JP2017063349A - 無線通信機、及び制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような高度道路交通システムのための通信方式やセキュリティについては、標準規格及びガイドラインが制定されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
リプレイ攻撃とは、下記非特許文献2に記載されているように、以前に送信された情報を再利用して送信し、路側通信機や車載通信機になりすまして、誤った情報を配信することでシステムに混乱を生じさせるといった攻撃のことである。
このため、例えば、送信側の装置における時刻に狂いが生じたり、時刻が再設定されることで、送信側の装置における時刻に変動が生じると、受信側の装置においては、受信したパケットがリプレイ攻撃目的か否かを正確に判定できないおそれが生じる。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である無線通信機は、パケットを送信する無線通信機であって、時刻を計時する計時部と、前記計時部が計時する時刻に基づいて生成される情報である、前記パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を、前記パケットに含めて送信する通信制御部と、を備え、前記計時部は、当該計時部が計時する前記時刻を再設定可能であり、前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、前記パケットの送信時刻以外を示す情報を前記送信時刻情報として前記パケットに含める。
これによって、リプレイ攻撃目的のパケットであるか否かを送信時刻情報に基づいて判定する他の通信機に対して、当該パケットを送信したとしても、当該他の通信機には再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が与えられず、他の通信機は少なくとも再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報によって前記パケットがリプレイ攻撃目的であると判定することはない。この結果、無線通信機において、再設定前後の時刻に大きな時刻差が生じたり、再設定後の時刻が再設定直前の時刻値よりも過去の時刻に再設定されることで、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が妥当性の低いものとなる可能性が生じたとしても、前記パケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報よりも過去の時刻値を示す可能性が生じ、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が妥当性の低いものとなる可能性が生じる。これに対して、通信制御部は、上記第1条件を満たすと、パケットの送信時刻以外を示す情報を送信時刻情報としてパケットに含め、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報がパケットに含められるのを防止するので、前記パケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
再設定前後の時刻値の時間差が所定値より大きい場合、再設定前後の時刻に大きな時刻差が生じ、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が妥当性の低いものとなる可能性が生じる。これに対して、通信制御部は、上記第1条件を満たすと、パケットの送信時刻以外を示す情報を送信時刻情報としてパケットに含め、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報がパケットに含められるのを防止するので、前記パケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この第2条件を満たす場合、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報よりも過去の時刻値を示すことはない。よって、パケットの送信時刻以外を示す情報に代えて再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報をパケットに含めたとしても、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報は、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して妥当性が低くなることがなく、このパケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、例えば、無線通信機がリセットされ再起動したときに計時部が計時する時刻に大きな誤差が生じたとしても、管理装置から再設定時刻情報を取得すれば、再設定時刻情報に基づいた時刻の再設定を計時部に行わせることができ、当該計時部の時刻精度が高められる。このため、再設定前の時刻と、その後に再設定時刻情報で再設定した時刻との間で大きな時刻差が生じる可能性が低くなる。この結果、パケットの送信時刻以外を示す情報に代えて、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報をパケットに含めたとしても、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報は、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して妥当性が低くなることがなく、このパケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、他の無線通信機の時刻を示す情報に基づいて再設定時刻情報を取得しこの再設定時刻情報に基づいた時刻の再設定を計時部に行わせれば、当該計時部の時刻精度をある程度高めることができる。このため、再設定前の時刻と、その後に他の無線通信機の時刻で再設定した時刻との間で大きな時刻差が生じる可能性が低くなる。この結果、パケットの送信時刻以外を示す情報に代えて、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報をパケットに含めたとしても、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報は、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して妥当性が低くなることがなく、このパケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、外部時刻情報を取得すれば、外部時刻情報が示す外部時刻に基づいて時刻の再設定を計時部に行わせることができ、当該計時部の時刻精度が高められる。このため、再設定前の時刻と、その後に外部時刻情報に基づいて再設定した時刻との間で大きな時刻差が生じる可能性が低くなる。この結果、パケットの送信時刻以外を示す情報に代えて、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報をパケットに含めたとしても、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報は、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して妥当性が低くなることがなく、このパケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、時刻の再設定を計時部に行わせるために必要な時刻に関する情報の提供を管理装置や、他の無線通信機に対して促すことができる。
前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、前記送信時刻情報の信頼性が低いことを示す情報を前記パケットに含める。
上記構成の制御装置によれば、パケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔1. 通信システムの構成について〕
図1は、実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機(移動通信機)3、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1に準拠する。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1および路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機3は、路側通信機2との間で無線通信(車路間通信)を行うとともに、キャリアセンス方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
また、路車間通信とは、路側通信機2と車載通信機3との間で行われる通信であり、路側通信機2が車載通信機3に向けて送信パケット(路車間通信情報)をブロードキャスト送信することによって行われる。
また、車車間通信とは、車載通信機3同士で行われる通信であり、キャリアセンス方式によって送信パケット(車車間通信情報)を送信することによって行われる。
路側通信機2は、図2に示すように、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信制御処理を行う通信処理装置25とを備えている。
通信処理装置25は、無線通信及び有線通信の通信制御処理を行う通信制御部23と、路側通信機2が各種処理に用いるための時刻を計時する計時部24とを備えており、路側通信機2に用いられる制御装置を構成している。
また、計時部24は、当該計時部24が計時する時刻を再設定するための時刻情報が与えられると、その時刻情報に基づいて時刻を再設定する機能を有している。計時部24は、例えば、ある時刻値を示す時刻情報が与えられると、与えられた時刻値を設定時刻値として再設定する。これにより、計時部24は、再設定した設定時刻値からの経過時間の計時を開始する。よって、計時部24が計時する時刻は、与えられた時刻情報が示す時刻値から計時される時刻となるように再設定される。
通信処理装置29は、路側通信機2の通信処理装置25と同様の構成であり、通信制御部(図省略)と、計時部(図省略)とを備えている。これにより、通信処理装置29は、車車間通信や路車間通信の通信制御処理を行う機能を有している。また、通信処理装置29は、記憶部(図省略)を備えており、車車間通信や、路車間通信のために必要な情報や、後述する各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
図3(a)に示すように、無線フレーム(スーパーフレーム)は、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。また、無線フレームは、時間軸方向に並べて配置されている。つまり、無線フレームは、1秒間に10フレーム配置される。
無線フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示せず)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(One Pulse Per Second)信号(1秒周期の信号)に基づいて設定される。
タイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられる通信用のタイムスロット(路側機通信期間)であり、タイムスロット30のいずれかに送信期間が割り当てられている路側通信機2は、その割り当てられているタイムスロット30内に、当該路側通信機2が無線送信する送信期間を設定する。タイムスロット30は、一つの無線フレーム(100ms)内に最大16個まで設定可能である。
各路側通信機2は、割り当てられたタイムスロット30で定まる送信期間で無線送信を行う。
路側通信機2のアプリケーションが生成する送信データには、本システムが車載通信機3に対して提供される安全運転支援等の情報(サービスデータ)が含まれている。
上述のように、路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間が、車載通信機3によるキャリアセンス方式の無線送信用として割り当てられる。つまり、全てのタイムスロット30が路側通信機2に割り当てられている図3(c)の場合、各タイムスロット30に対応する期間が送信禁止期間となっている。
車載通信機3は、これら送信禁止期間以外の期間において、キャリアセンス方式で無線送信を行う。
図4は、路側通信機2が送信する送信パケットの一例を示す図である。
この送信パケットは、路側通信機2が路路間通信又は路車間通信によって他の路側通信機2又は車載通信機3に各種情報を格納して送信するためのものである。
送信パケットは、路側通信機2(の通信処理装置25)にインストールされているアプリケーションが生成した送信データをパケット化することによって生成される。送信パケットは、通信制御部23によって生成される。
路車間通信に用いる送信パケットの場合、データ領域には、車載通信機3に向けたサービスに関する情報が格納される。
また、路路間通信に用いる送信パケットの場合、データ領域には、路路間通信において共有されるサービスに関する情報や、設備の保守に関する情報等が格納される。
セキュリティフッタには、電子署名データ又はMAC(Message Authentication Code)等が格納される。
さらに、通信制御部23は、同じ機器IDが格納された送信パケットを新たに受信し、データ領域に格納されている各種情報を取得すると、その機器IDについて記憶している送信時刻情報を、新たに受信した送信パケットに格納されている送信時刻情報に更新する機能を有している。
通信制御部23は、記憶部に記憶している送信時刻情報と、取得した送信時刻情報とを比較し、取得した送信時刻情報が示す時刻が、記憶している送信時刻情報が示す時刻から進んでいるかどうかの判定をし、妥当性を判定する。
すなわち、通信制御部23は、受信した送信パケットに格納されている送信時刻情報と、自機2の計時部24が計時する時刻とを比較し、両時刻の時間差が許容誤差範囲外であれば、その受信した送信パケットをリプレイ攻撃目的のパケットであると判定し、この送信パケットを破棄する。
一方、両時刻の時間差が許容誤差範囲内である場合、通信制御部23は、その受信した送信パケットをリプレイ攻撃目的のパケットでないと判定し、この送信パケットのデータ領域に格納されている各種情報を取得する。
このため、通信制御部23は、受信した送信パケットに格納されている送信時刻情報と、自機の計時部24が計時する時刻とを比較しているが、自機が計時する時刻と、送信時刻情報が示す時刻とは、大きくずれた時刻となることはない。
通信制御部23は、受信した送信パケットの送信時刻情報に関する判定について、第1防御機能及び第2防御機能の両方について行い、いずれか一方でリプレイ攻撃目的のパケットであると判定されればその送信パケットを破棄する。
これによって、通信制御部23は、受信した送信パケットに格納されている送信時刻情報が示す送信時刻の妥当性を判定し、その妥当性に基づいて、受信した送信パケットがリプレイ攻撃目的のパケットであるか否かを判定する。
本実施形態の路側通信機2の通信制御部23は、上述したように、原則として、送信パケットの送信時刻情報フィールドに、送信時刻情報を格納して当該送信パケットを送信する。
その一方、通信制御部23は、計時部24による時刻の再設定の実行を含む所定の条件(第1条件)を満たすと、送信時刻情報に代えて、不定値を示す情報を送信時刻情報として送信時刻情報フィールドに格納する機能を有している。
通信制御部23は、図5に示す選択処理を随時実行し、そのときに送信すべき送信パケットの送信時刻情報フィールドに格納する情報の選択を行う。
ステップS1において、計時部24が起動又は再起動された直後であると判定すると、通信制御部23は、ステップS2に進み、送信時刻情報フィールドに格納する情報として不定値情報を選択し(ステップS2)、ステップS1に戻る。
また、再起動とは、少なくとも計時部24が計時をしているときにリセットスイッチ等を操作することによって、計時部24の計時を一時的に停止させた後すぐに計時を再開させる場合(リセット)をいう。
よって、計時部24が起動又は再起動した後、時刻の再設定が最初に実行されるまでは、通信制御部23は、送信時刻情報フィールドに格納する情報として不定値情報を選択する。
ステップS4において、不定値情報が選択されていると判定すると、通信制御部23は、ステップS5に進み、送信時刻情報フィールドに格納する情報として送信時刻情報を選択し(ステップS5)、ステップS1に戻る。
ステップS6において、通信制御部23は、例えば、計時部24が時刻の再設定を実行する直前に出力した時刻値(再設定前時刻値)と、時刻の再設定を実行した直後に出力した時刻値(再設定後時刻値)との時間差の絶対値を時間差ΔTとして求める。
また、閾値Thは、再設定前時刻値よりも、再設定後時刻値の方が進んでいる時刻値の場合に、その時間差ΔTが妥当であると判断できる値の上限値に設定されている。
一方、ステップS6において、時間差ΔTが閾値Thより大きくない(閾値Th以下)である場合、通信制御部23は、ステップS7に進み、再設定後時刻が再設定前時刻と同じ時刻であるか、又は再設定後時刻値が再設定前時刻値よりも過去の時刻であるかを判定する(ステップS7)。
次いで、通信制御部23は、ステップS9に進み、計時部24による再設定直前の時刻値である再設定前時刻値と、計時部24が出力している時刻値とを比較し、計時部24が計時している時刻が再設定前時刻値よりも進んだ時刻となっているか否かを判定する(ステップS9)。
次に、本実施形態の路側通信機2が送信パケットを送信する際の具体的な態様について説明する。
図6は、第1実施形態に係る路側通信機2が送信パケットを他の路側通信機2に送信する際の態様の一例を示すシーケンス図である。
図6では、継続的に動作している路側通信機2がリセットされ、再起動した場合について示している。
図6においては、送信パケットを送信する路側通信機2を第1路側通信機、送信パケットを受信する他の通信機としての路側通信機2を第2路側通信機と示している。
また、送信パケットを示す矢印の上側には、対応する送信パケットの送信時刻情報フィールドに格納されている情報を示している。
通信制御部23は、送信時刻情報を送信パケットに含め、当該送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS102)。
よって、通信制御部23は、計時部24が出力する時刻値に関係なく、図6中、ステップS105に示すように、不定値情報を送信時刻情報フィールドに格納し、不定値情報を含んだ送信パケットを送信する(ステップS105)。
送信時刻情報フィールドに格納される、日付及び時刻を表す値は、16進数を用いて10進数で表したときの日付及び時刻の値を表している。例えば、2015年8月10日15時00分00秒0という日時を、日付及び時刻の値で示す場合、「20 15 08 10 15 00 00 00h」となる。
つまり、送信時刻情報は、その送信パケットの送信時刻(日時)を示す情報であり、上記のように、日付及び時刻を表す値として送信時刻情報フィールドに格納される。
つまり、本実施形態の路側通信機は、送信パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を送信パケットに確保された領域である送信時刻情報フィールドに格納し、送信時刻情報を当該送信パケットに含めて送信する通信制御部23を備えており、この通信制御部23は、第1路側通信機がリセットされ再起動したこと、及び、計時部24による時刻の再設定の実行を条件として含む第1条件を満たすと、送信時刻情報に代えて送信パケットの送信時刻以外を示す情報(不定値情報)を送信時刻情報フィールドに格納し、不定値情報を送信時刻情報として送信パケットに含める。
これによって、リプレイ攻撃目的のパケットであるか否かを送信時刻情報に基づいて判定する他の通信機である第2路側通信機に対して、当該送信パケットを送信したとしても、第2路側通信機には再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が与えられず、第2路側通信機は少なくとも再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報によって送信パケットがリプレイ攻撃目的であると判定することはない。
第2路側通信機は、このような送信時刻情報を、再設定前の時刻に基づいた送信時刻情報に対して妥当性の低いものと判定し、送信パケットをリプレイ攻撃目的のパケットであると判定し、破棄する可能性がある。
つまり、通信制御部23は、送信時刻情報フィールドに不定値情報が格納された送信パケットの送信を継続する。
計時部24は、この中央装置からの時刻情報が与えられると、この時刻情報に基づいて、時刻の再設定を実行する(ステップS109)。
計時部24は、ステップS109によって時刻が再設定されると、再設定後の時刻値「2015,08,10,15:30:00.0」を出力し(ステップS110)、計時する時刻を示す時刻値を順次0.1秒ごとに出力する。
通信制御部23は、上記送信時刻を示す送信時刻情報を格納した送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS111)。
図7では、路側通信機2が中央装置4から時刻情報を受信し、計時部24が時刻の再設定を実行した場合について示している。
なお、図7では、時刻値における年月日を省略して示している。
通信制御部23は、この送信時刻情報を送信パケットに含め、当該送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS122)。
計時部24は、この中央装置からの時刻情報が与えられると、この時刻情報に基づいて、時刻の再設定を実行する(ステップS126)。
計時部24は、図7中、ステップS126において時刻を再設定すると、再設定後の時刻値「14:59:00.0」を出力し(ステップS127)、計時する時刻を示す時刻値を順次0.1秒ごとに出力する。
ここでは、計時部24が時刻の再設定直前に出力した再設定前時刻値がステップS121において出力される時刻値「15:00:00.0」であるとし、時刻の再設定直後に計時し出力した再設定後時刻値がステップS127において出力される時刻値「14:59:00.0」であるとする。
ここで、時間差ΔTに対する閾値Thが、60秒より大きい値に設定されているとすると(図5中、ステップS6)、通信制御部23は、再設定後時刻値と再設定前時刻値との比較を行う(図5中、ステップS7)。
ここでは、再設定後時刻値と、再設定前時刻値とは同じ時刻値ではないが、再設定後時刻値(14時59分00秒0)が再設定前時刻値(15時00分00秒0)よりも過去の時刻値であるので、通信制御部23は、送信時刻情報フィールドに格納する情報として不定値情報を選択する(図5中、ステップS7、S8)。
これに対して、通信制御部23は、計時部24による時刻の再設定の実行(図5中、ステップS3)と、再設定後の時刻が再設定前時刻値よりも過去の時刻となるように時刻が設定される(図5中、ステップS7)という条件を含む第1条件を満たすと、不定値情報を送信時刻情報に代えて送信パケットに含め、再設定後の時刻に基づいた送信時刻情報が送信パケットに含められるのを防止するので、送信パケットを受信した第2路側通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
つまり、ステップS126での再設定後、計時部24が出力する時刻値が「15:00:00.0」(15時00分00秒0)となるステップS129まで、この間に送信される送信パケットの送信時刻情報フィールドには、不定値情報が格納される(ステップS130)。
よって、通信制御部23は、ステップS131で出力される時刻値「15:00:00.1」を送信時刻とした送信時刻情報を、この送信時刻に対応して送信される送信パケットに格納する。
通信制御部23は、上記送信時刻を示す送信時刻情報を格納した送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS132)。
一方、ステップS126における時刻の再設定後において求めた再設定前後の時刻値の時間差ΔTが、閾値Thより大きい場合、通信制御部23は、送信時刻情報が示す内容として不定値を選択する(図5中、ステップS2、S6)。
図8は、第2実施形態に係る路側通信機2が送信パケットを他の路側通信機2に送信する際の態様を示すシーケンス図である。
図8では、路側通信機2が中央装置4から時刻情報を受信し、計時部24が時刻の再設定を実行した場合について示している。
なお、図8では、時刻値における年月日を省略して示している。
ここでは、再設定後時刻値と、再設定前時刻値とは同じ時刻値ではないが、再設定後時刻値(14時59分00秒0)が再設定前時刻値(15時00分00秒0)よりも過去の時刻となっている。
この場合、本実施形態の通信制御部23は、送信時刻情報が示す内容として再設定前時刻値に基づいた模擬送信時刻を生成し、この模擬送信時刻を示す模擬送信時刻情報を生成する。
例えば、本実施形態では、通信制御部23は、1000分の1秒間隔で値を順次増加させた模擬送信時刻を生成する。
通信制御部23は、この模擬送信時刻を示す模擬送信時刻情報を送信時刻情報として送信パケットの送信時刻情報フィールドに格納し、当該送信パケットを送信する。
通信制御部23は、模擬送信時刻を示す模擬送信時刻情報を送信パケットに格納し、当該送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS228)。
なお、模擬送信時刻は、あくまで模擬的な送信時刻であり、実際の時間間隔に対応させる必要はない。
つまり、ステップS226での再設定後、計時部24が出力する時刻値が15時00分00秒0となるステップS231まで、この間に送信される送信パケットには模擬送信時刻情報が格納される。
よって、通信制御部23は、ステップS233で出力される時刻値「15:00:00.1」を送信時刻とした送信時刻情報を、この送信時刻に対応して送信される送信パケットに格納する。
通信制御部23は、上記送信時刻を示す送信時刻情報を格納した送信パケットを第2路側通信機に送信する(ステップS234)。
図9は、第3実施形態に係る路側通信機2が送信パケットを他の路側通信機2に送信する際の態様を示すシーケンス図である。
図9では、継続的に動作している路側通信機2がリセットされ、再起動した場合について示している。
図9中、ステップS301からS305は、図6中、ステップS101からS105と同様の処理であり、図9中、ステップS309からS313は、図6中、ステップS107からS111と同様の処理である。
これを受信した中央装置4は、第1路側通信機が時刻情報を受信していないことを認識し、時刻情報を第1路側通信機に向けて送信する。
この結果、第1路側通信機の通信制御部23は、中央装置4からの時刻情報を受信し(ステップS309)、計時部24に与える(ステップS310)。計時部24は、この時刻情報に基づいて、時刻の再設定を実行する(ステップS311)。
図10は、第4実施形態に係る路側通信機2が送信パケットを他の路側通信機2に送信する際の態様を示すシーケンス図である。
図10では、継続的に動作している路側通信機2がリセットされ、再起動した場合について示している。
図10中、ステップS401からS405は、図6中、ステップS101からS105と同様の処理であり、図10中、ステップS409からS411は、図6中、ステップS109からS111と同様の処理である。
通信制御部23は、送信パケットの送信時刻から現在の時刻の推定時刻を求め、この推定時刻を時刻情報として計時部24に与える(ステップS408)。
計時部24は、この推定時刻を表す時刻情報に基づいて、時刻の再設定を実行する(ステップS409)。
図11は、第5実施形態に係る路側通信機2の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、本実施形態の路側通信機2は、GPS受信機31をさらに備えており、GPS衛星からGPS信号として送信される時刻情報を取得することができる。
なお、このGPS衛星から送信される時刻情報は、本システムに属さない外部装置から得られる外部時刻を示す外部時刻情報である。
つまり、外部時刻とは、GPS衛星等、本システムに属さない外部装置が計時する時刻をいう。
GPS受信機31は、外部装置であるGPS衛星からGPS信号として送信される、外部時刻を示す外部時刻情報を取得することができる。
図12では、継続的に動作している路側通信機2がリセットされ、再起動した場合について示している。
図12中、ステップS501からS505は、図6中、ステップS101からS105と同様の処理であり、図12中、ステップS508からS511は、図6中、ステップS108からS111と同様の処理である。
通信制御部23は、外部時刻情報に基づいて時刻情報を生成し、計時部24に与える(ステップS508)。
計時部24は、この時刻情報に基づいて、時刻の再設定を実行する(ステップS509)。
なお、上記第1実施形態では、計時部24による時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、通信制御部23が、送信時刻情報に代えて、不定値情報を送信パケットに含めるように構成した場合を例示したが、上記第1条件を満たすと、送信パケットの信頼性が低いことを示す情報を当該送信パケットに含めて送信するように構成してもよい。
この場合、計時部24が時刻を再設定すれば、計時部24が出力する時刻値の信頼性が低下することがある。よって、通信制御部23は、送信時刻情報の信頼性が低いことを示す情報をパケットに含める。これによって、第2路側通信機に対して当該送信パケットを送信したとしても、送信時刻情報の信頼性が低いことを示す情報がパケットに含まれていれば、第2路側通信機がこの送信時刻情報に基づいて判定するのを中止させることができる。この結果、パケットを受信した他の通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
この場合、少なくとも、再設定後時刻値が再設定前時刻値と同じ又はより過去の時刻となる場合に、通信制御部23に、不定値情報を送信時刻情報としてパケットに含めさせることができ、送信パケットを受信した第2路側通信機が誤ってリプレイ攻撃と判定してしまうのを抑制することができる。
これに対して、計時部24が、自己が時刻の再設定を行ったときに、時刻に代えて、不定値や、模擬時刻を出力するようにしてもよい。
この場合、通信制御部23が実行する不定値情報や模擬送信時刻情報を送信パケットに格納する処理を、計時部24に実行させることができる。
この場合、例えば、基準時刻を2010年1月1日0時0分0.00秒とし、送信時刻情報フィールドに格納される値によって、100分の1秒単位で積算する。このとき、送信時刻情報フィールドに「00 00 00 00 00 00 00 11h」と格納されれば、時間の積算値は、0.17秒であり、2010年1月1日0時0分0.17秒を表す。
例えば、上記のように、基準時刻を2010年1月1日0時0分0.00秒とし、2015年1月1日0時0分0.00秒を表す値「00 00 00 03 AB D8 96 00h」以上の値を有効な値の範囲に設定し、この値より小さい値については無効な値に設定する。
その上で、不定値情報として、「00 00 00 00 00 00 00 11h」と設定することができる。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機
3,3A,3B,3C 車載通信機
4 中央装置
5 車両
6 路側センサ
7 有線通信回線
8 ルータ
20 アンテナ
21 無線通信部
22 有線通信部
23 通信制御部
24 計時部
25 通信処理装置
27 アンテナ
28 無線通信部
29 通信処理装置
30 タイムスロット
31 GPS受信機
A1〜A5 交差点
B1〜B5 交差点
C1〜C5 交差点
D1〜D5 交差点
Claims (14)
- パケットを送信する無線通信機であって、
時刻を計時する計時部と、
前記計時部が計時する時刻に基づいて生成される情報である、前記パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を、前記パケットに含めて送信する通信制御部と、を備え、
前記計時部は、当該計時部が計時する前記時刻を再設定可能であり、
前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、前記パケットの送信時刻以外を示す情報を前記送信時刻情報として前記パケットに含める
無線通信機。 - 前記第1条件は、再設定後の時刻が再設定直前の時刻値よりも過去の時刻となるように前記時刻が設定されることをさらに含んでいる請求項1に記載の無線通信機。
- 前記第1条件は、再設定前後の時刻値の時間差が所定値より大きいことをさらに含んでいる請求項1に記載の無線通信機。
- 前記計時部は、前記時刻を再設定するために用いる再設定時刻情報が、前記無線装置を管理する管理装置から与えられると、前記再設定時刻情報に基づいて前記時刻の再設定を実行する請求項1から請求項3にいずれか一項に記載の無線通信機。
- 前記計時部は、前記時刻の計時を停止した後、再度計時を開始する際、予め設定された初期時刻値から計時を開始することで前記時刻の再設定を実行する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線通信機。
- 前記通信制御部は、所定の第2条件を満たすまで、前記パケットの送信時刻以外を示す情報を前記送信時刻情報として前記パケットに含める請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線通信機。
- 前記第2条件は、再設定した後に前記計時部により計時される前記時刻が、再設定直前の時刻値よりも進んだ時刻となることを含む請求項6に記載の無線通信機。
- 前記第2条件は、前記計時部が前記時刻を再設定するために用いる再設定時刻情報を、前記無線装置を管理する管理装置から取得することを含む請求項6に記載の無線通信機。
- 前記第2条件は、前記計時部が前記時刻を再設定するために用いる再設定時刻情報を、他の無線通信機が計時した時刻を示す情報に基づいて取得することを含む請求項6に記載の無線通信機。
- 外部時刻を示す外部時刻情報を取得する取得部をさらに備え、
前記第2条件は、前記取得部が前記外部時刻情報を取得することを含む請求項6に記載の無線通信機。 - 前記通信制御部は、前記計時部が前記時刻の再設定を実行した後、前記無線装置を管理する管理装置から前記時刻を再設定するために用いる再設定時刻情報を受信していない旨の通知、及び前記再設定時刻情報を要求する旨の通知の内の少なくとも一方を、前記管理装置及び前記他の無線通信機の少なくともいずれか一方に向けて送信する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の無線通信装置。
- パケットを送信する無線通信機であって、
時刻を計時する計時部と、
前記計時部が計時する時刻に基づいて生成される情報である、前記パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を、前記パケットに含めて送信する通信制御部と、を備え、
前記計時部は、当該計時部が計時する前記時刻を再設定可能であり、
前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、前記送信時刻情報の信頼性が低いことを示す情報を前記パケットに含める
無線通信機。 - パケットを送信する無線通信機であって、
時刻を計時する計時部と、
前記計時部が計時する時刻に基づいて生成される情報である、前記パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を、前記パケットに含めて送信する通信制御部と、を備え、
前記計時部は、当該計時部が計時する前記時刻を再設定可能であり、
前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、再設定直前の時刻値に基づいた模擬送信時刻を示す情報を前記送信時刻情報として前記パケットに含める
無線通信機。 - パケットを送信する無線通信機に用いられる制御装置であって、
時刻を計時する計時部と、
前記計時部が計時する時刻に基づいて生成される情報である、前記パケットの送信時刻を示す送信時刻情報を、前記パケットに含めて送信する通信制御部と、を備え、
前記計時部は、当該計時部が計時する前記時刻を再設定可能であり、
前記通信制御部は、前記計時部による前記時刻の再設定の実行を条件として含む所定の第1条件を満たすと、前記パケットの送信時刻以外を示す情報を前記送信時刻情報として前記パケットに含める
制御装置。
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