JP2017070030A - 圧電駆動装置、モーター、ロボット及びポンプ - Google Patents

圧電駆動装置、モーター、ロボット及びポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】複数の振動ユニットが平坦性が良好な状態で積層され、破損等を生じにくい圧電駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る圧電駆動装置は、複数の振動ユニットを含む圧電駆動装置であって、振動ユニットは、固定部と、振動部と、固定部及び振動部を接続する接続部と、を有する振動板と、振動部の上方に設けられた第1電極と、第1電極の上方に設けられた第1圧電体層と、第1圧電体層の上方に設けられた第2電極と、固定部の上方に設けられた第3電極と、第3電極の上方に設けられた第2圧電体層と、第2圧電体層の上方に設けられた第4電極と、を含み、第1電極、第1圧電体層及び第2電極が圧電素子を構成し、振動ユニットが、振動板の板面に垂直な方向に重なるように配置されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧電駆動装置、モーター、ロボット及びポンプに関する。
圧電体を振動させて被駆動体を駆動する圧電アクチュエーター(圧電駆動装置)は、磁石やコイルが不要のため、様々な分野で利用されている。例えば特許文献1に開示された圧電駆動装置は、板状の部材の2つの面のそれぞれの上に、4つの圧電素子が2行2列に配置された構成であり、合計で8つの圧電素子によって振動を生じさせる構成となっている。係る板状部材の一端には、被駆動体としてのローターに接してローターを回転させるための突起部が設けられている。4つの圧電素子のうちの対角に配置された2つの圧電素子に交流電圧を印加すると、この2つの圧電素子が伸縮運動を行い、これに応じて突起部が往復運動又は楕円運動を行う。そして、この補強板の突起部の往復運動又は楕円運動に応じて、被駆動体としてのローターが所定の回転方向に回転する。また、交流電圧を印加する2つの圧電素子を他の2つの圧電素子に切り換えることによって、ローターを逆方向に回転させることができる。
また、圧電駆動体(圧電振動体)を厚み方向に重ねて出力を大きくするスタック構造の圧電駆動装置が知られている(例えば、特許文献2)。この圧電駆動装置の圧電振動体は、弾性支持体で支持されている。
特開2004−320979号公報 特開平08−237971号公報
例えばモーターを、圧電駆動装置によって構成して動力を発生させる場合、基本的な要求の一つとして、駆動力(出力)を高めることが挙げられる。一例として上述の特許文献2に開示された装置では、スタック構造によって出力を高める試みが為されている。
しかしながら、板状部材の表面に圧電素子が形成された振動体をスタック(積層)させる場合、板状部材の圧電素子が形成された領域と、圧電素子が形成されない領域とで、厚さの差が生じる。そのため、積層体を製造における圧着等の工程において、板状部材が破損しやすかった。また、板状部材が破損しない場合でも板状部材に残留応力が生じた状態で積層されて、振動特性に不具合を生じることがあった。
また、圧電駆動装置を構造材等に対して固定するために設けられる圧電駆動装置の固定部分(固定部)と、圧電駆動装置の振動する部分(振動部)とで、厚さが異なる場合にも、積層体を形成する場合には、圧着等の工程において圧電駆動装置が折れたり割れたりしやすく、また、残留応力が残りやすかった。そのため、特に固定部と振動部の間の領域(接続部等)における破損のおそれがあった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、複数の振動ユニットが平坦性が良好な状態で積層され、破損等を生じにくい圧電駆動装置、並びに、そのような圧電駆動装置を備えたモーター、ロボット及びポンプを提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係る圧電駆動装置の一態様は、
複数の振動ユニットを含む圧電駆動装置であって、
前記振動ユニットは、
固定部と、振動部と、前記固定部及び前記振動部を接続する接続部と、を有する振動板と、
前記振動部の上方に設けられた第1電極と、
前記第1電極の上方に設けられた第1圧電体層と、
前記第1圧電体層の上方に設けられた第2電極と、
前記固定部の上方に設けられた第3電極と、
前記第3電極の上方に設けられた第2圧電体層と、
前記第2圧電体層の上方に設けられた第4電極と、
を含み、
前記第1電極、前記第1圧電体層及び前記第2電極が圧電素子を構成し、
前記振動ユニットが、前記振動板の板面に垂直な方向に重なるように配置されている。
このような圧電駆動装置は、振動板の固定部に、圧電素子と類似の構造が形成されており、これにより複数の振動ユニットを重ねる際に厚さ方向に曲げる力が生じにくく、複数の振動ユニットが平坦性が良好な状態で積層され、破損等を生じにくくなっている。これにより、振動ユニットにおける残留応力が小さく、破損等を生じにくく、また、第1圧電体層と第2圧電体層とを同じ工程で形成し得るため、容易に製造することができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
前記振動ユニットは、
前記第2電極及び前記第4電極の上方に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の上方に設けられた配線層と、
を含み、
前記第2電極及び前記第4電極の少なくとも一つが、前記配線層に電気的に接続されていてもよい。
このような圧電駆動装置は、電極が薄膜で形成された場合でも、配線抵抗を小さくすることができ、効率よく駆動することができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
隣り合って配置された前記振動ユニットの前記配線層が互いに電気的に接続されてインダクターを構成してもよい。
このような圧電駆動装置によれば、インダクターを設置する空間を節約することができる。そのため、外部にインダクターを設ける場合に比べて空間利用効率を高めることができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
前記第3電極、前記第2圧電体層及び前記第4電極が、キャパシターを構成してもよい。
このような圧電駆動装置によれば、キャパシターを設置する空間を節約することができる。そのため、外部にキャパシターを設ける場合に比べて空間利用効率を高めることがで
きる。さらに、キャパシターを構成する第2圧電体層が、圧電素子を構成する第1圧電体層と同様の材質である場合には、キャパシターの温度特性が圧電素子の温度特性と類似することになり、しかも両者が空間的に近い位置に配置されるため、例えば、温度変化に対応するための駆動回路や制御を簡略化することができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
前記キャパシターは、前記振動ユニットの電源からみて、前記圧電素子と電気的に並列に接続されていてもよい。
このような圧電駆動装置によれば、電気素子として見た場合の見かけのインピーダンスを高めることができ、音響素子として見た場合の機械的な出力をさらに高めることができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
前記配線層がインダクターを構成していてもよい。
このような圧電駆動装置は、インダクターを設置する空間を節約することができる。そのため、外部にインダクターを設ける場合に比べて空間利用効率を高めることができる。
本発明に係る圧電駆動装置において、
前記インダクターは、前記振動ユニットの電源からみて、前記圧電素子と電気的に並列に接続されていてもよい。
このような圧電駆動装置によれば、電気素子として見た場合の見かけのインピーダンスを高めることができ、音響素子として見た場合の機械的な出力をさらに高めることができる。
本発明に係るモーターの一態様は、
上述の圧電駆動装置と、
前記圧電駆動装置によって回転されるローターと、
を含む。
このようなモーターは、上述の圧電駆動装置を含むため、圧電駆動装置が破損しにくく、信頼性が高い。
本発明に係るロボットの一態様は、
複数のリンク部と、
複数の前記リンク部を接続する関節部と、
複数の前記リンク部を前記関節部で回動させる上述の圧電駆動装置と、
を含む。
このようなロボットは、上述の圧電駆動装置を含むため、圧電駆動装置が破損しにくく、信頼性が高い。
本発明に係るロボットの一態様は、
上述の圧電駆動装置と、
液体を輸送するチューブと、
前記圧電駆動装置の駆動によって前記チューブを閉塞する複数のフィンガーと、
を含む。
このようなポンプは、上述の圧電駆動装置を含むため、圧電駆動装置が破損しにくく、信頼性が高い。
なお、本明細書において、特定の部材Xの上方(又は下方)に特定の部材Yを配置する(又は形成する)というとき、部材Xの上(又は下)に直接部材Yが配置される(又は形成される)態様に限定されず、作用効果を阻害しない範囲で、部材Xの上(又は下)に、他の部材を介して部材Yが配置される(又は形成される)態様を含む。
実施形態に係る振動板を平面的に見た模式図。 実施形態に係る振動ユニットを平面的に見た模式図。 実施形態に係る振動ユニットの断面の模式図。 実施形態に係る振動ユニットの断面の模式図。 実施形態に係る圧電駆動装置の断面の模式図。 実施形態に係る圧電駆動装置の断面の模式図。 実施形態に係る圧電駆動装置の断面の模式図。 実施形態に係る振動ユニットを平面的に見た模式図及び駆動回路の概念図。 実施形態に係る振動ユニットを平面的に見た模式図及び駆動回路の概念図。 実施形態に係る振動ユニットを平面的に見た模式及び駆動回路の概念図。 実施形態に係る振動ユニットを平面的に見た模式図及び駆動回路の概念図。 実施形態に係る圧電駆動装置の模式的な斜視図。 実施形態に係る圧電駆動装置を駆動する回路の概念図の一例を示す図。 実施形態に係るモーターを平面的に見た模式図。 本実施形態に係るロボットを説明するための図。 本実施形態に係るロボットの手首部分を説明するための図。 本実施形態に係るポンプを説明するための図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.圧電駆動装置
本実施形態の圧電駆動装置1000は、複数の振動ユニット100を含む。そして、圧電駆動装置1000は、振動ユニット100が重なるように配置されて構成されている。以下、振動ユニット100について説明した後、振動ユニット100の厚さ及び配置等について説明する。
1.1.振動ユニット
まず、本実施形態に係る圧電駆動装置の振動ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る振動ユニット100の振動板10を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る振動ユニット100を模式的に示す平面図である。図3は、本実施形態に係る振動ユニット100を模式的に示す図2のII−II線断面図である。図4は、本実施形態に係る振動ユニット100を模式的に示す図2のI−I線断面図である。
本実施形態の振動ユニット100は、振動板10と、第1電極32と、第1圧電体層34と、第2電極36と、第3電極42と、第2圧電体層44と、第4電極46と、を含む
1.1.1.振動板
図1は、振動板10を平面的に見た模式図である。振動板10は、固定部12と、振動部14と、接続部16と、突起部18と、を含む。
振動板10は、平板状の形状を有している。振動板10の振動部14は、図1に示すように、長手方向と、長手方向と直交する短手方向と、を有する形状である。図示の例では、振動板10の振動部14の平面形状は、長方形である。長手方向は、長辺が延びる方向であり、短手方向は、短辺が延びる方向である。振動部14には、後述する圧電素子(第1電極32、第1圧電体層34及び第2電極36の積層構造)が設けられ、該圧電素子が駆動することによって変形及び振動することができる。振動部14の平面的な形状は、図示の例では矩形形状であるが、特に限定されない。また、振動部14の大きさや厚さも特に限定されない。
振動板10の長手方向の一方の端には、突起部18が設けられている。突起部18は、振動部14と一体的に設けられてもよいし、別体として形成され、これを接着剤等によって振動部14に接着して設けられてもよい。突起部18は、例えば、図示せぬローター(後述)に当接し、突起部18が平面視において円ないし楕円の軌跡を描いて運動することによって、ローターを回転させることができる。このような突起部18の運動は、振動部14が伸縮振動及び屈曲振動することによって実現される。振動部14の振動の態様は任意であるが、振動部14に設けられる圧電素子によって実現される。突起部18の材質は、例えば、セラミックス(具体的にはアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N)など)である。
一方、図1に示すように、振動板10は、固定部12を有している。固定部12は、振動ユニット100を他の部材に固定するための部位である。本実施形態の圧電駆動装置1000は複数の振動ユニット100を含むが、固定部12は、各々の振動ユニット100の振動板10に設けられる。固定部12は、振動ユニット100と他の振動ユニット100を重ねて固定するするために利用することもできる。
図示の例では、固定部12は、平面視において、振動部14の短手方向の両側にそれぞれ設けられている。固定部12の設けられる位置や数は特に限定されない。固定部12の大きさも特に限定されず、例えば、振動部14の振動が阻害されない範囲で、振動部14よりも大きくても小さくてもよい。
図示の例では、各固定部12には、ネジ止め等に適するように形成された孔11がそれぞれ3個ずつ形成されている。孔11は、振動板10を貫通する貫通孔である。孔11は、複数の振動ユニット100を互いに固定するために用いられてもよいし、孔11を利用して、圧電駆動装置1000となった際に振動ユニット100の組を他の部材に固定するために用いられてもよい。なお、図示の例では、固定部12に孔11が形成された態様を例示しているが、他の手段や構成(例えば、狭持部材(クリップ等))により、複数の振動ユニット100を互いに固定したり、振動ユニット100の組を他の部材に固定することができるならば、孔11は必ずしも必要でない。
振動板10の固定部12によって、振動ユニット100が固定されるが、振動板10が固定されることにより、振動ユニット100の固定部12に対応する部分(以下、振動ユニット100において固定部112と符号を付す。)が固定される。また、本実施形態の振動ユニット100の振動板10の固定部12には、第3電極42と、第2圧電体層44と、第4電極46とが形成される。このような構成は、孔11を避けて形成されてもよい
(図2参照)。また、絶縁性等に配慮しながら孔11が係る構成を貫通するように配置してもよい。
振動板10には、固定部12と振動部14とを接続する接続部16が形成されている。接続部16は、固定部12が振動部14を支持するように設けられる。接続部16は、振動部14を支持するが、振動部14の振動(動作)を阻害しないように設けられることが好ましい。例えば、接続部16は、振動部14が振動される際の振動の節の近傍に設けられる。また、例えば、図示のように、接続部16は、振動部14よりも細く機械的強度が小さくなるように形成される。しかし、振動部14は、例えば、ローター等に押しつけられるため、接続部16は、そのような付勢力によって破損しない程度の強度を有するように設計される。
接続部16は、図示の例では、1つの振動部14から、2つの固定部12に対して、それぞれ3本ずつ延びるように形成されている。接続部16の設けられる位置、個数、形状等は、限定されず、圧電駆動装置1000の用途に応じて適宜設計され得る。
振動板10は、例えば、シリコン基板である。振動板10の材質は、シリコン、金属、酸化物、窒化物等であってもよく、また、それらの積層体や複合材料であってもよい。振動板10には、導電体(電極等)、誘電体、圧電体、絶縁体等として機能する層が適宜に設けられることができる。またこれらの層は、振動板10の全面に設けられてもよいし、振動板10の両面に設けられてもよい。
振動板10には、導電体(電極等)、誘電体、圧電体、絶縁体等の層が形成される。振動板10の厚さは均一である必要はない。例えば、振動板10の接続部16の厚さは、振動部14や固定部12の厚さより小さくてもよい。また、振動板10の特定の部分が他の部分の厚さと異なってもよい。このような構造は、例えば、振動板10がシリコン基板で形成される場合には比較的容易に形成することができる。ただし、詳細は後述するが、少なくとも振動ユニット100が形成された状態で、振動板10の固定部12に相当する部分(固定部112)の振動ユニット100の厚さが、振動部14に相当する部分(以下、振動ユニット100において振動部114と符号を付す。)の振動ユニット100の厚さと同じであることが好ましい。
なお、本明細書において、「同じ」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、及び、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。したがって、「一方の厚さと他方の厚さが同じである」という表現は、測定誤差を考慮し、両者の厚さの差が、一方の厚さの±20%以内、好ましくは±15%以内、より好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内であることを指す。
1.1.2.第1電極
第1電極32は、振動板10の振動部14の上方に設けられる。第1電極32と振動板10との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第1電極32は、振動部14の全面に形成されてもよいし、振動部14の一部に形成されてもよい。図2に示す例では、第1電極32は、振動板10の振動部14及び接続部16の上方に全面的に形成されている。また、図2に示す例では、第1電極32は、第3電極42(後述)と一体的に形成されている。このように、第1電極32は、第3電極42と電気的に接続されてもよい。
なお、図2では、第1圧電体層34及び第2圧電体層44、並びに、第2電極36及び第4電極よりも上方に位置する部材は省略して描かれている。
第1電極32の振動部14に設けられた領域の一部又は全部は、第2電極36と対向して配置され、当該部分において、圧電素子の一方の電極として機能する。第1電極32は、金属、合金、導電性酸化物等の導電性を有する材質で形成される。
第1電極32の厚さは、例えば、10nm以上1μm以下、好ましくは20nm以上800nm以下、より好ましくは30nm以上500nm以下、さらに好ましくは50nm以上300nm以下である。
第1電極32は、例えば、イリジウム層と、イリジウム層上に設けられた白金層と、によって構成されていてもよい。この場合には、イリジウム層の厚さは、例えば、5nm以上100nm以下である。また白金層の厚さは、例えば、50nm以上300nm以下である。
なお、第1電極32の材質としては、例えば、ニッケル、イリジウム、白金、Ti、Ta、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Cuなどなどの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物(SrRuOx:SRO)、ランタンとニッケルの複合酸化物(LaNiOx:LNO)などを例示することができる。第1電極32は、例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。また、例示はしないが、第1電極32は、半導体製造等における定法により、エッチングやパターニングを行うことができる。
1.1.3.第1圧電体層
第1圧電体層34は、振動板10の振動部14の上方の第1電極32の上方に設けられる。第1電極32と第1圧電体層34との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。ここで密着層を設ける場合の密着層の材質としては、例えば、TiW層、Ti層、Cr層、NiCr層や、これらの積層体である。第1圧電体層34は、第1電極32と第2電極36との間に位置する。
第1圧電体層34は、第1電極32の全面の上方に形成されてもよいし、一部の上方に形成されてもよい。また、第1圧電体層34は、第1電極32が形成されていない振動板10の上方に形成されてもよい。図2〜図4に示すように、振動板10の振動部14の第1電極32の上方に設けられている。また、第1圧電体層34は、接続部16の上方に設けられてもよいが、接続部16に圧電素子が構成される場合には、振動部14の振動を考慮して設けることが好ましい。さらに、第1圧電体層34が接続部16の上方に設けられる場合であって、圧電素子を構成しない場合には、接続部16の剛性が高くなりすぎないように、振動板10の接続部16の厚さや第1圧電体層34の厚さを考慮して設けることが好ましい。
図2〜図4に示す例では、第1圧電体層34は、パターニングされており、圧電素子が構成されない部分において、除去されている。第1圧電体層34は、第2圧電体層44と同じ工程で形成されることができる。また、図示しないが第1圧電体層34と第2圧電体層44とは、一体的に形成されてもよい。
第1圧電体層34は、第1電極32及び第2電極36に挟まれた部分において圧電素子を構成し、両電極から電圧が印加されることによって電気機械変換の作用によって変形することができる。
第1圧電体層34の厚さは、例えば、50nm以上20μm以下であり、好ましくは、1μm以上7μm以下である。したがって、第1電極32、第1圧電体層34及び第2電極36が重なって配置されて構成される圧電素子は、薄膜圧電素子である。第1圧電体層34の厚さがこの範囲であれば、振動ユニット100の出力を十分に得ることができ、第1圧電体層34への印加電圧を高くしても絶縁破壊を起こしにくい。また、第1圧電体層34の厚さがこの範囲であれば、第1圧電体層34にクラックを生じにくい。
第1圧電体層34の材質としては、ペロブスカイト型酸化物の圧電材料が挙げられる。より具体的には、第1圧電体層34の材質は、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物(たとえば、Aは、Pbを含み、Bは、ZrおよびTiを含む。)が好適である。このような材料の具体例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)(以下これを「PZT」と略記することがある)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)(以下これを「PZTN」と略記することがある。)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などが挙げられる。これらのうち、第1圧電体層34の材質としてPZTおよびPZTNは、圧電特性が良好であるため特に好適である。また、例示はしないが、第1圧電体層34は、半導体製造等における定法によりエッチングやパターニングを行うことができる。
1.1.4.第2電極
第2電極36は、第1圧電体層34の上方に設けられる。第2電極36と第1圧電体層34との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。ここで密着層を設ける場合の密着層の材質としては、例えば、TiW層、Ti層、Cr層、NiCr層や、これらの積層体である。
第2電極36の振動部14に設けられた領域の一部又は全部は、第1電極32と対向して配置され、当該部分において、圧電素子の一方の電極として機能する。
第2電極36は、第1電極32及び第1圧電体層34と組となって、圧電素子を形成できる限り、振動部14の全面に形成されてもよい。すなわち、第1電極32がパターニングされていれば、第2電極36が振動部14の全面に形成されても所定の圧電素子の組を構成することができる。すなわち、図示の例では、第1電極32が複数の圧電素子の共通電極となっており、第2電極36が複数の圧電素子の個別電極となっているが、第2電極36が複数の圧電素子の共通電極となり、第1電極32が複数の圧電素子の個別電極となっていてもよい。また、第2電極36は、第4電極46と電気的に接続されてもよい。第2電極36の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。第2電極36は、例えば、Cu層、Au層、Al層やこれらの積層体である。
1.1.5.圧電素子
上述のように、第1電極32、第1圧電体層34及び第2電極36の組によって、振動板10の振動部14の上方に圧電素子が構成されるが、係る圧電素子の形状、数、配置等は、振動部14が所定の振動を生じ得る限り任意である。図示の例では、圧電素子は、振動部14の上方に5つ形成されている。そして図示しない配線により、適宜の電圧がそれぞれの圧電素子の電極に印加されることにより、振動ユニット100を屈曲振動させたり伸縮振動させたりすることができる。
1.1.6.第3電極
振動ユニット100は、固定部112に第3電極42を有している。第3電極42は、振動板10の固定部12の上方に設けられる。第3電極42と振動板10との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第3電極42は、固定部12の全面に形成されてもよいし、固定部12の一部に形成されてもよい。図2に示す例では、第3電極42は、振動板10の固定部12の上方に形成されている。また、図2に示す例では、第3電極42は、第1電極32と一体的に形成されている。このように、第3電極42は、第1電極32と電気的に接続されてもよい。
第3電極42の固定部12に設けられた領域の一部又は全部は、第4電極46と対向して配置される。第3電極42は、当該部分において、キャパシターの一方の電極として機能してもよい。第3電極42は、金属、合金、導電性酸化物等の導電性を有する材質で形成される。第3電極42の厚さ及び材質は、例えば、第1電極32と同様とすることができる。
1.1.7.第2圧電体層
振動ユニット100は、固定部112に第2圧電体層44を有している。第2圧電体層44は、振動板10の固定部12の上方の第3電極42の上方に設けられる。第3電極42と第2圧電体層44との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。第2圧電体層44は、第3電極42と第4電極46との間に位置する。
第2圧電体層44は、第3電極42の全面の上方に形成されてもよいし、一部の上方に形成されてもよい。また、第2圧電体層44は、第3電極42が形成されていない振動板10の上方に形成されてもよい。図2、図4に示すように、振動板10の固定部12の第3電極42の上方に設けられている。また、第2圧電体層44は、第1圧電体層34が接続部16の上方に設けられている場合には、第1圧電体層34と一体的であってもよい。
図2、図4に示す例では、第2圧電体層44は、パターニングされており、キャパシターが構成されない部分において、除去されている。第2圧電体層44は、第1圧電体層34と同じ工程で形成されることもできる。
第2圧電体層44は、第3電極42及び第4電極46に挟まれた部分においてキャパシターを構成することができる。なお、第2圧電体層44は、固定部12に設けられ、ネジ等の構造材により拘束されるため変形しにくく、付与される電気エネルギーが機械エネルギーに変換されにくいため、良好なキャパシター(コンデンサー)として利用することができる。第2圧電体層44の厚さ及び材質は、第1圧電体層34と同様である。
1.1.8.第4電極
振動ユニット100は、固定部112に第4電極46を有している。第4電極46は、第2圧電体層44の上方に設けられる。第4電極46と第2圧電体層44との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第4電極46は、固定部12の全面に形成されてもよい。例えば、第3電極42がパターニングされていれば、第4電極46が固定部12の全面に形成されても所定のキャパシターを構成することができる。図示の例では、第3電極42が複数のキャパシターの共通電極となっており、第4電極46が複数のキャパシターの個別電極となっているが、第4電極46が複数のキャパシターの共通電極となり、第3電極42が複数のキャパシターの個別電極となっていてもよい。また、第4電極46は、第2電極36と電気的に接続されてもよい。
第4電極46の固定部12に設けられた領域の一部又は全部は、第3電極42と対向して配置され、当該部分において、キャパシターの一方の電極として機能させることができる。第4電極46の厚さ及び材質は、第2電極36と同様とすることができる。
1.1.9.その他の構成
本実施形態の振動ユニット100は、その他の構成を含むことができる。そのような構成として、例えば、配線、配線のための絶縁体の層、複数の振動ユニット100を積層する接着のための層などを含んでもよい。以下、配線層50を設けるための絶縁層60、及び、上述の各電極と電気的に接続する配線層50について説明する。
1.1.9.1.配線層
本実施形態の振動ユニット100は、第2電極36及び第4電極46の上方に設けられた配線層50を含む。配線層50は、絶縁層60(後述)の上方に設けられる。配線層50は、下方に位置する絶縁層60や圧電体層にコンタクトホールを設けることによって、その下方に位置する導電体(電極等)と電気的に接続することができる。
配線層50は、第2電極36及び第4電極46の少なくとも一つと電気的に接続される。また、配線層50は、第1電極32、第3電極42に接続されてもよい。配線層50は、適宜にパターニングされて配線を構成することができる。例えば、配線層50は、配線を形成することができ、また、図示しないパッド(外部に接続するための端子)等を形成してもよい。
配線層50の厚さは、例えば、50nm以上10μm以下、好ましくは100nm以上5μm以下、より好ましくは200nm以上3μm以下であり、この程度の厚さを有すれば、十分な導電性を確保することができる。
さらに、図3に示すように、配線層50は、個々の第2電極36上方に、第2電極36を覆うように形成されてもよい。図3に示す例では、配線層50は、第2電極36に対して、複数のコンタクトホールに形成されたビア52を介して電気的に接続されている。このようにすれば、第2電極36の導電性を配線層50によって補うことができる。また、このようにすることにより、第2電極36とともに、配線層50が圧電素子の一方の電極として機能することができる。このようにすれば、配線層50の導電性が良好なため、圧電素子の電気機械変換効率を高めることができ、振動ユニット100の信頼性を高めることができる。
配線層50の材質は、特に限定されず、例えば、ニッケル、イリジウム、白金、Ti、Ta、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Cuなどなどの各種の金属、それらの合金等の導電性の材料により形成される。また、例示はしないが、配線層50は、半導体製造等における定法により、エッチングやパターニングを行うことができる。また、配線層50の下方にコンタクトホールを形成し、ビア52を形成して下方の導電体と電気的に接続すること等も、半導体製造等における定法を利用して行うことができる。
配線層50は、複数層設けることができ、例えば多層配線を構成してもよい。また、配線層50を多層配線とするために、下記の絶縁層60を複数層形成してもよい。
1.1.9.2.絶縁層
絶縁層60は、少なくとも第2電極36及び第4電極46の上方に設けられる。絶縁層60は、各電極と配線層50の間に設けられてもよい。さらに、絶縁層60は、電極や配線を絶縁する機能を有する。また、絶縁層60は、配線層50の上方に設けられてもよい。配線層50の上方に絶縁層60が形成されると、例えば、隣接する振動ユニット100の振動板10が導電性である場合などに、隣接する振動ユニット100間を絶縁することができる。
絶縁層60は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の酸化物絶縁体であり、半導体製造等における定法を利用して形成することができる。また、絶縁層60には、所定の位置にコンタクトホールを形成することができ、半導体製造等における定法を利用してビアを形成することにより所定の配線の接続を行うことができる。
1.1.9.3.その他
図2及び図3に示す例では、配線層50は、1つの振動ユニット100に対して1層が形成されているが、所定の配線を形成するために複数の配線層50が形成されてもよい。また、図1ないし図4の例では、振動板10の片側の主面に圧電素子やキャパシターが設けられているが、振動板10の両方の主面に上述した構成が設けられてもよい。
1.2.振動ユニットの厚さ及び配置
本実施形態の振動ユニット100は、振動板10の固定部12及び振動部14において実質的に同じ厚さとなるように形成される。例えば、図4に示すように、振動部114において、下方から順に、振動板10、第1電極32、第1圧電体層34、第2電極36、絶縁層60、配線層50、及び絶縁層60が積層した合計の厚さ(図中、厚さα)は、固定部112において、下方から順に、振動板10、第3電極42、第2圧電体層44、第4電極46、絶縁層60、配線層50、及び絶縁層60が積層した合計の厚さ(図中、厚さβ)と同じになるように形成される。
すなわち、測定誤差を考慮して、厚さαと厚さβの差が、例えば厚さαの±20%以内、好ましくは±15%以内、より好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。なお、振動板10の両方の面に圧電素子等が形成される場合も同様であり、振動部114の合計の厚さαと固定部112の合計の厚さβは同じになるように形成される。
また、振動板10、第1電極32、第1圧電体層34、第2電極36、絶縁層60、配線層50、及び絶縁層60のそれぞれの厚さと、振動板10、第3電極42、第2圧電体層44、第4電極46、絶縁層60、配線層50、及び絶縁層60のそれぞれの厚さは、互いに対応している必要はない。すなわち、例えば、振動部114における第1圧電体層34の厚さと、固定部112における第2圧電体層44の厚さは異なってもよく、他の構成(例えば、絶縁層60や振動板10)の厚さを調節することによって、合計の厚さαと、合計の厚さβとが同じとなればよい。
しかし、本実施形態の振動ユニット100を製造する際には、振動部114と固定部112とは、同一の工程で各層を形成することができるので、それぞれの厚さを揃えることにより、容易に合計の厚さα、及び、合計の厚さβを同じとすることができる。
図5及び図6は、本実施形態の圧電駆動装置1000の断面の模式図である。図5及び図6は、それぞれ図3及び図4に示す振動ユニット100の断面に対応する位置の断面である。本実施形態の振動ユニット100は、圧電駆動装置1000とする際に、図5及び図6に示すように、振動板10の板面に垂直な方向に、複数個、重なるように配置される。すなわち、振動ユニット100は、圧電駆動装置1000とする際に、平面視において、複数個、重なるように配置される。図示の例では、振動ユニット100が3個、重なるように配置されている。
振動ユニット100が重ねられる個数は、特に限定されず、圧電駆動装置1000の駆動力(出力)や、用途に応じて適宜に設定される。振動ユニット100が重ねて配置される態様についても、特に限定されないが、例えば、図示のように、各振動ユニット100の固定部12が互いに重なるように配置されることができる。
振動ユニット100を重ねて配置する手法は特に限定されず、例えば、振動ユニット100の孔11に対して、共通するネジを挿入して機械的に固定する方法、複数の振動ユニット100間を接着剤等により接着する方法、複数の振動ユニット100間を熱圧着する方法などを例示できる。さらに、複数の振動ユニット100間を接着する場合には、少なくとも振動ユニット100の固定部112が接着されれば十分であるが、振動ユニット100の振動部114が接着されてもよい。また、振動ユニット100の接続部116が接着されてもよいが、この場合には振動部114の振動を阻害しないようにすることが好ましい。
ここで、振動部114の合計の厚さαと、固定部112の合計の厚さβとが異なると、複数の振動ユニット100を互いに圧接させる際に、各振動ユニット100が振動板10の面からそれる方向に曲がる応力が発生する。換言すると、振動ユニット100の振動部114及び固定部112のうち、より薄い領域が、より厚い領域よりも近づくように重ねられて圧接されると、それらの間に存在する接続部116に曲げの応力が発生する。しかも振動ユニット100の接続部116は、振動部114及び固定部112に比較して構造的に弱く形成される。そのため、上述の応力は、接続部116に集中しやすい。また、このような曲げの応力の程度は、重ねられる振動ユニット100の個数が増加すれば、厚さの差が累積して、より大きくなる。このような応力が生じると、振動ユニット100の破壊が生じたり、振動ユニット100が破壊しない場合でも、接続部116に応力が残留したまま圧電駆動装置1000が形成されることになる。
これに対して、本実施形態の振動ユニット100は、振動部114の合計の厚さαと、固定部112の合計の厚さβとが同じである。これにより、重ねて配置された際に、曲げの応力を発生しにくく、特に接続部116における応力の集中や、破壊を抑制することができる。したがって、重ね合わせる際に、振動ユニット100の破壊が生じにくく、かつ、接続部116に応力が発生しにくい状態で圧電駆動装置1000を形成することができる。また、このような効果は、振動ユニット100の個数が増加するほど顕著となる。
なお、振動ユニット100の振動部114及び固定部112は、接続部116よりも機械的強度が大きい。そのため振動部114内及び固定部112内においては、振動ユニット100の厚さは均一でなくても、振動ユニット100の応力の発生や破損は生じにくい。図7は本実施形態の振動ユニット100において圧電素子の形状に沿うような絶縁層60が形成された場合の断面の模式図である。例えば、図7に示すように、振動部114に圧電素子の形状に沿うような絶縁層60が形成された場合、振動部114の合計の厚さαが振動部114内で均一ではなくなるが、このようにしても、接続部116への応力の集中が抑えられるとともに、振動部114内で発生する応力は非常に小さい。
1.3.キャパシター
上述のように、第3電極42、第2圧電体層44及び第4電極46の組によって、振動板10の固定部12の上方に(振動ユニット100の固定部112に)キャパシターとなり得る構造が形成されるが、係るキャパシターの形状、数、配置等は、任意である。図示の例では、キャパシターとなり得る構造は、2つの固定部12にそれぞれ2つずつ、合計4つ形成されている。したがって、それぞれの電極が適宜に接続されれば、キャパシタンス(コンデンサー)として機能させることができる。
なお、第3電極42、第2圧電体層44及び第4電極46の組は、キャパシターとして機能することができるが、単に構造材として利用されてもよい。すなわち、本実施形態の振動ユニット100において、固定部112に配置される第3電極42、第2圧電体層44及び第4電極46は、固定部112の厚さβを振動部114の厚さαと同じにするため
のみに用いられてもよい。換言すると、本実施形態の振動ユニット100では、固定部112の厚さβと振動部114の厚さαとを同じにしやすくするために、固定部112にも圧電素子と同様の積層構造体を配置しているが、係る積層構造体は、キャパシターとしても利用可能である。
図8は、実施形態に係る振動ユニット101を平面的に見た模式図及び駆動回路70の概念図である。図8では、第2電極36及び第4電極46よりも上方に位置する構成は省略され、配線層50によって形成される配線については、線画によって模式的に描かれている。また、振動ユニット101は、上述の振動ユニット100と同様に突起部18及び孔11が形成されてもよいが、図8では説明の便利のために省略されている。
図8に示す振動ユニット101は、振動部114、固定部112及び接続部116の全面に圧電体の層が形成され、第1圧電体層34及び第2圧電体層44は、第2電極36及び第4電極46と、第1電極32及び第3電極42と、によって挟まれた領域に存在するものとする。さらに、振動ユニット101では、第1電極32及び第3電極42は、振動板10の上方に全面的に設けられておらず、平面視における両者の輪郭は、振動板10の輪郭よりも小さくなっている。そして、圧電素子を構成する第2電極36と、キャパシターを構成し得る第4電極46とが電気的に接続されている。その他の構成については、上述の振動ユニット100と同様であり、同様の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、振動ユニット101では、振動部114に設けられた圧電素子と、固定部112に設けられたキャパシターとが共通する電極を有している。したがって、駆動回路70(電源)から見た場合に、圧電素子及びキャパシターが並列に接続されているといえる。このように、第3電極42、第2圧電体層44及び第4電極46によって形成される構造体は、キャパシターとして利用し得る。
駆動回路70は、少なくとも駆動電圧発生回路72を有している。図示の例では、互いに接続された第1電極32及び第3電極42が接地電位となっており、駆動電圧発生回路72に、各圧電素子及びキャパシターに適宜に接続されている。駆動回路70は、所定の電極間に周期的に変化する交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、振動ユニットを超音波振動させる。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、その電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。
1.4.インダクター
本実施形態の振動ユニット100は、配線層50を有する場合、配線層50を用いてインダクターを構成してもよい。インダクターは、配線層50の他に、上述の各電極や、他の導電層を形成してこれを構成してもよい。
インダクターは、例えば、コイルである。コイルとしては、特に限定されず、電気伝導体の巻線が挙げられる。巻線の態様についても適宜に設計され得る。本実施形態の振動ユニットでは、配線層50が単層又は多層で形成されるが、巻線を単一の層で形成する場合には、例えば、平面的な渦巻き状の態様や1回巻のループの態様としてもよい。また、巻線は、配線層50が複数層形成される場合、ビア等を形成して適宜配線することによって、筒状の形状に導電体を巻き付けたような態様のコイルを形成することができる。さらに、本実施形態の振動ユニット100が重ねて配置されることを利用し、隣り合って配置された振動ユニットの配線層50が互いに電気的に接続して、筒状の形状に導電体を巻き付けたような態様のコイルを形成することもできる(図12参照)。
図9〜図11は、それぞれ実施形態に係る振動ユニット102、振動ユニット103、
振動ユニット104を平面的に見た模式図及び駆動回路70の概念図である。図9〜図11では、第2電極36及び第4電極46よりも上方に位置する構成は省略され、配線層50によって形成される配線については、線画によって模式的に描かれている。また、図9〜図11の振動ユニット102、振動ユニット103、振動ユニット104は、上述の振動ユニット100と同様に突起部18及び孔11が形成されてもよいが、図9〜図11では説明の便利のために省略されている。
さらに、図9〜図11に示す各振動ユニットは、振動部114、固定部112及び接続部116の全面に圧電体の層が形成され、第1圧電体層34及び第2圧電体層44は、第2電極36及び第4電極46と、第1電極32及び第3電極42と、によって挟まれた領域に存在するものとする。さらに、第1電極32及び第3電極42は、振動板10の上方に全面的に設けられておらず、平面視における両者の輪郭は、振動板10の輪郭よりも小さくなっている。そして、圧電素子を構成する第2電極36と、キャパシターを構成し得る第4電極46の一部とが電気的に接続されている。その他の構成については、上述の振動ユニット100と同様であり、同様の符号を付して説明を省略する。
図9に示す振動ユニット102では、配線層50がパターニングされ、複数のインダクター54が形成されている。図9の例では、インダクター54は、渦巻き形状に形成されている。換言すると、図9に示すインダクター54は、振動ユニット102の平面に沿う方向に導電経路を有する巻線となっている。また、詳細は図示しないが、導線の両端が配線(多層配線)や電極に接続されて、回路の一部を構成している。
図9に示す振動ユニット102では、インダクター54は、3つ形成され、いずれも振動部114に形成されている。しかし、図10に示す振動ユニット103のように、固定部112に形成されてもよい。さらに、図示しないが、インダクター54は、振動部114及び固定部112の両方に形成されてもよい。また、形成されるインダクター54の個数も任意である。
インダクター54の大きさや形状は、任意であり、所定の回路構成に適するように設計され得る。また、渦巻き形状のインダクター54は、例えば、第1電極32が形成される層にも形成され得る。しかし、インダクター54は、配線抵抗を小さくできるため、配線層50に形成されることがより好ましい。
図11に示す振動ユニット104では、多層の配線層50がそれぞれパターニングされ、それらがビアによって接続されてインダクター56が形成されている。したがって、振動ユニット104のインダクター56では、多層配線となった2つの配線層50をビアによって接続し、巻線の内側に絶縁層60が存在する態様となっている。換言すると、図11に示すインダクター56は、振動ユニット104の平面に沿う方向及び厚さ方向に導電経路を有する巻線となっている。また、図示しないが、インダクター56において、ビアの代わりに振動ユニット104の側面に導電体(導電塗料等)を適宜に設けて多層配線を電気的に接続してもよい。さらに、インダクター56は、固定部112に形成されてもよい。
図12は、隣り合って配置された振動ユニットの配線層50が互いに電気的に接続されてインダクター58を構成している例を概念的に示している。振動ユニット105は、配線層50を適宜に設計してパターニングすることができる。そして、図12に示すように、隣り合って設けられる振動ユニット105の配線層50をビアによって接続してインダクター58を構成しており、巻線の内側に振動板10を含む各構成が存在する態様となっている。換言すると、図12に示すインダクター58は、振動ユニット105の平面に沿う方向及び厚さ方向に導電経路を有する巻線となっている。また、図示しないが、インダ
クター58において、ビアの代わりに積層された振動ユニット105の側面に導電体(導電塗料等)を適宜に設けて多層配線を電気的に接続してもよい。この場合にもインダクター58は、固定部112及び振動部114のいずれに形成されてもよい。
1.5.回路構成
図13は、本実施形態の圧電駆動装置を駆動する回路の概念図の一例を示す図である。図中、Sは電源、R1は配線抵抗、R2は抵抗(機械的損失)、Cdは圧電駆動装置、L1及びL2はインダクタンス、C1及びC2はキャパシタンスをそれぞれ示している。図13に示すように、駆動回路は、電気素子Eと音響素子Aとを接続した回路とみなすことができる。以下、このような考えに基づいて説明する。
圧電駆動装置Cdの機械的出力は、概念的に抵抗R2(機械的損失)と考えることができる。したがって、電源Sから与えられるエネルギーが音響素子Aに対して多く供給されることにより、圧電駆動装置Cdの機械的出力を大きくすることができる。換言すれば、電気素子Eに消費されるエネルギーを小さくすることが好ましい。
電源Sから供給される電力は、電気素子Eと音響素子Aとに分配される。したがって、電気素子Eの両端のインピーダンスが音響素子Aの両端のインピーダンスよりも小さいほうがより多くの電力を音響素子Aに分配することができる。
ここで、電気素子Eにおいて、共振(共鳴)を起こさせると、電気素子Eの見かけ上のインピーダンスを小さくすることができる。このような共振を発生させるために、インダクタンスL1及びキャパシタンスC1が配置され、電源Sからみて圧電駆動装置Cdと並列に接続され、LC共振回路が形成されている。一方、音響素子Aにおいては、RLC直列共振回路が構成されている。
また、キャパシタンスC1は、回路全体で直流電流が流れないようにするという機能も有している。その理由は、電源Sは、圧電駆動装置Cdの分極反転を防止するため、電位が正又は負で、電位が反転しないように、バイアスを有した交流電圧を発生するからである。すなわち、電源Sからは、交流電圧にDCオフセットを付加した脈流電圧であるからである。
このように、図13に示す回路では、電気素子Eの見かけのインピーダンスを小さくすることにより、音響素子Aへの電力(エネルギー)の供給量を高め、抵抗R2(機械的出力)が大きくなるように各構成が機能するように設計されている。
図13に示す構成のうち、インダクタンスL1及びキャパシタンスC1は、電源Sからみて圧電駆動装置Cdと並列に接続されている。これらは圧電駆動装置Cdとは別体のコイル素子やコンデンサー素子を圧電駆動装置Cdに接続して駆動回路を構成することができるが、上述した本実施形態の圧電駆動装置のように、キャパシターやインダクターを圧電駆動装置に一体的に設けて、これを利用してもよい。
このようにすれば、駆動回路に要するキャパシターやインダクターの少なくとも一部を圧電駆動装置に一体的に設けることができるため、これらを別体に設ける場合よりも全体としての空間利用効率を向上させることができる。また、キャパシターやインダクターの少なくとも一部を圧電駆動装置に一体的に設けることにより、配線の長さを小さくすることができ、配線抵抗によるエネルギーの損失を小さくすることができる。
さらに、上述した圧電駆動装置のように、圧電素子を構成する圧電体と同様の圧電体(誘電体)をスペーサーとするキャパシターを圧電駆動装置に一体に設ける場合には、圧電
駆動装置の圧電素子の温度特性と、キャパシターの温度特性が同様となる。そして、圧電素子とキャパシターが空間的に近い位置に設けられることになる。そのため、圧電駆動装置が置かれた環境の温度の変化に対して、圧電素子及びキャパシターを、電気特性において同様に変化させることができる。これにより、例えば、環境温度の変化により共振周波数が変化した際の、駆動回路による周波数の調節範囲を小さくすることができる。したがって、環境温度の変化に対して安定性が良好で、かつより共振周波数の調節をより容易化することができる。
2.圧電駆動装置を用いた装置
本発明に係る圧電駆動装置は、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。本発明に係る圧電駆動装置は、例えば、モーター、ロボット(電子部品搬送装置(ICハンドラー)も含む)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置の紙送り機構等の各種の機器における駆動装置として用いることができる。以下、代表的な実施の形態について説明する。以下では、本発明に係る圧電駆動装置として、圧電駆動装置1000を含む装置について説明する。
2.1.モーター
図14は、上述の圧電駆動装置1000を用いたモーター1001を模式的に示す図である。モーター1001に使用される圧電駆動装置1000は上で説明したと同様であり、詳細な説明は省略する。図14においては、圧電駆動装置1000の詳細な構成は省略して描かれている。なお、図14に描かれる圧電駆動装置1000は、振動ユニット100が厚さ方向(図の奥行き方向)に複数積層されたものであり、突起部18を含めて全ての構成は重なっている。
モーター1001では、振動ユニット100の固定部112に対応する圧電駆動装置1000の部分は、孔11を貫通するネジ22によって固定されている。圧電駆動装置1000は、図14に示すように、ローター(被駆動体)2と、突起部18において接触されている。ローター2は、圧電駆動装置1000によって回転される。ローター2は、円柱形状であり、中心軸Rにおいて回転自在に設けられ、側面に圧電駆動装置1000の複数の突起部18が付勢されて接触している。
突起部18は、ローター2に接触し、振動板10の動きをローター2に伝える部材である。圧電駆動装置1000に適宜の脈流電圧を印加することにより超音波振動させて、突起部18に接触するローター(被駆動体)2を所定の回転方向に回転させることができる。また、各圧電素子への脈流電圧の大きさや位相を変化させることにより、突起部18に接触するローター2を逆方向に回転させることが可能である。
本実施形態のモーター1001は、上述した圧電駆動装置1000を含むため、圧電駆動装置1000が破損しにくく、信頼性が高い。
2.2.ロボット
図15は、圧電駆動装置1000を利用したロボット2050を説明するための図である。ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動又は屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020と、を備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。
それぞれの関節部2020には、圧電駆動装置1000が内蔵されており、圧電駆動装置1000を用いて関節部2020を任意の角度だけ回動又は屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド2000が接続されている。ロボットハ
ンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動装置1000が内蔵されており、圧電駆動装置1000を用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動装置1000が設けられており、圧電駆動装置1000を用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。
図16は、図15に示したロボット2050の手首部分を説明するための図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動装置1000を備えており、圧電駆動装置1000は、手首のリンク部2012及びロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動装置1000が搭載されている。このため、圧電駆動装置1000を動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。なお、ロボットとしては、単腕のロボットに限らず、腕の数が2以上の多腕ロボットにも圧電駆動装置1000を適用可能である。
本実施形態のロボット2050及びロボットハンド2000は、上述した圧電駆動装置1000を含むため、圧電駆動装置1000が破損しにくく、信頼性が高い。
2.3.ポンプ
図17は、圧電駆動装置1000を利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明するための図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動装置1000と、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219と、が設けられている。
リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動装置1000の突起部18は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動装置1000がローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213から2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213から2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213から2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、ごく僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。
なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投与する投薬装置などに活用できる。以上のように圧電駆動装置1000を用いることにより、圧電駆動装置1000が破損しにくく、信頼性の高い送液ポンプ2200を実現できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施
形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…ローター10…振動板、11…孔、12…固定部、14…振動部、16…接続部、18…突起部、22…ネジ、32…第1電極、34…第1圧電体層、36…第2電極、42…第3電極、44…第2圧電体層、46…第4電極、50…配線層、52…ビア、54,56,58…インダクター、60…絶縁層、70…駆動回路、72…駆動電圧発生回路、100,101,102,103,104…振動ユニット、1000…圧電駆動装置、1001…モーター、2000…ロボットハンド、2003…把持部、2010…アーム、2012…リンク部、2020…関節部、2050…ロボット、2200…送液ポンプ、2202…カム、2202A…突起部、2211…リザーバー、2212…チューブ、2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219…フィンガー、2222…ローター、2223…減速伝達機構、2230…ケース、R…中心軸、A…音響素子、E…電気素子

Claims (10)

  1. 複数の振動ユニットを含む圧電駆動装置であって、
    前記振動ユニットは、
    固定部と、振動部と、前記固定部及び前記振動部を接続する接続部と、を有する振動板と、
    前記振動部の上方に設けられた第1電極と、
    前記第1電極の上方に設けられた第1圧電体層と、
    前記第1圧電体層の上方に設けられた第2電極と、
    前記固定部の上方に設けられた第3電極と、
    前記第3電極の上方に設けられた第2圧電体層と、
    前記第2圧電体層の上方に設けられた第4電極と、
    を含み、
    前記第1電極、前記第1圧電体層及び前記第2電極が圧電素子を構成し、
    前記振動ユニットが、前記振動板の板面に垂直な方向に重なるように配置されている、圧電駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記振動ユニットは、
    前記第2電極及び前記第4電極の上方に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層の上方に設けられた配線層と、
    を含み、
    前記第2電極及び前記第4電極の少なくとも一つが、前記配線層に電気的に接続されている、圧電駆動装置。
  3. 請求項2において、
    隣り合って配置された前記振動ユニットの前記配線層が互いに電気的に接続されてインダクターを構成している、圧電駆動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記第3電極、前記第2圧電体層及び前記第4電極が、キャパシターを構成している、圧電駆動装置。
  5. 請求項4において、
    前記キャパシターは、前記振動ユニットの電源からみて、前記圧電素子と電気的に並列に接続されている、圧電駆動装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記配線層がインダクターを構成している、圧電駆動装置。
  7. 請求項6において、
    前記インダクターは、前記振動ユニットの電源からみて、前記圧電素子と電気的に並列に接続されている、圧電駆動装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の圧電駆動装置と、
    前記圧電駆動装置によって回転されるローターと、
    を含む、モーター。
  9. 複数のリンク部と、
    複数の前記リンク部を接続する関節部と、
    複数の前記リンク部を前記関節部で回動させる請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の圧電駆動装置と、
    を含む、ロボット。
  10. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の圧電駆動装置と、
    液体を輸送するチューブと、
    前記圧電駆動装置の駆動によって前記チューブを閉塞する複数のフィンガーと、
    を含む、ポンプ。
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