JP2017066375A - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
軟質な熱可塑性エラストマー(以下TPE)は様々な用途に使用されているが、一般的に軟質性と耐熱性の両立が困難である。オレフィン系のランダム共重合体の場合、軟質になるほど結晶性が低下してしまう。A硬度が50から80程度のTPE、例えば、エチレン-αオレフィン共重合体やエチレン-酢酸ビニル共重合体の場合、その実用耐熱温度はその融点に等しく、約50℃から80℃程度である。そこで一般には軟質性と耐熱性に優れた水添ブロック共重合体と、ポリプロピレンと、オイルとを含む樹脂組成物(コンパウンド)が用いられる。水添ブロック共重合体はそれ自体比較的軟質で耐熱性に優れ、オイルとの相溶性に優れるため本用途に適している。
水添ブロック共重合体は、スチレンと、ブタジエンやイソプレン等のジエンとを原料とし、アニオンリビング重合と引き続く水素化処理により製造されている。しかしながら、原料のジエンはしばしば市況が大きく変化し、イソプレンは供給会社が限定されてしまう。更にポリブタジエン鎖やポリイソプレン鎖には二重結合が含まれ、そのままでは耐久性、耐熱性が不足するので、水素化する必要がある。水素化する工程は水添ブロック共重合体のコストアップの原因になる。
ここでクロス共重合体とは配位重合工程とクロス化工程からなる重合工程により得られる共重合体であり、配位重合工程として、シングルサイト配位重合触媒を用いてエチレンモノマー、炭素数3〜12のオレフィンモノマー及び芳香族ポリエンの共重合を行ってエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体と芳香族ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を用いて重合する製造方法で得られる共重合体である。
また、クロス共重合体100質量部、ポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、オイル20〜200質量部を含む樹脂組成物であり、
クロス共重合体とは、エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体鎖と芳香族ビニル化合物重合体鎖を有する共重合体であり、グラフトスルーを含み、エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体鎖と芳香族ビニル化合物重合体鎖が芳香族ポリエンユニットを介して結合している共重合体である。
クロス共重合体が更に以下の条件を満たす該樹脂組成物であり、
(1)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量15質量%以上50質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上1質量%以下、残部がエチレン含量であり、
(2)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の重量平均分子量が10万以上60万以下であり、
(3)クロス化工程で得られるクロス共重合体に対する配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の質量割合が60〜95質量%である。
−40℃の貯蔵弾性率が7×108Pa以下であり、かつ140℃の貯蔵弾性率が1×105Pa以上である該樹脂組成物であり、
引張弾性率が1〜30MPa、破断伸びが300〜2000%、破断強度が1〜50MPaである該樹脂組成物であり、
エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量20質量%以上35質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上0.3質量%以下、残部がエチレン含量である該樹脂組成物であり、
引張弾性率が1〜30MPa、破断伸びが700〜2000%、破断強度が5〜50MPaである該樹脂組成物であり、
オイルが、パラフィン系オイルの樹脂組成物であり、
クロス共重合体100質量部、ポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、オイル20〜200質量部を混合する該樹脂組成物の製造方法であり、
ここでクロス共重合体は配位重合工程とクロス化工程からなる重合工程により得られる共重合体であり、配位重合工程として、シングルサイト配位重合触媒を用いてエチレンモノマー、炭素数3〜12のオレフィンモノマー及び芳香族ポリエンの共重合を行ってエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体と芳香族ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を用いて重合する製造方法で得られる共重合体である。
本発明のクロス共重合体とは、配位重合工程とクロス化工程からなる重合工程により得られる共重合体であり、配位重合工程として、シングルサイト配位重合触媒を用いてエチレンモノマー、炭素数3〜12のオレフィンモノマー及び芳香族ポリエンの共重合を行ってエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体と芳香族ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を用いて重合する製造方法で得られる共重合体である。
本配位重合工程におけるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成は、所定の重合条件下、触媒の選択又は重合液中のモノマー濃度により制御できる。重合液中のモノマー濃度は一般に、エチレンガスの分圧やオレフィンモノマーの分圧、又は、重合缶への計量されたモノマーの導入により制御できる。エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の分子量や分子量分布は、一般的には触媒の選択又は重合温度、或いは、適当な連鎖移動剤の添加により制御できる。
又、上記の置換シクロペンタジエニル基は、置換可能な水素の少なくとも1つ以上が炭素数1〜2の炭化水素基で置き換えられているものであり、隣り合う置換基は一体となった環状構造を有さない。又、Yは、Flu及びCpに対して結合を有する置換メチレン基であり、メチレン基の置換基は、水素、炭素数1〜10の炭化水素基である。又、Mはジルコニウム、ハフニウム、又はチタンから選ばれる金属である。又、Xは、ハロゲン、炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアルコキシド基、炭素数1〜15のアミド基、炭素数3〜15のアルキルシラン基である。nは1又は2の整数である。尚、Xが複数の場合、複数のXは互いに結合を有していても良い。一般式(1)で示されるような遷移金属化合物は、特開2010−43246号公報に記載されている。
一般式(2)中、A、Bはそれぞれ独立に存在するベンゾインデニル基又は置換ベンゾインデニル基であるか、又はインデニル基、置換インデニル基から選ばれる基である。Yaは、A、Bと結合を有し、置換基として水素或いは炭素数1〜20の炭化水素基を有する置換硼素基である。Yaの置換基は、1〜3個の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素又は硫黄原子を含んでいても良く、又、環状構造を有していても良い。Xaは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数3〜15のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は水素若しくは炭素数1〜22の炭化水素置換基を有するアミド基又はアミノ基である。nは1又は2の整数である。又、Xaが複数である場合、複数のXaは結合を有していてもよい。Maはジルコニウム、ハフニウム又はチタンである。一般式(2)で示されるような遷移金属化合物は、WO2001/068719号公報に記載されている。
一般式(3)中、Cp1は非置換若しくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換若しくは置換ベンゾインデニル基、非置換若しくは置換シクロペンタジエニル基、非置換若しくは置換インデニル基、又は非置換若しくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。ここで置換シクロペンタフェナンスリル基、置換ベンゾインデニル基、置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、又は置換フルオレニル基とは、置換可能な水素の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3基又はPR2基(Rは何れも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)で置換されたシクロペンタフェナンスリル基、ベンゾインデニル基、シクロペンタジエニル基、インデニル基、又はフルオレニル基である。Ybは、Cp1、Zと結合を有し、他に水素若しくは炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、又は硼素基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。又、Ybは環状構造を有していてもよい。Zは窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含み、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子でMbに配位する配位子でYbと結合を有し、他に水素若しくは炭素数1〜15の置換基を有する基である。Mbはジルコニウム、ハフニウム、又はチタンである。Xbは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基である。nは1又は2の整数である。一般式(3)で示されるような遷移金属化合物は、WO1999/014221号公報、EP416815A2号公報、US6254956号公報に記載されている。高分子量かつ自己架橋の少ない共重合体を活性よく与える点で、一般式(1)及び/又は(2)の遷移金属化合物が好ましい。
大型容器にアセトン400mlと攪拌子を入れ、マグネチックスターラー上で氷浴しつつ攪拌した。別容器にトルエンを40ml、クロス共重合体を4g加えて加熱攪拌し完全に溶解させた。溶解後、シリンジで熱溶液を吸い上げ、攪拌されている冷アセトン中にゆっくり滴下した。滴下終了後、析出したポリマー入りのアセトン懸濁液を減圧濾過し、フィルターに残った冷アセトン不溶ポリマーは自然乾燥後60℃で一晩真空乾燥した。濾液はエバポレーター用ナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧除去し、10ml程度の濃縮液を取り出した。ナスフラスコは少量のアセトンで数回洗浄し、洗浄液は濃縮液に加えた。これを約1Lの激しく攪拌したメタノール中に投入し、冷アセトン可溶ポリマーを析出させ、減圧濾過し、フィルター上のポリマーは自然乾燥後60℃で一晩真空乾燥した。冷アセトン可溶ポリマーは、比較的少量(使用したクロス共重合体に対し数質量%〜20質量%程度)であり、1H−NMR測定によりポリスチレンホモポリマーであることが確認できる。一方、冷アセトン不溶分は大部分(過半以上)を占め、冷アセトン不溶ポリマーの1H−NMRを測定すると、エチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体鎖とポリスチレン鎖を共に観測することができ、含まれるエチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体鎖とポリスチレン鎖をそれぞれのホモポリマーとして分別することができないことが示される。完全に溶媒分別されていることの検証のため以下の操作を行った。上記冷アセトン不溶ポリマーを用い、再度上記手順で溶媒分別を行い、冷アセトン不溶ポリマーを回収し、その1H−NMR測定を行った。得られたその組成(エチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体鎖とポリスチレン鎖の組成)に実質的に変化がないことが確認できる。実際には1回の溶媒分別で実質的に溶媒分別は完了している。
(1)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量15質量%以上50質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上1質量%以下、残部がエチレン含量であり、
(2)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の重量平均分子量が10万以上60万以下であり、
(3)クロス化工程で得られるクロス共重合体に対する配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の質量割合が60〜95質量%である。
(1)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量15質量%以上50質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上1質量%以下、残部がエチレン含量であり、
(2)配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の重量平均分子量が10万以上60万以下であり、
(3)クロス化工程で得られるクロス共重合体に対する配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の質量割合が60〜95質量%である。
ポリプロピレン系樹脂とはプロピレンを主体とする重合体である。好ましくはホモポリプロピレン(ホモPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、ランダムポリプロピレン或いはこれらの混合物である。樹脂組成物の耐熱性や剛性の点で、ホモポリプロピレンが好ましい。立体規則性はアイソタクティックでもシンジオタクティックでもよいが、樹脂組成物の耐熱性や剛性の点で、アイソタクティックが好ましい。ホモポリプロピレンやブロックポリプロピレンについては、例えば、特開平11−29690号公報、特開平11−29669号公報に記載してあるものも好適に使用できる。
オイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、又は、芳香族系オイルや流動パラフィン等の鉱物油系オイル、シリコンオイル、ヒマシ油、アマニ油、オレフィン系ワックス、鉱物系ワックス等のオイルが好ましい。オイルの中では、パラフィン系及び/又はナフテン系が好ましい。これらは出光興産株式会社から、ダイアナプロセスオイルとして入手できる。
実施例で得られた共重合体の分析は以下の手段によって実施した。
共重合体中のオレフィン、芳香族ビニル化合物の各ユニット含量の決定は、1H−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−250を用いた。重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、室温で溶解する場合は室温で測定し、室温で溶解しない場合は80〜100℃で測定した。公知の手法により、得られた各ユニット由来のピークの面積を比較して各ユニット含量や組成を求めた。クロス化工程を経て最終的に得られるクロス共重合体に含まれる、配位重合工程で得られるエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の質量割合も、エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成とクロス共重合体の組成を比較することで求めた。クロス化工程で得られる芳香族ビニル重合体の質量%も同様にして求めた。
樹脂中の芳香族ポリエン重合体の含量は、ガスクロマトグラフィ分析により求めた重合液中の未反応ジビニルベンゼン量と重合に用いたジビニルベンゼン量の差から求めた。
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。測定は以下の条件で行った。
カラム:TSK−GEL MultiporeHXL-M φ7.8×300mm(東ソー社製)を2本直列に繋いで用いた。
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:THF
送液流量:1.0ml/min.
サンプル濃度:0.1wt/vol%
サンプル注入量:100μL
室温でTHF溶媒に不溶であるポリマーの分子量は、高温GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。東ソー社製HLC−8121GPC/HTを用い、カラムはTSKgelGMHHR−H(20)HT、φ7.8×300mm3本、オルトジクロロベンゼン、又はトリクロロベンゼンを溶媒とし140℃で測定した。
検出器:RI
サンプル濃度:0.1質量/体積%
サンプル注入量:100μL
送液流量:1.0ml/min.
DSC測定は、セイコー電子社製DSC6200を用い、窒素気流下で行った。即ち、樹脂10mgを用い、アルミナ10mgをレファレンスとして、アルミニウムパンを用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温から240℃まで昇温した後に20℃/分で−120℃まで冷却した。その後240℃まで昇温速度10℃/分で昇温しながらDSC測定を行い、融点、結晶融解熱及びガラス転移点を求めた。
JIS K7210に準じ、200℃でのMFRを測定した。尚、荷重は98Nの条件にて測定した。
物性評価用の試料は加熱プレス法(温度250℃、時間5分間、圧力50kg/cm2)により成形した各種厚さ(0.3、1.0、2.0mm)のシートを用いた。
加熱プレス法により得た厚み約0.3mmのフィルムから測定用サンプル(8mm×50mm)を切り出し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社RSA−III)を使用し、周波数1Hz、温度領域−50℃〜+250℃の範囲で測定し、貯蔵弾性率を求めた。
測定に関わるその他測定パラメ−タ−は以下の通りである。
測定周波数1Hz
昇温速度4℃/分
サンプル測定長10mm
Test Type = Dynamic Temperature Ramp (DTempRamp)
Initial Static Force 5.0g
Auto Tension Sensitivity 1.0g
Max Auto Tension Rate 0.033mm/s
Max Applied Strain 1.5%
Min Allowed Force 1.0g
JIS K6251に準拠し、1.0mm厚さシートを2号1/2号型テストピース形状にカットし、島津製作所AGS−100D型引張試験機を用い、23±1℃の条件にて引張速度500mm/minにて測定した。
(i)触媒A
ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(下記の一般式(4)を参照)は、J.Am.Chem.Soc.,110,6255(1988)記載の製造方法を参考にし、ジフェニルフルベンとフルオレンを配位子原料として合成した。
触媒として触媒A(ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド)を用い、以下のように実施した。
実施例Aと同様の手順で、表1に示す重合条件で重合を実施した。
以下のようにして、クロス共重合体、ポリプロピレン、オイルを含有する樹脂組成物を得た。
ブラベンダ−プラスチコ−ダ−(ブラベンダ−社製PL2000型)を使用し、実施例A〜Cで得られたクロス共重合体、ホモポリプロピレン(プライムポリマー社製J106G)及びオイル(パラフィン系オイル、出光興産株式会社製PW−100)を表4に示す配合(質量部)で調製した。合計約45gの樹脂組成物を、200℃、回転速度100回/分、10分間混練し、サンプルを作製した。オイルは事前に不定形クラム状のクロス共重合体に室温で一昼夜吸収させてから混練に用いた。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製Irg1076)を用いた。
Claims (9)
- クロス共重合体100質量部、ポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、オイル20〜200質量部を含む樹脂組成物。
ここでクロス共重合体とは配位重合工程とクロス化工程からなる重合工程により得られる共重合体であり、配位重合工程として、シングルサイト配位重合触媒を用いてエチレンモノマー、炭素数3〜12のオレフィンモノマー及び芳香族ポリエンの共重合を行ってエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体と芳香族ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を用いて重合する製造方法で得られる共重合体である。 - クロス共重合体100質量部、ポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、オイル20〜200質量部を含む樹脂組成物。
ここでクロス共重合体とは、エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体鎖と芳香族ビニル化合物重合体鎖を有する共重合体であり、エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体鎖と芳香族ビニル化合物重合体鎖が芳香族ポリエンユニットを介して結合している共重合体である。 - クロス共重合体が更に以下の条件を満たす請求項1又2に記載の樹脂組成物。
(1)エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量15質量%以上50質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上1質量%以下、残部がエチレン含量であり、
(2)エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の重量平均分子量が10万以上60万以下であり、
(3)クロス化工程で得られるクロス共重合体に対するエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の質量割合が60〜95質量%である。 - −40℃の貯蔵弾性率が7×108Pa以下であり、かつ140℃の貯蔵弾性率が1×105Pa以上である請求項1〜3のうちの1項に記載の樹脂組成物。
- 引張弾性率が1〜30MPa、破断伸びが300〜2000%、破断強度が1〜50MPaである請求項1〜4のうちの1項に記載の樹脂組成物。
- エチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の組成が、オレフィン含量20質量%以上35質量%以下、芳香族ポリエン含量0.01質量%以上0.3質量%以下、残部がエチレン含量である請求項1〜5のうちの1項に記載の樹脂組成物。
- 引張弾性率が1〜30MPa、破断伸びが700〜2000%、破断強度が5〜50MPaである請求項1〜6のうちの1項に記載の樹脂組成物。
- オイルが、パラフィン系オイルである請求項1〜7のうちの1項に記載の樹脂組成物。
- クロス共重合体100質量部、ポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、オイル20〜200質量部を混練する請求項1〜8のうちの1項に記載の樹脂組成物の製造方法であり、
ここでクロス共重合体は配位重合工程とクロス化工程からなる重合工程により得られる共重合体であり、配位重合工程として、シングルサイト配位重合触媒を用いてエチレンモノマー、炭素数3〜12のオレフィンモノマー及び芳香族ポリエンの共重合を行ってエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このエチレン−オレフィン−芳香族ポリエン共重合体と芳香族ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を用いて重合する製造方法で得られる共重合体である。
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