JP2017071157A - 画像信号処理装置及びその制御方法、画像形成装置、並びにプログラム - Google Patents

画像信号処理装置及びその制御方法、画像形成装置、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成装置において、スペクトラム拡散されたクロック信号の使用によるEMIの低減効果を維持しつつ、クロック信号のスペクトラム拡散に伴う主走査ライン内の画像の位置ずれを精度良く補正するための技術を提供する。【解決手段】CPUは、基準クロック信号及び拡散クロック信号をそれぞれカウントして得られるカウント値を取得する(S707)。CPUは、基準クロック信号のカウント値に対する拡散クロック信号のカウント値の誤差に従って、拡散クロック信号に同期して生成された画像データに基づく画素の形成位置を補正するための、補正データを生成する(S708)。CPUは、生成した補正データに従って画像データに対する補正処理を行うよう、データ補正部を制御し、レーザスキャナユニットは、補正後の画像データに応じたレーザ光によって感光ドラム上を走査することで、当該感光ドラムに静電潜像を形成する(S709)。【選択図】図7

Description

本発明は、画像信号処理装置及びその制御方法、画像形成装置、並びにプログラムに関するものである。
複写機及びレーザプリンタ等の画像形成装置において、光ビーム(レーザ光)を偏向して走査することで感光体上に静電潜像を形成する方式が一般的に知られている。このような画像形成装置では、PC等の外部機器、または読取装置から入力された画像データに画像処理コントローラが画像処理を行い、得られた画像データをレーザスキャナへ転送する。レーザスキャナは、受信した画像データに従って半導体レーザを発光させ、回転するポリゴンミラー回転多面鏡)で反射したレーザ光によって感光体を走査することで、感光体上に静電潜像を形成する。画像処理コントローラとレーザスキャナとの間では、画像データをシリアルデータとして伝送する場合が多い。その場合、高周波のクロック信号が使用されるため、EMI(電磁妨害)が問題となる。
このようなEMIに対する対策として、スペクトラム拡散クロックジェネレータ(SSCG:Spread Spectrum Clock Generator)によってクロック信号の周波数スペクトラムを拡散することで、不要輻射の電界強度ピーク値を低減する技術が知られている。SSCGは、基準クロック信号を周波数変調することで、基準クロック信号から、スペクトラム拡散されたクロック信号を生成する。画像形成装置において、スペクトラム拡散されたクロック信号に同期して画像データを転送する場合、周波数変調によるクロック信号の周期の変動に起因して、感光体上に形成される静電潜像に位置ずれが生じうる。例えば、特許文献1及び2には、SSCGを用いる画像形成装置において、このような位置ずれの補正とEMIの抑制とを行うための技術が開示されている。
特許文献1には、SSCGによって生成される拡散クロック信号の、基準発振回路によって生成される基準クロック信号に対する周波数ずれを補正することによって、画像形成装置の駆動部に供給する制御クロック信号を生成する技術が開示されている。この周波数ずれの補正は、基準発振回路によって生成される基準クロック信号の周期を、拡散クロック信号によって計測した結果を示すカウント値に基づいて行われている。
特許文献2には、スペクトラム拡散されたクロック信号に同期して画像データを光学ユニットへ出力する画像形成装置において、スペクトラム拡散の設定条件を変更することによって、レーザ光の主走査幅を調整する技術が開示されている。変更される設定条件には、変動周期、変動振幅、及び変動位相の少なくとも1つが含まれる。
特開2010−54707号公報 特開2013−123860号公報
しかし、上述の従来技術には以下のような問題がある。例えば特許文献1では、SSCGによって生成される拡散クロック信号の周波数ずれを補正することによって、画像形成装置の駆動部へ供給するクロック信号を生成する。この場合、実際には周波数変調が行われていないクロック信号が画像形成に用いられることになるため、形成される画像(静電潜像)の位置ずれを補正できてもEMIの低減効果が少なくなる。
また、特許文献2では、形成される画像の主走査方向の倍率を調整できても、主走査ライン内の部分的な画像の位置ずれを補正することはできない。このため、クロック信号の周波数の、スペクトラム拡散による拡散範囲をある程度限定する必要があり、スペクトラム拡散によって得られるEMIの低減効果も限定される。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明は、画像形成装置において、スペクトラム拡散されたクロック信号の使用によるEMIの低減効果を維持しつつ、クロック信号のスペクトラム拡散に伴う主走査ライン内の画像の位置ずれを精度良く補正するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、画像信号処理装置として実現できる。本発明の一態様に係る画像信号処理装置は、基準クロック信号を生成する第1のクロック生成手段と、前記基準クロック信号を周波数変調することで、スペクトラム拡散された拡散クロック信号を生成する第2のクロック生成手段と、前記拡散クロック信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記基準クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第1のカウント値と、前記拡散クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第2のカウント値との差分に基づいて、前記画像データ生成手段によって生成された画像データに基づく画素の形成位置を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置において、スペクトラム拡散されたクロック信号の使用によるEMIの低減効果を維持しつつ、クロック信号のスペクトラム拡散に伴う主走査ライン内の画像の位置ずれを精度良く補正することが可能になる。
MFPのハードウェア構成例を示す断面図。 レーザスキャナユニットのハードウェア構成例を示す図。 MFPの制御構成例を示すブロック図。 基準クロック信号と拡散クロック信号との関係の例を示す図。 補正データの例を示す図。 補正データに基づく感光ドラム上の画素位置の補正例を示す図。 MFPにおける画像形成制御の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、例えば、印刷装置(プリンタ)、複写機、複合機、及びファクシミリ装置等の、モノカラー(単色)またはマルチカラー(多色)の画像を記録媒体に形成する装置である。なお、複合機とは、例えば、複写機能、印刷機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能を含む複数種類の機能のうち、少なくとも2つ以上の複数の機能を有する装置である。以下では、一例として、画像形成装置が、複写機能、印刷機能及びスキャナ機能を有するマルチファインクションプリンタ(MFP)である場合について説明する。
<MFPのハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係るMFP100のハードウェア構成例を示す断面図である。MFP100は、記録媒体(記録紙)への画像形成を行うプリンタユニット101と、原稿の画像の読み取りを行うリーダユニット102と、読み取り対象となる原稿の搬送を行うADFユニット103とで構成される。
プリンタユニット101では、給紙カセット110に収納された記録紙Pが、ピックアップローラ111、給紙ローラ112及びリタードローラ113によって、1枚ずつ搬送路に給紙される。給紙カセット110から給紙された記録紙Pは、搬送ローラ114によって搬送される。記録紙Pは、レジストローラ対115の位置に達すると、停止しているレジストローラ対115によって斜行補正が行われる。その後、レジストローラ対115の回転が開始されることで、記録紙Pは、感光ドラム131と転写ローラ133との間の転写ニップ部へ搬送される。
プリンタユニット101において、レーザスキャナユニット120、感光ドラム131、帯電ローラ132、転写ローラ133、及び現像ローラ141を含む現像器140は、記録紙Pへ画像を形成する画像形成部を構成する。画像形成部では、回転駆動される感光ドラム131の外周面が、帯電ローラ132の作用によって、所定の極性の電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニット120は、帯電した感光ドラム131を光ビーム(レーザ光)によって露光する。具体的には、レーザスキャナユニット120は、時系列のデジタル画素信号に応じて変調されたレーザ光Lを出力し、帯電した感光ドラム131をレーザ光Lで走査することで、感光ドラム131上に静電潜像を形成する。
その後、現像器140から供給される現像剤(トナー)によって、感光ドラム131上の静電潜像が、トナー像として現像される。感光ドラム131上に形成されたトナー像は、感光ドラム131の回転に伴って、転写ニップ部へ移動する。感光ドラム131上のトナー像は、感光ドラム131と逆極性の転写バイアスが転写ローラ133に印加されることで、転写ニップ部において記録紙Pの表面に転写される。
画像形成部においてトナー像が転写された記録紙Pは、定着器150内へ搬送される。定着器150は、定着ヒータ及び加圧ローラによって熱及び圧力を記録紙Pに加えることで、記録紙P上のトナー像を記録紙Pに定着させる。このようにして画像が形成された記録紙Pは、定着器150の通過後、排紙ローラ160によって装置外部の排紙トレイへ排紙(排出)される。
また、記録紙Pへ両面印刷が行われる場合には、第1面に対する画像形成が終了した記録紙Pは、反転フラッパ171の位置を通過後、排紙ローラ160によって逆方向に搬送され、反転フラッパ171によって反転搬送路170へ導かれる。反転搬送路170に導かれた記録紙Pは、搬送ローラ172,173によって、再びレジストローラ対115の位置へ搬送される。その際、記録紙Pは、第1面に対する画像形成の際と比較して、第1面及び第2面が反転した状態となっている。その後、記録紙Pは、第1面に対する上述の画像形成と同様に、第2面に対する画像形成が行われた後、排紙トレイへ排出される。
<レーザスキャナユニットのハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係るレーザスキャナユニット120及び感光ドラム131のハードウェア構成例を示す図である。レーザスキャナユニット120は、レーザ制御基板121と、当該基板に搭載された、レーザドライバ122、半導体レーザ123、及び光学センサであるビーム検出(BD)センサ124とを備える。レーザドライバ122は、レーザ光を出力する光源として用いられる半導体レーザ123を駆動する。レーザスキャナユニット120は、更に、レンズ125、回転多面鏡であるポリゴンミラー127、及びポリゴンミラー127を回転させるポリゴンモータ126を備える。
レーザドライバ122は、入力される画像データに従って半導体レーザ123を発光させることで、画像データに応じて変調されたレーザ光Lを半導体レーザ123から出力させる。半導体レーザ123から出力されたレーザ光Lは、ポリゴンミラー127が備える複数の反射面のうちのいずれかの反射面に入射する。ポリゴンミラー127は、各反射面に入射したレーザ光Lが連続的な角度で偏向されるように、等角速度で回転しながら各反射面でレーザ光Lを反射させる。ポリゴンモータ126の反射面ごとに、各反射面によって偏向されたレーザ光Lは、BDセンサ124及びレンズ125に順に入射する。
BDセンサ124にレーザ光Lが入射すると、BDセンサ124は、レーザ光Lを検出したことを示す検出信号(BD信号)を同期信号として生成し、生成したBD信号をCPU301(図3)へ送信(出力)する。CPU301は、BDセンサ124から出力されるBD信号に基づいて、レーザドライバ122及びポリゴンモータ126を制御することで、レーザ光Lの出力タイミングの制御及びポリゴンモータ126の回転制御を行う。一方、レンズ125を通過したレーザ光Lは、感光ドラム131上を等速で走査するレーザ光となる。
<MFPの制御構成>
図3は、本実施形態に係るMFP100の制御構成例を示すブロック図であり、特に、レーザスキャナユニット120の制御に関連する構成を示している。図3に示すように、MFP100は、レーザスキャナユニット120を制御するコントローラ300を備える。コントローラ300は、CPU301、基準クロック生成部302、スペクトラム拡散(SS)クロック生成部(SSCG回路)303、メモリ304、ROM305、画像データ生成部310、及びデータ補正部311を備える。なお、本実施形態の基準クロック生成部302、拡散クロック生成部303、画像データ生成部、及びデータ補正部311は、それぞれ、第1のクロック生成手段、第2のクロック生成手段、画像データ生成手段、及び補正手段の一例である。また、コントローラ300は、画像信号処理装置の一例である。
CPU301は、基準クロック生成部302によって生成される基準クロック信号に従って動作する。CPU301は、ROM305に格納された制御プログラムを読み出して実行することによって、レーザスキャナユニット120を制御する。なお、CPU301は、レーザスキャナユニット120だけでなく、MFP100全体の動作を制御しうる。
基準クロック生成部302は、所定の周波数(図4(A)に示す周波数Fr)のクロック信号を、SSクロック生成部303によるスペクトラム拡散のための基準となる基準クロック信号として生成する。基準クロック信号は、クロックパルスの周期が一定のパルス信号である。基準クロック生成部302は、生成したクロック信号をCPU301及びSSクロック生成部303へ出力する。
SSクロック生成部303は、CPU301からの指示に従って、基準クロック生成部302から出力されたクロック信号を基準クロック信号として用いて、画像データ生成部310及びデータ補正部311の動作に用いられるクロック信号を生成する。具体的には、SSクロック生成部303は、CPU301によって設定される、スペクトラム拡散に関連するパラメータに従って、基準クロック信号を周波数変調することで、基準クロック信号のスペクトラム拡散を行う。スペクトラム拡散に関連するパラメータには、拡散周期(変調周期)及び周波数拡散範囲が含まれる。SSクロック生成部303は、基準クロック信号のスペクトラム拡散を行うことで、基準クロック信号から、スペクトラム拡散されたクロック信号(拡散クロック信号)を生成する。SSクロック生成部303は、生成した拡散クロック信号を、CPU301、画像データ生成部310及びデータ補正部311へ出力する。画像データ生成部310及びデータ補正部311は、拡散クロック信号に同期して動作する。
画像データ生成部310は、BDセンサ124からBD信号が出力されるタイミングを基準として、SSクロック生成部303によって生成される拡散クロック信号に基づいて画像データを生成する。具体的には、画像データ生成部310は、CPU301からの指示に従って、リーダユニット102または外部装置から入力された画像データに基づいて、レーザ光Lによる感光ドラム131の走査における走査ライン(主走査ライン)ごとの画像データを生成する。即ち、画像データ生成部310は、拡散クロック信号に同期して、感光ドラム131上の主走査ラインごとに画像を形成するための画像データ(時系列のデジタル画素信号)を生成する。更に、画像データ生成部310は、生成した画像データを、CPU301から指示されたタイミングに、レーザドライバ122へ出力する。
画像形成処理の実行時には、CPU301は、ポリゴンモータ126へ出力する駆動信号を用いて、ポリゴンモータ126(ポリゴンミラー127)が所定の回転数(回転速度)で回転するよう、ポリゴンモータ126を制御する。ポリゴンモータ126の回転速度が所定の回転速度に達すると、CPU301は、レーザドライバ122へ出力するレーザ制御信号を用いて、半導体レーザ123を発光させるよう、レーザドライバ122を制御する。BDセンサ124は、半導体レーザ123から出力されたレーザ光を受光すると、BD信号を生成してCPU301へ送信する。CPU301は、BD信号の受信タイミングを基準として、当該受信タイミングから一定時間の経過後に画像データをレーザドライバ122へ出力するよう、画像データ生成部310を制御する。
本実施形態では、画像データ生成部310とレーザドライバ122との間に、データ補正部311が配置されている。画像データ生成部310によって生成された画像データに基づいて形成される画像(静電潜像)には、拡散クロック信号に同期して画像データが生成されることに起因して、上述のように、走査ライン内で部分的な位置ずれが生じうる。データ補正部311は、形成される画像に生じるこのような位置ずれを補正するために、画像データ生成部310から出力される画像データに対して、後述する補正処理を行い、補正後の画像データをレーザドライバ122へ出力する。
<画像データの補正処理>
次に、図4乃至図6を参照して、データ補正部311によって実行される画像データの補正処理について説明する。
(基準クロック信号と拡散クロック信号との関係)
図4は、基準クロック信号と拡散クロック信号との関係の例を示す図であり、図4(A)は、基準クロック信号及び拡散クロック信号の周波数の時間変化の例を示している。図4(A)に示すように、基準クロック信号の周波数(401)は、周波数Frで一定である。一方、拡散クロック信号の周波数(402)は、基準クロック信号の周波数Frを中心周波数とした所定の周波数範囲(周波数拡散範囲)内で、周期的に変動する。このように本実施形態では、基準クロック信号の周波数Frを中心周波数とした所定の周波数拡散範囲にわたって、クロック信号のスペクトラム拡散を行うセンタースプレッド方式を想定している。
SSクロック生成部303は、基準クロック信号を周波数変調することにより、図4(A)に示すように、周波数拡散範囲の上限と下限との間で周期的に、周波数が線形に上昇及び低下を繰り返すクロック信号を拡散クロック信号として生成する。なお、拡散クロック信号の周波数の時間変化の1周期は、拡散周期(変調周期)に相当する。
図4(B)は、基準クロック信号及び拡散クロック信号のパルス(クロックパルス)をそれぞれカウントしてカウント値を取得した場合の、基準クロック信号及び拡散クロック信号のカウント値の時間変化の例をそれぞれ示している。図4(B)に示すように、基準クロック信号のカウント値(411)は線形に増加する。これは、基準クロック信号のクロックパルスの周期が一定であり、即ち、クロックパルスの時間間隔が一定であることに起因する。
一方、拡散クロック信号のカウント値(412)には、基準クロック信号のカウント値(411)に対して、スペクトラム拡散に起因した誤差(差分)が生じる。拡散クロック信号は、周波数Frからの周波数の上昇に伴ってクロックパルスの周期が短くなる。その結果、拡散クロック信号では、基準クロック信号よりもクロックパルスのカウントが先行する。具体的には、基準クロック信号のカウント値(411)と拡散クロック信号のカウント値(412)との差分は、基準クロック信号のカウント値(411)がC1,C2,C3,C4となる時間T1,T2,T3,T4において、段階的に増加する。
拡散クロック信号の周波数は、周波数拡散範囲の上限に達した後、下限に向かって低下し始める。拡散クロック信号は、周波数の低下に伴ってクロックパルスの周期が長くなる。これにより、基準クロック信号のカウント値(411)と拡散クロック信号のカウント値(412)との差分は、基準クロック信号のカウント値(411)がC5,C6,C7,C8となる時間T5,T6,T7,T8において、段階的に減少する。
このように、上述のスペクトラム拡散に起因した、基準クロック信号の周波数に対する拡散クロック信号の周波数のずれは、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値とのとして表れる。そこで、本実施形態では、拡散クロック信号に同期した画像データの生成に起因して生じる、主走査ライン内の部分的な画像の位置ずれを補正するための補正処理を、基準クロック信号及び拡散クロック信号のカウント値の差分に基づいて、画像データに対して行う。
具体的には、CPU301は、基準クロック生成部302及びSSクロック生成部303によってそれぞれ生成された基準クロック信号及び拡散クロック信号との両方について、クロックパルスのカウントを行う。これにより、CPU301は、図4(B)に示すようなカウント値(411,412)を取得する。更に、CPU301は、基準クロック信号のクロック値と拡散クロック信号のクロック値との差分に従って、画像データ生成部310によって生成される画像データを補正するための補正データを生成する。
(補正データの生成)
図5は、基準クロック信号及び拡散クロック信号の、図4(B)に示すカウント値に基づいて生成される補正データ(補正テーブル)の例を示す図である。図4(B)に示すように、基準クロック信号のカウント値(411)がC1,C2,C3,C4となるタイミングにおいて、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分が1ずつ増加する。これは、拡散クロック信号に同期して画像データを生成した場合、基準クロック信号に同期して画像データを生成した場合と比べて、カウント値の差分に相当する画素数分、主走査ライン内で画像の形成位置がずれる(形成タイミングが早まる)ことを意味する。本実施形態では、CPU301は、このようなカウント値の差分の増加を補償するように、画像データに適用する補正値として、基準クロック信号のカウント値C1,C2,C3,C4にそれぞれ対応付けて「+1」を補正値として設定する(図5)。
一方、図4(B)に示すように、基準クロック信号のカウント値(411)がC5,C6,C7,C8となるタイミングにおいて、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分が1ずつ減少する。本実施形態では、CPU301は、このような差分の減少に合わせて、画像データに適用する補正値として、基準クロック信号のカウント値C1,C2,C3,C4にそれぞれ対応付けて「−1」を補正値として設定する(図5)。
CPU301は、このようにして生成した、図5に示すような補正データを、メモリ304に格納する。この補正データは、画像データの補正を行うタイミング(基準クロック信号のカウント値)、及び補正値を示すデータである。画像形成処理の実行時には、CPU301は、メモリ304から補正データを読み出して、当該補正データに基づいてデータ補正部311による補正処理を制御する。
(補正データに基づく補正処理)
データ補正部311は、CPU301からの指示に従って、画像データ生成部310によって生成される画像データ(時系列のデジタル画素信号)に対する補正処理を行う。CPU301は、BDセンサ124からBD信号を受信するごとにカウンタを0に初期化し、主走査ラインごとに、画像データ生成部310からの画像データの出力タイミングに合わせて、基準クロック信号のクロックパルスのカウントを行う。更に、CPU301は、基準クロック信号のカウント値が、メモリ304から読み出した補正データが示す各カウント値C1〜C8に等しくなるタイミングに、各カウント値に対応する補正値に従った補正処理を、データ補正部311に実行させる。
本実施形態では、データ補正部311は、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分に従って、主走査ライン内において画素を追加(挿入)または削除(間引き)するための補正処理を、画像データに対して行う。
具体的には、データ補正部311は、カウント値C1〜C8に対応するタイミングに、補正値に従って画素の追加(挿入)または削除(間引き)を行うための補正処理を、画像データ生成部310から出力される画像データに対して行う。データ補正部311は、補正値が「+1」である場合には、画素を追加(挿入)し、補正値が「−1」である場合には、画素を削除(間引き)するように、画像データを補正する。画素の追加は、例えば、1クロック分前の画素データのコピーを補正対象の画素に対応する位置に追加(挿入)することによって行われうる。
このように、データ補正部311は、基準クロック信号を基準として、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分の大きさが変化したタイミングに、画像データに対して画素データの挿入または間引きを行う。特に、データ補正部311は、基準クロック信号のカウント値よりも拡散クロック信号のカウント値が大きい場合、クロック信号の差分が増加したタイミングに、画像データに対して画素データの挿入を行い、当該差分が減少したタイミングに、画像データから画素データの間引きを行う。
データ補正部311は、補正後の画像データをレーザドライバ122へ出力する。レーザドライバ122は、データ補正部311から入力される画像データに従って半導体レーザ123を発光させることで、半導体レーザ123から出力されたレーザ光によって感光ドラム131を露光する。このようにして、レーザスキャナユニット120は、データ補正部311による補正後の画像データに応じたレーザ光によって感光ドラム131上を走査することで、感光ドラム131に静電潜像を形成する。
図6は、補正データに基づく感光ドラム131上の画素位置の補正例を示す図である。図6では、感光ドラム131上の1主走査ラインの画像領域における、データ補正部311による補正前及び補正後の画像データに基づく画素の形成位置(画素位置)を示している。なお、図6では、比較のために、基準クロック信号に同期して画像データを生成した場合の、当該画像データに基づく本来の画素位置も示している。
図6に示すように、基準クロック信号に同期して生成した画像データに基づく本来の画素位置は、基準クロック信号のクロックパルスの周期が一定であることに起因して、主走査方向において等間隔となる。また、拡散クロック信号に同期して画像データ生成部310が生成(出力)した画像データに基づく(補正前)の画素位置には、拡散クロック信号の周波数の時間変化に起因して、主走査方向において本来の画素位置からずれが生じる。このように補正前の画像データに基づいて画像形成を行った場合、クロック信号のスペクトラム拡散に伴う主走査ライン内で画像の位置ずれが生じる。
これに対して、図6に示すように、補正後の画像データに基づく画素位置については、上述の補正処理の結果、本来の画素位置に対する誤差が、1画素未満の誤差に低減されている。このように、本実施形態の補正処理では、主走査ライン内の、拡散クロック信号に同期して生成した画像データに基づく各画素の形成位置と、基準クロック信号に同期して生成した画像データに基づく各画素の形成位置との誤差を可能な限り抑制(低減)する。これにより、主走査ライン全体で、スペクトラム拡散に伴う画像のずれを抑制(少なくとも低減)することができる。
なお、図6に示す例では、SSクロック生成部303によるスペクトラム拡散の拡散周期を、BDセンサ124からBD信号が出力される時間間隔(周期)と同一となるように設定している。これにより、補正データによる画像データの補正の周期とBD信号の周期とを同期させることができ、補正データに基づく補正処理の制御が容易になる。なお、スペクトラム拡散の拡散周期を、BD信号の周期の整数倍の周期に設定してもよく、その場合にも同様に、補正データに基づく補正処理の制御が容易になる。
<画像形成制御>
図7は、MFP100におけるプリントジョブの実行時の画像形成制御の手順を示すフローチャートである。図7に示す各ステップの処理は、CPU301が、ROM305に格納された制御プログラムを読み出して実行することによって、MFP100において実現される。
CPU301は、プリントジョブの実行指示を受けると、プロントジョブの実行を開始する。まず、CPU301は、S701で、プリントジョブに従って、ポリゴンモータ126の回転速度(回転数)の目標値を決定し、S702で、ポリゴンモータ126の回転駆動を開始させる。その後、S703で、CPU301は、ポリゴンモータ126の回転速度が目標値に収束したか否かを判定する。CPU301は、回転速度が目標値に収束したと判定すると、処理をS704に進める。
S704で、CPU301は、レーザ発光シーケンスを開始して、半導体レーザ123を発光させるよう、レーザドライバ122を制御する。次にS705で、CPU301は、BDセンサ124によってレーザ光が検出されたか否か(BDセンサ124によってBD信号が生成及び出力されたか否か)を判定する。CPU301は、一定期間(例えば、感光ドラム131上のレーザ光の1走査期間)内に、BDセンサ124によってレーザ光が検出されなかった場合には、レーザスキャナユニット120が故障したと判断し、処理をS711へ進める。S711で、CPU301は、レーザ発光シーケンス、及びポリゴンモータ126の制御シーケンスを終了するためのエラー停止処理を行った後、プリントジョブの実行を終了する。その際、ユーザへの通知のために、MFP100の表示部(図示せず)に、エラーの発生を示す情報を表示してもよい。
一方、CPU301は、S705においてBDセンサ124によってレーザ光が検出された場合には、処理をS706へ進める。S706で、CPU301は、BDセンサ124から出力されるBD信号の時間間隔(周期)に基づいて、SSクロック生成部303によるスペクトラム拡散についての拡散周期を決定し、SSクロック生成部303に、拡散クロック信号の生成を開始させる。
次にS707で、CPU301は、基準クロック信号及び拡散クロック信号のクロックパルスのカウントを開始することで、それぞれのクロック信号についてのカウント値を取得する。更に、S708で、CPU301は、基準クロック信号及び拡散クロック信号のカウント値に基づいて、上述のように、画像データ生成部310によって生成される画像データを補正するための補正データを生成する。なお、生成された補正データは、メモリ304に保存される。このようにS707及びS708において、CPU301は、補正データ生成手段の一例として機能する。
補正データの生成後、S709で、CPU301は、プリントジョブに従った画像形成処理を開始する。CPU301は、画像形成処理の実行中に、メモリ304に保存されている補正データに従って、画像データ生成部310によって生成される画像データに対して補正処理を実行するよう、データ補正部311を制御する。その後S710で、CPU301は、プリントジョブに従った画像形成処理が終了したか否かに基づいて、プリントジョブを終了するか否かを判定する。CPU301は、S710における判定結果に従って、プリントジョブを終了する。
なお、本実施形態では、プリントジョブの実行指示が行われるごとに、画像形成処理の開始前に補正データを生成する例を示しているが、過去のプリントジョブの実行時に生成され、メモリ304に保存された補正データが再利用されてもよい。例えば、S706において設定した拡散周期が、過去のプリントジョブの実行時に設定した拡散周期と同一である場合には、同一の拡散周期に対応する補正データを使用して、S709における画像形成処理を行ってもよい。
また、本実施形態では、SSクロック生成部303によるスペクトラム拡散にセンタースプレッド方式を適用しているが、センタースプレッド方式以外の方式も適用可能である。例えば、基準クロック信号の周波数Frを、図4(A)に示す周波数拡散範囲の上限(最大周波数)または下限(最小周波数)として設定してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、データ補正部131は、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分に基づいて、拡散クロック信号に同期して生成された画像データに基づく画素の形成位置を補正する。レーザスキャナユニット120は、データ補正部311による補正後の画像データに応じたレーザ光によって感光ドラム131上を走査することで、感光ドラム131に静電潜像を形成する。
具体的には、CPU301は、基準クロック信号及び拡散クロック信号をそれぞれカウントして得られるカウント値を取得する。更に、CPU301は、基準クロック信号のカウント値と拡散クロック信号のカウント値との差分に基づいて、拡散クロック信号に同期して生成された画像データに基づく画素の形成位置を補正するための、補正データを生成する。CPU301は、生成した補正データに従って画像データに対する補正処理を行うよう、データ補正部311を制御する。レーザスキャナユニット120は、データ補正部311から出力される、補正後の画像データに基づいて、感光ドラム131に静電潜像を形成する。なお、感光ドラム131に形成された静電潜像が、現像器140によってトナーで現像されることで、感光ドラム131にトナー像(画像)が形成される。感光ドラム131上に形成されたトナー像は、転写ローラ133によって記録紙へ転写される。
本実施形態によれば、スペクトラム拡散されたクロック信号の周波数の補正を行うことなくそのまま使用して生成された画像データに基づいて、画像形成を行うことができるため、拡散クロック信号の使用によるEMIの低減効果を維持することが可能である。更に、クロック信号のスペクトラム拡散に伴う主走査ライン内の画像の位置ずれを精度良く補正することが可能になる。
<その他の実施形態>
以上の実施形態の機能は以下の構成によっても実現することができる。つまり、本実施形態の処理を行うためのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することとなり、またそのプログラムコードを記憶した記憶媒体も本実施形態の機能を実現することになる。
また、本実施形態の機能を実現するためのプログラムコードを、1つのコンピュータ(CPU、MPU)で実行する場合であってもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実行する場合であってもよい。さらに、プログラムコードをコンピュータが実行する場合であってもよいし、プログラムコードの機能を実現するための回路等のハードウェアを設けてもよい。またはプログラムコードの一部をハードウェアで実現し、残りの部分をコンピュータが実行する場合であってもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
100:MFP、101:プリンタユニット、102:リーダユニット、103:ADFユニット、120:レーザスキャナユニット、300:コントローラ、301:CPU、302:基準クロック生成部、303:SSクロック生成部、304:メモリ、305:ROM、310:画像データ生成部、311:データ補正部

Claims (12)

  1. 基準クロック信号を生成する第1のクロック生成手段と、
    前記基準クロック信号を周波数変調することで、スペクトラム拡散された拡散クロック信号を生成する第2のクロック生成手段と、
    前記拡散クロック信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記基準クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第1のカウント値と、前記拡散クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第2のカウント値との差分に基づいて、前記画像データ生成手段によって生成される画像データに基づく画素の形成位置を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像信号処理装置。
  2. 前記画像データ生成手段は、前記拡散クロック信号に同期して、感光体上の走査ラインごとに画像を形成するための画像データを生成し、
    前記補正手段は、前記差分に従って、前記走査ラインにおいて画素を挿入または間引きするための補正処理を前記画像データに対して行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
  3. 前記補正手段は、前記基準クロック信号を基準として、前記差分の大きさが変化した際に、前記画像データに対して画素データの挿入または間引きを行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像信号処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記第1のカウント値よりも前記第2のカウント値が大きい場合、前記差分が増加した際に、前記画像データに対して画素データの挿入を行い、前記差分が減少した際に、前記画像データから画素データの間引きを行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像信号処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の画像信号処理装置と、
    前記補正手段によって補正される画像データに応じた光ビームによって感光体上を走査することで、当該感光体に静電潜像を形成する画像形成手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記画像形成手段による画像データに基づく画像形成処理の開始前に、前記第1のカウント値及び前記第2のカウント値を取得することで、前記補正手段によって前記画像データの補正を行うタイミング及び補正値を示す補正データを生成する補正データ生成手段を更に備え、
    前記補正手段は、前記画像形成手段による前記画像形成処理の実行中に、前記補正データに従って前記画像データに対して補正処理を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記感光体上を走査する光ビームが入射すると、当該光ビームを検出したことを示す検出信号を出力する光学センサを更に備え、
    前記画像データ生成手段は、前記光学センサから前記検出信号が出力されるタイミングを基準として、前記拡散クロック信号に同期して画像データを生成し、
    前記第2のクロック生成手段は、前記光学センサから前記検出信号が出力される周期の整数倍の周期で、前記周波数変調を行う
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2のクロック生成手段は、前記光学センサから前記検出信号が出力される周期と同一の周期で、前記周波数変調を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記補正手段は、補正後の画像データを、前記拡散クロック信号に同期して前記画像形成手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成手段によって前記感光体に形成された静電潜像を、現像剤で現像する現像手段と、
    前記現像手段による現像によって前記感光体に形成された画像を、記録紙へ転写する転写手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 基準クロック信号を生成する第1のクロック生成工程と、
    前記基準クロック信号を周波数変調することで、スペクトラム拡散された拡散クロック信号を生成する第2のクロック生成工程と、
    前記拡散クロック信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成工程と、
    前記基準クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第1のカウント値と、前記拡散クロック信号のクロックパルスをカウントして得られる第2のカウント値との差分に基づいて、前記画像データ生成工程で生成された画像データに基づく画素の形成位置を補正する補正工程と、
    を含むことを特徴とする画像信号処理装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載の画像信号処理装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2019114988A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像処理装置

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