JP2001206915A - スチレン系共重合体及びその製造法 - Google Patents

スチレン系共重合体及びその製造法

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JP2001206915A
JP2001206915A JP2000016715A JP2000016715A JP2001206915A JP 2001206915 A JP2001206915 A JP 2001206915A JP 2000016715 A JP2000016715 A JP 2000016715A JP 2000016715 A JP2000016715 A JP 2000016715A JP 2001206915 A JP2001206915 A JP 2001206915A
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JP2000016715A
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Yutaka Minami
裕 南
Hajime Shozaki
肇 庄崎
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SPSの優れた特性を維持しつつ、ガラス転
移温度と融点のバランスが良く、熱処理後にもゲルの発
生がなく、低温射出成形を可能にするスチレン系共重合
体及びその効率のよい製造法を提供すること。 【解決手段】 200℃で2時間熱処理後に示差走査熱
量計で測定した融点(Tm)(℃)とガラス転移点(T
g)(℃)が下記の式(1) Tg≦Tm−170 ・・・(1) の関係を満たし、スチレンあるいは置換スチレンに由来
するスチレン系繰り返し単位の連鎖の立体規則性が主と
してシンジオタクチック構造であることを特徴とするス
チレン系共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系共重合
体及びその製造法に関し、詳しくは特定の立体構造を有
するスチレン系共重合体及びその効率の良い製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクティシティーの高いスチレ
ン系重合体(以下、SPSと略記することがある。)、
さらにこのスチレンモノマーと他の成分を共重合したス
チレン系共重合体は、既に知られている(特開昭62−
104818号公報,同63−241009号公報)。
これらのシンジオタクチック構造の重合体あるいは共重
合体は、耐熱性,耐薬品性及び電気的特性に優れ、多方
面にわたる応用が期待されている。しかしながら、上記
重合体、特にシンジオタクチックポリスチレンは、ガラ
ス転移温度90〜100℃,融点250〜275℃の重
合体であり、射出成形温度を高く設定しないとその特性
を充分に引き出すことができないという問題があった。
つまり、ガラス転移温度が高いことで金型温度(結晶化
温度)が高温になり、融点が高いことで成形温度(溶融
温度)が高温になり、いずれにしても射出等での成形性
に問題があった。また高温金型で成形した成形品には、
柔軟性に改善の余地が残されている。これらの問題点を
改良したものとして、スチレン系モノマーとジエン系モ
ノマーを共重合させたスチレン系共重合体(特開平2−
258811号公報)もあるが、乾燥処理,造粒,成形
等の高温処理時に、ポリマー鎖に残った不飽和結合が架
橋反応を引き起し、物性の低下を招くことがあった。ま
た、スチレン系モノマーとエチレンを共重合させたスチ
レン系共重合体(特開平3−7705号公報)もある
が、DSC(示差走査型熱量計)によるガラス転移温度
測定において、スチレン連鎖やエチレン連鎖の単独の結
晶に由来するピークが見られるもので、エチレンがラン
ダムに共重合したものではなく、成形加工性が未だ不十
分なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、シンジオタクチックポリスチレンの耐熱性及び耐薬
品性を維持しつつ、ガラス転移温度を改善し、ガラス転
移温度と融点のバランスが良く、熱処理後にもゲル等の
発生がなく、低温射出成形を可能にする共重合体及びそ
の効率の良い製造方法を開発すべく、鋭意研究を重ね
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、ガラス転移温
度と融点が特定の関係式を満たすスチレン系共重合体が
上記課題を達成しうるものであるものであることを見出
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。すなわち、本発明は、200℃で2時間熱処理後
に示差走査熱量計(以下、DSCと略記することがあ
る。)で測定した融点(Tm)(℃)とガラス転移点
(Tg)(℃)が下記の式(1) Tg≦Tm−170 ・・・・・・(1) の関係を満たし、一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】〔式中、R1 は水素原子,ハロゲン原子あ
るいは炭素数20個以下の炭化水素基を示し、mは1〜
3の整数を示す。なお、mが複数のときは、各R1 は同
じでも異なってもよい。〕で表されるスチレン系繰り返
し単位(I)の連鎖の立体規則性が主としてシンジオタ
クチック構造であることを特徴とするスチレン系共重合
体を提供するとともに、一般式(I')
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、R1 及びmは前記と同じであ
る。〕で表されるスチレン系モノマーと該モノマーと共
重合可能なコモノマーを、(A)遷移金属錯体、(B)
酸素含有化合物及び/又は遷移金属化合物と反応してイ
オン性の錯体を形成しうる化合物、並びに(C)必要に
応じて用いられる有機金属化合物からなる触媒の存在下
に共重合させることを特徴とする前記スチレン系共重合
体の製造法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のスチレン系共重合体は、200℃で2時間
熱処理後にDSCで測定した融点(Tm)(℃)とガラ
ス転移点(Tg)(℃)が下記の式(1) Tg≦Tm−170 ・・・・(1) の関係を満たし、前記一般式(I)で表されるスチレン
系繰り返し単位(I)の連鎖の立体規則性が主としてシ
ンジオタクチック構造であることを特徴とするものであ
る。本発明のスチレン系共重合体は、上記式(1)の関
係を満たすものであるが、好ましくはTg≦Tm−17
2、さらに好ましくはTg≦Tm−175の関係を満た
すものである。この関係を満たさないものは、乾燥処
理,造粒,成形等の高温処理時に、ポリマー鎖に残った
不飽和結合が架橋反応を引き起し、物性の低下を招くこ
とがある。また、本発明のスチレン系共重合体は、上記
式(1)の関係を満たすと共に、 さらに式 Tg(℃)≦−0.0813×共重合量(モ
ル%)+101 好ましくは 式 Tg(℃)≦−0.217×共重合量
(モル%)+101 特に好ましくは 式 Tg(℃)≦−0.650×共重
合量(モル%)+101 を満たすものであることが望ましい。つまり、本発明の
スチレン系共重合体は、コモノマーがランダムに共重合
しているものである。
【0010】本発明のスチレン系共重合体は、前記一般
式(I)で表されるスチレン系繰り返し単位(I)の連
鎖の立体規則性が主としてシンジオタクチック構造のも
のである。一般式(I)で表されるスチレン系繰り返し
単位(I)の具体例をあげれば、スチレン単位;p−メ
チルスチレン単位;m−メチルスチレン単位;o−メチ
ルスチレン単位;2,4−ジメチルスチレン単位;2,
5−ジメチルスチレン単位;3,4−ジメチルスチレン
単位;3,5−ジメチルスチレン単位;p−エチルスチ
レン単位;m−エチルスチレン単位;p−ターシャリー
ブチルスチレン単位などのアルキルスチレン単位、p−
ジビニルベンゼン単位;m−ジビニルベンゼン単位;ト
リビニルベンゼン単位;p−クロロスチレン単位;m−
クロロスチレン単位;o−クロロスチレン単位;p−ブ
ロモスチレン単位;m−ブロモスチレン単位;o−ブロ
モスチレン単位;p−フルオロスチレン単位;m−フル
オロスチレン単位;o−フルオロスチレン単位;o−メ
チル−p−フルオロスチレン単位などのハロゲン化スチ
レン単位、m−フェルニルスチレン単位;p−フェニル
スチレン単位;メトキシスチレン単位;エトキシスチレ
ン単位;t−ブトキシスチレン単位;アミノスチレン単
位;p−ビニルフェノール単位等、あるいはこれら二種
以上を混合したものがあげられる。一般式(I)で表さ
れる繰り返し単位(I)は、上記の一般式(I')で表さ
れるスチレン系モノマーから誘導される。式中、R1
水素原子,ハロゲン原子(例えば塩素,臭素、フッ素,
沃素)あるいは炭素数20個以下、好ましくは炭素数1
0〜1個の炭化水素基(例えばメチル基,エチル基,プ
ロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基などの飽
和炭化水素基(特にアルキル基)、アルコキシ基,アミ
ノ基,水酸基等のヘテロ原子を含有する基、フェニル
基,置換フェニル基あるいはビニル基などの不飽和炭化
水素基)である。
【0011】上記のように、本発明のスチレン系共重合
体は、スチレン系繰り返し単位(I)の連鎖が主として
シンジオタクチック構造を有するものである。ここで、
スチレン系重合体における主としてシンジオタクチック
構造とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチック
構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して
側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方
向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクテ
ィシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法( 13C−N
MR法)により定量される。13C−NMR法により測定
されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位
の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場
合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示す
ことができるが、本発明に言う主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系共重合体とは、スチレン系
繰返し単位の連鎖において、通常はダイアッドで75%
以上、好ましくは85%以上、若しくはペンタッド(ラ
セミペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以上
のシンジオタクティシティーを有するものを示す。しか
しながら、置換基の種類やコモノマーの繰り返し単位の
含有割合によってシンジオタクティシティーの度合いは
若干変動する。
【0012】本発明のスチレン系共重合体において、コ
モノマーとしては上記の一般式(I)で表されるスチレ
ン系繰り返し単位(I)と共重合可能であれば任意のも
のであってよく、α−オレフィン,共役ジエン,非共役
ジエン等が挙げられるが、一般式(II') CH2 =CR' −R ・・・・・・(II') 〔式中、RはC(R2 )=C(R3 )(R4 )を示し、
R' は水素原子,ハロゲン原子,シアノ基又は炭化水素
基を示し、R2 〜R4 はそれぞれ独立に水素原子,ハロ
ゲン原子,シアノ基又は炭化水素基を示し、R2
3 ,R2 とR4 ,R3とR4 は結合して環を形成して
もよい。好ましくはR' が水素原子、R2 が水素原子又
は炭化水素基(特に好ましくは炭素数1〜20のアルキ
ル基あるいは炭素数6〜12のアリール基、さらに好ま
しくはメチル基あるいはフェニル基)、R 3 とR4 がそ
れぞれ独立に炭化水素基(特に好ましくは炭素数1〜1
0のアルキル基)を示す。〕で表される化合物(共役ジ
エン)、あるいは一般式(II'-a) CH2 =CH−A ・・・・・・(II'-a) 〔式中、Aはヘテロ原子を含む基を示す。〕で表される
化合物が好ましい。ここで、α−オレフィンとしては、
プロピレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセ
ン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テ
トラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1
−エイコデセン等の炭素数20以下のα−オレフィン、
特に好ましくは1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセ
ン,1−ドデセンである。一般式(II')で示されるコモ
ノマー(共役ジエン)としては、置換又は無置換のブタ
ジエン類、イソプレン、置換共役ペンタジエン類、置換
共役ヘキサジエン類などがあり、その具体例としては、
1,3−ブタジエン;イソプレン;2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン;2−ネオペンチル−1,3−ブタ
ジエン;2−クロロ−1,3−ブタジエン;2−シアノ
−1,3−ブタジエン;4,4−ジフェニル−1,3−
ブタジエン;4−メチル−1,3−ペンタジエン;4−
フェニル−1,3−ペンタジエン;3,4−ジメチル−
1,3−ペンタジエン;3−メチル−4−フェニル−
1,3−ペンタジエン;3−メチル−4,4−ジフェニ
ル−1,3−ブタジエン;3−フェニル−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン;1−ビニル−2−メチル
−シクロヘキセン;1−ビニル−2−フェニル−シクロ
ヘキセン;3−シクロヘキシリデン−1−プロペン;3
−シクロヘキシリデン−1−ブテン;3−シクロヘキシ
リデン−3−フェニル−1−プロペンなどがある。その
うち、4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;4−
メチル−1,3−ペンタジエン;4−フェニル−1,3
−ペンタジエン;3,4−ジメチル−1,3−ペンタジ
エン;3−メチル−4−フェニル−1,3−ペンタジエ
ン;3−メチル−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジ
エン;3−フェニル−4,4−ジフェニル−1,3−ブ
タジエン;1−ビニル−2−メチル−シクロヘキセン;
1−ビニル−2−フェニル−シクロヘキセン;3−シク
ロヘキシリデン−1−プロペン;3−シクロヘキシリデ
ン−1−ブテン;3−シクロヘキシリデン−3−フェニ
ル−1−プロペンなどが好ましい。コモノマーとしての
非共役ジエンについては、5−ビニル−2−ノルボルネ
ン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;2,5−ノル
ボルナジエン;ジシクロペンタジエンなどのノルボルネ
ン系非共役ジエン、あるいは1,4−ヘキサジエン;
1,5−ヘキサジエン;1,6−ヘキサジエン;5−メ
チル−1,4−ヘキサジエン;1,6−オクタジエン;
1,7−オクタジエン;7−メチル−1,6−オクタジ
エンなどの脂肪族非共役ジエン等があり、そのうち、5
−エチリデン−2−ノルボルネンやジシクロペンタジエ
ンなどが好適である。また、一般式(II'-a)で示される
コモノマーとしては、ビニルトリメチルシラン,ビニル
トリメチルシリルメタン,ビニルトリメチルメタン,メ
チルビニルエーテル,フェニルビニルエーテル,ビニル
トリメチルシリルエーテル,ビニルアルコール,ビニル
アミン,ビニルジメチルアミンなどが挙げられる。本発
明のスチレン系共重合体においては、上記の一般式(I
I')で表されるジエン系モノマーを用いる場合、ジエン
系モノマーが重合してジエン繰り返し単位が構成される
が、このジエン繰り返し単位は、一般式
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、R' ,R2 ,R3 及びR4 は前記
と同一のものを示す。〕で表される1,2重合タイプ及
び−CH2 CR' =CR2 −CR3 4 −で表される
1,4重合タイプがある。重合に際しては1,2重合タ
イプからは、このジエン系繰返し単位がシンジオタクチ
ック構造,アイソタクチック構造,アタクチック構造の
いずれか、あるいはこれらの混在したものとなり、また
1,4重合タイプからは、シス型,トランス型のものが
得られ、さらに非共役環状ジエン系モノマーの重合で
は、トランスアニュラー型の立体構造がある。しかし、
本発明ではスチレン鎖のシンジオタクティシティーに影
響を与えなければ、ジエン系繰り返し単位は、いかなる
立体構造であっても差支えない。本発明の共重合体にお
いては、繰り返し単位(I)は二種類以上の成分から構
成されていてもよく、この点においては繰り返し単位に
ついても同様である。したがって、二元,三元あるいは
四元共重合体の合成が可能となる。また、上記の各種コ
モノマーから誘導される繰り返し単位(II)、例えば一
般式(II')で表されるコモノマーから誘導される繰り返
し単位(II)又は式(II'-a)で表されるコモノマーから
誘導される繰り返し単位(II)の含有割合は、通常、共
重合体全体の0.1〜75モル%の範囲である。この繰
り返し単位(II)が0.1モル%未満であると、ガラス
転移温度と融点のバランスや熱安定性の改良等の本発明
の目的とする改善効果が充分に達成されない。また75
モル%を超えると、結晶化が阻害され、シンジオタクチ
ック構造のスチレン系重合体の特徴である耐薬品性が損
なわれるとともに、通常のジエン系重合体と同様の物性
上の欠点が発現する。この共重合体の分子量は、ゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分
子量が1万〜500万、好ましくは10万〜100万の
範囲にあり、一般に1,2,4−トリクロロベンゼン溶
液(温度135℃)で測定した極限粘度が0.07〜2
0dl/gのものであり、好ましくは0.3〜10dl
/gのものである。極限粘度が0.07dl/g未満で
は、力学的物性が低く、実用に供しえない。また、極限
粘度が20dl/gを超えると、通常の溶融成形が困難
となる。本発明においては、得られる共重合体の性質あ
るいは繰り返し単位(I)の連鎖におけるシンジオタク
チック構造を著しく損なわない範囲で第三成分を添加す
ることもできる。このような化合物としては、例えばビ
ニルシロキサン類,α−オレフィン類,不飽和カルボン
酸エステル類,アクリロニトリル類,N−置換マレイミ
ド類等があげられる。
【0015】以上の如き本発明の共重合体は、上記の一
般式(I')で表されるスチレン系モノマーと上記のコモ
ノマー、特に一般式(II')又は式(II'-a)のコモノマー
の共重合により、また得られた共重合体を原料として、
分別,ブレンド若しくは有機合成的手法を適用すること
により、所望の立体規則性及び反応性置換基を有する態
様のものを製造することができる。本発明のスチレン系
共重合体は、上記の一般式(I')のスチレン系モノマー
と上記のコモノマー、特に一般式(II')又は式(II'-a)
のコモノマーを、以下に詳述する(A)遷移金属錯体、
(B)酸素含有化合物及び/又は遷移金属化合物と反応
してイオン性の錯体を形成しうる化合物、並びに(C)
必要に応じて用いられる有機金属化合物からなる触媒の
存在下に共重合させることにより効率よく製造すること
ができる。本発明のスチレン系共重合体の製造に用いる
重合触媒の各成分について以下に説明する。
【0016】(A)遷移金属錯体 本発明において用いられる(A)遷移金属錯体として
は、各種のものが使用可能であるが、周期律表4〜6族
遷金属化合物または8〜10族遷移金属化合物が好まし
く用いられる。周期律表4〜6族遷金属化合物として
は、下記の一般式(2) 〜(5) で表されるものを好ま
しいものとして挙げることができ、周期律表8〜10族
の遷移金属化合物としては、下記の一般式(6) で表さ
れるものを好ましいものとして挙げることができる。 Q1 a (C5 5-a-b 5 b )(C5 5-a-c 6 c )M1 1 1 ・・(2) Q2 a (C5 5-a-d 7 d )Z1 1 1 1 ・・(3) (C5 5-e 8 e )M1 1 1 1 ・・(4) M1 1 1 1 1 ・・(5) L1 2 2 1 1 ・・(6) 〔式中、Q1 は二つの共役五員環配位子(C5 5-a-b
5 b )及び(C5 5- a-c 6 c )を架橋する結合性
基を示し、Q2 は共役五員環配位子(C5 5-a- d 7
d )とZ1 基を架橋する結合性基を示す。R5 ,R6
7 及びR8 は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,
アルコキシ基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素
基,窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示
し、複数あるときは、互いに同一も異なってもよく、互
いに結合して環構造を形成してもよい。aは0,1又は
2である。b,c及びdは、a=0のときはそれぞれ0
〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a
=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。eは0〜5
の整数を示す。M1 は周期律表4〜6族の遷移金属を示
し、M2 は周期律表8〜10族の遷移金属を示す。ま
た、L1 ,L2 はそれぞれ配位結合性の配位子を表わ
し、X1 ,Y1 ,Z1 ,W1 ,U1 はそれぞれ共有結合
性又はイオン結合性の配位子を表している。なお、
1 ,L2 ,X1 ,Y1 ,W1 およびU1 は、それぞれ
互いに結合して環構造を形成してもよい。〕 上記一般式(2),(3)におけるQ1 及びQ2 の具体
例としては、(1)メチレン基,エチレン基,イソプロ
ピレン基,メチルフェニルメチレン基,ジフェニルメチ
レン基,シクロヘキシレン基などの炭素数1〜4のアル
キレン基,シクロアルキレン基又はその側鎖低級アルキ
ル若しくはフェニル置換体、(2)シリレン基,ジメチ
ルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジフェニル
シリレン基,ジシリレン基,テトラメチルジシリレン基
などのシリレン基,オリゴシリレン基又はその側鎖低級
アルキル若しくはフェニル置換体、(3)ゲルマニウ
ム,リン,窒素,硼素又はアルミニウムを含む炭化水素
基〔低級アルキル基,フェニル基,ヒドロカルビルオキ
シ基(好ましくは低級アルコキシ基)など〕、具体的に
は(CH3 2 Ge基,(C6 5 2 Ge基,(CH
3 )P基,(C6 5)P基,(C4 9 )N基,(C
6 5 )N基,(CH3 )B基,(C4 9 )B基,
(C6 5 )B基,(C6 5 )Al基,(CH3 O)
Al基などが挙げられる。これらの中で、アルキレン基
及びシリレン基が好ましい。また、(C5 5-a-b 5
b ) , (C5 5-a-c 6 c )及び(C5 5-a-d7
d )は共役五員環配位子であり、R5 ,R6 及びR
7 は、それぞれ炭化水素基,ハロゲン原子,アルコキシ
基,珪素含有炭化水素基,リン含有炭化水素基,窒素含
有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0,
1又は2である。b,c及びdは、a=0のときはそれ
ぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整
数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。ここ
で、炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ま
しく、特に炭素数1〜12のものが好ましい。この炭化
水素基は一価の基として、共役五員環基であるシクロペ
ンタジエニル基と結合していてもよく、またこれが複数
個存在する場合には、その2個が互いに結合してシクロ
ペンタジエニル基の一部と共に環構造を形成していても
よい。すなわち、該共役五員環配位子の代表例は、置換
又は非置換のシクロペンタジエニル基,インデニル基及
びフルオレニル基である。ハロゲン原子としては、塩
素,臭素,ヨウ素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキ
シ基としては、炭素数1〜12のものが好ましく挙げら
れる。珪素含有炭化水素基としては、例えば−Si(R
9 )(R10)(R11)(R9 ,R10及びR11は炭素数1
〜24の炭化水素基)などが挙げられ、リン含有炭化水
素基,窒素含有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基とし
ては、それぞれP−(R12)(R13),−N(R12
(R13)及び−B(R12)(R13)(R12及びR13は炭
素数1〜18の炭化水素基)などが挙げられる。R5
6 及びR7 がそれぞれ複数ある場合には、複数の
5,複数のR6 及び複数のR7 は、それぞれにおいて
同一であっても異なっていてもよい。また、一般式
(2)において、共役五員環配位子(C5 5-a-b 5
b)及び(C5 5-a-c 6 c ) は同一であっても異な
っていてもよい。
【0017】一方、M1 は周期律表4〜6族の遷移金属
元素を示し、具体例としてはチタニウム,ジルコニウ
ム,ハフニウム,ニオブ,モリブテン,タングステンな
どを挙げることができるが、これらの中でチタニウム,
ジルコニウム及びハフニウムが好ましく、特にチタニウ
ムが好適である。Z1 は共有結合性の配位子であり、具
体的には酸素(−O−),硫黄(−S−),炭素数1〜
20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,炭素数1〜
20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基,炭素数
1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基,
炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水
素基を示す。X1 及びY1 は、それぞれ共有結合性の配
位子であり、具体的には水素原子,ハロゲン原子,炭素
数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数
1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基,アミノ
基,炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭
化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基など)又は
炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水
素基(例えば、トリメチルシリル基など),炭素数1〜
20、好ましくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲ
ン含有硼素化合物(例えばB(C6 5)4 ,BF4 )を
示す。これらの中でハロゲン原子及び炭化基が好まし
い。このX1 及びY1 はたがいに同一であっても異なっ
ていてもよい。なお、X1 及びY1 は、それぞれ互いに
結合して環構造を形成してもよい。また、上記一般式
(4)において、M1 は上記と同様に周期律表4〜6族
の遷移金属であり、また、X1 及びY1 は上記と同じで
ある。また、W1 はX1 及びY1 と同じである。すなわ
ち、W1 はそれぞれ共有結合性の配位子であり、具体的
には水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好まし
くは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましく
は1〜10のアルコキシ基,アミノ基,炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例え
ば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例え
ば、トリメチルシリル基など),炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有硼素
化合物(例えばB(C6 5)4 ,BF4 )を示す。これ
らの中でハロゲン原子及び炭化基が好ましい。X1 、Y
1 及びW1はたがいに同一であっても異なっていてもよ
い。なお、X1 、Y1 及びW1 は、それぞれ互いに結合
して環構造を形成してもよい。また、上記一般式(5)
において、M1 は上記と同様に周期律表4〜6族の遷移
金属であり、また、X1 、Y1 及びW1 は上記と同じで
ある。また、U1 はX 1 、Y1 及びW1 と同じである。
すなわち、U1 はそれぞれ共有結合性の配位子であり、
具体的には水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、
好ましくは1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好
ましくは1〜10のアルコキシ基,アミノ基,炭素数1
〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例
えば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例え
ば、トリメチルシリル基など),炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有硼素
化合物(例えばB(C6 5) 4 ,BF4)を示す。これら
の中でハロゲン原子及び炭化基が好ましい。X1
1 ,W1 及びU1 はたがいに同一であっても異なって
いてもよい。なお、X1 、Y1 、W1 及びU1 は、それ
ぞれ互いに結合して環構造を形成してもよい。
【0018】(I)前記一般式(2)及び(3)で表さ
れる遷移金属化合物の具体例として、以下の化合物を挙
げることができる。 ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ド,ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロリド,ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロリド,ビス(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロリド,ビス(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ド,ビス(n−ブチルシクロペンタジエニルチタニウム
ジクロリド,ビス(インデニル)チタニウムジクロリ
ド,ビス(フルオレニル)チタニウムジクロリド,ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムクロロヒドリド,
ビス(シクロペンタジエニル)メチルチタニウムクロリ
ド,ビス(シクロペンタジエニル)エチルチタニウムク
ロリド,ビス(シクロペンタジエニル)フェニルチタニ
ウムクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)ジメチル
チタニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニル
チタニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジネオペン
チルチタニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒド
ロチタニウム,(シクロペンタジエニル)(インデニ
ル)チタニウムジクロリド,(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)チタニウムジクロリドなどの架橋する
結合基を有さず共役五員環配位子を2個有する遷移金属
化合物、 メチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド,
エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド,メ
チレンビス(インデニル)チタニウムクロロヒドリド,
エチレンビス(インデニル)メチルチタニウムクロリ
ド,エチレンビス(インデニル)メトキシクロロチタニ
ウム,エチレンビス(インデニル)チタニウムジエトキ
シド,エチレンビス(インデニル)ジメチルチタニウ
ム,エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニル)チタニウムジクロリド,エチレンビス(2−メ
チルインデニル)チタニウムジクロリド,エチレンビス
(2,4−ジメチルインデニル)チタニウムジクロリ
ド,エチレンビス(2−メチル−4−トリメチルシリル
インデニル)チタニウムジクロリド,エチレンビス
(2,4−ジメチル−5,6,7−トリヒドロインデニ
ル)チタニウムジクロリド,エチレン(2,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,エチレン
(2−メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)
(3’−t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,エチレン(2,3,5−ト
リメチルシクペンタジエニル)(2’,4’,5’−ト
リメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ド,イソプロピリデンビス(2−メチルインデニル)チ
タニウムジクロリド,イソプロピリデンビス(インデニ
ル)チタニウムジクロリド,イソプロピリデンビス
(2,4−ジメチルインデニル)チタニウムジクロリ
ド,イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)(3’5’−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,イソプロピリデン(2−メ
チル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−
t−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジクロリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,
4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロロ
ヒドリド,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルチタニウ
ム,メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジフェニルチタニウム,メ
チレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド,メチレン(シク
ロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,イソプロピリデン(シクロ
ペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロリド,イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,イソプロ
ピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデ
ニル)チタニウムジクロリド,イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロ
リド,イソプロピリデン(2−メチルシクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド,イソプ
ロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジクロリド,イソプロピリデン(2,5−ジメチルシク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロ
リド,エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ
メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,
エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チ
タニウムジクロリド,エチレン(2,5−ジメチルシク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロ
リド,エチレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド,ジフェニ
ルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,ジフ
ェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジ
エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,
シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオ
レニル)チタニウムジクロリド,シクロヘキシリデン
(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
4’−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロリドなどのアルキレン基で架橋した共役五員環配位子
を2個有する遷移金属化合物、 ジメチルシリレンビス(インデニル)チタニウムジク
ロリド,ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テト
ラヒドロインデニル)チタニウムジクロリド,ジメチル
シリレンビス(2−メチルインデニル)チタニウムジク
ロリド,ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルイン
デニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロリド,フェニルメチルシリレンビス(インデニル)チ
タニウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタニウ
ムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(2,4−
ジメチルインデニル)チタニウムジクロリド,フェニル
メチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムジクロリド,フェニルメチルシリレン(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,
4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジクロリド,フェニルメチルシリレンビス(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,
ジフェニルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニ
ル)チタニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス
(インデニル)チタニウムジクロリド,ジフェニルシリ
レンビス(2−メチルインデニル)チタニウムジクロリ
ド,テトラメチルジシリレンビス(インデニル)チタニ
ウムジクロリド,テトラメチルジシリレンビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロリド,テトラメチル
ジシリレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(イン
デニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シ
クロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン
(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シ
クロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シク
ロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シ
クロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロ
ペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(シクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリ
ド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,
7−ジ−t−ブチルフルオレニル)チタニウムジクロリ
ド,ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オク
タヒドロフルオレニル)チタニウムジクロリド,ジメチ
ルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フル
オレニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン
(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2−
エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニ
ウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5−ジエチル
シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジ
クロリド,ジエチルシリレン(2−メチルシクロペンタ
ジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニ
ル)チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(2,5
−ジメチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−
t−ブチルフルオレニル)チタニウムジクロリド,ジメ
チルシリレン(2−エチルシクロペンタジエニル)
(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)チタニウ
ムジクロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペン
タジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)
チタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(メチルシク
ロペンタジエニル)(オクタヒドフルオレニル)チタニ
ウムジクロリド,ジメチルシリレン(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)チタニウ
ムジクロリド,ジメチルシリレン(エチルシクロペンタ
ジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)チタニウムジ
クロリド,ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジ
エニル)(オクタヒドロフルオレニル)チタニウムジク
ロリドなどのシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有
する遷移金属化合物、 ジメチルゲルミレンビス(インデニル)チタニウムジ
クロリド,ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド,メチルア
ルミレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド,フ
ェニルアミレンビス(インデニル)チタニウムジクロリ
ド,フェニルホスフィレンビス(インデニル)チタニウ
ムジクロリド,エチルボレンビス(インデニル)チタニ
ウムジクロリド,フェニルアミレンビス(インデニル)
チタニウムジクロリド,フェニルアミレン(シクロペン
タジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリドな
どのゲルマニウム,アルミニウム,硼素,リン又は窒素
を含む炭化水素基で架橋された共役五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、 ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(フェニ
ル)アミノチタニウムジクロリド,インデニル−ビス
(フェニル)アミノチタニウムジクロリド,ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)ア
ミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシクロペンタ
ジエニルフェノキシチタニウムジクロリド,ジメチルシ
リレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニル
アミノチタニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)−t−ブチルアミノチ
タニウムジクロリド,ジメチルシリレン(テトラヒドロ
インデニル)デシルアミノチタニウムジクロリド,ジメ
チルシリレン(テトラヒドロインデニル)〔ビス(トリ
メチルシリル)アミノ〕チタニウムジクロリド,ジメチ
ルゲルミレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フ
ェニルアミノチタニウムジクロリド,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド,
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロ
リド,(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロ
リド,(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)−メチレンチタンジクロリド,(第3
級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シ
クロペンタジエニル)シランチタンジクロリド,(ベン
ジルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)シランチタンジクロリド,(フェニル
ホスフィド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)シランチタンジベンジルなどの共役五
員環配位子を1個有する遷移金属化合物、 (1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプ
ロピリデン)−ビス(シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,
2’−ジメチルシリレン)−ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド,(1,1’−ジメチルシリ
レン)(2,2’−イソプロピリデン)−ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジメチルチタニウム,(1,1’−ジ
メチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)−ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジベンジルチタニウム,
(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロ
ピリデン)−ビス(シクロペンタジエニル)ビス(トリ
メチルシリル)チタニウム,(1,1’−ジメチルシリ
レン)(2,2’−イソプロピリデン)−ビス(シクロ
ペンタジエニル)ビス(トリメチルシリルメチル)チタ
ニウム,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−
エチレン)−ビス(インデニル)チタニウムジクロリ
ド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−エチ
レン)−ビス(インデニル)チタニウムジクロリド,
(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチルシリレ
ン)−ビス(インデニル)チタニウムジクロリド,
(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−シクロヘ
キシリデン)−ビス(インデニル)チタニウムジクロリ
ドなどの配位子同士が二重架橋された共役五員環配位子
を2個有する遷移金属化合物、 さらには、上記〜に記載の化合物において、これ
らの化合物の塩素原子を臭素原子,ヨウ素原子,水素原
子,メチル基,フェニル基などに置き換えたもの、ま
た、上記遷移金属化合物の中心金属のチタニウムをジル
コニウム,ハフニウム,ニオブ,モリブテン又はタング
ステンなどに置き換えたものを挙げることができる。 上記〜に記載の化合物のうち、の共役五員環配
位子を1個有する遷移金属化合物が、シンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体の製造において、特に
好ましく用いられる。 (II)前記一般式(4)で表される遷移金属化合物の具
体例として、以下の化合物を挙げることができる。中で
も、上記一般式(4)中の(C5 5-e 8 e )基が、
下記一般式(III)〜(IX)で表される遷移金属化合物
が好ましい。
【0019】
【化6】
【0020】[式中,Aは13、14、15又は16族
の元素を示し、Aは、それぞれ相互に同一であっても異
なっていてもよい。Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳
香族炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素
数6〜30のアリーロキシ基、炭素数1〜30のチオア
ルコキシ基,炭素数6〜30のチオアリーロキシ基,ア
ミノ基、アミド基、カルボキシル基、炭素数3〜30の
アルキルシリル基、アルキルシリルアルキル基を示し、
Rは、それぞれ相互に同一であっても異なっていてもよ
く、また、必要に応じて結合し、環構造を形成してもよ
い。aは0、1又は2を示し、n及びmは、1 以上の整
数を示す。] この(C5 5-e 8 e )基の具体例としては,例え
ば、以下のものが挙げられる。なお、インデニル誘導体
及びフルオレニル誘導体について、以下に示す置換基の
位置番号を用いている。
【0021】
【化7】
【0022】シクロペンタジエニル基、メチルシクロペ
ンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,3,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、エチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジ
エチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジエチルシク
ロペンタジエニル基、1,2,3−トリエチルシクロペ
ンタジエニル基、1,3,4−トリエチルシクロペンタ
ジエニル基、テトラエチルシクロペンタジエニル基、ペ
ンタエチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、1
−メチルインデニル基、1,2―ジメチルインデニル
基、1,3―ジメチルインデニル基、1,2,3―トリ
メチルインデニル基、2−メチルインデニル基、1−エ
チルインデニル基、1−エチル−2―メチルインデニル
基、1−エチル−3―メチルインデニル基、1−エチル
−2,3―ジメチルインデニル基、1,2−ジエチルイ
ンデニル基、1,3−ジエチルインデニル基、1,2,
3−トリエチルインデニル基、2−エチルインデニル
基、1―メチル−2−エチルインデニル基、1,3−ジ
メチル−2―エチルインデニル基、4,5,6,7―テ
トラヒドロインデニル基、1−メチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニル基、1,2−ジメチル−4,
5,6,7―テトラヒドロインデニル基、1,3−ジメ
チル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニル基、
1,2,3−トリメチル−4,5,6,7―テトラヒド
ロインデニル基、2―メチル−4,5,6,7―テトラ
ヒドロインデニル基、1−エチル−4,5,6,7―テ
トラヒドロインデニル基、1−エチル−2−メチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニル基、1−エチ
ル−3−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニル基、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6,
7―テトラヒドロインデニル基、1,2−ジエチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニル基、1,2−
ジエチル−3−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニル基、1,3−ジエチル、4、5、6、7―テ
トラヒドロインデニル基、1,3−ジエチル、2−メチ
ル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニル基、1,
2,3−トリエチル−4,5,6,7―テトラヒドロイ
ンデニル基、2―エチル−4,5,6,7―テトラヒド
ロインデニル基、1−メチル−2―エチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニル基、1,3−ジメチル
−2―エチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニ
ル基、フルオレニル基、9−メチルフルオレニル基、9
−エチルフルオレニル基、1,2,3,4―テトラヒド
ロフルオレニル基、9−メチル−1,2,3,4―テト
ラヒドロフルオレニル基、9−エチル−1,2,3,4
―テトラヒドロフルオレニル基、1,2,3,4,5,
6,7,8−オクタヒドロフルオレニル基、9−メチ
ル、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフ
ルオレニル基、9−エチル、1,2,3,4,5,6,
7,8−オクタヒドロフルオレニル基等が挙げられる。
【0023】前記一般式(4)で表される遷移金属化合
物の具体例を以下に示す。シクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、シクロペンタジエニルチタニウム
トリメチル、シクロペンタジエニルチタニウムトリメト
キシド、シクロペンタジエニルチタニウムトリベンジ
ル、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメチ
ル、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキ
シド、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリベン
ジル、ジメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、ジメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リメチル、ジメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リメトキシド、ジメチルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリベンジル、トリメチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、トリメチルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリメチル、トリメチルシクロペンタジエ
ニルチタニウムトリメトキシド、トリメチルシクロペン
タジエニルチタニウムトリベンジル、テトラメチルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、テトラメ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリメチル、テト
ラメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシ
ド、テトラメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
ベンジル、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリメチル、ペンタメチルシクロペンタジエ
ニルチタニウムトリメトキシド、ペンタメチルシクロペ
ンタジエニルチタニウムトリベンジル、インデニルチタ
ニウムトリクロリド、インデニルチタニウムトリメチ
ル、インデニルチタニウムトリメトキシド、インデニル
チタニウムトリベンジル、1−メチルインデニルチタニ
ウムトリクロリド、1−メチルインデニルチタニウムト
リメチル、1−メチルインデニルチタニウムトリメトキ
シド、1−メチルインデニルチタニウムトリベンジル、
2−メチルインデニルチタニウムトリクロリド、2−メ
チルインデニルチタニウムトリメチル、2−メチルイン
デニルチタニウムトリメトキシド、1−メチルインデニ
ルチタニウムトリベンジル、1,2−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリクロリド、1,2−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリメチル、1,2−ジメチルインデニル
チタニウムトリメトキシド、1,2−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリベンジル、1,3−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリクロリド、1,3−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリメチル、1,3−ジメチルインデニル
チタニウムトリメトキシド、1,3−ジメチルインデニ
ルチタニウムトリベンジル、1,2,3−トリメチルイ
ンデニルチタニウムトリクロリド、1,2,3−トリメ
チルインデニルチタニウムトリメチル、1,2,3−ト
リメチルインデニルチタニウムトリメトキシド、1,
2,3−トリメチルインデニルチタニウムトリベンジ
ル、1,2,3,4,5,6,7−ヘプタメチルインデ
ニルチタニウムトリクロリド、1,2,3,4,5,
6,7−ヘプタメチルインデニルチタニウムトリメチ
ル、1,2,3,4,5,6,7−ヘプタメチルインデ
ニルチタニウムトリメトキシド、1,2,3,4,5,
6,7−ヘプタメチルインデニルチタニウムトリベンジ
ル 4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリクロリド、4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリメチル、4,5,6,7―テトラヒ
ドロインデニルチタニウムトリメトキシド、4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジ
ル、1−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリクロリド、1−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメチ
ル、1−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリメトキシド、1−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジ
ル、2−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリクロリド、2−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキ
シド、2−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロイン
デニルチタニウムトリベンジル、1、2−ジメチル、
4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムト
リクロリド、1,2−ジメチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリメチル、1,2−ジ
メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタ
ニウムトリメトキシド、1,2−ジメチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジ
ル、1,3−ジメチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリクロリド、1,3−ジメチル
−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル、1,3−ジメチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、1,3
−ジメチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニル
チタニウムトリベンジル、1,2,3−トリメチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムト
リクロリド、1,2,3−トリメチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメチル、1,
2,3−トリメチル−4,5,6,7―テトラヒドロイ
ンデニルチタニウムトリメトキシド、1,2,3−トリ
メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタ
ニウムトリベンジル、1−エチル−4,5,6,7―テ
トラヒドロインデニルチタニウムトリクロリド、1−エ
チル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニ
ウムトリメチル、1−エチル−4,5,6,7―テトラ
ヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、1−エチ
ル−4,5,6、7―テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリベンジル、1−エチル−2−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリクロリ
ド、1−エチル−2−メチル−4,5,6,7―テトラ
ヒドロインデニルチタニウムトリメチル、1−エチル−
2−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニル
チタニウムトリメトキシド、1−エチル−2−メチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムト
リベンジル、1−エチル−3−メチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニルチタニウムトリクロリド、1
−エチル−3−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリクロリド、1−エチル−3−
メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタ
ニウムトリメチル、1−エチル−3−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキ
シド、1−エチル−3−メチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリベンジル、1−エチ
ル−2,3−ジメチル−4、5、6、7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリクロリド、1−エチル−2,
3−ジメチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニ
ルチタニウムトリメチル、1−エチル−2,3−ジメチ
ル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリメトキシド、1−エチル−2,3−ジメチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムト
リベンジル、1,2−ジエチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリクロリド、1,2−
ジエチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチ
タニウムトリメチル、1,2−ジエチル−4,5,6,
7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシ
ド、1,2−ジエチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリベンジル、1,2−ジエチル
−3−メチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニ
ルチタニウムトリクロリド、1,2−ジエチル、3−メ
チル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニ
ウムトリメチル、1,2−ジエチル−3−メチル−4,
5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメ
トキシド、1,2−ジエチル−3−メチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジ
ル、1,3−ジエチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリクロリド、1,3−ジエチル
−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル、1,3−ジエチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、1,3
−ジエチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニル
チタニウムトリベンジル、1,3−ジエチル−2−メチ
ル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリクロリド、1,3−ジエチル−2−メチル−4,
5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメ
チル、1,3−ジエチル−2−メチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、
1,3−ジエチル−2−メチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリベンジル、1,2,
3−トリエチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリクロリド、1,2,3−トリエチル
−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル、1,2,3−トリエチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、
1,2,3−トリエチル−4,5,6,7―テトラヒド
ロインデニルチタニウムトリベンジル、2―エチル−
4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムト
リクロリド、2―エチル−4,5,6,7―テトラヒド
ロインデニルチタニウムトリメチル、2―エチル−4,
5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメ
トキシド、2―エチル−4,5,6,7―テトラヒドロ
インデニルチタニウムトリベンジル、1−メチル−2―
エチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタ
ニウムトリクロリド、1−メチル−2―エチル−4,
5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメ
チル、1−メチル−2―エチル−4,5,6,7―テト
ラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド、1−メ
チル−2―エチル−4,5,6,7―テトラヒドロイン
デニルチタニウムトリベンジル、1、3−ジメチル−2
―エチル−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチ
タニウムトリクロリド、1,3−ジメチル−2―エチル
−4,5,6,7―テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル、1,3−ジメチル−2―エチル−4,5,
6,7―テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキ
シド、1,3−ジメチル−2―エチル−4,5,6,7
―テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジル−
1,2,3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニウム
トリクロリド、1,2,3,4―テトラヒドロフルオレ
ニルチタニウムトリメチル、1,2,3,4―テトラヒ
ドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド、1,2,
3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニウムトリベン
ジル、9−メチル−1,2,3,4―テトラヒドロフル
オレニルチタニウムトリクロリド、9−メチル−1,
2,3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニウムトリ
メチル、9−メチル−1,2,3,4―テトラヒドロフ
ルオレニルチタニウムトリメトキシド、9−メチル−
1,2,3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニウム
トリベンジル、9−エチル−1,2,3,4―テトラヒ
ドロフルオレニルチタニウムトリクロリド、9−エチル
−1,2,3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニウ
ムトリメチル、9−エチル−1,2,3,4―テトラヒ
ドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド、9−エチ
ル−1,2,3,4―テトラヒドロフルオレニルチタニ
ウムトリベンジル、1,2,3,4,5,6,7,8−
オクタヒドロフルオレニルチタニウムトリクロリド、
1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオ
レニルチタニウムトリメチル、1,2,3,4,5,
6,7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニウムトリ
メトキシド、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
ヒドロフルオレニルチタニウムトリベンジル、9−メチ
ル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフ
ルオレニルチタニウムトリクロリド、9−メチル−1,
2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニ
ルチタニウムトリメチル、9−メチル−1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニ
ウムトリメトキシド、9−メチル−1,2,3,4,
5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニウム
トリクロリド、9−エチル−1,2,3,4,5,6,
7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニウムトリメチ
ル、9−エチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オ
クタヒドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド、9
−エチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒ
ドロフルオレニルチタニウムトリベンジル等、およびこ
れらの化合物におけるチタンをジルコニウムやハフニウ
ムに置換したもの、あるいは他の族、またはランタノイ
ド系列の遷移金属元素の類似化合物を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。これらの中
で,チタン化合物が好適である。
【0024】(III)一般式(5)に関する具体例を以下
に示す。テトラメチルチタニウム、テトラベンジルチタ
ニウム、テトラエチルチタニウム、テトラフェニルチタ
ニウム、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチ
タニウム、テトラフェノキシチタニウム、テトラ(ジメ
チルアミノ)チタニウム、テトラ(ジエチルアミノ)チ
タニウム、テトラ(ジフェニルアミノ)チタニウム、Ma
cromolecules 1997,30,1562-1569やJournal of Organom
etallic Chemistry 514 (1996) 213-217等に記載されて
いるBis-(phenoxo)titanium 化合物やMacromolecules 1
996,29,5241-5243やOrganometallics 1997,16, 1491-1
496 等に記載されているDiamide titanium化合物等、お
よびこれらの化合物におけるチタンをジルコニウムやハ
フニウムに置換したもの、あるいは他の族、またはラン
タノイド系列の遷移金属元素の類似化合物を挙げること
ができる。
【0025】(IV)前記一般式(6)で表される遷移金
属化合物において、M2 は周期律表8〜10族の遷移金
属を示すが、具体的には鉄,コバルト,ニッケル,パラ
ジウム,白金などが挙げられるが、そのうちニッケル,
パラジウムが好ましい。また、L1 ,L2 はそれぞれ配
位結合性の配位子を表わし、X1 ,Y1 はそれぞれ共有
結合性、又はイオン結合性の配位子を表している。ここ
でX1 ,Y1 については、前述したように、具体的には
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20、好ましくは
1〜10の炭化水素基,炭素数1〜20、好ましくは1
〜10のアルコキシ基,アミノ基,炭素数1〜20、好
ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフ
ェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜20、好まし
くは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチ
ルシリル基など),炭素数1〜20、好ましくは1〜1
2の炭化水素基あるいはハロゲン含有硼素化合物(例え
ばB(C6 5 4 ,BF4 )を示す。これらの中でハ
ロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。このX1 及びY
1 はたがいに同一であっても異なっていてもよい。さら
に、L1 ,L2 の具体例としては、トリフェニルホスフ
ィン;アセトニトリル;ベンゾニトリル;1,2−ビス
ジフェニルホスフィノエタン;1,3−ビスジフェニル
ホスフィノプロパン;1,1’−ビスジフェニルホスフ
ィノフェロセン;シクロオクタジエン;ピリジン;ビス
トリメチルシリルアミノビストリメチルシリルイミノホ
スホランなどを挙げることができる。なお、上記L1
2 ,X1 およびY1 は、それぞれ互いに結合して環構
造を形成してもよい。
【0026】一般式(6)で表される周期律表第8〜1
0族の遷移金属化合物としては、ジイミン化合物を配位
子とするものが好ましく、このようなものとしては、例
えば一般式(7)
【0027】
【化8】
【0028】(式中、R14およびR17はそれぞれ独立に
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または全炭素数7〜
20の環上に炭化水素基を有する芳香族基、R15および
16はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の
炭化水素基を示し、R15とR16はたがいに結合して環を
形成していてもよく、XおよびYはそれぞれ独立に水素
原子または炭素数1〜20の炭化水素基、M2 は周期律
表第8ないし10族の遷移金属を示す。)で表される錯
体化合物を挙げることができる。上記一般式(7)にお
いて、R14およびR17のうちの炭素数1〜20の脂肪族
炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは
分岐状のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアル
キル基など、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げら
れる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル
基などの適当な置換差が導入されていてもよい。また、
全炭素数7〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基
としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族
環上に、炭素数1〜10の直鎖状,分岐状または環状の
アルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。
このR14およびR17としては、環上に炭化水素基を有す
る芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイソプロピルフ
ェニル基が好適である。R14およびR17は、たがいに同
一であってもよく、異なっていてもよい。また、R15
よびR16のうちの炭素数1〜20の炭化水素基として
は、例えば炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状アル
キル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基な
どが挙げられる。ここで、炭素数1〜20の直鎖状若し
くは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキ
ル基としては、前記R14およびR17のうちの炭素数1〜
20の脂肪族炭化水素基の説明において例示したものと
同じものを挙げることができる。また炭素数6〜20の
アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キ
シリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが挙げら
れ、炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベ
ンジル基やフェネチル基などが挙げられる。このR14
よびR15は、たがいに同一であってもよく、異なってい
てもよい。また、たがいに結合して環を形成していても
よい。一方、XおよびYのうちの炭素数1〜20の炭化
水素基としては、上記R15およびR16における炭素数1
〜20の炭化水素基について、説明したとおりである。
このXおよびYとしては、特にメチル基が好ましい。ま
た、XとYは、たがいに同一であってもよく異なってい
てもよい。M2 の周期律表第8ないし10族の遷移金属
としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、鉄、
コバルト、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられ、ニッ
ケル、パラジウムが好ましい。前記一般式(7)で表さ
れる錯体化合物の例としては、下記の式で表される化合
物などを挙げることができる。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】この一般式(7)で表される遷移金属化合
物の具体例としては、ジブロモビストリフェニルホスフ
ィンニッケル,ジクロロビストリフェニルホスフィンニ
ッケル,ジブロモジアセトニトリルニッケル,ジブロモ
ジベンゾニトリルニッケル,ジブロモ(1,2−ビスジ
フェニルホスフィノエタン)ニッケル,ジブロモ(1,
3−ビスジフェニルホスフィノプロパン)ニッケル,ジ
ブロモ(1,1’−ジフェニルビスホスフィノフェロセ
ン)ニッケル,ジメチルビスジフェニルホスフィンニッ
ケル,ジメチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエ
タン)ニッケル,メチル(1,2−ビスジフェニルホス
フィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレート,(2
−ジフェニルホスフィノ−1−フェニルエチレンオキ
シ)フェニルピリジンニッケル,ジクロロビストリフェ
ニルホスフィンパラジウム,ジクロロジベンゾニトリル
パラジウム,ジクロロジアセトニトリルパラジウム,ジ
クロロ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)パ
ラジウム,ビストリフェニルホスフィンパラジウムビス
テトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジ
ン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラートなど
を挙げることができる。なかでも、メチル(1,2−ビ
スジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオ
ロボレートやビストリフェニルホスフィンパラジウムビ
ステトラフルオロボレート,ビス(2,2’−ビピリジ
ン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラートのよ
うなカチオン型錯体が好ましく用いられる。本発明にお
いては、前記錯体化合物を一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0032】(B)成分 (イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)遷移金属化合物
と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物である。
これらのうち、好ましくは(イ)酸素含有化合物であ
る。 (イ)成分の酸素含有化合物 下記一般式(8)で表される化合物
【0033】
【化11】
【0034】及び/又は一般式(9)
【0035】
【化12】
【0036】で表される酸素含有化合物である。上記一
般式(8) 及び(9)において、R18〜R24はそれぞれ
炭素数1〜8のアルキル基を示し、具体的にはメチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種
ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプ
チル基,各種オクチル基が挙げられる。R18〜R24はた
がいに同一でも異なっていてもよく、R23及びR24はた
がいに同一でも異なっていてもよい。Y2 〜Y6 はそれ
ぞれ周期律表13族元素を示し、具体的にはB,Al,
Ga,In及びTlが挙げられるが、これらの中でB及
びAlが好適である。Y2 〜Y4 はたがいに同一でも異
なっていてもよく、Y5 及びY6 はたがいに同一でも異
なっていてもよい。また、a〜dはそれぞれ0〜50の
数であるが、(a+b)及び(c+d)はそれぞれ1以
上である。a〜dとしては、それぞれ1〜20の範囲が
好ましく、特に1〜5の範囲が好ましい。このような触
媒成分として用いる酸素含有化合物としては、アルキル
アルミノキサンが好ましい。具体的な好適例としては、
メチルアルミノキサンやイソブチルアルミノキサンが挙
げられる。 (ロ)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
しうる化合物 遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオンと
カチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げる
ことができる。複数の基が金属に結合したアニオンとカ
チオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあ
るが、例えば下記一般式(10)又は(11)で表される化
合物を好適に使用することができる。
【0037】 (〔L3 −H〕g+h (〔M3 2 3 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(10) (〔L4 g+h (〔M4 2 3 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(11) 〔式(10)又は(11)中、L4 は後述のM5 ,R2526
6 又はR27 3 Cであり、L3 はルイス塩基、M3 及び
4 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる金
属、M5 は周期律表の1族及び8族〜12族から選ばれ
る金属、M6 は周期律表の8族〜10族から選ばれる金
属、X2 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキルアミノ
基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜20
のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキル
アリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,有
機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R25及びR26
はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタ
ジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R27
アルキル基を示す。mはM3 ,M4 の原子価で1〜7の
整数、nは2〜8の整数、gはL3 −H,L4 のイオン
価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i=h×g/
(n−m)である。〕 M3 及びM4 の具体例としてはB,Al,Si,P,A
s,Sbなどの各原子、M4 の具体例としてはAg,C
u,Na,Liなどの各原子、M5 の具体例としてはF
e,Co,Niなどの各原子が挙げられる。X2 〜Xn
の具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基として
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ
基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基な
ど、アリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジ
メチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基など、炭素数1
〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,n−オクチ
ル基,2−エチルヘキシル基など、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペ
ンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメ
チル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル
基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフ
ェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−ジメ
チルフェニル基など、ハロゲンとしてF,Cl,Br,
I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基などが挙げられる。R25及びR26のそれぞれで
表される置換シクロペンタジエニル基の具体例として
は、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペン
タジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
どが挙げられる。
【0038】本発明において、複数の基が金属に結合し
たアニオンとしては、具体的にはB( C6 5)4 - ,B
( C6 HF4)4 - ,B( C6 2 3)4 - ,B( C6
3 2)4 - ,B( C6 4 F)4 - ,B( C6 CF3 4)
4 - ,B( C6 5 4 - ,PF6 - ,P( C6 5)6
- ,Al(C6 HF4)4 - などが挙げられる。ま金属カ
チオンとしては、Cp2 Fe+ ,(MeCp)2
+ ,(tBuCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe
+ ,(Me3 Cp)2 Fe+ ,(Me4 Cp)2
+ ,(Me5 Cp)2 Fe+ ,Ag+ , Na+ ,Li
+ などが挙げられ、またその他カチオンとしては、ピリ
ジニウム,2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリ
ニウム,ジフェニルアンモニウム,p−ニトロアニリニ
ウム,2,5−ジクロロアニリニウム,p−ニトロ−
N,N−ジメチルアニリニウム,キノリニウム,N,N
−ジメチルアニリニウム,N,N−ジエチルアニリニウ
ムなどの窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム,
トリ(4−メチルフェニル)カルベニウム,トリ(4−
メトキシフェニル)カルベニウムなどのカルベニウム化
合物、CH3 PH3 + ,C2 5 PH3 + ,C3 7
3 + ,(CH3 2 PH2 +,(C2 5 2 PH2
+ ,(C3 7 2 PH2 + ,(CH3 3 PH +
(C2 5 3 PH +,(C3 7 3 PH +,(CF
3 3 PH +,(CH3 4 + ,(C2 5
4 + ,(C3 7 4 + 等のアルキルフォスフォニ
ウムイオン,及びC6 5 PH3 + ,(C6 5 2
2 + ,(C6 5 3 PH+ ,(C6 5 4 +
(C2 5 2 (C6 5 )PH+ ,(CH3 )(C6
5 )PH2 + ,(CH3 2 (C6 5 )PH+
(C2 5 2 (C65 2 + などのアリールフォ
スフォニウムイオンなどが挙げられる。
【0039】一般式(10)及び(11)の化合物の中で、
具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。一般
式(10)の化合物としては、例えばテトラフェニル硼酸
トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ(n
−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチ
ルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N
−ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウムなどが挙
げられる。一方、一般式(11)の化合物としては、例え
ばテトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカ
メチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノフェ
ロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリ
チル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
チル,ヘキサフルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチ
モン酸銀,テトラフルオロ硼酸銀などが挙げられる。ま
た、ルイス酸として、例えばB(C6 5)3 ,B(C6
HF4)3 ,B(C62 3)3 , B(C6 3 2)3 ,
B(C6 4 F)3 ,B(C6 5)3 ,BF3,B(C6
CF3 4)3 ,PF5 , P(C6 5)5 , Al(C6
4)3 なども用いることができる。
【0040】(C)成分 本発明の方法に用いる触媒においては、上記の(A)成
分及び(B)成分とともに、必要に応じて(C)有機金
属化合物を用いることができる。(C)成分である有機
金属化合物は、下記一般式(12)で表される化合物 (( R28)3−X−Y)n −Z−(R29) m-n ・・・(12) (式中、R28は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜
30の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化
水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜3
0のアリーロキシ基、炭素数1〜30のチオアルコキシ
基,炭素数6〜30のチオアリーロキシ基,アミノ基、
アミド基、又はカルボキシル基を示し、それぞれのR28
は、それぞれ相互に同一であっても異なっていてもよ
い。またそれぞれのR28は、必要に応じて結合し、環構
造を形成してもよい。Xは、14族の元素を示し、Y
は、16族の元素を示し、Zは、2族〜13族の金属元
素を示す。R29は、炭化水素基を示す。mは、金属元素
Zの価数の整数を示し、nは、1〜(m−1)の整数を
示す。)及びアルキル化剤である。上記の一般式(1
2)で表される化合物のうち、次のものが好ましく用い
られる。即ち、(1)Xが炭素であり、Yが酸素であ
り、Zがアルミニウムであるもの,(2)3個のR28
うち、少なくとも1つが炭素数6〜30の芳香族炭化水
素基であるもの,(3)3個のR28のすべてが炭素数1
以上の炭化水素基であるもの、(4)3個のR28のすべ
てが炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、好ましくはフ
ェニル基であるもの,(5)R29が炭素数2以上のアル
キル基であるものである。具体的には、R28がすべてフ
ェニル基であり、Xが炭素,Yが酸素,Zがアルミニウ
ムであり、n=1であり、R29がイソブチル基であるも
のが好ましく挙げられる。(C)成分としては、上記一
般式で表される構造を持つものであれば、その製造方法
は特に問わないが、一般式 (R28)3−C−OR28,R
28−CO−R28又はR28−CO−OR28で表される化合
物から選ばれた少なくとも1種と、一般式 Z
(R29) m で表される化合物とを反応させることにより
得られたものが好に用いられる。(式中、R28,Z及び
29は、前記と同様である。) 具体的には、アルコール類,エーテル類,アルデヒド
類,ケトン類,カルボン酸類,カルボン酸エステル類か
ら選ばれた少なくとも1種とアルミニウム化合物との反
応生成物である。好ましくはアルコール類とアルミニウ
ム化合物との反応生成物である。この場合においても、
(1) (R28)3における3個のR28のうち、少なくとも
1つが炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であるもの,
(2) (R 28)3における3個のR28のすべてが炭素数1
以上の炭化水素基であるもの、(3) (R28)3における
3個のR28のすべてが炭素数6〜30の芳香族炭化水素
基、好ましくはフェニル基であるもの,(4)R29が炭
素数2以上のアルキル基であるものが好ましく用いら
れ、具体的には、R28がすべてフェニル基であり、R29
がイソブチル基であるものが好ましく挙げられる。即
ち、トリフェニルメチルアルコールとトリイソブチルア
ルミニウムとの反応生成物を最も好ましくあげることが
できる。の化合物との化合物の反応条件としては特
に制限はないが、次のような条件が好ましく選ばれる。
即ち、配合比については、モル比で、の化合物:の
化合物=1:0.1〜10,好ましくは1:0.5〜2,さ
らに好ましくは1:0.8〜1.2である。反応温度は−8
0℃〜300℃、好ましくは−10℃〜50℃であり、
反応時間は0.1分〜50時間、好ましくは0.1分〜3時
間である。また反応時に使用する溶媒も制限はないが、
重合時に使用される溶媒が好ましく用いられる。さらに
は、(C)成分として、上記一般式で示される化合物で
はなく、次に示す(C1)の化合物と(C2)の化合物
を直接触媒合成の場、又は重合の場に投入してもよい。
即ち、この場合は、触媒成分としては、前記(A)遷移
金属化合物、(B)酸素含有化合物及び/又は遷移金属
化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物、
(C1)、(C2)、及び必要に応じて用いられるアル
キル化剤ということになる。
【0041】(C1)とは、一般式 (R28)3−C−O
28,R28−CO−R28又はR28−CO−OR28で表さ
れる化合物から選ばれた少なくとも1種であり、(C
2)とは、一般式 Z(R29) m で表される化合物であ
る。(式中、R28は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族
炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6
〜30のアリーロキシ基、炭素数1〜30のチオアルコ
キシ基,炭素数6〜30のチオアリーロキシ基,アミノ
基、アミド基、又はカルボキシル基を示し、それぞれの
28は、それぞれ相互に同一であっても異なっていても
よい。またそれぞれのR28は、必要に応じて結合し、環
構造を形成してもよい。Zは、2族〜13族の金属元素
を、mは、金属元素Zの価数の整数を示し、R29は、炭
化水素基を示す。) 具体的には、(C1)としては、アルコール類,エーテ
ル類,アルデヒド類,ケトン類,カルボン酸類,カルボ
ン酸エステル類から選ばれた少なくとも1種、好ましく
はアルコール類が挙げられ、(C2)としては、アルミ
ニウム化合物が挙げられる。この場合においても、
(1) (R28)3における3個のR28のうち、少なくとも
1つが炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であるもの,
(2) (R28)3における3個のR28のすべてが炭素数1
以上の炭化水素基であるもの、(3)(R28)3における
3個のR28のすべてが炭素数6〜30の芳香族炭化水素
基、好ましくはフェニル基であるもの,(4)R29が炭
素数2以上のアルキル基であるものが好ましく用いら
れ、より具体的には、(C1)としては、トリフェニル
メチルアルコールが挙げられ、(C2)としては、トリ
イソブチルアルミニウムとを最も好ましく挙げることが
できる。
【0042】アルキル化剤 本発明に用いる触媒の(C)成分として、必要に応じて
アルキル化剤を用いることができる。アルキル化剤とし
ては様々なものがあるが、例えば、一般式(13) R31 m Al(OR32) n 3-m-n ・・・(13) 〔式中、R31及びR32は、それぞれ炭素数1〜8、好ま
しくは1〜4のアルキル基を示し、Xは水素原子あるい
はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦3、好まし
くは2あるいは3、最も好ましくは3であり、nは0≦
n<3、好ましくは0あるいは1である。〕で表わされ
るアルキル基含有アルミニウム化合物や一般式(14) R31 2 Mg ・・・(14) 〔式中、R31は前記と同じである。〕で表わされるアル
キル基含有マグネシウム化合物、さらには一般式(1
5) R31 2 Zn ・・・(15) 式中、R31は前記と同じである。〕で表わされるアルキ
ル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。これらのアルキル
基含有化合物のうち、アルキル基含有アルミニウム化合
物、とりわけトリアルキルアルミニウムやジアルキルア
ルミニウム化合物が好ましい。具体的にはトリメチルア
ルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリn−プロピ
ルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリ
n−ブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウ
ム,トリt−ブチルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルア
ルミニウムクロリド,ジn−プロピルアルミニウムクロ
リド,ジイソプロピルアルミニウムクロリド,ジn−ブ
チルアルミニウムクロリド,ジイソブチルアルミニウム
クロリド,ジt−ブチルアルミニウムクロリド等のジア
ルキルアルミニウムハライド、ジメチルアルミニウムメ
トキサイド,ジメチルアルミニウムエトキサイド等のジ
アルキルアルミニウムアルコキサイド、ジメチルアルミ
ニウムハイドライド,ジエチルアルミニウムハイドライ
ド,ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアル
キルアルミニウムハイドライド等があげられる。さらに
は、ジメチルマグネシウム,ジエチルマグネシウム,ジ
n−プロピルマグネシウム,ジイソプロピルマグネシウ
ム等のジアルキルマグネシウムやジメチル亜鉛,ジエチ
ル亜鉛,ジn−プロピルエチル亜鉛,ジイソプロピル亜
鉛等のジアルキル亜鉛をあげることができる。
【0043】触媒は下記の方法で調製することができ
る。 (1)各成分の接触順序 本発明においては、各成分の接触順序に特に制限はな
く、以下のような順序で接触させることができる。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いる場合
は、例えば、(A)成分と(B)成分を接触させ、そ
れに(C)成分を接触させる方法や、(A)成分と
(C)成分を接触させ、それに(B)成分を接触させる
方法や、(B)成分と(C)成分を接触させ、それに
(A)成分を接触させる方法、さらには、3成分を同
時に接触させる方法が挙げられる。さらに、所望により
(C)成分としてアルキル化剤を用いる場合において
も、そのの接触順序は問わない。すなわち、(A)成分
にアルキル化剤を接触させてから用いてもよく、(B)
成分にアルキル化剤を接触させてから用いてもよく、ま
た(C)成分の一般式(12)で表される有機金属化合
物とアルキル化剤を接触させてから用いてもよい。さら
には、(A),(B),(C)成分のうちアルキル化剤
を予め接触させておき、その後、(C)成分の一般式
(12)で表される有機金属化合物を接触させる方法で
もよい。(ii)(A)成分、(B)成分、(C1)成
分、及び(C2)成分を用いる場合も、上記(i)の場
合と同様に各成分を接触させる順序は問わないが、(C
1)成分と(C2)成分については、他の成分を接触さ
せる前に予め接触させておくのが好適である。さらに、
所望によりアルキル化剤を用いる場合においても、上記
(i)の場合と同様と同様である。 (2)各成分の割合 (A)成分と(B)成分のモル比は、(B)成分とし
て、酸素含有化合物を用いる場合、通常(A)成分1モ
ルに対し、(B)成分が、有機アルミニウム化合物の場
合は、アルミニウム原子のモル比で1〜10,000、好
ましくは、10〜1,000の範囲で選ばれる。また
(B)成分として、遷移金属化合物と反応してイオン性
の錯体を形成しうる化合物を用いる場合、通常(A)成
分1モルに対し、(B)成分がホウ素化合物の場合は、
ホウ素原子のモル比で0.5〜10、好ましくは、0.8〜
5の範囲で選ばれる。(C)成分を用いる場合、(C)
成分の一般式(12)で表される有機金属化合物は、
(A)成分1モルに対し、(C)成分がアルミニウム化
合物の場合は、アルミニウム原子のモル比で0.5〜1,0
00、好ましくは、1〜100の範囲で選ばれる。アル
キル化剤の配合量については、(A)成分1モルに対
し、アルキル化剤がアルミニウム化合物の場合は、アル
ミニウム原子のモル比で0〜1000(0を含まず)、
好ましくは1〜500、特に10〜300の範囲で選ば
れる。(C)成分を用いず、(C1)成分及び(C2)
成分を用いる場合、モル比で、(C1)成分:(C2)
成分=1:0.1〜10,好ましくは1:0.5〜2,さら
に好ましくは1:0.8〜1.2である。(C2)成分は、
(A)成分1モルに対し、(C2)成分が、アルミニウ
ム化合物の場合は、アルミニウム原子のモル比で0.5〜
1,000、好ましくは、1〜100の範囲で選ばれる。
アルキル化剤の配合量については、上記と同様である。 (3)各成分の接触条件 触媒成分の接触については、窒素等の不活性気体中、重
合温度以下で行なうことができるが、−30〜200℃
の範囲で行なってもよい。
【0044】本発明のスチレン系共重合体は、上記のよ
うに、一般式(I')で表されるスチレン系モノマーと該
モノマーと共重合可能なコモノマーとを、上記のような
重合用触媒の存在下に共重合させることによって製造さ
れるが、その際予備重合を行うことができる。予備重合
は、前記触媒に、例えば、少量のスチレン類を接触させ
ることにより行うことができるが、その方法には特に制
限はなく、公知の方法で行うことができる。予備重合に
用いるスチレン類については特に制限はなく、前記した
ものを用いることができる。予備重合温度は、通常−2
0〜200℃、好ましくは−1℃〜130℃である。予
備重合において、溶媒としては、不活性炭化水素、脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素、モノマーなどを用いるこ
とができる。また、スチレン系モノマーとコモノマーを
共重合させる方法については特に制限はなく、スラリー
重合法,溶液重合法,気相重合法,塊状重合法,懸濁重
合法など、任意の重合法を採用することができる。この
場合、触媒の各成分と各モノマーとの接触順序について
も制限はない。即ち、前記のように触媒の各成分を予め
混合して触媒を調製したのち、そこへモノマーを投入す
る方法でもよい。或いは、触媒の各成分を予め混合して
触媒を調製しておくのではなく、触媒の各成分と各モノ
マーを全く任意の順序で重合の場に投入する方法でもよ
い。好ましい形態としては、前記(C)成分のうち一般
式(12)で表される化合物、又は(C1)成分並びに
(C2)成分以外の成分、即ち、(A)成分,(B)成
分,(C)成分のうちアルキル化剤を予め混合してお
き、一方、モノマーと前記(C)成分のうち一般式(1
2)で表される化合物、又はモノマーと(C1)成分並
びに(C2)成分とを別に混合しておき、しかる後に、
これら両者を重合直前に混合することにより、重合を行
なわせる方法が挙げられる。
【0045】重合溶媒を用いる場合には、その溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等の
炭化水素類やハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
これらは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、重合に用いるモノマーもその種類に
よっては使用することができる。また、重合反応におけ
る触媒の使用量は、溶媒1リットル当たり、(A)成分
が、通常0.1〜100マイクロモル、好ましくは0.
5〜25マイクロモルの範囲になるように選ぶのが重合
活性および反応器効率の面から有利である。重合条件に
ついては、圧力は、通常、常圧〜2000kg/cm2
Gの範囲が選択される。また、反応温度は、通常、−5
0〜250℃の範囲である。重合体の分子量の調節方法
としては、各触媒成分の種類、使用量、重合温度の選択
および水素の導入などが挙げられる。
【0046】本発明の上記スチレン系共重合体を成形し
て様々な成形体を得ることができるが、このスチレン系
系重合体には、本発明の目的を阻害しない範囲で一般に
使用されている熱可塑性樹脂,ゴム状弾性体,酸化防止
剤,無機充填剤,架橋剤,架橋助剤,核剤,可塑剤,相
溶化剤,着色剤,帯電防止剤などを添加して、組成物と
して用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、
例えばアタクチック構造のポリスチレン,アイソタクチ
ック構造のポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂などの
スチレン系重合体をはじめ、ポリエチレンテレフタレー
トなどのポリエステル,ポリカーボネート,ポリフェニ
レンオキサイド,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン
などのポリエーテル,ポリアミド,ポリフェニレンスル
フィド(PPS),ポリオキシメチレンなどの縮合系重
合体、ポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステル,ポリ
メチルメタクリレートなどのアクリル系重合体、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−メチル
ペンテン−1,エチレン−プロピレン共重合体などのポ
リオレフィン、あるいはポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニ
リデン,ポリ弗化ビニリデンなどの含ハロゲンビニル化
合物重合体など、あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。
【0047】またゴム状弾性体としては、様々なものが
使用可能であるが、例えば天然ゴム,ポリブタジエン,
ポリイソプレン,ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリ
スルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレ
タンゴム、シリコーンゴム、エビクロロヒドリンゴム、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR),水
素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SE
B),スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SEBS),スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体(SIR),水素添加スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(SEP),スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体(SIS),水素添
加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SEPS),スチレン−ブタジエンランダム共重合
体,水素添加スチレン−ブタジエンランダム共重合体,
スチレン−エチレン−プロピレンランダム共重合体,ス
チレン−エチレン−ブチレンランダム共重合体、エチレ
ンプロピレンゴム(EPR),エチレンプロピレンジエ
ンゴム(EPDM)、あるいはブタジエン−アクリロニ
トリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS),メチル
メタクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴ
ム(MBS),メチルメタクリレート−ブチルアクリレ
ート−スチレン−コアシェルゴム(MAS),オクチル
アクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS),アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレンコアシェルゴム(AAB
S),ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートシロ
キサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム等
のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変
性したゴムなどが挙げられる。これらの中で、特に、S
BR、SBS、SEB、SEBS、SER、SEP、S
IS、SEPS、コアシェルゴムまたはこれらを変成し
たゴム等が好ましく用いられる。また、変性されたゴム
状弾性体としては、例えばスチレン−ブチルアクリレー
ト共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック
共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチ
レン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添
加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(S
IS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンランダム
共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンランダム共
重合体、スチレン−エチレン−ブチレンランダム共重合
体、エチレンプロピレンゴム(EPR),エチレンプロ
ピレンジエンゴム(EPDM)などを、極性基を有する
変性剤によって変性を行ったゴム等が挙げられる。これ
らの中で、特にSEB,SEBS,SEP,SEPS,
EPR,EPDMを変性したゴムが好ましく用いられ
る。具体的には、無水マレイン酸変性SEBS,無水マ
レイン酸変性SEPS,無水マレイン酸変性EPR,無
水マレイン酸変性EPDM,エポキシ変性SEBS,エ
ポキシ変性SEPSなどが挙げられる。これらのゴム状
弾性体は、1種又は2種用いてもよい。酸化防止剤とし
ては様々なものがあるが、特にトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(モノおよび
ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等のモノホスファイ
トやジホスファイト等のリン系酸化防止剤およびフェノ
ール系酸化防止剤が好ましい。ジホスファイトとして
は、一般式
【0048】
【化13】
【0049】(式中、R33及びR34はそれぞれ独立に炭
素数1〜20のアルキル基,炭素数3〜20のシクロア
ルキル基あるいは炭素数6〜20のアリール基を示
す。)で表されるリン系化合物を用いることが好まし
い。上記一般式で表されるリン系化合物の具体例として
は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト;ジオクチルペンタエリスリトールジホスファイト;
ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト;ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト;ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスフ
ァイトなどが挙げられる。また、フェノール系酸化防止
剤としては既知のものを使用することができ、その具体
例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール;2,6−ジフェニル−4−メトキシフェノー
ル;2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メ
チルフェノール);2,2’−メチレンビス−(6−t
−ブチル−4−メチルフェノール);2,2’−メチレ
ンビス〔4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシ
ル)フェノール〕;1,1−ビス(5−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン;2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェ
ノール);2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6
−ノニルフェノール);1,1,3−トリス−(5−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタ
ン;2,2−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプト
ブタン;エチレングリコール−ビス〔3,3−ビス(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレー
ト〕;1−1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−3−(n−ドデシルチオ)−ブタン;
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェ
ノール);1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチ
ルベンゼン;2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)マロン酸ジオクタデシルエス
テル;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;テトラ
キス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシハイドロシンナメート)〕メタンなどが挙げられ
る。
【0050】さらに、上記リン系酸化防止剤,フェノー
ル系酸化防止剤の他に、アミン系酸化防止剤,硫黄系酸
化防止剤などを単独で、あるいは混合して用いることが
できる。上記の酸化防止剤は、前記のSPS100重量
部に対し、通常、0.0001〜1重量部である。ここで
酸化防止剤の配合割合が0.0001重量部未満であると
分子量低下が著しく、一方、1重量部を超えると機械的
強度に影響があるため、いずれも好ましくない。さらに
無機充填剤としては、繊維状のものであると、粒状,粉
状のものであるとを問わない。繊維状無機充填材として
はガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維等が挙げられ
る。一方、粒状,粉状無機充填材としてはタルク,カー
ボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,シリカ,
マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭酸バリウ
ム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸バリウ
ム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミナ,カオリ
ン,炭化ケイ素,金属粉末等が挙げられる。
【0051】本発明のスチレン系共重合体からなる成形
体は、その形状は特に限定されるものではなく、例え
ば、シート,フィルム,繊維,不織布,容器,射出成形
品,ブロー成形体などであってもよい。本発明のスチレ
ン系共重合体から成形体を製造する方法としては、様々
なものが挙げられが、例えば、下記の方法を好適なもの
として挙げることができる。すなわち、まず、上記スチ
レン系共重合体あるいはこれに必要に応じて上記の各種
成分を添加した組成物を予備成形し、熱処理用予備成形
体(フィルム,シート又は容器)とする。この成形にあ
っては、上記成形素材の加熱溶融したものを押出して所
定形状にすればよく、フィルム,シートの場合はT−ダ
イ成形、容器など他の構造体は射出成形などにより成形
することができる。ここで用いる押出成形機は、一軸押
出成形機,二軸押出成形機のいずれでもよく、また、ベ
ント付き,ベント無しのいずれでもよい。押出条件は、
特に制限は無く、様々な状況に応じて適宜選定すればよ
いが、好ましくは溶融時の温度を成形素材の融点〜分解
温度より50℃高い温度の範囲で選定し、剪断応力を5
×106 dyne/cm2 以下とすると、表面の荒れの
少ない熱処理用予備成形体を得ることができる。
【0052】上記押出成形後、得られた熱処理用予備成
形体を、冷却固化することが好ましい。この際の冷媒
は、気体,液体,金属など各種のものを使用することが
できる。なお、シート成形により熱処理用予備成形体を
成形する際に、金属ロールなどを用いる場合は、エアナ
イフ,エアチャンバー,タッチロール,静電印加などの
方法によると、厚みムラや波うち防止に効果的である。
冷却固化の温度は、通常は0℃〜熱処理用予備成形体の
ガラス転移温度より30℃高い温度の範囲、好ましく
は、ガラス転移温度より70℃低い温度以上ガラス転移
以下の温度範囲である。また、冷却速度は特に制限はな
いが、200〜3℃/秒、好ましくは、200〜10℃
/秒の範囲で適宜選定する。この熱処理用予備成形体
は、各種の形状のものであるが、通常は厚さ5mm以
下、好ましくは3mm以下のシート,フィルム,容器
(チューブ,トレイなど)などの成形体である。熱処理
前の熱処理用予備成形体において、厚さが5mmを超え
るものでは、熱処理用予備成形体の成形時に内部の結晶
化が進み白濁する場合がある。また、熱処理用予備成形
体の結晶化度は20%以下、好ましくは15%以下であ
る。ここで、熱処理用予備成形体の結晶化度が20%を
超えると、熱処理後のスチレン系共重合体成形体の透明
性が充分でない。成形体は、例えば、本発明のスチレン
系共重合体から成る上記熱処理用予備成形体を140〜
180℃、好ましくは150〜170℃の温度範囲で熱
処理をすることによって得ることができる。ここで、熱
処理温度が140℃未満では、耐熱性が充分でなく白濁
化する場合があり、180℃を超える場合は透明性が不
充分となる。この熱処理の時間は、通常1秒〜30分、
好ましくは1秒〜10分である。また、このときの昇温
速度は、熱処理用予備成形体を急昇温して所定の熱処理
温度にすることが望ましく、その観点から30℃/分以
上、好ましくは50℃/分以上である。昇温速度が30
℃/分より遅いと所定の熱処理温度未満で熱処理を受け
ることになり、スチレン系共重合体成形体の透明性が損
なわれることがある。また、熱処理の加熱方法は、特に
限定されないが、例えば120〜200℃の気体,液
体,金属などの熱媒体に接触させればよい。さらに、上
記条件で熱処理したスチレン系共重合体成形体を、必要
に応じて再度熱処理してもよい。このときの熱処理条件
としては、ガラス転移温度以上,融点以下,熱処理時間
1秒以上が適当である。再度熱処理したスチレン系共重
合体成形体は、結晶化度の向上は望めないが、透明性を
損なわずに熱変形温度を向上させることができる。
【0053】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限され
るものではない。
【0054】実施例1 (1)混合触媒の調製方法 充分に乾燥し、窒素置換された容器中にトルエン、
(C)成分の有機金属化合物としてトリイソブチルアル
ミニウム3.8mmol、(B)成分の酸素含有化合物
としてメチルアルミノキサン150mmol、さらに第
1表に示す(A)成分である遷移金属錯体0.15mm
olを入れ、触媒濃度で3mmol/lになるように調
製した。各成分を混合後1時間攪拌し、混合触媒として
用いた。 (2)スチレン系共重合体の製造 充分に乾燥し、窒素置換された反応器にスチレン4.5
g(43mmol)及び表1に示す量の4−メチル−
1,3−ペンタジエンを仕込み、充分に攪拌した。混合
物を60℃まで昇温させた後、前記(1)で調製した混
合触媒溶液42マイクロリットルを混合物に加え、重合
を開始させた。10分間重合を行った後、メタノールを
加えて重合を停止させた。得られた共重合体をメタノー
ルで洗浄した後、200℃,減圧下で2時間乾燥し、ス
チレン系共重合体を得た。
【0055】(3)物性の測定 得られた共重合体の分子量,オルトジクロロベンゼン
(以下に、ODCBと略記することがある。)溶解性,
共重合量割合,融点(Tm),ガラス転移温度(Tg)
を測定し、結果を第1表に示す。 ODCB溶解性 共重合体0.04gをODCB0.4ミ
リリットルに加え、140℃で5分攪拌した後、共重合
体の溶解状態を肉眼で観察する。 共重合割合 外径5mmのNMR用サンプル管にスチレン系共重合体
0.04g、重合禁止剤としてt−ブチルカテコール1
00ppmを添加したトリクロロベンゼン/d−ベンゼ
ン=9/1の混合溶媒を0.4ミリリットル加え、スチ
レン系共重合体を140℃で5分間加熱溶解した。溶解
した試料を400MHzでNMR装置を用いて下記の測
定条件で 1H−NMRスペクトルを測定した。 測定条件 NMR装置 : 日本電子製 EX400 パルス幅 : 7.2μ秒(45°) パルス繰り返し時間: 9秒 積算回数 : 64回 測定温度 : 130℃ (a)共重合量1 共重合体中の4−メチル−1,3−ペンタジエン含量
(共重合量1と記す)は特開昭62−187708号公
報に示されている、シンジオタクチックポリスチレンの
メチンプロトン由来のピーク(δ=1.9〜2.1pp
m)、及び新たに出現した共重合体中の4−メチル−
1,3−ペンタジエンのメチンプロトン由来のピーク
(δ=2.2〜2.6ppm)の強度比から求めた。 (b)共重合量2 共重合体中の4−メチル−1,3−ペンタジエン含量
(共重合量2と記す)は、特開昭62−187708号
公報に示されている、シンジオタクチックポリスチレン
のメチンプロトン由来のピーク(δ=1.9〜2.1p
pm)、及び新たに出現した共重合体中の4−メチル−
1,3−ペンタジエンのメチルプロトン由来のピーク
(δ=0.9〜1.2ppm)の強度比から求めた。 (c)コモノマーの共重合量 コモノマー(4−メチル−1,3−ペンタジエン)の共
重合量は、上記の共重合量1と共重合量2の総和であ
る。コモノマーとして4−メチル−1,3−ペンタジエ
ン以外のものを用いた場合についても同様の方法で共重
合量を測定した。 DSCによるガラス転移温度及び融点の測定 スチレン系共重合体を充分に乾燥した後、DSC用サン
プル入れに10mg入れ、50℃から300℃まで10
℃/分の速度で昇温した後、300℃で5分間保持し、
300℃から50℃まで10℃/分で降温した。このサ
ンプルを再度50℃から300℃まで10℃/分の速度
で昇温した際の吸発熱パターンを観察した。なお、用い
た装置は、パーキンエルマー社製DSC−IIであった。
【0056】実施例2〜7 第1表に示した触媒成分を用いて実施例1(1)と同様
にして混合触媒溶液を調製し、実施例1(2)と同様に
してスチレン及び4−メチル−1,3−ペンタジエンを
共重合させ、各種物性を実施例1(3)に記載した方法
で測定し、結果を第1表に示す。但し、実施例6及び7
においては、スチレンと4−メチル−1,3−ペンタジ
エンの仕込み量比は99重量%:1重量%とした。
【0057】実施例8 充分に乾燥し、窒素置換されたダブルヘリカル翼を有す
る10リットル槽型反応器を80℃に昇温した。充分に
乾燥した平均粒径0.3mmのシンジオタクチック構造
を有するポリスチレン約6リットルを反応器内に投入
し、攪拌を開始した。反応器のジャケット温度を60℃
に設定し、スチレン及び4−メチル−1,3−ペンタジ
エンの混合液(99重量%:1重量%)を反応器内に投
入し、さらに第1表に示した触媒成分を用いて前記の実
施例1(1)に記載した方法で調製した混合触媒溶液を
投入して重合を開始した。所定の触媒供給量及びモノマ
ー供給量に達した時点で反応系内の温度を設定温度にな
るようにジャケット温度を調節した。反応器内に生成し
たスチレン系共重合体は、反応器の底部に設けた排出バ
ルブより一定時間毎に抜き出した。得られた共重合体を
メタノールで洗浄後、200℃で減圧下で2時間乾燥
し、スチレン系共重合体を得た。得られたスチレン系共
重合体の各種物性を実施例1(3)に記載した方法で測
定し、結果を第1表に示す。
【0058】実施例9 (B)成分として、テトラキスペンタフルオロフェニル
ボレートを0.15mmol使用した以外は、実施例1と
同様に行った。得られたスチレン系共重合体の各種物性
を実施例1(3)に記載した方法で測定し、結果を第1
表に示す。 実施例10 充分に乾燥し、窒素置換された反応器にスチレン50g
(436mmol)及びCH2 =CH−Si(CH3)3
70g(480mmol)を加え、充分に攪拌した。さ
らに第1表に示した触媒成分を用いて前記の実施例1
(1)に記載した方法で調製した混合触媒溶液42マイ
クロリットルを投入して重合を開始した。室温で90分
間重合を行った後、メタノールを加えて重合を停止させ
た。得られた共重合体をメタノールで洗浄後、減圧下に
40℃で24時間乾燥し、スチレン系共重合体を得た。
得られたスチレン系共重合体の各種物性を実施例1
(3)に記載した方法で測定し、結果を第1表に示す。
【0059】なお、下記の第1表及び第2表中の記号
は、下記の物質を意味する。 MAO : メチルアルミノキサン TIBA: トリイソブチルアルミニウム 4MePD:4−メチル−1,3−ペンタジエン [656]Ti(OMe)3 :1,2,3,4,5,6,7,8−オ
クタヒドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド 2Me[65]Ti(OMe)3:2−メチル−テトラヒドロインデニ
ルチタニウムトリメトキシド Et2Me[65]Ti(OMe)3:2−メチル−1,3−ジエチル−
テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド Cp* Ti(OMe)3 : ペンタメチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリメトキシド Cp”Ti(OMe)3 : テトラメチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリメトキシド Me3CpTi(OMe)3 :1,2,3トリメチルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリメトキシド CpTiCl3 : シクロペンタジエニルチタニウムトリ
クロリド TPFB : テトラキスペンタフルオロフェニルボレ
ート
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】比較例1〜4 内容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ト
ルエン200ミリリットル,スチレン200ミリリット
ル,イソプレン2ミリリットルを仕込み、第2表に示す
触媒成分を用いて前記の実施例1(1)に記載した方法
で調製した混合触媒溶液をTi当たり10マイクロモル
投入した。重合温度50℃で60分間重合を行った後、
内容物を取り出し、200℃で減圧下に2時間乾燥する
ことにより、スチレン系共重合体を得た。得られたスチ
レン系共重合体の各種物性を実施例1(3)に記載した
方法で測定し、結果を第2表に示す。
【0064】比較例5 A成分としてシクロペンダジエニルチタントリクロライ
ドを用い、C成分としてTIBAを用いないで、4Me
PDを1モル%仕込んだ以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた共重合体の各種物性を実施例1(3)に記
載した方法で測定し、結果を第2表に示す。 比較例6 コモノマーとして4MePDを用いなかった以外は、実
施例1と同様に行った。得られた重合体の各種物性を実
施例1(3)に記載した方法で測定し、結果を第2表に
示す。 比較例7 モノマーとしてスチレンを用いなかった以外は、実施例
1と同様に行った。得られた重合体の各種物性を実施例
1(3)に記載した方法で測定し、結果を第2表に示
す。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】本発明のスチレン系共重合体は、シンジ
オタクチックポリスチレンの優れた耐熱性,耐薬品性等
の特性を維持するとともに、ガラス転移温度と融点のバ
ランスが良いため、乾燥処理,造粒,成形等の高温処理
時にポリマー鎖に残った不飽和結合が架橋反応を引き起
こすことがなく、物性の低下を招くことがなく、ゲル等
の発生もなく、成形性,熱安定性に優れている。このよ
うなスチレン系共重合体は、本発明の方法によれば、効
率よく製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 216/06 C08F 216/06 216/14 216/14 226/02 226/02 230/08 230/08 232/00 232/00 236/02 236/02 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC01A AC03A AC07A AC08A AC10A AC23A AC25A AC26A AC28A AC31A AC41A AC44A AC45A AC46A AC47A AC48A AC49A BA00A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC05B BC09B BC12B BC14B BC15B BC16B BC20B BC24B BC25B BC39B CA17C CA52C CB22B CB27B CB42B CB52B CB53B CB54B DA06 EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB13 EB14 EB16 EB17 EB18 EB21 EB22 EB23 EB26 EC02 FA01 FA02 FA03 FA04 GA12 GA19 4J100 AA03Q AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA19Q AA21Q AB02P AB04P AB07P AB08P AB09P AB10P AB15P AB16P AD02R AE03R AE09R AN02R AP16R AR21Q AR22Q AS02Q AS03Q AS04Q AS06Q AS07Q AS11Q AS15Q BA03P BA04P BA05P BA06P BA29P BA40Q BA71Q BA77Q BC43P BC43Q CA04 DA24 DA25 FA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃で2時間熱処理後に示差走査熱
    量計で測定した融点(Tm)とガラス転移点(Tg)
    (℃)が下記の式(1) Tg≦Tm−170 ・・・・・・(1) の関係を満たし、一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素数
    20個以下の炭化水素基を示し、mは1〜3の整数を示
    す。なお、mが複数のときは、各R1 は同じでも異なっ
    てもよい。〕で表されるスチレン系繰り返し単位(I)
    の連鎖の立体規則性が主としてシンジオタクチック構造
    であることを特徴とするスチレン系共重合体。
  2. 【請求項2】 コモノマーが、前記一般式(I)で表さ
    れるスチレン系繰り返し単位(I)と共重合可能なコモ
    ノマーである請求項1記載のスチレン系共重合体。
  3. 【請求項3】 コモノマーが、一般式(II') CH2 =CR' −R ・・・・・・(II') 〔式中、RはC(R2 )=C(R3 )(R4 )を示し、
    R' は水素原子,ハロゲン原子,シアノ基又は炭化水素
    基を示し、R2 〜R4 はそれぞれ独立に水素原子,ハロ
    ゲン原子,シアノ基又は炭化水素基を示し、R2
    3 ,R2 とR4 ,R3とR4 は結合して環を形成して
    もよい。〕で表される化合物である請求項1又は2記載
    のスチレン系共重合体。
  4. 【請求項4】 コモノマーが、一般式(II'-a) CH2 =CH−A ・・・・・・(II'-a) 〔式中、Aはヘテロ原子を含む基を示す。〕で表される
    化合物である請求項1又は2記載のスチレン系共重合
    体。
  5. 【請求項5】 一般式(I') 【化2】 〔式中、R1 及びmは前記と同じである。〕で表される
    スチレン系モノマーと該モノマーと共重合可能なコモノ
    マーを、(A)遷移金属錯体、(B)酸素含有化合物及
    び/又は遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形
    成しうる化合物、並びに(C)必要に応じて用いられる
    有機金属化合物からなる触媒の存在下に共重合させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のスチレン系共重合体の製
    造法。
  6. 【請求項6】 コモノマーとして前記一般式(I)で表
    されるスチレン系繰り返し単位(I)と共重合可能なコ
    モノマーを用いる請求項5記載のスチレン系共重合体の
    製造法。
  7. 【請求項7】 コモノマーとして一般式(II') CH2 =CR' −R ・・・・・・(II') 〔式中、R,R' は前記のものを示す。〕で表される化
    合物である請求項5又は6記載のスチレン系共重合体の
    製造法。
  8. 【請求項8】 コモノマーとして一般式(II'-a) CH2 =CH−A ・・・・・・(II'-a) 〔式中、Aはヘテロ原子を含む基を示す。〕で表される
    化合物である請求項5又は6記載のスチレン系共重合体
    の製造法。
JP2000016715A 2000-01-26 2000-01-26 スチレン系共重合体及びその製造法 Pending JP2001206915A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011084641A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Mitsui Chemicals Inc 芳香族ビニル化合物と共役ポリエン化合物とのブロック共重合体の製造方法およびブロック共重合体

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