JP2017073899A - 電界結合式非接触給電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】効率向上と構成の簡素化との両立を図りつつ、直流電源を用いた負荷への直流電力の給電を行うことができる電界結合式非接触給電システムを提供する。
【解決手段】電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、両結合コンデンサC1、C2を介して非接触で負荷41に給電する。電界結合式非接触給電システムは、E級動作によって蓄電電力を予め定められた周波数の伝送用電力に変換するE級インバータEiと、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するE級コンバータEcとを備えている。
【選択図】図3
【解決手段】電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、両結合コンデンサC1、C2を介して非接触で負荷41に給電する。電界結合式非接触給電システムは、E級動作によって蓄電電力を予め定められた周波数の伝送用電力に変換するE級インバータEiと、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するE級コンバータEcとを備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、電界結合式非接触給電システムに関する。
従来から、結合コンデンサを介して非接触で負荷に給電する電界結合式非接触給電システムが知られている(例えば特許文献1参照)。例えば特許文献1には、結合コンデンサに対して交流電力を供給する送電回路と、結合コンデンサを介して伝送される交流電力を受電する受電回路とを備えた電界結合式非接触給電システムについて記載されている。
ここで、電界結合式非接触給電システムにおいては、結合コンデンサを介する関係上、交流電力で電力伝送を行う必要がある。このため、例えば、電源が直流電源であり、且つ、直流電力を負荷に入力させたい場合には、直流電力から交流電力への電力変換、及び、交流電力から直流電力への電力変換を行う必要がある。この場合、電力変換に係る損失に起因する効率低下が懸念されるとともに、上記電力変換を行うための構成が必要となる分、構成の複雑化が懸念される。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は効率向上と構成の簡素化との両立を図りつつ、直流電源を用いた負荷への直流電力の給電を行うことができる電界結合式非接触給電システムを提供することである。
上記目的を達成する電界結合式非接触給電システムは、直流電源から出力される直流の電源電力を、結合コンデンサを介して非接触で負荷に給電するものであって、前記電源電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するE級インバータと、前記交流電力を直流電力に変換するE級コンバータと、を備え、前記E級インバータは、前記直流電源に直列接続された1次側コイルと、前記直流電源に並列接続された1石の1次側スイッチング素子と、前記1次側スイッチング素子に並列接続された1次側シャントキャパシタと、を有し、前記E級コンバータは、前記負荷に直列接続された2次側コイルと、前記負荷に並列接続された1石の2次側スイッチング素子と、前記2次側スイッチング素子に並列接続された2次側シャントキャパシタと、を有し、前記電界結合式非接触給電システムは、前記結合コンデンサと直列接続されたものであって前記結合コンデンサと協働して直列共振回路を構成する共振コイルを備え、前記直列共振回路は、前記1次側シャントキャパシタと前記2次側シャントキャパシタとの間に設けられており、前記E級インバータの一部を構成しているとともに前記E級コンバータの一部を構成していることを特徴とする。
かかる構成によれば、両スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより、E級インバータ及びE級コンバータにて、E級動作による電力変換動作が行われる。これにより、直流の電源電力が交流電力に変換され、当該交流電力が結合コンデンサを伝送する。そして、伝送された交流電力は直流電力に変換されて負荷に入力される。したがって、結合コンデンサを介して電源電力を負荷に給電することができる。
特に、E級動作によって電力変換動作が実現されているため、両スイッチング素子のスイッチング損失を低減できる。これにより、電界結合式非接触給電システムの効率向上を図ることができる。
ここで、E級動作を実現するためには、直列共振回路が必要となる。この点、本構成によれば、電界結合式の非接触の給電を行うのに必須の構成である結合コンデンサが直列共振回路の一部として採用されている。そして、当該直列共振回路は、E級インバータ及びE級コンバータの双方に用いられている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。また、E級インバータ及びE級コンバータに含まれているスイッチング素子は1石である。これにより、スイッチング素子の数の削減を図ることができる。
更に、上記のように構成されているE級インバータ及びE級コンバータは、直流電力から交流電力への電力変換、及び、交流電力から直流電力への電力変換の双方向変換が可能となっている。これにより、直流電源から負荷への給電と、負荷から直流電源への給電との双方向給電を行うことができる。なお、本明細書において、直流電力とは、電力伝送方向が一定の電力を意味し、当該直流電力には、電力値が周期的に変化するものも含む。
上記電界結合式非接触給電システムについて、前記結合コンデンサは、ロータに設けられた回転電極と、前記回転電極と対向している位置に設けられ、前記ロータの回転に伴って回転しないように保持された保持電極と、で構成されているとよい。
かかる構成によれば、ブラシなどを用いることなく、回転しているロータに対して非接触給電を行うことができるとともに、ロータから出力される電力を非接触で受電することができる。
上記電界結合式非接触給電システムについて、前記直流電源は、充放電が可能な蓄電装置であり、前記負荷は、交流駆動の電動モータと、直流電力が入力された場合には当該直流電力を前記電動モータが駆動可能な交流の駆動電力に変換し、前記電動モータにて交流の回生電力が発生した場合には当該交流の回生電力を直流の回生電力に変換するモータインバータと、を含むとよい。
かかる構成によれば、電動モータにて交流の回生電力が発生している場合には、当該交流の回生電力は、モータインバータによって直流の回生電力に変換される。そして、E級コンバータ及びE級インバータを用いて、その直流の回生電力を蓄電装置に給電させることができる。よって、回生電力を用いた蓄電装置の充電を行うことができる。
上記電界結合式非接触給電システムについて、前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記1次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせることにより、前記E級インバータを動作させ、前記2次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせることにより、前記E級コンバータを動作させるものであり、前記制御部は、前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングに対して前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングを遅延時間だけ遅延させるものであり、当該遅延時間を変更することにより、電力伝送方向を、前記蓄電装置から前記負荷に向かう第1方向、又は、前記負荷から前記蓄電装置に向かう第2方向に切り替えるとよい。
かかる構成によれば、遅延時間の変更によって電力伝送方向を切り替えることができるため、蓄電装置を用いて電動モータを駆動させる力行動作、及び、回生電力を用いて蓄電装置を充電する回生動作の双方に対応できる。また、電力伝送経路を切り替えるスイッチ等を設けることなく、電力伝送方向を切り替えることができるため、構成の簡素化を図ることができる。
上記電界結合式非接触給電システムについて、前記交流電力の周波数は、前記駆動電力の周波数よりも高く設定されているとよい。
かかる構成によれば、結合コンデンサを介する非接触の電力伝送に適した交流電力の周波数と、電動モータを駆動させるのに適した駆動電力の周波数とが異なる場合に対応できる。よって、電動モータを好適に駆動させることができるとともに、結合コンデンサを介する非接触の給電を好適に行うことができる。
かかる構成によれば、結合コンデンサを介する非接触の電力伝送に適した交流電力の周波数と、電動モータを駆動させるのに適した駆動電力の周波数とが異なる場合に対応できる。よって、電動モータを好適に駆動させることができるとともに、結合コンデンサを介する非接触の給電を好適に行うことができる。
この発明によれば、効率向上と構成の簡素化との両立を図りつつ、直流電源を用いた負荷への直流電力の給電を行うことができる。
以下、電界結合式非接触給電システムの一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として電界結合式非接触給電システムが適用された回転電機について説明する。
まず、回転電機の概要について説明する。図1に示すように、本実施形態の回転電機10は、エンジン101及びバッテリ(蓄電装置)102を有する車両100に搭載されており、ハイブリッドトランスアクスルに用いられる。なお、バッテリ102は直流電源であり、バッテリ102の蓄電電力が「電源電力」に対応する。
回転電機10は、回転可能なインナーロータ11及びアウターロータ12と、回転しないように保持されているステータ13とを備えている。例えば、インナーロータ11は柱状であり、アウターロータ12及びステータ13は筒状である。両ロータ11,12及びステータ13は、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、インナーロータ11、アウターロータ12及びステータ13の順に同心円状に配置されている。
回転電機10は、これら両ロータ11,12とステータ13とが収容されたハウジング14(図2参照)を備えている。両ロータ11,12は、ハウジング14に対して回転可能な状態で支持されている一方、ステータ13は、ハウジング14に固定されている。この場合、インナーロータ11とアウターロータ12とは、相対回転可能となっている。
インナーロータ11は、エンジン101の出力軸に機械的に連結されている。インナーロータ11は、エンジン101の動力が伝達されることにより、回転する。
インナーロータ11は、筒状のインナーロータコア21と、インナーロータコア21に捲回されたロータコイル22とを有している。ロータコイル22は、u相ロータコイル22uと、v相ロータコイル22vと、w相ロータコイル22wとから構成されている。インナーロータ11が回転した場合、ロータコイル22も回転する。
インナーロータ11は、筒状のインナーロータコア21と、インナーロータコア21に捲回されたロータコイル22とを有している。ロータコイル22は、u相ロータコイル22uと、v相ロータコイル22vと、w相ロータコイル22wとから構成されている。インナーロータ11が回転した場合、ロータコイル22も回転する。
アウターロータ12は、車両100の車軸103に機械的に連結されている。このため、アウターロータ12の回転力は車軸103に伝達され、且つ、車軸103の回転力はアウターロータ12に伝達される。
アウターロータ12は、インナーロータコア21の外周面と対向する内周面を有する筒状のアウターロータコア23と、アウターロータコア23に埋設された永久磁石24,25とを備えている。両永久磁石24,25は、径方向にずれて埋設されている。両永久磁石24,25のうち内側に埋設されている第1永久磁石24とインナーロータ11とが対向している。
ステータ13は、アウターロータ12の外周面と対向する内周面を有する筒状のステータコア26と、ステータコア26に捲回されたステータコイル27とを備えている。ステータコイル27は、ロータコイル22と同様に、3つの相コイルで構成されている。ステータ13と、両永久磁石24,25のうち外側に埋設されている第2永久磁石25とが対向している。
かかる構成によれば、インナーロータ11(詳細にはロータコイル22)とアウターロータ12(詳細には第1永久磁石24)とによって第1電動モータ31が構成され、アウターロータ12(詳細には第2永久磁石25)とステータ13(詳細にはステータコイル27)とによって第2電動モータ32が構成されている。第1電動モータ31は、インナーロータ11を回転させる三相モータである。第2電動モータ32は、アウターロータ12を回転させる三相モータである。
図1に示すように、車両100には、バッテリ102の蓄電電力を、第2電動モータ32が駆動可能な交流の駆動電力に変換してステータコイル27に出力するステータインバータ33が搭載されている。ステータインバータ33は、両ロータ11,12の回転に伴って回転しないようにハウジング14又は車両100に固定されている。なお、ステータインバータ33は、回転電機10と一体化されていてもよいし、回転電機10とは別体であってもよい。
本実施形態の回転電機10は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、結合コンデンサC1,C2を介して非接触で、第1電動モータ31を含む負荷41に給電する電界結合式非接触給電システム40を備えている。当該電界結合式非接触給電システム40について以下に説明する。
図1に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、インナーロータ11に設けられ、ロータコイル22に対する給電を行うのに用いられる電子ユニット42を備えている。電子ユニット42は、インナーロータ11の回転に伴って回転する。
電界結合式非接触給電システム40は、蓄電電力を、予め定められた周波数を有する交流の伝送用電力(交流電力)に変換するステータ変換部(第1変換部)43と、ステータ変換部43によって変換された伝送用電力を電子ユニット42に伝送する非接触電力伝送部44とを備えている。なお、換言すれば、伝送用電力は非接触給電用電力とも言えるし、非接触電力伝送部44は、伝送用電力を電子ユニット42に給電する非接触給電部とも言える。
電子ユニット42及び非接触電力伝送部44の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、インナーロータ11は、回転軸51と、回転軸51に固定された筒状(詳細には円筒状)の絶縁部材52とを備えている。回転軸51は、エンジン101の出力軸に連結されている。絶縁部材52は、例えば樹脂等で形成されており、回転軸51を径方向外側から覆っている。回転軸51の軸線方向がインナーロータ11の軸線方向であり、絶縁部材52の軸線方向はインナーロータ11の軸線方向と一致している。
図2に示すように、インナーロータ11は、回転軸51と、回転軸51に固定された筒状(詳細には円筒状)の絶縁部材52とを備えている。回転軸51は、エンジン101の出力軸に連結されている。絶縁部材52は、例えば樹脂等で形成されており、回転軸51を径方向外側から覆っている。回転軸51の軸線方向がインナーロータ11の軸線方向であり、絶縁部材52の軸線方向はインナーロータ11の軸線方向と一致している。
絶縁部材52の軸線方向の端部52aは、ハウジング14に形成された凹部14aに入り込んでいる。そして、絶縁部材52の軸線方向の端部52aと凹部14aの側壁面との間には、絶縁部材52を回転可能に支持する軸受53が設けられている。これにより、回転軸51及び絶縁部材52は、ハウジング14に対して回転可能に支持されている。
非接触電力伝送部44は、インナーロータ11に設けられ、インナーロータ11の回転に伴って回転する回転電極61,62と、インナーロータ11の回転に伴って回転しないように保持された保持電極71,72とを有している。回転電極61,62と保持電極71,72とは、電界結合しており、詳細には所定の間隔を隔てて対向配置されている。
回転電極61,62は、絶縁部材52の外周面に固定された筒状であり、回転電極61,62の軸線方向とインナーロータ11の軸線方向とは一致している。ちなみに、両回転電極61,62は、インナーロータ11の軸線方向に離間して配置されている。
両保持電極71,72は、回転電極61,62よりも長い内径を有する筒状(詳細には円筒状)である。保持電極71,72は、回転電極61,62と電界結合する位置に配置されている。詳細には、第1保持電極71は、第1回転電極61とインナーロータ11の径方向に対向しており、第2保持電極72は、第2回転電極62とインナーロータ11の径方向に対向している。
非接触電力伝送部44は、両保持電極71,72をハウジング14に保持するための保持部材80を備えている。保持部材80は、例えば両保持電極71,72の内径と同一の内径を有する円筒状であり、絶縁性を有している。保持部材80の軸線方向とインナーロータ11の軸線方向とは一致している。保持部材80は、ハウジング14の内面のうち凹部14aの周囲からインナーロータ11の軸線方向に起立して設けられており、ハウジング14に固定されている。保持部材80の内周面における回転電極61,62と径方向に対向する位置には、当該内周面から凹んだ溝81,82が形成されている。保持電極71,72は、溝81,82に嵌り込んだ状態で保持部材80に固定されている。これにより、両保持電極71,72は、インナーロータ11の回転に伴って回転しないようになっている。また、電界結合式非接触給電システム40は、両保持電極71,72とステータ変換部43とを電気的に接続するステータ側配線83を備えている。
かかる構成によれば、電界結合している第1回転電極61及び第1保持電極71によって第1結合コンデンサC1が構成され、電界結合している第2回転電極62及び第2保持電極72によって第2結合コンデンサC2が構成されている。これら両結合コンデンサC1,C2を介して、回転する電子ユニット42と、回転しないステータ変換部43との間で伝送用電力の伝送が可能となっている。
なお、ステータ変換部43からステータ側配線83を介して両保持電極71,72に伝送用電力が入力される場合、両保持電極71,72が両回転電極61,62に伝送用電力を送電する「送電部」として機能する。そして、両回転電極61,62が両保持電極71,72から伝送用電力を非接触で受電する「受電部」として機能する。
図2に示すように、電子ユニット42は、各種電子部品が実装される回路基板91を備えている。回路基板91は、例えば平板リング状であって、インナーロータ11に設けられている。詳細には、回路基板91は、非接触電力伝送部44に対して離れた位置にて、絶縁部材52が挿通された状態で絶縁部材52に固定されている。このため、回路基板91は、インナーロータ11の回転に伴って回転する。
回路基板91には、伝送用電力を直流電力に変換するロータ変換部(第2変換部)92が搭載されている。ロータ変換部92と非接触電力伝送部44とは電気的に接続されている。詳細には、絶縁部材52には、第1回転電極61と接触している第1バスバー93aと、第2回転電極62と接触している第2バスバー93bとが埋設されている。両バスバー93a,93bは、互いに絶縁部材52の周方向にずれた位置に設けられており、インナーロータ11の軸線方向、詳細には電子ユニット42に向けて延びている。そして、両バスバー93a,93bは、ロータ変換部92に接続されている。これにより、両結合コンデンサC1,C2を介して伝送される伝送用電力は、両バスバー93a,93bを介して、ロータ変換部92に入力されることとなる。
また、回路基板91には、ロータ変換部92によって変換された直流電力を第1電動モータ31が駆動可能な駆動電力に変換するモータインバータ94が搭載されている。モータインバータ94は、絶縁部材52に埋設された複数の配線95を介して、ロータコイル22に電気的に接続されている。モータインバータ94は、変換した駆動電力をロータコイル22に出力する。
更に、電子ユニット42は、ロータ変換部92及びモータインバータ94を制御するロータコントローラ96を備えている。ロータコントローラ96は、回路基板91に実装されている。
なお、図示は省略するが、実際には、回転電機10は、ロータコントローラ96に動作電力を供給する電力供給部を備えている。電力供給部は、例えばインナーロータ11に設けられた回転電極と、回転電極と対向する位置にてハウジング14に固定された保持電極とによって構成された結合コンデンサを介して電力供給を行う。なお、ロータコントローラ96への動作電力の給電は、常に行われている構成であってもよいし、必要な処理の前段階(例えば力行動作開始前)から行われる構成でもよい。
図1に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、ステータ変換部43を制御するとともに、ステータインバータ33を制御するステータコントローラ97を備えている。ステータコントローラ97は、両ロータ11,12の回転に伴って回転しないようにハウジング14又は車両100に固定されている。なお、ステータコントローラ97は、回転電機10と一体化されていてもよいし、別体でもよい。
ロータコントローラ96とステータコントローラ97とは、互いに情報のやり取りが可能に構成されている。詳細には、図3に示すように、電界結合式非接触給電システム40は、インナーロータ11に設けられた2つの信号用回転電極とハウジング14に固定された2つの信号用保持電極とから構成された信号用結合コンデンサCz1,Cz2を備えている。両コントローラ96,97は、両信号用結合コンデンサCz1,Cz2を介して電気的に接続されている。なお、図2においては、信号用結合コンデンサCz1,Cz2の図示は省略する。両コントローラ96,97が「制御部」に対応する。
ここで、ステータコントローラ97は、インナーロータ11の回転数及び回転位置と、アクセル及びブレーキの動作状況と車両100の走行状況とを把握可能に構成されている。そして、ステータコントローラ97は、これらの状況に基づいて、バッテリ102の蓄電電力を用いて第1電動モータ31を駆動させる力行動作を行うか、第1電動モータ31にて発生する回生電力を用いてバッテリ102を充電する回生動作を行うかを決定する。そして、ステータコントローラ97は、ロータコントローラ96と協働して、決定された動作を行う。
なお、インナーロータ11の回転数及び回転位置を把握する具体的な構成は任意であり、例えば回転数を検出する専用のセンサを設ける構成でもよいし、各相ロータコイル22u〜22wに流れる電流値から推定する構成でもよい。
以下、力行動作及び回生動作について、電界結合式非接触給電システム40の電気的構成の詳細な説明と合わせて説明する。
まず、図3を用いて電界結合式非接触給電システム40の電気的構成について説明する。本実施形態の電界結合式非接触給電システム40は、等価回路的には、バッテリ102から第1電動モータ31の各相ロータコイル22u〜22wに向けて、ステータ変換部43、両結合コンデンサC1,C2(非接触電力伝送部44)、ロータ変換部92及びモータインバータ94が順次設けられた構成となっている。
まず、図3を用いて電界結合式非接触給電システム40の電気的構成について説明する。本実施形態の電界結合式非接触給電システム40は、等価回路的には、バッテリ102から第1電動モータ31の各相ロータコイル22u〜22wに向けて、ステータ変換部43、両結合コンデンサC1,C2(非接触電力伝送部44)、ロータ変換部92及びモータインバータ94が順次設けられた構成となっている。
ステータ変換部43は、バッテリ102に直列接続された1次側コイルL1と、バッテリ102に並列接続された1石の1次側スイッチング素子Q1と、1次側スイッチング素子Q1に並列接続された1次側シャントキャパシタCs1とを備えている。1次側スイッチング素子Q1は、1次側コイルL1に対して後段(詳細には両結合コンデンサC1,C2側)に設けられている。1次側シャントキャパシタCs1は、1次側スイッチング素子Q1に対して後段に設けられている。すなわち、1次側シャントキャパシタCs1は、1次側コイルL1に対して後段に設けられている。
ロータ変換部92は、両結合コンデンサC1,C2と、モータインバータ94及び第1電動モータ31(換言すれば各相ロータコイル22u〜22w)からなる負荷41との間に設けられている。ロータ変換部92は、両結合コンデンサC1,C2を介して、ステータ変換部43と左右対称の回路構成となっている。詳細には、ロータ変換部92は、負荷41に直列接続された2次側コイルL2と、上記負荷41に並列接続された1石の2次側スイッチング素子Q2と、2次側スイッチング素子Q2に並列接続された2次側シャントキャパシタCs2とを備えている。2次側コイルL2は、負荷41に対して前段(詳細には両結合コンデンサC1,C2側)に設けられている。2次側スイッチング素子Q2は、2次側コイルL2よりも前段に設けられている。2次側シャントキャパシタCs2は、2次側スイッチング素子Q2よりも前段に設けられている。すなわち、2次側シャントキャパシタCs2は、2次側コイルL2に対して前段に設けられている。2次側シャントキャパシタCs2は、両結合コンデンサC1,C2を介して、1次側シャントキャパシタCs1と並列接続されている。
なお、両スイッチング素子Q1,Q2は、例えばn型のパワーMOSFET等である。スイッチング素子Q1,Q2は、ソース・ドレイン間に接続されたボディダイオード(寄生ダイオード)D1,D2を有している。
更に、電界結合式非接触給電システム40は、両コイルL1,L2とは別に第1結合コンデンサC1に直列接続されたものであって第1結合コンデンサC1と協働して直列共振回路98を構成する共振コイルL3を備えている。共振コイルL3は、両シャントキャパシタCs1,Cs2の間に設けられている。詳細には、共振コイルL3は、1次側コイルL1と第1保持電極71とを接続する配線上に設けられている。本実施形態では、ステータ変換部43が共振コイルL3を有している。
かかる構成によれば、両スイッチング素子Q1,Q2が周期的にON/OFFすることにより、バッテリ102から第1電動モータ31に向かう電力伝送(換言すれば給電)が可能となっているとともに、第1電動モータ31からバッテリ102に向かう電力伝送が可能となっている。すなわち、本実施形態の電界結合式非接触給電システム40は、両結合コンデンサC1,C2を介する双方向の非接触電力伝送が可能となっている。
なお、第1電動モータ31からバッテリ102に向かう電力伝送が行われる場合には、両回転電極61,62が両保持電極71,72に伝送用電力を送電する「送電部」として機能し、両保持電極71,72が両回転電極61,62から伝送用電力を非接触で受電する「受電部」として機能する。また、両スイッチング素子Q1,Q2のON状態とは導通状態とも言え、OFF状態は遮断状態(非導通状態)とも言える。
ここで、ステータ変換部43及び直列共振回路98が、E級動作によって蓄電電力を伝送用電力に変換するE級インバータEiを構成している。そして、直列共振回路98及びロータ変換部92が、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するE級コンバータEcを構成している。換言すれば、電界結合式非接触給電システム40は、E級インバータEi及びE級コンバータEcの双方の一部として機能している直列共振回路98とを備えている。
伝送用電力の電力値は、駆動電力を生成できる程度に設定されている。つまり、伝送用電力の電力値は、第1電動モータ31が駆動できる値に設定されている。この場合、両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスは、上記伝送用電力を伝送できるように伝送用電力の周波数及び電圧値に対応させて設定されている。また、両シャントキャパシタCs1,Cs2のキャパシタンス及び各コイルL1,L2,L3のインダクタンスは、E級動作条件を満たすように、両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスに対応させて設定されている。E級動作条件とは、両スイッチング素子Q1,Q2のターンオン時に両スイッチング素子Q1,Q2の印加電圧が「0」であるとともに印加電圧波形の傾きが「0」となる条件である。
なお、両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスは、回転電極61,62及び保持電極71,72の軸線方向の長さや、回転電極61,62の径と保持電極71,72の径との比率等に基づいて決まる。この場合、両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスを高くしようとすると、非接触電力伝送部44は大型になり易い。
図3に示すように、各相ロータコイル22u〜22wは、例えばY結線されている。モータインバータ94は、第1電動モータ31が三相モータであることに対応させて、三相インバータである。詳細には、モータインバータ94は、u相ロータコイル22uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2と、v相ロータコイル22vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2と、w相ロータコイル22wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各スイッチング素子Qu1〜Qw2と示す)は例えばIGBTである。
両u相スイッチング素子Qu1,Qu2は接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線は、u相ロータコイル22uに接続されている。そして、両u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体に対してロータ変換部92からの直流電力が入力されている。なお、他のスイッチング素子Qv1,Qv2,Qw1,Qw2については、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子Qu1,Qu2と同様の接続態様であるため、詳細な説明を省略する。
また、スイッチング素子Qu1〜Qw2には、還流ダイオードDu1〜Dw2が並列に設けられている。当該還流ダイオードDu1〜Dw2は、例えばスイッチング素子Qu1〜Qw2のボディダイオード(寄生ダイオード)であってもよいし、別途設けられていてもよい。
なお、電界結合式非接触給電システム40は、ロータ変換部92とモータインバータ94との間に設けられ、ロータ変換部92及びモータインバータ94の双方に並列接続された平滑コンデンサC3を備えている。また、電界結合式非接触給電システム40は、モータインバータ94の入力電圧値を検出する電圧センサ99を備えている。電圧センサ99は、その検出結果をロータコントローラ96に送信する。
ロータコントローラ96は、2次側スイッチング素子Q2を周期的にON/OFFさせることにより、ロータ変換部92を動作させるコンバータ制御部96aと、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を制御することによりモータインバータ94を動作させるインバータ制御部96bとを備えている。
インバータ制御部96bは、力行動作時には、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を所定のパターンで周期的にON/OFFさせることにより、直流電力を駆動電力に変換するDC/AC変換動作を実行させる。一方、インバータ制御部96bは、回生動作時、すなわち第1電動モータ31にて交流の回生電力が発生している場合には、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を全てOFF状態に維持することにより、各還流ダイオードDu1〜Dw2を用いて第1電動モータ31にて発生した交流の回生電力を整流させる。このため、回生動作時には、負荷41から直流の回生電力が出力されることとなる。
駆動電力の周波数は、モータインバータ94の基本波周波数である。当該基本波周波数は、第1電動モータ31の回転数や極数に基づいて決定される。各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数は、駆動電力の周波数よりも高い。
ここで、ステータコントローラ97は、周期的にHI/LOWに切り替わるクロック信号CKを用いて1次側スイッチング素子Q1を周期的にON/OFFさせることにより、E級インバータEi(ステータ変換部43)を動作させる。
更にステータコントローラ97は、上記クロック信号CKをロータコントローラ96に送信する。この場合、クロック信号CKは、信号用結合コンデンサCz1,Cz2を伝送する際に微分される。このため、ロータコントローラ96は、クロック信号CKの微分波形を受信することとなる。これに対して、ロータコントローラ96は、クロック信号CKの微分波形からクロック信号CKを生成(復元)する回路を有している。これにより、ロータコントローラ96は、クロック信号CKを把握できる。
ロータコントローラ96のコンバータ制御部96aは、クロック信号CKに基づいて、1次側スイッチング素子Q1よりも遅延時間Tdだけ遅延させて2次側スイッチング素子Q2を周期的にON/OFFさせることにより、E級コンバータEc(ロータ変換部92)を動作させる。この場合、両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は同一であり、詳細にはクロック信号CKの周波数と同一である。また、両スイッチング素子Q1,Q2のオンオフのデューティ比は同一である。このため、図4(a)及び図4(b)に示すように、両スイッチング素子Q1,Q2は、1次側スイッチング素子Q1の立ち上がりタイミングに対して2次側スイッチング素子Q2の立ち上がりタイミングが遅延時間Tdだけ遅れた状態で、同一の周期TでON/OFFしている。
ちなみに、両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、伝送用電力の周波数と一致している。そして、上記スイッチング周波数(換言すれば伝送用電力の周波数)は、駆動電力の周波数よりも高く設定されており、更に各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数よりも高く設定されている。例えば両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、駆動電力の周波数よりも100倍以上高く設定されている。
ここで、本発明者らは、電力伝送方向(換言すれば給電方向)や電力値が、遅延時間Tdに依存している特性を見出した。当該特性について図5を用いて説明する。
図5は、遅延時間Tdと、電力伝送方向及び伝送される電力値との関係を示すグラフである。図5においては、バッテリ102から第1電動モータ31(負荷41)に向かう方向を正(+)方向とし、第1電動モータ31からバッテリ102に向かう方向を負(−)方向としている。正方向が「第1方向」に対応し、負方向が「第2方向」に対応する。また、図5中の実線の電源グラフPt1は、遅延時間Tdに対するバッテリ102の電力消費を示すグラフであり、図5中の一点鎖線の負荷グラフPt2は、遅延時間Tdに対する負荷41の電力消費を示すグラフである。
図5は、遅延時間Tdと、電力伝送方向及び伝送される電力値との関係を示すグラフである。図5においては、バッテリ102から第1電動モータ31(負荷41)に向かう方向を正(+)方向とし、第1電動モータ31からバッテリ102に向かう方向を負(−)方向としている。正方向が「第1方向」に対応し、負方向が「第2方向」に対応する。また、図5中の実線の電源グラフPt1は、遅延時間Tdに対するバッテリ102の電力消費を示すグラフであり、図5中の一点鎖線の負荷グラフPt2は、遅延時間Tdに対する負荷41の電力消費を示すグラフである。
図5に示すように、電力伝送方向は、遅延時間Tdに応じて異なっている。詳細には、電力伝送方向は、遅延時間Tdが0〜T/2である場合には負方向となり、遅延時間TdがT/2〜Tである場合には正方向となる。なお、遅延時間TdがT/2である場合、バッテリ102の電力消費と負荷41の電力消費とが打ち消し合って「0」となる。この場合、正方向及び負方向のどちらにも電力伝送は行われない。
また、バッテリ102及び負荷41の電力消費は、遅延時間Tdに応じて変動している。この場合、遅延時間Tdが0〜T/2の範囲内で、バッテリ102及び負荷41の電力消費が最大となる遅延時間Tdを回生遅延時間Td1とする。遅延時間Tdが回生遅延時間Td1に設定されている場合、第1電動モータ31からバッテリ102に向けて伝送される電力値が最大となる。
また、遅延時間TdがT/2〜Tの範囲内で、バッテリ102及び負荷41の電力消費が最大となる遅延時間Tdを力行遅延時間Td2とする。遅延時間Tdが力行遅延時間Td2に設定されている場合、バッテリ102から第1電動モータ31に向けて伝送される電力値が最大となる。
遅延時間Tdが0〜T/2である場合、バッテリ102の電力消費が負荷41の電力消費よりも小さくなっている。両者の差は、両結合コンデンサC1,C2を介する非接触電力伝送を含めたロータ変換部92からステータ変換部43までの電力伝送の損失を示す。
遅延時間TdがT/2〜Tである場合、負荷41の電力消費がバッテリ102の電力消費よりも小さくなっている。両者の差は、両結合コンデンサC1,C2を介する非接触電力伝送を含めたステータ変換部43からロータ変換部92までの電力伝送の損失を示す。
なお、バッテリ102の電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には放電による電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には充電による電力消費である。
また、負荷41の電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には第1電動モータ31の駆動等による電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には第1電動モータ31の回生等による電力消費である。
また、負荷41の電力消費とは、電力伝送方向が正方向である場合には第1電動モータ31の駆動等による電力消費であり、電力伝送方向が負方向である場合には第1電動モータ31の回生等による電力消費である。
次に、電力伝送方向に対するE級インバータEi及びE級コンバータEcの動作について説明する。
電力伝送方向が正方向である場合、E級インバータEi(詳細にはステータ変換部43)では、蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作が行われ、E級コンバータEc(詳細にはロータ変換部92)では、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、直流電力がモータインバータ94に入力される。
電力伝送方向が正方向である場合、E級インバータEi(詳細にはステータ変換部43)では、蓄電電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作が行われ、E級コンバータEc(詳細にはロータ変換部92)では、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、直流電力がモータインバータ94に入力される。
一方、電力伝送方向が負方向である場合、E級コンバータEcでは、直流電力を伝送用電力に変換するDC/AC変換動作が行われ、E級インバータEiでは、伝送用電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、E級インバータEiにて変換された直流電力がバッテリ102に入力される。
コンバータ制御部96aは、上記特性に基づいて、遅延時間Tdを決定する。詳細には、コンバータ制御部96aは、ステータコントローラ97から力行動作を行う指令を受信している場合には、正方向に対応した遅延時間Td、本実施形態では力行遅延時間Td2を決定する。コンバータ制御部96aは、ステータコントローラ97から回生動作を行う指令を受信している場合には、負方向に対応した遅延時間Td、本実施形態では回生遅延時間Td1を決定する。つまり、本実施形態では、電界結合式非接触給電システム40は、1次側スイッチング素子Q1に対する2次側スイッチング素子Q2の遅延時間Tdを可変制御することにより、電力伝送方向を制御する。
次に、力行動作開始時の両コントローラ96,97(ロータコントローラ96についてはコンバータ制御部96a)の具体的な制御態様について説明する。
まず、両コントローラ96,97は、1次側スイッチング素子Q1に対して2次側スイッチング素子Q2を力行遅延時間Td2だけ遅延させて、両スイッチング素子Q1,Q2を周期的にON/OFFさせる。これにより、蓄電電力から伝送用電力へのDC/AC変換動作、両結合コンデンサC1,C2を介する伝送用電力の非接触の電力伝送、及び、伝送された伝送用電力(換言すれば両回転電極61,62にて受電された電力)を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。
まず、両コントローラ96,97は、1次側スイッチング素子Q1に対して2次側スイッチング素子Q2を力行遅延時間Td2だけ遅延させて、両スイッチング素子Q1,Q2を周期的にON/OFFさせる。これにより、蓄電電力から伝送用電力へのDC/AC変換動作、両結合コンデンサC1,C2を介する伝送用電力の非接触の電力伝送、及び、伝送された伝送用電力(換言すれば両回転電極61,62にて受電された電力)を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。
なお、この段階では、インバータ制御部96bは、モータインバータ94を動作させない。すなわち、インバータ制御部96bは、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を全てOFF状態にする。
その後、インバータ制御部96bは、電圧センサ99の検出結果に基づいて、モータインバータ94の入力電圧値を把握し、当該入力電圧値が予め定められた閾値電圧値以上となっているか否かを定期的に判定する。インバータ制御部96bは、把握された入力電圧値が閾値電圧値以上となったことに基づいて、モータインバータ94にてDC/AC変換動作を実行させる。これにより、モータインバータ94にて直流電力が駆動電力に変換されて、第1電動モータ31に入力される。よって、第1電動モータ31が駆動され、第1電動モータ31の回転数が上昇する。
続いて、両コントローラ96,97は、第1電動モータ31の回転数を把握し、その把握結果に基づいて、平滑コンデンサC3等に過度な電圧が付与されないように第1電動モータ31に流れる電流値であるモータ電流値を制御する。
例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、両コントローラ96,97は、両スイッチング素子Q1,Q2のON/OFFが行われる第1制御と両スイッチング素子Q1,Q2がOFF状態に維持される第2制御とを1つの単位制御として、当該単位制御を予め定められた規定周期Taで繰り返し実行する。第1制御が行われる期間を第1制御期間Ta1とし、第2制御が行われる期間を第2制御期間Ta2とする。規定周期Taは、両制御期間Ta1,Ta2を加算した値である。
かかる構成において、両コントローラ96,97は、第1電動モータ31の回転数が高くなるに従って、徐々に、規定周期Taに対する第2制御期間Ta2の比率が徐々に大きくなる(換言すれば規定周期Taに対する第1制御期間Ta1の比率が徐々に小さくなる)ように両スイッチング素子Q1,Q2を制御する。例えば、ステータコントローラ97は、クロック信号CKの出力を断続的に行うとともに、その出力間隔を調整することにより、両制御期間Ta1,Ta2の調整を行う。
そして、両コントローラ96,97は、第1電動モータ31の回転数が所望の回転数に到達した場合、当該回転数で定速回転するようにE級インバータEi、E級コンバータEc及びモータインバータ94を制御する。
次に、回生動作開始時の両コントローラ96,97の具体的な制御態様について説明する。なお、既に説明した通り、回生動作時には、モータインバータ94によって交流の回生電力が整流されるため、モータインバータ94からは直流の回生電力が出力される。
両コントローラ96,97は、回生動作時には、1次側スイッチング素子Q1に対して2次側スイッチング素子Q2を回生遅延時間Td1だけ遅延させて、両スイッチング素子Q1,Q2を周期的にON/OFFさせる。これにより、回生電力から伝送用電力へのDC/AC変換動作、両結合コンデンサC1,C2を介する伝送用電力の非接触の電力伝送、及び、伝送された伝送用電力(換言すれば両保持電極71,72にて受電された電力)を直流電力に変換するAC/DC変換動作が行われる。これにより、回生電力によるバッテリ102の充電が行われる。
なお、両コントローラ96,97は、回生動作中、回生ブレーキの必要量に応じて、伝送用電力の電力値を可変制御する。当該電力値の可変制御は、例えば上述した第1制御期間Ta1と第2制御期間Ta2との調整を行うこと等が考えられる。
そして、両コントローラ96,97は、電圧センサ99によって検出された電圧値が予め定められた閾値電圧値よりも低くなった場合には、E級コンバータEcのDC/AC変換動作及びE級インバータEiのAC/DC変換動作を停止させる。詳細には、両コントローラ96,97は、両スイッチング素子Q1,Q2をOFF状態にする。なお、回生動作中における電圧センサ99によって検出された電圧値は、モータインバータ94から出力される回生電力の電圧値を意味する。
なお、両コントローラ96,97は、第1電動モータ31の空転時には、E級インバータEi、E級コンバータEc及びモータインバータ94の動作を停止させる。詳細には、両コントローラ96,97は、両スイッチング素子Q1,Q2及び各スイッチング素子Qu1〜Qw2を全てOFF状態に設定する。
次に本実施形態の作用について説明する。
第1結合コンデンサC1を含む直列共振回路98が、E級インバータEi及びE級コンバータEcの双方を構成している。力行動作時及び回生動作時には、E級インバータEi及びE級コンバータEcのE級動作によって電力変換動作が行われるとともに、両結合コンデンサC1,C2を介した非接触の電力伝送が行われる。
第1結合コンデンサC1を含む直列共振回路98が、E級インバータEi及びE級コンバータEcの双方を構成している。力行動作時及び回生動作時には、E級インバータEi及びE級コンバータEcのE級動作によって電力変換動作が行われるとともに、両結合コンデンサC1,C2を介した非接触の電力伝送が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、両結合コンデンサC1,C2を介して非接触で負荷41に給電するものである。電界結合式非接触給電システム40は、E級動作によって蓄電電力を予め定められた周波数の伝送用電力に変換するE級インバータEiと、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するE級コンバータEcとを備えている。
(1)電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から出力される直流の蓄電電力を、両結合コンデンサC1,C2を介して非接触で負荷41に給電するものである。電界結合式非接触給電システム40は、E級動作によって蓄電電力を予め定められた周波数の伝送用電力に変換するE級インバータEiと、E級動作によって伝送用電力を直流電力に変換するE級コンバータEcとを備えている。
E級インバータEiは、バッテリ102に直列接続された1次側コイルL1と、バッテリ102に並列接続された1石の1次側スイッチング素子Q1と、1次側スイッチング素子Q1に並列接続された1次側シャントキャパシタCs1とを有している。E級コンバータEcは、負荷41(詳細にはモータインバータ94)に直列接続された2次側コイルL2と、負荷41に並列接続された1石の2次側スイッチング素子Q2と、2次側スイッチング素子Q2に並列接続された2次側シャントキャパシタCs2とを有している。つまり、E級インバータEiとE級コンバータEcとは、鏡面対称構成となっている。
かかる構成において、電界結合式非接触給電システム40は、第1結合コンデンサC1と直列接続されたものであって第1結合コンデンサC1と協働して直列共振回路98を構成する共振コイルL3を備えている。直列共振回路98は、両シャントキャパシタCs1,Cs2の間に設けられており、E級インバータEiの一部を構成しているとともにE級コンバータEcの一部を構成している。
かかる構成によれば、E級動作によって電力変換動作が行われるため、両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング損失を低減することができる。詳述すると、E級動作とは、両スイッチング素子Q1,Q2のターンオン時における両スイッチング素子Q1,Q2の印加電圧及び印加電圧の傾きが「0」となる動作モードである。この場合、ターンオン時にZVS動作が実現されるとともに、ターンオフ損失が最小となる。これにより、電界結合式非接触給電システム40の効率向上を図ることができる。
ここで、E級動作を実現するためには、直列共振回路が必要となる。この点、本実施形態では、電界結合式の非接触の電力伝送(換言すれば給電)を行うのに必須の構成である第1結合コンデンサC1が直列共振回路98の一部として採用されている。これにより、専用のコンデンサを別途設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。換言すれば、第1結合コンデンサC1の多機能化を実現している。
更に、上記直列共振回路98は、E級インバータEi及びE級コンバータEcの双方に用いられている。よって、E級インバータEi及びE級コンバータEcの双方においてそれぞれ専用の直列共振回路を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
特に、E級インバータEi及びE級コンバータEcに含まれているスイッチング素子は1石である。これにより、スイッチング素子の数の削減を図ることができる。
更に、E級インバータEi及びE級コンバータEcが上記のように構成されているため、電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から負荷41への電力伝送だけでなく、負荷41からバッテリ102への電力伝送が可能な双方向給電システムとなっている。これにより、双方向給電に好適に対応できる。
更に、E級インバータEi及びE級コンバータEcが上記のように構成されているため、電界結合式非接触給電システム40は、バッテリ102から負荷41への電力伝送だけでなく、負荷41からバッテリ102への電力伝送が可能な双方向給電システムとなっている。これにより、双方向給電に好適に対応できる。
(2)結合コンデンサC1,C2は、インナーロータ11に設けられた回転電極61,62と、回転電極61,62と対向している位置に設けられ、インナーロータ11の回転に伴って回転しないように保持された保持電極71,72とで構成されている。かかる構成によれば、回転しているインナーロータ11に対して非接触給電を行うことができるとともに、インナーロータ11から出力される伝送用電力を非接触で受電することができる。よって、ブラシレス化を図ることができる。
(3)負荷41は、モータインバータ94と、交流駆動の第1電動モータ31とを含む。モータインバータ94は、直流電力が入力された場合には当該直流電力を第1電動モータ31が駆動可能な交流の駆動電力に変換し、第1電動モータ31にて交流の回生電力が発生した場合には当該交流の回生電力を直流の回生電力に変換するものである。これにより、回生動作時には、負荷41から直流の回生電力が出力される。そして、当該回生電力は、両結合コンデンサC1,C2を介して、バッテリ102に入力される。これにより、バッテリ102の充電を行うことができる。
(4)電界結合式非接触給電システム40は、1次側スイッチング素子Q1を制御するステータコントローラ97と、2次側スイッチング素子Q2を制御するロータコントローラ96(詳細にはインバータ制御部96b)とを備えている。ステータコントローラ97は、1次側スイッチング素子Q1を周期的にON/OFFさせることによりE級インバータEiを動作させる。コンバータ制御部96aは、2次側スイッチング素子Q2を周期的にON/OFFさせることによりE級コンバータEcを動作させる。
かかる構成において、ステータコントローラ97及びコンバータ制御部96aは、1次側スイッチング素子Q1の立ち上がりタイミングに対して2次側スイッチング素子Q2の立ち上がりタイミングを遅延時間Tdだけ遅延させるものであり、当該遅延時間Tdを変更することにより、電力伝送方向を、正方向又は負方向に切り替える。換言すれば、ステータコントローラ97及びコンバータ制御部96aは、遅延時間Tdを変更することにより、給電態様を、バッテリ102から第1電動モータ31への給電が行われる力行対応給電と、第1電動モータ31からバッテリ102への給電が行われる回生対応給電とに切り替える。かかる構成によれば、遅延時間Tdの変更によって電力伝送方向を切り替えることができるため、力行動作及び回生動作の双方に対応できる。また、電力伝送経路を切り替えるスイッチ等を設けることなく、電力伝送方向を切り替えることができるため、構成の簡素化を図ることができる。
(5)ステータコントローラ97は、クロック信号CKを用いて1次側スイッチング素子Q1を周期的にON/OFFさせるものであり、且つ、当該クロック信号CKをロータコントローラ96に送信する。ロータコントローラ96のコンバータ制御部96aは、上記クロック信号CKに基づいて、2次側スイッチング素子Q2の立ち上がりタイミングを1次側スイッチング素子Q1の立ち上がりタイミングよりも遅延時間Tdだけ遅延させる。これにより、1次側スイッチング素子Q1と2次側スイッチング素子Q2とを、別々のクロック信号を用いてON/OFFさせる構成と比較して、遅延時間Tdが所望値からずれる事態を抑制できる。
(6)伝送用電力の周波数は、駆動電力の周波数よりも高く設定されている。これにより、第1電動モータ31を好適に駆動させることができるとともに、両結合コンデンサC1,C2を介する非接触の電力伝送を好適に行うことができる。
詳述すると、第1電動モータ31を駆動させるためには、両結合コンデンサC1,C2を介する非接触の電力伝送が行われる伝送用電力の電力値を、ある程度大きく確保する必要がある。この場合、両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスを高くすることも考えられるが、上記キャパシタンスを高くしようとすると非接触電力伝送部44の大型化が懸念される。
一方、第1電動モータ31を駆動させる駆動電力の周波数は、第1電動モータ31の回転数や極数等で決まる。このため、仮に伝送用電力を第1電動モータ31に直接入力させると、第1電動モータ31が正常に動作しない場合があり得る。
これに対して、本実施形態では、伝送用電力の周波数が駆動電力の周波数よりも高く設定されているため、非接触電力伝送部44の大型化を抑制しつつ、必要な大きさの伝送用電力をインナーロータ11に非接触で給電することができ、更に第1電動モータ31の駆動を好適に行うことができる。
(7)特に、伝送用電力の周波数を規定する両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数と、モータインバータ94の各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数とは異なっている。詳細には、両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数よりも高く設定されている。これにより、両結合コンデンサC1,C2を介して所望の電力値の電力伝送を実現しつつ、非接触電力伝送部44の大型化の抑制を図ることができる。
ここで、例えば制御の容易化の観点に着目すれば、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数を、両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数に合わせて高く設定することも考えられる。しかしながら、この場合、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング損失の増大化が懸念される。これに対して、本実施形態では、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング周波数を両スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数よりも低くすることにより、モータインバータ94のスイッチング損失を抑制できる。
(8)回転電機10は、インナーロータ11と、インナーロータ11に設けられたロータコイル22を有する交流駆動の第1電動モータ31と、バッテリ102の蓄電電力を伝送用電力に変換する第1変換部としてのステータ変換部43とを備えている。回転電機10は、インナーロータ11の回転に伴って回転しないように保持されたものであって伝送用電力が入力される保持電極71,72、及び、インナーロータ11に設けられたものであって保持電極71,72から伝送用電力を非接触で受電する回転電極61,62を有する非接触電力伝送部44を備えている。そして、回転電機10は、インナーロータ11に設けられ、回転電極61,62によって受電された伝送用電力を直流電力に変換する第2変換部としてのロータ変換部92を備えている。回転電機10は、ロータ変換部92によって変換された直流電力を、第1電動モータ31が駆動可能な交流の駆動電力に変換して、その駆動電力をロータコイル22に出力するモータインバータ94を備えている。
かかる構成によれば、ステータ変換部43によって蓄電電力が伝送用電力に変換され、その変換された伝送用電力が両結合コンデンサC1,C2を介してインナーロータ11に伝送される。そして、ロータ変換部92によって伝送用電力が直流電力に変換され、モータインバータ94によって上記直流電力が駆動電力に変換される。これにより、蓄電電力を用いて第1電動モータ31を駆動させることができる。また、インナーロータ11に、ロータ変換部92及びモータインバータ94が設けられているため、伝送用電力の周波数と駆動電力の周波数とを異ならせることができる。そして、伝送用電力の周波数は、駆動電力の周波数よりも高く設定されている。これにより、所望の電力値の伝送用電力の給電を行うのに要する両結合コンデンサC1,C2のキャパシタンスを低くすることができるため、両結合コンデンサC1,C2の小型化を図ることができる。
(9)特に、本実施形態の回転電機10は、インナーロータ11に対して径方向外側に配置され、インナーロータ11とは個別に回転可能なアウターロータ12を備えている。第1電動モータ31は、インナーロータ11のロータコイル22とアウターロータ12の第1永久磁石24とによって構成されている。この場合、回転するインナーロータ11に設けられたロータコイル22に給電する必要が生じる。これに対して、本実施形態では、ロータコイル22に給電するものとして非接触電力伝送部44が採用されている。これにより、ダブルロータ型の回転電機10において、ブラシレス化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ロータ変換部92が共振コイルL3を備えていてもよい。詳細には、共振コイルL3は、第1回転電極61と2次側コイルL2とを接続する配線上にあってもよい。
○ ロータ変換部92が共振コイルL3を備えていてもよい。詳細には、共振コイルL3は、第1回転電極61と2次側コイルL2とを接続する配線上にあってもよい。
○ 負荷41は、モータインバータ94及び第1電動モータ31に限られず、任意である。
○ 結合コンデンサを構成する回転電極と保持電極との具体的な構成は任意である。例えば、両電極は、絶縁部材52が挿通された円板リング状であってインナーロータ11の軸線方向に互いに対向する構成であってもよい。
○ 結合コンデンサを構成する回転電極と保持電極との具体的な構成は任意である。例えば、両電極は、絶縁部材52が挿通された円板リング状であってインナーロータ11の軸線方向に互いに対向する構成であってもよい。
○ E級インバータEiは昇圧又は降圧の電圧値変換を行ってもよい。同様に、E級コンバータEcは昇圧又は降圧の電圧値変換を行ってもよい。
○ 伝送される電力値は遅延時間Tdに応じて変動することに着目して、両コントローラ96,97は、遅延時間Tdを変更することにより、伝送される電力値の可変制御を行ってもよい。つまり、遅延時間Tdは、電力値が最大となる回生遅延時間Td1又は力行遅延時間Td2に限られない。
○ 伝送される電力値は遅延時間Tdに応じて変動することに着目して、両コントローラ96,97は、遅延時間Tdを変更することにより、伝送される電力値の可変制御を行ってもよい。つまり、遅延時間Tdは、電力値が最大となる回生遅延時間Td1又は力行遅延時間Td2に限られない。
○ 図7に示すように、ステータ変換部43は、1次側スイッチング素子Q1に直列接続された第1ダイオードD11と、1次側スイッチング素子Q1及び第1ダイオードD11の直列接続体に並列接続された第2ダイオードD12とを有する構成でもよい。第1ダイオードD11の順方向と1次側スイッチング素子Q1のボディダイオードD1の順方向とは互いに逆向きとなっている。第2ダイオードD12は、第1ダイオードD11とは順方向が逆になるように設けられている。
同様に、ロータ変換部92は、2次側スイッチング素子Q2に直列接続された第3ダイオードD21と、2次側スイッチング素子Q2及び第3ダイオードD21の直列接続体に並列接続された第4ダイオードD22とを有する構成でもよい。
かかる構成によれば、ボディダイオードD1,D2の整流効率の悪さに起因する変換効率の低下を抑制でき、電界結合式非接触給電システム40の効率向上を図ることができる。但し、部品点数の点に着目すれば、実施形態の構成の方が好ましい。
○ ステータ変換部とロータ変換部とは、同一の回路構成に限られず、異なる回路構成であってもよい。例えば両変換部のうちいずれか一方に、双方向に電流を流すことができる双方向スイッチ回路を設けてもよい。
○ スイッチング素子は、n型のMOSFETに限られず、IGBT等任意である。
○ 結合コンデンサの数は任意であり、例えば互いに並列接続された複数の結合コンデンサを用いて非接触の電力伝送を行ってもよい。
○ 結合コンデンサの数は任意であり、例えば互いに並列接続された複数の結合コンデンサを用いて非接触の電力伝送を行ってもよい。
○ 直流電源はバッテリ102であったが、これに限られず、充放電が可能な蓄電装置であれば、任意であり、例えば電気二重層キャパシタ等でもよい。
○ 電界結合式非接触給電システム40が適用される回転電機10は、コイルが設けられたロータを少なくとも1つ有していればよい。例えば、回転電機は、1つのロータとステータとを有する構成であってもよい。また、回転電機は、ステータ13が省略され、2つのロータを有する構成であってもよい。
○ 電界結合式非接触給電システム40が適用される回転電機10は、コイルが設けられたロータを少なくとも1つ有していればよい。例えば、回転電機は、1つのロータとステータとを有する構成であってもよい。また、回転電機は、ステータ13が省略され、2つのロータを有する構成であってもよい。
○ 回転電機10は、ハイブリッドトランスアクスルに用いられていたが、他の用途に用いられてもよい。また、車両は、エンジンと蓄電装置とを有する車両に限られず任意である。
○ 電界結合式非接触給電システム40の適用対象は、回転電機に限られず、任意であり、例えば携帯電話等の蓄電装置が搭載された端末の充電に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)ロータと、前記ロータに設けられたロータコイルを有する交流駆動の電動モータと、を備えている回転電機において、蓄電装置に蓄電されている直流の蓄電電力を予め定められた周波数の交流電力に変換する第1変換部と、前記ロータの回転に伴って回転しないように保持されたものであって前記交流電力が入力される送電部、及び、前記ロータに設けられたものであって前記送電部から前記交流電力を非接触で受電する受電部を有する非接触電力伝送部と、前記ロータに設けられ、前記受電部によって受電された交流電力を直流電力に変換する第2変換部と、前記ロータに設けられ、前記第2変換部によって変換された前記直流電力を、前記電動モータが駆動可能な交流の駆動電力に変換して、その前記駆動電力を前記ロータコイルに出力するモータインバータと、を備え、前記交流電力の周波数は、前記駆動電力の周波数よりも高いことを特徴とする回転電機。
上記構成に着目した場合、非接触給電の方式は電界結合方式に限られず、例えば磁界共鳴方式や電磁誘導方式等であってもよい。詳細には、送電部は1次側コイルであり、受電部は2次側コイルでもよい。また、ステータ変換部43及びロータ変換部92は、直流電力と伝送用電力との双方向変換が可能に構成されていれば、その具体的な回路構成は任意であり、鏡面対称となっていなくてもよいし、E級動作条件を満たさなくてもよい。
なお、上記構成に対応する課題は以下のとおりである。
回転するロータに設けられたロータコイルを有する交流駆動の電動モータを備えた回転電機が知られている。当該回転電機は、ロータコイルに給電を行うために例えばブラシを有するスリップリングを備えている。当該スリップリングは、ブラシが摺動する特性上、ブラシの摩耗等といった不都合が懸念される。これに対して、本発明者らは、電界結合式非接触給電システムを用いてロータコイルへの給電を行うことに着目した。この場合、電界結合式の非接触の電力伝送と電動モータの駆動とを両立させる必要が生じる。このため、上記構成に係る目的は、ロータに設けられたロータコイルへの給電のブラシレス化を図りつつ、電界結合式の非接触の電力伝送と電動モータの駆動とを好適に行うことができる回転電機を提供することである。
回転するロータに設けられたロータコイルを有する交流駆動の電動モータを備えた回転電機が知られている。当該回転電機は、ロータコイルに給電を行うために例えばブラシを有するスリップリングを備えている。当該スリップリングは、ブラシが摺動する特性上、ブラシの摩耗等といった不都合が懸念される。これに対して、本発明者らは、電界結合式非接触給電システムを用いてロータコイルへの給電を行うことに着目した。この場合、電界結合式の非接触の電力伝送と電動モータの駆動とを両立させる必要が生じる。このため、上記構成に係る目的は、ロータに設けられたロータコイルへの給電のブラシレス化を図りつつ、電界結合式の非接触の電力伝送と電動モータの駆動とを好適に行うことができる回転電機を提供することである。
(ロ)前記第1変換部は、1次側スイッチング素子を有し、当該1次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより、前記蓄電電力を前記交流電力に変換するものであり、前記第2変換部は、2次側スイッチング素子を有し、当該2次側スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより、前記交流電力を前記直流電力に変換するものであり、前記モータインバータは、複数のスイッチング素子を有しており、当該各スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより、前記直流電力を前記駆動電力に変換するものであり、前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子のスイッチング周波数は、前記モータインバータの前記複数のスイッチング素子のスイッチング周波数よりも高く設定されている(イ)に記載の回転電機。
(ハ)ロータに設けられた回転電極と、前記回転電極と対向する位置に設けられ且つ前記ロータの回転に伴って回転しないように保持された保持電極とで構成される結合コンデンサを備え、当該結合コンデンサを介して非接触で給電が可能な電界結合式非接触給電システムにおいて、前記ロータの回転に伴って回転しないように保持されたものであって、直流電力と予め定められた周波数の交流電力との双方向変換が可能な第1変換部と、前記ロータに設けられたものであって、前記交流電力と直流電力との双方向変換が可能な第2変換部と、を備え、前記交流電力が結合コンデンサを介して非接触で伝送されるものであることを特徴とする電界結合式非接触給電システム。
10…回転電機、11…インナーロータ、12…アウターロータ、13…ステータ、22…ロータコイル、31…第1電動モータ、32…第2電動モータ、40…電界結合式非接触給電システム、41…負荷、42…電子ユニット、43…ステータ変換部、44…非接触電力伝送部、61,62…回転電極、71,72…保持電極、92…ロータ変換部、94…モータインバータ、96…ロータコントローラ、96a…コンバータ制御部、96b…インバータ制御部、97…ステータコントローラ、98…直列共振回路、99…電圧センサ、100…車両、102…バッテリ(直流電源)、C1,C2…結合コンデンサ、L1…1次側コイル、L2…2次側コイル、L3…共振コイル、Q1…1次側スイッチング素子、Q2…2次側スイッチング素子、Cs1…1次側シャントキャパシタ、Cs2…2次側シャントキャパシタ、Ei…E級インバータ、Ec…E級コンバータ、CK…クロック信号、Td…遅延時間。
Claims (5)
- 直流電源から出力される直流の電源電力を、結合コンデンサを介して非接触で負荷に給電する電界結合式非接触給電システムにおいて、
前記電源電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するE級インバータと、
前記交流電力を直流電力に変換するE級コンバータと、
を備え、
前記E級インバータは、
前記直流電源に直列接続された1次側コイルと、
前記直流電源に並列接続された1石の1次側スイッチング素子と、
前記1次側スイッチング素子に並列接続された1次側シャントキャパシタと、
を有し、
前記E級コンバータは、
前記負荷に直列接続された2次側コイルと、
前記負荷に並列接続された1石の2次側スイッチング素子と、
前記2次側スイッチング素子に並列接続された2次側シャントキャパシタと、
を有し、
前記電界結合式非接触給電システムは、前記結合コンデンサと直列接続されたものであって前記結合コンデンサと協働して直列共振回路を構成する共振コイルを備え、
前記直列共振回路は、前記1次側シャントキャパシタと前記2次側シャントキャパシタとの間に設けられており、前記E級インバータの一部を構成しているとともに前記E級コンバータの一部を構成していることを特徴とする電界結合式非接触給電システム。 - 前記結合コンデンサは、
ロータに設けられた回転電極と、
前記回転電極と対向している位置に設けられ、前記ロータの回転に伴って回転しないように保持された保持電極と、
で構成されている請求項1に記載の電界結合式非接触給電システム。 - 前記直流電源は、充放電が可能な蓄電装置であり、
前記負荷は、
交流駆動の電動モータと、
直流電力が入力された場合には当該直流電力を前記電動モータが駆動可能な交流の駆動電力に変換し、前記電動モータにて交流の回生電力が発生した場合には当該交流の回生電力を直流の回生電力に変換するモータインバータと、
を含む請求項1又は請求項2に記載の電界結合式非接触給電システム。 - 前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記1次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせることにより、前記E級インバータを動作させ、前記2次側スイッチング素子を周期的にON/OFFさせることにより、前記E級コンバータを動作させるものであり、
前記制御部は、前記1次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングに対して前記2次側スイッチング素子の立ち上がりタイミングを遅延時間だけ遅延させるものであり、当該遅延時間を変更することにより、電力伝送方向を、前記蓄電装置から前記負荷に向かう第1方向、又は、前記負荷から前記蓄電装置に向かう第2方向に切り替える請求項3に記載の電界結合式非接触給電システム。 - 前記交流電力の周波数は、前記駆動電力の周波数よりも高く設定されている請求項4に記載の電界結合式非接触給電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199566A JP2017073899A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 電界結合式非接触給電システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022536680A (ja) * | 2019-06-11 | 2022-08-18 | レイセオン カンパニー | ギャップを介して電力を伝達するための多相非接触誘導電力伝達システム |
-
2015
- 2015-10-07 JP JP2015199566A patent/JP2017073899A/ja active Pending
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JP7312861B2 (ja) | 2019-06-11 | 2023-07-21 | レイセオン カンパニー | ギャップを介して電力を伝達するための多相非接触誘導電力伝達システム |
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