙間を開けて、交互にN極とS極が配置されている。なお、界磁巻線への給電停止時間、すなわち固定突極2bの磁化休止時間は、固定突極2bのヒステリシス特性や発生する逆起電力等をも勘案して、この隙間を調整することにより設定することができる。
それらの永久磁石3bは、突極1b中央よりも固定突極2bの回転方向の幅(ここでは回転角で約15度)だけ進相した位置に配置されているので、回転突極1bが2つの固定突極2bに跨るときの、後方で跨る固定突極2bが磁化休止を経て異なる磁極に励磁され、常にリラクタンストルクが得られ、本実施形態の非正弦波駆動電動機を円滑に起動することができる。
また、本実施形態の回転子1は、4つの回転突極1b、2組の回転突極対(ACとBD)を有し、固定子2は、12個の固定突極2b、6組の固定突極対(u1,v1,w1.u2,v2,w2)を有するが、必ずしもこの構成に限定する必要はなく、回転突極1bの数が2n(nは、整数)、固定子の突極数が2nK(Kは、3以上の整数)、回転体の磁極数が2nの場合も同様の効果が得られる。
回転突極数及び固定突極数をこのように設定する一方、回転突極(A,B,C,D)1bそれぞれは、2つの固定突極2bに跨り、回転突極(A,B,C,D)1b相互間にある凹部は、1つの固定突極2bの幅よりも大きくなるように設定しているので、回転突極1bの位置に拘わらず、円滑に起動することができる。また、回転突極1b及び固定突極2bが偶数で回転軸1aを中心にして対称に配置され、界磁巻線を並列に接続すれば、これら回転突極1b及び固定突極2bは、同じ極性に磁化される一方、N極とS極とが交互にバランスよく配置され、直径方向に働く力を相殺するので、騒音や振動が抑制される。また、固定突極2bや回転突極1bの数を多くすれば、直径方向に働く力が分散され、トルクリップルが抑制される。
[第一の実施形態]
図8は、第一の実施形態の非正弦波駆動電動機の制御系及び給電系を示す機能ブロック図である。
図8において、二重線の矢印は、給電系を示し、一重線の矢印は、制御系を示す。
図8に示すように、本実施形態の制御系及び給電系は、回転突極対(ACとBD)が固定突極対(UVW)を通過するタイミングを検出し、給電信号に正負何れかの極性を付与するホール素子18U、18V、18Wと、ホール素子18から出力される給電信号に基づいて、固定子2の界磁巻線2cU、2cV、2cWに供給される非正弦波負荷電流を通電制御する切換手段4U、4V、4Wと、矩形波を生成する矩形波生成部5と、所定の指令を信号に変換する指令信号生成部8と、指令信号に応じたデューティ比の給電信号(PWM信号)を生成する給電信号生成部6と、指令信号に応じたデューティ比の回生信号(PWM信号)を生成する回生信号生成部7と、界磁巻線に誘起される電力を全波整流する全波整流器13と、スイッチング素子9aを備え、回生信号に応じて制御して回生制動する回生電力制御部9と、回生電流の異常を検出する過電流検出部12と、直流電源(二次電池)10と、直流電源から界磁巻線に給電される非正弦波負荷電流の異常を検出する過負荷電流検出部11と、回生された電力を直流電源(二次電池)に充電する充電部15と、を備えている。
ホール素子18は、回転子1と共通の回転軸1aに軸着され、外縁に回転突極(ABCD)1bと同じ数の永久磁石3bが配置された回転体3の周囲に、隣接した3組の固定突極(u1,v1,w1)2bと対応させて配置される。入力端子及び出力端子を持ち、入力端子からパルス幅変調された給電信号が入力したとき、検出された回転体3の磁極に応じて正負何れかの極性の給電信号を出力する。
切換手段4は、ホール素子18の出力端子から出力される給電信号の極性が正のとき、その給電信号のデューティ比に応じて通電時間が変わるスイッチング素子4aと、給電信号の極性が負のとき、その給電信号のデューティ比に応じて通電時間が変わるスイッチング素子4bとを備え、界磁巻線2cに供給される負荷電流の向きを給電信号の極性に応じて切換える一方、負荷電流の通電時間を給電信号のデューティ比に応じて変化させる。
指令信号生成部8は、電動機の作動を指令するため、力の大きさによる指令を受け、受けたその力の大きさが所定値(ニュートラル)を越えた場合は、その所定値を超えるその力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第1指令信号(回転駆動信号)を生成する第1指令信号生成部8aと、受けたその力が所定値以下の場合は、所定値を下回るその力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第2指令信号(回生制動信号)を生成する第2指令信号生成部8bとを有する。
給電信号生成部6は、第1指令信号生成部8aから出力される第1指令信号(回転駆動信号)に応じたデューティ比の給電信号(PWM信号)を出力する。
回生信号生成部7は、第2指令信号生成部8bから出力される第2指令信号(回生制動信号)に応じたデューティ比の回生信号(PWM信号)を出力する。
回生電力制御部9は、直流電源10から界磁巻線への通電が停止した後、その界磁巻線に誘起される交流電力を回生信号生成部7から出力される回生信号に基づいて、全波整流器13で整流された電力を蓄電する大容量キャパシタ9bと、を備えている。
過負荷電流検出部11は、検出された負荷電流が閾値を超えたとき、給電信号生成部6における給電信号のデューティ比を減少させる。
過電流検出部12は、直流電源10から界磁巻線への通電が停止した後、検出された回生電流が閾値を超えたとき、回生信号生成部7における回生信号のデューティ比を減少させる。
充電部15は、回生電力制御部9の大容量キャパシタ9bに蓄電された電荷を直流電源10の2次電池に充電する。
ここで、本実施形態の検出手段は、回転子の磁石の磁極をホール素子で検出しているが、必ずしもホール素子である必要はない。
次に、指令信号生成部の一例について説明する。
図9は、第1の実施形態の指令信号生成部の1例を示すコントロールペダルの側面図であり、図10は、コントロールペダルに結合された摺動抵抗器を展開した図である。
図9に側面図を示すコントロールペダル80は、ドラム外周の、ニュートラルゾーンを挟んだ両周縁に設けられた摺動抵抗器82と、自在に回転するドラム回転軸83と、回転軸83が回転するのに合わせて回転して摺動抵抗器82をスライドするスライドリード84と、一端は棒状体85に結合され、中間はフレキシブルチューブ86で支持され、ドラムの巻取ガイド81に巻き取られた他端は、スライドリード84に接続されたワイヤ87と、を備えている。そして、回転軸83は、図に現れないスプリングで反時計回りに付勢され、棒状体85は、中間を支点88で支持され、他端には、外力を受けるペダル89が設けてある。
ペダル89が矢印方向に押されて力を受けると、受けた力の大きさに応じてワイヤ87が引き出され、スライドリード84と回転軸83とが時計回りに回転してスライドリード84が摺動抵抗器82をスライドする。そのとき、スライドリード84のリード線84a、84bと摺動抵抗器82のリード線82a、82bとの間の抵抗値が変化する。
なお、ここではドラムが固定され、回転軸83がスライドリード84とともに回転するように構成されているが、ドラム自体が回転するように構成してもよい。また、摺動抵抗器82は、必ずしもドラム外周に設ける必要はない。
図10に展開図を示す摺動抵抗器82は、ニュートラルゾーン82cを挟んで両側の一方の辺縁それぞれに、抵抗体を有する帯状の摺動面82dが設けられ、スライドリード84が摺動面82dをスライドすることにより、スライドリード84のリード線84a、84bと摺動抵抗器82のリード線82a、82bとの間の抵抗値が変化するように構成されている。図の上側の摺動面82dは、第1指令信号を生成し、図の下側の摺動面82dは、第2指令信号を生成するためのものである。上側の摺動面82dには、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗体が形成されておらず、ニュートラルゾーン82cから右方には、抵抗体が形成されている。一方、下側の摺動面82dには、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗体が形成され、ニュートラルゾーン82cから右方には、抵抗体が形成されていない。
図10において、スライドリード84が右方(矢印方向)に移動すると、上側の摺動面82dにおいては、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値は最大値のまま変わらず、ニュートラルゾーン82cからさらに右方に移動すると、抵抗値は最大値から次第に小さくなり、0になる。一方、下側の摺動面82dにおいては、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値は0から次第に大きくなり、ニュートラルゾーン82c以降は最大値になる。次に、スライドリード84が右方から左方に移動すると、上側の摺動面82dは、抵抗値がゼロから次第に大きくなり、ニュートラルゾーン82c付近で最大値となり、ニュートラルゾーン82cを超えても抵抗値は最大値のまま変わらない。一方、下側の摺動面82dは、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値が最大値のままで、ニュートラルゾーン82cからさらに左方に移動すると、抵抗値が次第に小さくなり、0になる。
上側の摺動面82dの抵抗値の変化は、給電信号生成部6に反映され、出力される給電信号のデューティ比が変化する。また、下側の摺動面82dの抵抗値の変化は、回生信号生成部7に反映される。
ここで、給電信号生成部6及び回生信号生成部7は、例えば時定数回路を備え、その時定数回路に供給される電圧を摺動抵抗器82の抵抗値が変化することにより、パルス幅変調されて出力される給電信号及び回生信号のデューティ比を変化させることができる。なお、本実施形態では、指令信号の生成に当たり、受けた力の大きさを摺動抵抗器82の抵抗値の変化に変換しているが、必ずしも抵抗値の変化に変換する必要はなく、キャパシタンスの変化、インダクタンスの変化、電圧の変化などに変換して給電信号生成部6や回生信号生成部7に反映させることもできる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の非正弦波駆動電動機は、第1の実施形態の非正弦波駆動電動機と比較して、回生指令信号を発出する手段や界磁巻線に誘起される電力を回生する機能や逆回転させる機能を持たない点が相違する。
図11は、第2の実施形態の非正弦波駆動電動機の制御系及び給電系を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、本実施形態の制御系及び給電系は、回転突極対(ACとBD)が固定突極対(UVW)を通過するタイミングを検出し、給電信号に正負何れかの極性を付与して出力するホール素子18U、18V、18Wと、ホール素子18U、18V、18Wから出力される給電信号に基づいて、固定子2の界磁巻線に供給される非正弦波負荷電流を通電制御する切換手段4U、4V、4Wと、矩形波を生成する矩形波生成部5と、所定の指令を信号に変換する指令信号生成部8と、指令信号に応じたデューティ比の給電信号(PWM信号)を生成する給電信号生成部6と、直流電源(二次電池)10と、直流電源10から界磁巻線2cU、2cV、2cWに給電される非正弦波負荷電流の異常を検出する過負荷電流検出部11と、を備えている。
ホール素子18U、18V、18Wは、入力端子と、出力端子とを有する。そして、入力端子から給電信号が入力すると、検出された磁極に応じて正負何れかの極性の給電信号を出力する。
切換手段4U、4V、4Wそれぞれは、ホール素子18U、18V、18Wの出力端子から出力される給電信号の極性に応じて作動し、給電信号のデューティ比に応じて通電時間を変える4つのスイッチング素子を有し、界磁巻線2cU、2cV、2cWに供給される負荷電流の向きを給電信号の極性に応じて切換える一方、負荷電流の通電時間を給電信号のデューティ比に応じて変化させる。
指令信号生成部8は、電動機の作動を指令する力の大きさによる指令を受け、受けたその力の大きさが所定値(ニュートラル)を越えた場合は、その所定値を超えるその力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する回転駆動信号を生成する。
給電信号生成部6は、指令信号生成部8から出力される回転駆動信号に応じたデューティ比の給電信号(PWM信号)を出力する。
過負荷電流検出部11は、検出された負荷電流が閾値を超えたとき、給電信号生成部6における給電信号のデューティ比を減少させる。
本実施形態の非正弦波駆動電動機は、第1の実施形態の非正弦波駆動電動機に較べて、逆回転させる制御や回生制御の機能は有しないが、後退機能が不要な、電動二輪車やアシスト自転車、あるいはファン、ディスクドライブなどの電動機として利用できる。
本発明の非正弦波駆動電動機は、電気で駆動する自動車、自動二輪車、自転車のみならず、OA機器、AV機器、PC周辺機器、家電機器、産業用機器などに幅広く利用可能である。
1 回転子
1a 回転軸
1b 回転突極
2 固定子
2b 固定突極
2c 界磁巻線
3 回転体
3b 永久磁石
3c 隙間
4a、4b スイッチング素子
4e ダイオード
4、4U、4V、4W 切換手段
5 矩形波信号手段
6 給電信号生成部
7 回生信号生成部
8 指令信号生成部
8a 第1指令信号生成部
8b 第2指令信号生成部
9 回生電力制御部
9a スイッチング素子(IGBT)
9b キャパシタ
10 直流電源
11 負荷電流検出部
12 過電流検出部
13 全波整流器
14 過電流制限部
15 充電量制御部
16 検出手段
18 ホール素子
80 コントロールペダル
81 巻取ガイド
82 摺動抵抗器
82a、82b 摺動抵抗器のリード線
82c ニュートラルゾーン
82d 抵抗面
84 スライドリード
84a、84b スライドリードのリード線
85 棒状体
86 フレキシブルチューブ
87 ワイヤ
88 支点
89 ペダル

Claims (8)

  1. 回転軸を挟んで対称に配置された偶数の回転突極により回転突極対が形成された回転子と、
    前記回転子の周囲に対称に配置された偶数の固定突極により前記回転突極対の少なくとも三倍の固定突極対が形成され、該固定突極対に巻回された界磁巻線に給電される非正弦波の負荷電流により、該固定突極対それぞれが同時に磁化される固定子と、
    前記回転軸に軸着され、前記回転突極対と同数の磁極対が所定の隙間を開けて前記回転突極対よりも進相した位置に配置された回転体、及び該回転体の周囲の、前記固定突極の少なくとも三つと対応するそれぞれの位置に配置され、該磁極対の磁束を検出する磁気センサを備え、前記回転突極対が前記固定突極対の励磁領域を通過するタイミングを早めに検出する検出手段と、
    前記固定突極対に対応して配置され、前記磁気センサが前記磁極対を検出したタイミングにより、前記界磁巻線への前記負荷電流の給電方向を切換えて、隣接する少なくとも2つの該固定突極対を同じ磁極に磁化する切換手段と、を備え、
    前記回転突極それぞれの回転方向の幅は、前記固定突極それぞれの少なくとも二つに跨る寸法を有するものであり、前記回転突極対それぞれは、回転位置にかかわらず同じ磁極に着磁されて、少なくとも一つの前記固定突極対から回転方向への吸引力を受けると共に、該回転突極対それぞれの後方で跨り、磁化休止を経て異なる磁極に磁化される該固定突極対から回転方向への反発力を受けることにより所定方向に回転することを特徴とする非正弦波駆動電動機。
  2. 受けた外力の大きさが所定値を超える場合は、該所定値を超える外力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化することにより第1指令信号を生成する指令信号生成手段と、
    前記第1指令信号に応じたデューティ比の給電信号を出力する給電信号生成手段と、を備え、前記第1指令信号のデューティ比に応じた回転力を得ることを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。
  3. 前記磁気センサは、前記給電信号生成手段から前記給電信号が入力したとき、該給電信号に前記磁極対の磁束の方向に応じた極性を付与して出力するホール素子であって、nを整数、Kを3以上の整数としたとき、前記回転突極の数が2n、前記固定突極の数が2nK、前記ホール素子の配置数がKであることを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。
  4. 前記界磁巻線に通電される前記負荷電流の大きさを検出する負荷電流検出手段と、
    前記負荷電流検出手段により検出された前記負荷電流が閾値を超えたとき、過負荷信号を出力する過負荷電流制限手段と、を備え、
    前記給電信号生成手段は、前記過負荷信号が入力すると前記給電信号のデューティ比を減少させ、該過負荷信号が解消すると、減少させた該給電信号のデューティ比を、前記第1指令信号に応じたデューティ比まで増加させることを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。
  5. 前記指令信号生成手段は、前記外力の大きさが前記所定値を超えた後に該所定値以下となった場合には、該所定値を下回る外力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化することにより第2指令信号を生成するものであって、
    前記第2指令信号に応じたデューティ比の回生信号を出力する回生信号生成手段と、
    前記界磁巻線に誘起される電力を前記回生信号のデューティ比に応じて整流し、蓄電器に蓄電する回生電力制御手段と、を備え、
    前記第2指令信号のデューティ比に応じて回生制動することを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。
  6. 前記切換手段は、
    前記ホール素子から出力された前記給電信号の極性に応じて前記負荷電流の方向を切換える一方、該給電信号のデューティ比に応じて該負荷電流を給電することを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。
  7. 前記指令信号生成手段は、並設された帯状の摺動面に抵抗体が形成され、該摺動面双方を長さ方向にスライドするスライド部材により抵抗値が変化する摺動抵抗器、及び前記外力の大きさに応じて該スライド部材をスライドさせるコントロール部材を有するものであって、該外力の大きさが前記所定値を超える場合には、該所定値を超える外力の大きさに比例して抵抗値が減少する第1の抵抗体により前記第1指令信号を生成し、該外力の大きさが該所定値以下の場合には、該所定値を下回る外力の大きさに比例して抵抗値が減少する第2の抵抗体により前記第2指令信号を生成することを特徴とする請求項項記載の非正弦波駆動電動機。
  8. 前記界磁巻線への給電が停止されたとき、該界磁巻線に誘起される電力による回生電流を検出する回生電流検出手段と、
    前記回生電流検出手段により検出された前記回生電流が閾値を超えたとき、過電流信号を出力する過電流制限手段と、を備え、
    前記回生信号生成手段は、前記過電流信号が入力すると前記回生信号のデューティ比を減少させ、該過電流信号が解消すると、減少させた該回生信号のデューティ比を、前記第2指令信号に応じたデューティ比まで増加させることを特徴とする請求項記載の非正弦波駆動電動機。


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