JP2017139831A - 圧電アクチュエーター、積層アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、ハンド、及び送液ポンプ - Google Patents

圧電アクチュエーター、積層アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、ハンド、及び送液ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力を減少できる圧電アクチュエーター、積層アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、ハンド、及び送液ポンプを提供する。【解決手段】圧電アクチュエーターは、基板10と、基板10に設けられている圧電素子32と、基板10に設けられ、圧電素子32と電気的に接続されているインダクター54と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、圧電アクチュエーター、積層アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、ハンド、及び送液ポンプに関するものである。
圧電アクチュエーターは交流電圧又は脈流電圧が印加されることで圧電素子が振動する。その時、圧電素子は容量成分が大きく電気回路としてはコンデンサーとして動作する。そのため、インダクターや調整用のキャパシター(合わせて共振用デバイス)を並列や直列につけることで圧電アクチュエーターと電気的に共振させ、消費電流を減らしたり、電圧を調整したりする。
例えば、回路基板を貫通して圧電素子の電極に当接するように延伸し、ハンダ又は導電性接着剤によって接続されて、圧電素子に駆動電圧を印加する電極ピンを有する振動型方式の駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−207004号公報
しかしながら、特許文献1では圧電素子とインダクターとの間の距離があるため、圧電素子とインダクターとの間の寄生抵抗が大きくなり消費電流を低減することが困難である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る圧電アクチュエーターは、基板と、前記基板に設けられている圧電素子と、前記基板に設けられ、前記圧電素子と導電可能に接続されているインダクターと、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、圧電素子とインダクターとが同じ基板に設けることができる。これにより、圧電素子とインダクターとの配線距離が短くなるので寄生抵抗を小さくできる。その結果、圧電アクチュエーターの消費電力を減少できる。
[適用例2]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記インダクターは、前記基板の前記圧電素子が設けられている面と、前記基板の前記圧電素子が設けられていない面と、のうち少なくともどちらか一方の面に設けられていることが好ましい。
インダクターに電流を流すと周りに磁場が発生する。生じる磁束は外部に放射され、その分がエネルギーのロスになる。インダクター同士を非常に近傍にするとこの外部に放射された磁束が互いに干渉しあい、所望の特性が得られなくなる。このように、インダクターは外部から放射された磁束に特性が左右され、また近傍の部品に影響を与える可能性がある。
本適用例によれば、インダクター同士の干渉を減らすことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記基板は、シリコンであって、かつ前記圧電素子との間に絶縁膜を有することが好ましい。
本適用例によれば、圧電素子はシリコン基板に圧電セラミックスが膜状に形成されたものである。そのため、圧電素子に印加する電圧を低下させることができる。また、圧電素子を容易に形成することができる。例えば、1μmから数μmの薄膜を形成する場合にはスパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を、10μmから数十μmの厚膜を形成する場合にはスクリーン印刷法を用いることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記基板は、振動部と、前記振動部を支持する支持部と、を有し、前記インダクターは、前記支持部に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、支持部に実装することで圧電アクチュエーターの駆動への影響を減らすことができる。
[適用例5]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記振動部と前記支持部とに設けられている配線層を有し、前記配線層は、前記圧電素子と前記インダクターとを導電可能に接続していることが好ましい。
本適用例によれば、直接実装することで配線抵抗を最小にできる。
[適用例6]本適用例に係る積層アクチュエーターは、上記のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーターが積層されていることを特徴とする。
本適用例によれば、積層アクチュエーターの駆動力を大きくできる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、圧電アクチュエーター、積層アクチュエーターの他、圧電アクチュエーター又は積層アクチュエーターを備える圧電モーター、圧電アクチュエーターを備えるロボット、ハンド、送液ポンプ等様々な形態で実現することができる。
本実施形態の振動ユニットを模式的に示す平面図。 本実施形態の振動ユニットの振動板を模式的に示す平面図。 本実施形態の振動ユニットを模式的に示す図1のIII−III線断面図。 本実施形態の振動ユニットを模式的に示す図1のIV−IV線断面図。 本実施形態の振動ユニットを平面的に見た模式図及び駆動回路の概念図。 本実施形態の振動ユニットを平面的に見た模式図及び駆動回路の概念図。 本実施例の電力損失を示す説明図。 本実施形態の圧電駆動装置の断面の模式図。 本実施形態の圧電駆動装置の断面の模式図。 本実施例のインダクターの配置位置を示す説明図。 本実施形態の圧電駆動装置を用いたモーターを模式的に示す図。 本実施形態の圧電駆動装置を利用したロボットを説明するための図。 本実施形態のロボットの手首部分を説明するための図。 本実施形態の圧電駆動装置を利用した送液ポンプの一例を示す説明するための図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
(圧電駆動装置)
本実施形態の圧電駆動装置(積層アクチュエーター)は、複数の振動ユニット(圧電アクチュエーター)を含む。そして、圧電駆動装置は、振動ユニットが重なるように配置されて構成されている。以下、振動ユニットについて説明した後、振動ユニットの厚さ及び配置等について説明する。
(振動ユニット)
まず、本実施形態に係る圧電駆動装置の振動ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の振動ユニット100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態の振動ユニット100の振動板(基板)10を模式的に示す平面図である。
本実施形態の振動ユニット100は、図1に示すように、振動板10と、第1電極32と、第1圧電体層34と、第2電極36と、第3電極42と、第2圧電体層44と、第4電極46と、を含む。
(振動板)
振動板10は、図2に示すように、支持部12と、振動部14と、接続部16と、突起部18と、を含む。振動板10は、平板状の形状を有している。振動板10の振動部14は、長手方向と、長手方向と直交する短手方向と、を有する形状である。図示の例では、振動板10の振動部14の平面形状は、長方形である。長手方向は、長辺が延びる方向であり、短手方向は、短辺が延びる方向である。振動部14には、後述する圧電素子(第1電極32、第1圧電体層34、及び第2電極36の積層構造)が設けられ、該圧電素子が駆動することによって変形及び振動することができる。振動部14の平面的な形状は、図示の例では矩形形状であるが、特に限定されない。また、振動部14の大きさや厚さも特に限定されない。
振動板10の長手方向の一方の端には、突起部18が設けられている。突起部18は、振動部14と一体的に設けられてもよいし、別体として形成され、これを接着剤等によって振動部14に接着して設けられてもよい。突起部18は、例えば、図示せぬローター(後述)に当接し、突起部18が平面視において円ないし楕円の軌跡を描いて運動することによって、ローターを回転させることができる。このような突起部18の運動は、振動部14が伸縮振動及び屈曲振動することによって実現される。振動部14の振動の態様は任意であるが、振動部14に設けられる圧電素子によって実現される。振動板10と圧電素子との間には絶縁膜が設けられている。突起部18の材質は、例えば、セラミックス(具体的にはアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N)など)である。
一方、振動板10は、支持部12を有している。支持部12は、振動ユニット100を他の部材に固定するための部位である。本実施形態の圧電駆動装置は複数の振動ユニット100を含むが、支持部12は、各々の振動ユニット100の振動板10に設けられる。支持部12は、振動ユニット100と他の振動ユニット100を重ねて固定するために利用することもできる。
図示の例では、支持部12は、平面視において、振動部14の短手方向の両側にそれぞれ設けられている。支持部12の設けられる位置や数は特に限定されない。支持部12の大きさも特に限定されず、例えば、振動部14の振動が阻害されない範囲で、振動部14よりも大きくても小さくてもよい。
図示の例では、各支持部12には、ネジ止め等に適するように形成された孔11がそれぞれ3個ずつ形成されている。孔11は、振動板10を貫通する貫通孔である。孔11は、複数の振動ユニット100を互いに固定するために用いられてもよいし、孔11を利用して、圧電駆動装置となった際に振動ユニット100の組を他の部材に固定するために用いられてもよい。なお、図示の例では、支持部12に孔11が形成された態様を例示しているが、他の手段や構成(例えば、狭持部材(クリップ等))により、複数の振動ユニット100を互いに固定したり、振動ユニット100の組を他の部材に固定したりすることができるならば、孔11は必ずしも必要でない。
振動板10の支持部12によって、振動ユニット100が固定されるが、振動板10が固定されることにより、振動ユニット100の支持部12に対応する部分(以下、振動ユニット100において支持部12と符号を付す。)が固定される。また、本実施形態の振動ユニット100の振動板10の支持部12には、第3電極42と、第2圧電体層44と、第4電極46とが形成される。このような構成は、孔11を避けて形成されてもよい(図1参照)。また、絶縁性等に配慮しながら孔11が係る構成を貫通するように配置してもよい。
振動板10には、支持部12と振動部14とを接続する接続部16が形成されている。接続部16は、支持部12が振動部14を支持するように設けられる。接続部16は、振動部14を支持するが、振動部14の振動(動作)を阻害しないように設けられることが好ましい。例えば、接続部16は、振動部14が振動される際の振動の節の近傍に設けられる。また、例えば、図示のように、接続部16は、振動部14よりも細く機械的強度が小さくなるように形成される。しかし、振動部14は、例えば、ローター等に押し付けられるため、接続部16は、そのような付勢力によって破損しない程度の強度を有するように設計される。
接続部16は、図示の例では、1つの振動部14から、2つの支持部12に対して、それぞれ3本ずつ延びるように形成されている。接続部16の設けられる位置、個数、形状等は、限定されず、圧電駆動装置の用途に応じて適宜設計され得る。
振動板10は、例えば、シリコン基板である。振動板10の材質は、シリコン、金属、酸化物、窒化物等であってもよく、また、それらの積層体や複合材料であってもよい。これによれば、圧電素子はシリコン基板に圧電セラミックスが膜状に形成されたものである。そのため、圧電素子に印加する電圧を低下させることができる。また、圧電素子を容易に形成することができる。例えば、1μmから数μmの薄膜を形成する場合にはスパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を、10μmから数十μmの厚膜を形成する場合にはスクリーン印刷法を用いることができる。振動板10には、導電体(電極等)、誘電体、圧電体、絶縁体等として機能する層が適宜に設けられることができる。またこれらの層は、振動板10の全面に設けられてもよいし、振動板10の両面に設けられてもよい。
振動板10には、導電体(電極等)、誘電体、圧電体、絶縁体等の層が形成される。振動板10の厚さは均一である必要はない。例えば、振動板10の接続部16の厚さは、振動部14や支持部12の厚さより小さくてもよい。また、振動板10の特定の部分が他の部分の厚さと異なってもよい。このような構造は、例えば、振動板10がシリコン基板で形成される場合には比較的容易に形成することができる。ただし、詳細は後述するが、少なくとも振動ユニット100が形成された状態で、振動板10の支持部12に相当する部分(支持部12)の振動ユニット100の厚さが、振動部14に相当する部分(以下、振動ユニット100において振動部14と符号を付す。)の振動ユニット100の厚さと同じであることが好ましい。
なお、本明細書において、「同じ」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、及び、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。したがって、「一方の厚さと他方の厚さが同じである」という表現は、測定誤差を考慮し、両者の厚さの差が、一方の厚さの±20%以内、好ましくは±15%以内、より好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内であることを指す。
(第1電極)
図3は、本実施形態の振動ユニット100を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。図4は、本実施形態の振動ユニット100を模式的に示す図1のIV−IV線断面図である。
第1電極32は、振動板10の振動部14の上方に設けられる。第1電極32と振動板10との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第1電極32は、振動部14の全面に形成されてもよいし、振動部14の一部に形成されてもよい。図1に示す例では、第1電極32は、振動板10の振動部14及び接続部16の上方に全面的に形成されている。また、図1に示す例では、第1電極32は、第3電極42(後述)と一体的に形成されている。このように、第1電極32は、第3電極42と電気的に接続されてもよい。
なお、図1では、第1圧電体層34及び第2圧電体層44、並びに、第2電極36及び第4電極46よりも上方に位置する部材は省略して描かれている。
第1電極32の振動部14に設けられた領域の一部又は全部は、第2電極36と対向して配置され、当該部分において、圧電素子の一方の電極として機能する。第1電極32は、金属、合金、導電性酸化物等の導電性を有する材質で形成される。
第1電極32の厚さは、例えば、10nm以上1μm以下、好ましくは20nm以上800nm以下、より好ましくは30nm以上500nm以下、さらに好ましくは50nm以上300nm以下である。
第1電極32は、例えば、イリジウム層と、イリジウム層上に設けられた白金層と、によって構成されていてもよい。この場合には、イリジウム層の厚さは、例えば、5nm以上100nm以下である。また白金層の厚さは、例えば、50nm以上300nm以下である。
なお、第1電極32の材質としては、例えば、ニッケル、イリジウム、白金、Ti、Ta、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Cuなどの各種の金属、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物(SrRuOx:SRO)、ランタンとニッケルの複合酸化物(LaNiOx:LNO)などを例示することができる。第1電極32は、例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。また、例示はしないが、第1電極32は、半導体製造等における定法により、エッチングやパターニングを行うことができる。
(第1圧電体層)
第1圧電体層34は、振動板10の振動部14の上方の第1電極32の上方に設けられる。第1電極32と第1圧電体層34との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。ここで密着層を設ける場合の密着層の材質としては、例えば、TiW層、Ti層、Cr層、NiCr層や、これらの積層体である。第1圧電体層34は、第1電極32と第2電極36との間に位置する。
第1圧電体層34は、第1電極32の全面の上方に形成されてもよいし、一部の上方に形成されてもよい。また、第1圧電体層34は、第1電極32が形成されていない振動板10の上方に形成されてもよい。図1、図3、及び図4に示すように、振動板10の振動部14の第1電極32の上方に設けられている。また、第1圧電体層34は、接続部16の上方に設けられてもよいが、接続部16に圧電素子が構成される場合には、振動部14の振動を考慮して設けることが好ましい。さらに、第1圧電体層34が接続部16の上方に設けられる場合であって、圧電素子を構成しない場合には、接続部16の剛性が高くなりすぎないように、振動板10の接続部16の厚さや第1圧電体層34の厚さを考慮して設けることが好ましい。
図1、図3、及び図4に示す例では、第1圧電体層34は、パターニングされており、圧電素子が構成されない部分において、除去されている。第1圧電体層34は、第2圧電体層44と同じ工程で形成されることができる。また、図示しないが第1圧電体層34と第2圧電体層44とは、一体的に形成されてもよい。
第1圧電体層34は、第1電極32及び第2電極36に挟まれた部分において圧電素子を構成し、両電極から電圧が印加されることによって電気機械変換の作用によって変形することができる。
第1圧電体層34の厚さは、例えば、50nm以上20μm以下であり、好ましくは、1μm以上7μm以下である。したがって、第1電極32、第1圧電体層34、及び第2電極36が重なって配置されて構成される圧電素子は、薄膜圧電素子である。第1圧電体層34の厚さがこの範囲であれば、振動ユニット100の出力を十分に得ることができ、第1圧電体層34への印加電圧を高くしても絶縁破壊を起こしにくい。また、第1圧電体層34の厚さがこの範囲であれば、第1圧電体層34にクラックを生じにくい。
第1圧電体層34の材質としては、ペロブスカイト型酸化物の圧電材料が挙げられる。より具体的には、第1圧電体層34の材質は、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物(例えば、Aは、Pbを含み、Bは、Zr及びTiを含む。)が好適である。このような材料の具体例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)(以下これを「PZT」と略記することがある)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)(以下これを「PZTN」と略記することがある。)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などが挙げられる。これらのうち、第1圧電体層34の材質としてPZT及びPZTNは、圧電特性が良好であるため特に好適である。また、例示はしないが、第1圧電体層34は、半導体製造等における定法によりエッチングやパターニングを行うことができる。
(第2電極)
第2電極36は、第1圧電体層34の上方に設けられる。第2電極36と第1圧電体層34との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。ここで密着層を設ける場合の密着層の材質としては、例えば、TiW層、Ti層、Cr層、NiCr層や、これらの積層体である。
第2電極36の振動部14に設けられた領域の一部又は全部は、第1電極32と対向して配置され、当該部分において、圧電素子の一方の電極として機能する。
第2電極36は、第1電極32及び第1圧電体層34と組となって、圧電素子を形成できる限り、振動部14の全面に形成されてもよい。すなわち、第1電極32がパターニングされていれば、第2電極36が振動部14の全面に形成されても所定の圧電素子の組を構成することができる。すなわち、図示の例では、第1電極32が複数の圧電素子の共通電極となっており、第2電極36が複数の圧電素子の個別電極となっているが、第2電極36が複数の圧電素子の共通電極となり、第1電極32が複数の圧電素子の個別電極となっていてもよい。また、第2電極36は、第4電極46と電気的に接続されてもよい。第2電極36の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。第2電極36は、例えば、Cu層、Au層、Al層やこれらの積層体である。
(圧電素子)
上述のように、第1電極32、第1圧電体層34、及び第2電極36の組によって、振動板10の振動部14の上方に圧電素子が構成されるが、係る圧電素子の形状、数、配置等は、振動部14が所定の振動を生じ得る限り任意である。図示の例では、圧電素子は、振動部14の上方に5つ形成されている。そして図示しない配線により、適宜の電圧がそれぞれの圧電素子の電極に印加されることにより、振動ユニット100を屈曲振動させたり伸縮振動させたりすることができる。
(第3電極)
振動ユニット100は、支持部12に第3電極42を有している。第3電極42は、振動板10の支持部12の上方に設けられる。第3電極42と振動板10との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第3電極42は、支持部12の全面に形成されてもよいし、支持部12の一部に形成されてもよい。図1に示す例では、第3電極42は、振動板10の支持部12の上方に形成されている。また、図1に示す例では、第3電極42は、第1電極32と一体的に形成されている。このように、第3電極42は、第1電極32と電気的に接続されてもよい。
第3電極42の支持部12に設けられた領域の一部又は全部は、第4電極46と対向して配置される。第3電極42は、金属、合金、導電性酸化物等の導電性を有する材質で形成される。第3電極42の厚さ及び材質は、例えば、第1電極32と同様とすることができる。
(第2圧電体層)
振動ユニット100は、支持部12に第2圧電体層44を有している。第2圧電体層44は、振動板10の支持部12の上方の第3電極42の上方に設けられる。第3電極42と第2圧電体層44との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。第2圧電体層44は、第3電極42と第4電極46との間に位置する。
第2圧電体層44は、第3電極42の全面の上方に形成されてもよいし、一部の上方に形成されてもよい。また、第2圧電体層44は、第3電極42が形成されていない振動板10の上方に形成されてもよい。図1、図4に示すように、振動板10の支持部12の第3電極42の上方に設けられている。また、第2圧電体層44は、第1圧電体層34が接続部16の上方に設けられている場合には、第1圧電体層34と一体的であってもよい。
図1、図4に示す例では、第2圧電体層44は、パターニングされており、キャパシターが構成されない部分において、除去されている。第2圧電体層44は、第1圧電体層34と同じ工程で形成されることもできる。第2圧電体層44の厚さ及び材質は、第1圧電体層34と同様である。
(第4電極)
振動ユニット100は、支持部12に第4電極46を有している。第4電極46は、第2圧電体層44の上方に設けられる。第4電極46と第2圧電体層44との間には、例えば、密着、結晶制御、配向制御、絶縁等の機能を有する層が形成されてもよい。
第4電極46は、支持部12の全面に形成されてもよい。第4電極46の支持部12に設けられた領域の一部又は全部は、第3電極42と対向して配置されている。第4電極46の厚さ及び材質は、第2電極36と同様とすることができる。
(配線層)
本実施形態の振動ユニット100は、第2電極36及び第4電極46の上方に設けられた配線層50を含む。配線層50は、絶縁層60(後述)の上方に設けられる。配線層50は、下方に位置する絶縁層60や圧電体層にコンタクトホールを設けることによって、その下方に位置する導電体(電極等)と電気的に接続することができる。
配線層50は振動部14と支持部12とに設けられている。配線層50は、圧電素子とインダクター54(後述)とを電気的に接続(導電可能に接続)している。
配線層50は、第2電極36及び第4電極46の少なくとも一つと電気的に接続される。また、配線層50は、第1電極32、第3電極42に接続されてもよい。配線層50は、適宜にパターニングされて配線を構成することができる。例えば、配線層50は、配線を形成することができ、また、図示しないパッド(外部に接続するための端子)等を形成してもよい。
配線層50の厚さは、例えば、50nm以上10μm以下、好ましくは100nm以上5μm以下、より好ましくは200nm以上3μm以下であり、この程度の厚さを有すれば、十分な導電性を確保することができる。
さらに、図3に示すように、配線層50は、個々の第2電極36上方に、第2電極36を覆うように形成されてもよい。図3に示す例では、配線層50は、第2電極36に対して、複数のコンタクトホールに形成されたビア52を介して電気的に接続されている。このようにすれば、第2電極36の導電性を配線層50によって補うことができる。また、このようにすることにより、第2電極36とともに、配線層50が圧電素子の一方の電極として機能することができる。このようにすれば、配線層50の導電性が良好なため、圧電素子の電気機械変換効率を高めることができ、振動ユニット100の信頼性を高めることができる。
配線層50の材質は、特に限定されず、例えば、ニッケル、イリジウム、白金、Ti、Ta、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Cuなどなどの各種の金属、それらの合金等の導電性の材料により形成される。また、例示はしないが、配線層50は、半導体製造等における定法により、エッチングやパターニングを行うことができる。また、配線層50の下方にコンタクトホールを形成し、ビア52を形成して下方の導電体と電気的に接続すること等も、半導体製造等における定法を利用して行うことができる。
配線層50は、複数層設けることができ、例えば多層配線を構成してもよい。また、配線層50を多層配線とするために、下記の絶縁層60を複数層形成してもよい。
(インダクター)
図5及び図6は、それぞれ実施形態の振動ユニット101及び振動ユニット102を平面的に見た模式図及び駆動回路70の概念図である。
図5及び図6では、第2電極36及び第4電極46よりも上方に位置する構成は省略され、配線層50によって形成される配線については、線画によって模式的に描かれている。また、図5及び図6の振動ユニット101及び振動ユニット102は、上述の振動ユニット100と同様に突起部18及び孔11が形成されてもよいが、図5及び図6では説明の便利のために省略されている。
本実施形態のインダクター54は圧電素子と同一基板に配置されている。振動板10にはインダクター54が配置されている。圧電素子とインダクター54とは配線層50を介して電気的に繋がっている(導電可能に接続されている)。これによれば、インダクター54を圧電素子と同一基板に実装することで圧電素子とインダクター54との間の配線抵抗を最小にできる。
インダクター54は、振動板10の振動部14と、振動板10の支持部12と、のうち少なくともどちらか一方に設けられている。インダクター54は振動板10の振動部14に設けられていてもよい。インダクター54は、振動板10の支持部12に設けられていてもよい。これによれば、支持部12に実装することで振動ユニットの駆動への影響を減らすことができる。
インダクター54は、振動板10の圧電素子が設けられている面に設けられていてもよい。インダクター54は、振動板10の圧電素子が設けられていない面に設けられていてもよい。インダクター54は、振動板10の側面に設けられていてもよい。これによれば、インダクター54同士の干渉を減らすことができる。
図5に示す振動ユニット101では、配線層50がパターニングされ、複数のインダクター54が形成されている。図5の例では、インダクター54は、チップインダクター(チップコイル)である。また、詳細は図示しないが、導線の両端が配線(多層配線)や電極に接続されて、回路の一部を構成している。
図5に示す振動ユニット101では、インダクター54は、3つ形成され、いずれも振動部14に形成されている。しかし、図6に示す振動ユニット102のように、支持部12に形成されてもよい。さらに、図示しないが、インダクター54は、振動部14及び支持部12の両方に形成されてもよい。また、形成されるインダクター54の個数も任意である。
インダクター54の大きさや形状は、任意であり、所定の回路構成に適するように設計され得る。また、渦巻き形状のインダクター54は、例えば、第1電極32が形成される層にも形成され得る。しかし、インダクター54は、配線抵抗を小さくできるため、配線層50に形成されることがより好ましい。この場合にもインダクター54は、支持部12及び振動部14のいずれに形成されてもよい。
インダクター54は、例えば、コイルである。コイルとしては、特に限定されず、電気伝導体の巻線が挙げられる。巻線の態様についても適宜に設計され得る。
本実施形態の振動ユニット100は、配線層50を有する場合、配線層50を用いてインダクター54を構成してもよい。インダクター54は、配線層50の他に、上述の各電極や、他の導電層を形成してこれを構成してもよい。
駆動回路70は、少なくとも駆動電圧発生回路72を有している。図示の例では、互いに接続された第1電極32及び第3電極42が接地電位となっており、駆動電圧発生回路72に、各圧電素子及びキャパシターに適宜に接続されている。駆動回路70は、所定の電極間に周期的に変化する交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、振動ユニットを超音波振動させる。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、その電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。
さらに、図5及び図6に示す各振動ユニットは、振動部14、支持部12、及び接続部16の全面に圧電体の層が形成され、第1圧電体層34及び第2圧電体層44は、第2電極36及び第4電極46と、第1電極32及び第3電極42と、によって挟まれた領域に存在するものとする。さらに、第1電極32及び第3電極42は、振動板10の上方に全面的に設けられておらず、平面視における両者の輪郭は、振動板10の輪郭よりも小さくなっている。その他の構成については、上述の振動ユニット100と同様であり、同様の符号を付して説明を省略する。
(実施例1)
図7は、本実施例の電力損失を示す説明図である。
本実施例では、圧電素子に流れる電流をI、圧電素子(からインダクター54)までの経路抵抗をR1、圧電素子の内抵抗をR2、とする。各抵抗による電力損失をWとすると、
W=I2×(R1+R2)=I2×R1+I2×R2となる。
上式から振動板10上にインダクター54を置いた場合、経路抵抗R1をほぼゼロとみなせるので電力損失はI2×R2のみとなる。
例えば、電流Iを1A、経路抵抗R1を2Ω、内抵抗R2を1Ωとすると、経路抵抗R1がある場合の電力損失は、図7の「従来」に示すように3Wになるが、振動板10上にインダクター54を置いた場合の電力損失は、図7の「実施例」に示すように1Wに減少させることができる。
(絶縁層)
絶縁層60は、図3及び図4に示すように、少なくとも第2電極36及び第4電極46の上方に設けられる。絶縁層60は、各電極と配線層50の間に設けられてもよい。さらに、絶縁層60は、電極や配線を絶縁する機能を有する。また、絶縁層60は、配線層50の上方に設けられてもよい。配線層50の上方に絶縁層60が形成されると、例えば、隣接する振動ユニット100の振動板10が導電性である場合などに、隣接する振動ユニット100間を絶縁することができる。
絶縁層60は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の酸化物絶縁体であり、半導体製造等における定法を利用して形成することができる。また、絶縁層60には、所定の位置にコンタクトホールを形成することができ、半導体製造等における定法を利用してビアを形成することにより所定の配線の接続を行うことができる。
図1、図3に示す例では、配線層50は、1つの振動ユニット100に対して1層が形成されているが、所定の配線を形成するために複数の配線層50が形成されてもよい。また、図1〜図4の例では、振動板10の片側の主面に圧電素子やインダクターが設けられているが、振動板10の両方の主面に上述した構成が設けられてもよい。
本実施形態によれば、圧電素子とインダクター54とが同じ振動板10に設けることができる。これにより、圧電素子とインダクター54との配線距離が短くなるので寄生抵抗を小さくできる。その結果、振動ユニット100の消費電力を減少できる。
(圧電駆動装置)
図8、図9は、本実施形態の圧電駆動装置(積層アクチュエーター)1000の断面の模式図である。図8、図9は、それぞれ図3、図4に示す振動ユニット100の断面に対応する位置の断面である。
本実施形態の振動ユニット100は、圧電駆動装置1000とする際に、図8、図9に示すように、振動板10の板面に垂直な方向に、複数個、重なるように配置される。すなわち、振動ユニット100は、圧電駆動装置1000とする際に、平面視において、複数個、重なるように配置される。図示の例では、振動ユニット100が3個、重なるように配置されている。これによれば、圧電駆動装置1000の駆動力を大きくできる。
振動ユニット100が重ねられる個数は、特に限定されず、圧電駆動装置1000の駆動力(出力)や、用途に応じて適宜に設定される。振動ユニット100が重ねて配置される態様についても、特に限定されないが、例えば、図示のように、各振動ユニット100の支持部12が互いに重なるように配置されることができる。
振動ユニット100を重ねて配置する手法は特に限定されず、例えば、振動ユニット100の孔11に対して、共通するネジを挿入して機械的に固定する方法、複数の振動ユニット100間を接着剤等により接着する方法、複数の振動ユニット100間を熱圧着する方法などを例示できる。さらに、複数の振動ユニット100間を接着する場合には、少なくとも振動ユニット100の支持部12が接着されれば十分であるが、振動ユニット100の振動部14が接着されてもよい。また、振動ユニット100の接続部16が接着されてもよいが、この場合には振動部14の振動を阻害しないようにすることが好ましい。
図10は、本実施例のインダクターの配置位置を示す説明図である。
インダクター54は、図10の矢印Aに示すように、振動板10の支持部12に設けられていてもよい。インダクター54は、図10の矢印Bに示すように、振動板10の側面に設けられていてもよい。
(圧電駆動装置を用いた装置)
本発明に係る圧電駆動装置は、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。本発明に係る圧電駆動装置は、例えば、モーター、ロボット(電子部品搬送装置(ICハンドラー)も含む)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置の紙送り機構等の各種の機器における駆動装置として用いることができる。以下、代表的な実施の形態について説明する。以下では、本発明に係る圧電駆動装置として、圧電駆動装置1000を含む装置について説明する。
(モーター)
図11は、本実施形態の圧電駆動装置1000を用いたモーター(圧電モーター)1001を模式的に示す図である。モーター1001に使用される圧電駆動装置1000は上で説明したと同様であり、詳細な説明は省略する。図11においては、圧電駆動装置1000の詳細な構成は省略して描かれている。なお、図11に描かれる圧電駆動装置1000は、振動ユニット100が厚さ方向(図の奥行き方向)に複数積層されたものであり、突起部18を含めて全ての構成は重なっている。
モーター1001では、振動ユニット100の支持部12に対応する圧電駆動装置1000の部分は、孔11を貫通するネジ22によって固定されている。圧電駆動装置1000は、図11に示すように、ローター(被駆動体)2と、突起部18において接触されている。ローター2は、圧電駆動装置1000によって回転される。ローター2は、円柱形状であり、中心軸Rにおいて回転自在に設けられ、側面に圧電駆動装置1000の複数の突起部18が付勢されて接触している。
突起部18は、ローター2に接触し、振動板10の動きをローター2に伝える部材である。圧電駆動装置1000に適宜の脈流電圧を印加することにより超音波振動させて、突起部18に接触するローター(被駆動体)2を所定の回転方向に回転させることができる。また、各圧電素子への脈流電圧の大きさや位相を変化させることにより、突起部18に接触するローター2を逆方向に回転させることが可能である。
本実施形態のモーター1001は、上述した圧電駆動装置1000を含むため、消費電力を減少できる。
(ロボット)
図12は、本実施形態の圧電駆動装置1000を利用したロボット2050を説明するための図である。ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動又は屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020と、を備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。
それぞれの関節部2020には、圧電駆動装置1000が内蔵されており、圧電駆動装置1000を用いて関節部2020を任意の角度だけ回動又は屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド(ハンド)2000が接続されている。ロボットハンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動装置1000が内蔵されており、圧電駆動装置1000を用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動装置1000が設けられており、圧電駆動装置1000を用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。
図13は、図12に示した本実施形態のロボット2050の手首部分を説明するための図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動装置1000を備えており、圧電駆動装置1000は、手首のリンク部2012及びロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動装置1000が搭載されている。このため、圧電駆動装置1000を動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。なお、ロボットとしては、単腕のロボットに限らず、腕の数が2以上の多腕ロボットにも圧電駆動装置1000を適用可能である。
本実施形態のロボット2050及びロボットハンド2000は、上述した圧電駆動装置1000を含むため、消費電力を減少できる。
(送液ポンプ)
図14は、本実施形態の圧電駆動装置1000を利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明するための図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動装置1000と、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219と、が設けられている。
リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動装置1000の突起部18は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動装置1000がローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213〜2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213〜2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213〜2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、ごく僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。
なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投与する投薬装置などに活用できる。以上のように圧電駆動装置1000を用いることにより、消費電力を減少できる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
(その他の変形例)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、圧電素子は、上述したような薄膜ではなく、バルクとしてもよい。バルクで形成する場合は、出発原料として、炭酸塩又は酸化物を使用する。例えば、K2CO3、Na2CO3、及びNb25などである。これらの出発原料を、化学量論比と一致するように秤取して、ボールミルを用いてエタノール中で湿式混合する。得られた混合物を乾燥した後、700℃で3h仮焼する。これら仮焼粉にバインダとしてPVAを適量加えて乳鉢を用いて粉砕混合し、150メッシュのふるいを通して粒度調整を行い、得られた粉体を一軸プレス装置で円板状のペレットに成形する。次に、成型したペレットと仮焼粉の残りをるつぼに入れ1100℃で3h焼成し、円板状の酸化物を得る。次いで、得られた円板状酸化物の両面を研磨して表面を整え、これに銀ペーストを塗布焼付けして銀電極を具備する圧電体を得ることができる。なお、このようなバルクの製造においては、出発原料として、炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、炭酸リチウムなどを挙げることができる。
また、上述した実施形態の圧電ユニットでは、インダクターを圧電駆動装置に一体的に設けてが、キャパシターも圧電駆動装置に一体的に設けて、これを利用してもよい。
このようにすれば、駆動回路に要するキャパシターやインダクターの少なくとも一部を圧電駆動装置に一体的に設けることができるため、これらを別体に設ける場合よりも全体としての空間利用効率を向上させることができる。また、キャパシターやインダクターの少なくとも一部を圧電駆動装置に一体的に設けることにより、配線の長さを小さくすることができ、配線抵抗によるエネルギーの損失を小さくすることができる。
さらに、上述した圧電駆動装置のように、圧電素子を構成する圧電体と同様の圧電体(誘電体)をスペーサーとするキャパシターを圧電駆動装置に一体に設ける場合には、圧電駆動装置の圧電素子の温度特性と、キャパシターの温度特性が同様となる。そして、圧電素子とキャパシターが空間的に近い位置に設けられることになる。そのため、圧電駆動装置が置かれた環境の温度の変化に対して、圧電素子及びキャパシターを、電気特性において同様に変化させることができる。これにより、例えば、環境温度の変化により共振周波数が変化した際の、駆動回路による周波数の調節範囲を小さくすることができる。したがって、環境温度の変化に対して安定性が良好で、かつより共振周波数の調節をより容易化することができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや組合せを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
2…ローター 10…振動板(基板) 11…孔 12…支持部 14…振動部 16…接続部 18…突起部 22…ネジ 32…第1電極(圧電素子) 34…第1圧電体層(圧電素子) 36…第2電極(圧電素子) 42…第3電極 44…第2圧電体層 46…第4電極 50…配線層 52…ビア 54…インダクター 60…絶縁層 70…駆動回路 72…駆動電圧発生回路 100,101,102…振動ユニット(圧電アクチュエーター) 1000…圧電駆動装置(積層アクチュエーター) 1001…モーター(圧電モーター) 2000…ロボットハンド(ハンド) 2003…把持部 2010…アーム 2012…リンク部 2020…関節部 2022…手首回動部 2050…ロボット 2200…送液ポンプ 2202…カム 2202A…突起部 2211…リザーバー 2212…チューブ 2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219…フィンガー 2222…ローター 2223…減速伝達機構 2230…ケース R…中心軸。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられている圧電素子と、
    前記基板に設けられ、前記圧電素子と導電可能に接続されているインダクターと、
    を有することを特徴とする圧電アクチュエーター。
  2. 前記インダクターは、前記基板の前記圧電素子が設けられている面と、前記基板の前記圧電素子が設けられていない面と、のうち少なくともどちらか一方の面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエーター。
  3. 前記基板は、シリコンであって、かつ前記圧電素子との間に絶縁膜を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電アクチュエーター。
  4. 前記基板は、振動部と、前記振動部を支持する支持部と、を有し、
    前記インダクターは、前記支持部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーター。
  5. 前記振動部と前記支持部とに設けられている配線層を有し、
    前記配線層は、前記圧電素子と前記インダクターとを導電可能に接続していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーター。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーターが積層されていることを特徴とする積層アクチュエーター。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーター、又は、請求項6に記載の積層アクチュエーターを備えることを特徴とする圧電モーター。
  8. 請求項7に記載の圧電アクチュエーターを備えることを特徴とするロボット。
  9. 請求項7に記載の圧電アクチュエーターを備えることを特徴とするハンド。
  10. 請求項7に記載の圧電アクチュエーターを備えることを特徴とする送液ポンプ。
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