JP2017071305A - 車室前方のパネル構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】重量の増加を抑制しつつ車体の捩り剛性を十分に確保し、且つ他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させる。
【解決手段】ダッシュパネル20は、ダッシュパネルアウタ12とカウルパネル13とダッシュパネルインナ14とスティフナ22とによって構成される。ダッシュパネルアウタ12は、車幅方向に沿って起立する。カウルパネル13は、ダッシュパネルアウタ12及びダッシュパネルインナ14の上端縁同士を連結する。ダッシュパネルインナ14は、ダッシュパネルアウタ12から後方に離間して配置され、ダッシュパネルアウタ12に対向する。ダッシュパネル20の内部には、ダッシュパネル内側空間21が区画形成される。スティフナ22は、ダッシュパネルアウタ12の後面に接合される前フランジ部24とダッシュパネルインナ14の前面に接合される後フランジ部25との間で前後方向に延びる。
【選択図】図2
【解決手段】ダッシュパネル20は、ダッシュパネルアウタ12とカウルパネル13とダッシュパネルインナ14とスティフナ22とによって構成される。ダッシュパネルアウタ12は、車幅方向に沿って起立する。カウルパネル13は、ダッシュパネルアウタ12及びダッシュパネルインナ14の上端縁同士を連結する。ダッシュパネルインナ14は、ダッシュパネルアウタ12から後方に離間して配置され、ダッシュパネルアウタ12に対向する。ダッシュパネル20の内部には、ダッシュパネル内側空間21が区画形成される。スティフナ22は、ダッシュパネルアウタ12の後面に接合される前フランジ部24とダッシュパネルインナ14の前面に接合される後フランジ部25との間で前後方向に延びる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車室前方のパネル構造に関する。
特許文献1には、フレーム付車両のボデー構造が記載されている。この車両の客室を構成するフロントフロアモジュールは、車両前後方向に延びるフロントフロアインナパネルと、フロントフロアインナパネルの車両下方向に空間を設けて配設されるフロントフロアアウタパネルとから構成されたフロントフロア骨格部材を有している。フロントフロア骨格部材は、フロントフロアインナパネルとフロントフロアアウタパネルとで閉断面を構成する。フロントフロアインナパネルは、フロントフロアインナパネルの前端から車両後方向へ略水平に延びるカウルパネル部分と、カウルパネル部分の後端から車両後方向へ車両下方向に傾斜して延びるダッシュパネル部分と、ダッシュパネル部分の後端から車両後方向へ略水平に延び、客室の床面を区画形成するフロントフロアパネル部分とを一体に有している。フロントフロアアウタパネルは、フロントフロアアウタパネルの前端から車両後方向へ車両下方向に傾斜して延びる第1部分と、第1部分の後端から車両後方向へ略水平に延びる第2部分とを一体に有している。なお、同公報の図3には、フロントフロアインナパネルのカウルパネル部分の前端と、フロントフロアアウタパネルの第1部分の上端とが接合され、フロントフロアインナパネルとフロントフロアアウタパネルとの間に車幅方向に延びる空間が区画形成された状態が示されている。
特許文献1に記載のボデー構造では、車室前方で起立するダッシュパネルは、フロントフロアインナパネルのカウルパネル部分と、フロントフロアインナパネルのダッシュパネル部分と、フロントフロアアウタパネルの第1部分と、前記各パネルによって区画形成された空間(ダッシュパネル内側空間)とによって構成されるので、1枚のパネルによって構成されるダッシュパネルよりも捩り剛性が高く、車体の捩り剛性を向上させている。しかし、車体には複数の開口(例えば、エンジンルームの上方開口や車室の車幅方向両側のドア開口等)が形成されるので、特許文献1に記載のダッシュパネルの構造でも車体の捩り剛性を十分に確保できない場合がある。この場合、車体の捩り剛性を十分に確保するためにフロントフロアインナパネルやフロントフロアアウタパネルの板厚を厚肉化すると、重量が増加してしまうおそれがある。また、フロントフロアインナパネルのダッシュパネル部分とフロントフロアアウタパネルの第1部分との間にはダッシュパネル内側空間が車幅方向に延びているので、車両が他の車両と衝突してダッシュパネルの前方のエンジン等が後方の車室側へ移動した際の、エンジン等の浸入に対する車室前方のパネルの抗力(以下、車室前面の抗力と称する)が低い。
そこで、本発明は、重量の増加を抑制しつつ車体の捩り剛性を十分に確保し、且つ他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることが可能な車室前方のパネル構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の車室前方のパネル構造は、ダッシュパネルインナとダッシュパネルアウタとダッシュパネルアッパとスティフナとを備える。ダッシュパネルインナは、車室前方で前後方向と交叉して延びる。ダッシュパネルアウタは、ダッシュパネルインナから前方に離間して配置されてダッシュパネルインナに対向する。ダッシュパネルアッパは、上下方向と交叉して延びてダッシュパネルアウタ及びダッシュパネルインナの上端縁同士を連結する。スティフナは、ダッシュパネルインナとダッシュパネルアウタとダッシュパネルアッパとに区画されるダッシュパネル内側空間に配置され、ダッシュパネルアウタの後面に接合される前端縁部とダッシュパネルインナの前面に接合される後端縁部との間で前後方向に延びる板状である。
上記構成では、スティフナが、ダッシュパネルアウタに接合される前端縁部とダッシュパネルインナに接合される後端縁部との間で前後方向に延びるので、スティフナによってダッシュパネルインナとダッシュパネルアウタとの相対変位を抑制することができ、車体の捩れ剛性を向上させることができる。
また、スティフナが、ダッシュパネルアウタに接合される前端縁部とダッシュパネルインナに接合される後端縁部との間で前後方向に延びるので、ダッシュパネルアウタがスティフナやダッシュパネルインナによって後方から支持され、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
また、スティフナが板状であるので、板厚の薄肉化等によってスティフナの重量を抑えることができ、車体全体の重量の増大を抑制することができる。
また、上記スティフナは、前端縁部から後端縁部まで前後方向に延びる稜線部または谷線部を少なくとも1つ有してもよい。
上記構成では、前後方向に延びる稜線部または谷線部を少なくとも1つ有する。すなわち、スティフナは、1つの稜線部で曲折する山型、または1つの谷線部で曲折する谷型、または複数の稜線部と谷線部とで曲折する波型に形成されるので、平板状に形成される場合に比べて前後方向に変形し難い。このため、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
また、上記車室前方のパネル構造は、車室下方で前後方向に延びて、その前端縁がダッシュパネルアウタの下端縁に連続し、ダッシュパネル内側空間の下方を区画するフロアパネルを備えてもよく、上記スティフナは、フロアパネルの上面に接合される接合部を有してもよい。
上記構成では、スティフナは、フロアパネルの上面に接合される接合部を有する。すなわち、スティフナは、接合部でフロアパネルに支持されるので、その分だけスティフナが変形し難くなり、車体の捩れ剛性が向上するとともに、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
また、ダッシュパネルアウタの下端縁に、前後方向に延びるフロアパネルの前端縁が連続する。このため、例えば、フロアパネルを車体のフレーム等に固定して、フロアパネルによってダッシュパネルアウタを後方から支持することができ、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
本発明によれば、重量の増加を抑制しつつ車体の捩り剛性を十分に確保し、且つ他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る車室前方のパネル構造が適用される車両1は、車室2の前方にエンジンルーム3が配置される車両1であり、アンダーフレーム5の上方にボデー(車体)4を配設した構造となっている。エンジンルーム3には、エンジン(図示省略)やラジエータ(図示省略)等が収納される。車室2とエンジンルーム3とは、後述するダッシュパネル20によって仕切られている。
アンダーフレーム5は、車幅方向両側で前後方向に延びる左右1対のサイドメンバ6(図1には、右側のサイドメンバ6のみを示す)と、左右のサイドメンバ6の間に掛け渡して配設される複数のクロスメンバ(図示省略)とによって構成される。アンダーフレーム5の前端部には、フロントバンパ等を有するフロントバンパモジュール(図示省略)が取り付けられ、アンダーフレーム5の後端部には、リヤバンパ等を有するリヤバンパモジュール(図示省略)が取り付けられる。
ボデー4は、アンダーフレーム5の上方でアンダーフレーム5に対して固定されて車室2の下部を構成するフロアモジュール8と、フロアモジュール8の車幅方向両側で前後方向に延びてフロアモジュール8に対して接合される左右1対のボデーサイドモジュール7とを有する。左右のボデーサイドモジュール7は、ボデーサイドアウタパネル7aとボデーサイドインナパネル(図示省略)とを接合して形成され、ボデーサイドアウタパネル7aとボデーサイドインナパネルとの間に閉断面が形成される。
図2に示すように、フロアモジュール8は、車室2の前方及び下方を区画するアッパパネル9と、アッパパネル9の前方及び下方に配置されるロアパネル10とを接合して形成される。アッパパネル9とロアパネル10との間には、閉空間が区画形成される。フロアモジュール8は、車幅方向に沿って起立して車室2とエンジンルーム3とを仕切るダッシュパネル20を有する。
ロアパネル10は、フロアパネルアウタ(フロアパネル)11とダッシュパネルアウタ12とを有する。フロアパネルアウタ11は、左右のサイドメンバ6(図2には、右側のサイドメンバ6のみを示す)の上面に沿って車室2の下方で前後方向に延びて左右のサイドメンバ6に固定される。フロアパネルアウタ11は、左右のサイドメンバ6の間の車幅方向中央部で上方へ突出して前後方向に延びる凸部11a(図4参照)を有する。ダッシュパネルアウタ12は、フロアパネルアウタ11と一体形成されてフロアパネルアウタ11の前端縁から上方へ曲折して延び、車幅方向に沿って起立してエンジンルーム3の後方を区画する。なお、フロアパネルアウタ11とダッシュパネルアウタ12とを別体で形成し、フロアパネルアウタ11の前端縁部とダッシュパネルアウタ12の下端縁部とを溶接等によって接合してもよい。
アッパパネル9は、カウルパネル(ダッシュパネルアッパ)13とダッシュパネルインナ14とフロアパネルインナ15とを有する。カウルパネル13は、ロアパネル10のダッシュパネルアウタ12の上端縁に接合される前端縁部13aから後方へ略水平に延び、後端縁13bがダッシュパネルインナ14の上端縁に連続する。ダッシュパネルインナ14は、カウルパネル13と一体形成されて、カウルパネル13の後端縁13bから下方へ曲折して前後方向と交叉して延び、車室2の前方を区画する。フロアパネルインナ15は、ダッシュパネルインナ14と一体形成されてダッシュパネルインナ14の下端縁から後方へ曲折して略水平に延び、車室2の下方を区画する。カウルパネル13は、ロアパネル10のフロアパネルアウタ11の前端部11bの上方に離間して配置されて、フロアパネルアウタ11の前端部11bに対向する。ダッシュパネルインナ14は、ロアパネル10のダッシュパネルアウタ12の後方にダッシュパネルアウタ12から離間して配置され、ダッシュパネルアウタ12に対向する。フロアパネルインナ15は、ロアパネル10のフロアパネルアウタ11の上方にフロアパネルアウタ11から離間して配置され、フロアパネルアウタ11に対向する。なお、カウルパネル13とダッシュパネルインナ14とを別体で形成し、カウルパネル13の後端縁部とダッシュパネルインナ14の上端縁部とを溶接等によって接合してもよい。また、ダッシュパネルインナ14とフロアパネルインナ15とを別体で形成し、ダッシュパネルインナ14の下端縁部とフロアパネルインナ15の前端縁部とを溶接等によって接合してもよい。
フロアモジュール8のダッシュパネル20は、ロアパネル10のダッシュパネルアウタ12と、アッパパネル9のカウルパネル13と、アッパパネル9のダッシュパネルインナ14と、後述するスティフナ22とによって構成される。ダッシュパネル20のダッシュパネルアウタ12とカウルパネル13とダッシュパネルインナ14とは、車幅方向に延びる断面略矩形状のダッシュパネル内側空間21をダッシュパネル20の内部に区画形成する。具体的には、ダッシュパネル内側空間21は、上方がカウルパネル13に区画され、前方がダッシュパネルアウタ12に区画され、後方がダッシュパネルインナ14に区画される。スティフナ22は、ダッシュパネル内側空間21に配置される。なお、ダッシュパネル内側空間21の下方は、フロアパネルアウタ11の前端部11bに区画され、ダッシュパネル内側空間21の車幅方向両端は、左右のボデーサイドモジュール7のボデーサイドインナパネルに区画されて閉止される。
図2〜図4に示すように、スティフナ22は、スティフナ本体23と前フランジ部(前端縁部)24と後フランジ部(後端縁部)25とが一体形成される。スティフナ本体23は、上下方向と交叉して延びる板体によって車幅方向中央部が前面視で上方へ突出する山型に形成される。スティフナ本体23は、スティフナ本体23の車幅方向中央部で前後方向に略水平に延びる平板状の稜線部23aと、稜線部23aの車幅方向両端縁から斜め下方へフロアパネルアウタ11の上面まで延びる左右1対の傾斜部23bと、左右1対の傾斜部23bの下端縁からフロアパネルアウタ11の上面に沿って車幅方向外側へ延びる左右1対の接合部23cとを有する。スティフナ22は、山型のスティフナ本体23がフロアパネルアウタ11の凸部11aを跨ぐ状態でダッシュパネル内側空間21内に配置される。前フランジ部24は、スティフナ本体23の前端縁から曲折して上方へ延び、ダッシュパネルアウタ12の後面に面接触した状態で溶接等によって接合される。後フランジ部25は、スティフナ本体23の後端縁から曲折して上方へ延び、ダッシュパネルインナ14の前面に面接触した状態で溶接等によって接合される。スティフナ本体23の左右の接合部23cは、フロアパネルアウタ11の前端部11bのうち、フロアパネルアウタ11の下方に左右のサイドメンバ6が接合される領域の上面に、面接触した状態で溶接等によって接合される。すなわち、スティフナ22の接合部23cとフロアパネルアウタ11の前端部11bとサイドメンバ6とは、上下に重なった状態で接合される。スティフナ22の稜線部23aが、車両1の車幅方向中央に配置されて、スティフナ22が、稜線部23aを中心として車両1に左右対称に設けられる。
上記のように構成された車室前方のパネル構造では、スティフナ22が、ダッシュパネルアウタ12に接合される前フランジ部24とダッシュパネルインナ14に接合される後フランジ部25との間で前後方向に延びるので、スティフナ22によってダッシュパネルアウタ12とダッシュパネルインナ14との相対変位を抑制することができ、車体の捩れ剛性を向上させることができる。
また、スティフナ22が、ダッシュパネルアウタ12に接合される前フランジ部24とダッシュパネルインナ14に接合される後フランジ部25との間で前後方向に延びるので、ダッシュパネル20が前後方向に圧縮変形し難くなり、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
また、スティフナ22は、1つの稜線部23aで曲折する山型に形成されてダッシュパネルインナ14とダッシュパネルアウタ12との間で前後方向に延びるので、平板状に形成される場合に比べて前後方向に変形し難い。このため、他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
また、スティフナ本体23の左右の接合部23cは、フロアパネルアウタ11の上面に面接触した状態で溶接等によって接合される。すなわち、スティフナ22は、左右の接合部23cでフロアパネルアウタ11に支持されるので、その分だけスティフナ22が変形し難くなり、車体の捩れ剛性が向上するとともに、他の車両との衝突時の車室前面の抗力が向上する。
また、スティフナ22の接合部23cとフロアパネルアウタ11の前端部11bとサイドメンバ6とは、上下に重なった状態で接合される。すなわち、スティフナ22の接合部23cを接合するフロアパネルアウタ11側の剛性が十分に確保されているので、スティフナ22の剛性も十分に確保することができる。このため、スティフナ22が変形し難く、車体の捩れ剛性が向上するとともに、他の車両との衝突時の車室前面の抗力が向上する。
また、ダッシュパネルアウタ12は、フロアパネルアウタ11と一体形成されてフロアパネルアウタ11の前端縁から上方へ曲折して延びる。すなわち、ダッシュパネルアウタ12の下端縁に、フロアパネルアウタ11の前端縁が連続する。フロアパネルアウタ11は、左右のサイドメンバ6に固定されるので、フロアパネルアウタ11によってダッシュパネルアウタ11を後方から支持することができ、他の車両との衝突時の車室前面の抗力が向上する。
また、スティフナ22が板状であるので、板厚の薄肉化等によってスティフナ22の重量を抑えることができ、車体全体の重量の増大を抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、重量の増加を抑制しつつ車体の捩り剛性を十分に確保し、且つ他の車両との衝突時の車室前面の抗力を向上させることができる。
次に、2つの車両の解析モデルA,Bをコンピュータ上に構成し、解析モデルA,Bを用いて車体の捩り剛性及び重量に関するシミュレーションを行なった結果について説明する。なお、解析モデルAは、ダッシュパネル内側空間21にスティフナ22を備えない車両の解析モデルであり、一方、解析モデルBは、ダッシュパネル内側空間21にスティフナ22を備えた車両(本発明に係る車室前方のパネル構造を適用した車両)の解析モデルである。
車体の捩り剛性に関するシミュレーションでは、2つの解析モデルA,Bの各種パネル(ダッシュパネルアウタ12やダッシュパネルインナ14等)の板厚を、解析モデルA,B間で同一の板厚に設定する。そして、2つの解析モデルA,Bの車室前方の左右2箇所及び後方の左右2箇所の計4箇所のうち、後方の左右2箇所と前方の左側1箇所の計3箇所を下方から固定支持した状態で、前方の右側1箇所に所定の大きさ(例えば、9800N)の荷重を下方から上方へ加え、荷重を加えた箇所の上方への移動量を比較する。この場合、荷重を加えた箇所の上方への移動量が小さいほど車体の捩り剛性が高い。その結果、解析モデルA,Bの板厚が同一である場合には、解析モデルAの捩り剛性(57.11mm/9800N)に対し、解析モデルBの捩り剛性(54.89mm/9800N)の方が約4.0%高いことが確認された。
車体の重量に関するシミュレーションでは、上記解析モデルBの各種パネル(ダッシュパネルアウタ12やダッシュパネルインナ14等)を薄肉化して、上記シミュレーション(ボデーの捩り剛性に関するシミュレーション)における解析モデルBの捩り剛性を上記解析モデルAの捩り剛性(57.11mm/9800N)と一致させた状態で、解析モデルAの重量と解析モデルBの重量とを算出して比較する。その結果、解析モデルAに対し解析モデルBの方が車体の重量が約6.4%軽量であることが確認された。
次に、上記解析モデルA,Bを用いて車室前面の抗力に関するシミュレーションを行なった結果について、図5に基づいて説明する。なお、図5の破線Aは、解析モデルAのシミュレーションの結果を、図5の実線Bは、解析モデルBのシミュレーションの結果をそれぞれ示す。
この車室前面の抗力に関するシミュレーションでは、2つの解析モデルA,Bの各種パネル(ダッシュパネルアウタ12やダッシュパネルインナ14等)の板厚を、解析モデルA,B間で同一の板厚に設定し、2つの解析モデルA,Bのダッシュパネルアウタ12の前面の所定の領域にダッシュパネルアウタ12の前面側から後方へ向かって荷重を加える。そして、ダッシュパネルアウタ12の上記所定の領域に加えた荷重とダッシュパネルアウタ12の上記所定の領域の後方への移動量(浸入量)とを計測し、車室前面の抗力(エンジン等の浸入に対する車室前方のパネルの抗力)算出する。その結果、解析モデルBの車室前面の抗力の方が解析モデルAの車室前面の抗力よりも約72.6%高いことが確認された。
なお、本実施形態では、スティフナ22を上方へ突出する山型に形成し、スティフナ本体23に前後方向に延びる1つの稜線部23aを設けたが、スティフナの形状は、これに限定されるものではない。例えば、スティフナを下方へ凹む谷型に形成し、スティフナ本体に前後方向に延びる1つの谷線部を設けてもよい。または、前後方向に延びる複数の稜線部と谷線部とで曲折する波型にスティフナ本体を形成してもよい。或いは、稜線部23a及び谷線部を有さずに車幅方向または上下方向に直線状に延びる平板状にスティフナ本体を形成してもよい。
また、本実施形態では、ダッシュパネル内側空間21にスティフナ22を1つ設けたが、ダッシュパネル内側空間21に複数のスティフナを設けてもよい。この場合、上下方向及び車幅方向に延びる複数のスティフナを設け、複数のスティフナによって全体として格子状になるスティフナとしてもよい。
また、本実施形態では、スティフナ本体23に左右1対の接合部23cを設け、スティフナ22をフロアパネルアウタ11に接合したが、左右の接合部23cを設けなくてもよい。すなわち、スティフナ22をフロアパネルアウタ11に接合しなくてもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、本発明に係る車室前方のパネル構造は、乗用車やピックアップトラックなど様々な車両に対して適用することが可能である。
また、図6に示すように、フロアパネル36とダッシュパネル(ダッシュパネルインナ)33とカウルパネル34とスティフナ40とを備える車両30に車室前方のパネル構造を適用してもよい。フロアパネル36は、車室31の下方を区画する。ダッシュパネル33は、フロアパネル36の前端縁に沿って車幅方向に延びて起立し、車室31とエンジンルーム32とを仕切る。カウルパネル34は、フロントウィンドウ35の下方で車幅方向に延びる断面略コ字状に形成され、ダッシュパネル33の上縁部の前面側に配置されてダッシュパネル33に接合される。カウルパネル34は、上板部(ダッシュパネルアッパ)34aと前板部(ダッシュパネルアウタ)34bと下板部34cとによって一体形成される。上板部34aの後端縁部は、ダッシュパネル33の上端縁部に接合される。前板部34bは、ダッシュパネル33から前方に離間して配置されてダッシュパネル33に対向する。スティフナ40は、ダッシュパネル33とカウルパネル34との間のダッシュパネル内側空間37に配置される。スティフナ40は、上下方向と交叉して延びる板体によって車幅方向中央部が上方へ突出する山型に形成されるスティフナ本体41と、スティフナ本体41の前端縁から曲折して上方へ延びる前フランジ部(前端縁部)42と、スティフナ本体41の後端縁から曲折して上方へ延びる後フランジ部(後端縁部)43とが一体形成される。スティフナ本体41は、スティフナ本体41の車幅方向中央部で前後方向に略水平に延びる平板状の稜線部(図示省略)を有する。
1,30:車両
2,31:車室
11:フロアパネルアウタ(フロアパネル)
12:ダッシュパネルアウタ
13:カウルパネル(ダッシュパネルアッパ)
14:ダッシュパネルインナ
20:ダッシュパネル
21,37:ダッシュパネル内側空間
22,40:スティフナ
23,41:スティフナ本体
23a:稜線部
23c:接合部
24,42:スティフナの前フランジ部(スティフナの前端縁部)
25,43:スティフナの後フランジ部(スティフナの後端縁部)
33:ダッシュパネル(ダッシュパネルインナ)
34:カウルパネル
34a:カウルパネルの上板部(ダッシュパネルアッパ)
34b:カウルパネルの前板部(ダッシュパネルアウタ)
36:フロアパネル
2,31:車室
11:フロアパネルアウタ(フロアパネル)
12:ダッシュパネルアウタ
13:カウルパネル(ダッシュパネルアッパ)
14:ダッシュパネルインナ
20:ダッシュパネル
21,37:ダッシュパネル内側空間
22,40:スティフナ
23,41:スティフナ本体
23a:稜線部
23c:接合部
24,42:スティフナの前フランジ部(スティフナの前端縁部)
25,43:スティフナの後フランジ部(スティフナの後端縁部)
33:ダッシュパネル(ダッシュパネルインナ)
34:カウルパネル
34a:カウルパネルの上板部(ダッシュパネルアッパ)
34b:カウルパネルの前板部(ダッシュパネルアウタ)
36:フロアパネル
Claims (3)
- 車室前方で前後方向と交叉して延びるダッシュパネルインナと、
前記ダッシュパネルインナから前方に離間して配置されて前記ダッシュパネルインナに対向するダッシュパネルアウタと、
上下方向と交叉して延びて前記ダッシュパネルアウタ及び前記ダッシュパネルインナの上端縁同士を連結するダッシュパネルアッパと、
前記ダッシュパネルインナと前記ダッシュパネルアウタと前記ダッシュパネルアッパとに区画されるダッシュパネル内側空間に配置され、前記ダッシュパネルアウタの後面に接合される前端縁部と前記ダッシュパネルインナの前面に接合される後端縁部との間で前後方向に延びる板状のスティフナと、を備える
ことを特徴とする車室前方のパネル構造。 - 請求項1に記載の車室前方のパネル構造であって、
前記スティフナは、前記前端縁部から前記後端縁部まで前後方向に延びる稜線部または谷線部を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする車室前方のパネル構造。 - 請求項1または請求項2に記載の車室前方のパネル構造であって、
車室下方で前後方向に延びて、その前端縁が前記ダッシュパネルアウタの下端縁に連続し、前記ダッシュパネル内側空間の下方を区画するフロアパネルを備え、
前記スティフナは、前記フロアパネルの上面に接合される接合部を有する
ことを特徴とする車室前方のパネル構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199555A JP2017071305A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 車室前方のパネル構造 |
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---|---|---|---|
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