JP2017065874A - シールテープ巻付け機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安全性を有する自動化されたシールテープ巻付け機を提供する。【解決手段】シールテープ巻付け機1は、シールテープをワークに向けて供給し且つ案内するテープ供給ユニット10と、モータにより回転駆動される駆動ローラ25と、駆動ローラの回転軸線に略直交する方向で駆動ローラに向けて進退して、ワークを駆動ローラに押圧し及び解放する押付けローラ30と、ワークを駆動ローラと押付けローラとの間の装填位置と装填位置から駆動ローラの回転軸線の方向で離れた後退位置との間で移動させるワークローダであって、押付けローラがワークを駆動ローラに押圧しているときワークを回転可能に保持するワークローダ40と、を具備し、ワークローダによって装填位置に装填されたワーク4を押付けローラが駆動ローラに押し付けることにより回転させる間に、ワークの雄ねじ部に所定の周回数だけシールテープを巻き付ける。【選択図】図1

Description

本発明は、管継手の雄ねじ部等にシールテープを巻き付けるシールテープ巻付け機に関するものである。
流体の配管路に用いられるねじ込み式の管継手のねじ部をシールするために、管継手の雄ねじ部側に合成樹脂製のシールテープを巻き付けることが広く行われている。巻付けは、特に加工数量が多い場合には、手作業ではなく、シールテープ巻付け機が利用されるだろう。シールテープ巻付け機として特許文献1に記載されたものが知られている。
特開平10−120311号公報
特許文献1のシールテープ巻付け機の場合、最初にシールテープの先端部を管継手の雄ねじ部に少し巻き付けて圧着ローラで挟むという作業を人が行う必要がある。そのため、特許文献1のシールテープ巻付け機によると、自動機械として期待されるほどの加工時間の短縮及び安定した巻き付け品質が得られないように思われる。さらに、前述の作業を行っているときに誤って始動スイッチが入ってしまった場合に作業者の指などが可動部に巻き込まれるという安全性の問題も有している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高い安全性を有する自動化されたシールテープ巻付け機を提供することを目的としている。
前述の課題を解決するために、本発明によれば、ワークの雄ねじ部へシールテープを巻き付けるシールテープ巻付け機であって、シールテープリールからシールテープをワークに向けて供給しかつ案内するテープ供給ユニットと、テープ供給ユニットから供給されるシールテープの幅方向と平行な回転軸線を有し、該回転軸線と直交する方向に互いに接近、離反可能に相対移動する第1ローラ及び第2ローラと、第1ローラと第2ローラのうち少なくとも1つのローラを回転させる回転駆動手段と、ワークを第1ローラと第2ローラとの間の装填位置と前記装填位置からシールテープの幅方向に離れた後退位置との間で移動させるワークローダであって、ワークを雄ねじ部の軸線周りに回転可能に保持するワークローダと、ワークの雄ねじ部にシールテープを巻き付けるとき、装填位置に装填されたワークを第1ローラと第2ローラとの間に挟み込み、シールテープの巻き付けが終わった後第1ローラと第2ローラとを離反させるローラ移動手段とを具備するシールテープ巻付け機が提供される。
前述の課題を解決するために、本発明によれば、ワークの雄ねじ部へシールテープを巻き付けるシールテープ巻付け機であって、シールテープリールからシールテープをワークに向けて供給し且つ案内するテープ供給ユニットと、モータにより回転駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラの回転軸線に略直交する方向で駆動ローラに向けて進退して、ワークを駆動ローラに押圧し及び駆動ローラから解放する押付けローラと、ワークを駆動ローラと押付けローラとの間の装填位置と装填位置から駆動ローラの回転軸線の方向で離れた後退位置との間で移動させるワークローダであって、ワークを雄ねじ部の軸線周りに回転可能に保持するワークローダと、を具備し、ワークローダによって装填位置に装填されたワークを押付けローラが駆動ローラに押し付け回転させている間に、テープ供給ユニットにより駆動ローラとワークとの間に供給されたシールテープをワークの雄ねじ部に所定の周回数だけ巻き付けるシールテープ巻付け機が提供される。
本発明では、ワークローダは、更に、保持したワークを押付けローラの進退方向と平行な方向に往復移動させることができる、
本発明では、テープ供給ユニットは、シールテープリールの回転に抵抗力を付与するブレーキ手段を有することができる。
本発明では、ワークローダは、ワークを保持するアタッチメントを有し、前記アタッチメントは、保持すべきワークの寸法又は形状に応じて交換可能である。
本発明によるシールテープ巻付け機は、押付けローラを、駆動ローラと同期して同じ方向へ回転させる押付けローラ駆動装置を更に具備することができる。
本発明によると、作業者は、ワークローダに回転可能に取り付けられたワークを、ワークローダを操作することによって、装填位置に配置することが可能になる。したがって、作業者は、可動部品である第1、第2ローラ又は駆動ローラや、駆動ローラの近くに通常は配置されているテープカッターの近くに手を近付ける必要がなく、安全に作業を行うことができる。また、本発明によると、ワークローダによって装填位置に装填されたワークを第1ローラと第2ローラとが挟み込んで回転させる間、又は押付けローラが駆動ローラに押し付けることにより回転させる間に、ワークの雄ねじ部に所定の周回数だけシールテープが自動的に巻き付けられるので、作業者はワークのワークローダへの着脱とワークローダを使ってワークの移動を行うだけでよい。
本発明の第1の実施形態によるシールテープ巻付け機の斜視図である。 図1のシールテープ巻付け機の側面図である。 (a)は図1のシールテープ巻付け機から、分り易くするために、ワークローダを取り除いた斜視図であり、(b)はA部の拡大斜視図である。 第1の実施形態によるシールテープ巻付け機から、分り易くするために、ワークローダ、保護カバー、及び蓋部材を取り除いた斜視図である。 テープ供給ユニットの斜視図である。 テープ供給ユニットのリール軸の部分における断面図である。 図3に示されるシールテープ巻付け機の駆動ローラと押付けローラとの間の装填位置に配置されたワークを示す正面図である。 ワークローダの側面図であって、取り付け過程にあるアタッチメントとワークが示される、ワークローダの側面図である。 第1の実施形態によるシールテープ巻付け機の操作および動作の一例を示すフロー図である。 第2の実施形態によるシールテープ巻付け機が具備する押付けローラ駆動装置の斜視図である。
本発明の第1の実施形態によるシールテープ巻付け機1について、図1〜図9を参照して以下に説明する。本明細書では、説明を分かりやすくするために、図1〜図4に示されるように、X、Y及びZ方向を定義する。前記X、Y及びZ方向は、本明細書ではそれぞれ、左右方向、上下方向及び前後方向とも呼ばれる。
本発明の第1の実施形態によるシールテープ巻付け機1は、概ね直方体状の本体部2、本体部2の正面側に連結されるワークローダ40、前記本体部2に搭載されるテープ供給ユニット10、駆動ローラ25、押付けローラユニット30、カッター22、トリガ板7、及び制御部60を具備する。
本明細書では、シールテープ3(以下、「テープ」と略称することがある)を巻き付けるべきワーク4は、中央の六角部4bとその両側のテーパねじとして形成された雄ねじ部4aとを有する管継手のニップル4として例示される(図8参照)。ただし、本発明によるシールテープ巻付け機1は、ワーク4に合った適切なアタッチメント48及び押付けローラユニット30を準備すれば、例示されたニップル4以外の様々な形態のワーク4を加工することができる。
図4は、分り易くするために、本体部2からワークローダ40及び保護カバー5等を取り除いた斜視図であり、図5はテープ供給ユニットだけを示す斜視図である。これらの図に示されるように、テープ供給ユニット10は、ベース板11と、前記ベース板11から立設されたリール軸12及び案内ローラ13、ベース板11に固定されたテープガイド部14、テープ位置調整ねじ15、及び2本の取付けノブ16を有する。シールテープ3は、それが巻回されてテープリール3’としてリール軸12に回転可能に取り付けられる。案内ローラ13は、テープ3が駆動ローラ25側から引っ張られたときにテープ3に適度な張力を与えるように複数本配置されている。テープ位置調整ねじ15は、テープ供給ユニット10のZ方向の位置を調整するために設けられている。取付けノブ16はテープ供給ユニット10を本体部2側に固定するために設けられている。
テープガイド部14は、図5の左側の固定ブロック17と、それに対向して設けられた可動ブロック18と、可動ブロック18を固定ブロック17側に付勢するねじりばね19と、テープ3の位置を規制するために、可動ブロック18から下方へ延びる細長いガイド板21とを有する。テープガイド部14は、テープ3が固定ブロック17と可動ブロック18との間を通過するとき、固定ブロック17と、ねじりばね19によって付勢された可動ブロック18とによって挟持されることによりテープの移動に対して適度な抵抗を与える。前記適度な抵抗は、テープ3が、テープガイド部14の下側で、カッター22によって切断されたときに、テープリール3’側へ逆行することなく保持される大きさである。
図6は、テープ供給ユニット10のリール軸12の部分における断面図であり、この図に示されるように、リール軸12には、テープリール3’の装着位置を規制するように配置された第1のボールプランジャ23と、テープリール3’の回転に抵抗を付与するように配置されてブレーキ装置として働く第2のボールプランジャ24とが、いずれもリール軸12の中心軸線に直交するように設けられている。第2のボールプランジャ24は、テープリール3’の中心のパイプ状の巻付け心棒8の内面に、内蔵したスプリング(図示せず)の力を、ボールを介して加えることにより回転抵抗を与える。
テープ供給ユニット10は、その全体が、下側位置と上側位置との間を、本体部2の内部に配置された図示しないエアアクチュエータによって、本体部2に対して上下方向に往復移動されるように構成されている。テープ供給ユニット10は、ワーク4にテープ3を供給するときに下側位置に位置決めされ、一つのワーク4に対するテープ3の巻き付けが終わってテープ3を切断するとき上側位置に移動される。図3及び図4は、下側位置に配置されたテープ供給ユニット10を示している。
また、テープ供給ユニット10は、通常稼働時は、安全性を高めるために、本体部2に丁番で回動可能に取り付けられた透明の保護カバー5によって覆われている。
図3の(a)は、ワークローダ40を取り外した状態のシールテープ巻付け機1の斜視図であり、図3の(b)は(a)におけるA部の拡大斜視図である。なお、図3の(b)にもワークローダ40は示されないが、装填位置に配置されつつあるワーク4が仮想的に示されている。図3の(b)に示されるように、駆動ローラ25は、テープ供給ユニット10及びカッター22よりも下側で、本体部2からZ方向に突出している。
駆動ローラ25は、ワーク4に接触して回転動力を伝達するためにゴム製のローラとして形成されていて、金属製の駆動シャフト26の先端部に固定されている。駆動ローラ25は、本実施形態では、ワークであるニップル4の雄ねじ部4aがテーパ状であるので、それに対応したテーパ形状を有する。駆動シャフト26の基端側は、本体部2内に配置された図示しないモータからの動力をやはり図示しない減速機を介して受けるように配置されている。駆動ローラ25とワークの雄ねじ部4aとの間にテープ3(図示せず)が配置されて、ワークの雄ねじ部4aが駆動ローラ25に押し付けられるとテープ3が雄ねじ部4aにくい込み、その状態で回転すると、ワークの雄ねじ部4aにテープ3が巻き付けられる。
図3の(b)、図4、或いは図7に示されるように、押付けローラユニット30は、駆動ローラ25の回転軸線と平行な回転軸線を有する一対の押付けローラ31と、それら押付けローラ31を回転可能に支持するローラ支持板32と、ローラ支持板32を、本体内部に配置された図示されないエアアクチュエータを駆動源とする押付けローラユニット移動装置に固定する2本の取付けノブ33とを有する。
一対の押付けローラ31は、上下方向に並んで配置されていて、駆動ローラ25の回転軸線を通る水平線に対して対称に配置されている。一対の押付けローラ31は、本実施形態では、従動ローラとして構成されている。また、押付けローラユニット30は、通常稼働時は、安全性を高めるために、本体部2に丁番で回動可能に取り付けられた蓋部材6によって、部分的に覆われている。なお、後述するように、本実施形態における押付けローラユニット30はワークのサイズに応じて交換可能であり、図3の(b)と図4に示される押付けローラユニット30も互いに異なるものである。
ローラ支持板32が押付けローラユニット移動装置(図示せず)に固定されているので、押付けローラユニット30は、左側のホームポジションと、ワーク4を駆動ローラ25に押し付ける右側の押付けポジションとの間で往復移動される。押付けローラユニット30がホームポジションにあるとき、駆動ローラ25と一対の押付けローラ31との間の装填位置に、ワーク4がワークローダ40によって運ばれて配置される。なお、装填位置に配置されたワーク4とホームポジションにある一対の押付けローラ31との間には十分な隙間が形成される。また、装填位置に配置されたワーク4と駆動ローラ25との間にも、本実施形態では約2mmのX方向の隙間Gが形成される(図7参照)。
押付けローラユニット30は、ホームポジションから押付けポジションに移動すると、装填位置にあったワーク4を駆動ローラ25に押し付ける。また、押付けローラユニット30が、押付けポジションからホームポジションに向かって移動すると、押付力が解除されてワーク4が解放される。
本実施形態では、押付けローラ31にも、ワークの雄ねじ部4aのテーパと同じテーパが付けられている。さらに、テープ3をワークの雄ねじ部4aのねじ山に密着させるために、押付けローラ31の外周面にはワークの雄ねじ部4aのねじ山と略同じ呼び径及びピッチのねじ山が形成されている。
本実施形態では、様々な種類のワークに対応できるように、異なる押付けローラ31の外径及び軸間距離を有する複数種類の押付けローラユニット30が準備されている。押付けローラユニット30は、交換が容易であるように2本の取付けノブ33によって押付けローラユニット移動装置に固定されている。
カッター22は、エアアクチュエータ(図示せず)によって作動される鋏状の2枚の刃物から構成されている。また、カッター22は、駆動ローラ25とテープ供給ユニット10との間に配置されている。図3及び図4では、テープ供給ユニット10がその下側位置にあって、テープガイド部14のガイド板21がカッター22の作動に干渉するように見えるが、カッター22が作動するときは、テープ供給ユニット10は、後述するように、上側位置に移動するので、そのような干渉は生じない。
ワークローダ40は、回転可能に保持したワーク4を、駆動ローラ25と一対の押付けローラ31との間の装填位置と、そこから離れた後退位置との間でZ方向に、即ち駆動ローラ25の回転軸線の方向に、移動自在に構成されている。また、本実施形態におけるワークローダ40は、X方向、即ち左右方向にもワーク4を移動させることが可能である。
ワークローダ40は、図1、図2、及び図8に示されるように、ベースプレート41、ベースプレート41を巻付け機1の本体部2に固定する固定ねじ42、ベースプレート41上に配置されたZ方向直線案内装置43、Z方向直線案内装置43上に固定されたブロック状のZ方向スライダ44、Z方向スライダ44に固定されたL字型のプッシャ45、プッシャ45の水平に延びる基部45aに固定されたX方向直線案内装置46、X方向直線案内装置46に固定された軸受けブロック47であってアタッチメント48を回転可能に保持する軸受けブロック47、ワーク4を保持するアタッチメント48、及びアタッチメント48の軸受けブロック47からの脱落を阻止するカラー49を具備する。
ベースプレート41は、水平に延びる水平部41aと、2本の固定ねじ42によってシールテープ巻付け機1の本体部2の前面に固定される垂直部41bとからL字状に形成されている。また、水平部41aには本実施形態では高さ調節可能な脚部51が取付けられている。ワークローダ40は、そのベースプレート41の2本の固定ねじ42によってシールテープ巻付け機1の本体部2に着脱可能に取り付けられる。
Z方向直線案内装置43は、ベースプレート41に固定されたZ方向レール52と、複数の転動する鋼球(図示せず)を介してZ方向レール52によって移動可能に支持されたZ方向移動ブロック53とを具備する。Z方向レール52は、本実施形態では、その中心軸線がアタッチメント48の中心軸線と平行にかつX方向で重なり合うように固定されている。また、Z方向移動ブロック53の上面にZ方向スライダ44が固定される。
Z方向スライダ44の上面にはプッシャ45の水平に延びる基部45aが固定されている。プッシャ45は基部45aの後端から上方に延びる垂直部45bを有している。例えばプッシャの垂直部45bを作業者が押すか又は引くことにより、アタッチメント48に保持されたワーク4を前側の装填位置と後退位置との間でZ方向に移動させることができる。
X方向直線案内装置46は、プッシャの基部45aに固定されたX方向レール54と、複数の転動する鋼球(図示せず)を介してX方向レール54によって移動可能に支持されたX方向移動ブロック55とを具備する。
本実施形態におけるワークローダ40がZ方向直線案内装置43だけではなくX方向直線案内装置46も有することによって、作業者は、ワーク4を後退位置から装填位置に移動する際に、ワーク4と駆動ローラ25及びテープ3との間にX方向の隙間Gが生じるようにワークローダ40を操作することができる。一方、ワーク4が押付けローラ31によって駆動ローラ25に押付けられるときには、X方向直線案内装置46の効果によってワーク4は装填位置から右方へ移動して駆動ローラ25へ押付けられることができる。
ただし、X方向直線案内装置46を省略したワークローダ40の実施形態も可能である。その場合、例えば、前記X方向の隙間Gを可能な限り小さく設定して、押付けローラ31から受ける力によりワークローダ40の各構成要素及びワーク4のX方向へ生じる変位あるいは変形を利用して前記X方向の微小な隙間Gを埋めることが可能である。あるいは、ワーク4の縦軸線の方向はZ方向を維持するようにワーク4を保持する一方で、ワーク4の移動方向が、上から見たときに時計回りに例えば10度程度Z軸線から回転した方向になるようにZ方向レール52を斜めに取り付けたワークローダ40を準備することによりX方向直線案内装置46を省略することが可能である。
図8に示されるように、アタッチメント48は、ワークの雄ねじ部4aに嵌合してそれを保持するキャビティーが形成された比較的大径の円筒状のワーク保持部48aと、軸受けブロック47により回転可能に支持される比較的小径の軸部48cと、ワーク保持部48aと軸部48cとの間の中間部48bとを有する。ワーク4をアタッチメント48に取り付けるときは、テープ巻付け加工をすべき一方の雄ねじ部4aとは反対側の他方の雄ねじ部4aがワーク保持部48aに挿入される。また、そのとき、ワークの六角部4bをワーク保持部48aの端面に押し当てることにより、アタッチメント48に対するワーク4のZ方向の位置が定まる。
軸受けブロック47は、本実施形態では玉軸受(図示せず)を内部に備える厚いプレート状のものであって、X方向移動ブロック55に固定されている。軸受けブロック47に挿入されたアタッチメントの軸部48cは、玉軸受によって軸支され、したがって軸受けブロック47に対して回転可能に支持される。アタッチメントの軸部48cは、軸受けブロック47の反対側に飛び出した部分にワッシャ状のスペーサ56及びカラー49を挿入して、カラー49を止めネジ57によりアタッチメント48の軸部48cに固定することによって軸受けブロック47からの抜け出しが阻止される。
本実施形態では、アタッチメント48はニップルの一種類のサイズのワーク4を保持できるものである。したがって、本実施形態のシールテープ巻付け機1は、他にエルボ、プラグ等種々の管継手の様々なサイズのワークを加工できるように、ワークの形状やサイズに応じた複数種類のアタッチメント48を付属品として備えている。アタッチメント48を交換するときは、カラー49を脱着すればよい。
本体部2に設けられたトリガ板7は、ワーク4へのテープ巻付け加工の一連の手順をスタートさせる巻付け開始スイッチ(図示せず)を作動させるものである。そのため、トリガ板7は、ワーク4がZ方向から本体部2に接近して装填位置に配置されたときに、その先端部がワーク4の先端によって押されるように配置されている(例えば、図3の(b)参照)。トリガ板7が押されると、本体部2の内部に配置された巻付け開始スイッチ(図示せず)が入る。また、ワーク4のサイズに応じてトリガ板7の先端の位置を変更する必要があるので、トリガ板位置調整ネジ8が本体部2に設けられている。
制御部60は、駆動ローラ25の作動時間等を設定するタイマ61、ワーク4の加工数をカウントするカウンタ62、非常停止スイッチ63、及びテープ巻付けの一連のシーケンスを実行する制御基板(図示せず)を具備している。本実施形態では、テープ3の、ワーク4への巻付け周回数は、駆動ローラ25の作動時間を設定することによって設定される。通常、テープ3は、ワークの雄ねじ部4aの外径にかかわりなく一定の周回数、例えば3周、でワーク4に巻き付けられる。このため、ワークの雄ねじ部4aの外径が変わった場合には、通常は一定の周回数を維持するために、タイマ61の設定時間が変えられる。
また、本実施形態では、タイマ61の設定時間としては、巻き付けたシールテープ3を切断するためにテープ供給ユニット10を上昇させる第1時間と、押付けローラユニット30を押付けポジションから左側へ移動させ且つ駆動ローラ25を停止させる第2時間とがある。
次に、本実施形態によるシールテープ巻付け機1の操作および動作の一例について、図9のフロー図を参照して以下に説明する。
最初にステップS1において、テープ3を初期設定する。具体的には、テープ供給ユニット10のZ方向の位置を、テープ位置調整ねじ15を使って作業者が調整する。この調整は、ワーク4におけるテープ3のZ方向の最適巻付け位置が、ワークの雄ねじ部4aの長さに応じて変化するので、ワーク4のサイズが変わった場合に実施される。
次に、ステップS2において、作業者がトリガ板7をピンセット等により押す。そうすると、テープ巻付け加工の一連の手順がスタートし、テープ供給ユニット10が上昇して上側位置に位置決めされる。また、駆動ローラ25もタイマ61で設定された時間だけ駆動する。但し、まだワーク4はセットされていないのでテープ3はリールから引き出されることはなく、巻き付けも行われない。
ステップS3において、テープ3がカッター22によって切断され、これによりテープ3の先端位置が所定の位置に定まる。
次に、ステップS4において、テープ供給ユニット10が下降して下側位置に位置決めされる。このとき、テープ3の先端位置も下降し、所定の巻付け準備位置に位置決めされる。この位置は駆動ローラ25の中心点より、本実施形態では約2mm下側にある。テープ3がワーク4に巻き付けられるためには、その先端部が、ワークの雄ねじ部4aと駆動ローラ25とによって挟まれる必要があるため、先端位置は駆動ローラ25の中心点より下側にあることが必須である。但し、テープ3の先端部の、駆動ローラ25の中心点から下へ延びる長さが長過ぎると、巻き付け時にその先端部の折れ曲がり等の不良が発生するので、本実施形態ではテープ先端の巻付け準備位置は必要最小限の上述の値となっている。
次に、ステップS5において、作業者がワーク4をワークローダ40のアタッチメント48に取り付ける。このとき、ワークローダ40のZ方向スライダ44は、通常は後退しているのでアタッチメント48及びワーク4は後退位置にある。
次に、ステップS6において、作業者は、ワークローダ40のプッシャ45等を押すことによりワーク4を前進させて装填位置に配置する。そうすると、ワーク4の先端がトリガ板7を押し込み、図示しない巻付け開始スイッチが入り、テープ巻付け加工の一連の手順がスタートする。また、作業者は、ワーク4を前進させるとき、ワーク4の先端部とテープ3或いは駆動ローラ25との接触を避けるために、ワーク4をワークローダ40上で左側に寄せてから、装填位置に配置するはずである。なお、ワーク4は、前述したとおり、ワークローダ40のX方向直線案内装置46の効果によってX方向に往復移動自在である。
次に、ステップS7において、ホームポジションにあった押付けローラユニット30が駆動ローラ25の方へ向かって移動して押付けポジションに配置される。このとき、ワーク4は駆動ローラ25と一対の押付けローラ31との間の装填位置に配置され、且つテープ3の先端部はワーク4と駆動ローラ25との間に配置されているので、右側へ移動する押付けローラ31によって、ワーク4と共にテープ3の先端部が駆動ローラ25に押し付けられる。
次に、ステップS8において、駆動ローラ25が回転し始める。そうすると、ワーク4が回転して、テープ3のワーク4への巻き付けがスタートする。
ステップS9において、予め設定したタイマ61の第1時間が経過すると、ステップS10に進む。
ステップS10において、テープ供給ユニット10が上側位置へ上昇する。
次に、ステップS11において、カッター22がテープ3を切断する。切断は、ワーク4及び駆動ローラ25が回転して、テープ3がワーク4に巻き付けられている最中に瞬時に行われる。
次に、ステップS12において、予め設定したタイマ61の第2時間が経過するまで、切断されたテープ3がワーク4に巻き付けられる。第2時間が経過すると、ステップS13に進む。
ステップS13において、押付けローラユニット30が、そのホームポジションに向かって左側へ移動する。そうすると、ワーク4に押付力が作用しなくなるので、ワーク4の回転は停止してテープ3の巻き付けも停止する。
ステップS13とほぼ同時に、ステップS14において駆動ローラ25が停止する。
次に、ステップS15において、テープ供給ユニット10が下側位置まで下降する。
次に、ステップS16において、作業者が、ワークローダ40の例えばプッシャ45を手前に引くことによりワーク4を後退位置に移動させて、それをアタッチメント48から取り外す。
ステップS17において、次のワーク4が有る場合は、ステップS5に戻り、次のワーク4がない場合は終了する。
このように、第1の実施形態によるシールテープ巻付け機1を使うと、ワークローダ40によって装填位置に装填されたワーク4を押付けローラ31が駆動ローラ25に押し付けることにより回転させる間に、ワークの雄ねじ部4aに所定の周回数だけシールテープ3が自動的に巻き付けられるので、作業者は、ワーク4のアタッチメント48への取付け及び取外しとワークローダ40上のワーク4の移動操作を行うだけでよい。また、装填位置へのワーク4の配置はワークローダ40を介して行われるので、作業者は、可動部品である駆動ローラ25や、カッター22の近くに手を近付ける必要がなく、安全に作業を行うことができる。
また、ワーク4を装填位置に配置することによってトリガ板7が作動されて巻き付け加工が開始されるので、作業者が各ワーク毎に加工開始のためのスイッチを操作する必要がない。
さらに、テープリール3’の回転に対して、ブレーキ装置である第2のボールプランジャから抵抗力が付与されるので、テープには常に適度な張力が作用し、この適度な張力はテープの切断長さの変動を抑えることに役立つ。
次に、本発明の第2の実施形態によるシールテープ巻付け機について説明する。第2の実施形態によるシールテープ巻付け機は、押付けローラ31を、駆動ローラ25と同期して同じ方向へ回転させる押付けローラ駆動装置100を具備する点で第1の実施形態によるシールテープ巻付け機1とは異なっている。そのため、第1の実施形態では従動ローラであった押付けローラ31が、第2の実施形態では駆動ローラとしての機能も有することとなる。以下に、第2の実施形態に特有の押付けローラ駆動装置100について図10を参照して説明する。
第2の実施形態における押付けローラ駆動装置100は、駆動ローラ25の駆動シャフト26に隣接して平行に配置されて本体部2の軸受部材101によって軸支された第1のシャフト102と、第1のシャフト102の先端側に固定された第1のゴムローラ103と、第1のシャフト102の基端側に固定された第1の歯付きプーリ104と、駆動シャフト26に固定された第2の歯付きプーリ105と、前記第1及び第2の歯付きプーリ104,105に巻き掛けられた歯付きベルト106と、押付けローラユニット30のローラ支持板32から立設されたシャフト107によって軸支された第2のゴムローラ108と、本実施形態では、上下一対の押付けローラ31の下側の押付けローラ31のシャフト31aによって軸支された押付けローラ回転用ローラ109であって、第2のゴムローラ108に接触している押付けローラ回転用ローラ109とを具備する。前記押付けローラ回転用ローラ109と押付けローラ31とは、それらが一体に回転するように2本のピン(図示せず)によって互いに連結されている。また、第2のゴムローラ108は、押付けローラユニット30が押付けポジションにあるとき、第1のゴムローラ103に接触する。
押付けローラ駆動装置100は、このように構成されているので、モータ110の動力は、駆動シャフト26に固定された駆動ローラ25を回転させるとともに、駆動シャフト26から歯付きベルト106等を介して第1のシャフト102へ伝達され、第1のシャフト102に固定された第1のゴムローラ103から第2のゴムローラ108、第2のゴムローラ108から押付けローラ回転用ローラ109、及び押付けローラ回転用ローラ109から押付けローラ31へ伝達される。その結果、一対の押し付けローラの一方は駆動ローラ25と共にそれに同期して同じ方向へ駆動される。なお、第1及び第2の歯付きプーリ104,105の減速比、及び第1のゴムローラ103と押付けローラ回転用ローラ109の外径の比は、駆動ローラ25の周速と押付けローラ31の周速とが等しくなるように設定されている。
第2の実施形態によるシールテープ巻付け機では、一対の押し付けローラ31の一方が駆動ローラ25とともに駆動されるので、第1の実施形態の場合に比較して、ワーク4に対してより大きなトルクを与えることができ、したがってより重いワーク4も回転させることが可能になる。
第2の実施形態における押付けローラ駆動装置100では、一対の押し付けローラ31の一方が駆動され他方はワーク4を介して従動されるままであるが、一対の押付けローラ31の両方共が駆動される実施形態も可能である。
また、押付けローラ駆動装置100が、押付けローラ31への動力の伝達を開閉するクラッチを有する実施形態も可能である。
第1の実施形態では、請求項1に記載の第1及び第2のローラを駆動ローラ25と押付けローラ31として説明したが、押付けローラ31の方がモータによって回転され、ローラ25の方が従動ローラであってもよい。また、押付けローラ31の方が駆動ローラ25に対して進退移動する構成として説明したが、進退動作は相対的なものであり、ローラ25がローラ31に対して進退動作してもよい。
1 シールテープ巻付け機
2 本体部
3 シールテープ
4 ワーク
5 保護カバー
7 トリガ板
10 テープ供給ユニット
22 カッター
25 駆動ローラ
30 押付けローラユニット
40 ワークローダ
48 アタッチメント
60 制御部

Claims (6)

  1. ワークの雄ねじ部へシールテープを巻き付けるシールテープ巻付け機であって、
    シールテープリールからシールテープをワークに向けて供給しかつ案内するテープ供給ユニットと、
    前記テープ供給ユニットから供給されるシールテープの幅方向と平行な回転軸線を有し、該回転軸線と直交する方向に互いに接近、離反可能に相対移動する第1ローラ及び第2ローラと、
    前記第1ローラと前記第2ローラのうち少なくとも1つのローラを回転させる回転駆動手段と、
    ワークを前記第1ローラと前記第2ローラとの間の装填位置と前記装填位置からシールテープの幅方向に離れた後退位置との間で移動させるワークローダであって、ワークを雄ねじ部の軸線周りに回転可能に保持するワークローダと、
    ワークの雄ねじ部にシールテープを巻き付けるとき、装填位置に装填されたワークを前記第1ローラと前記第2ローラとの間に挟み込み、シールテープの巻き付けが終わった後前記第1ローラと前記第2ローラとを離反させるローラ移動手段と、
    を具備することを特徴としたシールテープ巻付け機。
  2. ワークの雄ねじ部へシールテープを巻き付けるシールテープ巻付け機であって、
    シールテープリールからシールテープをワークに向けて供給し且つ案内するテープ供給ユニットと、
    モータにより回転駆動される駆動ローラと、
    前記駆動ローラの回転軸線に略直交する方向で前記駆動ローラに向けて進退して、ワークを前記駆動ローラに押圧し及び前記駆動ローラから解放する押付けローラと、
    ワークを前記駆動ローラと前記押付けローラとの間の装填位置と前記装填位置から前記駆動ローラの回転軸線の方向で離れた後退位置との間で移動させるワークローダであって、ワークを雄ねじ部の軸線周りに回転可能に保持するワークローダと、
    を具備し、
    前記ワークローダによって前記装填位置に装填されたワークを前記押付けローラが前記駆動ローラに押し付け回転させている間に、前記テープ供給ユニットにより前記駆動ローラとワークとの間に供給されたシールテープをワークの雄ねじ部に所定の周回数だけ巻き付けることを特徴としたシールテープ巻付け機。
  3. 前記ワークローダは、更に、保持したワークを前記押付けローラの進退方向と平行な方向に往復移動させることができる、請求項2に記載のシールテープ巻付け機。
  4. 前記テープ供給ユニットは、前記シールテープリールの回転に抵抗力を付与するブレーキ手段を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールテープ巻付け機。
  5. 前記ワークローダは、ワークを保持するアタッチメントを有しており、前記アタッチメントは、保持すべきワークの寸法又は形状に応じて交換可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシールテープ巻付け機。
  6. 前記押付けローラを、前記駆動ローラと同期して同じ方向へ回転させる押付けローラ駆動装置を更に具備する、請求項2又は3に記載のシールテープ巻付け機。
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