JP6707413B2 - 無線機、路側通信機、判定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
このような高度道路交通システムのための通信方式やセキュリティについては、標準規格及びガイドラインが制定されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
リプレイ攻撃とは、下記非特許文献2に記載されているように、以前に送信された情報を再利用して送信し、路側通信機や車載通信機になりすまして、誤った情報を配信することでシステムに混乱を生じさせるといった攻撃のことである。
通信処理部は、通信パケットに送信日時情報を付加した後、所定周期で設けられた送信期間で通信パケットの送信を行う。
送信制御を行うレイヤでは、送信日時情報に関係なく、与えられた通信パケットを送信する。
このため、送信日時情報が付加された通信パケットが送信制御を行うレイヤに与えられるまでの間に、一の通信パケットに遅延が生じた場合、当該一の通信パケットよりも後に送信日時情報が付加された後の通信パケットの方が先に送信制御を行うレイヤに与えられてしまうことがある。
このとき、後の通信パケットの送信日時情報は、一の通信パケットの送信日時情報よりも進んだ時刻を示している。
よって、一の通信パケット及び後の通信パケットを受信した路側通信機は、一の通信パケットがリプレイ攻撃であると判定してしまうおそれがある。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である無線機は、送信日時情報が付加された路路間通信パケットを送信するとともに送信日時情報が付加された路車間通信パケットを送信する路側通信機との間で無線通信する無線機であって、前記路路間通信パケット及び前記路車間通信パケットを受信パケットとして受信する無線通信部と、前記受信パケットに含まれている、送信元の通信機を示す識別情報と、前記送信日時情報とに基づいて前記受信パケットによりリプレイ攻撃されたか否かを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記リプレイ攻撃の判定を行うために前記送信日時情報と比較される参照日時情報を、前記受信パケットに含まれている、前記受信パケットが前記路路間通信パケットか前記路車間通信パケットかを判別するための判別情報を用いて定める。
よって、判定部は、受信パケットを判定する際に、同じ通信種別のパケットから得た送信日時情報を参照日時情報と定めることができ、同じ通信種別同士で送信日時情報を比較することができる。
この結果、仮に路路間通信パケットの送信タイミングに遅延が生じることで、路路間通信パケットと、路車間通信パケットとの間における送信日時の関係と、実際の送信タイミングとの関係に齟齬が生じたとしても、判定部は、路路間通信パケット同士で送信日時を比較する。これにより、路路間通信パケットの送信タイミングの遅延に関係なく、適切にリプレイ攻撃の判定を行うことができる。
この場合、アプリケーションに負荷を与えることなく判別情報を取得できる。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔通信システムの構成について〕
図1は、実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機(移動通信機)3、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1に準拠する。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1および路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機3は、キャリアセンス方式で路側通信機2との間で無線通信(車路間通信)を行うとともに、他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
また、路車間通信とは、路側通信機2と車載通信機3との間で行われる通信であり、路側通信機2が車載通信機3に向けて通信パケット(路車間通信情報)をブロードキャスト送信することによって行われる。
また、車車間通信とは、車載通信機3同士で行われる通信であり、キャリアセンス方式によって通信パケット(車車間通信情報)を送信することによって行われる。
また、車路間通信とは、車載通信機3と路側通信機2との間で行われる通信であり、車載通信機3が路側通信機2に向けてキャリアセンス方式で通信パケット(車路間通信情報)を送信することによって行われる。
路側通信機2は、図2に示すように、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信の制御に関する処理を行う通信処理装置23とを備えている。
通信処理装置23は、無線通信部21を制御するとともに、無線通信及び有線通信の通信に関する処理を行う機能を有している。これにより通信処理装置23は、路車もしくは車路間通信や、路路間通信を行うとともに、有線通信回線7を介して中央装置4との間で有線通信を行う。
通信処理装置29は、路側通信機2の通信処理装置23と同様の構成であり、無線通信部28を制御するとともに、無線通信に関する機能を有している。これにより通信処理装置29は、車車間通信や路車間通信を行う。また、通信処理装置29は、記憶部(図示省略)を備えており、車車間通信や、路車間通信のために必要な情報や、後述する各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
図3(a)に示すように、無線フレーム(スーパーフレーム)は、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100ミリ秒に設定されている。また、無線フレームは、時間軸方向に並べて配置されている。つまり、無線フレームは、1秒間に10フレーム配置される。
無線フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示せず)によって受信したGPS信号から得られる1PPS(One Pulse Per Second)信号(1秒周期の信号)に基づいて設定される。
タイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられる通信用のタイムスロット(路側機通信期間)であり、タイムスロット30のいずれかに送信期間が割り当てられている路側通信機2は、その割り当てられているタイムスロット30内に、当該路側通信機2が無線送信する送信期間を設定する。タイムスロット30は、一つの無線フレーム(100ミリ秒)内に最大16個まで設定可能である。
各路側通信機2は、割り当てられたタイムスロット30で定まる送信期間で無線送信を行う。
路側通信機2のアプリケーションが生成するアプリケーションデータには、本システムが車載通信機3に対して提供する安全運転支援等に関する路車間通信情報や、他の路側通信機2に対して提供される本システムの管理等に関する路路間通信情報が含まれている。
路側通信機2は、路車間通信情報を格納した通信パケットである路車間通信パケットと、路路間通信情報を格納した通信パケットである路路間通信パケットとを送信する。
上述のように、路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間が、車載通信機3によるキャリアセンス方式の無線送信用として割り当てられる。つまり、全てのタイムスロット30が路側通信機2に割り当てられている図3(c)の場合、各タイムスロット30に対応する期間が送信禁止期間となっている。
車載通信機3は、これら送信禁止期間以外の期間において、キャリアセンス方式で無線送信を行う。
この通信パケットは、路側通信機2が路路間通信又は路車間通信によって他の路側通信機2又は車載通信機3へ向けて各種情報を格納し送信するためのものである。通信パケットは、アプリケーションデータをパケット化することによって生成される。
路車間通信に用いる通信パケットの場合、データ領域には、車載通信機3に向けたサービスに関する情報がアプリケーションデータとして格納される。
また、路路間通信に用いる通信パケットの場合、データ領域には、路路間通信において共有されるサービスに関する情報や、設備の保守に関する情報等がアプリケーションデータとして格納される。
鍵IDは、通信鍵を識別し選択するための情報である。通信鍵は、路路間通信及び路車間通信といった通信種別に応じて異なる鍵が用いられる。よって、通信鍵の鍵IDを参照することで、通信パケットの通信種別(送信カテゴリ)を判定することができる。
送信日時情報は、送信元である路側通信機2が当該通信パケットを送信するときの送信日時を示す情報である。
また、機器IDとして、路側通信機や、一般車両の車載通信機、優先車両の車載通信機等、当該パケットの送信元である通信機の種別情報が格納されることがある。
非特許文献1に規定されるプロトコルスタックは、レイヤ1(L1,物理層:Physical Layer)、レイヤ2(L2,データリンク層:Data Link Layer)、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層:Inter−Vehicle Communication − Road to Vehicle Communication Layer)及びレイヤ7(L7,アプリケーション層:Application Layer)の4構造である。各層及びアプリケーションAPは、システム管理のための情報を有するシステム管理にアクセスすることができる。
レイヤ2は、MAC副層(Medium Access Control sublayer)と、LLC副層(Logical Link Control sublayer)と、から構成される。MAC副層は、無線チャネルの通信管理として、フレーム制御及び同報通信(ブロードキャスト)を行う。LLC副層は、上位層のエンティティ間でパケット伝送を行うために、確認なしコネクションレス型通信のサービスを提供する。
より具体的に、IVC−RVC層は、送信元の識別情報や、同期制御情報、通信パケットを送信する際の無線フレームにおけるタイムスロットの期間長に関する送信設定値に関する情報(送信設定値情報)をアプリケーションデータに付加する。
アプリケーションAPは、車両情報や、サービス支援情報、信号情報などのアプリケーションデータに対する処理を行う機能を有している。アプリケーションAPは、他の通信機に送信するアプリケーションデータをレイヤ7に与えるとともに、受信した通信パケットに格納されていたアプリケーションデータをレイヤ7から取得する。
拡張層ELは、レイヤ7とともに、セキュリティ管理SECにアクセスすることができる。
受信側の通信機2,3の拡張層ELには、セキュリティヘッダ及びセキュリティフッタが付加されるとともに暗号化されたアプリケーションデータが、下位レイヤ(レイヤ7)から与えられる。アプリケーションデータが与えられると、拡張層ELは、このアプリケーションデータをセキュリティ管理SECに与える。セキュリティ管理SECは、与えられたアプリケーションデータに対して復号等のセキュリティ処理を行う。セキュリティ管理SECは、セキュリティ処理を施したアプリケーションデータを拡張層ELに与える。拡張層ELは、このアプリケーションデータをアプリケーションAPに与える。
セキュリティ管理SECは、与えられたアプリケーションデータに対して暗号化等のセキュリティ処理を行う。
さらに、セキュリティ管理SECは、セキュリティヘッダ及びセキュリティフッタをアプリケーションデータに付加する(図4)。つまり、セキュリティ管理SECは、機器ID、鍵ID、及び送信日時情報を通信パケットに付加する。
次いでアプリケーションデータは、IVC−RVC層に与えられ、IVC−RVC層によって送信設定値情報が通信ヘッダに付加される。その後、アプリケーションデータは、レイヤ2に与えられてパケット化され、通信パケットとされる。さらに、この通信パケットは、レイヤ1に与えられて無線送信される。
図6は、路側通信機2の通信処理装置23が有している機能の一部を示したブロック図である。
通信処理装置23は、上述のアプリケーション部31と、通信処理部32とを備えている。また、通信処理部32は、判定部36と、記憶部38とを機能的に備えている。
記憶部38は、自路側通信機2が受信した通信パケットの受信記録を登録するための受信記録テーブルを記憶している。この受信記録テーブルは、判定部36により行われるリプレイ攻撃の判定処理に用いられる。
まず、判定部36は、通信パケットを受信したか否かを判定する(ステップS1)。通信パケットを受信していないと判定すると、判定部36は、再度ステップS1に戻る。これにより、判定部36は、通信パケットを受信するまで、ステップS1の判定を繰り返す。
さらに判定部36は、受信した通信パケットが路路間通信パケットであるか否かを判定する(ステップS2)。
判定部36は、受信した通信パケットの通信鍵の鍵IDを参照することで、路路間通信パケットか否かを判定する。
判定部36は、予め通信種別と鍵IDとを対応付けて記憶している。このため、判定部36は、通信鍵の鍵IDを参照することで、通信パケットの通信種別を判定することができる。
すなわち、受信した通信パケットが路路間通信パケットであると判定すると、判定部36は、ステップS3に進み、記憶部38に記憶された受信記録テーブルを参照し、路路間通信パケットの受信記録の中に、受信した通信パケットの機器IDと同じ機器IDが有るか否かを判定する(ステップS3)。
また、判定部36は、前記参照日時情報を、受信した通信パケットに含まれている、当該通信パケットが路路間通信パケットか路車間通信パケットかを判別するための判別情報としての通信鍵の鍵IDを用いて定める。
上記の場合、今回受信した通信パケットは、リプレイ攻撃の可能性が高い。よって、判定部36は、今回受信した通信パケットをリプレイ攻撃と判定する。
この場合、今回受信した通信パケットは、リプレイ攻撃の可能性が低い。よって、判定部36は、今回受信した通信パケットをリプレイ攻撃ではないと判定する。
図8は、路側通信機2が通信パケットを送信する際の通信処理を示す図である。図中横軸は時間を示している。図8は、送信側の路側通信機2から受信側の路側通信機2へ通信パケットを送信する際の処理を示している。
図8中、縦軸方向は、送信側の路側通信機2における処理を示しており、処理に沿って行われる上位層から下位層へのデータの受け渡しの態様を示している。図8では、上段にアプリケーション部31(アプリ)、下段に通信処理部32を示している。
また、アプリケーション部31及び通信処理部32は、例えば、所定の制御周期に従ってアプリケーションデータに対する処理を行うように構成されている。この制御周期は、例えば、本システムの無線フレームの期間に対応している。
路車間通信データ1が与えられた通信処理部32は、セキュリティ処理等の無線送信に必要な処理を開始する。この無線送信に必要な処理は、拡張層ELやレイヤ7、IVC−RVC層、セキュリティ管理SEC、システム管理によって行われる。
無線送信に必要な処理には、路車間通信データ1に送信日時を示す情報である送信日時情報を付加する処理が含まれている。
通信処理部32は、この無線送信に必要な処理を制御周期1内で終える。なお、図8中、通信処理部の段は、上段が無線送信に必要な処理(セキュリティ等)、下段がMAC副層における処理(MAC)と2つに分かれており、さらに無線送信に必要な処理の段は、上段が処理の開始、下段が処理の終了の2つに分かれている。
また、通信処理部32のMAC副層は、IVC−RVC層により通信ヘッダに付加される路車間通信データ1の送信設定値情報を参照する。
MAC副層は、参照した送信設定値情報に基づいて、通信パケットの送信制御を行う。
通信処理部32のMAC副層は、路車間通信データ1をパケット化した路車間通信データ1の通信パケットに対して、次の制御周期2に設定された路車間通信用タイムスロット301を割り当て、路車間通信データ1の通信パケットが路車間通信用タイムスロット301で無線送信されるようにレイヤ1に与える。
次いで、通信処理部32のレイヤ1は、路車間通信データ1の通信パケットを、制御周期2の路車間通信用タイムスロット301で無線送信する。
よって、ある制御周期に与えられたアプリケーションデータについて無線送信に必要な処理を終えることができず、例えば、次の制御周期内に無線送信に必要な処理が終れば、通信処理部32は、さらに次の制御周期に設定されたタイムスロットを用いて無線送信する。
よって、MAC副層は、路路間通信の通信パケットの送信については、送信日時情報が付加された路路間通信の通信パケットを上位レイヤから与えられた順番で順次送信する。
また、MAC副層は、路車間通信の通信パケットの送信については、送信日時情報が付加された路車間通信の通信パケットを上位レイヤから与えられた順番で順次送信する。
その後、通信処理部32は、路路間通信データ1に対する無線送信に必要な処理が制御周期1内では終了せず、遅延が生じたことにより制御周期2内で終了したとする。
このように、通信パケットの無線送信のタイミングは、無線送信に必要な処理が終了するタイミングによっては、制御周期(無線フレーム)単位で遅延することがある。
図8に示すように、通信処理部32は、路車間通信データ2に対する無線送信に必要な処理を制御周期2内で終えたとする。この場合、通信処理部32は、制御周期3に設定された路車間通信用タイムスロット301を用い、路車間通信データ2が格納された路車間通信データ2の通信パケットを送信する。
この場合、同じ路側通信機2から送信された通信パケットにも関わらす、後から送られてきた路路間通信データ1の通信パケットの送信日時情報の方が、先に送られてきた路車間通信データ2の通信パケットの送信日時情報よりも遅れた時刻(過去の時刻)を示しているため、妥当性に欠ける。よって、他の路側通信機2は、路路間通信データ1の通信パケットがリプレイ攻撃ではないにも関わらず、リプレイ攻撃であると判定してしまう。
よって、判定部36は、通信パケットを判定する際に、同じ通信種別のパケット同士である路路間通信パケット同士で送信日時情報を比較することができる。
よって、同じ通信種別同士の通信パケット同士で送信日時情報を比較すれば、同じ通信種別同士の通信パケット内においては、MAC副層は、送信日時情報が示す時刻順に通信パケットを送信する。
このように、本実施形態の判定部36は、路路間通信パケットの判定において、制御周期3において送信された路車間通信データ2の通信パケットの送信日時情報を用いない。
これにより、路路間通信パケットの送信タイミングに遅延が生じたとしても、正常な通信パケットを誤ってリプレイ攻撃と判定するのを防止でき、適切にリプレイ攻撃の判定を行うことができる。
通信種別情報は、当該通信種別情報を含む通信パケットの通信形態が、車車間通信であるのか、路車間通信であるのか、路路間通信であるのかを識別する情報である。
また、サービス情報は、当該通信パケットに格納されているアプリケーションデータによって提供されるサービスが、どのような通信形態において提供されるサービスであるのかを示す情報であり、通信種別情報と同様に、車車間通信であるのか、路車間通信であるのか、路路間通信であるのかを識別することができる。
また、鍵ID、通信種別情報、及びサービス情報の内、少なくとも2つの情報を併用し、判別情報として用いてもよい。
図10は、他の実施形態に係る路側通信機2の通信処理部32が実行する路路間通信パケットの送信処理を示すフローチャートである。
まず、通信処理部32は、アプリケーション部31からのアプリケーションデータである路路間通信データを取得したか否かを判定する(ステップS11)。
アプリケーション部31からの路路間通信データを取得したと判定すると、通信処理部32は、取得した路路間通信データに送信日時情報を付加し(ステップS12)、無線送信に必要な処理を実行する(ステップS13)。なお、無線送信に必要な処理とは、拡張層ELやレイヤ7、IVC−RVC層、セキュリティ管理SEC、システム管理によって行われる処理である。
無線送信に必要な処理が終了すると、通信処理部32のMAC副層は、路路間通信データをパケット化し、路路間通信パケットを生成する。これにより、路路間通信パケットが送信可能となる。
つまり、通信処理部32は、路路間通信パケットが送信可能となってから少なくとも1無線フレーム以上の期間をおいてから送信されるように制御されることによって、路路間通信パケットの送信タイミングに遅延が生じるか否かを判定する。
よって、本実施形態の路側通信機2のように、通信パケットの送信タイミングに遅延が生じると、送信日時を示す送信日時情報に代えて不定値を示す送信日時情報を、送信タイミングに遅延が生じた通信パケットに格納するので、送信タイミングに遅延が生じた通信パケットがリプレイ攻撃と判定されることはない。
この結果、送信タイミングに遅延が生じた通信パケットが誤ってリプレイ攻撃と判定されるのを防止することができる。
なお、上記各実施形態では、判定部36が路路間通信パケットがリプレイ攻撃であるか否かの判定を行う場合を例示したが、路側通信機2が受信する他の路側通信機2の路車間通信パケットがリプレイ攻撃であるか否かの判定を行ってもよい。
この場合、図7中のステップS2において受信した通信パケットが路路間通信パケットでないと判定する場合において、受信した通信パケットがリプレイ攻撃であるか否かの判定を判定部36に行わせてもよい。
ステップS2において受信した通信パケットが路路間通信パケットでないと判定する場合、受信した通信パケットは路車間通信パケットである。よって、判定部36に路車間通信パケットの判定を行わせることができる。
さらにこの場合、図7中のステップS3をステップS2よりも先に実行するように構成してもよい。なお、この場合、ステップS3では、通信パケットが路路間通信及び路車間通信を問わず、受信記録に機器IDが登録されているか否かを判定する。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機
3 車載通信機
4 中央装置
5 車両
6 路側センサ
7 有線通信回線
8 ルータ
20 アンテナ
21 無線通信部
22 有線通信部
23 通信処理装置
27 アンテナ
28 無線通信部
29 通信処理装置
30 タイムスロット
31 アプリケーション部
32 通信処理部
36 判定部
38 記憶部
301 路車間通信用タイムスロット
302 路路間通信用タイムスロット
J1〜J12 交差点
Claims (5)
- 送信日時情報が付加された路路間通信パケットを送信するとともに送信日時情報が付加された路車間通信パケットを送信する路側通信機との間で無線通信する無線機であって、
前記路路間通信パケット及び前記路車間通信パケットを受信パケットとして受信する無線通信部と、
前記受信パケットに含まれている、送信元の通信機を示す識別情報と、前記送信日時情報とに基づいて前記受信パケットによりリプレイ攻撃されたか否かを判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記リプレイ攻撃の判定を行うために前記送信日時情報と比較される参照日時情報を、前記受信パケットに含まれている、前記受信パケットが前記路路間通信パケットか前記路車間通信パケットかを判別するための判別情報を用いて定める
無線機。 - 前記受信パケットは、アプリケーションデータが格納されるフィールドと、無線通信のために必要な制御データが格納される制御フィールドと、を含み、
前記判別情報は、前記制御フィールドに格納されている
請求項1に記載の無線機。 - 請求項1又は請求項2に記載の無線機を備えた路側通信機。
- 送信日時情報が付加された路路間通信パケットを送信するとともに送信日時情報が付加された路車間通信パケットを送信する路側通信機から送信される前記路路間通信パケット及び前記路車間通信パケットを受信パケットとして受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した前記受信パケットに含まれている、送信元の通信機を示す識別情報と、前記送信日時情報とに基づいて前記受信パケットによりリプレイ攻撃されたか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記判定ステップは、前記リプレイ攻撃の判定を行うために前記送信日時情報と比較される参照日時情報を、前記受信パケットに含まれている、前記受信パケットが前記路路間通信パケットか前記路車間通信パケットかを判別するための判別情報を用いて定める
判定方法。 - 通信パケットがリプレイ攻撃であるか否かの判定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
送信日時情報が付加された路路間通信パケットを送信するとともに送信日時情報が付加された路車間通信パケットを送信する路側通信機から送信される前記路路間通信パケット及び前記路車間通信パケットを受信パケットとして受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した前記受信パケットに含まれている、送信元の通信機を示
す識別情報と、前記送信日時情報とに基づいて前記受信パケットによりリプレイ攻撃されたか否かを判定する判定ステップと、を実行させるコンピュータプログラムであり、
前記判定ステップは、前記リプレイ攻撃の判定を行うために前記送信日時情報と比較される参照日時情報を、前記受信パケットに含まれている、前記受信パケットが前記路路間通信パケットか前記路車間通信パケットかを判別するための判別情報を用いて定める
コンピュータプログラム。
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