JP2017066736A - 連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
登り梁の下端部を柱の上端部に据え付けると共に、テンションロッドの端部を強固に取り付ける機能も有し、さらに施工性にも優れた連結構造を提供すること。
【解決手段】
連結構造として、登り梁41の直立面47に接触させる終端具11と、登り梁41の貫通孔46に差し込み且つ終端具11に取り付けられるテンションロッド21と、登り梁41と柱51の間に挟み込む台座具31を用いる。そして台座具31は、登り梁41と柱51の境界面に挟み込む上板34と、柱51の内部に差し込む軸体35と、を有し、上板34から差し込む釘類38で登り梁41に取り付ける。終端具11を介し、テンションロッド21を登り梁41に取り付けることで、テンションロッド21に作用する張力は、登り梁41の直立面47で受け止められ、脱落といった事態を生じにくい。また台座具31を介して登り梁41を柱51に据え付けることで、施工性にも優れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木造建築において、登り梁の下端部を柱の上端部に据え付けると共に、テンションロッドを取り付ける機能も有する連結構造に関する。
木造建築はこれまで、住宅を始めとする比較的小規模な建物を中心に普及してきた。しかし近年は、集成材の製造技術の向上により、大断面の部材が無理なく入手できるようになり、さらに集成材を鉄骨と同様に組み上げる「木質ラーメン構造」などが開発され、公共施設や商業施設の木造化も実現している。このような大規模な木造建築では、屋根構造を簡素化するため、束やタルキなどの細い部材を組み上げることなく、大断面の登り梁を敷設し、必要な強度を確保することがある。
登り梁に関する技術の例として、後記特許文献が挙げられ、特許文献1では、屋根裏に広い空間を確保できる木造アーチ構造と、それに用いる連結金具が開示されている。この木造アーチ構造は、左右の登り梁が合掌形状に対向する小屋組みにおいて、対向する登り梁の頂上同士を連結金具で結んだものであり、連結金具は、左右の登り梁の下面を跨ぐように配置する。さらに連結金具は、固着手段を用い、登り梁と強固に一体化させる。そのため登り梁同士は、高い剛性で連結され、中間部を下支えする柱や束が不要になり、広大な屋根裏空間を確保できる。なお、登り梁の傾斜角度は様々であるため、連結金具を分割構造として、その屈曲角を調整可能とする手法も開示されている。
特許文献2では、住宅の屋根部分を支持するトラス構造が開示されており、軽量化や組み立て作業の簡素化を主要な目的としている。このトラス構造についても、左右の登り梁の下端部同士を結ぶ水平梁や、登り梁と水平梁を垂直に結ぶ登り梁束や、登り梁と水平梁を斜方向に結ぶ斜材を用いる点は、従来と同様である。ただし住宅用途における荷重条件を精査し、登り梁束と斜材の一部には、圧縮荷重が作用しないことに着目し、これらに丸鋼を切り出したブレース(テンションロッド)を用いたことを特徴とする。ブレースは、鋼材に比べて軽量で、しかもトラス構造への取り付けや張力の調整も容易で、組み立て作業の簡素化も実現する。
特開2000−257202号公報 特開平6−306991号公報
公共施設や商業施設のほか、畜産施設や倉庫などは、建築コストの削減要求が厳しく、その骨格には鋼材を用いることが多い。しかし近年は、森林資源の有効活用や室内環境の改善などの観点から、このような建物についても、木造化が模索されている。この木造化に際しては、室内空間や強度を確保した上で、部材の使用量や施工時の手間を削減し、建築コストを抑制する必要がある。そのため建物上部の小屋組みは、左右の登り梁を合掌形状に対向させ、登り梁の下端部同士をテンションロッドで引き寄せる方式を導入することがある。
このテンションロッドが脱落すると、建物の破損を引き起こす恐れがある。したがってテンションロッドは、登り梁から脱落しないよう、強固に取り付ける必要がある。またテンションロッドには常時張力が作用するため、その取り付け箇所では、陥没や伸びなどの変形を生じやすく、長年の間にテンションロッドが緩み、小屋組みの剛性が低下する恐れもある。そのほか建築コスト削減のため、登り梁の据え付けは、無理なく実施できることが好ましい。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、登り梁の下端部を柱の上端部に据え付けると共に、テンションロッドの端部を強固に取り付ける機能も有し、さらに施工性にも優れた連結構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、登り梁の下端部を柱の上端面に据え付けるための連結構造であって、前記登り梁下端部の直立面に接触させる終端具と、該終端具に取り付けられ且つ前記登り梁の内部を貫くテンションロッドと、前記登り梁と前記柱の間に挟み込む台座具と、を用い、前記台座具は、前記登り梁と前記柱の境界面に挟み込む上板と、該柱の内部に差し込む軸体と、を有し、該上板から前記登り梁に向けて釘類を差し込むことで、前記台座具を該登り梁に取り付け、前記登り梁には、前記テンションロッドを差し込むため、その下斜面と前記直立面を結ぶ貫通孔を設け、前記柱の上端面には、前記軸体を差し込むための軸穴を設け、前記テンションロッドの端部を螺合等で前記終端具に固着させると共に、前記台座具を介し、前記登り梁を前記柱に据え付けることを特徴とする連結構造である。
本発明は、登り梁の下端部を柱の上端部に据え付けると共に、テンションロッドを取り付けるためのもので、登り梁は、屋根の傾斜に沿って配置され、屋根全体を支えるほか、積雪などによる荷重を受け止め、建物の骨格の一部を構成する。なお本発明における登り梁は、左右一対を合掌形状に配置し、さらに登り梁の倒伏を防止するため、対向する登り梁の下端部同士をテンションロッドで引き寄せる。また登り梁の下端部は、柱の上端面に載置する。そのほか登り梁と柱は、木材(集成材を含む)であることを前提とする。
終端具は、登り梁に接触する板状の部品で、テンションロッドに作用する張力を登り梁に伝達する役割を有する。したがって終端具の取り付け位置は、登り梁の直立面に限定され、双方を面状に接触させる。ここで直立面とは、登り梁の下端面、または登り梁の下端面を切削した部位の奥面であり、いずれも登り梁を所定の傾斜で据え付けた際、垂直方向に展開するものとする。なお通常は、登り梁の下端面をそのまま直立面とするが、終端具などの突出が許容できない場合、前記のように、登り梁の下端面を部分的に切削し、その奥面を直立面とする。
テンションロッドは、一対の登り梁の下方に配置し、対向する登り梁の下端部同士を引き寄せ、その倒伏を防ぐ。さらにテンションロッドの端部は、何らかの手段で終端具に取り付ける。そのため登り梁には、水平方向に伸びる貫通孔を加工し、テンションロッドを終端具に到達させる。なお貫通孔は、登り梁の下斜面と直立面を結ぶ。またテンションロッドは、荷重条件などで複数本とすることがあり、その際は、終端具や貫通孔も複数となる。
テンションロッドは、螺合や係合などで終端具に固着させる。螺合の場合、テンションロッドの端部にオネジを形成し、終端具にメネジを形成することで双方が一体化し、終端具を介し、テンションロッドに作用する張力を登り梁で受け止めることができる。また係合の場合、テンションロッドの端部にツバを形成し、対する終端具には、このツバが通過不能な孔を形成し、ツバを終端具に接触させることで、同様に張力を受け止めることができる。
テンションロッドは、登り梁の下端部同士を途切れることなく一本で結ぶことも可能だが、通常は中央付近で分断し、そこにターンバックルを組み込み、張力を調整できるようにする。また終端具に作用する荷重を緩和するため、登り梁の貫通孔を通る区間のみ、テンションロッドを複数本とし、終端具も複数個とすることもある。その場合、貫通孔付近でテンションロッド同士を接続するため、別途に部品を用いる。
台座具は、登り梁の下端部を柱の上端部に据え付けるためのもので、上板と軸体で構成される。本発明では、登り梁の下端部に貫通孔を加工するため、登り梁の据え付け構造を自在に選択することは不可能で、別途に台座具が必要となる。なお台座具の上板は、柱と登り梁の境界面に挟み込む板状で、上板の下方から登り梁に向けて釘類を差し込み、台座具を登り梁に固定する。そのため上板には、釘類を差し込むための孔を設ける。この孔は、釘類が貫通孔に到達しないよう、左右に振り分けて配置する。
台座具の軸体は、上板から真下に伸び、柱に加工した軸穴に差し込む。さらに柱の側面から軸体に向けてドリフトピンを差し込むことで、台座具は柱から離脱不能に固定される。このドリフトピンを差し込むため、柱と軸体のいずれにも、あらかじめ孔を設けておく。なお実際の施工では、台座具を登り梁に取り付けた後、現地での登り梁を吊り上げ、軸体を柱の軸穴に差し込み、登り梁を柱の上部に据え付ける。軸体を軸穴に差し込んだ時点で、登り梁は安定して据え付けられ、直ちに次の作業を始めることができる。
このように、登り梁の下端面周辺に終端具を配置するほか、登り梁に貫通孔を設け、テンションロッドを終端具に到達させることで、テンションロッドに作用する張力は、終端具を介し、直接的に登り梁の下端面周辺を押圧する。そのため終端具は、実質的に登り梁と一体化し、テンションロッドの脱落といった事態を生じにくい。また、終端具が登り梁を押圧する荷重の方向は、概ね登り梁の軸線に沿うため、登り梁表面の陥没といった経年変形を生じにくく、テンションロッドの緩みによる小屋組みの剛性低下を抑制できる。
そのほか、登り梁の下端部周辺に終端具を配置し、これを用いてテンションロッドを取り付けることで、左右の登り梁は、自立的に合掌形状を維持でき、登り梁と柱の連結に際し、曲げモーメントの伝達を考慮する必要がない。そのため、登り梁の据え付けは、台座具の軸体を柱の軸穴に差し込むといった単純な方式とすることができる。
請求項1記載の発明のように、登り梁を柱に据え付けると共に、テンションロッドを取り付けるための連結構造として、登り梁の下端面周辺に接触させる終端具と、登り梁と柱の間に挟み込む台座具を用い、終端具を介し、テンションロッドを登り梁に取り付けることで、テンションロッドに作用する張力は、登り梁の下端面周辺で受け止められる。そのため、テンションロッドが強固に取り付けられ、脱落といった事態を生じにくい。しかも、終端具が登り梁を押圧する荷重の方向は、概ね登り梁の軸線に沿うため、登り梁表面の陥没といった経年変形を生じにくく、テンションロッドの緩みによる小屋組みの剛性低下を抑制できる。
そのほか、登り梁の下端部周辺に終端具を配置し、これを用いてテンションロッドを取り付けることで、左右の登り梁は、自立的に合掌形状を維持でき、登り梁と柱の連結に際し、曲げモーメントの伝達を考慮する必要がない。また、あらかじめ台座具を登り梁に取り付けておくことで、登り梁の据え付けは、台座具の軸体を柱の軸穴に差し込むといった単純な作業となり、しかも差し込みを終えると、登り梁は安定して据え付けられ、直ちに次の作業に着手でき、施工性に優れている。なお台座具は、登り梁の内部にテンションロッドが通ることを考慮した形状で、台座具から登り梁に向けては、釘類だけが入り込む。
本発明による連結構造の具体例を示す斜視図で、登り梁の下端部を柱の上端面に据え付けると共に、登り梁にテンションロッドを取り付けることを想定している。 図1の登り梁を柱に据え付ける過程を示す斜視図である。 図1の連結構造を用い、建物の骨格を築き上げた状態を示す斜視図である。 登り梁の内部に二本のテンションロッドを差し込む場合を示す斜視図で、終端具を上下に二個配置し、登り梁に加工する貫通孔も上下二列としてある。 図4の登り梁にテンションロッドなどを組み込んだ状態を示す斜視図で、登り梁については、内部構造を示すため、縦断面で描いてある。 図4の各要素を組み上げた最終状態と、その登り梁を柱に据え付けた施工状態を示す斜視図である。 図4の形態を一部変更し、テンションロッドの一端にツバを設け、これを終端具で引き止める構成を示す斜視図である。 図7の登り梁を柱に据え付け、さらにテンションロッドなどを取り付けた最終状態を示す斜視図で、登り梁については、内部構造を示すため、縦断面で描いてある。
図1は、本発明による連結構造の具体例を示し、登り梁41の下端部を柱51の上端面に据え付けると共に、登り梁41にテンションロッド21を取り付けることを想定している。登り梁41は、建物の屋根を下支えする骨格材だが、本発明においては、建物の頂上部を基準として左右対称に配置することを前提とする。ただし図1では、一方の登り梁41の下端部だけを描いてある。またテンションロッド21は、左右の登り梁41の下端部同士を引き寄せ、登り梁41の倒伏を防ぐ。そのほか柱51は、地盤から直立し、登り梁41を架空に据え付ける役割を担う。なお柱51と登り梁41のいずれも、木材(集成材を含む)である。
登り梁41を所定の傾斜で据え付けた場合において、登り梁41の各側面のうち、下を向く方を下斜面43と称するものとする。また下斜面43の延長で、柱51の上端面に載る範囲は、水平に削り出してあり、この範囲を最下面45と称するものとする。そのほか登り梁41の下端面は、垂直方向に削り出してあるが、ここではその大半を切削し、段差48を設けてある。段差48の奥面は垂直に展開しており、この面を直立面47と称するものとする。
テンションロッド21は、登り梁41の内部を通り抜ける必要がある。そのため、登り梁41の下斜面43と直立面47を結ぶ貫通孔46を加工してある。貫通孔46は水平方向に伸び、テンションロッド21が無理なく通過できる内径としてある。そしてテンションロッド21の端部を受け止めるため、終端具11を用いる。
終端具11は金属板で、ネジ釘18などで直立面47に取り付ける。なお図1の終端具11は円形だが、その形状は自在である。またネジ釘18を差し込むため、終端具11の上下二箇所には、差し孔15を設けてある。差し孔15は、ネジ釘18の頭部を埋め込むため、その一端側を円錐状に仕上げてある。そのほか終端具11の中心には、メネジ17を設け、テンションロッド21の端部に設けたオネジ27と螺合することができる。
台座具31は、登り梁41を柱51に据え付けるための金属部品で、上板34と軸体35を接合した形状である。そのうち上板34は、登り梁41の最下面45に接触する平面状で、その外形は自在に決めて構わないが、図1では円形としている。そして柱51の上端面には、上板34を収容する丸溝54を加工してある。また軸体35は、上板34の中心から真下に伸び、柱51の上端面から伸びる軸穴55に差し込む。したがって台座具31全体が部材内部に埋め込まれ、結露を生じにくくなる。
台座具31は、釘類38(図1ではネジ釘を使用)を用いて登り梁41に取り付ける。そのため上板34には、下から釘類38を差し込めるよう、通し孔37を設けてある。なお釘類38が貫通孔46に到達しないよう、通し孔37は、貫通孔46を避けて左右に振り分けて配置する必要があり、図1では、上板34の外縁付近に二箇所設けてある。そして釘類38の頭部を収容するため、通し孔37の下部は、内径を拡大してある。そのほか、上板34に差し込む釘類38は、終端具11を取り付けるネジ釘18との接触も避ける必要があり、図1の終端具11の差し孔15は、中心のメネジ17の上下に配置してある。
台座具31を登り梁41に取り付け、その軸体35を柱51の軸穴55に差し込むと、登り梁41は柱51に据え付けられた状態となる。さらに登り梁41の浮き上がりを防止するため、柱51の側面から軸体35に向けてドリフトピン57を打ち込む。そのため、柱51の側面には側孔56を加工すると共に、軸体35の側周面には横孔36を設ける。なお側孔56は、ドリフトピン57の抜けを防止するため、緩みのない内径とする。当然ながら、ドリフトピン57の使用数や打ち込み方向などは、必要に応じて自在に決めて構わない。
テンションロッド21端部のオネジ27は、終端具11のメネジ17と螺合するが、それだけではテンションロッド21の回転を止めることが難しく、時間の経過によって緩みが生じる恐れもある。そこで、終端具11から飛び出した部分にナット28を螺合させ、緩みを防止する。そのため登り梁41の段差48は、テンションロッド21端部の飛び出しも考慮し、削り出す深さを決める。
図2は、図1の登り梁41を柱51に据え付ける過程を示す。登り梁41の段差48奥の直立面47には、ネジ釘18を用いて終端具11を取り付ける。その際、終端具11のメネジ17は、貫通孔46と同心に揃うよう、位置を調整する。併せて登り梁41の最下面45には、釘類38で台座具31を取り付ける。なお終端具11と台座具31の取り付けは、製材段階で行うことができる。そのほか、登り梁41を貫く貫通孔46と、終端具11に差し込むネジ釘18と、台座具31に差し込む釘類38は、相互に接触することなく配置してある。
登り梁41を吊り上げ、その台座具31の軸体35を柱51の軸穴55に差し込むと、図2の右下のように、登り梁41が柱51に据え付けられ、さらに柱51の側孔56から軸体35に向けてドリフトピン57を打ち込むと、柱51と登り梁41が完全に一体化する。また、貫通孔46にテンションロッド21を差し込み、そのオネジ27を終端具11のメネジ17に螺合させていくと、テンションロッド21の端部が終端具11から突出し、そこにナット28を螺合させて締め付けると、テンションロッド21が緩みなく登り梁41に固定される。
登り梁41が柱51に据え付けられると、登り梁41の下端面(段差48の上の垂直面)は、柱51の側面と同一面に揃い、しかもテンションロッド21や終端具11は、段差48の内部に収容され、外部に突出しない。そのため、柱51と登り梁41を覆い隠す外壁材などを取り付ける際、これらとの干渉を考慮する必要がなく、作業性や気密性が向上する。なお段差48の形態は自在で、図2のような大規模な切り欠きではなく、終端具11が隙間なく入り込む程度の座グリとし、欠損範囲を最小限に留めることもできる。
図3は、図1の連結構造を用い、建物の骨格を築き上げた状態を示す。建物の骨格を築き上げるには、まず、二本の登り梁41のそれぞれの一端部に段差48を加工し、そこに、先の図2に描いたように、終端具11と台座具31を取り付ける。次に、二本の登り梁41を合掌形状に配置し、その頂上部分を何らかの手段で連結するほか、左右の終端具11にテンションロッド21を取り付け、登り梁41の下端部同士を引き寄せる。なおテンションロッド21の中央には、ターンバックル62を組み込み、テンションロッド21に張力を与える。
図3上方に描くように、二本の登り梁41を組み上げ、その下端部同士をテンションロッド21で引き寄せると、登り梁41に作用する下向きの荷重は、テンションロッド21で受け止められ、登り梁41の倒伏を防止する。またテンションロッド21の張力を高めることで、登り梁41がアーチ状に変形し、剛性が高まる。そのほか、終端具11やテンションロッド21など、本発明を構成する各部品は、登り梁41の左右両側面から突出することなく配置される。そのため一対の登り梁41を二組以上密着させ、強度を向上することもできる。
図3上方に描く合掌形状の登り梁41は、単独でも高い剛性を有し、その両端の台座具31を柱51に差し込むだけで、架空に据え付けることができる。また終端具11は、登り梁41を押圧する形態となるため、テンションロッド21の張力で終端具11が脱落することは困難で、安全性に優れる。そのほか終端具11によって生じる圧縮荷重の方向は、概ね登り梁41の繊維方向に沿うため、表面の陥没といった経年変形を生じにくく、骨格の緩みも生じにくい。
施工時は、組み上げられた一対の登り梁41を吊り上げ、対向する柱51を跨ぐように配置する。その後、柱51の側面にドリフトピン57を打ち込むと、登り梁41は架空に据え付けられる。なお骨格全体の強度を確保するため、奥行き方向に隣接する柱51や登り梁41は、桁材61や棟木60で連結する。そのほか登り梁41が比較的短い場合、ターンバックル62を用いることなく、一対の登り梁41を一本のテンションロッド21で結ぶこともある。
図3では、対向する登り梁41の下部にテンションロッド21を取り付けている。しかし、テンションロッド21をこの位置ではなく、対向する柱51同士を結ぶように取り付け、柱51の側面で登り梁41の下端面を押圧する構成も、技術的には可能である。ただしその場合、登り梁41と接触する柱51の側面は、繊維方向との兼ね合いで荷重による陥没を生じやすく、登り梁41の下端面が柱51の側面に食い込んでいき、骨格に緩みを生じる恐れがある。対して本発明では、このような問題を生じにくい。
図4は、登り梁41の内部に二本のテンションロッド22を差し込む場合を示しており、終端具12を上下に二個配置し、登り梁41に加工する貫通孔46も上下二列としてある。なお図4では、登り梁41の下端面をそのまま直立面47としている。さらにテンションロッド22の端部の突出を防ぐため、終端具12は、プレート14と筒体16を接合した構成としてある。プレート14は単純な円形で、直立面47に接触し、荷重の伝達を担う。また筒体16は、貫通孔46に入り込むほか、その内部にメネジ17を設けてあり、テンションロッド22のオネジ27と螺合する。そのほか、プレート14の上下二箇所には、差し孔15を設けてあり、そこにネジ釘18を差し込み、終端具12を登り梁41に取り付ける。
テンションロッド22は、登り梁41の貫通孔46を通るだけの延長で、上下に二本並んでいるが、これらの端部には中継片25を配置し、そこで一本の長尺テンションロッド24に接続させている。中継片25は細長い板状で、その上下にテンションロッド22を差し込み、中央に長尺テンションロッド24を差し込む。そのため、中継片25の上下三箇所には丸孔26を設けてあり、これを挟むようにナット28を配置し、テンションロッド22および長尺テンションロッド24を脱落不能に固定する。なおテンションロッド22については、中継片25の反対側も、緩み防止のため、筒体16と接触するようにナット28を組み込んである。
台座具32は、上板34と軸体35を接合したものだが、上板34については、柱51の横断面と同じ大きさとしてあり、柱51や登り梁41に埋め込まれることはない。そして釘類38を差し込む通し孔37は、貫通孔46を避けるように配置してある。また軸体35については、柱51に加工した軸穴55に差し込み、さらに柱51の側面からドリフトピン57を打ち込み、台座具32を柱51に固定する。なお図4のように、終端具12を複数用いることで、登り梁41に作用する応力が緩和され、信頼性が一段と向上する。
図5は、図4の登り梁41にテンションロッド22などを組み込んだ状態を示す。ただし登り梁41については、内部構造を示すため、縦断面で描いてある。テンションロッド22は上下二本で、それぞれが登り梁41に加工した貫通孔46に差し込まれ、その一端は終端具12の筒体16に螺合し、他端は中継片25に固定されている。なおテンションロッド22の両端には、抜け止めや緩み止めのナット28を螺合させてあり、貫通孔46は、これを考慮した内径としてある。またテンションロッド22は、中継片25の上下両端付近に固定され、その間には、遠方に伸びる長尺テンションロッド24が固定されている。
二個の終端具12は上下に並び、登り梁41の直立面47の大半を覆い、応力の緩和を実現している。また台座具32は、釘類38を用い、登り梁41の最下面45に取り付ける。なお施工時、現地での作業量を削減するため、台座具32は製材段階で登り梁41に取り付けておく。同様に、終端具12とテンションロッド22と中継片25についても、早い段階で登り梁41に取り付けることができる。
図6は、図4の各要素を組み上げた最終状態と、その登り梁41を柱51に据え付けた施工状態を示す。柱51と登り梁41は、台座具32を介して連結する。そのため、柱51の側面から軸体35に向けてドリフトピン57を打ち込むほか、上板34から登り梁41に向けて釘類38を差し込んである。なお柱51と登り梁41の間には、上板34が挟み込まれ、双方が直に接触することはない。
登り梁41の下斜面43側には、二本のテンションロッド22が水平に突出し、その先部に中継片25を配置し、ここで一本の長尺テンションロッド24を接続させている。長尺テンションロッド24は、図6右下の「施工状態」に示すように、左右の登り梁41の下端部付近から中央に向けて伸び、ターンバックル62に到達している。したがってターンバックル62を回転させることで、左右の終端具12を引き寄せ、登り梁41に圧縮荷重を作用させる。なお図6では、テンションロッド22が終端具12から突出することはなく、外壁材などの取り付けを妨げない。
図7は、図4の形態を一部変更し、テンションロッド23の一端にツバ29を設け、これを終端具13で引き止める構成としたもので、終端具13には、テンションロッド23を差し込むための中央孔19を設けてある。中央孔19は、ツバ29を収容できるよう、途中で内径を変えてあり、テンションロッド23に作用する張力を終端具13に伝達する。なおテンションロッド23は、図4と同様に上下二本で、終端具13も上下に二個配置してある。また、二本のテンションロッド23の先部には、中継片25を取り付け、そこで長尺テンションロッド24を接続させている点も、図4と同様である。
図8は、図7の登り梁41を柱51に据え付け、さらにテンションロッド23などを取り付けた最終状態を示す。ただし登り梁41については、内部構造を示すため、縦断面で描いてある。テンションロッド23のツバ29は、終端具13の中央孔19に埋め込まれ、終端具13から突出することはない。また台座具31は、その全体が柱51や登り梁41に埋め込まれ、結露を生じないほか、外観も向上する。そのほか登り梁41の貫通孔46は、ナット28の収容を考慮する必要がなく、必要最低限の内径としてある。
本発明は、登り梁41の下端面などの直立面47に終端具11、12、13を取り付け、さらに登り梁41の直立面47から下斜面43に到達する貫通孔46を加工し、そこにテンションロッド21、22、23を差し込み、テンションロッド21、22、23の張力で登り梁41の直立面47を押圧することを特徴としている。したがって本発明は、各図で描いた構成に限定される訳ではなく、実現可能な範囲で各要素を自在に組み合わせることができる。また台座具31、32は、貫通孔46を考慮し、釘類38だけで登り梁41に取り付ける必要があるが、その詳細形状は自在に決めて構わない。
11 終端具
12 終端具(プレートと筒体で構成)
13 終端具(中央孔を有するもの)
14 プレート
15 差し孔
16 筒体
17 メネジ
18 ネジ釘
19 中央孔
21 テンションロッド
22 テンションロッド(短尺・両端オネジ)
23 テンションロッド(短尺・一端ツバ)
24 長尺テンションロッド
25 中継片
26 丸孔
27 オネジ
28 ナット
29 ツバ
31 台座具(上板が円形)
32 台座具(上板が正方形)
34 上板
35 軸体
36 横孔
37 通し孔
38 釘類
41 登り梁
43 下斜面
45 最下面
46 貫通孔
47 直立面
48 段差
51 柱
54 丸溝
55 軸穴
56 側孔
57 ドリフトピン
60 棟木
61 桁材
62 ターンバックル

Claims (1)

  1. 登り梁(41)の下端部を柱(51)の上端面に据え付けるための連結構造であって、
    前記登り梁(41)下端部の直立面(47)に接触させる終端具(11乃至13)と、
    該終端具(11乃至13)に取り付けられ且つ前記登り梁(41)の内部を貫くテンションロッド(21乃至23)と、
    前記登り梁(41)と前記柱(51)の間に挟み込む台座具(31又は32)と、
    を用い、
    前記台座具(31又は32)は、前記登り梁(41)と前記柱(51)の境界面に挟み込む上板(34)と、該柱(51)の内部に差し込む軸体(35)と、を有し、
    該上板(34)から前記登り梁(41)に向けて釘類(38)を差し込むことで、前記台座具(31又は32)を該登り梁(41)に取り付け、
    前記登り梁(41)には、前記テンションロッド(21乃至23)を差し込むため、その下斜面(43)と前記直立面(47)を結ぶ貫通孔(46)を設け、
    前記柱(51)の上端面には、前記軸体(35)を差し込むための軸穴(55)を設け、
    前記テンションロッド(21乃至23)の端部を螺合等で前記終端具(11乃至13)に固着させると共に、前記台座具(31又は32)を介し、前記登り梁(41)を前記柱(51)に据え付けることを特徴とする連結構造。
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