JP5626752B2 - 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5626752B2 JP5626752B2 JP2009238267A JP2009238267A JP5626752B2 JP 5626752 B2 JP5626752 B2 JP 5626752B2 JP 2009238267 A JP2009238267 A JP 2009238267A JP 2009238267 A JP2009238267 A JP 2009238267A JP 5626752 B2 JP5626752 B2 JP 5626752B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- mol
- block copolymer
- styrene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
特開2008−308557号公報(特許文献3)には、フルオレニル基を有するハーフメタロセン化合物を用い、スチレンとエチレンの共重合を行った例が開示されているが、これにも長鎖のスチレンブロックを示唆する記載は無い。
スチレンと1,3−ブタジエンとの存在下に共重合を行い、これを化学式[I]で表される遷移金属化合物の存在下で共重合して、示差走査熱量計(DSC)で、10℃/分で300℃まで昇温して測定した融点が250〜300℃、ガラス転移温度が−30〜−150℃を有する芳香族ビニル化合物/共役ポリエン化合物ブロック共重合体を製造する方法である。
本願の第1の発明は、高い融点と低いガラス転移温度を併せ持つ重合体の製造方法である。本発明の製造方法では芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物の存在下に共重合を行う。
本発明の芳香族ビニル化合物は、スチレン及びその誘導体が挙げられる。スチレン誘導体とは、スチレンに他の基が結合した化合物であって、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレンが代表例である。ビニルビフェニル系化合物の様な芳香族置換基を有するものやジビニルベンゼンなどの多官能性化合物も挙げられる。この他、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、p−トリメチルシロキシスチレン、m−トリメチルシロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンの如き、ハロゲンや嵩高いヘテロ原子含有置換基が挙げられる。
極性基を有するスチレン誘導体は、重合活性を損なう可能性があるが、上記のt−ブチル基やトリメチルシリル基の様な嵩高い置換基を有していれば、この問題点が回避されることが多い。またこれらの置換基は、穏和な加水分解条件下で容易に脱離させることが可能であり、極性基を有する芳香族ビニル化合物連鎖のブロックを有する共重合体を得ることも出来る。
この芳香族ビニル化合物は、主として250℃以上の高い融点を発現する部位を形成する成分である。芳香族ビニル化合物によって形成されるブロックの立体規則性は、上記の融点を示す限り、制限はないが、通常はシンジオタクチシチーが高い立体構造を有することが好ましい。
上記の芳香族ビニル化合物は2種以上を組み合わせて用いることも勿論可能である。
本発明の共役ポリエン化合物は、共役二重結合を有していれば特に制限はないが、芳香族ビニル化合物以外のものであり、少なくともビニル型の二重結合が1つ以上含まれている直鎖状または分岐鎖状の構造であることが好ましい。また、炭素数は4〜20、好ましくは4〜10、更に好ましくは4〜8である。この共役ポリエン化合物は主として低いガラス転移温度を示す部位を形成する成分である。共役ポリエン化合物の炭素数が多すぎると、側鎖の結晶化等により、本来のゴム弾性を損なう事がある。
ここで共役ポリエン化合物の例としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−デカジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(所謂イソプレン)、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(所謂ミルセン)などが挙げられる。
本発明においては、その目的を損なわない範囲で他のビニル化合物成分を共重合させても良い。具体的にはエチレンまたは炭素数3〜20のα−オレフィン化合物である。ここで炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。また、ノルボルネン、テトラシクロドデセンおよびその誘導体などの公知の環状オレフィン化合物を用いることも出来る。
これらの中では、炭素原子数が2のエチレンや、炭素原子数が3〜10の直鎖状α−オレフィンが好ましい。
上記のオレフィン化合物は融点やガラス転移温度の調節などの目的で導入することも出来る。
オレフィンとして、これらのエチレン及びα−オレフィンを、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
このような触媒や開始剤はこれまで殆ど見出されていなかった。本発明においては、例えば下記のような遷移金属化合物を触媒もしくは開始剤として用いると、前記のような方法でブロック共重合体が得られることを見出した。
すなわち、従来のブロック共重合体の製造方法においては、たとえば(i)第1および第2のブロックを別々に合成し(第1の工程)、その後第1および第2のブロックを反応させる(第2の工程)方法や、(ii)第1のブロックを重合反応で合成(第1の工程)した後、引き続いて、第1のブロックに対して第2のブロックを重合反応で合成(第2の工程)する方法(例えばリビング重合を用いた方法)が必要とされていたが、本発明では、たとえば2種類のブロックを別々に合成する必要がなく、原料を混在させておくことで所望のブロック共重合体の合成(一工程の合成)が可能である。
本発明においては、たとえば、芳香族ビニル化合物の単独重合を行った後に、芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物の共存下に重合を行えば、更に高次のブロック共重合体を従来より少ない工程数で得ることが可能である。一方、芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物の共存下に重合を行った後に共役ポリエン化合物の単独重合を行えば、更に高次のブロック共重合体を従来より少ない工程数で得ることも可能である。
また、本発明においては、たとえば、芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物の共存下に重合を行った後、再度、芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物の共存下に重合を行うのも高次のブロック共重合体を従来より少ない工程数で得ることができる。
上記の様な遷移金属化合物は、周期律表の3族金属元素にシクロペンタジエニル基もしくは置換シクロペンタジエニル基と窒素を含む芳香族置換基とを有する遷移金属化合物である。
具体的には以下のような構造の所謂ハーフメタロセン化合物を例示することが出来る。
Cp*に含まれるシクロペンタジエニル誘導体とは、シクロペンタジエニル環のほか、シクロペンタジエニルを含む縮合環である。例えばインデニル環、フルオレニル環に代表される環状構造を基本骨格とする構造である。最も好ましいシクロペンタジエニル誘導体の基本骨格は、シクロペンタジエニル環である。
また、Q1及びQ2は互いに結合するか、あるいは一緒になって、いわゆるジアニオン性の配位子となっていてもよい。ジアニオン性の配位子としては、アルキリデン、ジエン、シクロメタル化されたヒドロカルビル基、または二座のキレート配位子などが挙げられる。
前記炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基などの無置換ヒドロカルビル基のほか、置換ベンジル基やトリアルキルシリルメチル基、ビス(トリアルキルシリル)メチル基などの置換ヒドロカルビル基でもよい。好ましいヒドロカルビル基の例には、置換または無置換ベンジル基やトリアルキルシリルメチル基が含まれ、より好ましい例にはオルト−ジメチルアミノベンジル基やトリメチルシリルメチル基が含まれる。
1)η3−C3R1 5(式中、R1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。また、η3はハプト数が3であることを示す。)で示される基、または、
2)CH2C6R2 4ER3 n−o(式中、R2は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示し;EはN、P、As、O、またはSを示し;R3は、それぞれ独立にアルキル基またはアリール基を示し;nは1または2である。)で示される基である。
前記CH2C6R2 4ER3 n−oにおけるR2が示すアルキル基は、好ましくはC1〜C10(好ましくはC1〜8、さらに好ましくはC1〜C4)のアルキル基などであり、最も好ましくはメチル基である。R3が示すアルキル基は、R2が示すアルキル基と同様である。R3が示すアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などである。
前記CH2C6R2 4ER3 n−oにおけるEはN、P、As、O、またはSを示し、好ましくはNである。
前記アミド基は、好ましくはジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、ジ−t−ブチルアミド基、ジイソプロピルアミド基、無置換または置換ジフェニルアミド基などである。
前記ホスフィノ基は、好ましくはジフェニルホスフィノ基、ジシクロヘキシルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジメチルホスフィノ基などである。
前記シクロメタル化されたヒドロカルビル基は、好ましくはプロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレンなどである。
前記ジエンは、好ましくは1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどである。
また、LはQ1及び/又はQ2と結合して、前記でも示したいわゆる多座配位子となっていてもよい。
また、後述の参考例にも、これらの錯体の製造方法の具体例が記載されている。
本発明に用いる触媒や開始剤にはイオン性化合物(上記(b))が含まれていても良い。ここでイオン性化合物とは、非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物を含む。該イオン性化合物は、前記したメタロセン錯体と組み合わされることにより、前記メタロセン錯体に重合触媒としての活性を発揮させる。そのメカニズムとして、イオン性化合物が、メタロセン錯体と反応し、カチオン性の錯体(活性種)を生成させると考えることができる。
カルボニウムカチオンの具体例には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンが含まれる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンが含まれる。
アンモニウムカチオンの具体例には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、ジ(n−オクタデシル)メチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン、などのジアルキルアンモニウムカチオンが含まれる。
ホスホニウムカチオンの具体例には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが含まれる。
さらに、アルキルアルミ化合物(アルミノオキサン、好ましくはMAOまたはMMAO)、またはアルキルアルミ化合物とボレート化合物の組み合わせも、イオン性化合物として用いることができ、また他のイオン性化合物と組み合わせて用いてもよい。特に、前記した本発明で用いる錯体(化学式[I])のモノアニオン配位子Qが、アルキルまたはヒドリド以外である場合(例えばハロゲンである場合)は、アルキルアルミ化合物、またはアルキルアルミ化合物とボレート化合物の組み合わせを用いることが好ましいと考えられる。
アルキルアルミニウム化合物とは、通常、メタロセン重合触媒で用いられるアルミノオキサン(アルモキサン)と称される有機アルミニウム化合物を含む。例えば、メチルアルミノキサン(MAO)などが挙げられる。
シラン化合物とは、フェニルシランなどが挙げられる。
上記の有機金属化合物成分を併用すると、連鎖移動反応を誘発することが出来、触媒もしくは開始剤によって得られるブロック重合体連鎖を起点として更にブロック重合連鎖を形成する、所謂マルチブロックな構造の重合体を得ることも可能である。
前記モル比率は、例えば、イオン性化合物がカルボニウムカチオンとホウ素アニオンからなるもの(例えば[Ph3C][B(C6F5)4])である場合は0.5〜5、さらに0.5〜1であることが好ましく、MAOなどである場合は300〜4000程度であることが好ましい。
イオン性化合物は、メタロセン錯体をイオン化、即ちカチオン化させて、触媒活性種とすると考えられるため、上記した比率以下であると、十分にメタロセン錯体を活性化することができない可能性がある。
一方、カルボニウムカチオンとホウ素アニオンからなるイオン性化合物が過剰に存在すると、重合反応させるべきモノマーとそれらが反応してしまう恐れがある。
例えば、1)各構成成分(メタロセン錯体およびイオン性化合物など)を含む組成物を重合反応系中に提供する、あるいは2)各構成成分を別個に重合反応系中に提供し、反応系中において組成物を構成させることにより、重合触媒組成物として用いることができる。
上記1)において、「組成物として提供する」とは、イオン性化合物との反応により活性化されたメタロセン錯体(活性種)を提供することを含む。
本発明のブロック共重合体の製造方法では、芳香族ビニル化合物と共役ポリエンとの共存下に、好ましくは前記の遷移金属化合物を含む重合触媒組成物を用いて共重合を行うだけで、ブロック共重合体が得られる。芳香族ビニル化合物と共役ポリエンの合計量を100モル%とした場合、それぞれの比率は以下の通りであることが好ましい。芳香族ビニル化合物の下限値は5モル%、より好ましくは10モル%、更に好ましくは15モル%である。好ましい上限値は80モル%、より好ましくは60モル%、更に好ましくは50モル%、特に好ましくは40モル%である。一方、共役ポリエン化合物の好ましい下限値は20モル%、より好ましくは40モル%、更に好ましくは50モル%、特に好ましくは60モル%である。好ましい上限値は95モル%、より好ましくは90モル%、更に好ましくは85モル%である。
前記の遷移金属化合物は、芳香族ビニル化合物と共役ポリエンの合計量に対して、好ましくは0.0001〜1モル%、より好ましくは0.001〜0.1モル%、特に好ましくは0.01〜0.05モル%の割合で使用される。
前記のその他の成分である有機金属化合物やシラン化合物、水素は、芳香族ビニル化合物と共役ポリエンの合計量に対して、好ましくは0.0001〜100モル%、より好ましくは0.001〜50モル%、特に好ましくは0.01〜10モル%の割合で使用される。
これらの重合触媒組成物の各成分は、製造するブロック共重合体の分子量や、ブロック構造形態、生産性を考慮して組み合わせた条件が選択される。
重合時間に特に制限はないが、生産性などを考慮して好ましくは15分〜48時間、より好ましくは30分〜24時間、更に好ましくは1〜12時間の範囲に設定される。
本願の第2の発明は、前記の製造方法で得られるブロック共重合体である。
本発明のブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物由来の単位と共役ポリエン由来の単位とから主に構成される。本発明のブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物との存在下に重合を行って得られる重合体であるが、前記のようにブロック共重合体の構造を有し、好ましくは芳香族ビニル化合物由来の単位の連鎖に起因すると考えられる高い融点と、好ましくは共役ジエン化合物由来の単位の連絡に起因すると考えられる低いガラス転移温度とを示す。
本発明のブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物由来の単位と共役ポリエン由来の単位とから主に構成される。
これらの組成情報は、NMR測定や熱分解ガスクロマトグラフィー、赤外分光分析などを用いたり併用したりして得ることが出来る。
本発明のブロック共重合体は、250〜300℃の融点を示す。好ましくは255〜290℃、より好ましくは260〜280℃である。この融点は示差走査熱量測定(DSC)によって決定される値である。
またねじりモードでの固体粘弾性測定によっても類似の値を得ることが出来る。
本発明のブロック共重合体がブロック構造をとることを証明する手段としては、NMR測定によって芳香族ビニル化合物と共役ポリエンとの結合に由来する水素、もしくは13Cのシグナルの有無を測定することが挙げられる。
また、溶媒分別も簡易且つ確実な手段として挙げることが出来る。即ち、共役ポリエンの重合体の良溶媒且つ芳香族ビニル化合物の重合体の貧溶媒の性質を示す媒体で、得られた重合体の溶媒分別操作を行い、溶媒不溶部が共役ポリエン化合物由来構造を有していたり、共役ポリエン化合物重合体由来の性質を示せば、この重合体はブロック重合体であると言える。
本発明のブロック重合体は、従来のシンジオタクチックポリスチレンに対して高い結晶化速度を有している。この結晶化速度を比較する方法としては、例えば本発明のブロック共重合体と、従来のシンジオタクチックポリスチレンと共役ポリエン重合体との混合物を同一条件で成形したサンプルのDSC測定による融解熱量を比較する方法が挙げられる。
本発明のブロック共重合体の結晶化速度が速い理由の詳細は不明であるが、芳香族ビニル化合物由来の連鎖部位がミクロ層分離し易く、同層構造では分子運動の自由度が高い可能性が挙げられる。また、この分子運動の自由度の高さには、ガラス転移温度が低い即ち運動性の高い共役ポリエン由来の連鎖部位が関与している可能性も考えられる。
本発明のブロック共重合体は、公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、スリップ剤、流動付与剤などを添加することも勿論可能である。
本発明のブロック共重合体は、従来のTPEの用途は勿論、これまで耐熱性の関係で使用に制限のあった、各種架橋ゴムが使用されていた用途にも適用できる可能性がある。例えば、自動車のエンジン廻りに使用される樹脂材料の改質剤等が挙げられる。
本発明によれば、従来、架橋ゴムが適用されていた用途にも使用可能な熱可塑性エラストマーをより簡便な方法で提供できる可能性がある。
[1H−NMR測定]
日本電子社製「ECX400P型」核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。
パルスシーケンス: シングルパルス
パルスアングル:45°
積算回数:512 回
繰り返し時間:7.0sec
溶媒: 重水素化テトラクロロエタン(TCE−d2)
試料濃度:3〜4g/L
測定温度:50℃(スチレン・ブタジエン共重合体の場合)
120℃(スチレン単独重合体、スチレン・エチレン共重合体の場合)
ケミカルシフト基準:テトラクロロエタン=5.95ppm
(スチレン/エチレン共重合体の場合は、メチレン水素=1.20ppm)
スチレン/ブタジエン共重合体の1H−NMRスペクトルにおける各シグナルは、以下の様に帰属される。
スチレン構造由来のフェニル水素 7.10ppm および 6.55ppm
スチレン構造由来のメチレンおよびメチン水素 2.10ppm
ブタジエン構造由来のペンダントビニル基のメチン水素 5.60ppm,
ブタジエン構造由来のペンダントビニル基のメチレン水素 5.10ppm,
ブタジエン構造由来の主鎖中の二重結合のメチン水素 5.35ppm (CH2CH=CHCH2),
シンジオタクチックポリスチレンの1H−NMRスペクトルにおける各シグナルは、以下の様に帰属される。
メタ位、パラ位のフェニル水素 7.00ppm
オルト位のフェニル水素 6.55ppm
主鎖メチン水素 2.10ppm
主鎖メチレン水素 1.35ppm
エチレン/スチレン共重合体の1H−NMRスペクトルにおける各シグナルは、以下の様に帰属される。
スチレン構造由来のフェニル水素 6.4〜7.2ppm,
主鎖メチレンおよびメチン水素 1.1〜2.4ppm
日本電子社製「ECA500型」核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。
パルスシーケンス: シングルパルスプロトンデカップリング
パルスアングル:45°
積算回数:16000回
(スチレン・エチレン共重合体の場合、4000回)
パルス繰り返し時間:5.5秒
溶媒:重水素化テトラクロロエタン(TCE−d2)
試料濃度:8〜9g/l
測定温度:120℃
ケミカルシフト基準:テトラクロロエタンシグナル=74.0ppm
(スチレン/エチレン共重合体の場合は、メチレン炭素=29.73ppm
シンジオタクチックポリスチレンの13C−NMRスペクトルにおける各シグナルは、以下の様に帰属される。
1位のフェニル炭素 145ppm,
オルト位、メタ位のフェニル炭素 128ppm,
パラ位のフェニル炭素 125ppm,
主鎖のメチン炭素 44.5ppm,
主鎖のメチレン炭素 41ppm
エチレン/スチレン共重合体の13C−NMRスペクトルにおける各シグナルは、特許文献3とほぼ同じく以下の様に帰属される。
スチレン連鎖構造由来の3級炭素(Tδδ) 46.2ppm,
スチレン連鎖構造由来の2級炭素(Sαα) 44.4ppm
孤立したスチレン構造由来の3級炭素(Tββ) 41.3ppm,
スチレン−エチレン−スチレン連鎖のメチレン炭素(Sαβ) 37.0〜38.0ppm,
孤立したスチレン構造由来のメチレン炭素(Sγδ)およびエチレン連鎖のメチレン炭素(Sδδ) 29.4〜30.0ppm,
孤立したスチレン構造由来のメチレン炭素(Sβδ) 27.7−27.2ppm
セイコー電子社製DSC220を用い、以下のように融点(Tm)の測定を行う。
窒素雰囲気下(20ml/min)、約5〜10mgの試料を300℃まで昇温し、5分間300℃で保持した後、10℃/分で−150℃まで冷却した。
次いで−150℃で5分間保持した後、10℃/分で300℃まで昇温させた。この2度目の昇温時のチャートからガラス転移点(Tg)や結晶溶融ピークの頂点の温度で決定される融点(Tm)および融解熱量(ΔH)を算出した。
(ねじりモード)
Anton Paar社製のMCR301を用いて、以下の条件で実施する。
空気下、厚さ2mm、45mmx10mm厚さの短冊状シートを用い、周波数10rad./sec.、測定温度:−100℃〜300℃(昇温速度3℃/min)で測定を行い、貯蔵弾性率G',損失弾性率G"、損失正接tanδの温度依存性を測定する。
(引張モード)
アイティー計測制御社製のDVA−225を用いて、以下の条件で実施する。
空気下、厚さ0.5mm、45mmx10mm厚さの短冊状シートを用い、測定モードは引張モードで周波数1Hz、測定温度:−150℃〜300℃(昇温速度3℃/min)で測定を行い、貯蔵弾性率E',損失弾性率E"、損失正接tanδの温度依存性を測定する。
白色固体サンプル5.0gを、300mLのTHFに装入し、一晩室温で攪拌し、濾過分別により可溶成分と不溶成分に分離した。可溶部は濾液の濃縮と60℃、12時間の減圧乾燥によって得た。不溶部は洗浄後に60℃、12時間減圧乾燥することで得た。
移動粘度計(離合社製、タイプVNR053U型)を用い、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合ポリマー約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/0の値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
ガス供給ラインを付した内容積1.5LのSUS製オートクレーブを充分に窒素置換し、精製トルエンを450mL、スチレン7.5mL、1.0モル/Lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.4mLを窒素気流下で装入した。オートクレーブを密閉した後に氷水で冷却し、1,3−ブタジエン12.4gをガス供給ラインから導入した。
オートクレーブを密閉後、攪拌しながら50℃まで昇温したところで0.005mol/Lの(η5−テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(N,N−ジメチルアミノベンジル)スカンジウムのトルエン溶液を7mL、0.005mol /Lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を7mLを高圧窒素でオートクレーブに圧送し、60分間保持した。この時攪拌回転数は1000rpmを保持した。所定時間経過後、失活剤のメタノールを添加し反応終了とした。
得られた反応溶液を過剰量のアセトンに投入し、反応物を析出させた。析出した白色固体を濾別、洗浄後に、60℃で12時間真空乾燥した。得られた白色固体は19.2gであり、これは使用したスチレンと1,3−ブタジエンの量に相当する。従って、触媒活性は0.5Kg/(mmol−Sc*Hr)であり、得られた析出物の組成はスチレン含量率22.2mol%に相当する。
得られた白色固体100質量部に対して酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部、IRGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部に相当する量を加えた。
得られた白色固体のDSC測定によって決定される融点(Tm)は267.5℃、融解熱量(ΔH)は3.86J/gであった。これは後述する参考例のシンジオタクチックポリスチレンに相当する値である。一方、観測されたガラス転移点(Tg)は、−95.6℃であった。これは、ポリブタジエン由来のTgに相当する値である。
Anton Paar社製のMCR301を用いて、得られた白色固体の固体粘弾性(ねじりモード)を以下の方法に基づき測定した。
空気下、厚さ2mm、45mmx10mm厚さの短冊状シートを用い、周波数10rad./sec.、測定温度:−80℃〜300℃(昇温速度3℃/min)で測定を行い、貯蔵弾性率G',損失弾性率G"、損失正接tanδの温度依存性を測定したところ、−80℃以下にポリブタジエン由来のガラス転移に伴うtanδのピークが現れ、100℃付近にポリスチレンのガラス転移に伴うtanδのピークが現れ、その後270℃付近で軟化した後、弾性率が上昇した。この弾性率上昇は、ブタジエン由来の構造単位の二重結合による架橋反応に由来すると考えられる。
また、得られた白色固体は、ブロック共重合体であることが確認された。
スチレンを18.0mL、1,3−ブタジエンを5.8g用いた以外は、実施例1と同様にして共重合を行った。白色固体は22.1gで使用したスチレンと1,3−ブタジエンの合計重量に相当する。従って、触媒活性は0.6Kg/(mmol−Sc*Hr)、組成はスチレン含量率59.3mol%となる。
得られた白色固体のDSC測定で決定される融点(Tm)は267.8℃、融解熱量(ΔH)は8.21J/gであった。
固体粘弾性(引張モード)の測定では−100℃付近にガラス転移に伴うtanδのピークが現れ、その後270℃付近で軟化し、架橋反応により弾性率の向上がみられた。
また、得られた白色固体は、ブロック共重合体であることが確認された。
ガス供給ラインを付した内容積1.5LのSUS製オートクレーブを充分に窒素置換し、精製トルエンを500mL、スチレン2.5mL、1.0mol/Lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.4mLオートクレーブを密閉後、攪拌しながら50℃まで昇温したところで0.005mol/Lの(η5−テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(N,N−ジメチルアミノベンジル)スカンジウムのトルエン溶液を7ml、0.005mol/Lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液7mLを高圧窒素でオートクレーブに圧送し、60分間保持した。この時攪拌回転数は1000rpmを保持した。
その後、オートクレーブを氷水で冷却し、スチレン2.5mL、1,3−ブタジエン19.2gを新たに装入した。次いで50℃に昇温し、120分間保持した後、メタノールを添加した。
得られた反応溶液を過剰量のアセトンに投入し、反応物を析出させた。析出した白色固体を濾別、洗浄後に、60℃で12時間真空乾燥した。得られた白色固体は20.8gであり、これは収率87%に該当する。従って、触媒活性は0.2Kg/(mmol−Sc*Hr)である。
得られた白色固体100質量部に対して酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部、IRGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部に相当する量を加えた。
得られた白色固体の1H−NMR測定により、スチレン6.3mol%、ブタジエンの1,4付加構造が79.4mol%、ブタジエンの1,2付加構造が14.4mol%の結果を得た。
Anton Paar社製のMCR301を用いて、得られた白色固体の固体粘弾性(ねじりモード)を以下の方法に基づき測定した。
空気下、厚さ2mm、45mmx10mm厚さの短冊状シートを用い、周波数10rad./sec.、測定温度:−80℃〜300℃(昇温速度3℃/min)で測定を行い、貯蔵弾性率G',損失弾性率G"、損失正接tanδの温度依存性を測定したところ、−80℃以下にポリブタジエン由来のガラス転移に伴うtanδのピークが現れ、その後270℃付近で軟化した後、弾性率が上昇した。この弾性率上昇は、ブタジエン由来の構造単位の二重結合による架橋反応に由来すると考えられる。
得られた白色固体のDSC測定で決定される融点(Tm)は273.6℃、融解熱量(ΔH)は1.70J/gであった。
また、得られた白色固体は、ブロック共重合体であることが確認された。
最初のスチレンを9.0mL、追加装入するスチレンを9.0mL、1,3−ブタジエンを5.8gとした以外は、実施例3と同様にして共重合を行った。
収量は10.4gで収率79%に相当する。触媒活性は0.1Kg/(mmol−Sc*Hr)であった。得られたポリマー100質量部に対して酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部、IRGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部を加えた。
得られた白色固体5.0gを、300mLのテトラヒドロフラン(THF)に加え、一晩室温で攪拌し、THF可溶成分と不溶成分に分離した。可溶成分は22wt%、不溶成分は78wt%であった。(THFは、ポリブタジエンは可溶、シンジオタクチックポリスチレンは不溶な媒体である。)
上記のTHF可溶成分と不溶成分とを各々1H−NMRスペクトルにより分析した。THF可溶成分のスチレン含量率は4.4mol%、ブタジエンの1,4−付加構造が81.3mol%、ブタジエンの1,2−付加構造は14.3mol%であった。THF不溶成分のスチレン含量率は75.9mol%、ブタジエンの1,4−付加構造は20.4mol%、ブタジエンの1,2−付加構造は3.7mol%であった。
THF可溶成分のDSCによる融点(Tm)は271.1℃、融解熱量(ΔH)は0.49J/gであり、ガラス転移点(Tg)が−93.3℃に観測された。THF不溶成分のDSCによる融点(Tm)は270.9℃、融解熱量(ΔH)は5.83J/gであり、ガラス転移点(Tg)の温度が−94.4℃に観測された。
ガス供給ラインを付した内容積1.5LのSUS製オートクレーブを充分に窒素置換し、精製トルエンを500mL、スチレン40mL、1.0mol/Lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3mLを装入した。オートクレーブを密閉後、攪拌しながら80℃まで昇温したところで0.005mol/Lの(η5−テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(N,N−ジメチルアミノベンジル)スカンジウムのトルエン溶液を7mL、0.005mol/Lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液7mLを高圧窒素でオートクレーブに圧送し、10分間保持した。この時攪拌回転数は1000rpmを保持した。
得られた反応溶液を過剰量のアセトンに投入し、反応物を析出させた。析出した白色固体を濾別、洗浄後に、130℃で12時間真空乾燥した。得られた白色固体は31.2gであり、これは収率91.5%に該当する。従って、触媒活性は5.3Kg/(mmol−Sc*Hr)である。
得られた白色固体100質量部に対して酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部、IRGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部に相当する量を加えた。
得られた白色固体のDSCによる融点は274.1℃、融解熱は15.3J/gであった。
1H−NMR測定、13C−NMR測定より、得られた白色固体のシンジオタクチシチーは100%であった。
ガス供給ラインを付した内容積1.5LのSUS製オートクレーブを充分に窒素置換し、精製トルエンを500mL、スチレン10mL、1.0mol/Lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.3mLを装入した。オートクレーブを密閉後、エチレンを内圧が0.7MPa−Gとなるまで圧入した。
次いで、攪拌しながら80℃まで昇温したところで0.005mol/Lの(η5−テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(N,N−ジメチルアミノベンジル)スカンジウムのトルエン溶液を7ml、0.005mol/Lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液7mLを高圧窒素でオートクレーブに圧送し、30分間保持した。この時攪拌回転数は1000rpmを保持した。
得られた反応溶液を過剰量のアセトンに投入し、反応物を析出させた。析出した白色固体を濾別、洗浄後に、110℃で12時間真空乾燥した。得られた白色固体は20.2gであった。従って、触媒活性は1.2Kg/(mmol−Sc*Hr)である。
得られた白色固体100質量部に対して酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部、IRGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.1質量部に相当する量を加えた。
得られた白色固体の[η]は1.39dl/g、DSCによる融点は80.4℃、融解熱は30.4J/gであった。(270℃付近のピークは観測されなかった。)
1H−NMR測定、13C−NMR測定より、得られた白色固体のスチレン含量率は13.9モル%であった。
固体粘弾性測定においては、9.5℃付近でガラス転移に伴うtanδのピークが観測され、100℃付近で融解に伴う軟化が観測された。(270℃付近、−40〜−80℃領域には融解もガラス転移の現象も見られなかった。)
シンジオタクチックポリスチレン(出光興産社製、商品名 ザレックS104)50質量部およびゴム状重合体としてSEBS(旭化成社製、商品名 タフテックH1062)50質量部の合計100質量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部をプラスチック光学研究社製30mmφ2軸押出成形機BT−30を用いて混錬し組成物を得た。混練条件は、溶融温度290℃、吐出量を3Kg/Hrとした。
組成物製造に用いられたシンジオタクチックポリスチレン(出光興産社製、商品名 ザレックS104)の融点(Tm)はシンジオタクチックポリスチレンに由来する273.3℃、融解熱量(ΔH)は12.0J/gであり、SEBS(旭化成社製、商品名 タフテックH1062)のガラス転移点(Tg)は−60.5℃に観測された。
固体粘弾性測定では、−50℃付近にエチレン/ブテン共重合体部位に由来すると考えられるガラス転移点(Tg)に伴うtanδのピークが現れた。
また、芳香族ビニル化合物重合体ブロックにおいて、たとえば、そのブロックの立体規則性を高くするか、芳香族ビニル化合物連鎖の長さ(連鎖長)を長くすることにより、融点を高くすることができると考えられる。
以下、態様の例を付記する。
1.芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物との存在下に共重合を行い、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が250〜300℃、ガラス転移温度が−30〜−150℃を有する芳香族ビニル化合物/共役ポリエン化合物ブロック共重合体の製造方法。
2.前記芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする1に記載のブロック共重合体の製造方法。
3.前記共役ポリエン化合物が1,3−ブタジエン、イソプレンから選ばれる1または2に記載のブロック共重合体の製造方法。
4.周期律表の3族金属元素に、シクロペンタジエニル基もしくは置換シクロペンタジエニル基と窒素を含む芳香族置換基とを有する遷移金属化合物の存在下に、前記芳香族ビニル化合物と前記共役ポリエン化合物との共重合を行うことを特徴とする1から3のいずれかに記載のブロック共重合体の製造方法。
5.1から4のいずれかに記載の製造方法で得られるブロック共重合体。
Claims (1)
- スチレンと1,3−ブタジエンとの存在下に共重合を行い、これを化学式[I]で表される遷移金属化合物の存在下で共重合して、示差走査熱量計(DSC)で、10℃/分で300℃まで昇温して測定した融点が250〜300℃、ガラス転移温度が−30〜−150℃を有する芳香族ビニル化合物/共役ポリエン化合物ブロック共重合体を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009238267A JP5626752B2 (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009238267A JP5626752B2 (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011084641A JP2011084641A (ja) | 2011-04-28 |
JP5626752B2 true JP5626752B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=44077836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009238267A Active JP5626752B2 (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5626752B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013048560A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 培養用容器 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3107251B2 (ja) * | 1992-04-17 | 2000-11-06 | 出光興産株式会社 | スチレン系ブロック共重合体及びその製造方法 |
JP2000154221A (ja) * | 1998-09-15 | 2000-06-06 | Agency Of Ind Science & Technol | 共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法、共役ジエン系ブロック共重合体、およびブタジエン系ブロック共重合体 |
US6271313B1 (en) * | 1998-12-21 | 2001-08-07 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Styrene-butadiene block copolymer |
JP2001206915A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-07-31 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | スチレン系共重合体及びその製造法 |
JP4348171B2 (ja) * | 2003-12-01 | 2009-10-21 | 日本ゼオン株式会社 | 芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体及びその製造方法 |
JP5098332B2 (ja) * | 2004-07-02 | 2012-12-12 | 独立行政法人理化学研究所 | メタロセン錯体を含む重合触媒組成物、およびそれを用いて製造される重合体 |
JP5652688B2 (ja) * | 2007-06-13 | 2015-01-14 | 出光興産株式会社 | オレフィンと芳香族ビニル化合物からなる共重合体の製造方法 |
-
2009
- 2009-10-15 JP JP2009238267A patent/JP5626752B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011084641A (ja) | 2011-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5098332B2 (ja) | メタロセン錯体を含む重合触媒組成物、およびそれを用いて製造される重合体 | |
JP7238116B2 (ja) | オレフィン重合用触媒 | |
JP7177262B2 (ja) | オレフィン系重合体 | |
KR20200101700A (ko) | 올레핀계 중합체 | |
JP7055482B2 (ja) | オレフィン系重合体 | |
JPWO2017056946A1 (ja) | クロス共重合体及びその製造方法 | |
JP2023116696A (ja) | 極性オレフィン重合体及び共重合体の製造方法 | |
JP5626752B2 (ja) | 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法 | |
JPH1180183A (ja) | 重合用金属化合物及びそれを用いた芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造方法 | |
JP7412846B2 (ja) | オレフィン系重合体 | |
CN111491961B (zh) | 基于烯烃的聚合物 | |
KR20190076498A (ko) | 폴리프로필렌계 복합재 | |
KR20220009900A (ko) | 전이금속 화합물 및 이를 포함하는 촉매 조성물 | |
KR20180055221A (ko) | 전이금속 화합물 및 알킬알루미녹산을 포함하는 촉매 조성물, 이를 이용한 중합체의 제조방법, 및 이를 이용하여 제조된 중합체 | |
KR20210038372A (ko) | 올레핀계 중합체 | |
KR20170074675A (ko) | 전이금속 화합물을 포함하는 촉매 조성물 및 이를 이용한 중합체의 제조방법 | |
JP2008222780A (ja) | 複素環配位子を含む金属錯体、及びそれを含む重合触媒組成物 | |
JP3506147B2 (ja) | エチレン/α−オレフィン共重合体及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2021518879A (ja) | オレフィン系共重合体及びその製造方法 | |
KR102605406B1 (ko) | 올레핀계 중합체 | |
JP6959724B2 (ja) | 樹脂組成物及びその製造方法 | |
KR20170076300A (ko) | 올레핀계 중합체 | |
KR20220135028A (ko) | 올레핀계 중합체 | |
JP2021519854A (ja) | オレフィン系共重合体及びその製造方法 | |
JP3684626B2 (ja) | エチレン系ランダム共重合体およびその組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120925 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120925 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131217 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140902 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140924 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5626752 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |