JP2017068955A - 蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときにはシーラント層内部で破壊(剥離)を生じてガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止でき、破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、成形時の白化も抑制できる、蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルムを提供する。【解決手段】共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する第1樹脂層7と、融点が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成される第2樹脂層8と、を含む2層以上の積層体からなる構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスの外装材を構成するのに用いられるシーラントフィルム、該シーラントフィルムを用いた蓄電デバイス用外装材、該外装材を用いて構成された蓄電デバイスに関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「融点」の語は、JIS K7121−1987に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)によって測定された融解ピーク温度を意味し、「結晶融解エネルギー」の語は、JIS K7122−1987に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)によって測定された融解熱(結晶融解エネルギー)を意味する。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「結晶融解エネルギー」の語は、結晶融解ピーク曲線が2つ以上存在していて、結晶融解エネルギーが2つ(△Hm1、△Hm2)或いは3つ以上存在する場合には、最も高い結晶融解エネルギーの値を指すものとする。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「アルミニウム」の語は、アルミニウム及びその合金を含む意味で用いる。
リチウムイオン2次電池は、例えばノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話、電気自動車等の電源として広く用いられている。このリチウムイオン2次電池としては、電池本体部(正極、負極及び電解質を含む本体部)の周囲をケースで包囲した構成のものが用いられている。このケース用材料(外装材)としては、例えば、耐熱性樹脂フィルムからなる外層、アルミニウム箔層、熱可塑性樹脂フィルムからなる内層がこの順に接着一体化された構成のものが公知である。
そして、蓄電デバイスは、蓄電デバイス本体が一対の外装材で挟み込まれて前記一対の外装材の相互の周縁部同士が融着接合(ヒートシール)されることによって封止されて構成されている。
ところで、リチウムイオン2次電池等では、過充電時や過昇温時に電池本体部においてガスが発生しやすく、このためにガスが徐々に外装材で覆われた内部空間に蓄積していき外装材内部の内圧が上昇する場合がある。この内圧上昇が大きくなると外装材が破裂するに至ることが懸念されることから、このような外装材の破裂を防止する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、シート状に成形された正極と負極とがセパレータを介して積層されてなる電極積層体を有し、前記電極積層体が電解液とともに金属ラミネートフィルム製の容器内に収容され、前記容器の外周縁に沿って前記金属ラミネートフィルムを帯状に熱融着してなる熱封止部により前記容器が密封封止された防爆機能付き蓄電デバイスであって、前記容器の外周縁の部位を挟み込んだ状態で取り付け固定される刃支持体と、前記刃支持体に支持されるとともに前記容器において前記熱封止部よりも中心部側の位置に配置される刃部材とを有する穴あけ装置を備え、前記刃支持体は、ガス発生時に膨張変形する前記容器に押し出されることにより前記容器の外周方向に移動し、前記刃部材は、前記刃支持体とともに移動することで前記容器を切り裂くものとなされた防爆機能付き蓄電デバイスが記載されている。
また、特許文献2には、電解液が含浸された蓄電素子本体、上記蓄電素子本体を密封する外装体、及び上記外装体の内側に設けられた第1のガス放出機構部と、上記外装体の外側に設けられた第2のガス放出機構部とを有し、上記蓄電素子本体が存在する上記外装体の内部空間からのガスが各上記ガス放出機構部を順次通ることにより上記内部空間から外部空間へのガスの放出を許容し、かつ上記外部空間から上記内部空間へのガスの進入を各上記ガス放出機構部で阻止する圧力調整装置を備え、各上記ガス放出機構部間には、各上記ガス放出機構部で個別に仕切られた緩衝空間が形成されている蓄電素子が記載されている。
特開2012−156404号公報 特開2012−156489号公報
しかしながら、特許文献1のように、刃支持体と刃部材とを有する穴あけ装置を設ける場合には、穴あけ装置を設けるための新たな工程が必要となり、製造工程が複雑になるし、生産性も低下するという問題があった。また、穴あけ装置という新たな構成部を設ける必要があるので、その分コストも増大する。
また、特許文献2のように外装体内部で発生したガスを外装体外部に逃がすための安全弁機構(ガス放出機構部等)を設ける場合には、該安全弁機構を設けるための新たな工程が必要となり、製造工程が複雑になるし、生産性も低下するという問題があった。また、安全弁機構という新たな構成部を設ける必要があるので、その分コストも増大する。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、生産性が良好で、コストを抑制でき、十分なシール強度を確保することができると共に、蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときにはシーラント層内部で破壊(剥離)を生じてガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止することができ、また破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、且つ成形時の白化も抑制することのできる、蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する第1樹脂層と、
融点が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成される第2樹脂層と、を含む2層以上の積層体からなり、
前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、
前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、
前記エラストマー変性ランダム共重合体は、共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体のエラストマー変性体であり、
前記第2樹脂層において、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率と前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率の合計値が50質量%以上であることを特徴とする蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[2]前記第2樹脂層において前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率が1質量%〜50質量%である前項1に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[3]前記エラストマーが、エチレンプロピレンラバーである前項1または2に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[4]前記第1樹脂層は、前記ランダム共重合体と共に、アンチブロッキング剤およびスリップ剤を含有し、
前記第2樹脂層は、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂および前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と共に、スリップ剤を含有する前項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[5]前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、DSC測定グラフにおいて2以上の結晶化ピークを有するものである前項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[6]前記第1樹脂層および該第1樹脂層の片面に積層された第2樹脂層のみからなる前項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[7]前記第2樹脂層と、該第2樹脂層の一方の面に積層された第1樹脂層と、前記第2樹脂層の他方の面に積層された第1樹脂層と、を含む少なくとも3層が積層された積層体からなる前項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
[8]外側層としての基材層と、前項1〜7のいずれか1項に記載のシーラントフィルムからなる内側シーラント層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含み、
前記内側シーラント層において、前記第1樹脂層が最内層側に配置されていることを特徴とする蓄電デバイス用外装材。
[9]前項8に記載の外装材の成形体からなる蓄電デバイス用外装ケース。
[10]前項8に記載の蓄電デバイス用外装材を深絞り成形又は張り出し成形することを特徴とする蓄電デバイス用外装ケースの製造方法。
[11]蓄電デバイス本体部と、
前項8に記載の蓄電デバイス用外装材及び/又は前項9に記載の蓄電デバイス用外装ケースからなる外装部材とを備え、
前記蓄電デバイス本体部が、前記外装部材で外装されていることを特徴とする蓄電デバイス。
[1]の発明では、共重合成分として「プロピレン」及び「プロピレンを除く他の共重合成分」を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する第1樹脂層を備えているから、該第1樹脂層を外装材における内側シーラント層の最内層側に配置することにより、比較的低温度でも十分にシールすることができる(十分なシール強度を確保することができる)。また、第2樹脂層は、融点が155℃以上であり、結晶融解エネルギーが50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点が135℃以上であり、結晶融解エネルギーが30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を組み合わせた組成であるから、エラストマー成分とオレフィン系樹脂との相溶性が良いし、エラストマー成分の分散性も良好なものとなり、これにより、相互の内側シーラント層同士がヒートシール接合された一対の外装材について内圧が過度に上昇することによりシール部が破壊する際には、第2樹脂層で(シーラント層内部で)凝集破壊が生じるものとなり、金属箔層と内側シーラント層との界面で破壊(剥離)が生じ難いので、破裂防止のための前記破壊(剥離)箇所が生じた際には該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難いという利点がある。
また、エラストマー相とオレフィン系樹脂相の界面の相溶性が良好であるので、ボイド(成形品の内部に生じる空洞)が発生し難く、また成形時の白化も抑制される。また、第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の融点が155℃以上であるので、ヒートシール時に第2樹脂層が潰れがたく、十分な絶縁性を確保できる。
更に、ガスを外部に逃がすために、別途新たな構成部(従来技術のような穴あけ装置やガス放出機構部)を設ける必要がないから、その分コストを抑制できるし、よりコンパクト化を図ることができ、また生産性も良好である。
[2]の発明では、上記諸効果を十分に確保することができる。特にヒートシール時に第2樹脂層がより一層潰れがたく、さらに十分な絶縁性を確保できる。
[3]の発明では、上記諸効果をより十分に確保できる。
[4]の発明では、外装材の表面に優れた滑り性を付与できて、外装材を成形する際に成形深さのより深い成形を良好に行うことができると共に、成形時の白化も十分に抑制できる。
[5]の発明では、上記諸効果をさらに十分に確保することができる。
[6]及び[7]の発明では、上記諸効果をより十分に確保できる。
[8]の発明では、生産性が良好で、コストを抑制でき、十分なシール強度を確保することができる上に、蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときには第2樹脂層で(シーラント層内部で)凝集破壊が生じるので、ガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止することができると共に破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、且つ成形時の白化も抑制することのできる蓄電デバイス用外装材を提供できる。
[9]の発明では、生産性が良好で、コストを抑制でき、十分なシール強度を確保することができる上に、蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときには第2樹脂層で(シーラント層内部で)凝集破壊が生じるので、ガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止することができると共に破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、且つ成形時の白化も抑制することのできる蓄電デバイス用外装ケースを提供できる。
[10]の発明では、コストを抑制でき、十分なシール強度を確保することができる上に、蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときには第2樹脂層で(シーラント層内部で)凝集破壊が生じて、ガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止することができると共に破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、且つ成形時の白化も抑制することのできる蓄電デバイス用外装ケースを生産効率良く製造できる。
[11]の発明では、外装材について十分なシール強度を確保できると共に、蓄電デバイスの内圧が過度に上昇したときには第2樹脂層で(シーラント層内部で)凝集破壊が生じて、ガス抜きがなされて内圧上昇による外装材の破裂を防止することができると共に破裂防止のための前記破壊箇所が生じた際に該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難く、且つ成形時の白化も抑制することのできる、蓄電デバイスを提供できる。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る蓄電デバイス用外装材の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る蓄電デバイスの一実施形態を示す断面図である。 図3の蓄電デバイスを構成する外装材(平面状のもの)、蓄電デバイス本体部及び外装ケース(立体形状に成形された成形体)をヒートシールする前の分離した状態で示す斜視図である。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材1の一実施形態を図1に示す。この蓄電デバイス用外装材1は、例えば、リチウムイオン2次電池用外装材として用いられるものである。前記蓄電デバイス用外装材1は、成形を施されることなくそのまま外装材として使用されてもよいし、例えば、深絞り成形、張り出し成形等の成形に供されて外装ケース10として使用されてもよい(図4参照)。
前記蓄電デバイス用外装材1は、金属箔層4の一方の面に第1接着剤層5を介して基材層(外側層)2が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の他方の面に第2接着剤層6を介して内側シーラント層(内側層)3が積層一体化された構成からなる(図1、2参照)。
図1の外装材1では、前記内側シーラント層(内側層)3は、第1樹脂層7および該第1樹脂層の片面に積層された第2樹脂層8のみからなる構成であり、前記第1樹脂層7が最内層側に配置されている。
また、図2の外装材1では、前記内側シーラント層(内側層)3は、第2樹脂層8と、該第2樹脂層8の一方の面に積層された第1樹脂層7と、前記第2樹脂層8の他方の面に積層された第1樹脂層7と、からなる3層積層構成であり、一方の第1樹脂層7が最内層側に配置されている。
なお、前記第1樹脂層7および前記第2樹脂層8の詳細構成については後述する。
本発明において、前記内側シーラント層(内側層)3は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液等に対しても優れた耐薬品性を具備させると共に、外装材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
本発明において、前記内側シーラント層(内側層)3は、共重合成分として「プロピレン」及び「プロピレンを除く他の共重合成分」を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する第1樹脂層7と、融点(Tmp)が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点(Tmp)が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成される第2樹脂層8と、を含む2層以上の積層体からなる。前記内側シーラント層(内側層)3の最内層が、前記第1樹脂層7で形成されるのが好ましい(図1、2参照)。
前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂(第1ポリプロピレンブロックコポリマー)は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、該エラストマー変性ランダム共重合体は、共重合成分として「プロピレン」及び「プロピレンを除く他の共重合成分」を含有するランダム共重合体のエラストマー変性体であり、前記「プロピレンを除く他の共重合成分」としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4メチル−1−ペンテン等のオレフィン成分の他、ブタジエン等が挙げられる。上記エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、EPR(エチレンプロピレンラバー)を用いるのが好ましい。
前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂(第2ポリプロピレンブロックコポリマー)は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、該エラストマー変性ランダム共重合体は、共重合成分として「プロピレン」及び「プロピレンを除く他の共重合成分」を含有するランダム共重合体のエラストマー変性体であり、前記「プロピレンを除く他の共重合成分」としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4メチル−1−ペンテン等のオレフィン成分の他、ブタジエン等が挙げられる。上記エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、EPR(エチレンプロピレンラバー)を用いるのが好ましい。
前記第1樹脂層7は、共重合成分として「プロピレン」及び「プロピレンを除く他の共重合成分」を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する構成である。前記「プロピレンを除く他の共重合成分」としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4メチル−1−ペンテン等のオレフィン成分の他、ブタジエン等が挙げられる。前記ランダム共重合体の含有率が50質量%以上であることで十分なヒートシール強度を確保することができる。中でも、前記第1樹脂層7における前記ランダム共重合体の含有率は70質量%以上に設定されるのが好ましい。前記ランダム共重合体(共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体)は、2以上の融点を有するランダム共重合体であるのが好ましく、この場合には、低融点のランダム共重合体成分によりヒートシール性能をより一層向上させることができる(ヒートシール強度をより一層増大させることができる)と共に、高融点のランダム共重合体成分によりヒートシール時に前記第1樹脂層7が潰れがたく、より十分な絶縁性を確保できるという効果が得られる。
前記第2樹脂層8は、融点(Tmp)が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点(Tmp)が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成される。第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の融点が155℃未満では、成形時に白化が顕著に生じるし、ヒートシール時に第2樹脂層8が潰れやすく、絶縁性が不十分になりやすい(比較例4参照)。また、第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の融点が135℃未満では、成形時に白化が顕著に生じる(比較例5参照)。また、第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の結晶融解エネルギー(△Hm)が50J/g未満では、剥離界面の凝集度が中程度であり、剥離界面の凝集破壊が生じ難く、即ち剥離時に金属箔層と内側シーラント層の界面で剥離が生じやすく、この界面の剥離箇所を起点にして連続する剥離が進みやすい上に、第2樹脂層8が潰れやすくて絶縁性が不十分になりやすい(比較例6参照)。また、第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の結晶融解エネルギー(△Hm)が30J/gを超えると、成形時に白化がある程度生じる上に、剥離界面の凝集度が中程度であり、剥離界面の凝集破壊が生じ難く、即ち剥離時に金属箔層と内側シーラント層の界面で剥離が生じやすく、この界面の剥離箇所を起点にして連続する剥離が進みやすい(比較例7参照)。また、融点(Tmp)が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂を非含有とすると、成形時に白化がある程度生じる上に、剥離界面の凝集度が中程度であり、剥離界面の凝集破壊が生じ難く、即ち剥離時に金属箔層と内側シーラント層の界面で剥離が生じやすく、この界面の剥離箇所を起点にして連続する剥離が進みやすいし、更に第2樹脂層8が潰れやすくて絶縁性が不十分になりやすい(比較例2参照)。また、融点(Tmp)が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂を非含有とすると、成形時に白化が顕著に生じる上に、剥離界面の凝集度が中程度であり、剥離界面の凝集破壊が生じ難く、即ち剥離時に金属箔層と内側シーラント層の界面で剥離が生じやすく、この界面の剥離箇所を起点にして連続する剥離が進みやすいという問題がある(比較例3参照)。
従って、本願発明では、第2樹脂層8は、融点(Tmp)が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点(Tmp)が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギー(△Hm)が30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成する。
前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の融点は、155℃以上185℃以下であるのが好ましい。前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の結晶融解エネルギーは、50J/g以上75J/g以下であるのが好ましく、53J/g以上70J/g以下であるのがより好ましい。前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の融点は、135℃以上175℃以下であるのが好ましい。前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の結晶融解エネルギーは、5J/g以上30J/g以下であるのが好ましく、中でも10J/g以上25J/g以下であるのがより好ましく、10J/g以上20J/g以下であるのが特に好ましい。
前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂および第2エラストマー変性オレフィン系樹脂に関して、「エラストマー変性」の態様としては、グラフト重合であってもよいし、その他の変性態様であってもよい。
前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂および第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、例えば、次のようなリアクターメイド法により製造できる。これは、1例を示したものに過ぎず、このような製法で製造されたものに特に限定されるものではない。
まず、第1リアクターにチーグラーナッタ触媒、助触媒、プロピレン及び水素を供給してホモポリプロピレンを重合する。得られたホモポリプロピレンは、未反応のプロピレンとチーグラーナッタ触媒を含んだ状態で、第2リアクターに移動させる。第2リアクターにおいてさらにプロピレンと水素を加えてホモポリプロピレンを重合する。得られたホモポリプロピレンを未反応のプロピレンとチーグラーナッタ触媒を含んだ状態で第3リアクターに移動させる。第3リアクターにおいてさらにエチレン、プロピレン及び水素を加えて、エチレンとプロピレンを共重合させたエチレン−プロピレンラバー(EPR)を重合させることによって、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂または第2エラストマー変性オレフィン系樹脂を製造することができる。例えば、溶媒を添加して液相で製造することで前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂を製造できるし、溶媒を使用せず気相で反応を行わせることで前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂を製造することができる。
前記第2樹脂層8において前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率は1質量%〜50質量%であるのが好ましく、中でも5質量%〜30質量%であるのがより好ましく、10質量%〜25質量%であるのが特に好ましい。
前記第2樹脂層8において前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率は99質量%〜50質量%であるのが好ましく、中でも95質量%〜70質量%であるのがより好ましく、90質量%〜75質量%であるのが特に好ましい。
前記第2樹脂層8は、海島構造の形態になっているのが好ましい。このような海島構造になっていることで、内圧が過度に上昇することによりシール部が破壊する際には、第2樹脂層8内においてオレフィン系樹脂相とエラストマー相との界面で破壊を生じることになり、第2樹脂層8の内部において凝集破壊が生じるので、金属箔層と内側シーラント層との界面で破壊(剥離)が生じ難く、従って破裂防止のための破壊(剥離)箇所が生じた際には該破壊箇所を起点にして連続する破壊が進み難いという効果が十分に得られる。前記海島構造においてエラストマー(成分)が島を形成する形態が好ましい。
前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、DSC(示差走査熱量計)測定グラフにおいて2以上の結晶化ピークを有するものであるのが好ましい。2つの結晶化ピークを有するものである場合には、高温側の結晶化ピーク(結晶化温度)が90℃以上であり、低温側の結晶化ピーク(結晶化温度)が80℃以下であるのが好ましい。3つ以上の結晶化ピークを有するものである場合には、最も高温側の結晶化ピーク(結晶化温度)が90℃以上であり、最も低温側の結晶化ピーク(結晶化温度)が80℃以下であるのが好ましい。
前記第1樹脂層7は、海島構造の形態になっていない構成であるのが好ましい。このような場合には、外装材1又は/及び外装ケース10に蓄電デバイス本体部31を収容して周縁部(フランジ部29を含む)同士のヒートシールを行って蓄電デバイス本体部31を封入した後に、該周縁部(フランジ部29を含む)を折り曲げた際に、第1樹脂層7においてオレフィン樹脂相とエラストマー相との界面にボイド(空間)ができるのを十分に抑制することができて、絶縁性を十分に確保できる利点がある。特に、前記第1樹脂層7が、金属箔層7に隣接する位置に配置されている構成(図2参照)の場合には、前記効果が顕著なものとなる。
前記第1樹脂層7は、前記ランダム共重合体と共に、アンチブロッキング剤およびスリップ剤を含有するのが好ましい。また、前記第2樹脂層8は、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂および前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と共に、スリップ剤を含有するのが好ましい。
前記アンチブロッキング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。前記スリップ剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド等の脂肪酸アマイド、クリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類等が挙げられる。
前記内側シーラント層(内側層)3を構成するシーラントフィルムは、多層押出成形、インフレーション成形、Tダイキャストフィルム成形等の成形法により製造されるのが好ましい。
前記内側シーラント層(内側層)3の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できると共に、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図ることができる。中でも、前記内側シーラント層(内側層)3の厚さは30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。
前記内側シーラント層(内側層)3が、第2樹脂層8と、該第2樹脂層8の一方の面に積層された第1樹脂層7と、前記第2樹脂層8の他方の面に積層された第1樹脂層7と、からなる3層積層構成(図2参照)である場合において、第1樹脂層7/第2樹脂層8/第1樹脂層7の厚さの比は、0.5/9/0.5〜3/4/3の範囲であるのが好ましい。
前記内側シーラント層(内側層)3を構成するシーラントフィルムを金属箔層4に積層する手法としては、特に限定されるものではないが、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法(酸変性ポリプロピレン等の接着フィルムを押出し、これを金属箔と前記シーラントフィルムの間にサンドラミネートした後、熱ロールでヒートラミネートする方法)等が挙げられる。
本発明において、前記基材層(外側層)2は、耐熱性樹脂層で形成されているのが好ましい。前記耐熱性樹脂層2を構成する耐熱性樹脂としては、外装材をヒートシールする際のヒートシール温度で溶融しない耐熱性樹脂を用いる。前記耐熱性樹脂としては、内側シーラント層3を構成する熱可塑性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、熱可塑性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。
前記耐熱性樹脂層(外側層)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂層2としては、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂層2は、単層で形成されていても良いし、或いは、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
前記基材層(外側層)2の厚さは、2μm〜50μmであるのが好ましい。ポリエステルフィルムを用いる場合には厚さは2μm〜50μmであるのが好ましく、ナイロンフィルムを用いる場合には厚さは7μm〜50μmであるのが好ましい。上記好適下限値以上に設定することで外装材として十分な強度を確保できると共に、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
本発明において、前記金属箔層4は、外装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層4としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)、銅箔等が挙げられ、中でも、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)を用いるのが好ましい。前記金属箔層4の厚さは、20μm〜100μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、100μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記金属箔層4は、少なくとも内側の面(第2接着剤層6側の面)に、化成処理が施されているのが好ましい。このような化成処理が施されていることによって内容物(電池の電解液等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば次のような処理をすることによって金属箔に化成処理を施す。即ち、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)〜3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
前記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m2〜50mg/m2が好ましく、特に2mg/m2〜20mg/m2が好ましい。
前記第1接着剤層5としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン接着剤層、ポリエステルポリウレタン接着剤層、ポリエーテルポリウレタン接着剤層等が挙げられる。前記第1接着剤層5の厚さは、1μm〜5μmに設定されるのが好ましい。中でも、外装材1の薄膜化、軽量化の観点から、前記第1接着剤層5の厚さは、1μm〜3μmに設定されるのが特に好ましい。
前記第2接着剤層6としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記第1接着剤層5として例示したものも使用できるが、電解液による膨潤の少ないポリオレフィン系接着剤を使用するのが好ましい。前記第2接着剤層6の厚さは、1μm〜5μmに設定されるのが好ましい。中でも、外装材1の薄膜化、軽量化の観点から、前記第2接着剤層6の厚さは、1μm〜3μmに設定されるのが特に好ましい。
本発明の外装材1を成形(深絞り成形、張り出し成形等)することにより、外装ケース(電池ケース等)10を得ることができる(図4)。なお、本発明の外装材1は、成形に供されずにそのまま使用することもできる(図4)。
本発明の外装材1を用いて構成された蓄電デバイス30の一実施形態を図3に示す。この蓄電デバイス30は、リチウムイオン2次電池である。本実施形態では、図3、4に示すように、外装材1を成形して得られた外装ケース10と、平面状の外装材1とにより外装部材15が構成されている。しかして、本発明の外装材1を成形して得られた外装ケース10の収容凹部内に、略直方体形状の蓄電デバイス本体部(電気化学素子等)31が収容され、該蓄電デバイス本体部31の上に、本発明の外装材1が成形されることなくその内側シーラント層3側を内方(下側)にして配置され、該平面状外装材1の内側シーラント層3の周縁部と、前記外装ケース10のフランジ部(封止用周縁部)29の内側シーラント層3とがヒートシールによりシール接合されて封止されることによって、本発明の蓄電デバイス30が構成されている(図3、4参照)。なお、前記外装ケース10の収容凹部の内側の表面は、内側シーラント層3になっており、収容凹部の外面が基材層(外側層)2になっている(図4参照)。
図3において、39は、前記外装材1の周縁部と、前記外装ケース10のフランジ部(封止用周縁部)29とが接合(溶着)されたヒートシール部である。なお、前記蓄電デバイス30において、蓄電デバイス本体部31に接続されたタブリードの先端部が、外装部材15の外部に導出されているが、図示は省略している。
前記蓄電デバイス本体部31としては、特に限定されるものではないが、例えば、電池本体部、キャパシタ本体部、コンデンサ本体部等が挙げられる。
前記ヒートシール部39の幅は、0.5mm以上に設定するのが好ましい。0.5mm以上とすることで封止を確実に行うことができる。中でも、前記ヒートシール部39の幅は、3mm〜15mmに設定するのが好ましい。
なお、上記実施形態では、外装部材15が、外装材1を成形して得られた外装ケース10と、平面状の外装材1と、からなる構成であったが(図3、4参照)、特にこのような組み合わせに限定されるものではなく、例えば、外装部材15が、一対の平面状の外装材1からなる構成であってもよいし、或いは、一対の外装ケース10からなる構成であってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
厚さ35μmのアルミニウム箔4の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり10mg/m2であった。
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、2液硬化型のウレタン系接着剤5を介して厚さ15μmの二軸延伸6ナイロンフィルム2をドライラミネートした(貼り合わせた)。
次に、エチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚さ4μmの第1樹脂層7、厚さ22μmの第2樹脂層8(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂99質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂1質量%の組成からなる第2樹脂層8)、エチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚さ4μmの第1樹脂層7がこの順で3層積層されるようにTダイを用いて共押出することにより、これら3層が積層されてなる厚さ30μmのシーラントフィルム(第1樹脂層/第2樹脂層/第1樹脂層)3を得た後、該シーラントフィルム3の一方の第1樹脂層7面を、2液硬化型のマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤6を介して、前記ドライラミネート後のアルミニウム箔4の他方の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、しかる後、50℃で5日間エージングする(加熱する)ことによって、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
なお、前記2液硬化型マレイン酸変性ポリプロピレン接着剤として、主剤としてのマレイン酸変性ポリプロピレン(融点80℃、酸価10mgKOH/g)100質量部、硬化剤としてのヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート体(NCO含有率:20質量%)8質量部、さらに溶剤が混合されてなる接着剤溶液を用い、該接着剤溶液を固形分塗布量が2g/m2になるように、前記アルミニウム箔4の他方の面に塗布し、加熱乾燥させた後、前記シーラントフィルム3の一方の第1樹脂層7面に重ね合わせた。
<実施例2>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<比較例1>
第1樹脂層7を構成する樹脂として、エチレン−プロピレンランダム共重合体に代えて、融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例2と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例2>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例3>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<実施例3>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が155℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<比較例4>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が145℃であり、結晶融解エネルギーが57J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<実施例4>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が136℃であり、結晶融解エネルギーが18J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<比較例5>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が130℃であり、結晶融解エネルギーが14J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例6>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が155℃であり、結晶融解エネルギーが49J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<実施例5>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂80質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂20質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<実施例6>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂70質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂30質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<実施例7>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が166℃であり、結晶融解エネルギーが65J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂80質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂20質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<実施例8>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が166℃であり、結晶融解エネルギーが65J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂70質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂30質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
<比較例7>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が158℃であり、結晶融解エネルギーが44J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例8>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂99質量%、融点が40〜70℃であり、結晶融解エネルギーが15J/gであるEPR1質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例9>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が40〜70℃であり、結晶融解エネルギーが15J/gであるEPR10質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例10>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂80質量%、融点が40〜70℃であり、結晶融解エネルギーが15J/gであるEPR20質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<比較例11>
第2樹脂層8として、厚さ22μmの第2樹脂層(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂70質量%、融点が40〜70℃であり、結晶融解エネルギーが15J/gであるEPR30質量%の組成からなる第2樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電デバイス用外装材を得た。
<実施例9>
厚さ35μmのアルミニウム箔4の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり10mg/m2であった。
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、2液硬化型のウレタン系接着剤5を介して厚さ15μmの二軸延伸6ナイロンフィルム2をドライラミネートした(貼り合わせた)。
次に、エチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚さ8μmの第1樹脂層7、厚さ22μmの第2樹脂層8(融点が163℃であり、結晶融解エネルギーが58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂90質量%、融点が144℃であり、結晶融解エネルギーが19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂10質量%の組成からなる第2樹脂層8)が積層されるようにTダイを用いて共押出することにより、これら2層が積層されてなる厚さ30μmのシーラントフィルム(第1樹脂層7/第2樹脂層8)3を得た後、該シーラントフィルム3の一方の第1樹脂層7面を、2液硬化型のマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤6を介して、前記ドライラミネート後のアルミニウム箔4の他方の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、しかる後、50℃で5日間エージングする(加熱する)ことによって、図1に示す構成の蓄電デバイス用外装材1を得た。
なお、前記2液硬化型マレイン酸変性ポリプロピレン接着剤として、主剤としてのマレイン酸変性ポリプロピレン(融点80℃、酸価10mgKOH/g)100質量部、硬化剤としてのヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート体(NCO含有率:20質量%)8質量部、さらに溶剤が混合されてなる接着剤溶液を用い、該接着剤溶液を固形分塗布量が2g/m2になるように、前記アルミニウム箔4の他方の面に塗布し、加熱乾燥させた後、前記シーラントフィルム3の一方の第1樹脂層7面に重ね合わせた。
実施例1〜9および比較例1〜11において、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂は、EPR変性ホモポリプロピレンおよびエチレン−プロピレンランダム共重合体のEPR変性体からなり、前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、EPR変性ホモポリプロピレンおよびエチレン−プロピレンランダム共重合体のEPR変性体からなる。前記EPRは、エチレン−プロピレンラバーを意味する。
そして、表1、2中において、第1、2エラストマー変性オレフィン系樹脂を表す下記略号は、それぞれ次の樹脂を示す。
「B−PP1A」…融点が163℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP1B」…融点が166℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が65J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP1C」…融点が155℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が58J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP1D」…融点が145℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が57J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP1E」…融点が155℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が49J/gである第1エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP2A」…融点が144℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が19J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP2B」…融点が136℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が18J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP2C」…融点が130℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が14J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂
「B−PP2D」…融点が158℃であり、結晶融解エネルギー(△Hm)が44J/gである第2エラストマー変性オレフィン系樹脂。
また、表中において、下記略号は、それぞれ次の樹脂を示す。
「EPR」…エチレン−プロピレンラバー
「r−PPA」…エチレン−プロピレンランダム共重合体
「r−PPB」…エチレン−プロピレンランダム共重合体。
なお、上記各樹脂の「融点」は、JIS K7121−1987に準拠して示差走査熱量測定(DSC)によって測定した融解ピーク温度(Tmp)であり、また各樹脂の「結晶融解エネルギー」は、JIS K7122−1987に準拠して示差走査熱量測定(DSC)によって測定した融解熱(結晶融解エネルギー;△Hm)であり、いずれも、下記測定条件で測定されたものである。
昇降温スピード:23℃から210℃までの間を10℃/分の昇降温速度
サンプル料 :5mgを調量
容器 :アルミニウムパンを使用
装置 :島津製作所製「DSC−60A」
Figure 2017068955
Figure 2017068955
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上記のようにして得られた各蓄電デバイス用外装材について、下記測定法、評価法に基づいて、シール強度を測定すると共に、剥離した際の剥離界面の凝集度を評価し、成形時の白化の有無を評価した。
<シール強度測定法>
得られた外装材から幅15mm×長さ150mmの試験体を2枚切り出した後、これら2枚の試験体を互いの内側シーラント層同士で接触するように重ね合わせた状態で、テスター産業株式会社製のヒートシール装置(TP−701−A)を用いて、ヒートシール温度:200℃、シール圧:0.2MPa(ゲージ表示圧)、シール時間:2秒の条件にて片面加熱によりヒートシールを行った。
次に、上記のようにして内側シーラント層同士がヒートシール接合された一対の外装材について、JIS Z0238−1998に準拠して島津アクセス社製ストログラフ(AGS−5kNX)を使用して該外装材(試験体)をシール部分の内側シーラント層同士で引張速度100mm/分で90度剥離させた時の剥離強度を測定し、これをシール強度(N/15mm幅)とした。
このシール強度が、30N/15mm幅以上であるものを合格とする。前記シール強度が、40N/15mm幅以上であるのが望ましい。
<剥離界面の凝集度の評価法>
上記シール強度(剥離強度)を測定した後の外装材の内側シーラント層の剥離部(破壊部)の両面を目視で観察し、剥離部(破壊部)の両面の白化の有無や程度(白化が強いほど凝集度が大きいと判断できる)を下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
白化が顕著に生じていて凝集度の大きいものを「○」、白化がある程度生じていて凝集度が中程度のものを「△」、白化が認められないか又は白化が殆どなくて凝集度の低いものを「×」とした。
<成形時の白化の有無評価法>
株式会社アマダ製の深絞り成形具を用いて下記成形条件で外装材に深さ5mmの直方体形状に深絞り成形を行った後、得られた成形体の収容凹部の内側の表面(内側シーラント層3面)を目視により観察し、白化の有無や程度を下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
成形を行った後の成形体を目視で観察して、白化が認められないか又は白化が殆どなかったものを「◎」、白化が少なかったものを「○」、白化がある程度生じていたものを「△」、白化が顕著に生じていたものを「×」とした。
(成形条件)
成形型…パンチ:33.3mm×53.9mm、ダイ:80mm×120mm、コーナーR:2mm、パンチR:1.3mm、ダイR:1mm
しわ押さえ圧…ゲージ圧:0.475MPa、実圧(計算値):0.7MPa
材質…SC(炭素鋼)材、パンチRのみクロムメッキ。
<総合評価>
上記3つの評価結果を総合的に判断して4段階で評価し、この総合評価で特に優れているものを「◎」、総合評価で優れているものを「○」、総合評価でやや劣っているものを「△」、総合評価で劣っているものを「×」とした。
表から明らかなように、本発明の実施例1〜9の蓄電デバイス用外装材(本発明のシーラントフィルムを用いてなる蓄電デバイス用外装材)は、十分なシール強度が得られていると共に、剥離界面の白化の程度が大きいことから剥離界面の凝集度が高くて剥離時にはシーラント層内部で凝集破壊が生じており、また成形時の白化も抑制されていた。このように本発明の実施例1〜9の蓄電デバイス用外装材を用いた場合には、シーラント層内部で凝集破壊が生じているので、剥離(破壊)時に金属箔層4と内側シーラント層3の界面で剥離(破壊)が生じ難く、従って破裂防止のための剥離箇所(破壊箇所)が生じた際には該剥離箇所(破壊箇所)を起点にして連続する破壊が進み難いという利点がある。
これに対し、本発明の特許請求の範囲の規定範囲を逸脱した比較例1〜11では、いずれも総合評価が「×」であった。
本発明に係る蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルムは、モバイル用蓄電池、車載用蓄電池、回生エネルギー回収用蓄電池、コンデンサー(キャパシタ)、全固体電池等の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルムとして用いられる。
本発明に係る蓄電デバイス用外装材は、モバイル用蓄電池、車載用蓄電池、回生エネルギー回収用蓄電池、コンデンサー(キャパシタ)、全固体電池等の蓄電デバイスの外装材として用いられる。
本発明に係る蓄電デバイスは、モバイル用蓄電池、車載用蓄電池、回生エネルギー回収用蓄電池、コンデンサー(キャパシタ)、全固体電池等として用いられる。
1…蓄電デバイス用外装材
2…基材層(外側層)
3…内側シーラント層(シーラントフィルム)
4…金属箔層
7…第1樹脂層
8…第2樹脂層
10…蓄電デバイス用外装ケース(成形体)
15…外装部材
30…蓄電デバイス
31…蓄電デバイス本体部

Claims (11)

  1. 共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体を50質量%以上含有する第1樹脂層と、
    融点が155℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが50J/g以上である第1エラストマー変性オレフィン系樹脂と、融点が135℃以上であり且つ結晶融解エネルギーが30J/g以下である第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と、を含む混合樹脂で形成される第2樹脂層と、を含む2層以上の積層体からなり、
    前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、
    前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、エラストマー変性ホモポリプロピレンまたは/およびエラストマー変性ランダム共重合体からなり、
    前記エラストマー変性ランダム共重合体は、共重合成分としてプロピレン及びプロピレンを除く他の共重合成分を含有するランダム共重合体のエラストマー変性体であり、
    前記第2樹脂層において、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率と前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率の合計値が50質量%以上であることを特徴とする蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  2. 前記第2樹脂層において前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂の含有率が1質量%〜50質量%である請求項1に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  3. 前記エラストマーが、エチレンプロピレンラバーである請求項1または2に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  4. 前記第1樹脂層は、前記ランダム共重合体と共に、アンチブロッキング剤およびスリップ剤を含有し、
    前記第2樹脂層は、前記第1エラストマー変性オレフィン系樹脂および前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂と共に、スリップ剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  5. 前記第2エラストマー変性オレフィン系樹脂は、DSC測定グラフにおいて2以上の結晶化ピークを有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  6. 前記第1樹脂層および該第1樹脂層の片面に積層された第2樹脂層のみからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  7. 前記第2樹脂層と、該第2樹脂層の一方の面に積層された第1樹脂層と、前記第2樹脂層の他方の面に積層された第1樹脂層と、を含む少なくとも3層が積層された積層体からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム。
  8. 外側層としての基材層と、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシーラントフィルムからなる内側シーラント層と、これら両層間に配置された金属箔層とを含み、
    前記内側シーラント層において、前記第1樹脂層が最内層側に配置されていることを特徴とする蓄電デバイス用外装材。
  9. 請求項8に記載の外装材の成形体からなる蓄電デバイス用外装ケース。
  10. 請求項8に記載の蓄電デバイス用外装材を深絞り成形又は張り出し成形することを特徴とする蓄電デバイス用外装ケースの製造方法。
  11. 蓄電デバイス本体部と、
    請求項8に記載の蓄電デバイス用外装材及び/又は請求項9に記載の蓄電デバイス用外装ケースからなる外装部材とを備え、
    前記蓄電デバイス本体部が、前記外装部材で外装されていることを特徴とする蓄電デバイス。
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