JP2017065799A - ヒンジキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して取り付けられる蓋体とからなるヒンジキャップであって、キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部のヒンジと反対側の外周上端に円弧状に立設される封緘部材とを備え、蓋体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設される側周壁と、側周壁に設けられる保持部と、保持部周辺の側周壁外周に形成される凹所と、凹所に設けられる爪部とを備え、封緘部材は、装着部外周上端と接続される弱化部と、閉蓋時に爪部と係止される切欠部と、蓋体の保持部に保持される被保持部とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この種のヒンジキャップは、容器から内容物が不正に抜き取られたり、詰め替えられないように、不正な開封を防止することが必要となっている。
そこで、ヒンジキャップのキャップ本体に封緘部材を破断可能に連設し、未開封状態時に、封緘部材を蓋体の突起と係合させて閉蓋状態を維持させ、封緘部材の有無で視覚的に開封状態を確認できるようにしたヒンジキャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、上記ヒンジキャップが装着された容器は、封緘部材が未開封状態で落下したり、転倒した際に封緘部材が破断するという問題があった。
さらに、封緘部材の具体的実施形態として、蓋体は、凹所の周囲に側周壁外周よりも外方へ突出する庇部を有し、封緘部材は、閉蓋時に蓋体の庇部により包囲される凹所に収容されることを特徴とする構成を採用する。
また、封緘部材の他の具体的実施態様として、蓋体は、側周壁に設けられる把手部の少なくとも片側および下方に形成される凹所を有し、封緘部材は、閉蓋時に蓋体の凹所に収容され、摘み片が把手部の側方から上方に延びることを特徴とする構成を採用し、さらに、封緘部材は、摘み片と隣接する係止片との間に屈曲可能な縦方向の切欠き溝を設けることを特徴とする構成を採用する。
また、本発明のヒンジキャップは、封緘部材は、上端に被保持部としての係止片が形成され、下端が弱化部で連結されているので、封緘部材を強固に維持することができる。
さらに、本発明のヒンジキャップは、蓋体が凹所の周囲に側周壁外周よりも外方へ突出する庇部を有することにより、例えば、ヒンジキャップが箱詰めされた時でも、他のヒンジキャップ等と接触して傷めることはなく、また弱化部等が破断するおそれもない。
また、本発明のヒンジキャップは、封緘部材として、把手部の側方から上方に延びる摘み片を有することにより、摘み片が摘みやすくなって、封緘材料を取り除くのが容易となり、さらに、封緘部材の摘み片と隣接する係止片との間に屈曲可能な切欠き溝を設けたことによって、摘み片の屈曲によって摘み片へのいたずらを防止することができるとともに、封緘部材の破断の際に破断を容易にする。
容器Dは、口部1を有する容器であり、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
外周壁部9の内周下部には、容器Dの口部1の嵌合突条2と係合する係合突部10が設けられている。
係合突部10の外周切り込み部11に対応する位置には、内周切り込み部13が縦方向に刻設されている。
また、端面11aと終端面11bとの間には、外周壁部9に、わずかに周方向に幅を持ち、薄肉外周壁14を形成している。
なお、本実施例では、摘み片23は、封緘部材20の両端部に設けられているが、いずれか片方だけでも構わない。この場合には、それに合わせて切欠部22および両端弱化部25も片方だけでも構わない。
封緘部材20は、外周壁部9の外周上端の周方向に延在する破断可能な中央弱化部24および2カ所の両端弱化部25を介して外周壁部9の外周上端に一体に設けられている。
本実施例では、筒壁32の内径は、注出筒5の外径に比べて2倍程度となっているが、筒壁32の内径は、注出筒5と干渉しない範囲内で、必要に応じて設定可能である。
さらに、筒壁32の下端部32bは、キャップ本体Aの上壁4の上面と近接または当接するように設定されているが、筒壁32は、抜け止め部32aを形成できる寸法を確保できれば、必ずしも上壁4の上面に届くまで延ばす必要はない。
なお、抜け止め部32aは、筒壁32の全内周にわたり形成されていても、または間隔をおいて形成されていても構わない。
側周壁31のヒンジCと反対側の外周中程には、平面視で円弧状の把手部35が設けられ、把手部35は、下端面から把手凹部35aが形成されている。
これにより、図5(a)に示すように、前述した封緘部材20は、蓋体Bを閉じると、凹所36および把手凹部35a内に収容されるので、封緘部材20は、外周壁部9と面一となっており、外方に突出しない構造としている。
なお、本実施例では、把手部35の両側および下方に凹所36が形成されているが、上述したように、封緘部材20の摘み片23が左右いずれか片方だけの場合には、それに合わせて、凹所36は、把手部35の片側および下方に形成されても構わないし、同様に、爪部37も中央に1個だけ突設されていても構わない。
栓体Eは、円盤状の栓体基部40と、栓体基部40の下面から垂設され、キャップ本体Aの注出筒5の内周に先端部41aから嵌入する密封リング41とから構成されている。
本実施例では、栓体基部40の外周上端部には、テーパー面が形成され、栓体Eを筒壁32の内側に挿入する際に、抜け止め部32aの前述した緩やかな傾斜を乗り越え易くしている。
このため、閉蓋時に、栓体基部40の上面と頂壁30の内面との間には、周縁突出部42で囲まれる上方空隙44が形成される。
これらの間隙が形成されることにより、栓体Eは、蓋体Bの筒壁32の内側で上下左右方向のガタ付きをもって保持される。
本実施例のヒンジキャップは、最初に閉蓋する工程の前に、蓋体Bの筒壁32に栓体Eを組み付ける必要があり、蓋体Bを開いた状態で、筒壁32の内周に栓体Eを押し込むと、栓体基部40の外周面は、筒壁32内周の抜け止め部32aを乗り越えて、筒壁32に保持される。
最後は、爪部37が封緘部材20の切欠部22に係止され、封緘部材20の変形が解かれるとともに、蓋体Bの把手部35が封緘部材20の上部に当接し、封緘部材20の係止片21(被保持部)が把手部35の把手凹部35a(保持部)内に嵌入される。
また、キャップ本体Aの蓋係合部7の係止突条6と蓋体Bの係合凹部34が係合し、未開封状態として閉蓋される。
また、封緘部材20は、凹所36内に収容され、かつ庇部38で包囲されているため、摘み片23は、例えば、ヒンジキャップが箱詰めされた時でも、他のヒンジキャップ等と接触して傷めることはなく、また弱化部24および25等が破断するおそれもない。
打栓工程は、装着部3の内筒8と外周壁部9との間に形成された環状溝部に容器Dの口部1を当てがい、蓋体Bの上から押圧力が加えられ、外周壁部9の係合突部10が口部1の嵌合突条2を乗り越えて嵌合し、容器Dの口部1が内筒8の外周と外周壁部9の内周、および蓋係合部7とによって挟持されることで装着される。
その際に、閉蓋状態を維持しているのは、図1に示すように、キャップ本体Aの蓋係合部7の係止突条6と蓋体Bの係合凹部34との係合のみとなり、簡単に開蓋することができる。
閉蓋状態では、密封リング41が注出筒5の内周に嵌入することによって栓体Eは、キャップ本体Aの注出筒5と一体化されており、容器Dの転倒時あるいは落下等の衝撃により、蓋体Bに外力が加わり、蓋体Bに上下あるいは左右方向のずれが生じた場合でも、栓体Eには、筒壁32内周および頂壁30内面に対して、それぞれ側方間隙および上下間隙が形成されることにより、蓋体Bの動きに対する影響が緩和され、容器Dの気密性を保つことができる。
その際には、図3(a)に示すように、ヒンジキャップを開蓋し、蓋体Bを指で把持して外方に引っ張ると、外周壁部9のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、図4(c)に示す上部薄肉部15が上方から引き裂かれ、図4(b)に示すスリット溝16の底面18の位置まで破断される。
連結部19は極薄肉または切れ目が入れられているので、縦方向引き裂きラインが引き裂かれるとともに周方向引き裂きラインが引き裂かれ始める時、両引き裂きラインを同時に引き裂く力は大きくならず、縦方向引き裂きラインから周方向引き裂きラインへとスムーズに破断を進めることができる。
スリット溝16の終端部まで連結部19の切断が完了し、さらに蓋体Bを引っ張ると、キャップ本体Aと容器Dの口部1との嵌合が外され、ヒンジキャップと容器Dとを分別廃棄することができる。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、封緘部材および蓋体における変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
また、本実施例では、新たに流量調整部材Fが別体の部材として構成されており、流量調整部材Fは、筒状部材の内壁から複数(3箇所)のアーム状の連結片を介して弁状部材を形成し、連結片間の微小な隙間から内容物を吐出できる構造となっている。キャップ本体Aとは、上壁4と注出筒5の間に突部を設け、流量調整部材Fの外壁に突部を設けて嵌合する。
以下、新たな符号が付された封緘部材50と封緘部材50に関わる蓋体Bにおける変更部分について説明する。
摘み片53は、蓋体Bに設けられる把手部65の側方から上方に延びるように設けられ、第1実施例に比べて大きく形成され、それによって、摘みやすくなっている。また、摘み片53と隣接の係止片51との間に屈曲可能な縦方向の切欠き溝56が設けられている。
なお、本実施例では、摘み片53は、封緘部材50の両端部に設けられているが、いずれか片方だけでも構わない。この場合には、それに合わせて切欠部52および両端弱化部55も片方だけでも構わない。
封緘部材50は、外周壁部9の外周上端の周方向に延在する破断可能な中央弱化部54および2カ所の両端弱化部55を介して外周壁部9の外周上端に一体に設けられている。
本実施例では、第1実施例より、把手部65を平面視で大きく形成し、それに応じて封緘部材50の周方向の長さも長くなり、また係止片51と把手凹部65aも3つ設けられ、さらに把手部65には指掛け部68が設けられている。
なお、係止片51と把手凹部65aの数は3つに限らず、2つでもよく、把手部65の大きさに応じて適宜変更可能である。
図10(a)に示すように、前記封緘部材50は、蓋体Bを閉じると、凹所66に収まるとともに、封緘部材50の係止片51が把手凹部65a内に収まり、封緘部材50の摘み片53は把手部65の両側の凹所66に収まるとともに、把手部65の側方から上方に延びる構造を有している。
封緘部材50は、凹所66に収容されるので、外周壁部9と面一となり、外方に突出することがない。
なお、本実施例では、封緘部材50の摘み片53が両端に設けられているが、左右の片方だけとすることも可能であり、その場合、それに合わせて、凹所66は、把手部65の片側および下方に形成され、摘み片53も片側の凹所66に収まり、把手部65の側方から上方に延びていても構わないし、同様に、爪部67も中央に1個だけ突設されていても構わない。
本実施例のヒンジキャップは、最初に閉蓋する工程の前に、蓋体Bの筒壁32に栓体Eを組み込み、同様にキャップ本体Aの注出筒5の裏側に流量調整部材Fを込み、それぞれ保持される必要がある。
最後は、爪部67が封緘部材50の切欠部52に係止され、封緘部材50の変形が解かれるとともに、蓋体Bの把手部65が封緘部材50の上部に当接し、封緘部材50の係止片51(被保持部)が把手部65の把手凹部65a(保持部)内に嵌入される。
また、キャップ本体Aの蓋係合部7の係止突条6と蓋体Bの係合凹部34が係合し、未開封状態として閉蓋される。
本実施例の封緘部材50は、第1実施例のそれより周方向に長いため、封緘部材50の有無の確認が容易であり、また、ヒンジキャップの開蓋状態の確認も容易となる。
また、封緘部材50の摘み片53と隣接する係止片51との間に屈曲しやすい切欠き溝56があり、摘み片53にいたずらをして摘んだりした場合には、容易に摘み片53が折れ曲がるため、いたずらの確認が容易であり、いたずら防止となる。
最後は、図10(b)に示すように、中央弱化部54と別の両端弱化部55も破断された後、封緘部材50の係止片51を把手凹部65aから外し、封緘部材50をキャップ本体Aから完全に切り離すことができる。
その他の構成については、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
B 蓋体
C ヒンジ
D 容器
E 栓体
F 流量調整部材
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4 上壁
5 注出筒
5a 突条段部
6 係止突条
7 蓋係合部
8 内筒
9 外周壁部
10 係合突部
11 外周切り込み部
11a 端面
11b 終端面
12 薄肉底壁
13 内周切り込み部
14 薄肉外周壁
15 上部薄肉部
16 スリット溝
18 底面
19 連結部
20、50 封緘部材
21、51 係止片(被保持部)
22、52 切欠部
23、53 摘み片
24、54 中央弱化部
25、55 両端弱化部
30 頂壁
31 側周壁
31a 大径部
32 筒壁
32a 抜け止め部
32b 下端部
33 凸部
34 係合凹部
35、65 把手部
35a、65a 把手凹部(保持部)
36、66 凹所
37、67 爪部
38 庇部
40 栓体基部
41 密封リング
41a 先端部
42 周縁突出部
43 中央突出部
44 上方空隙
56 切欠き溝
68 指掛け部
Claims (6)
- 容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して取り付けられる蓋体とからなるヒンジキャップであって、
キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部のヒンジと反対側の外周上端に円弧状に立設される封緘部材とを備え、
蓋体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設される側周壁と、側周壁に設けられる保持部と、保持部周辺の側周壁外周に形成される凹所と、凹所に設けられる爪部とを備え、
封緘部材は、装着部外周上端と接続される弱化部と、閉蓋時に爪部と係止される切欠部と、蓋体の保持部に保持される被保持部とを有することを特徴とするヒンジキャップ。 - 装着部は、蓋体と係合する蓋係合部と、蓋係合部の内周縁から垂設される内筒と、蓋係合部の外周縁から垂設される外周壁部とを備え、
封緘部材は、両端部のうち少なくとも一方に摘み片を有し、外周壁部の上端に外周に沿って設けられることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。 - 保持部は、蓋体の側周壁に設けられる把手部の下面に形成される把手凹部であり、
被保持部は、封緘部材の上端に形成され、閉蓋時に把手凹部に嵌入する係止片であることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。 - 蓋体は、凹所の周囲に側周壁外周よりも外方へ突出する庇部を有し、
封緘部材は、閉蓋時に蓋体の庇部により包囲される凹所に収容されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。 - 蓋体は、側周壁に設けられる把手部の少なくとも片側および下方に形成される凹所を有し、
封緘部材は、閉蓋時に蓋体の凹所に収容され、摘み片が把手部の側方から上方に延びることを特徴とする請求項3に記載のヒンジキャップ。 - 封緘部材は、摘み片と隣接する係止片との間に屈曲可能な縦方向の切欠き溝を設けることを特徴とする請求項5記載のヒンジキャップ。
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