JP2017065642A - 非空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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明彦 阿部
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Abstract

【課題】成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材を成形する部分及び複数の連結部材を成形する部分に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高められること。
【解決手段】リング部材14及び複数の連結部材15は、合成樹脂材料で一体に形成されており、射出ゲート痕20が、リング部材14のうち、タイヤ周方向に隣り合う連結部材15との接続部分30同士の間に位置する部分に配置され、射出ゲート痕20は、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられ、射出ゲート痕20の数が、連結部材15の数の約数とされ、かつ、連結部材15の数よりも少ないことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、使用に際し、内部に加圧空気の充填が不要な非空気入りタイヤ、及びその製造方法に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような非空気入りタイヤが知られている。
非空気入りタイヤは、車軸に取り付けられる取り付け体と、前記取り付け体に外装される内筒体、及び、前記内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を変位自在に連結する連結部材と、外筒体に外装された円筒状のトレッド部材と、を備えている。
下記特許文献1の非空気入りタイヤは、リング部材及び複数の連結部材が、射出成形により合成樹脂材料で一体に形成されている。また、射出成形時に溶融樹脂が射出されるゲートの痕(射出ゲート痕)が、内筒体の内周面においてタイヤ径方向の内側に向けて突設された突条部に配置されている。製造した非空気入りタイヤにおいて、射出ゲート痕は、リング部材及び複数の連結部材における該射出ゲート痕以外の部位に比べて白濁しており、かつ円形状を呈しているため視認(判別)可能である。
特開2013−86712号公報
しかしながら、従来の非空気入りタイヤでは、成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材を成形する部分及び複数の連結部材を成形する部分に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高めることに改善の余地があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材を成形する部分及び複数の連結部材を成形する部分に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高められる非空気入りタイヤ、及びその製造方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、車軸に取り付けられる取り付け体に外装される内筒体、及び、前記内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤであって、前記リング部材及び複数の前記連結部材は、合成樹脂材料で一体に形成されており、射出ゲート痕が、前記リング部材のうち、タイヤ周方向に隣り合う前記連結部材との接続部分同士の間に位置する部分に配置され、前記射出ゲート痕は、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられ、前記射出ゲート痕の数が、前記連結部材の数の約数とされ、かつ、前記連結部材の数よりも少ないことを特徴とする。
また本発明は、車軸に取り付けられる取り付け体に外装される内筒体、及び、前記内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤを、キャビティ内にゲートを通して溶融樹脂を射出して成形する非空気入りタイヤの製造方法であって、前記キャビティは、前記リング部材が成形されるリング部材成形部と、前記連結部材が成形される複数の連結部材成形部と、を備え、前記ゲートの数を、前記連結部材成形部の数の約数とし、かつ、前記連結部材成形部の数よりも少なくし、前記ゲートを、前記リング部材成形部のうち、タイヤ周方向に隣り合う前記連結部材成形部との接続部分同士の間に位置する部分に配置し、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けた前記ゲートから、溶融樹脂を射出することを特徴とする。
本発明の非空気入りタイヤ及びその製造方法によれば、射出ゲート痕が、リング部材のうち、タイヤ周方向に隣り合う連結部材との接続部分同士の間に位置する部分に配置されている。このため、射出成形時において、成形金型のゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、まずキャビティのうち、リング部材を成形する部分(以下、リング部材成形部)を流動し、その後、複数の連結部材を成形する部分(以下、連結部材成形部)に均等に分散させられつつ流動する。つまり、キャビティ内に射出された溶融樹脂を、リング部材成形部から連結部材成形部へ向けて抵抗少なく流動させることが可能になる。
これにより、溶融樹脂が、ゲートからキャビティ内に射出されリング部材成形部及び複数の連結部材成形部の全体に充満するまでに受ける流動抵抗を抑制することができる。従って、リング部材及び複数の連結部材を高効率かつ高精度に形成できる。
具体的に、例えば本発明とは異なり、射出ゲート痕が、リング部材のうち、タイヤ周方向に沿う連結部材との接続部分と同一位置に配置されていると、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂が、リング部材成形部を十分に流動しないうちにゲートの近くにある連結部材成形部に偏って流入し、他の連結部材成形部に流入しにくくなるおそれがあり、キャビティ内の全域にわたって溶融樹脂を流動させにくい。
一方、本発明によれば、このような不具合を抑制できる。
また、射出ゲート痕がタイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられ、かつ、射出ゲート痕の数が連結部材の数の約数とされているので、射出成形時に1つのゲートを通してキャビティ内に流入する溶融樹脂の容量を、各ゲートで均等に担わせることができる。つまり、1つのゲートから溶融樹脂が供給される連結部材成形部の数が、各ゲート同士で互いに同数とされていることから、溶融樹脂の流動をキャビティ内の全域にわたって偏りのない均一なものとすることができ、部品精度が向上する。また、リング部材成形部及び複数の連結部材成形部の全体に溶融樹脂が充満するまでにかかる時間(充填時間)を最小に抑えることができ、生産性が向上する。
具体的に、例えば本発明とは異なり、1つのゲートから溶融樹脂が供給される連結部材成形部の数が、各ゲート同士で互いに異なった数とされていると、溶融樹脂の流動がキャビティ内において偏って不均一なものとなり、部品精度を確保することが難しい。また、1つのゲートを通してキャビティ内に流入する溶融樹脂の容量が、各ゲート同士で不均等にされていると、容量が最も多いゲートに対応して全体としての充填時間も延びるので、生産性に影響する。
一方、本発明によれば、このような不具合を抑制できる。
そして、射出ゲート痕の数が、連結部材の数よりも少なくされているので、ゲートの数を少なく抑えて射出成形の設備を簡素化できる。
以上より本発明によれば、成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材成形部及び複数の連結部材成形部に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高めることができる。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記リング部材の厚さが、前記連結部材の厚さよりも厚いことが好ましい。
また、本発明の非空気入りタイヤの製造方法において、前記リング部材成形部の厚さを、前記連結部材成形部の厚さよりも厚くすることが好ましい。
この場合、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂が、厚さの厚い(溶融樹脂が充填される隙間(空間)の幅が大きい)リング部材成形部を流動し、このリング部材成形部から、厚さの薄い(溶融樹脂が充填される隙間の幅が小さい)複数の連結部材成形部に均等に分散させられて流動する。つまり、リング部材成形部から複数の連結部材成形部へ流動する溶融樹脂の容量が、該リング部材成形部において十分に確保されるので、上述した作用効果がより格別顕著なものとなる。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記射出ゲート痕が、前記リング部材におけるタイヤ幅方向の中央部に配置されることが好ましい。
また、本発明の非空気入りタイヤの製造方法において、前記ゲートを、前記リング部材成形部におけるタイヤ幅方向の中央部に配置することが好ましい。
この場合、射出成形時においてゲートからリング部材成形部に流入した溶融樹脂が、タイヤ幅方向の両側に向けて均等に流動するので、上述した作用効果がより格別顕著なものとなる。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記射出ゲート痕が、前記内筒体に配置されることが好ましい。
また、本発明の非空気入りタイヤの製造方法において、前記ゲートを、前記内筒体が成形される内筒体成形部に配置することが好ましい。
この場合、射出成形の設備の大型化を防ぐことができ、設備をより簡素化できる。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記内筒体の内周面には、タイヤ径方向の内側へ向けて突出するとともに、前記取り付け体の外周面に形成された溝部に嵌合する突条部が形成され、前記射出ゲート痕は、前記リング部材のうち前記突条部以外の部分に配置されていることが好ましい。
また、本発明の非空気入りタイヤの製造方法において、前記内筒体の内周面には、タイヤ径方向の内側へ向けて突出するとともに、前記取り付け体の外周面に形成された溝部に嵌合する突条部が形成され、前記リング部材成形部のうち、前記突条部が成形される突条部成形部を回避した位置に配置した前記ゲートから、溶融樹脂を射出することが好ましい。
この場合、非空気入りタイヤにおいて、取り付け体の溝部と、内筒体の突条部とが、互いに嵌合し係止されることで、取り付け体と内筒体とのタイヤ周方向への相対回転が規制される。そして、射出ゲート痕が、リング部材のうち突条部以外の部分に配置されているので、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、リング部材成形部から連結部材成形部へ流動し、又は、リング部材成形部から突条部を成形する部分(以下、突条部成形部)へと流動する。つまり溶融樹脂は、リング部材成形部から他の部位(連結部材成形部又は突条部成形部)へ向けて、形状が大きく変化する箇所を1箇所のみ通過すれば足り、流動が安定する。
具体的に、例えば上記構成とは異なり、射出ゲート痕が、内筒体の突条部に配置されていると、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、突条部成形部からリング部材成形部へ流動し、さらに該リング部材成形部から連結部材成形部へと流動することになる。つまり溶融樹脂は、突条部成形部から他の部位(リング部材成形部及び連結部材成形部)へ向けて、形状が大きく変化する箇所を2箇所通過することになるため、流動が不安定になるおそれがある。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記突条部の数が、前記射出ゲート痕の数の約数とされていることが好ましい。
この場合、突条部の数が、射出ゲート痕の数の約数であるため、射出成形時において1つのゲートを通して突条部成形部に流入する溶融樹脂の容量を、すべてのゲートにおいて均等にすることができる。従って、突条部の精度を高めつつ、生産性を向上できる。また、突条部の数を、射出ゲート痕の数よりも少なくすることができるので、その分、リング部材及び連結部材の部品精度への影響を少なく抑えることができ、かつ、射出成形の設備をより簡素化できる。
また、本発明の非空気入りタイヤにおいて、前記連結部材の数を前記射出ゲート痕の数で割った値が、2〜8であることが好ましい。
この場合、射出成形時に1つのゲートを通して溶融樹脂が流入する連結部材成形部の数が、2〜8個であるので、射出成形の設備を簡素化しつつ、部品精度を高められる。
すなわち、連結部材の数を射出ゲート痕の数で割った値が、2以上であるので、射出ゲート痕の数を連結部材の数の半分以下として、ゲートの数を少なく抑えることができ、射出成形の設備を簡素化することができる。
また、連結部材の数を射出ゲート痕の数で割った値が、8以下であるので、1つのゲートを通して溶融樹脂が流入する連結部材成形部の数を少なく抑えて、溶融樹脂を抵抗少なく流動させることができ、部品精度を高めることができる。
本発明の非空気入りタイヤ及びその製造方法によれば、成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材を成形する部分及び複数の連結部材を成形する部分に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る非空気入りタイヤをタイヤ幅方向の一方側から見たタイヤ側面図である。 図1に示す非空気入りタイヤのうち、リング部材及び複数の連結部材をタイヤ幅方向の一方側から見たタイヤ側面図である。 リング部材及び複数の連結部材の要部を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の非空気入りタイヤ1は、図示しない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11に外装される内筒体12、及び、内筒体12をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体13を備えるリング部材14と、内筒体12と外筒体13との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体12、13同士を相対的に弾性変位自在に連結する連結部材15と、外筒体13に外装された円筒状のトレッド部材16と、を備えている。
なお、本実施形態の非空気入りタイヤ1は、例えばJIS T 9208に規定されるハンドル形電動車いす等、低速度で走行する小型車両等に採用してもよい。また、非空気入りタイヤ1のサイズとしては、特に限定されるものではないが、例えば3.00−8等としてもよい。また、非空気入りタイヤ1を乗用車用に採用してもよい。この場合のサイズとしては、特に限定されるものではないが、例えば155/65R13等としてもよい。
上述した取り付け体11、内筒体12、外筒体13及びトレッド部材16は、それぞれ共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を軸線Oといい、軸線Oに沿う方向をタイヤ幅方向H(図3参照)、軸線Oに直交する方向をタイヤ径方向、軸線O回りに周回する方向をタイヤ周方向という。なお、取り付け体11、内筒体12、外筒体13及びトレッド部材16は、タイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致した状態で配設されている。
図1において、取り付け体11は、車軸の先端部が装着される装着筒部17と、装着筒部17をタイヤ径方向の外側から囲繞する外リング部18と、装着筒部17と外リング部18とを連結する複数のリブ19と、を備えている。
装着筒部17、外リング部18及びリブ19は、例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成されている。装着筒部17及び外リング部18は、それぞれ円筒状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。複数のリブ19は、例えばタイヤ周方向に同等の間隔をあけて配置されている。
外リング部18の外周面には、タイヤ径方向の内側に向けて窪み、かつタイヤ幅方向Hに延びるキー溝部(溝部)18aがタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、図1では、これらキー溝部18aのうち1つのみを図示しており、それ以外のものについては図示を省略している。キー溝部18aは、外リング部18の外周面において、タイヤ幅方向Hの一方側(車体の外側)にのみ開口し、タイヤ幅方向Hの他方側(車体の内側)は閉じている。
特に図示していないが、外リング部18において、タイヤ周方向で隣り合うキー溝部18a同士の間に位置する部分には、外リング部18をタイヤ径方向に貫通する肉抜き孔がタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数形成されていてもよい。また、これら複数の肉抜き孔で構成される孔列が、タイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されていてもよい。同様に各リブ19には、リブ19をタイヤ幅方向Hに貫通する肉抜き孔が形成されていてもよい。このような肉抜き孔が形成されることで、取り付け体11の強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
外リング部18におけるタイヤ幅方向Hの一方側の端縁には、キー溝部18aと対応する位置に、貫通孔が形成された板材28が嵌め込まれる凹部18dが形成されている。凹部18dは、タイヤ幅方向Hの他方側に向けて窪んでいる。また、凹部18dを画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの一方側を向く壁面には、凹部18dに嵌め込まれた板材28の貫通孔に連通する雌ねじ部が形成されている。
なお、前記貫通孔は、タイヤ周方向に間隔をあけて板材28に複数形成されている。同様に、前記雌ねじ部は、タイヤ周方向に間隔をあけて凹部18dの壁面に複数形成されている。そして、ボルト(ねじ部材)29の雄ねじ部が、前記貫通孔に挿通されて前記雌ねじ部に螺合している。図示の例では、板材28の貫通孔及び凹部18dの雌ねじ部が、それぞれ2つずつ設けられている場合を例にしているが、2つに限定されるものではない。
取り付け体11には、リング部材14のうち内筒体12が外嵌されている。内筒体12は、円筒状をなしている。図1〜図3に示されるように、内筒体12の内周面には、タイヤ径方向の内側に向けて突出するとともに、タイヤ幅方向Hの全長にわたって延びる突条部12aが形成されている。突条部12aは、内筒体12の内周面にタイヤ周方向に等間隔をあけて複数形成され、取り付け体11の外周面に形成されたキー溝部18aに対して各別に嵌合している。
図2に示されるように、本実施形態では突条部12aの数が、後述する射出ゲート痕20の数の約数とされている。好ましくは、突条部12aの数は、射出ゲート痕20の数よりも少なくされる。具体的に、本実施形態の例では、射出ゲート痕20の数が20個とされ、これに応じて突条部12aの数が、10個(20の約数)とされている。なお、本明細書でいう「約数」とは、当然に正の整数であり、以下同様である。
図1において内筒体12は、突条部12aがキー溝部18aに嵌合された状態で、凹部18dに嵌め込んだ板材28の貫通孔を通してボルト29を雌ねじ部に螺合させることにより、取り付け体11に固定されている。この状態において、突条部12aは、板材28と、キー溝部18aを画成する壁面のうち、タイヤ幅方向Hの他端に位置して一方側を向く他端壁面と、によりタイヤ幅方向Hに挟み込まれている。
なお、キー溝部18aを画成する壁面のうち、タイヤ周方向で互いに対向する一対の側壁面と、タイヤ径方向の外側を向く底壁面とは、直交するように形成されている。また、突条部12aの外表面のうち、内筒体12の内周面から立ち上がる一対の側壁面と、タイヤ径方向の内側を向く頂壁面とについても、同様に直交するように形成されている。そして、突条部12a及びキー溝部18aのタイヤ周方向の大きさは、互いに同等とされている。このような構成により、突条部12aはキー溝部18a内にがたつき少なく精度よく嵌合されている。
リング部材14のうち外筒体13は、内筒体12よりも大径の円筒状をなしており、内筒体12からタイヤ径方向の外側に離間して配置されているとともに、該内筒体12をタイヤ周方向の全域にわたって、タイヤ径方向の外側から囲んでいる。特に図示していないが、外筒体13は、内筒体12よりもタイヤ幅方向Hの大きさ、つまり幅が大きくなっている。なお、図示の例では、外筒体13のタイヤ幅方向Hの大きさが、内筒体12のタイヤ幅方向Hの大きさと同等とされている。
図2及び図3に示されるように、本実施形態では、内筒体12のタイヤ径方向の厚さTaと、外筒体13のタイヤ径方向の厚さTbとが、互いに略同等とされている。より詳しくは、内筒体12の厚さTaに比べて、外筒体13の厚さTbが僅かに大きい。また、内筒体12の厚さTa及び外筒体13の厚さTbのうち、いずれかであるリング部材14の厚さTが、後述する連結部材15の厚さtよりも厚くされている。本実施形態の例では、後述する射出ゲート痕20が形成される内筒体12の厚さTaが、連結部材15の厚さtよりも厚くされている。
ここで、本明細書でいう「厚さ」(厚み)とは、具体的には下記の通りである。
内筒体12の厚さTaとは、内筒体12のうち突条部12a以外の部位(突条部12aを除いた部分)における平均厚さ(平均厚み)を指す。なお、特に図示していないが、内筒体12に、該内筒体12を厚さTa方向に貫通する孔(肉抜き孔等)や凹部(意図的に形成した穴等)などが設けられる場合には、内筒体12の厚さTaとは、内筒体12のうち、突条部12a、孔及び凹部等を除いた部分における平均厚さを指す。
外筒体13の厚さTbとは、上記内筒体12と同様に、外筒体13のうち、意図的に設けた凸部(突条部等)、孔及び凹部等を除いた部分における平均厚さを指す。
連結部材15の厚さtとは、連結部材15のうち、最も厚さが小さい部分における厚さを指す。
図1〜図3において、連結部材15は、リング部材14における内筒体12の外周面と、外筒体13の内周面とを、相対的に弾性変位自在に連結している。図示の例では連結部材15は、弾性変形可能な板材からなり、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられている。本実施形態の例では、連結部材15の数が、40個とされている。
複数の連結部材15は、内筒体12と外筒体13との間において、軸線Oを基準に回転対称となる位置に各別に配置されている。そして、タイヤ周方向で隣り合う連結部材15同士は、互いに非接触とされている。また、複数の連結部材15は、タイヤ幅方向Hに沿う幅、該連結部材15の延在方向に垂直な断面の厚さt、及び、前記延在方向の長さが、互いに同等とされている。
連結部材15のうち、外筒体13に連結された一端部(外端部)は、内筒体12に連結された他端部(内端部)よりも、タイヤ周方向の一方側(図2に示される例では、軸線Oを中心とした時計回り方向)に位置している。つまり、連結部材15は、外筒体13に連結する一端部から、タイヤ径方向の内側へ向かうに従い漸次タイヤ周方向の他方側(図2における軸線Oを中心とした反時計回り方向)へ向けて延びていて、他端部が内筒体12に連結する。
連結部材15のうち、前記一端部と前記他端部との間に位置する中間部分には、タイヤ周方向に湾曲する湾曲部が形成されている。図示の例では、湾曲部が、タイヤ周方向の他方側へ向けて凸となるように湾曲している。
内筒体12、外筒体13及び複数の連結部材15は、射出成形により合成樹脂材料で一体に形成されている。つまり、リング部材14及び複数の連結部材15は、射出成形により形成された一体物である。なお、射出成形としては、内筒体12、外筒体13及び複数の連結部材15の全体を同時に成形する方法であってもよいし、或いは、リング部材14のうち、成形金型のゲートとは反対側に位置する外筒体13の一部又は全部をインサート品とし、内筒体12及び複数の連結部材15を含む残部を射出成形するインサート成形であってもよい。
また、合成樹脂材料としては、例えば1種だけの樹脂材料、2種類以上の樹脂材料を含む混合物、又は1種以上の樹脂材料と1種以上のエラストマーとを含む混合物であってもよく、さらに、例えば老化防止剤、可塑剤、充填剤、若しくは顔料等の添加物を含んでもよい。合成樹脂材料は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
図2及び図3に示されるように、射出成形時に溶融した合成樹脂材料(以下、溶融樹脂)が射出されるゲートの痕である射出ゲート痕20が、リング部材14のうち、内筒体12の内周面に形成されている。射出ゲート痕20は、リング部材14及び複数の連結部材15における該射出ゲート痕20以外の部位に比べて白濁しており、かつ円形状を呈しているため、視認(判別)可能である。
そして、射出ゲート痕20は、リング部材14のうち、タイヤ周方向に隣り合う連結部材15との接続部分30同士の間に位置する部分に配置されている。本実施形態の例では、射出ゲート痕20が、リング部材14における内筒体12に配置されており、詳しくは、この内筒体12の内周面のうち、タイヤ周方向に隣り合う接続部分30同士の間に位置する部分に配置されている。言い換えると、射出ゲート痕20は、内筒体12の内周面のうち、接続部分30以外の部分に配置されている。
本実施形態の例では、射出ゲート痕20が、タイヤ周方向に隣り合う接続部分30同士の間に位置する部分のうち、タイヤ周方向の中央部に配置されている。つまり、タイヤ周方向に隣り合う一対の接続部分30からタイヤ周方向に沿って等しい距離となる位置に、射出ゲート痕20が配置されている。ただしこれに限られるものではなく、射出ゲート痕20は、タイヤ周方向に隣り合う接続部分30同士の間に位置する部分に配置されていればよく、該接続部分30同士の間に位置する部分のうち、タイヤ周方向の中央部に配置されていなくてもよい(タイヤ周方向の中央部以外の部分に配置されていてもよい)。
また、射出ゲート痕20は、リング部材14の内筒体12の内周面のうち、突条部12a以外の部分に配置されている。より詳しくは、射出ゲート痕20は、内筒体12の内周面のうち、タイヤ周方向に隣り合う突条部12a同士の間に位置する部分で、かつ、接続部分30同士の間に位置する部分に、配置されている。
本実施形態の例では、射出ゲート痕20が、リング部材14の内筒体12の内周面のうち、タイヤ幅方向Hの中央部に配置されている。ただしこれに限られるものではなく、射出ゲート痕20は、内筒体12の内周面において、タイヤ幅方向Hの中央部に配置されていなくてもよい(タイヤ幅方向Hの中央部以外の部分に配置されていてもよい)。
射出ゲート痕20は、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられている。また、射出ゲート痕20の数は、連結部材15の数の約数とされ、かつ、連結部材15の数よりも少なくされている。上述したように本実施形態の例では、連結部材15の数が40個とされており、これに応じて射出ゲート痕20の数が、20個(40の約数)とされている。
また、連結部材15の数を射出ゲート痕20の数で割った値が、2〜8である。本実施形態の例では、連結部材15の数(40個)を射出ゲート痕20の数(20個)で割った値が2であり、つまり射出成形時において、成形金型の1つのゲートを通して溶融樹脂が供給される、連結部材15を成形する部分(連結部材成形部)の数が、2つとなっている。
図1に示されるように、トレッド部材16は、円筒状に形成され、外筒体13の外周面側を全域にわたって一体に覆っている。トレッド部材16は、例えば、天然ゴム又は/及びゴム組成物が加硫された加硫ゴム、或いは熱可塑性材料等で形成されている。
熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。なお、耐摩耗性の観点ではトレッド部材16を加硫ゴムで形成するのが好ましい。
次に、本実施形態で説明した非空気入りタイヤ1を、キャビティ内にゲートを通して溶融樹脂を射出して成形する、非空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。詳しくは、この非空気入りタイヤ1のうち、リング部材14及び連結部材15を射出成形するのに用いる成形金型、及びこれを用いた射出成形方法について、以下に述べる。
特に図示していないが、成形金型のキャビティは、リング部材14が成形されるリング部材成形部と、連結部材15が成形される複数の連結部材成形部と、を備えている。また、前記リング部材成形部は、内筒体12が成形される内筒体成形部と、外筒体13が成形される外筒体成形部と、を備える。前記連結部材成形部は、タイヤ周方向に等間隔をあけて配列する。
前記内筒体成形部には、突条部12aが成形される突条部成形部が設けられる。前記突条部成形部は、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられる。本実施形態の例では、前記突条部成形部の数が、ゲートの数の約数とされ、かつ、ゲートの数よりも少なくされている。具体的には、前記突条部成形部の数が10とされ、ゲートの数が20とされる。
前記リング部材成形部の厚さ(溶融樹脂が充填される隙間(空間)の幅。以下同様)は、前記連結部材成形部の厚さよりも厚くされる。本実施形態の例では、成形金型のゲートが、前記リング部材成形部のうち前記内筒体成形部に配置されており、ゲートが開口する前記内筒体成形部の厚さ(図3の厚さTaに相当)が、連結部材成形部の厚さ(図3の厚さtに相当)よりも厚くされている。
成形金型のゲートは、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられる。ゲートの数は、前記連結部材成形部の数の約数とされ、かつ、前記連結部材成形部の数よりも少なくされる。本実施形態の例では、ゲートの数が20とされ、連結部材成形部の数が40とされている。
ゲートは、前記リング部材成形部のうち、タイヤ周方向に隣り合う前記連結部材成形部との接続部分同士の間に位置する部分に配置される。本実施形態の例では、ゲートが、キャビティ内の前記内筒体成形部のうち、該内筒体成形部と前記連結部材成形部との接続部分同士の間に位置する部分に開口している。
ゲートは、前記リング部材成形部の前記内筒体成形部におけるタイヤ幅方向Hの中央部に配置される。また、ゲートは、前記内筒体成形部のうち、前記突条部成形部を回避した位置に配置される。
そして、複数のゲートから同時にキャビティ内へと溶融樹脂を射出し、該キャビティ内に溶融樹脂を流動させて充満させる。キャビティ内に充満した溶融樹脂が硬化されることにより、リング部材14及び連結部材15が一体に形成される。
以上説明した本実施形態の非空気入りタイヤ1及びその製造方法によれば、射出ゲート痕20が、リング部材14のうち、タイヤ周方向に隣り合う連結部材15との接続部分30同士の間に位置する部分に配置されている。このため、射出成形時において、成形金型のゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、まずキャビティのうち、リング部材14を成形する部分(以下、リング部材成形部)を流動し、その後、複数の連結部材15を成形する部分(以下、連結部材成形部)に均等に分散させられつつ流動する。つまり、キャビティ内に射出された溶融樹脂を、リング部材成形部から連結部材成形部へ向けて抵抗少なく流動させることが可能になる。
これにより、溶融樹脂が、ゲートからキャビティ内に射出されリング部材成形部及び複数の連結部材成形部の全体に充満するまでに受ける流動抵抗を抑制することができる。従って、リング部材14及び複数の連結部材15を高効率かつ高精度に形成できる。
具体的に、例えば本実施形態とは異なり、射出ゲート痕20が、リング部材14のうち、タイヤ周方向に沿う連結部材15との接続部分30と同一位置に配置されていると、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂が、リング部材成形部を十分に流動しないうちにゲートの近くにある連結部材成形部に偏って流入し、他の連結部材成形部に流入しにくくなるおそれがあり、キャビティ内の全域にわたって溶融樹脂を流動させにくい。
一方、本実施形態によれば、このような不具合を抑制できる。
また、射出ゲート痕20がタイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられ、かつ、射出ゲート痕20の数が連結部材15の数の約数とされているので、射出成形時に1つのゲートを通してキャビティ内に流入する溶融樹脂の容量を、各ゲートで均等に担わせることができる。つまり、1つのゲートから溶融樹脂が供給される連結部材成形部の数が、各ゲート同士で互いに同数とされていることから、溶融樹脂の流動をキャビティ内の全域にわたって偏りのない均一なものとすることができ、部品精度が向上する。また、リング部材成形部及び複数の連結部材成形部の全体に溶融樹脂が充満するまでにかかる時間(充填時間)を最小に抑えることができ、生産性が向上する。
具体的に、例えば本実施形態とは異なり、1つのゲートから溶融樹脂が供給される連結部材成形部の数が、各ゲート同士で互いに異なった数とされていると、溶融樹脂の流動がキャビティ内において偏って不均一なものとなり、部品精度を確保することが難しい。また、1つのゲートを通してキャビティ内に流入する溶融樹脂の容量が、各ゲート同士で不均等にされていると、容量が最も多いゲートに対応して全体としての充填時間も延びるので、生産性に影響する。
一方、本実施形態によれば、このような不具合を抑制できる。
そして、射出ゲート痕20の数が、連結部材15の数よりも少なくされているので、ゲートの数を少なく抑えて射出成形の設備を簡素化できる。
以上より本実施形態によれば、成形金型のゲート数を少なく抑えつつ、キャビティ内におけるリング部材成形部及び複数の連結部材成形部に、溶融樹脂を効率よく均等に流動させて、生産性及び部品精度を高めることができる。
また本実施形態では、リング部材14の厚さTが、連結部材15の厚さtよりも厚くされており、詳しくは、リング部材14のうち射出ゲート痕20が配置される内筒体12の厚さTaが、連結部材15の厚さtよりも厚くされているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂が、厚さの厚い(溶融樹脂が充填される隙間の幅が大きい)リング部材成形部(の内筒体成形部)を流動し、このリング部材成形部から、厚さの薄い(溶融樹脂が充填される隙間の幅が小さい)複数の連結部材成形部に均等に分散させられて流動する。つまり、リング部材成形部から複数の連結部材成形部へ流動する溶融樹脂の容量が、該リング部材成形部において十分に確保されるので、上述した作用効果がより格別顕著なものとなる。
また本実施形態では、射出ゲート痕20が、リング部材14におけるタイヤ幅方向Hの中央部に配置されており、詳しくは、リング部材14のうち内筒体12のタイヤ幅方向Hの中央部に配置されるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、射出成形時においてゲートからリング部材成形部(の内筒体成形部)に流入した溶融樹脂が、タイヤ幅方向Hの両側に向けて均等に流動するので、上述した作用効果がより格別顕著なものとなる。
また本実施形態では、射出ゲート痕20が、内筒体12に配置されるので、射出成形の設備の大型化を防ぐことができ、設備をより簡素化できる。
具体的に本発明は、射出ゲート痕20が、リング部材14のうち外筒体13(の例えば外周面)に配置される場合をも包含しているが、成形金型のゲートを、キャビティ内の外筒体13を成形する部分(外筒体成形部)に配置した場合には、設備が大型化しやすくなる可能性がある。そのため、本実施形態のように、成形金型のゲートがキャビティ内の内筒体成形部に配置されていると、設備の簡素化を容易に図れることから、好ましい。
また本実施形態では、内筒体12の内周面には、タイヤ径方向の内側へ向けて突出するとともに、取り付け体11の外周面に形成されたキー溝部18aに嵌合する突条部12aが形成され、射出ゲート痕20が、リング部材14の内筒体12のうち突条部12a以外の部分に配置されているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、非空気入りタイヤ1において、取り付け体11のキー溝部18aと、内筒体12の突条部12aとが、互いに嵌合し係止されることで、取り付け体11と内筒体12とのタイヤ周方向への相対回転が規制される。そして、射出ゲート痕20が、リング部材14の内筒体12のうち突条部12a以外の部分に配置されているので、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、リング部材成形部の内筒体成形部から連結部材成形部へ流動し、又は、リング部材成形部の内筒体成形部から突条部を成形する部分(以下、突条部成形部)へと流動する。つまり溶融樹脂は、リング部材成形部の内筒体成形部から他の部位(連結部材成形部又は突条部成形部)へ向けて、形状が大きく変化する箇所を1箇所のみ通過すれば足り、流動が安定する。
具体的に、例えば上記構成とは異なり、射出ゲート痕20が、内筒体12の突条部12aに配置されていると、射出成形時においてゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂は、突条部成形部からリング部材成形部の内筒体成形部へ流動し、さらに該内筒体成形部から連結部材成形部へと流動することになる。つまり溶融樹脂は、突条部成形部から他の部位(内筒体成形部及び連結部材成形部)へ向けて、形状が大きく変化する箇所を2箇所通過することになるため、流動が不安定になるおそれがある。
また本実施形態では、突条部12aの数が、射出ゲート痕20の数の約数とされているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、突条部12aの数が、射出ゲート痕20の数の約数であるため、射出成形時において1つのゲートを通して突条部成形部に流入する溶融樹脂の容量を、すべてのゲートにおいて均等にすることができる。従って、突条部12aの精度を高めつつ、生産性を向上できる。また、突条部12aの数を、射出ゲート痕20の数よりも少なくすることができるので、その分、リング部材14及び連結部材15の部品精度への影響を少なく抑えることができ、かつ、射出成形の設備をより簡素化できる。
また本実施形態では、連結部材15の数を射出ゲート痕20の数で割った値が、2〜8であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、射出成形時に1つのゲートを通して溶融樹脂が流入する連結部材成形部の数が、2〜8個であるので、射出成形の設備を簡素化しつつ、部品精度を高められる。
詳しくは、連結部材15の数を射出ゲート痕20の数で割った値が、2以上であるので、射出ゲート痕20の数を連結部材15の数の半分以下として、ゲートの数を少なく抑えることができ、射出成形の設備を簡素化することができる。
また、連結部材15の数を射出ゲート痕20の数で割った値が、8以下であるので、1つのゲートを通して溶融樹脂が流入する連結部材成形部の数を少なく抑えて、溶融樹脂を抵抗少なく流動させることができ、部品精度を高めることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、射出ゲート痕20が形成される内筒体12の厚さTaが、連結部材15の厚さtよりも厚くされているとしたが、射出ゲート痕が外筒体13に形成されていてもよく、この場合、外筒体13の厚さTbが、連結部材15の厚さtよりも厚くされる。なお、射出ゲート痕が外筒体13に形成される場合には、射出ゲート痕は、外筒体13の外周面のうち、タイヤ周方向に隣り合う連結部材15との接続部分同士の間に位置する部分に配置される。
また、前述の実施形態では、連結部材15の数が40個とされており、これに応じて射出ゲート痕20の数が、20個(40の約数)とされているとしたが、射出ゲート痕20の数は、連結部材15の数の約数(ただし射出ゲート痕20の数と同数を含まない)であればよく、20個に限定されない。また、射出ゲート痕20の数が20個とされており、これに応じて突条部12aの数が、10個(20の約数)とされているとしたが、突条部12aの数は、射出ゲート痕20の数の約数であればよく、10個に限定されない。
また、連結部材15の数についても、前述した40個に限定されるものではなく、例えば60個等であってもよい。連結部材15の数は、例えばタイヤ直径等に応じて適宜増減される。
また、前述の実施形態で説明した、リング部材14及び複数の連結部材15を射出成形により形成した一体物を、溶着等によってタイヤ幅方向Hに複数連結してもよい。この場合、タイヤ幅方向Hに隣り合う連結部材15同士で、タイヤ周方向に傾斜する向きを互いに異ならせてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1…非空気入りタイヤ
11…取り付け体
12…内筒体
12a…突条部
13…外筒体
14…リング部材
15…連結部材
18a…キー溝部(溝部)
20…射出ゲート痕
30…接続部分
H…タイヤ幅方向
T…リング部材の厚さ
Ta…内筒体の厚さ(リング部材の厚さ)
t…連結部材の厚さ

Claims (12)

  1. 車軸に取り付けられる取り付け体に外装される内筒体、及び、前記内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、
    前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤであって、
    前記リング部材及び複数の前記連結部材は、合成樹脂材料で一体に形成されており、射出ゲート痕が、前記リング部材のうち、タイヤ周方向に隣り合う前記連結部材との接続部分同士の間に位置する部分に配置され、
    前記射出ゲート痕は、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられ、
    前記射出ゲート痕の数が、前記連結部材の数の約数とされ、かつ、前記連結部材の数よりも少ないことを特徴とする非空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記リング部材の厚さが、前記連結部材の厚さよりも厚いことを特徴とする非空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記射出ゲート痕が、前記リング部材におけるタイヤ幅方向の中央部に配置されることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記射出ゲート痕が、前記内筒体に配置されることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記内筒体の内周面には、タイヤ径方向の内側へ向けて突出するとともに、前記取り付け体の外周面に形成された溝部に嵌合する突条部が形成され、
    前記射出ゲート痕は、前記リング部材のうち前記突条部以外の部分に配置されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  6. 請求項5に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記突条部の数が、前記射出ゲート痕の数の約数とされていることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の非空気入りタイヤであって、
    前記連結部材の数を前記射出ゲート痕の数で割った値が、2〜8であることを特徴とする非空気入りタイヤ。
  8. 車軸に取り付けられる取り付け体に外装される内筒体、及び、前記内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、
    前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤを、キャビティ内にゲートを通して溶融樹脂を射出して成形する非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記キャビティは、
    前記リング部材が成形されるリング部材成形部と、
    前記連結部材が成形される複数の連結部材成形部と、を備え、
    前記ゲートの数を、前記連結部材成形部の数の約数とし、かつ、前記連結部材成形部の数よりも少なくし、
    前記ゲートを、前記リング部材成形部のうち、タイヤ周方向に隣り合う前記連結部材成形部との接続部分同士の間に位置する部分に配置し、
    タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けた前記ゲートから、溶融樹脂を射出することを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
  9. 請求項8に記載の非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記リング部材成形部の厚さを、前記連結部材成形部の厚さよりも厚くすることを特徴する非空気入りタイヤの製造方法。
  10. 請求項8又は9に記載の非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ゲートを、前記リング部材成形部におけるタイヤ幅方向の中央部に配置することを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ゲートを、前記内筒体が成形される内筒体成形部に配置することを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記内筒体の内周面には、タイヤ径方向の内側へ向けて突出するとともに、前記取り付け体の外周面に形成された溝部に嵌合する突条部が形成され、
    前記リング部材成形部のうち、前記突条部が成形される突条部成形部を回避した位置に配置した前記ゲートから、溶融樹脂を射出することを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
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