JP2017073468A - キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】低い周波数帯における誘電損失の低下を抑制できるキャパシタを提供すること。
【解決手段】キャパシタ1は、キャパシタ部3の積層方向の最外層である第1主面3aの第1内部電極層15aの上側(厚み方向の外側)と、第2主面3bの第2内部電極層15bの下側(厚み方向の外側)に、それぞれリチウムイオンを通さない上側カバー層7aと下側カバー層7bとを配置している。つまり、上側カバー層7aは、第1主面3aを構成する第1内部電極層15aを被覆するとともに、下側カバー層7bは、第2主面3bを構成する第2内部電極層15bを被覆している。
【選択図】図2
【解決手段】キャパシタ1は、キャパシタ部3の積層方向の最外層である第1主面3aの第1内部電極層15aの上側(厚み方向の外側)と、第2主面3bの第2内部電極層15bの下側(厚み方向の外側)に、それぞれリチウムイオンを通さない上側カバー層7aと下側カバー層7bとを配置している。つまり、上側カバー層7aは、第1主面3aを構成する第1内部電極層15aを被覆するとともに、下側カバー層7bは、第2主面3bを構成する第2内部電極層15bを被覆している。
【選択図】図2
Description
本発明は、電荷を蓄えたり放出したりするキャパシタ(コンデンサ)に関し、特にリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いたキャパシタに関する。
従来、電解質材料を用いたキャパシタとしては、電解液を用いたものが知られているが、近年では、これとは別に、例えば、固体電解質の表面に一対の電極を設けたキャパシタのような固体キャパシタが知られている。
この固体キャパシタとしては、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた各種の固体キャパシタが提案されている(特許文献1〜3参照)。
これらの特許文献には、ペレット状の固体電解質の上下面に電極を形成したキャパシタに加え、固体電解質と電極とを交互に積層した積層構造のキャパシタ(いわゆる側面引き出しタイプの固体キャパシタ)が開示されている。
これらの特許文献には、ペレット状の固体電解質の上下面に電極を形成したキャパシタに加え、固体電解質と電極とを交互に積層した積層構造のキャパシタ(いわゆる側面引き出しタイプの固体キャパシタ)が開示されている。
しかしながら、上述した従来技術では、下記のような問題があり、その改善が望まれている。
具体的には、本発明者等の研究により、図7に示すように、固体電解質と電極とを交互に積層した側面引き出しタイプの固体キャパシタでは、交流1kHz以下の低い周波数帯(低周波数領域)において、誘電損失が著しく大きくなることが明らかになった。
具体的には、本発明者等の研究により、図7に示すように、固体電解質と電極とを交互に積層した側面引き出しタイプの固体キャパシタでは、交流1kHz以下の低い周波数帯(低周波数領域)において、誘電損失が著しく大きくなることが明らかになった。
そのため、交流1kHz以下の低周波領域で前記固体キャパシタ(即ち側面引き出しタイプの固体キャパシタ)を使用する場合に、例えば十分な性能が得られない等の制約が出る恐れがある。
なお、上述した誘電損失が増加する原因としては、下記の理由が考えられる。
図8の上図に示すように、側面引き出しタイプの固体キャパシタ(詳しくはリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた固体キャパシタ)P2では、固体キャパシタP2の最も外側(厚み方向の外側)に位置する例えば電極P3(図8の上図の上側の電極)においては、1kHzを超える高周波数領域では、リチウムイオンの移動は、その電極P3の内側面のみで行われると考えられる。しかし、図8の下図に示すように、1kHz以下の低周波数領域になると電極P3の外側面にもリチウムイオンが移動してくると考えられる。そのため、低周波数領域では、リチウムイオンの移動に伴う損失(電気エネルギーの損失)が増大し、誘電損失が増加すると推察される。
図8の上図に示すように、側面引き出しタイプの固体キャパシタ(詳しくはリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた固体キャパシタ)P2では、固体キャパシタP2の最も外側(厚み方向の外側)に位置する例えば電極P3(図8の上図の上側の電極)においては、1kHzを超える高周波数領域では、リチウムイオンの移動は、その電極P3の内側面のみで行われると考えられる。しかし、図8の下図に示すように、1kHz以下の低周波数領域になると電極P3の外側面にもリチウムイオンが移動してくると考えられる。そのため、低周波数領域では、リチウムイオンの移動に伴う損失(電気エネルギーの損失)が増大し、誘電損失が増加すると推察される。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低周波数領域における誘電損失の増加を抑制できるキャパシタを提供することにある。
(1)本発明の第1態様のキャパシタは、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする少なくとも1層の固体電解質層と、該固体電解質層上に形成された少なくとも1層の第1内部電極層及び該第1内部電極層と前記固体電解質層を介して対向して配置された少なくとも1層の第2内部電極層からなる内部電極層と、を有するキャパシタ部を備えたキャパシタであって、前記キャパシタ部は、前記内部電極層及び前記固体電解質層の厚み方向の端部に形成された第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一部が前記内部電極層により構成され、前記第1主面及び前記第2主面を構成する前記内部電極層の前記厚み方向における外側の表面が、リチウムイオン伝導性を有さないカバー層により被覆されている。
本第1態様のキャパシタは、固体電解質層と内部電極層とが交互に配置された構造を有しており、キャパシタ部の第1主面及び第2主面を構成する内部電極層の厚み方向における外側(キャパシタ部の固体電解質層側と反対側)の表面が、リチウムイオン伝導性を有さないカバー層により被覆されている。
つまり、本第1態様では、キャパシタ部の最外層である第1主面及び第2主面の内部電極層の外側(厚み方向の外側)に、リチウムイオンを通さないカバー層を配置しているので、後述する実施例等から明らかなように、例えば1kHz以下の低周波数領域(以下低周波域と称する)において、内部電極層の外側面へのリチウムイオンの移動を抑制できと考えられる。
詳しくは、本第1態様では、キャパシタに低周波域の交流の電流が印加された場合において、前記図8に示すようなリチウムイオンの移動が、カバー層によって妨げられるので、電気エネルギーの損失の増加を抑制できる(従って誘電損失の増加を抑制できる)と考えられる。
ここで、「固体電解質層」とは、固体電解質としての特性(外部から加えられた電場によってイオン(ここではリチウムイオン)を移動させることができる特性:イオン伝導性)を有する層である。
また、「主成分」とは、該当する成分が最も多い成分(例えば50体積%以上)であることを示している。
さらに、「リチウムイオンを通さないカバー層」とは、リチウムイオンの移動を完全に阻止するものが望ましいが、キャパシタが使用される環境(条件)において、前記固体電解質層よりもリチウムイオン伝導性が低く、実質的にリチウムイオンを通さない性能を有していればよい。
さらに、「リチウムイオンを通さないカバー層」とは、リチウムイオンの移動を完全に阻止するものが望ましいが、キャパシタが使用される環境(条件)において、前記固体電解質層よりもリチウムイオン伝導性が低く、実質的にリチウムイオンを通さない性能を有していればよい。
なお、キャパシタ部は、一対の内部電極層間に電圧が印加された場合に、キャパシタとして機能するものである。このキャパシタ部としては、1層の固体電解質層の厚み方向の両側に内部電極層を備えた構成(基本キャパシタ部)を1層備えているものや、基本キャパシタ部を複数積層した構成を採用できる。なお、隣接する基本キャパシタ部同士では、その間の内部電極層を共有することができる。
また、内部電極層はキャパシタの内部に配置される電極層である。なお、第1主面及び第2主面とは、内部電極層及び固体電解質層の厚み方向の端部に形成された一方の表面及び他方の表面である。
(2)本発明の第2態様のキャパシタは、前記第1主面及び前記第2主面は、前記内部電極層の表面及び前記固体電解質層の表面により構成され、前記カバー層は、前記第1主面及び前記第2主面を構成する、前記内部電極層の表面及び前記固体電解質層の表面を被覆する。
本第2態様は、カバー層の好ましい態様を例示したものである。つまり、キャパシタ部の第1主面及び第2主面が、内部電極層及び固体電解質層で構成されている場合には、カバー層がその内部電極層及び固体電解質層を被覆することにより、効果的にリチウムイオンの内部電極層の外側への移動を妨げることができる。これにより、誘電損失の増加を一層効果的に抑制できる。
(3)本発明の第3態様のキャパシタは、前記第1内部電極層と前記固体電解質層と前記第2内部電極層とが直接に積層され、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に前記カバー層を備えていない。
本第3態様は、キャパシタの好ましい態様を例示したものである。つまり、本第3態様では、各内部電極層と固体電解質層とは直接に積層されており、その間にリチウムイオン伝導性を有しないカバー層を備えていないので、各内部電極層と固体電解質層と間のリチウムイオンの移動はカバー層によって阻害されない。従って、本第3態様のキャパシタは、高い電気容量(静電容量)を確保できる。
(4)本発明の第4態様のキャパシタは、前記第1内部電極層及び前記第2内部電極層とは別に、前記キャパシタ部の外部に露出する表面に、前記第1内部電極層に接続される第1外側電極と前記第2内部電極層に接続される第2外側電極とを備えている。
本第4態様は、キャパシタの好ましい態様を例示したものである。つまり、本第4態様では、キャパシタ部の外部に露出する表面に、第1の内部電極層に接続される第1外側電極と第2の内部電極層に接続される第2外側電極とを備えているので、両外側電極に電圧を加えることにより、キャパシタに電気を蓄えることができる。
(5)本発明の第5態様のキャパシタは、前記固体電解質層は、Li7La3Zr2O12からなり、前記カバー層は、チタン酸バリウムからなる。
本第5態様は、固体電解質層とカバー層の好ましい例を示している。
本第5態様は、固体電解質層とカバー層の好ましい例を示している。
具体的には、Li7La3Zr2O12(LLZ)は、例えばNi電極と還元焼成を行うことができ、イオン伝導度が高いという利点がある。また、チタン酸バリウムは、リチウムイオンを通さない性能が高いという利点がある。
[第1実施形態]
a)まず、本第1実施形態のキャパシタの構成について説明する。
なお、以下の説明では、図の上下左右の各方向を利用して説明を行うが、各方向は、各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向にすぎず、実際にキャパシタがどのような方向に向けられるかは任意である。例えば、以下の記載で方向を示す「上、下、左、右」とは、図2における「上、下、左、右」の各方向と同じである。
a)まず、本第1実施形態のキャパシタの構成について説明する。
なお、以下の説明では、図の上下左右の各方向を利用して説明を行うが、各方向は、各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向にすぎず、実際にキャパシタがどのような方向に向けられるかは任意である。例えば、以下の記載で方向を示す「上、下、左、右」とは、図2における「上、下、左、右」の各方向と同じである。
図1に模式的に示すように、本第1実施形態のキャパシタ1は、直方体形状の積層セラミックチップコンデンサであり、このキャパシタ1は、図2に模式的に示すように、層状のキャパシタ部3などが積層された複合体5を備えている。
具体的には、複合体5の積層方向(図2の上下方向:Z方向)の中央部分には、1層のキャパシタ部3(即ち基本キャパシタ部)が配置されている。また、キャパシタ部3の積層方向の一方の側(図2の上側:以下上側と称する)には、1層の上側カバー層7aを備えるとともに、キャパシタ部3の積層方向の他方の側(図2の下側:以下下側と称する)には、1層の下側カバー層7bを備えている。
さらに、上側カバー層7aの上側には、その全面(上面)を覆うように、上側固体電解質層9aが設けられるとともに、下側カバー層7bの下側には、その全面(下面)を覆うように下側固体電解質層9bが設けられている。
なお、複合体5は、1層のキャパシタ部3と2層の上下のカバー層7a、7b(7と総称する)と2層の上下の固体電解質層9a、9b(9と総称する)が直接に積層された焼結体である。
また、キャパシタ1の左右方向(図2の左右方向:X方向)の両側には、複合体5の左右方向の両側を覆うように、それぞれ外側電極11が全面にわたり形成されている。つまり、図2の左側には、第1外側電極11aが形成されるとともに、図2の右側には、第2外側電極11bが形成されている。
以下、各構成について更に詳しく説明する。
図2(a)に示すように、キャパシタ部3は、固体電解質層(即ち中央固体電解質層)13と、中央固体電解質層13の各主面(積層方向における各面)上に形成されるとともに中央固体電解質層13を挟んで対向して配置された一対の内部電極層15(即ち上側の第1内部電極層15a及び下側の第2内部電極層15b)とを有している。
図2(a)に示すように、キャパシタ部3は、固体電解質層(即ち中央固体電解質層)13と、中央固体電解質層13の各主面(積層方向における各面)上に形成されるとともに中央固体電解質層13を挟んで対向して配置された一対の内部電極層15(即ち上側の第1内部電極層15a及び下側の第2内部電極層15b)とを有している。
なお、固体電解質層13は、例えばLi7La3Zr2O12(以下LLZと記すこともある)からなり、第1内部電極層15a及び第2内部電極層15bは、例えばニッケル(Ni)からなる。また、キャパシタ部3の厚みは例えば20μm、固体電解質層13の厚み(両内部電極層15で挟まれた部分)は例えば10μm、各内部電極層15の厚みは例えば5μmである。
このうち、第1内部電極層15aは、図2(b)に示すように、第1外側電極11aに接続されるとともに、第2外側電極11b側に延びて、中央固体電解質層13の上面の大部分(例えば表面積の70%)を覆っている。但し、第1内部電極層15aは、第2外側電極11bとは接続されておらず、第1内部電極層15aの右端と第2外側電極11bとの間には隙間17aがあり、この隙間17aにて中央固体電解質層13の上面が露出している。
つまり、キャパシタ部3の上面(第1主面)3aは、第1内部電極層15aの表面(上面)の全体及び中央固体電解質層13の表面(上面)の一部により構成されている。
同様に、第2内部電極層15bは、図2(c)に示すように、第2外側電極11bに接続されるとともに、第1外側電極11a側に延びて、中央固体電解質層13の下面の大部分(例えば表面積の70%)を覆っている。但し、第2内部電極層15bは、第1外側電極11aとは接続されておらず、第2内部電極層15bの左端と第1外側電極11aとの間には隙間17bがあり、この隙間17bにて中央固体電解質層13の下面が露出している。
同様に、第2内部電極層15bは、図2(c)に示すように、第2外側電極11bに接続されるとともに、第1外側電極11a側に延びて、中央固体電解質層13の下面の大部分(例えば表面積の70%)を覆っている。但し、第2内部電極層15bは、第1外側電極11aとは接続されておらず、第2内部電極層15bの左端と第1外側電極11aとの間には隙間17bがあり、この隙間17bにて中央固体電解質層13の下面が露出している。
つまり、キャパシタ部3の下面(第2主面)3bは、第2内部電極層15bの表面(下面)の全体及び中央固体電解質層13の表面(下面)の一部により構成されている。
図2(b)、(c)に示すように(破線の斜線部分にてカバー層7の被覆範囲を示す)、カバー層7のうち、上側カバー層7aは、第1主面3aの全面を覆うように形成されており、下側カバー層7bは、第2主面3bの全面を覆うように形成されている。
図2(b)、(c)に示すように(破線の斜線部分にてカバー層7の被覆範囲を示す)、カバー層7のうち、上側カバー層7aは、第1主面3aの全面を覆うように形成されており、下側カバー層7bは、第2主面3bの全面を覆うように形成されている。
このカバー層7は、リチウムイオン伝導性を有しない層である。つまり、カバー層7は、BaTiO3(チタン酸バリウム:以下BTと記すこともある)を主成分(例えば50体積%以上)とする材料、すなわち、リチウムイオン伝導性を有しない材料からなる。なお、カバー層7をBTのみで構成してもよい。また、各カバー層7の厚みは、それぞれ10μmである。
図2(a)に示すように、固体電解質層9のうち、上側固体電解質層9aは、上側カバー層7aの全面を覆うように形成されており、下側固体電解質層9bは、下側カバー層7bの全面を覆うように形成されている。
この上側固体電解質層9a及び下側固体電解質層9bは、中央固体電解質層13と同様な材料、即ち、LLZからなる。なお、上下の各固体電解質層9の厚みは、それぞれ100μmである。
このように、本第1実施形態では、キャパシタ部3の第1主面3aの全面を覆うように直接に上側カバー層7aが積層されるとともに、上側カバー層7aの上面の全面を覆うように直接に上側固体電解質層9aが積層されている。しかも、キャパシタ部3の第2主面3bの全面を覆うように直接に下側カバー層7bが積層されるとともに、下側カバー層7bの下面の全面を覆うように直接に下側固体電解質層9bが積層されている。これによって、複合体5が構成されている。
また、複合体5の外側に形成される各外側電極11は、例えばニッケル(Ni)から構成されている。なお、各外側電極11の外周は、所定幅にて左右方向(X方向)の中央側に向かって延出されており、この延出部分は、外周面11c(図1参照)の左右の両端側を1周するように帯状に覆っている。
なお、本第1実施形態のキャパシタ1では、第1、第2外側電極11a、11b間に電圧を印加することにより、第1、第2内部電極層15a、15b間に電圧を印加する構成となっている。
b)次に、本第1実施形態のキャパシタ1の製造方法について説明する。
キャパシタ1の製造手順としては、後述する実施例にて詳述するが、例えば、下記の手順(1)〜(9)を採用できる。
キャパシタ1の製造手順としては、後述する実施例にて詳述するが、例えば、下記の手順(1)〜(9)を採用できる。
なお、ここでは、複数の未焼成の複合体を有する平板形状の母材を用いて複合体5を作製する場合を例に挙げて説明するが、これに限るものではない。例えば単独に複合体5を作製してもよい。
(1)各固体電解質層9、13の材料(LLZ)を用いてLLZグリーンシートを作製する。また、各カバー層7の材料(BTを主成分とする材料)を用いてBTグリーンシートを作製する。
(2)LLZグリーンシート及びBTグリーンシートを、所定の母材のサイズに切断する。
(3)1枚のLLZグリーンシートに、内部電極層15の材料(例えばNi)のペーストをスクリーン印刷する。
(3)1枚のLLZグリーンシートに、内部電極層15の材料(例えばNi)のペーストをスクリーン印刷する。
この場合、電極形状としては、上側の内部電極層15(即ち第1内部電極層15a)に対応した電極パターンを形成する。
(4)1枚のBTグリーンシートに、内部電極層15の材料(例えばNi)のペーストをスクリーン印刷する。
(4)1枚のBTグリーンシートに、内部電極層15の材料(例えばNi)のペーストをスクリーン印刷する。
この場合、電極形状としては、下側の内部電極層15(即ち第2内部電極層15b)に対応した電極パターンを形成する。
(5)各電極パターンを形成した1枚のLLZグリーンシート及びBTシートと、電極パターンを形成しないLLZグリーンシートと、電極パターンを形成しないBTグリーンシートとを、複合体5の構造(図2(a)参照)に対応するように積層する。
(5)各電極パターンを形成した1枚のLLZグリーンシート及びBTシートと、電極パターンを形成しないLLZグリーンシートと、電極パターンを形成しないBTグリーンシートとを、複合体5の構造(図2(a)参照)に対応するように積層する。
(6)積層体を、WIP(Warm Isostatic Press)により高圧プレスし、母材を作製する。
(7)母材に対し、CO2レーザ加工機を用いて、製品形状(各複合体5の形状)に沿って、ブレーク溝を形成する(ブレーク加工を行う)。
(7)母材に対し、CO2レーザ加工機を用いて、製品形状(各複合体5の形状)に沿って、ブレーク溝を形成する(ブレーク加工を行う)。
(8)母材をブレーク溝に沿って切断し、未焼成の各複合体を作製する。
(9)未焼成の複合体のX方向の側面側(図2(a)の左右の両端面5a、5b及び外周面11cの一部)に外側電極11の材料(例えばNi)のペーストを塗布し、外側電極11となる層を形成する。
(9)未焼成の複合体のX方向の側面側(図2(a)の左右の両端面5a、5b及び外周面11cの一部)に外側電極11の材料(例えばNi)のペーストを塗布し、外側電極11となる層を形成する。
(10)外側電極11の材料を塗布した未焼成の複合体を、所定の条件で焼成して焼結体(複合体5)を作製する。
これによって、キャパシタ1が完成する。
これによって、キャパシタ1が完成する。
c)次に、本第1実施形態のキャパシタ1の効果について説明する。
本第1実施形態のキャパシタ1は、キャパシタ部3の積層方向の最も外側の面である第1主面3aの全面と第2主面3bの全面に、それぞれリチウムイオン伝導性を有さない(即ちリチウムイオンを通さない)上側カバー層7aと下側カバー層7bとを備えている。
本第1実施形態のキャパシタ1は、キャパシタ部3の積層方向の最も外側の面である第1主面3aの全面と第2主面3bの全面に、それぞれリチウムイオン伝導性を有さない(即ちリチウムイオンを通さない)上側カバー層7aと下側カバー層7bとを備えている。
つまり、上側カバー層7aは、第1主面3aを構成する第1内部電極層15aの全面及び中央固体電解質層13の上面の一部を被覆するとともに、下側カバー層7bは、第2主面3bを構成する第2内部電極層15bの全面及び中央固体電解質層13の下面の一部を被覆している。なお、各カバー層7は、両内部電極層15の間には配置されていない。
この構成によって、キャパシタ1は、低周波域(例えば交流1kHz以下)において、第1、第2内部電極層15a、15bの外側面へのリチウムイオンの移動を抑制できると考えられる。よって、リチウムイオンの移動による損失を抑制できるので、キャパシタ1の誘電損失の増加を抑制できると考えられる。
また、第1実施形態では、中央固体電解質層13は、LLZからなるので、例えばNi電極と還元焼成を行うことができ、イオン伝導度が高いという利点がある。また、カバー層7の材料として、BTを主成分とする材料を用いるので、リチウムイオンの通過を阻止する能力が高いという利点がある。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のキャパシタについて説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成は同じ番号を用いる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のキャパシタについて説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成は同じ番号を用いる。
図3に示すように、第2実施形態のキャパシタ21は、複合体23と(左右の)両外側電極11(11a、11b)とを備えている。
このうち、複合体23は、その中央部に第1実施形態と同様なキャパシタ部3を備えている。また、キャパシタ部3の上側には、第1実施形態の上側カバー層より厚みの大きな(例えば厚み150μmの)上側カバー層25aが積層されるとともに、キャパシタ部3の下側には、第1実施形態の下側カバー層より厚みの大きな(例えば厚み150μmの)下側カバー層25bが積層されている。
このうち、複合体23は、その中央部に第1実施形態と同様なキャパシタ部3を備えている。また、キャパシタ部3の上側には、第1実施形態の上側カバー層より厚みの大きな(例えば厚み150μmの)上側カバー層25aが積層されるとともに、キャパシタ部3の下側には、第1実施形態の下側カバー層より厚みの大きな(例えば厚み150μmの)下側カバー層25bが積層されている。
なお、キャパシタ部3は、第1実施形態と同様に、中央固体電解質層13及び第1、第2内部電極層15a、15bを備えている。
特に、本第2実施形態では、第1実施形態のような上側及び下側固体電解質層を備えておらず、上側カバー層25a及び下側カバー層25bが、積層方向(図3の上下方向)の外側に露出する構成となっている。
特に、本第2実施形態では、第1実施形態のような上側及び下側固体電解質層を備えておらず、上側カバー層25a及び下側カバー層25bが、積層方向(図3の上下方向)の外側に露出する構成となっている。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、キャパシタ21の積層方向の両側に固体電解質層が露出しておらず、上側カバー層25a及び下側カバー層25bで覆われている構造であるので、耐湿性が高いという利点がある。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のキャパシタについて説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成は同じ番号を用いる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のキャパシタについて説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成は同じ番号を用いる。
図4に示すように、第3実施形態のキャパシタ31は、複合体33と(左右の)両外側電極11(11a、11b)とを備えており、特に、複合体33は、その中央部にキャパシタ部35を備えている。
このキャパシタ部35は、第1実施形態と同様な1層のキャパシタ部(即ち、1層の固体電解質層13及び一対の内部電極層15a、15bからなる基本キャパシタ部35a)が複数(5層)積層されたものである。
また、最上部の基本キャパシタ部35aの上側には、第1実施形態と同様に、上側カバー層7aと上側固体電解質層9aが積層されている。同様に、最下部の基本キャパシタ部35aの下側には、第1実施形態と同様に、下側カバー層7bと下側固体電解質層9bが積層されている。
なお、隣接する基本キャパシタ部35aの内部電極層は共有されている。
本第3実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、キャパシタ部35は複数の基本キャパシタ部35aが積層されているので、電気容量(静電容量)が大きいという利点がある。
本第3実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、キャパシタ部35は複数の基本キャパシタ部35aが積層されているので、電気容量(静電容量)が大きいという利点がある。
次に、キャパシタの実施例について詳細に説明する。
本実施例では、第1実施形態に対応した構成の実施例1のキャパシタと、第2実施形態に対応した構成の実施例2のキャパシタと、本発明ではない構成の比較例のキャパシタについて説明する。
本実施例では、第1実施形態に対応した構成の実施例1のキャパシタと、第2実施形態に対応した構成の実施例2のキャパシタと、本発明ではない構成の比較例のキャパシタについて説明する。
ここで、比較例のキャパシタ41は、図5に示すように、その複合体43は、カバー層を備えておらず、第1実施形態と同様なキャパシタ部3の上側及び外側に、それぞれ直接に上側固体電解質層9aと下側固体電解質層9bとが積層されたものである。
a)まず、本実施例のキャパシタの製造方法について説明する。
<粉末作製工程>
まず、固体電解質であるガーネット系のLi7La3Zr2O12(LLZ)を製造するために、出発原料として、炭酸リチウム、水酸化ランタン、酸化ジルコニウムを、LLZの組成となるように所定量秤量し、混合して混合材料を作製した。その混合材料を、乾燥した後に、大気雰囲気中で、1100℃にて10時間仮焼を行った。その後、その仮焼成物を粉砕し、LLZ合成粉末を得た。
<粉末作製工程>
まず、固体電解質であるガーネット系のLi7La3Zr2O12(LLZ)を製造するために、出発原料として、炭酸リチウム、水酸化ランタン、酸化ジルコニウムを、LLZの組成となるように所定量秤量し、混合して混合材料を作製した。その混合材料を、乾燥した後に、大気雰囲気中で、1100℃にて10時間仮焼を行った。その後、その仮焼成物を粉砕し、LLZ合成粉末を得た。
一方、カバー層の材料としては、BaTiO3を主成分とした市販(堺化学製のBT−05)の粉末(以下、BT粉末と称する)を用いた。
<スラリー作製工程>
次に、LLZ合成粉末を、分散剤、可塑剤、バインダ、有機溶剤とともに混合して、LLZのスラリーを作製した。
<スラリー作製工程>
次に、LLZ合成粉末を、分散剤、可塑剤、バインダ、有機溶剤とともに混合して、LLZのスラリーを作製した。
同様に、BT粉末を、分散剤、可塑剤、バインダ、有機溶剤とともに混合して、BTのスラリーを作製した。
<グリーンシート作製工程>
次に、LLZのスラリーを、ドクターブレード法で、例えばPET製のキャリアフィルムに塗布して、厚さ約20μmのLLZグリーンシートを作製した。
<グリーンシート作製工程>
次に、LLZのスラリーを、ドクターブレード法で、例えばPET製のキャリアフィルムに塗布して、厚さ約20μmのLLZグリーンシートを作製した。
同様に、BTのスラリーを、ドクターブレード法で、キャリアフィルムに塗布して、カバー層用の厚さ約20μmのBTグリーンシートを作製した。
そして、各グリーンシートを母材の形状に打ち抜いて、実施例1、2、比較例に必要な枚数のLLZグリーンシートとBTグリーンシートを作製した。
そして、各グリーンシートを母材の形状に打ち抜いて、実施例1、2、比較例に必要な枚数のLLZグリーンシートとBTグリーンシートを作製した。
<電極印刷工程>
次に、中央固体電解質層13となるLLZグリーンシートの一方の表面に対して、第1内部電極層15aとなるNi電極の材料(Ni電極ペースト)を、スクリーン印刷した。また、BTグリーンシートの表面に対して、第2内部電極層15bとなるNi電極の材料(Ni電極ペースト)を、スクリーン印刷した。つまり、所定の電極パターン(上述した2種の電極パターン)となるように印刷した。
次に、中央固体電解質層13となるLLZグリーンシートの一方の表面に対して、第1内部電極層15aとなるNi電極の材料(Ni電極ペースト)を、スクリーン印刷した。また、BTグリーンシートの表面に対して、第2内部電極層15bとなるNi電極の材料(Ni電極ペースト)を、スクリーン印刷した。つまり、所定の電極パターン(上述した2種の電極パターン)となるように印刷した。
なお、電極層の材料は、Ni粉末にバインダと溶剤を加えてペースト状にしたものである。
<積層体作製工程>
次に、実施例1(図2(a)参照)、実施例2(図3参照)、比較例(図5参照)の各層の配置となるように、各グリーンシートを積層した。
<積層体作製工程>
次に、実施例1(図2(a)参照)、実施例2(図3参照)、比較例(図5参照)の各層の配置となるように、各グリーンシートを積層した。
例えば実施例1では、図2(a)に示すように、下側から、電極パターンを形成しない複数のLLZグリーンシート、電極パターンを形成したBTグリーンシート、電極パターンを形成したLLZグリーンシート、電極パターンを形成しないBTグリーンシート、電極パターンを形成しない複数のLLZグリーンシートを積層した。
例えば実施例2では、図3に示すように、下側から、電極パターンを形成しない複数のBTグリーンシート、電極パターンを形成したBTグリーンシート、電極パターンを形成したLLZグリーンシート、電極パターンを形成しない複数のBTグリーンシートシートを積層した。
例えば比較例では、図5に示すように、下側から、電極パターンを形成しないLLZグリーンシート、各電極パターンを形成したLLZグリーンシート、電極パターンを形成しないLLZグリーンシートを積層した。
そして、これらの積層体を、WIPにより高圧プレスをして母材を作製した。
その後、前記母材に対して、CO2レーザ加工機にて、製品形状に沿ってブレーク加工をし、ブレーク溝に沿って個片化して未焼成の複合体(縦12mm×横6mm)を作製した。
その後、前記母材に対して、CO2レーザ加工機にて、製品形状に沿ってブレーク加工をし、ブレーク溝に沿って個片化して未焼成の複合体(縦12mm×横6mm)を作製した。
<焼成工程>
次に、前記個片化した未焼成の複合体の左右の両端面側(外側電極11の形成部分)に、外側電極11となるNiペーストを塗布した。その後、大気雰囲気で300℃で脱脂した後に、水素−窒素混合雰囲気で、1200℃で2時間焼成した。
次に、前記個片化した未焼成の複合体の左右の両端面側(外側電極11の形成部分)に、外側電極11となるNiペーストを塗布した。その後、大気雰囲気で300℃で脱脂した後に、水素−窒素混合雰囲気で、1200℃で2時間焼成した。
なお、焼成後の1層当たりの厚みは、実施例1、2、比較例の固体電解質層(LLZ層)は10μm、実施例1のカバー層は10μm、実施例2のカバー層は150μmである。
これによって、下記の評価に供するキャパシタの試料(実施例1、2、比較例の試料)を得た。
[評価方法]
次に、キャパシタの性能を確認するための評価(実験例)について説明する。
[評価方法]
次に、キャパシタの性能を確認するための評価(実験例)について説明する。
前記各試料の交流インピーダンス特性(ここでは損失係数:誘電正接)は、交流インピーダンスアナライザAgilent 4294Aと、Solartron 1255B+1287を用いて測定した。
詳しくは、Solartron 1255B+1287により、交流印加電圧100mV、測定周波数100mHz〜1MHzで測定し、Agilent 4294Aにより、交流印加電圧100mV、測定周波数1MHz〜110MHzで測定した。
その結果(周波数に対する損失係数の変化)を、図6に示す。
図6から明らかなように、実施例1、2では、1kHz以下の低周波域において、誘電損失(損失係数)が大きくなることがなく好適であった。
図6から明らかなように、実施例1、2では、1kHz以下の低周波域において、誘電損失(損失係数)が大きくなることがなく好適であった。
それに対して、比較例では、1kHz以下の低周波域において、誘電損失(損失係数)が大きくなるので、実施例に比べて好ましくない。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、キャパシタ部の数は、前記実施形態等に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、1層の固体電解質層の第1主面に第1内部電極層を備えるとともに第2主面に第2内部電極層を備えたキャパシタ部を1つ(1層)用いてもよいし、この1層のキャパシタ部を複数積層してもよい。
(2)前記固体電解質としては、Li7La3Zr2O12(LLZ)を用いることができるが、他のリチウムイオン伝導体を用いることができる。
例えば、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(LATP)、LixZryNbz(PO4)3(LZNP)、Li1.2Zr1.9Ca0.1(PO4)3(LZCP)、Li7−xLa3Zr2−xNbxO12(LLZN)、Li7−xLa3Zr2−xTaxO12(LLZT)、Li3xLa2/3−xTi1/3−xO3(LLT)、Li6BaLa2Ta2O12(LBLT)、Li3BO3、Li3PO4−xNx(LiPON)、LiS−P2S5(LPS)、Li10GeP2S12(LGPS)などのリチウムイオン伝導体を採用できる。
例えば、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(LATP)、LixZryNbz(PO4)3(LZNP)、Li1.2Zr1.9Ca0.1(PO4)3(LZCP)、Li7−xLa3Zr2−xNbxO12(LLZN)、Li7−xLa3Zr2−xTaxO12(LLZT)、Li3xLa2/3−xTi1/3−xO3(LLT)、Li6BaLa2Ta2O12(LBLT)、Li3BO3、Li3PO4−xNx(LiPON)、LiS−P2S5(LPS)、Li10GeP2S12(LGPS)などのリチウムイオン伝導体を採用できる。
(3)また、固体電解質層としては、上述したリチウムイオン伝導性を有する固体電解質のみからなるものが好ましいが、固体電解質層に固体電解質以外の材料を、50体積%未満の範囲で含むものも採用できる。
なお、固体電解質層に含まれる固体電解質以外の材料としては、例えばチタン酸バリウム(BT)などの電気絶縁性(即ち電子伝導性及びイオン伝導性に関する電気絶縁性)を有する材料を採用できる。電気絶縁性を有する材料としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの金属酸化物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、アクリル、エポキシ、ポリイミドなどの樹脂などが挙げられる。
更に、固体電解質体に含まれる固体電解質以外の材料には、固体電解質を構成する元素の酸化物も採用できる。固体電解質を構成する元素の酸化物材料としては、例えば、AlPO4、TiO2、LaTiO3などが挙げられる。
固体電解質体層を形成する方法としては、上述した固体電解質の材料を含むスラリー等を用いてグリーンシートを作製し、そのグリーンシートを所定の条件で焼成して固体電解質体層(従って積層体)とする方法など、周知の各種の方法を採用できる。
(4)カバー層の材料としては、リチウムイオン伝導性を有しない材料(詳しくは上述したようにリチウム伝導性を実質的に有しない材料)を用いることができる。例えば、BaTiO3(BT)などの誘電体セラミック(焼結体)を用いることができるが、それ以外に、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの金属酸化物などのリチウムイオン伝導性を有しない材料を用いることもできる。
(5)電極層の材料としては、Au、Pt、Pd、Ag、Ni、Cu等、周知の各種の導電材料を採用できる。この電極層を形成する方法としては、前記導電材料を含むスラリーやペーストを用いたスクリーン印刷法等、周知の各種の方法を採用できる。例えば薄膜法、塗布法、溶射法、スパッタ法、メッキ法等を採用できる。なお、外側電極についても、電極層と同様な材料、同様な形成方法を採用できる。
1、21、31、41…キャパシタ
3、35…キャパシタ部
3a…第1主面
3b…第2主面
5、23、33、43…複合体
7、7a、7b…カバー層
9、9a、9b、13、25a、25b…固体電解質層
11、11a、11b…外側電極
15、15a、15b…内部電極層
3、35…キャパシタ部
3a…第1主面
3b…第2主面
5、23、33、43…複合体
7、7a、7b…カバー層
9、9a、9b、13、25a、25b…固体電解質層
11、11a、11b…外側電極
15、15a、15b…内部電極層
Claims (5)
- リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする少なくとも1層の固体電解質層と、
該固体電解質層上に形成された少なくとも1層の第1内部電極層及び該第1内部電極層と前記固体電解質層を介して対向して配置された少なくとも1層の第2内部電極層からなる内部電極層と、
を有するキャパシタ部を備えたキャパシタであって、
前記キャパシタ部は、前記内部電極層及び前記固体電解質層の厚み方向の端部に形成された第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有し、
前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一部が前記内部電極層により構成され、
前記第1主面及び前記第2主面を構成する前記内部電極層の前記厚み方向における外側の表面が、リチウムイオン伝導性を有さないカバー層により被覆されていることを特徴とするキャパシタ。 - 前記第1主面及び前記第2主面は、前記内部電極層の表面及び前記固体電解質層の表面により構成され、
前記カバー層は、前記第1主面及び前記第2主面を構成する、前記内部電極層の表面及び前記固体電解質層の表面を被覆することを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。 - 前記第1内部電極層と前記固体電解質層と前記第2内部電極層とが直接に積層され、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に前記カバー層を備えていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャパシタ。
- 前記第1内部電極層及び前記第2内部電極層とは別に、前記キャパシタ部の外部に露出する表面に、前記第1内部電極層に接続される第1外側電極と前記第2内部電極層に接続される第2外側電極とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャパシタ。
- 前記固体電解質層は、Li7La3Zr2O12からなり、前記カバー層は、チタン酸バリウムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャパシタ。
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JP2020522869A (ja) * | 2017-05-31 | 2020-07-30 | テーデーカー エレクトロニクス アーゲー | ハイブリッドエネルギー供給回路、ハイブリッドエネルギー供給回路の使用、及びハイブリッドエネルギー回路を製造するための方法 |
-
2015
- 2015-10-07 JP JP2015199646A patent/JP2017073468A/ja active Pending
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US11552353B2 (en) | 2017-05-31 | 2023-01-10 | Tdk Electronics Ag | Hybrid power supply circuit, use of a hybrid power supply circuit and method for producing a hybrid power supply circuit |
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