JP2006167770A - 端曲げ装置、ばね成形機及び端曲げ処理方法 - Google Patents

端曲げ装置、ばね成形機及び端曲げ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コイルばねを成形するための工具等を変形、破損させることなく、容易に端曲げ処理を行うことが可能な端曲げ装置、ばね成形機及び端曲げ処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明によれば、線材送給装置12により成形空間Rを越えて線材90を送給するだけで線材90の先端部を端曲げ装置30に届かせることができる。そして、線材90の先端部を端曲げ装置30の中心シャフト33と公転シャフト34との間に挟持し、公転シャフト34を中心シャフト33の回りに公転させることで、線材90の先端部が中心シャフト33の周りに巻き付けられて略円弧状に塑性変形され、線材90の端曲げ処理が完了する。このように本発明によれば、コイルばねを成形するための工具等を変形、破損させることなく、容易に端曲げ処理を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、線材を塑性変形させてコイルばねを成形するばね成形機において、線材の先端部が直線状になっている場合に、線材の先端部を予め略円弧状に塑性変形させるための端曲げ処理方法及び端曲げ装置及びその端曲げ装置を備えたばね成形機に関する。
ばね成形機で線径の太い線材を塑性変形させる場合は、一般に、線材送給装置から成形空間側に延びた線材の先端部を予め円弧状に塑性変形させておき、その線材の円弧状部分を成形工具に当接させた状態にして、線材送給装置にて線材を送給することで、後続の線材を円弧状に塑性変形させてコイルばねを成形する構成になっている。ここで、コイルばねを成形する前に、線材の先端部が直線状になっていた場合には、これを予め略円弧状に塑性変形させる処理、即ち、端曲げ処理が必要になる。しかしながら、線材の線径が5mm以上になると端曲げ処理を人力により行うことが困難になるので、モータの動力によって端曲げ処理を行う構成を備えたばね成形機が提案されている。
即ち、従来のばね成形機は、コイルばねの成形時や端曲げ処理時には、成形空間内で待ち受けている成形工具をモータ駆動により、一度、成形空間から外側に待避させた位置に移動しておく。そして、線材送給装置から線材ガイドを通して成形空間内に直線状の線材を導出した状態で、成形工具を成形空間内に向けて移動することで、成形工具により線材を押し曲げるようにして端曲げ処理を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、コイルばね成形時には、線材ガイドから離した位置に配置されて線材のガイドの役割をする心金工具を、端曲げ処理時には線材ガイド側に接近させ、それら線材ガイドと心金工具と成形工具とを用いて端曲げ処理を行うものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−2276352号公報(段落[0022]〜[0025]第3図〜第9図) 特開2002−282983号公報(段落[0008]、第6図〜第12図)
しかしながら、上記した従来のばね成形機及び端曲げ処理方法では、端曲げ処理を行うことで、線材ガイド、成形工具及び心金工具に、コイルばねの成形時と異なる力が加わることになり、線材ガイド、成形工具及び心金工具が変形や破損等によりコイルばねの成形精度が低下したり、部品交換を強いられる場合が生じ得た。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コイルばねを成形するための工具等を変形、破損させることなく、容易に端曲げ処理を行うことが可能な端曲げ装置、ばね成形機及び端曲げ処理方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る端曲げ装置は、線材の先端部を予め円弧状に塑性変形させた状態にして線材送給装置により線材を成形空間に向けて送給し、成形空間で待ち受けた成形工具に線材の円弧状部分を当接させることで、後続の線材を円弧状に塑性変形させてコイルばねを成形するばね成形機に設けられ、線材の先端部が直線状になっている場合に、線材の先端部を予め略円弧状に塑性変形させるための端曲げ装置であって、線材送給装置に対して線材の送給方向の前方かつ成形空間を越えた位置に配置され、成形されるコイルばねの中心軸と略平行で軸方向に往復動可能な中心シャフトと、中心シャフトに対峙しかつ中心シャフトとの間に線材を挟持可能な線材押さえ治具と、線材が中心シャフトと線材押さえ治具との間に挟持された状態で、線材押さえ治具を中心シャフトの回りに公転させるための端曲げ用のアクチュエータとを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の端曲げ装置において、中心シャフトを、線材が巻き付けられる使用位置と、巻き付けられた線材から抜いた待避位置との間で往復動させるための中心シャフト駆動手段を備えたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の端曲げ装置において、中心シャフト駆動手段は、中心シャフトを往復動可能な方向の一方側に向けて付勢する付勢手段と、圧縮ガスを受けると付勢手段に抗して中心シャフトを往復動可能な方向の他方側に移動するエアアクチュエータとからなるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の端曲げ装置において、中心シャフトと同心な軸を中心にして回転しかつ線材押さえ治具が取り付けられる回転ベースと、回転ベースに形成され、線材の線径の種類に応じて線材押さえ治具の取り付け位置を変更するための複数の治具取り付け部とを備えたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載の端曲げ装置において、線材押さえ治具は、中心シャフトと平行なシャフト構造をなし、治具取り付け部は、線材押さえ治具を挿抜可能な孔構造をなしたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の端曲げ装置において、中心シャフトより成形空間側に配置され、線材に対して線材押さえ治具と同じ側に当接し、線材を中心シャフトに巻き付けたときの線材の撓みを規制する規制部を備えたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項6に記載の端曲げ装置において、コイルばねを右巻きにするか又は左巻きにするかに応じて中心シャフトに対する規制部の配置を変更可能としたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項5に記載の端曲げ装置において、中心シャフトより成形空間側に配置され、線材を中心シャフトに巻き付けたときの線材の撓みを規制する規制部を備え、規制部は、線材を挟んで対向し、線材を中心シャフト側に案内する1対のガイド部材で構成され、各ガイド部のうち中心シャフト側には、線材送給装置が線材を引き戻す際に略円弧状の線材の先端部と摺接して、線材を1対のガイド部材の側面開放口から排除するための線材排除用テーパガイド面が形成されたところに特徴を有する。
請求項9の発明に係るばね成形機は、線材を成形空間に向けて送給可能な線材送給装置と、線材の先端部が予め円弧状に塑性変形された状態で線材が送給されたときに、成形空間で線材の円弧状部分に当接して、後続の線材を円弧状に塑性変形することでコイルばねを成形する成形工具と、成形工具を成形空間に対して進退させるための成形工具駆動手段と、成形工具によって塑性変形された線材の円弧状部分の内側に接触する心金工具と、心金工具と協働して線材の先端に円弧状部分の一部を残した状態で線材の先端側を切り離すための切断工具と、線材の先端部が直線状になっている場合に、線材の先端部を略円弧状に塑性変形するための端曲げ装置とを備え、端曲げ装置は、線材送給装置に対して線材の送給方向の前方かつ成形空間を越えた位置に配置され、成形されるコイルばねの中心軸と略平行で軸方向に往復動可能な中心シャフトと、中心シャフトに対峙しかつ中心シャフトとの間に線材を挟持可能な線材押さえ治具と、線材が中心シャフトと線材押さえ治具との間に挟持された状態で、線材押さえ治具を中心シャフトの回りに公転させるための端曲げ用のアクチュエータとを備えてなるところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項9に記載のばね成形機において、心金工具を、成形工具によって塑性変形された線材の円弧状部分の内側に接触させる接触位置と、端曲げ装置によって塑性変形された線材の略円弧状部分と干渉させない非接触位置との間で往復駆動するための心金工具駆動手段とを備えたところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項10に記載のばね成形機において、中心シャフトを、線材が巻き付けられる使用位置と、巻き付けられた線材から抜いた待避位置との間で往復動駆動するための中心シャフト駆動手段と、線材の先端部の位置を検出するための線材位置検出手段と、端曲げ用のアクチュエータと中心シャフト駆動手段と線材送給装置と成形工具駆動手段と心金工具駆動手段とを制御する制御部を備え、制御部は、端曲げ装置により線材の先端部を略円弧状に塑性形成した状態で、中心シャフト駆動手段により中心シャフトを待避位置に移動しかつ、心金工具駆動手段により心金工具を非接触位置に保持し、次いで線材供給手段を逆転駆動して線材の先端を成形空間まで移動し、次いで成形空間から待避していた成形工具を成形工具駆動手段により成形空間側に移動し、次いで線材供給手段を正転駆動して線材を所定量だけ送給することで、成形工具により所定量の線材を円弧状に塑性変形し、次いで心金工具駆動手段により心金工具を接触位置に移動し、その心金工具と切断工具との協働により線材を途中で切断するように制御するところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項9乃至11の何れかに記載のばね成形機において、中心シャフトより成形空間側に配置されかつ線材を挟んで対向し、線材を中心シャフト側に案内する1対のガイド部材と、各ガイド部材の中心シャフト側に形成され、線材送給装置が線材を引き戻す際に、線材の先端の略円弧状部分と摺接して、線材を1対のガイド部材の側面開放口から排除するための線材排除用テーパガイド面とを備えたところに特徴を有する。
請求項13の発明に係る端曲げ処理方法は、線材の先端部を予め円弧状に塑性変形させた状態にして線材送給装置により線材を成形空間に向けて送給し、成形空間で待ち受けた成形工具に線材の円弧状部分を当接させることで、後続の線材を円弧状に塑性変形し、円弧状部分の内側に接触する心金工具と係合する切断工具で、円弧状部分の一部を残した状態で線材の先端側を切り離してコイルばねを成形するばね成形機を用いた端曲げ処理方法において、そのばね成形機のうち、成形空間を挟んで線材送給装置と反対側に、成形されるコイルばねの中心軸と略平行に延びた1対の予備成形シャフトを設けておき、線材の先端部が直線状になっている場合に、成形工具を成形空間から退避させた位置に保持すると共に線材送給装置を正転駆動して線材を成形空間より前方に送給し、その線材の先端部を1対の予備成形シャフトの間に配置する線材配置工程と、一方の予備成形シャフトを他方の予備成形シャフトの回りにアクチュエータ駆動により公転させることで他方の予備成形シャフトに線材の先端部を巻き付けて略円弧状に塑性変形させる巻き付け工程と、他方の予備成形シャフトを、直動駆動手段により線材の略円弧状部分から抜くように移動させるシャフト抜き取り工程と、線材送給装置を逆転駆動して線材の先端部を成形空間に引き戻す線材引き戻し工程と、成形工具を成形空間に前進させて、線材の略円弧状部分に突き合わせる成形工具前進工程と、線材供給手段を正転駆動して線材を所定量だけ送給することで、成形工具により所定量の線材を円弧状に塑性変形してから心金工具と切断工具との協働により線材の先端側を除去する不要先端部除去工程とを行うところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項13に記載の端曲げ処理方法において、1対の予備成形シャフトより成形空間側に配置されかつ線材を挟んで対向し、線材を1対の予備成形シャフト側に案内する1対のガイド部材を設けると共に、各ガイド部の1対の予備成形シャフト側に線材排除用テーパガイド面を形成しておき、巻き付け工程を行ったときに1対のガイド部材により線材の撓みを規制し、線材引き戻し工程を行ったときに線材の先端部の略円弧状部分を線材排除用テーパガイド面に摺接させて、線材を1対のガイド部材の側面開放口から排除するところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項13に記載の端曲げ処理方法において、1対の予備成形シャフトより成形空間側に配置されかつ線材を挟んで対向し、線材を1対の予備成形シャフト側に案内する1対のガイド部材を設けると共に、各ガイド部の1対の予備成形シャフト側に線材排除用テーパガイド面を形成しておき、巻き付け工程を行ったときに1対のガイド部材により線材の撓みを規制し、線材引き戻し工程を行ったときに線材の先端部の略円弧状部分を線材排除用テーパガイド面に摺接させて、線材を1対のガイド部材の側面開放口から排除するところに特徴を有する。
[請求項1及び9の発明]
請求項1及び9の発明によれば、線材送給装置により成形空間を越えて線材を送給するだけで線材の先端部を端曲げ装置に届かせることができる。そして、線材の先端部を端曲げ装置の中心シャフトと線材押さえ治具との間に挟持し、端曲げ用のアクチュエータを動力源にして線材押さえ治具を中心シャフトの回りに公転させることで、線材の先端部が中心シャフトの周りに巻き付けられて略円弧状に塑性変形され、線材の端曲げ処理が完了する。そして、線材送給装置により線材の先端部を成形空間側に引き戻し、端曲げ処理により成形された略円弧状部分に成形工具を押し当てて、線材送給装置により線材を送給すれば、後続の線材が円弧状に塑性変形され、コイルばねを製造することができる。このように本発明によれば、コイルばねを成形するための工具等を変形、破損させることなく、容易に端曲げ処理を行うことができる。
なお、本発明において「アクチュエータ」には、電気モータ、油圧モータ、エアモータ、並びにピストン・シリンダを備え圧縮流体で作動する直動アクチュエータ等が含まれる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、中心シャフトを使用位置にしてその中心シャフトに線材を巻き付けることで、線材の先端部が略円弧状に成形される。そして、中心シャフトを待避位置に移動すれば、中心シャフトの先端部分に干渉することなく、スムーズに線材の先端部を成形空間側に引き戻すことができる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の発明において、付勢手段の付勢力、又はエアアクチュエータにかかる圧縮ガスのガス圧の少なくとも何れか一方により、中心シャフトを使用位置又は待避位置の何れか一方と他方とに移動することができる。
[請求項4及び5の発明]
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3に記載の発明において、回転ベースに形成された複数の治具取り付け部のうちの何れかを選択して、そこに線材押さえ治具を取り付けることにより、線材押さえ治具と中心シャフトとの間隔を線材における線径の種類に応じて適宜変更することができる。ここで、線材押さえ治具は、中心シャフトと平行なシャフト構造にし、治具取り付け部は、線材押さえ治具を挿抜可能な孔構造にすることが好ましい(請求項5の発明)。
[請求項6及び7の発明]
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5に記載の発明において、線材押さえ治具より成形空間側に設けた規制部により線材の中間部における撓みを規制するので、線材の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材の先端部を確実に略円弧状に塑性変形することができる。ここで、請求項7の構成のように、コイルばねを右巻きにするか又は左巻きにするかに応じて中心シャフトに対する規制部の配置を変更可能としておくことが好ましい。
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、請求項5に記載の発明において、先端部が直線状になっている線材を中心シャフト側へ送給するときには、線材を1対のガイド部材により案内することができる。また、端曲げ処理時には、線材を中心シャフトに巻き付けたときの線材の撓みを規制部により規制するので、線材の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材の先端部を確実に円弧状に塑性変形することができる。そして、端曲げ処理完了後に線材送給装置が線材を引き戻す際には、略円弧状の線材の先端部が規制部の線材排除用テーパガイド面に摺接して、線材が1対のガイド部材の側面開放口から排除されるので、線材の引き戻し作業をスムーズに行うことができる。
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、請求項9に記載の発明において、端曲げ処理部により形成された線材の略円弧状部分の径がコイルばねのばね径より小さくなったとしても、線材を成形空間に引き戻す際に心金工具を非接触位置に退避させておくことで、心金工具と線材の略円弧状部分とを干渉させずに済む。
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、請求項10に記載の発明において、端曲げ装置により線材の先端部が略円弧状に塑性形成されると、後は制御部の制御により自動的に、中心シャフトが待避位置に移動しかつ心金工具が非接触位置に保持された状態で線材の先端部が成形空間まで移動される。そして、自動的に成形工具が成形空間側に移動し、線材が所定量だけ送給されて円弧状に塑性変形され、心金工具と切断工具との協働により線材が途中で切断される。これにより、端曲げ装置により略円弧状に塑性形成された部分が排除され、次いで、コイルばねを成形することが可能な状態になる。このように本発明によれば、端曲げ装置により線材の先端部が略円弧状に塑性形成された後は自動的にコイルばねを成形可能な状態にすることができる。
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、請求項9乃至11に記載の発明において、先端部が直線状になっている線材を線材送給装置により自動的に端曲げ装置へ供給するときには、1対のガイド部材により案内され、端曲げ処理時には、線材を中心シャフトに巻き付けたときの線材の撓みを1対のガイド部材により規制するので、線材の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材の先端部を確実に円弧状に塑性変形することができる。そして、端曲げ処理完了後に線材送給装置が自動的に線材を引き戻す際には、略円弧状の線材の先端部が規制部の線材排除用テーパガイド面に摺接して、線材が1対のガイド部材の側面開放口から排除されるので、線材の送給と線材の引き戻しをスムーズに行うことができ、端曲げ処理からコイルばねの成形までを自動で行うことができる。
[請求項13の発明]
請求項13の端曲げ処理方法では、線材配置工程を行うことで、線材の先端部を1対の予備成形シャフトの間に配置する。次いで、巻き付け工程を行うことで、一方の予備成形シャフトを他方の予備成形シャフトの回りに公転させ、他方の予備成形シャフトに線材の先端部を巻き付けて略円弧状に塑性変形させる。次いで、シャフト抜き取り工程を行うことで、他方の予備成形シャフトを線材の略円弧状部分から抜き、線材引き戻し工程を行うことで線材の先端部を成形空間に引き戻す。次いで、成形工具前進工程を行うことで、成形工具を成形空間に前進させて線材の円弧状部分に突き合わせ、不要先端部除去工程を行うことで、線材を所定量だけ送給して、成形工具により所定量の線材を円弧状に塑性変形してから心金工具と切断工具との協働により線材の先端側を除去する。これにより、本発明に係る端曲げ処理が完了し、次いで、コイルばねを成形することができる。
[請求項14の発明]
請求項14の端曲げ処理方法では、請求項13に記載の発明において、先端部が直線状になっている線材を中心シャフト側へ送給するときには、線材を1対のガイド部材により案内することができる。また、端曲げ処理時には、線材を中心シャフトに巻き付けたときの線材の撓みを1対のガイド部材により規制するので、線材の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材の先端部を確実に円弧状に塑性変形することができる。そして、端曲げ処理完了後に線材引き戻し工程で線材を引き戻す際には、略円弧状の線材の先端部が各ガイド部材の1対の予備成形シャフト側に形成された線材排除用テーパガイド面に摺接して、線材が1対のガイド部材の側面開放口から排除されるので、線材の引き戻し作業をスムーズに行うことができる。
[第1実施形態]
以下、本発明に係るばね成形機10、端曲げ装置30及び端曲げ処理方法に係る一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。このばね成形機10は、鉛直に起立した板状の基台11に、線材送給装置12、成形工具16,17、切断工具19、心金工具18及び端曲げ装置30等を組み付けてなる。線材送給装置12は、基台11の前面11Aに沿って線材90を水平方向に送給し、その送給先の成形空間Rで成形工具16,17に線材90を摺接させることにより、線材90を円弧状に塑性変形してコイルばねを成形する。また、コイルばねのばね長が所定長となったところで切断工具19及び心金工具18により、コイルばねを線材90から切り離す。
以下、各部位について具体的に説明する。線材送給装置12には、線材90を上下方向で挟むようにして対になった送りローラ13,13が、線材90の送給路に沿って複数設けられている。そして、上下の送りローラ13,13を線材90に対して対照的に回転させることで線材90を成形空間Rに向けて送給したり、或いはそれとは逆向きに引き戻すことができる。また、送りローラ13,13は、サーボモータ12Sによって駆動されるようになっており、これにより送りローラ13,13による線材90の送給量を制御することができる。
線材90の送給路には、最も成形空間R側に位置した1対の送りローラ13,13の線材90が挟持された部分を、送給方向の前後で挟むようにして中間ガイド14と送給ノズル15とが設けられている。中間ガイド14及び送給ノズル15には、共に線材90を挿入可能な貫通した案内路(図示せず)が備えられている。また、送給ノズル15は、その基端部が送りローラ13,13に隣接し、先端部が成形空間R内に突入している。
成形工具16,17のうち一方の成形工具16は、送給ノズル15に対して前側斜め下方に配置され、他方の成形工具17は送給ノズル15に対して前側斜め上方に配置されている。各成形工具16,17の先端面には、巻回されるコイルに沿うように延びた線材摺接溝(図示せず)が形成されている。そして、図1において成形空間R内の破線で示すように、送給ノズル15から排出された線材90の先端部が、送給ノズル15から斜め上方に向かった円弧状となるように予め塑性変形させた状態にして、その円弧状部分が成形工具16及び成形工具17の各線材摺接溝の内面に押し付けられる。この状態で線材90が送給されることにより、後続の線材90が円弧状に塑性変形し、線材90のうち塑性変形された側が、成形工具16及び成形工具17の線材摺接溝により基台11の前面11Aから離れる方向に向かうによう案内され、線材90からコイルばねが成形される。
また、成形工具16,17は、例えばボールネジ機構16K,17K(本発明の「成形工具駆動手段」に相当する)の出力部に固定され、そのボールネジ機構16K,17Kの入力部に連結されたサーボモータ16S,17S(本発明の「成形工具駆動手段」に相当する)により成形空間Rに対して進退する。
心金工具18は、基台11の前面11Aから突出しており、線材90からコイルばねが成形されたときに、そのコイルばねの内側に位置するように配置されている。
切断工具19は、心金工具18の上方に配置されている。また切断工具19は、スライドベース19Bに案内されるスライド19Kの出力部に固定され、そのスライド19Kの入力部にコネクティングロッド19C,偏心円板19Dを介して連結されたサーボモータ19Sにより成形空間Rに対して進退する。そして、切断工具19が成形空間R側に前進すると、切断工具19のエッジと心金工具18のエッジとの間に線材90が挟まれて切断される。詳細には、線材90のうち送給ノズル15から排出されてコイル状に成形された部分うち最も前面11A側の円弧の上端部が切断工具19と心金工具18とによって切断され、これにより、コイルばねを成形後に線材90から切り離しても、送給ノズル15から排出された線材90の円弧状部分が1/2円弧分だけ残り、その残された円弧状部分に成形工具16,17を当接した状態が維持される。これにより、線材90からコイルばねを切り離した後で、再び線材90を送給すると、次のコイルばねが成形される。
さて、端曲げ装置30は、ばね成形機10のうち線材送給装置12に対して線材90の送給方向の前方かつ成形空間Rを越えた位置に配置されている。端曲げ装置30を固定するために基台11には、図2に示すように、板厚方向(線材送給方向と直交する水平方向。図2においては左右方向)に取付孔11Bが貫通形成されている。そして、端曲げ装置30に備えた固定ベース31が、取付孔11Bに対して基台11の前面11A側から嵌合され、その固定ベース31の前端部から側方に張り出したフランジ部31Fが基台11の前面11Aにボルト(図示せず)にて固定されている。
固定ベース31には、取付孔11Bへの嵌合方向と同じ方向にシャフト挿通孔が貫通形成され、そこには回転駆動シャフト39がベアリング39B,39Bを介して回転可能に軸支されている。また、固定ベース31の後端面は取付孔11Bの途中部分に位置し、回転駆動シャフト39のうち固定ベース31の後端面から突出した部分にギヤ37G2が固定されている。そして、そのギヤ37G2に噛合したギヤ37G1が、基台11の後面11Cに取り付けられた減速機ユニット37Yの出力軸に固定され、さらにその減速機ユニット37Yの入力軸に端曲げ用モータ37(本発明の「端曲げ用のアクチュエータ」に相当する)のロータシャフトが連結されている。
回転駆動シャフト39の中心には、回転駆動シャフト39全体を軸方向で貫通するようにエア供給孔39Aが形成されている。回転駆動シャフト39の後端面には、エア供給孔39Aのうち基台11の後面11C側の端部開口に連通するように、ロータリージョイント38(例えば、フェィウィック社製のローターシール(登録商標))の先端部に形成されたねじ部がねじ込まれて取り付けられ、回転体へのエアの供給を可能にしている。このロータリージョイント38の入口ポートには、コンプレッサ38Pに接続された流路切替バルブ38B(図5参照)が接続されている。そして、流路切替バルブ38B内はソレノイド駆動により、コンプレッサ38Pとエア供給孔39Aとの間を連絡した状態と、エア供給孔39Aとエア排出口との間を連絡した状態とに切り替えられる。
回転駆動シャフト39のうち基台11の前面11A側に位置した端部には、円形の回転板39Fが形成され、その回転板39Fに回転ベース32が固定されている。回転ベース32の中心部には、シリンダ構成孔32Bが形成されている。シリンダ構成孔32Bは、回転駆動シャフト39側が開放しており、回転駆動シャフト39と反対側は回転ベース32の前面32F寄り位置まで延びている。そして、シリンダ構成孔32Bの延長線上に形成された前面孔32Cが、回転ベース32の前面32Fに開放している。この前面孔32Cは、シリンダ構成孔32Bより小径になっている。また、回転ベース32における一方の端面には、心出し孔32Aが形成されている。そして、回転板39Fが心出し孔32A内に嵌合されて、回転駆動シャフト39と固定ベース31とが心出しされかつシリンダ構成孔32Bの一端開口が閉塞されている。なお、回転ベース32は、その回転ベース32を軸方向に貫通したボルトN1により回転板39Fに固定されている。
シリンダ構成孔32Bの内部には、ピストン部材42が嵌合されている。ピストン部材42には、回転板39F側の端部から他端側に向かって順番にフランジ部42A、ばね支持部42B及び中心シャフト部42Cが形成され、回転板39Fから離れるに従って段階的に外径が小さくなっている。
中心シャフト部42Cの外周面には、メタル軸受33Bを介してローラ33Cが嵌合されている。このローラ33Cは、ピストン部材42の端面にボルトN2にて固定された押さえ部材33Aによって抜け止めされている。そして、中心シャフト部42C、押さえ部材33A、メタル軸受33B及びローラ33Cによって、本発明に係る中心シャフト33が構成されている。
フランジ部42Aの外周面には、Oリング溝が形成され、そこにOリング41が装着されている。これによりシリンダ構成孔32Bのうち回転駆動シャフト39側が密閉された空間になり、エア供給孔39Aを通してコンプレッサ38Pからの圧縮空気がシリンダ構成孔32B内に供給されると、その圧縮空気に押されてピストン部材42が回転駆動シャフト39から離れる側に移動する。そして、ピストン部材42のうちばね支持部42Bと中心シャフト部42Cとの段差部が回転ベース32のうちシリンダ構成孔32Bと前面孔32Cとの段差部に当接した位置(以下、この位置を「使用位置」いう)に位置決めされる。また、使用位置に位置決めされると、中心シャフト33が回転ベース32の前面32Fから突出した状態になる。
ばね支持部42Bの外周面には、直動付勢ばね40が装着されている。そして、この直動付勢ばね40の一端が、回転ベース32におけるシリンダ構成孔32Bと前面孔32Cとの段差部に当接し、他端がフランジ部42Aに当接している。これにより、圧縮空気によりピストン部材42を回転駆動シャフト39から離間させるように移動した際に直動付勢ばね40が圧縮変形され、ピストン部材42を回転駆動シャフト39側に付勢する。この状態で、流路切替バルブ38Bが、エア供給孔39Aとコンプレッサ38Pとの間を遮蔽し、かつエア供給孔39Aがエア排出口に連絡されると、シリンダ構成孔32B内の圧縮空気が外部に排出され、直動付勢ばね40の弾発力によりピストン部材42が回転駆動シャフト39側に押されて移動する。そして、ピストン部材42が回転駆動シャフト39に当接した位置(以下、これを「退避位置」という)に至ると、図3に示すように、中心シャフト33が前面孔32Cの奥側に引き込まれた状態になる。このとき、丁度、中心シャフト33における先端面(詳細には、押さえ部材33Aの端面)が回転ベース32の前面32Fと面一になる。
回転ベース32の前面32Fには、中心シャフト33に対峙しかつ中心シャフト33との間に線材90を挟持可能な公転シャフト34(本発明の「線材押さえ治具」に相当する)が起立している。その公転シャフト34を回転ベース32から起立させるために、回転ベース32の前面32Fには、シャフト挿入孔32S(本発明の「治具取り付け部」に相当する)が形成されている。公転シャフト34は、一端にヘッド部34Aを備え、他端がシャフト挿入孔32Sに挿入されている。また、公転シャフト34のうちシャフト挿入孔32Sへの挿入部分には、係止溝34Eが形成されており、回転ベース32の外周面からシャフト挿入孔32Sに向けてねじ込んだセット螺子N3をこの係止溝34Eに係止させることで、公転シャフト34が抜け止めされている。公転シャフト34のうち回転ベース32の前面32Fから突出した部分には、メタル軸受34Bを介してローラ34Cが嵌合されている。このローラ34Cは、ヘッド部34A寄り位置に備えたテーパ部を挟んでヘッド部34A側が大径部34C1、反対側が小径部34C2になっている。そして、小径部34C2と中心シャフト33との間は線材90を丁度挟持可能な間隔になっている。なお、中心シャフト33と公転シャフト34とが、本発明に係る「1対の予備成形シャフト」に相当する。
図4に示すように、固定ベース31のうち回転ベース32より成形空間R側(同図の左側)には、線材支持支柱35(本願発明の「規制部」に相当する)が起立している。線材支持支柱35を固定ベース31から起立させるために、固定ベース31の前面には支柱取付孔36が形成されている。支柱取付孔36は、図6(A)に示すように、固定ベース31に対をなして形成され、例えば、各支柱取付孔36の内面には螺子が切られている。これら支柱取付孔36,36は、中心シャフト33の中心を含む架空の水平面を挟んで、上方と下方に分けて配置されている。線材支持支柱35は、例えば断面円形の棒材の一端に前記支柱取付孔36に螺合するネジ部を備えた構造をなし、図4に示すように端曲げ装置30を上方から見た際に、線材支持支柱35の方が中心シャフト33及び公転シャフト34より基台11から離れた位置まで突出している。そして、線材90を図6(A)〜図6(C)に示すように左巻きにする場合には、下側の支柱取付孔36に線材支持支柱35の一端をねじ込んで固定し、それとは逆に線材90を右巻きにする場合には、上側の支柱取付孔36に線材支持支柱35の一端をねじ込んで固定すればよい。また、図6(A)に示すように、下側の支柱取付孔36に線材支持支柱35を固定した場合には、線材90が線材支持支柱35の上部に載置されると、線材90のうち線材支持支柱35より先端側が自重に耐えて真っ直ぐ延び、中心シャフト33と公転シャフト34との間に挟まれる。
図5には、端曲げ装置30を含むばね成形機10の電気的な構成が示されている。同図において符号50はばね成形機10の制御盤であって、その制御盤50に備えた筐体50Kの内部には、前記したサーボモータ12S,16S,17Sのサーボアンプ12A,16A,17Aと、端曲げ用モータ37及びその端曲げ用モータ37に内蔵されたブレーキを駆動するためのモータ駆動回路37Aと、流路切替バルブ38Bを駆動するためのバルブ駆動回路38Aとが収容されている。そして、モータ駆動回路37Aとバルブ駆動回路38Aとがサブ制御回路52に接続され、サブ制御回路52がサーボアンプ12A,16A,17Aと共にメイン制御回路51に接続されている。また、メイン制御回路51には、ディスプレイ53とキーボード54とが接続され、サブ制御回路52には、携帯可能なマニュアル操作ボックス55が接続されている。そして、端曲げ装置30は、このマニュアル操作ボックス55によってマニュアル操作することができる。
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
例えば、ばね成形機10に新たに線材90をセットする場合や不具合等により線材90が途中でカットされた場合には、線材90の先端部が直線状になる。この場合に、線材90の端曲げ処理が必要になる。本実施形態の端曲げ処理は、以下説明する「線材配置工程」と「巻き付け工程」と「シャフト抜き取り工程」と「線材引き戻し工程」と「成形工具前進工程」と「不要先端部除去工程」とに分けることができる。
線材配置工程を行うには、ばね成形機10のキーボード54を操作して、サーボモータ16S,17Sの駆動により成形工具16,17を成形空間Rから退避させておき、線材90を線材送給装置12、中間ガイド14及び送給ノズル15に挿通させ、線材90を送給ノズル15から成形空間Rに真っ直ぐ延ばした状態にしておく。そして、マニュアル操作ボックス55の操作により端曲げ用モータ37を駆動させて回転ベース32を回転し、図6(A)に示すように中心シャフト33に対して公転シャフト34が鉛直下方に配置された状態にし、さらに、端曲げ用モータ37のブレーキを掛けておく。
この状態で、キーボード54を操作して線材送給装置12にて線材90を送給する。そして、線材90の先端部が成形空間Rを越え、さらに図6(A)に示すように、線材90の先端部が端曲げ装置30における中心シャフト33を若干越えたところで停止する。具体的には、線材90は成形空間Rを越えて延びると自重により下方に撓むので、途中で線材の送給を止め、作業者が線材90を把持して線材支持支柱35の上面に載置する。そして、再度、線材90を送給し、目視により線材90のうち中心シャフト33を越えて延びた部分の長さが、中心シャフト33の外面の円周長の約半分になったところで、線材送給装置12を停止する。このとき、線材90の先端部が中心シャフト33と公転シャフト34との間に割り込んで突入した場合には、その時点で線材配置工程が完了し、そうでなかった場合には、作業者が線材90を中心シャフト33と公転シャフト34の間に押し込むことで端曲げ装置30の配置工程が完了する。
巻き付け工程を行うには、キーボード54の操作により端曲げ用モータ37を駆動させて、回転ベース32を図6(A)における反時計回り方向に回転させればよい。これにより、図6(A)〜図6(C)に示すように、中心シャフト33の回りを公転シャフト34が公転する。すると、線材90の先端部が公転シャフト34によって中心シャフト33の外面に巻き付けられ、図6(C)に示すように、線材90の先端部に略円弧状部分92が形成される。このとき、線材90は中心シャフト33及び公転シャフト34の外面に押し付けられるが、それら中心シャフト33及び公転シャフト34の外周面には、図2に示すように、ローラ33C,34Cが備えられているので、摩擦抵抗が抑えられ、スムーズに公転シャフト34を中心シャフト33の回りに公転させることができる。
また、中心シャフト33と公転シャフト34との間からそれら中心シャフト33及び公転シャフト34の先端側に線材90が外れそうになった場合には、ローラ34Cに形成された大径部34C1により線材90の側方への移動が規制される。さらに、線材90を中心シャフト33に巻き付けられる際に、線材90の中間部が下方に撓むように変形する力を受けるが、線材支持支柱35が線材90の中間部における撓みを規制するので、線材90の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材90の先端部を確実に円弧状に塑性変形することができる。
図6(C)に示すように、公転シャフト34が線材90の先端を中心シャフト33に押し付けた位置になったら、端曲げ用モータ37による回転ベース32の回動駆動を止め、回転ベース32を逆方向に回転させて、図6(D)に示すように、公転シャフト34を中心シャフト33の鉛直下方の位置まで戻す。これにより、巻き付け工程が完了する。なお、線材90の先端部は、中心シャフト33に押し付けられることにより塑性変形するが、公転シャフト34を下の位置に戻したときには、スプリングバックにより線材90が中心シャフト33から浮き上がった状態になる。
シャフト抜き取り工程を行うには、マニュアル操作ボックス55にて流路切替バルブ38Bを作動させ、前述の如く、中心シャフト33を回転ベース32の前面32Fより奥側の退避位置まで後退させる。このとき、線材90の先端部は全体的に中心シャフト33から浮き上がっているので、容易に中心シャフト33を退避位置に移動させることができる。そして、中心シャフト33が退避位置まで後退すると、図3及び図6(D)に示すように、中心シャフト33の先端面が回転ベース32の前面32Fと面一になり、線材90の略円弧状部分92が中心シャフト33に干渉しなくなる。
次いで、線材引き戻し工程を行う。そのためには、キーボード54を操作して線材送給装置12を逆転駆動し、線材90を成形空間R側に引き戻す。そして、図7(A)に示すように、線材90のうち直線部分を送給ノズル15内に引き込み、線材90の先端の略円弧状部分92が送給ノズル15の先端部に至ったところで、線材送給装置12を停止する。
次いで、成形工具前進工程を行う。そのためには、成形工具16,17を成形空間Rに前進させて線材90の略円弧状部分92に押し付けた状態にし(図7(B)参照)、線材送給装置12にて所定量の線材90を送給する。すると、略円弧状部分92が成形工具16,17に摺接して線材90の後続部分も円弧状になり、やがて、端曲げ装置30により成形された略円弧状部分92が成形工具16,17との当接位置を通過し、新たに形成された円弧状部分が成形工具16,17に当接した状態になる。ここで、心金工具18を接触位置まで前進させる(図7(C)参照)。なお、端曲げ装置30により成形された略円弧状の径が心金工具18の外径より十分大きい場合には、心金工具18は常時接触位置にあるようにしてもよい。
この状態で、不要先端部除去工程を行い、心金工具18と切断工具19とにより線材90から略円弧状部分92を切り離す(図7(D))。これにより、次からは、コイルばねを連続して形成可能な状態になる(図7(E))。以上で、本実施形態に係る端曲げ処理の全工程が終了する。以上により、線材90の端曲げ処理が完了する。
このように本実施形態のばね成形機10、端曲げ装置30及び端曲げ処理方法によれば、コイルばねを成形するための工具等を変形、破損させることなく、容易に端曲げ処理を行うことができる。
[第2実施形態]
本実施形態の端曲げ装置30には、前記第1実施形態の線材支持支柱35に代えてガイド部47が設けられている。以下、図8〜図10を参照しつつ本実施形態を説明する。
ガイド部47は、図8に示すように、線材90を挟んで上下に対称的に配置された1対のガイド部材45,45と、そのガイド部材45を固定ベース31に固定するための台座部材46とからなる。台座部材46は、固定ベース31にボルト(図示せず)にて固定されている。そして、台座部材46は、基台11と反対側に平坦面46Hを備え、その平坦面46Hが回転ベース32の前面32Fより若干基台11から離れて配置されている。そして、その平坦面46Hに各ガイド部材45,45がボルト(図示せず)にて固定されている。また、台座部材46のうち成形空間R側(同図の左側)を向いた面は、基台11の前面11Aから徐々に立ち上がって台座部材46の平坦面46Hに至るテーパ面46Tになっている。
各ガイド部材45,45は、例えば線材90の送給方向に延びた角材の一部を切除して線材排除用テーパガイド面45T1と線材導入テーパガイド面45T2とを形成した構造になっている。線材排除用テーパガイド面45T1は、ガイド部材45のうち中心シャフト33側の端部に配置され、回転ベース32の前面32Fから徐々に立ち上がり、線材送給方向の後方に向かうに従って前面32Fから離れるように傾斜している。一方、線材導入テーパガイド面45T2は、図9(A)に示すように、ガイド部材45,45の互いの対向面における成形空間R側に配置され、それら送給方向の前方に向かうに従って互いに接近するように傾斜している。そして、ガイド部材45,45の互いの対向面のうち線材導入テーパガイド面45T2より線材90の送給方向の前方部分の間に、線材90が摺動可能に挟持されるようになっている。
また、本実施形態では、心金工具18が例えばエアシリンダ等の直動アクチュエータによって基台11の前面11Aから突出した接触位置と、基台11の前面11Aより後方に退避した非接触位置との間で直動可能となっている。さらに、本実施形態では、端曲げ用モータ37はサーボモータになっており、モータ駆動回路37Aはサーボアンプになっている。その他の本実施形態のばね成形機10に係る機械的な構成に関しては、前記第1実施形態と同様であるので重複した説明は省略する。
次に、制御上の構成の相違について図10を基に説明する。本実施形態のばね成形機10では、メイン制御回路51に備えた図示しないROMに端曲げ処理プログラムPG1が記憶されている。そして、メイン制御回路51が端曲げ処理プログラムPG1を実行することで、端曲げ処理を自動で行うことができる。以下、この端曲げ処理プログラムPG1をばね成形機10の動作と合わせて説明する。
線材90の先端部が直線状になっている場合に、線材90の先端部が送給ノズル15内に配置されているか或いは送給ノズル15から任意の長さになって導出された状態で、作業者がキーボード54を操作して端曲げ処理プログラムPG1を実行する。すると、メイン制御回路51から制御信号に基づいてサーボモータ16S,17Sが成形工具16,17を成形空間Rから後退させ、図示しないエアアクチュエータ(本発明の「心金工具駆動手段」に相当する)が心金工具18を前面11Aより後方に引き込む(S1)。
次いで、メイン制御回路51からの制御信号に基づいて端曲げ用モータ37により回転ベース32の回転位置が原点(中心シャフト33の鉛直下方に公転シャフト34が配置された位置)に位置決めされると共に、流路切替バルブ38B内が作動して中心シャフト33が回転ベース32の前面32Fから突出した使用位置に位置決めされる(S2)。
次いで、線材送給装置12が線材90を端曲げ装置30側に送給する。すると、線材90の先端部が台座部材46におけるテーパ面46Tに摺接してガイド部材45,45の線材導入テーパガイド面45T2,45T2の間に進行し、さらに線材90を送給すると線材導入テーパガイド面45T2,45T2の案内によりガイド部材45,45の間の隙間に突入する。さらに線材90を送給すると、ガイド部材45,45の案内により線材90の先端部が中心シャフト33と公転シャフト34との間に割り込んでいく。ここで、線材90が中心シャフト33と公転シャフト34との間に割り込む際の抵抗により、回転ベース32に外部負荷トルクがかかり、メイン制御回路51はこれを端曲げ用モータ37の負荷電流として検出する(本発明の「位置検出手段」に相当する)。なお、ここで位置検出手段は、近接スイッチや光電管であってもよい。
メイン制御回路51は、線材送給装置12が線材90を送給してから端曲げ用モータ37の負荷電流を検出できない間は、線材90が中心シャフト33と公転シャフト34との間に挟持されていないと判定し(S4:NO)、線材送給装置12により線材90を送給し続ける。そして、端曲げ用モータ37の負荷電流が検出されたことをもって、線材90が中心シャフト33と公転シャフト34との間に挟持されたと判定する(S4:YES)、さらに所定長の線材90を送給して図9(A)に示すように、線材90の先端部が所定長だけ中心シャフト33と公転シャフト34との間から成形空間Rと反対側に突出した状態にする。線材90の送給を停止する(S5)。なお、この所定長は、中心シャフト33における外周面の円周長の半分の長さに設定されている。
次いで、端曲げ用モータ37により回転ベース32を回転させることで公転シャフト34を中心シャフト33の回りに公転させて線材90の先端部を略円弧状に塑性変形する(図9(A)〜図9(C)参照)。このように線材90を中心シャフト33に巻き付けたときに、本実施形態の構成によればガイド部材45,45によって線材90の撓みが規制されるので、線材90の先端部に確実に曲げ力が加わり、線材90の先端部を確実に略円弧状に塑性変形することができる。そして、線材90の先端部の全体を中心シャフト33に押し付けてから(図9(C)参照)、回転ベース32を原点に戻す(S6)。これにより線材90の先端部に略円弧状部分92が形成された状態になる。
次いで、図9(D)に示すように、流路切替バルブ38B内を作動させることで、中心シャフト33を退避位置に移動して線材90の略円弧状部分92から中心シャフト33を抜く(S7)。
次いで、線材送給装置12を逆転駆動して、線材90を成形空間R側に引き戻す(S8)。ここで、端曲げ処理プログラムPG1には、端曲げ処理を行う際に送給ノズル15から延びた線材90の長さが定数として記憶されている。そして、その定数に基づいて線材送給装置12のサーボモータ12Sにより線材90の先端部を位置決め制御して、線材90の略円弧状部分92が送給ノズル15の先端に隣接した位置まで戻すことができる。また、線材90を引き戻す途中で、線材90の略円弧状部分92がガイド部材45の線材排除用テーパガイド面45T1に摺接して両ガイド部材45,45の間から側方に排除されるので、線材90の引き戻しをスムーズに行うことができる。
次いで、成形工具16,17を成形空間Rに向けて前進させて、線材90の略円弧状部分92に当接させる(S9)。そして、線材送給装置12により線材90を送給する(S10)。これにより、線材90の後続部分が円弧状に塑性変形され略円弧状部分92が基台11の前面11Aから徐々に離されていく。そして、線材90の略円弧状部分92が基台11の前面11Aから所定量離れたところで、心金工具18を前面11Aから突出させる(S11)。これにより、心金工具18の軸方向から見て、心金工具18と線材90の略円弧状部分92とが重なり合っても、略円弧状部分92を前面11Aから離すことで、線材90の略円弧状部分92を心金工具18に干渉させないようにすることができる。そして、切断工具19を下方に移動して(S12)、線材90における略円弧状部分92を排除し、端曲げ処理プログラムPG1が終了する。
端曲げ処理プログラムPG1が終了したら、図示しないばね成形用プログラムを繰り返して実行することで線材90から複数のコイルばねを成形することができる。
このように本実施形態によれば、線材90の先端が直線状になっている場合に、自動的にコイルばねを成形可能な状態にすることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態の回転ベース32には、シャフト挿入孔32Sは1つ形成されていたが、図11に示すように回転ベース32の回転中心からの距離S1,S2,S3を異ならせて複数のシャフト挿入孔32Sを回転ベース32に設けてもよい。これにより、シャフト挿入孔32Sから何れかを選択して、そこに公転シャフト34を取り付けることにより、公転シャフト34と中心シャフト33との間隔を線材90における線径の種類に応じて適宜変更することができる。
(2)前記第1実施形態の端曲げ装置30では、圧縮エアと直動付勢ばね40の弾発力とによって中心シャフト33を直動させる構成であったが、図12に示すように、中心シャフト33を直動付勢ばね40により常には使用位置に付勢しておき、人力により中心シャフト33を押して退避位置に移動する構成にしてもよい。
(3)前記第1及び第2実施形態の端曲げ装置30は、端曲げ用モータ37によって回転ベース32が回転駆動される構成であったが、電気モータ以外のアクチュエータ、例えば、油圧モータ、エアモータ、ピストン・シリンダを備え圧縮流体で作動する直動アクチュエータ等を動力源にして回転ベース32が回転駆動される構成にしてもよい。
(4)前記第1及び第2実施形態の端曲げ装置30では、シリンダ構成孔32Bへのエア供給は、回転駆動シャフト39の後端面にロータリージョイント38を取り付けて行う構成であったが、図13に示すように、回転ベース32の外側に固定リング103を嵌合し、回転ベース32と固定リング103とにロータリージョイント構造を形成してもよい。
具体的には、回転ベース32の外周面の全周に亘ってリング溝100を形成すると共に、このリング溝100とシリンダ構成孔32Bとを連絡する第1のエア供給孔101を形成する。また、リング溝100を覆うように、回転ベース32の外側に、固定リング103を回転可能に嵌合する。さらに、固定リング103にリング溝100を軸方向で挟むように1対のリング102,102を設け、かつ、リング溝100に連通する第2のエア供給孔104を固定リング103の径方向に貫通形成する。そして、第2のエア供給孔104のうち、固定リング103の外周面に開口した部分に流路切替バルブ38Bを接続する。これにより、回転ベース32の外周からシリンダ構成孔32Bへのエア供給を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るばね成形機の正面図 端曲げ装置の側断面図 端曲げ装置の側断面図 端曲げ装置の平面図 ばね成形機の電気的構成を示したブロック図 端曲げ装置の正面図(左側)、端曲げ装置の側面図(右側) ばね成形機の部分拡大正面図 第2実施形態の端曲げ装置の平面図 端曲げ装置の正面図(左側)、端曲げ装置の側面図(右側) 端曲げ処理プログラムのフローチャート 端曲げ装置の変形例1の正面図 端曲げ装置の変形例2の側断面図 その他の実施形態の端曲げ装置の側断面図
符号の説明
10 成形機
12 線材送給装置
13 ローラ
14 中間ガイド
15 送給ノズル
16,17 成形工具
18 心金工具
19 切断工具
30 端曲げ装置
31 固定ベース
32 回転ベース
32S シャフト挿入孔(治具取り付け部)
33 中心シャフト
34 公転シャフト(線材押さえ治具)
35 線材支持支柱(規制部)
36 支柱取付孔
37 端曲げ用モータ
38B 流路切替バルブ
38P コンプレッサ
39 回転駆動シャフト
40 直動付勢ばね
45 ガイド部材
45T1 線材排除用テーパガイド面
90 線材
92 略円弧状部分

Claims (14)

  1. 線材の先端部を予め円弧状に塑性変形させた状態にして線材送給装置により前記線材を成形空間に向けて送給し、前記成形空間で待ち受けた成形工具に前記線材の円弧状部分を当接させることで、後続の前記線材を円弧状に塑性変形させてコイルばねを成形するばね成形機に設けられ、前記線材の先端部が直線状になっている場合に、前記線材の先端部を予め略円弧状に塑性変形させるための端曲げ装置であって、
    前記線材送給装置に対して前記線材の送給方向の前方かつ前記成形空間を越えた位置に配置され、前記成形されるコイルばねの中心軸と略平行で軸方向に往復動可能な中心シャフトと、
    前記中心シャフトに対峙しかつ前記中心シャフトとの間に前記線材を挟持可能な線材押さえ治具と、
    前記線材が前記中心シャフトと前記線材押さえ治具との間に挟持された状態で、前記線材押さえ治具を前記中心シャフトの回りに公転させるための端曲げ用のアクチュエータとを備えたことを特徴とする端曲げ装置。
  2. 前記中心シャフトを、前記線材が巻き付けられる使用位置と、巻き付けられた線材から抜いた待避位置との間で往復動させるための中心シャフト駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の端曲げ装置。
  3. 前記中心シャフト駆動手段は、前記中心シャフトを前記往復動可能な方向の一方側に向けて付勢する付勢手段と、圧縮ガスを受けると前記付勢手段に抗して前記中心シャフトを前記往復動可能な方向の他方側に移動するエアアクチュエータとからなることを特徴とする請求項2に記載の端曲げ装置。
  4. 前記中心シャフトと同心な軸を中心にして回転しかつ前記線材押さえ治具が取り付けられる回転ベースと、前記回転ベースに形成され、前記線材の線径の種類に応じて前記線材押さえ治具の取り付け位置を変更するための複数の治具取り付け部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の端曲げ装置。
  5. 前記線材押さえ治具は、前記中心シャフトと平行なシャフト構造をなし、
    前記治具取り付け部は、前記線材押さえ治具を挿抜可能な孔構造をなしたことを特徴とする請求項4に記載の端曲げ装置。
  6. 前記中心シャフトより前記成形空間側に配置され、前記線材に対して前記線材押さえ治具と同じ側に当接し、前記線材を前記中心シャフトに巻き付けたときの前記線材の撓みを規制する規制部を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の端曲げ装置。
  7. 前記コイルばねを右巻きにするか又は左巻きにするかに応じて前記中心シャフトに対する前記規制部の配置を変更可能としたことを特徴とする請求項6に記載の端曲げ装置。
  8. 前記中心シャフトより前記成形空間側に配置され、前記線材を前記中心シャフトに巻き付けたときの前記線材の撓みを規制する規制部を備え、
    前記規制部は、前記線材を挟んで対向し、前記線材を前記中心シャフト側に案内する1対のガイド部材で構成され、
    前記各ガイド部のうち前記中心シャフト側には、前記線材送給装置が前記線材を引き戻す際に略円弧状の前記線材の先端部と摺接して、前記線材を前記1対のガイド部材の側面開放口から排除するための線材排除用テーパガイド面が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の端曲げ装置。
  9. 線材を成形空間に向けて送給可能な線材送給装置と、
    前記線材の先端部が予め円弧状に塑性変形された状態で前記線材が送給されたときに、前記成形空間で前記線材の円弧状部分に当接して、後続の前記線材を円弧状に塑性変形することでコイルばねを成形する成形工具と、
    前記成形工具を前記成形空間に対して進退させるための成形工具駆動手段と、
    前記成形工具によって塑性変形された線材の円弧状部分の内側に接触する心金工具と、
    前記心金工具と協働して前記線材の先端に円弧状部分の一部を残した状態で前記線材の先端側を切り離すための切断工具と、
    前記線材の先端部が直線状になっている場合に、前記線材の先端部を略円弧状に塑性変形するための端曲げ装置とを備え、
    前記端曲げ装置は、前記線材送給装置に対して前記線材の送給方向の前方かつ前記成形空間を越えた位置に配置され、前記成形されるコイルばねの中心軸と略平行で軸方向に往復動可能な中心シャフトと、
    前記中心シャフトに対峙しかつ前記中心シャフトとの間に前記線材を挟持可能な線材押さえ治具と、
    前記線材が前記中心シャフトと前記線材押さえ治具との間に挟持された状態で、前記線材押さえ治具を前記中心シャフトの回りに公転させるための端曲げ用のアクチュエータとを備えてなることを特徴とするばね成形機。
  10. 前記心金工具を、前記成形工具によって塑性変形された前記線材の円弧状部分の内側に接触させる接触位置と、前記端曲げ装置によって塑性変形された線材の略円弧状部分と干渉させない非接触位置との間で往復駆動するための心金工具駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項9に記載のばね成形機。
  11. 前記中心シャフトを、前記線材が巻き付けられる使用位置と、巻き付けられた線材から抜いた待避位置との間で往復動駆動するための中心シャフト駆動手段と、
    前記線材の先端部の位置を検出するための線材位置検出手段と、
    前記端曲げ用のアクチュエータと前記中心シャフト駆動手段と前記線材送給装置と前記成形工具駆動手段と前記心金工具駆動手段とを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記端曲げ装置により前記線材の先端部を略円弧状に塑性形成した状態で、前記中心シャフト駆動手段により前記中心シャフトを前記待避位置に移動しかつ、前記心金工具駆動手段により前記心金工具を前記非接触位置に保持し、
    次いで前記線材供給手段を逆転駆動して前記線材の先端を前記成形空間まで移動し、
    次いで前記成形空間から待避していた前記成形工具を前記成形工具駆動手段により成形空間側に移動し、
    次いで前記線材供給手段を正転駆動して前記線材を所定量だけ送給することで、前記成形工具により所定量の前記線材を円弧状に塑性変形し、
    次いで前記心金工具駆動手段により前記心金工具を前記接触位置に移動し、その心金工具と前記切断工具との協働により前記線材を途中で切断するように制御することを特徴とする請求項10に記載のばね成形機。
  12. 前記中心シャフトより前記成形空間側に配置されかつ前記線材を挟んで対向し、前記線材を前記中心シャフト側に案内する1対のガイド部材と、
    前記各ガイド部材の前記中心シャフト側に形成され、前記線材送給装置が前記線材を引き戻す際に、前記線材の先端の略円弧状部分と摺接して、前記線材を前記1対のガイド部材の側面開放口から排除するための線材排除用テーパガイド面とを備えたことを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載のばね成形機。
  13. 線材の先端部を予め円弧状に塑性変形させた状態にして線材送給装置により前記線材を成形空間に向けて送給し、前記成形空間で待ち受けた成形工具に前記線材の円弧状部分を当接させることで、後続の前記線材を円弧状に塑性変形し、前記円弧状部分の内側に接触する心金工具と係合する切断工具で、前記円弧状部分の一部を残した状態で前記線材の先端側を切り離してコイルばねを成形するばね成形機を用いた端曲げ処理方法において、
    そのばね成形機のうち、前記成形空間を挟んで前記線材送給装置と反対側に、前記成形されるコイルばねの中心軸と略平行に延びた1対の予備成形シャフトを設けておき、前記線材の先端部が直線状になっている場合に、
    前記成形工具を前記成形空間から退避させた位置に保持すると共に前記線材送給装置を正転駆動して前記線材を前記成形空間より前方に送給し、その線材の先端部を前記1対の予備成形シャフトの間に配置する線材配置工程と、
    一方の前記予備成形シャフトを他方の予備成形シャフトの回りにアクチュエータ駆動により公転させることで前記他方の予備成形シャフトに前記線材の先端部を巻き付けて略円弧状に塑性変形させる巻き付け工程と、
    前記他方の予備成形シャフトを、直動駆動手段により前記線材の略円弧状部分から抜くように移動させるシャフト抜き取り工程と、
    前記線材送給装置を逆転駆動して前記線材の先端部を前記成形空間に引き戻す線材引き戻し工程と、
    前記成形工具を前記成形空間に前進させて、前記線材の略円弧状部分に突き合わせる成形工具前進工程と、
    前記線材供給手段を正転駆動して前記線材を所定量だけ送給することで、前記成形工具により所定量の前記線材を円弧状に塑性変形してから前記心金工具と前記切断工具との協働により前記線材の先端側を除去する不要先端部除去工程とを行うことを特徴とする端曲げ処理方法。
  14. 前記1対の予備成形シャフトより前記成形空間側に配置されかつ前記線材を挟んで対向し、前記線材を前記1対の予備成形シャフト側に案内する1対のガイド部材を設けると共に、前記各ガイド部の前記1対の予備成形シャフト側に線材排除用テーパガイド面を形成しておき、
    前記巻き付け工程を行ったときに前記1対のガイド部材により線材の撓みを規制し、
    前記線材引き戻し工程を行ったときに前記線材の先端部の略円弧状部分を前記線材排除用テーパガイド面に摺接させて、前記線材を前記1対のガイド部材の側面開放口から排除することを特徴とする請求項13に記載の端曲げ処理方法。
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