JP2017069239A - 炭化珪素のエピタキシャル成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱CVD法によるSiC薄膜のエピタキシャル成長において、ドーピング密度の面内均一性を高めることができる方法を提供する。【解決手段】SiC単結晶基板へのエピタキシャル成長において、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、ジエチルシラン等のようなアルキルシランを原料ガスとして用いて、SiC単結晶基板表面に供給することを特徴とするSiCエピタキシャル成長方法である。【選択図】なし

Description

この発明は、炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶薄膜を成長させる炭化珪素のエピタキシャル成長方法に関するものである。
炭化珪素(以下、SiCと表記する)は、耐熱性及び機械的強度に優れ、物理的、化学的に安定なことから、耐環境性半導体材料として注目されている。また、近年、高周波高耐圧電子デバイス等の基板としてエピタキシャルSiCウェハの需要が高まっている。
SiC単結晶基板(以下、SiC基板という)を用いて、電力デバイスや高周波デバイス等を作製する場合には、通常、SiC基板上に熱化学蒸着法(以降、熱CVD法と呼ぶ)によってSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させたエピタキシャルSiCウェハを得るようにする。SiC基板上に更にSiCのエピタキシャル成長膜を形成する理由は、N型またはP型の不純物のドーピング密度を制御した層を使ってデバイス層を形成するためである。従って、ドーピング密度制御が不十分であると、デバイス特性が安定しないという問題が引き起こされる。
この熱CVD法を利用する際には、一般に、エピタキシャル装置の成長室内の基板ホルダー(以下、ホルダーと略す)上にSiC基板を1枚又は複数枚載せて、ホルダーを回転させながらSiC基板の直上に、例えばシランガスやクロロシランガス等の珪素原料ガスと、プロパンやメタン等の炭化水素ガスとを混合した原料ガスを水素等のキャリアガスと共に供給して、SiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる方法が採用されている(例えば非特許文献1参照)。その際SiC基板をホルダーに載せるために、ホルダー表面にSiC基板の厚さ相当の溝を形成しておき、その中にSiC基板を配置してSiC基板を固定搭載し、SiC基板に対して略水平となるように横から上記のような原料ガスを流すのが一般的である。
このような構成でSiC単結晶薄膜をSiC基板の表面にエピタキシャル成長させる場合、欠陥密度低減、バンチング低減、面内均一性改善等のエピタキシャルSiCウェハに求められる品質を改善するために、珪素原料ガスと炭素水素ガスの混合割合を変えて、カーボン原子とシリコン原子の数の比(C/Si比)を最適化することが一般的に行われ、圧力や成長温度等も勘案して、通常はC/Si比として1以外の数値が選ばれる。
一方、SiCをn型半導体として使う場合、ドーピングガスとして窒素を使うのが一般的だが、窒素はSiCのカーボンの位置に入るため、混合原料ガス中のC/Si比が小さいほど窒素が結晶構造に取り込まれやすくなる(site competitionと呼ばれる効果)ことが知られている。
C/Si比に1以外の数値を使う場合は、以下の理由からガス流れの上流側と下流側とで原料ガスのC/Si比が異なるため、窒素の取り込み効率がガスの上流と下流で変わるという事象が発生すると考えられる。
すなわち、C/Si比を1より小さくして供給した場合、カーボンとシリコンとが1:1で消費されてSiCとしてSiC基板に析出するため、ガスの流れの下流に行くに従って混合原料ガス中のカーボンの相対量が下がり、C/Si比は下流ほど小さくなる。これにより下流ほど窒素のドーピングが起き易くなる。同様の考え方で、逆に混合原料ガス中のC/Si比を1より大きくして供給した場合では、混合原料ガス中のC/Siは下流ほど大きくなるので、下流ほど窒素のドーピングは起こり難くなる。
上記のようにガスの流れの上流と下流とでC/Si比が均一にならない問題に対しては、熱CVD法によるエピタキシャル装置のホルダー自体を回転させることによって、ガスの上流側と下流側との環境の変化を相殺することが原理的には可能である。しかしながら、実際にエピタキシャル成長するとホルダーの面内のドーピング密度の平均化は十分ではないことが広く知られている(例えば非特許文献2参照)。これは、混合原料ガス中のC/Si比の変化以外に上流と下流とで異なった状況が発生していることを示唆している。
Materials Science Forum Vols.45-648(2010),pp77-82 Journal of Crystal Growth Vol.381(2013),pp139-143
本発明はかかる問題、すなわち、エピタキシャルSiCウェハを得る上で、熱CVD法によるエピタキシャル装置のホルダーを回転させているにもかかわらず、ホルダー面内のドーピング密度の面内均一性が平均化されず、従ってその上に配置されたウェハのドーピング密度の面内均一性が損なわれているという問題を解決するためになされたものである。
前述した問題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、ドーピング密度が面内で均一にならない理由は、ガス流れの上流と下流とにおける混合原料ガス中のC/Si比の変化ではなく、別に原因があることを突き止めた。
すなわち、熱CVD法では、一般に、1500〜1800℃の雰囲気中に炭化水素ガスと珪素原料ガスとを混合して導入して、これらの混合原料ガス中のC/Si比をパラメータとして制御しながらSiC単結晶を析出させているが、従来は、混合原料ガス中のC/Si比は炭化水素ガスと珪素原料ガスとがそれぞれ完全に分解していると仮定した上で行ってきた。しかしながら、ガス流れの上流ではまだ十分にガスが加熱されていないため、炭化水素ガスの分解が不十分であり、その結果、ガス流れの上流において混合原料ガス中のC/Si比が小さくなっており、ドープされ易い状況となっていた。これが、ホルダーが回転してもドーピング密度が平均化されない原因であると考えられる。なお、ガスの分解状況までを考慮したC/Si比は、従来採用されてきた成長パラメータとしての混合原料ガス中のC/Si比とは必ずしも一致しないと考えられるため、本発明では前者を実効C/Si比と呼んで区別する。
本発明者らは、従来のように炭化水素ガスと珪素原料ガスを混合して混合原料ガスとするのでなく、炭素と珪素が化合したアルキルシランガスを原料ガスとして用いれば、以下の理由から実効C/Si比を一定にでき、従来の問題点を解決できることを突き止めた。
すなわち、メチルシランガスのように一つの分子の中にカーボンとシリコンを含むようにしておけば、常に実効C/Si比を一定に保つことができるのである。例えば、原料ガスとしてモノメチルシランを使えば、一つの分子の中にカーボンとシリコンを1:1で含むため、原料ガスの実効C/Si比は常に1となるし、原料ガスとしてトリメチルシランを使えば原料ガスの実効C/Si比は常に3となる。
これらは一見すると単純で至極当然のことのようであるが、ホルダー回転によってもSiC基板表面の面内ドーピング密度が平均化されない原因が実効C/Siにあることが見出されない限りは、取扱の容易な炭化水素ガスや珪素ガスに換えて、取り扱いに注意が必要なアルキルシランを敢えて原料ガスとして用いるという発想は生まれない。事実、SiCのエピタキシャル成長において、アルキルシランを使うことでSiC基板表面の面内ドーピング密度のばらつきを改善することは、本発明者らが知る限りではこれまでになされていない。
上述したように、本発明の目的は、熱CVD法によるSiC単結晶薄膜のSiC基板上へのエピタキシャル成長において、ドーピング密度の面内均一性を高めることができる方法を提供することにあり、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)アルキルシランを原料ガスとして、キャリアガスと共に炭化珪素単結晶基板上に供給し、熱化学蒸着法により炭化珪素単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする炭化珪素エピタキシャル成長方法。
(2)前記アルキルシランが、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、及びジエチルシランからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする(1)に記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
(3)アルキルシランとモノシランを含んだ原料ガスを用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
(4)前記原料ガス中に含まれるトータルのカーボン原子とシリコン原子の数の割合であるC/Si比が、0.5以上4以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
(5){0001}面から0.5°〜8°の範囲で<11-20>方向或いは<1-100>方向にオフカットした六方晶炭化珪素単結晶基板上に前記原料ガスを供給して、ステップフロー成長により炭化珪素単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
本発明によれば、エピタキシャル装置の成長室内におけるガス流れの上流から下流にわたって、安定した原料ガスの実効C/Si比とすることができ、ドーピングの効率が一定となるため、熱CVD法によるエピタキシャル装置のホルダー全体にわたってドーピング密度の面内均一性を大幅に改善することができる。そのため、エピタキシャルSiCウェハにおいてもウェハ面内のドーピング密度の均一性が向上し、また、エピタキシャル装置のホルダー上に複数のSiC基板を配置してエピタキシャルSiCウェハを得る場合におけるウェハ間のドーピング密度のばらつきも改善することができる。
図1は、本発明で用いられるエピタキシャル装置の一例を示す概略図である。 図2は、ホルダー上に4インチウェハが6枚配置された例を示す。 図3は、本発明によるエピタキシャル成長で得られたエピタキシャルSiCウェハ(実施例1)の面内25点で測定したドーピング密度の面内分布である。 図4は、実施例においてウェハ面内の25点を評価した際の測定箇所を示すものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明で用いられるエピタキシャル装置の一例を示す概略図であって、従来、熱CVD法で一般的に使われている構造と同様のものを模式的に示したものである。このエピタキシャル装置は、反応容器1の成長室内にホルダー2を備えており、反応容器1の外側には、まわりを取り囲むように加熱用誘導コイル3が取り付けられている。また、反応容器1の一方からは、ホルダー2に対して略水平となるように、原料ガス4が水素ガス等のキャリアガスと共に横から供給されるようになっており、ドーピングガスなどの原料ガス以外のガス5が原料ガス4とは別の経路から反応容器1に入るようになっている。また、他方からはSiC基板上へのSiC単結晶のエピタキシャル成長に使われた後のガスが排気ガス6として排出されるようになっている。このうち、ホルダー2は、例えば、カーボン部材にSiCがコートされた耐熱性のある構造材からなり、この上に溝が形成されて、SiC基板が1枚又は複数枚配置される(図1はホルダーのみが描かれており溝およびそこに配置されるSiC基板は省略されている)。また、このホルダー2は回転機構を備えることによって、ホルダー全体の不均一性をある程度改善することができる。
本発明では、アルキルシランを原料ガス4として用い、1500〜1800℃の温度域でSiC基板表面にSiC単結晶をエピタキシャル成長させる。1500℃より低いとポリタイプ変化が起きるばかりではなく、結晶性自体も低いものとなる。また、1800℃を超えるとSiC基板表面での反応が早くなるためと考えられるがステップバンチングと呼ばれる現象が生じ、表面平滑性が大きく低下してしまう。表面の荒れたエピタキシャル膜はデバイスの信頼性を損なうリスクがあるので1800℃以下の成長温度が好ましい。
アルキルシランガスを原料ガスとして用いる理由は、上記したように実効C/Si比を一定にすることができるためである。アルキルシランとして、好ましくは、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、又はジエチルシランであり、これらは1種を用いてもよく、2種以上を混ぜて用いるようにしてもよい。このうち、メチルシランを用いると、原料ガスの実効C/Si比は自動的に1となり、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、及びジエチルシランについては、原料ガスの実効C/Si比はそれぞれ2、3、4、2、4となる。原料ガスの実効C/Si比は、SiC単結晶基板の表面の状態をはじめ、ドーピング密度のレベル、成長温度等の条件により適宜変更して適用することで、結晶欠陥を好適に抑制することができる。また、原料ガスの実効C/Si比の調整は、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、及びジエチルシランの6種の原料を適宜組み合わせることで、C/Si比が1以上4以下の任意の値にすることができる。
ここで、上記で挙げた6種のアルキルシランの組み合わせだけでは原料ガスの実効C/Si比を1より低くすることができない。そのため、原料ガスの実効C/Si比を1より低くしたい場合には、原料ガスに更にモノシランを加えることで原料ガスの実効C/Si比を1より低くすることができる。物性的にはアルキルシランとモノシランの分解効率に多少の差があると思われるが、1500℃以上、1800℃以下の温度領域ではほとんど無視できるレベルである。従って、モノシランの混合割合を決めることで、原料ガスの実効C/Si比を1より低いところから4までの領域で調整しながら、ドーピング密度のばらつきを改善することができる。
ここで、「実効C/Si比」と「トータルのC/Si比」の関係を整理しておく。実効C/Si比とは、原料ガスの分解まで考慮して、分解したカーボンとシリコンとの原子数の比であり、一方、トータルのC/Si比は、原料ガスに含まれるカーボン原子の総数とシリコン原子の総数との比を表す。トータルのC/Si比は、単純に原料ガスの混合割合から計算される理論比であって、ガスの分解については考慮していない。但し、アルキルシランを用いることで、実効C/Si比とトータルのC/Si比は実質的に同じとなる。
原料ガスに含まれるトータルのカーボン原子とシリコン原子の割合であるC/Si比は0.5以上、4以下が望ましい。この比が0.5未満となると原料ガス中のシリコンが多くなり過ぎて、SiC基板上にシリコン金属の析出が起こり、これを原因とする欠陥が発生してしまうためである。また、この比が4を超えるとステップバンチングが顕著となり、SiC基板表面にデバイスに不向きな表面荒れを招くからである。
ところで、SiCは、立方晶などの結晶構造の違いやシリコンとカーボンの積層順が異なる多くの構造を持ったものが知られており、これらはポリタイプと呼ばれている。この中で、六方晶構造の4H−SiCと呼ばれるポリタイプは、電子移動度に加えて、禁制帯幅や絶縁破壊電界強度が大きいなどの理由からデバイス応用に適していると考えられている。多くのポリタイプの中から安定してエピタキシャル成長させる方法として、例えば六方晶4H−SiC構造のエピタキシャル成長膜を得るには、六方晶4H−SiC構造のSiC基板を使い、C面から<11-20>方向あるいは<1-100>の方向に0.5°から8°の範囲で斜めにカットされたオフカット面の上にエピタキシャル成長させることで、六方晶4H−SiC構造の単結晶エピタキシャル膜を得ることができる。これは、SiC基板表面に多くのステップが生成することで、SiC基板の構造をあたかも鋳型のように使って成長するためである。このSiC基板表面上でエピタキシャル成長させることをステップフロー成長と呼び、異種ポリタイプ混入の抑制に有効であることが分かっている。従って、本発明を有効に使う上で、上記のようなオフ角度を設けたSiC基板表面上にSiC単結晶をステップフロー成長させることが望ましい。
SiC単結晶を斜めにカットする場合、あまりオフ角度を大きくし過ぎると、一つの結晶の塊(インゴット)から切り出せるSiC基板の数が減り経済性が失われるため、オフ角度は8°以下が望ましい。一方、オフ角度が少な過ぎるとステップフローの効率が下がり、ポリタイプが発生してしまうためオフ角度は0.5°以上が望ましい。
斜めにカットする方向は、<11-20>方向あるいは<1-100>方向が望ましい。この方向がステップフロー成長を起させる上で効率的と考えられるからである。
これまで詳述したSiCエピタキシャル成長方法を実施するにあたり、前処理としてSiC基板の表面をエッチングすることで、もともと存在していたSiC基板表面の変質層を除去しておくことが望ましい。エッチングは、通常、エピタキシャル成長温度あるいはその前後の温度で水素ガス雰囲気中にSiC基板を保持することで行われるが、この水素ガスにアルキルシラン、例えば、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、ジエチルシランなどを5ppm以上200ppm以下の範囲で混合して行うようにしてもよい。この場合、エッチング後にアルキルシランの濃度を高くして、SiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長に切り替えるようにしてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
(実施例1)
図1に示した装置を使って、SiC基板上にSiCのエピタキシャル成長を行った。SiC基板としては、<11-20>方向に4°オフした4H-SiC基板(口径4インチ)を6枚使用し、エピタキシャル装置の反応容器内の1つのホルダー上に図2に示すように6枚配置した。その際、SiC基板はそれぞれオリフラ部をホルダーの外側に向けるように配置し、また、ホルダーは1分間に30回転の速度で回転させるようにした。そして、モノメチルシランを毎分200cc(以下、sccmの単位を使う)、キャリアガスとしての水素ガスを毎分60リットル(以下、slmの単位を使う)の流量で混合して、1600℃に加熱された反応容器に導入した。また、別途、水素で1%に希釈した窒素/水素混合ガスを200sccmで導入した。このようにして、成長雰囲気は5kPaとし、1時間の成長を行って、実施例1に係るエピタキシャルSiCウェハを得た。
エピタキシャル装置から取り出したエピタキシャルSiCウェハは、FTIR方式の膜厚計(ナノメトリックス社製)を使い、面内25点の膜厚を測定したところ、面内の平均膜厚は、9.5μmであった。また、ドーピング密度測定はCV測定装置(フォーディメンジョン社製CVmap92A)を使い、同様に面内25点のドーピング密度を測定した。その結果、面内の平均ドーピング密度は、1.1×1016cm−3であった。ドーピング密度測定の結果を図3に示す。なお、ウェハ面内25点の測定箇所は図4に示したとおりであり、下記におけるドーピング密度のばらつきに関する評価においても同様とした(図中のrはウェハの半径を表す)。また、この面内の平均膜厚、及び平均ドーピング密度は、得られた6枚全てのウェハについてそれぞれ上記の測定を行った上で、6枚の平均値を算出したものである。
更に、面内25点のドーピング密度ばらつきについて、標準偏差を平均値で割ったσ/meanを指標として評価した。この実施例1で得られたエピタキシャルSiCウェハのドーピング密度ばらつきは、σ/mean=2.8%と良好であった。更にまた、本発明によれば、SiC単結晶薄膜の膜厚に関しても面内均一性の向上が図られ、実施例1で得られたエピタキシャルSiCウェハの膜厚のσ/meanは0.7%であった。なお、この面内のドーピング密度、及びSiC単結晶薄膜の膜厚のばらつきは、得られた6枚全てのウェハに対して評価を行い、それぞれについてσ/meanを算出した後に、6枚の平均値をとったものである。
(実施例2〜21)
原料ガスに用いるアルキルシランの種類(2種以上の場合にはそれらの混合割合)、及び成長温度を表1に示したように変更して、それ以外は実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。その際、アルキルシランの合計の流量は実施例1と同じく200sccmとなるようにし、また、キャリアガスの水素の合計流量も実施例1と同様に60slmに固定した。得られた実施例2〜21の各エピタキシャルSiCウェハについて、それぞれ実施例1と同様にしてドーピング密度のばらつきなどを評価した。結果を表1にまとめて示す。
表1に示したとおり、本発明の方法によれば、エピタキシャルSiCウェハのドーピング密度の面内ばらつきが3.2%以下となり、非常に良好であることが分かった。なお、実施例20及び21においてはドーピング密度の面内ばらつきは良好であったものの、低温成長させた場合(実施例20)では立方晶の混入が一部確認されて結晶性に若干劣るエピタキシャル膜となり、また高温成長させた場合(実施例21)ではステップバンチングが発現して表面粗度の大きなエピタキシャル膜となった。これら以外の実施例では、先の実施例1を含めて、4H型のポリタイプが安定して得られており、また、膜厚のばらつきが抑えられて、表面粗度も小さいエピタキシャル膜が成長していた。
(比較例1〜4)
原料ガスとしてアルキルシランを使わずに、シランガスとプロパンガスの混合原料ガスを使って、SiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長を行った。シランガスとプロパンガスの合計の流量を200sccmに固定しながら、表2に示したようにそれぞれの流量を変えることでC/Si比を変え、また、キャリアガスである水素の合計を60slmに固定して反応容器に導入した。そして、成長温度は1600℃とし、成長圧力は5kPaとして、上記以外は実施例1と同様にして、1時間の成長を行った。なお、表2における混合割合はアルキルシラン種の流量割合を表し、例えば、実施例7では、モノメチルシラン:ジメチルシラン=2:1の割合で混合させたことを示す。以下同様に、アルキルシラン種の欄に示したガスの順にそれらの混合割合を示している。
得られた比較例1〜4に係る各エピタキシャルSiCウェハについて、実施例1と同様に、面内25点のドーピング密度の面内ばらつきなどを評価した。結果を表2にまとめて示す。
表2に示した結果から分かるように、これらの場合には、原料ガスの上流側でドーピング密度が極端に高くなることから、ホルダーが回転してもドーピング密度の平均化が十分ではなく、ホルダー外周部でドーピング密度が高くなった。その結果、エピタキシャルウェハのオリフラ部分でのドーピング密度が高くなり、ドーピング密度の面内ばらつき(面内均一性)は実施例1〜19と比較して大幅に悪化した。また、エピタキシャル成長膜の膜厚の面内ばらつき(均一性)に関しても3%台まで悪化することが確認された。
(実施例22〜31)
原料ガスとして、表3に示したようにアルキルシランにシランガスを混合したものを使用し、それ以外は実施例1と同様にしてSiC単結晶薄膜のエピタキシャル成長を行った。このときアルキルシランとシランガスの合計の流量は200sccmとなるようにし、また、キャリアガスの水素の合計流量も実施例1と同様に60slmに固定した。更には、成長温度は1600℃とし、成長雰囲気は5kPaとして、1時間の成長を行った。得られた実施例22〜31の各エピタキシャルSiCウェハについて、それぞれ実施例1と同様にしてドーピング密度のばらつきなどを評価した。結果を表3にまとめて示す。
表3に示した結果から分かるように、本発明の方法によれば、エピタキシャルSiCウェハのドープ密度の面内ばらつきが3.0%以下となり、非常に良好であることが分かった。このように、アルキルシランと共にシランガスを用いることで、任意のC/Si比を形成しながら、エピタキシャルSiCウェハのドーピング密度の面内均一性を高めることができる。
1:反応容器、2:ホルダー、3:加熱用誘導コイル、4:原料ガス、5:ドーピングガスなどの原料ガス以外のガス、6:排気ガス。

Claims (5)

  1. アルキルシランを原料ガスとして、キャリアガスと共に炭化珪素単結晶基板上に供給し、熱化学蒸着法により炭化珪素単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする炭化珪素エピタキシャル成長方法。
  2. 前記アルキルシランが、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、モノエチルシラン、及びジエチルシランからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
  3. アルキルシランとモノシランを含んだ原料ガスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
  4. 前記原料ガス中に含まれるトータルのカーボン原子とシリコン原子の数の割合であるC/Si比が、0.5以上4以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
  5. {0001}面から0.5°〜8°の範囲で<11-20>方向或いは<1-100>方向にオフカットした六方晶炭化珪素単結晶基板上に前記原料ガスを供給して、ステップフロー成長により炭化珪素単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の炭化珪素エピタキシャル成長方法。
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